JP6024146B2 - 保護マット - Google Patents

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Description

本発明は、生物分解性廃棄物や放射性汚染物など液状汚染物質の流出の可能性がある汚染物を一時あるいは長期保管・保存をする施設や現場において、汚染物質の拡散や漏洩を防ぐ保護機能を持つマットに関する。さらに詳しくは、液状汚染物を吸収するとともに外部流出を防止あるいは抑制したり、遮水工の一部として遮水シートを保護したり、場合によっては吸水により膨潤する高分子材料を使用することで漏水遅延材や遮水性材料としても機能することも可能な保護マットに関する。
各種処分場や不法投棄物からの環境汚染を防止するための遮水シートなどのクッション性のある保護材や衝撃緩衝材などとして、短繊維不織布や長繊維不織布あるいはベントナイトを複合したジオテキスタイルなどが用いられてきた(例えば、特許文献1、2参照)。
ベントナイト系材料は遮水シートの保護材としての機能だけでなく、汚染水の流出抑制の効果もあることから液状汚染物質の流出する可能性がある場合に好適に用いられてきた。しかしながら、目付が5kg/m以上の場合も多く、施工に重機が必要な場合も多かった。また、複数のシートの接合部は粒状物や半固形物を用いて人手作業により接合しており、施工に時間がかかるとともに、漏水機能に関しても完全な遮水性を目指すことは容易ではない。
短繊維不織布や長繊維不織布は、ベントナイトよりも軽量で取り扱いやすく厚みも比較的薄いことから、施工の工期短縮が可能であり、また処理あるいは保管容量を大きくすることが可能であることから広く用いられてきた。
また、廃棄物処分場において、遮水構造における遮水シートの損傷による水密性低下を防止するために、自己修復性遮水シートを使用することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。自己修復性遮水シートには、水分を吸収すると膨潤する吸水性膨潤性繊維含む水膨潤性シートが使用されている。
最近頻発する震災により発生する瓦礫処理や不法投棄などの緊急対策として、工期をより短縮できる資材の登場が期待されている。また、単純な保護機能だけでなく、汚染物質を吸着あるいは吸収するシートに対する要望も強くなってきている。特に放射性物質を含む汚染水については、他の汚染物質よりも一段と高いレベルの管理が望まれており、より高機能な遮水工や保護材に対する要求が高まってきている。
特開2004−181393号公報 特開平6−108436号公報 特開平11−291370号公報
本発明は従来技術を背景になされたもので、軽量で取り扱いやすく工期短縮が可能であり、液体状の汚染物質の流出リスクを低減する保護マットを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、特別な素材を用いた複合材にすることで、軽量で取り扱いやすく、複数のシートの接合が容易であるため工期短縮が可能であり、さらには液体状の汚染物質の流出リスクを低減することも可能な保護マットが得られることを知見し、本発明の完成に到達した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1.水膨潤性高分子材料を25重量%以上含有する不織布層Aと、目付が100〜800g/mでありポリオレフィン系あるいはポリエステル系高分子繊維を主体とする不織布層Bとを、一体化した保護マット。
2.上記1の保護マットに吸水性繊維を20重量%以上含有する不織布層Cが一体化された保護マット。
3.不織布層Aに含まれる水膨潤性高分子材料が、繊度が2.2〜13dtexで、水および海水を自重の50%以上吸収することが可能なアクリル系繊維またはモダクリル繊維である上記1または2に記載の保護マット。
4.不織布層A中の水膨潤性高分子材料および/または不織布層C中の吸水性繊維が、セシウムを1g当たり0.09g以上吸着または吸塵する上記1〜3のいずれかに記載の保護マット。
本発明の保護マットは、吸水性が高く、軽量で取り扱い性が良いため、緊急性の高い工事の工期短縮に適し、液状の汚染部を吸水して外部への流失を防止することが可能となる。
本発明の不織布層Aに用いられる水膨潤性高分子材料としては、超吸水ポリマーパウダー、水膨潤性のアクリル系繊維やモダクリル繊維などが上げられる。これらの水膨潤性高分子材料は自重の30〜200倍程度の水を吸収することが可能であり、水を吸収することで膨潤して体積が増加する。不織布の場合、通常70〜90%程度は繊維の存在しない空間となっているが、膨潤化した高分子材料により空間が埋められることにより水の透過を抑制する効果が期待される。不織布層Aに水膨潤性高分子材料が25重量%以上含有していると高い吸水性能が期待でき、50重量%以上あると止水性や漏水遅延性も付与できる。特に水膨潤性高分子材料が65重量%以上含有されるとかなり高い確率で上から流れてきた液状物を下方に流すことなく捕捉あるいは止水することができるようになる。
超吸水ポリマーパウダー、水膨潤性のアクリル系繊維やモダクリル繊維は、ベントナイトよりも吸水性能が非常に大きく、約10秒で平衡吸水量の約70%を膨潤することが可能であり、大量の水が流れ込んでも漏れを起こす可能性を小さくすることができる。ベントナイトは1日以上の吸水時間を要することから比べると非常に差が大きい。
水膨潤性高分子材料は、パウダー形状であっても良いが、マット断面からパウダーが脱落するという問題や膨潤して軟化したパウダーが土圧によりシート端部から押し出されるなどの問題を生じやすく注意が必要である。水膨潤性高分子材料として、水膨潤性のアクリル繊維たモダクリル繊維を使用する場合、水膨潤するアクリル系繊維やモダクリル繊維の中には芯鞘構造を持つ繊維があり、芯部はあまり膨潤することなく安定した機械的強度を与える樹脂から、鞘部は水を吸着する樹脂からなる繊維があり、これらの繊維を使用すると、本発明の保護マットとしての汚染物流出機能を高めることが可能であり特に好ましい。
水膨潤性高分子材料がパウダー形状の場合は、複数の不織布の間に挟みこむなどして脱落を防止することが必要である。熱接着性パウダーと水膨潤性高分子パウダーを均一に混合した後に、基材となる不織布上に均一に散布して後に、エアースルー法などの熱処理により熱接着性パウダーを溶融させて基材に付着させることで粒子脱落を防止することも好ましい形態のひとつである。
また、本発明では、特性を低下させない範囲で、必要に応じて、抗酸化剤、耐光剤、着色剤、抗菌剤、難燃剤、親水化剤などの改質剤を添加できる。
本発明の不織布層Aに好適に使用できる水膨潤性の繊維の繊度は、2.2〜13dtexであることが好ましく、より好ましくは3.3〜11dtexである。繊度が2.2dtex未満では繊維の絡みが弱くなり、保護マットの強度や貫入抵抗が劣るので耐久性が不充分になる。また、厚みが薄くなり保護マットとしてのクッション機能が低下する恐れがある。一方、13dtexを越えると、繊維構成本数が少なくなり、不織布構造の緻密度が低下して、構造体としての吸水性や漏水遅延性が低下する場合がある。アクリル系繊維やモダクリル繊維は表面官能基を化学改質して官能基を導入することが比較的容易であり、導入する官能基を選ぶことによりセシウムなどを効果的に吸着することが可能となる。
本発明では、保護マット表面に水膨潤性高分子材料の占める割合が高すぎると、保護マット内部に存在する空間や残りの吸水膨潤性高分子材料が活用できなくなるため注意が必要である。水膨潤性高分子材料の保護マット表面に占める割合が高い場合には、非吸湿繊維を不織布層Aを貫通するように、ニードルパンチ加工などで配置させて、その部分から水を拡散させることが必要である。また、最も上部の層に水分を拡散させる層を設けることも好ましい形態のひとつである。
本発明の保護マットは、3kg/m以上の浄水または海水を保護マット内に吸収できるように構成を最適化することが好ましく、特に好ましくは6kg/m以上吸収可能とすることである。
保護マットに吸収された水は、処分場保管物や不法投棄物などから放射線が発生する場合においては、放射線の外部への漏れを減らす役割をすることも期待できる。
本発明の不織布層Aにおいて、水膨潤性高分子材料と複合される他の素材は特には限定されるものではないが、ポリエステルやポリオレフィンなどの価格が安価な汎用熱可塑性樹脂を使用することが推奨される。特にポリエステル系繊維が好ましい。ポリエステル系繊維を用いることで、優れた機械特性(引張強度や引裂強度)やライスターなどによる熱接着加工時の強度を得やすくなる。
使用可能なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)などのホモポリマー及びそれらの共重合ポリエステルなどが例示できる。特にイソフタル酸系の共重合ポリエステルを鞘成分に、PETを芯成分にした芯鞘型繊維を水膨潤性高分子材料とあわせて用いると複数のマットの接合にライスターなどを用いて熱接着加工を行う場合に作業性が良く、接合部での漏水のリスクを小さくすることができる。
また、ポリエステルモノマーとして生物由来のエチレングリコールを成分として用いたPETを用いても物性面で問題がない。
本発明の不織布層aの目付は、150〜600g/mであることが好ましい。150g/mより小さいと吸水性が不足し、600g/mより大きいと取扱い性が低下して好ましくない。
本発明の不織布層bは、ポリオレフィン系またはポリエステル系樹脂からなる繊維を主体とする目付が100〜800g/mの不織布であることが好ましい。
上記繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(pet)繊維またはポリプロピレン(pp)繊維単体の中実繊維であってよいが、低融点petとpetの2成分を含む複合繊維、またはポリエチレンとpetの2成分を含む複合繊維であることも好ましい実施形態のひとつである。複合繊維の形態としては、芯鞘構造でもサイドバイサイド構造であってもよい。不織布層bの厚みを大きくしたい場合には、中空芯鞘構造や中空サイドバイサイド構造の繊維を用いることも好ましい実施形態である。
接着強度や嵩高性を所望の値に設定する目的で複合繊維を用いる場合は、繊維の繊度は2.2〜8.9dtexであることが好ましく、3.3〜6.7dtexであることがより好ましい。
本発明の不織布層Bは、短繊維不織布で構成されてもよいし、引張強度や貫入抵抗の大きいポリエステル系長繊維不織布であってもよい。また、長繊維不織布と短繊維不織布の複合体も好ましい。
短繊維不織布では、すぐれたクッション性があるため、異物や突起物と接触した場合に高い保護性能を得ることが可能となる。一般の短繊維不織布は、嵩高性に優れるが繊維の切断端を多数有するために長繊維不織布または長繊維不織布/短繊維不織布の複合体と比較して機械的特性や貫入抵抗に劣る場合が多い。
本発明の不織布層Bの目付は、貫入抵抗に大きな影響を与える。そのため、不織布層Bの好ましい目付は、100〜800g/mである。より好ましい目付は、200〜500g/mであり、最も好ましくは250〜330g/mである。目付が100g/m未満では、保護マットの貫入抵抗が低くなる。目付が800g/mを越えると、軽量化による良好な施工性が阻害される。
本発明において、不織布層Aと不織布層Bとが一体化された保護マットに、吸水性繊維を20重量%以上含有する不織布層Cを複合一体化することも好ましい。
不織布層cは、不織布層aと不織布層bの複合体のいずれか片面に張り合わせてもよいし、不織布層aと不織布層bの間に貼り合わせても良い。
本発明の不織布層Cに含有される吸水性繊維とは、水を自重の0.5〜3倍程度吸収することができる繊維であり、アクリル系繊維の一部(例えば東洋紡績株式会社製n−38)や比較的結晶化度の低いセルロース系繊維(綿やレーヨン、ポリノジック繊維の一部)などがあげられる。
本発明の不織布層Cの目付は、100〜500g/mであることが好ましい。100g/mより小さいと吸水量が小さくなり、500g/mより大きいと敷設時の施工性が低下するなどする。
本発明の保護マットは、7g/cm荷重での厚さが4mm以上であることが好ましい。より好ましくは、6mm〜20mmである。厚さが20mmを超えると、取り扱い性が低下する。
7g/cm荷重での厚さを所望の値にコントロールする方法は特に限定されないが、不織布層の製造にニードルパンチ法を用いる場合は突き刺し密度を高くしたり、突き刺し深さを深くしたりするなどの対策を取ることができる。不織布層の製造にエアースルー法を用いる際には、加工温度を高くしたり、循環させるエアー速度をあげたり、あるいはネットに挟んだ状態で熱処理するなどの方法をとることができる。
また、加熱ロールと接触させることも有効な方法である。対向する加熱ロールの間にクリアランスを設けることで適度な厚みを達成できる。あるいは片側のロールを樹脂やゴム素材のものを用いることで、クリアランスを設定しなくてもつぶれすぎて厚みが小さくなりすぎることを防ぐことが可能となる。また、樹脂ロールやゴムロールなどの硬度を適切に設定することで、厚みをコントロールすることが容易となる。厚み制御性は劣るが、遠赤外線ヒータなどにより間接加熱をしたり、加熱した棒や板に接触させたりするなどの方法を取ることも可能である。
保護マットまたは各不織布層の製造時における、ニードルパンチ加工においては、一般的には、突き刺し密度をある程度まで高くしたり、突き刺し深さを大きくすることで引張強度や引裂き強度などの機械特性を所望の値とすることが可能であるが、適切な条件を超えると粉塵の発生や繊維切断による強度の低下などの別の問題が発生する場合が多くなるので注意が必要である。
また、熱接着処理を行なうためカレンダーロールを用いる場合には、加工温度を低く設定したり、加工速度をあげたり、クリアランスを設けたりすることにより厚みを大きくすることが容易になると考えられる。
東日本大震災以降、放射性物質を含む土壌や堆積物、瓦礫などの処理や保管が問題となっており、それらから液状の汚染物質が流出するリスクを下げることが重要となっている。
そのため、本発明の保護マットを構成する不織布層A中の水膨潤性高分子材料および/または不織布層C中の吸水性繊維が、塩化セシウムを1g当たり0.09g以上吸着または吸塵することが好ましい。発明者の検討した中では、アクリル系繊維あるいはモダクリル繊維の中には選択的にセシウムを吸着する機能の高いものがあり、さらには吸水率が高いほど一度捕捉した汚染物質を離しにくいことが判明しており、これらを本発明要件を満たす保護マットの材料として使用することで、除染処理にもより安全に実施することが可能となる。
本発明の保護マットの貫入抵抗は、500N以上であることが好ましく、800N以上であることがより好ましい。貫入抵抗が500N未満では、遮水工の保護マットとしての機能が低下する場合がある。また、本発明者の検討の範囲では貫入抵抗の高いシートほど止水機能が高くなる傾向にあった。
本発明の保護マットの引張強さは、900〜1500N/5cmであることが好ましく、950〜1200N/5cmであることがより好ましい。
また、伸び率は30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
本発明の保護マットの好適な製造法の一例をあげて以下に述べるが、特にこの例に限定されるものではない。
不織布層Aは、カード法とニードルパンチ加工により製造することが一般的である。不織布層Aが、水膨潤性のアクリル系繊維またはモダクリル繊維と熱接着性芯鞘複合繊維により構成されている場合は、引き続きエアースルー法により部分的熱接着箇所を形成することが好ましい。エアースルー法の加工は、厚みを減らさずに部分的接着点を増やすことができるため、本発明の補強材の製造方法として特に好適である。加工温度は、熱接着性芯鞘複合ポリエステル系繊維の場合は、90〜150℃くらいの温度であることが好ましく、30〜40秒の熱処理を行なうことで好適な接着状態を得ることが可能となる。加工温度のセッティングは熱接着性芯鞘複合繊維の低融点成分の融点と混合率によりコントロールすることが可能である。
不織布層Bは、乾式短繊維不織布の製造法で製造しても良いし、スパンボンド方法によって製造してもよい。また、スパンボンド法による長繊維不織布の上に、短繊維ウエッブを積層した後、ニーパン加工機により複合化しても良い。
不織布層Aと不織布層Bの接合方法としては、ニードルパンチ法による方法、カーテンスプレー法、フィルムによる熱ラミ法、熱接着性繊維不織布やフィルムを挿入して熱プレスする方法が考えられる。
ニードルパンチ法で複合化する場合は、複合相手がどのような不織布であっても、不織布層Aの側からニードルが貫出するようにすることが、水膨潤性繊維により止水効果を高める上で好ましい。
不織布層Cをさらに複合する場合には、最初に不織布層Aとニードルパンチ法で複合しておいてから不織布層Bを複合化することも好ましい形態のひとつである。
保護マットを構成する不織布層のうち、熱接着性繊維を含んだ不織布層の幅を、他の不織布層の幅より広くしておき、熱接着性繊維を含んだ不織布層同士を熱接合すると、高い止水効果を得ることが可能となる。熱接合の方法としてはガスバーナーなどで加熱しても良いし、自走式の接合機(ライスター)などを用いても良い。また、2液型ウレタンやアスファルト、改質アスファルト、その他接着剤などを接合部に吹き付けたり塗ったりしても良い。防水テープなどを用いて接合することも好ましい。
また、本発明の保護マットの上面に微粘着加工をしたフィルム層を貼っておき、敷設完了後に除去することも好ましい形態のひとつである。現場での敷設作業中に、急な降雨があった場合でも雨による水膨潤性高分子材料の膨潤を抑制することができ、本来の目的である汚染物質を含む水などのみを効率的に吸収することができるため好ましい。
以下、実施例及び従来例、比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例および比較例で用いた評価方法は下記の方法でおこなった。
(1)繊度[dtex]
試料の任意の場所5点を選び、光学顕微鏡を用いて、単繊維径をn=20で測定して、全平均値(D)を求めた。ついで、平均単繊維断面積と平均比重から1万mあたりの重量に換算して繊度をdtexで示す。
(2)目付[g/m
JIS L 1913(2010)6.2「単位面積当たりの質量」に準拠して測定した。
(3)厚さ[mm]
JIS L 1913(2010)6.1.1「厚さ A法」に準拠し、荷重7g/cm下で測定した。
(4)引張強さ[N/5cm]及び伸び率[%]
JIS L 1913(2010)6.3.1「引張強さ及び伸び率」に準じて測定した。
(5)貫入抵抗(N)
ASTM D−4833の規定に従って測定する。
(6)遮光率(%)
JIS L 1055(2009) A法の規定に従って測定した。
(7)セシウム吸着量(g/g-試料)
塩化セシウム100mgを100mlの純水に加えた溶液中に、試料100mgを加えて24時間スターラで攪拌した。液を濾過し、残液のCs濃度を高周波誘導結合プラズマ法(ICP法)発光分析法により測定した(CIROS−120RIGAKU装置使用)。予め作成した検量線を用いて濃度を測定し、初期濃度との差異から試料1g当たりの吸着量を測定した。
(8)吸水率(%)
直射日光の当たらない平坦な砂場の上にろ紙を敷き詰めて砂の保護マットへの付着を防止し、その上に1m角の保護マットを折り曲がりがないように敷設した。該保護マットのほぼ中心部に6kgの海水をバケツで流しこみ、3時間後にマットの重量の増加量を測定した。流し込んだ海水のどれだけが下のろ紙あるいは砂地層に流れ込んだかを測定した。
吸水性は以下の式で計算して求めた。
吸水率(%)=(3時間後の保護マット重さ−元の保護マット重さ)/6kg×100
<実施例1>
不織布層Aとして、繊度3.9dtexの水膨潤性アクリル系繊維のランシールFK(東洋紡績株式会社製、塩化セシウム吸着量0.40g/g-試料)と5.5dtexの低融点ポリエステル複合短繊維TE5(東洋紡績株式会社製)を重量比で70:30になるように混合したウェッブをニードルパンチ加工した目付200g/mの短繊維不織布と、不織布層Cとして、繊度4.4dtexの吸水性アクリル系繊維N−38B(東洋紡績株式会社製、セシウム吸着量0.51g/g-試料)と5.5dtexの中空アクリル短繊維(東洋紡績株式会社製)を重量比で50:50になるように混合したウェッブをニードルパンチ加工した目付200g/mが短繊維不織布を、オルガン社製FPD1−40Sのニードルを用いてニードル突き刺し密度(突出密度)45ケ/cm、針深度10mmでニードルパンチ複合加工を行ない2層構造の不織布を得た。次いで、不織布層Bとして、目付が200g/mのポリエステル長繊維不織布9201HB(東洋紡績株式会社製、着色剤としてカーボン0.3%含む)をカーテンスプレー法で不織布層A側に接合(オレフィン系ホットメルト繊維10g/m使用)した3層構造の不織布からなる保護マットを作成した。
得られた保護マットを用いた評価結果を表1に示す。
実施例1は本発明要件を満たし、機械特性に優れた保護マットであった。吸水率は100%であった。
<実施例2>
不織布層Aとして、繊度5.6dtexの水膨潤性アクリル系繊維のランシールFJ(東洋紡績株式会社製、塩化セシウム吸着量0.46g/g-試料)と5.5dtexの低融点ポリエステル複合短繊維TE5(東洋紡績株式会社製)を重量比で35:65になるように混合したウェッブをニードルパンチ加工した目付が300g/mの短繊維不織布と、不織布層Bとして、目付が300g/mのポリエステル長繊維不織布9301HB(東洋紡績株式会社製、着色剤としてカーボン0.3%含む)をカーテンスプレー法で接合(オレフィン系ホットメルト繊維10g/m使用)した2層構造の不織布からなる保護マットを作成した。
得られた保護マットを用いた評価結果を表1に示す。
実施例2は本発明要件を満たし、機械特性に優れた保護マットであった。吸水率は100%であった。
<実施例3>
不織布層Aとして、繊度5.6dtexのポリエステル繊維よりなる目付100g/mの短繊維不織布にポリエチレン樹脂パウダーと水膨潤性のある衛材用ホットメルトパウダー(どちらも粒径約1mm)を重量比で60:40になるように混合して均一に、散布量が200g/mとなるよう散布した。次に、その上に不織布層Cとして、繊度4.4dtexの吸水性アクリル系繊維N−38B(東洋紡績株式会社製、セシウム吸着量0.51g/g-試料)と5.5dtexの中空アクリル短繊維(東洋紡績株式会社製)を重量比で50:50になるように混合したウェッブをニードルパンチ加工した目付100g/mが短繊維不織布を重ねて、フェルトカレンダー機で160℃の温度で加熱処理をして一体化した。さらに、不織布層Bとして、目付が300g/mのポリエステル長繊維不織布9301HBをカーテンスプレー法で不織布層A側に接合(オレフィン系ホットメルト繊維10g/m2使用)した3層構造の不織布からなる保護マットを作成した。
得られた保護マットを用いた評価結果を表1に示す。
実施例3は本発明要件を満たし、機械特性に優れた保護マットであった。吸水率は100%であった。
<従来例>
目付が550g/mのポリエステル長繊維不織布9551HB(東洋紡績株式会社製)を保護マットとして用いた評価結果を表1に示す。
従来例は、機械特性に優れた保護マットであったが、吸水率は8%であり、殆どの水がろ紙や砂地層に流れ出してしまい本発明の目的を満足しなかった。
<比較例1>
目付が5600g/m(カタログ値)の市販のベントナイト系シート(ポリプロピレン不織布の表皮貼り付け品、セシウム吸着量0.087g/g-試料)を用いて実施例1と同じ評価を行った結果を表1に示す。
比較例1は吸水率は45%であったが、これはほぼマット端部より水が流れ出したことが原因であり、下のろ紙には濡れはなく、海水の浸透は無かった。目付が重いために敷設には時間がかかるとともに複数のシートのつなぎ面での漏水が懸念された。
<比較例2>
繊度3.9dtexの水膨潤性アクリル系繊維のランシールFJ(東洋紡績株式会社製、セシウム吸着量0.46g/g-試料)と5.5dtexの低融点ポリエステル複合短繊維TE5(東洋紡績株式会社製)を重量比で20:80になるように混合したウェッブをニードルパンチ加工した目付が200g/mの短繊維不織布と、繊度3.3dtexの吸水性アクリル系繊維N−38B(東洋紡績株式会社製、塩化セシウム吸着量0.51g/g-試料)と5.5dtexの中空アクリル短繊維(東洋紡績株式会社製)を重量比で50:50になるように混合したウェッブをニードルパンチ加工した目付が200g/mの短繊維不織布とを、オルガン社製FPD1−40Sのニードルを用いてニードル突き刺し密度(突出密度)45ケ/cm、針深度10mmでニードルパンチ複合加工を行ない2層構造の不織布を得た。次いで、目付が200g/mで白色のポリエステル長繊維不織布9201H(東洋紡績株式会社製)をカーテンスプレー法で不織布層A側に接合(オレフィン系ホットメルト繊維10g/m使用)した3層構造の不織布からなる保護マットを作成した。
得られた保護マットを用いた評価結果を表1に示す。
比較例2は機械特性に優れた保護マットであったが、吸水率は38%であった。
本発明の保護マットは、吸水性と遮水シートの保護性能が良く、軽量で施工性も優れており、さらには液体状の汚染物質の流出リスクを低減することに寄与できる。また、放射性物質が懸濁した液状の汚染物質を含む瓦礫などの貯蔵保管用のシートとしても使用可能である。

Claims (3)

  1. 自重の30〜200倍の水を吸収する水膨潤性高分子材料である繊度が2.2〜13dtexのアクリル系繊維またはモダクリル繊維を25重量%以上含有する不織布層Aと、目付が100〜800g/mでありポリオレフィン系あるいはポリエステル系高分子繊維を主体とする不織布層Bと、水を自重の0.5〜3倍吸収し、セシウムを1g当たり0.09g以上吸着する吸水性繊維を20重量%以上含有する不織布層Cとを、一体化した液状汚染物質の拡散や漏洩を防ぐマット。
  2. 貫入抵抗が500N以上である請求項1に記載の液状汚染物質の拡散や漏洩を防ぐマット。
  3. 不織布層A中の水膨潤性高分子材料であるアクリル系繊維またはモダクリル繊維が、セシウムを1g当たり0.09g以上吸着する請求項1または2に記載の液状汚染物質の拡散や漏洩を防ぐマット。
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