JP6021659B2 - 加熱炉の操業支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延などに用いられる加熱炉において、当該加熱炉の設定条件の一部又は全部を人的判断に基づき変更する際に、その変更作業を支援する操業支援システムに関する。
従来より、連続的に薄鋼板等の製造を行う熱間圧延ラインにおいては、まず加熱炉において、圧延によって薄板等に加工される圧延材(スラブ等の鋼片)が、例えば1000℃程度となるように加熱される。加熱された圧延材は、加熱炉から抽出されて圧延工程へと搬送され、粗圧延機及び仕上圧延機によって所定の板厚となるように圧延(熱延)される。圧延作業が完了した薄鋼板は冷却されてコイル状に巻き取られる。
加熱炉から抽出された圧延材は、板温度を低下させつつ粗圧延機に搬送されて粗圧延が施される。この粗圧延で圧延材は板温度をさらに低下させて、続く仕上圧延機に搬送される。このような圧延工程では、強度などの機械的な品質や金属組織的な品質を確保するために、各圧延材ごとに、粗圧延機の出側や仕上圧延機の出側での目標板温度が個別に設定されている。
したがって、熱間圧延ラインにおける加熱炉内の炉温や炉内での圧延材の搬送間隔(搬送ピッチ)を調整してスラブの加熱炉出側温度を決定しているオペレータ(以降、加熱炉操炉オペレータと呼ぶ)は、上述の板温度の低下分を考慮しつつ炉温や炉内での圧延材の搬送間隔(搬送ピッチ)を調整して、加熱炉の出側での板温度はもとより、粗圧延機の出側での板温度などが設定された目標板温度となり得るように炉温や炉内での圧延材の搬送間隔(搬送ピッチ)を調整している。すなわち、操炉オペレータは、圧延工程における板温度を目標温度とすべく、加熱炉内の炉温や炉内での圧延材の搬送間隔(搬送ピッチ)を調整してスラブの加熱炉出側温度を決定している。
ところで、加熱炉内の炉温や炉内での圧延材の搬送間隔(搬送ピッチ)を調整してスラブの加熱炉出側温度を決定する技術としては様々なものが開発されており、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1は、独立して炉温の設定が可能な複数の帯を備え、連続して装入される鋼材が、該鋼材の目標抽出温度及び目標抽出均熱度になるようにそれぞれの前記帯の炉温を設定及び調整する連続式加熱炉の炉温制御方法であって、前記帯からの抽出位置及び前記帯からの抽出位置以外の位置に目標温度及び目標均熱度を設定する目標位置を有し、前記鋼材が前記目標位置において前記目標温度及び前記目標均熱度となるようにそれぞれの前記帯の炉温を設定する制御方法を開示している。
特開2008−24966号公報
特許文献1の炉温制御方法を用いれば、加熱炉抽出時の板温度が目標温度となるように制御できるとされている。
しかしながら、工場の設備によっては、加熱炉の出側における板温度を実測できないことがあり、このような場合であっても、圧延工程における板温度、例えば、粗圧延機の出側での板温度が目標値となるように加熱炉抽出時の板温度を制御しなくてはならない。
斯かる状況に対して特許文献1の技術を適用しようとしても、特許文献1は加熱炉内部における炉温制御によるスラブの温度制御方法を開示するものであって、圧延工程における板温度を目標温度とすべく、スラブの加熱炉出側温度を制御するものとはなっていないのが実情である。そのため、圧延工程における板温度を目標値に制御するために必要な加熱炉内のスラブ温度を適正に制御をすることは困難を極めると考えられる。
また、抽出時の板温度を実測できるとしても、加熱炉の操業条件や設備制約などによっ
て、特許文献1に開示の制御モデルが常に最適に機能するとは限らず、圧延材の板温度が目標抽出温度とならない場合もある。
このような事情から、加熱炉のオペレータは、特許文献1のような自動制御によらず、粗圧延機の出側などで実測された板温度を参考にして、スラブの搬送間隔(搬送ピッチ)や炉温などの加熱炉の設定条件を人的判断に基づき修正することがしばしばある。この場合、経験を積んだオペレータであれば、実測された板温度を考慮しつつ、適切に加熱炉の炉温や搬送ピッチを変更して、圧延材ごとに適切な抽出温度を実現することができる。ところが、経験の浅いオペレータでは、炉温や搬送ピッチの適切な変更量を決定することが困難となることが多い。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、加熱炉を操業するに際して、オペレータの経験度合いに左右されることなく、適切な操業条件を設定可能とする加熱炉の操業支援システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る加熱炉の操業支援システムは、粗圧延工程及び仕上圧延工程を有する圧延設備に送出される圧延材を加熱するための加熱炉に設けられ、且つ前記加熱炉における設定条件の人的な変更作業を支援する操業支援システムであって、前記支援システムは、オペレータが確認可能な表示器を有し、前記表示器は、加熱炉に関する情報及び/又は加熱炉を通過する圧延材に関する情報を表示するように構成されており、前記加熱炉を通過する圧延材に関する情報を、温度予測モデルなどの数値モデルを用いて算出するように構成されていて、前記表示器は、設定条件を入力するための入力部を備えており、前記入力部に新たな設定条件が入力されると、入力された設定条件を基に温度予測モデルなどの数値モデルにて加熱炉を通過する圧延材に関する情報を算出し、算出された加熱炉を通過する圧延材に関する情報を、前記表示器に表示するよう構成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記加熱炉は、圧延材が搬入されてから抽出されるまでに通過する順に、予熱帯、加熱帯、及び均熱帯の各セクションで構成されており、前記表示器は、前記各セクションに、加熱炉に関する情報及び/又は当該セクションに存在する圧延材に関する情報を表示するように構成されているとよい。
さらに、前記圧延材に関する情報として、現在の設定条件を維持した場合における均熱帯出側温度の予測値を採用していると好ましい。
ここで好ましくは、前記圧延材に関する情報として、
・現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材の過去実績値(粗圧延機出側の過去実績温度計測値)から算出された均熱帯出側温度の分布、
・均熱帯出側温度における圧延材の上面温度と下面温度の温度差の予測値、
・現在の設定条件を維持した場合における均熱帯出側温度の予測値、
・現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材の過去実績値から算出された粗圧延工程後の出側温度の分布、の少なくとも一つ以上を採用しているとよい。
また、前記加熱炉に関する情報として、
・各セクションの炉内温度の実績値、
・現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材を加熱した際における各セクションの炉内温度の過去実績値の分布、の少なくとも一つ以上を採用していると好ましい。
加えて、前記入力部に入力される設定条件として、各セクション内における圧延材の搬送ピッチの変更値と、各セクションでの炉内温度の変更値を採用していると好ましい。
また、粗圧延を終えた圧延材の粗圧延機出側温度を、粗圧延を終えた順番に表示すると好ましい。
本発明の加熱炉の操業支援システムによれば、加熱炉の操業を行うに際して、オペレータの経験度合いに左右されることなく、適切な操業条件を設定することができる。
加熱炉の操業支援システムの概念図を示す図である。 加熱炉を含む熱間圧延ラインの一部を模式的に示す図である。 加熱炉及び搬送路の構成を模式的に示す図である。 支援モニタの表示の一例を示す図である。 支援モニタの表示における板温度表示部を示す図である。 支援モニタの表示における炉温表示部を示す図である。 支援モニタの表示における設定変更入力部を示す図である。 支援モニタの表示における実績表示部を示す図である。
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態による加熱炉の操業支援システムについて説明する。
図1は、本実施形態による操業支援システム10、及び操業支援システム10が設けられた加熱炉1を示す模式図である。
本実施形態による操業支援システム10は、オペレータMによる加熱炉1の操業を支援するものである。以下に、操業支援システム10について詳しく説明するが、まず、操業支援システム10の適用対象となる加熱炉1とそれに続く熱間圧延ライン2の構成について説明する。
図2は、加熱炉1を含む熱間圧延ライン2の一部を模式的に示す図である。
熱間圧延ライン2は、圧延材Wを加熱する加熱炉1と、加熱された圧延材Wを圧延する複数の粗圧延機3及び仕上圧延機4と、圧延作業が完了した鋼をコイル状に巻き取るコイラ5を備えている。さらに、熱間圧延ライン2は、複数の粗圧延機3の最終スタンドの出側に、例えば放射温度計からなる板温度計6を備えている。本実施形態による熱間圧延ライン2では、板温度の実測値をこの板温度計6によって得る。
加熱炉1は、圧延によって薄板等に加工される圧延材Wを、例えば1000℃以上となるように加熱する。加熱された圧延材Wは、加熱炉1から抽出されて粗圧延機3へと搬送され、所定の厚みとなるように複数の粗圧延機3によって粗圧延が施される。粗圧延を終え、粗圧延機3の最終スタンドから出た圧延材Wの温度が、板温度計6によって計測される。その後の、仕上圧延と、コイラ5による鋼の巻き取りは、周知の通りである。
本実施形態による操業支援システム10は、粗圧延機3の最終スタンドから出た圧延材Wの温度(粗圧延機出側温度)が所定の目標温度となるように加熱炉1を操業するために、オペレータMを支援するものである。
図3に示すように、加熱炉1は、紙面に向かって左端の搬入口(図示せず)から順に予熱帯、第1加熱帯、第2加熱帯、及び均熱帯を有している。均熱帯の紙面に向かって右端には、加熱された圧延材Wが加熱炉1から搬出(抽出)される搬出口(図示せず)が設けられている。加熱炉1の内側壁には、炉内を加熱するためのバーナー8が複数配置されており、このバーナー8の燃焼状態を制御することにより、炉温を変更したり、略一定に保ったりできる。
搬入口から加熱炉1内に搬入された圧延材Wは、予熱帯、第1加熱帯、第2加熱帯、及び均熱帯を数時間かけて順に通り、目標の板温度にまで加熱される。搬出口から抽出された圧延材Wは、搬出口に沿って設けられた搬送路7によって粗圧延機3に搬送され、圧延される。
第1加熱帯、第2加熱帯、及び均熱帯では、圧延材Wの板温度上昇速度が目的に合わせてそれぞれ異なるように、炉温が制御されている。第1加熱帯及び第2加熱帯では、目標の抽出温度となるように、比較的高い板温度上昇速度で圧延材Wを加熱する。均熱帯では、ほぼ目標の抽出温度となった圧延材Wの温度むらを解消するよう非常に緩やかに圧延材Wを加熱する。
図3に示すように、本実施形態による操業支援システム10では、加熱中の圧延材Wの加熱状態を追跡(トラッキング)している。このトラッキングの対象は、注目すべき圧延材Wとして選定された数本の圧延材W(注目スラブ)が、このトラッキングの対象となる
。図3では、A〜Fの記号で示す圧延材がトラッキングの対象としての注目スラブに選定されている。
これら注目スラブである圧延材A〜Fは、加熱炉1から抽出された後、すなわち圧延工程においてもトラッキングされる。注目スラブとなった圧延材A〜Fの粗圧延後の板温度は、粗圧延機3の最終スタンド出側に設けられた板温度計6で計測される。
上記の加熱炉1を操業するに際しては、粗圧延機出側で計測された板温度が目標の温度(粗圧延機出側温度)となるように、オペレータMが、加熱炉1内の温度(炉温)や圧延材Wの搬送速度(搬送ピッチ)などの操業条件を調整している。
具体的には、加熱炉1では、連続処理を可能とするため、複数の異なる鋼種や板厚の圧延材Wを連続通板させるようにしている。この場合、圧延材W毎に目標となる粗圧延機出側温度が異なるため、加熱炉1のオペレータMは、注目スラブである圧延材A〜Fの加熱状態を把握して予熱帯〜均熱帯にわたる炉温、及び搬送ピッチを適切に調整し、目標となる粗圧延機出側温度を実現する必要がある。
斯かる炉温、搬送ピッチ等の加熱炉操業の条件設定は、経験を積んだオペレータMであれば、過去の様々な経験を基に所望される粗圧延機出側温度を確保できるよう設定可能である。しかしながら、経験の浅いオペレータMの場合、的確な加熱炉1の操業が困難となることが十分考えられる。
そこで、本実施形態の操業支援システム10は、圧延材A〜Fに関する情報及び加熱炉1に関する情報を提示する構成を採用することで、オペレータMの経験度合いに左右されることなく、適切な操業条件の設定が可能となるようにしている。
以下、本実施形態の加熱炉1の操業支援システム10の詳細を述べる。
操業支援システム10は、圧延材A〜Fに関する情報及び加熱炉1に関する情報の少なくとも1つ以上を表示可能な表示器(支援モニタ)11を有している。加えて、操業データを入力値として圧延材A〜Fに関する情報及び加熱炉1に関する情報を計算することが可能な温度予測モデルなどの数値モデルや均熱帯出側温度や粗圧延工程出側温度などの分布を計算するプログラムを有している。
圧延材A〜Fに関する情報及び加熱炉1に関する情報を表示する支援モニタ11は、液晶モニタやCRTモニタで構成され、コントロール室内に設置されている。オペレータMは常にこの支援モニタ11を視聴可能な状態となっている。
温度予測モデルは、伝熱方程式に基づく数値モデルであって、本操業支援システム10に設けられたコンピュータ12乃至はプロコン内にソフトウエアの形で実現されている。
この温度予測モデルで算出され且つ支援モニタ11に表示される圧延材A〜Fに関する情報としては、現在の操業条件下で予測される予測抽出温度(均熱帯出側温度の予測値)などを採用している。支援モニタ11に表示された情報を基に、オペレータMは、予測抽出温度が目標の粗圧延機出側温度に対して所定温度(例えば100℃)だけ高くなるように、加熱炉1の炉内温度(炉温)や搬送ピッチを調整することになる。
図4には、本実施形態の支援モニタ11の画面表示の例が示されている。この図に示すように、支援モニタ11に表示される画面は、上中下の3段に分かれている。
矢印Wで示す上段部分は板温度表示部であり、加熱炉1内の注目スラブに関して、温度予測モデルから算出される予測抽出温度、予測均熱帯入側温度、粗圧延機出側温度などの情報を表示する。板温度表示部には、加熱炉1の構成に従って、紙面に向かって左から予熱帯、第1加熱帯、第2加熱帯、及び均熱帯の各区分帯(セクション)に対応する表示枠が設けられている。
注目スラブ関する情報は、当該圧延材A〜Fが実際に存在している区分帯に対応する表示枠に示される。従って、各表示枠内に表示された圧延材A〜Fに関する情報の位置関係は、実際の各区分帯における圧延材A〜Fの位置関係に対応している。
板温度表示部の左側上部に示される「RHDT」は、温度予測モデルによる加熱炉出側のスラブ抽出温度を表し、板温度表示部の左側下部に示される「R5DT」は、粗圧延機出側温度を表している。
支援モニタ11に表示される画面の中段部分、すなわち、図中の矢印Xで示す右側は炉
温表示部であり、注目スラブに関する現在の炉温と過去の炉温の実績値の情報が示されている。
炉温表示部には、板温度表示部と同様に第1加熱帯、第2加熱帯、及び均熱帯の各区分帯に対応する表示枠が設けられている。均熱帯に対応する表示枠は、粗圧延機に近い帯を均熱帯東、粗圧延機から遠い帯を均熱帯西として2つに分けられている。
中段部分の矢印Yで示す左側は設定変更入力部であり、現状の搬送ピッチと炉温の設定値を示すと共に搬送ピッチと炉温の変更値を入力するための変更値入力画面が示されている。
支援モニタ11に表示される画面の下段部分、すなわち、図中の矢印Zで示す下段部分は実績表示部であり、過去の粗圧延機出側温度の実績値の情報が示されている。
図4及び図5を参照しつつ、板温度表示部について詳しく説明する。
図5は、注目スラブに関して、図4に矢印Wで示される板温度表示部の一部である第1加熱帯における情報を示している。図5では、紙面に向かって左側に圧延材Eに関する情報が示されており、紙面に向かって右側に圧延材Dに関する情報が示されている。
まず、第1加熱帯の上段部分には、圧延材A〜Fの基本情報Sが示されている。基本情報Sの最上段には、圧延材Dについての情報であることを識別するための符号Dが示されている。その下には順に、鋼種を表現する「XH1005S」、粗圧延機出側温度の目標値「1040(度)」、予熱帯入側からの実績在炉時間「100(分)」、第1加熱帯入側からの実績在炉時間「60(分)」、及び現在のスラブ温度推定値「900(度)」が示されている。
基本情報Sの下には、黒丸の記号で示される温度がある。この黒丸は、現在の操業条件下で予測される予測抽出温度(均熱帯出側温度)を示しており、約1190℃付近を指している。その黒丸の下には菱形の記号で示される温度がある。この菱形は、現在の操業条件下で予測される予測均熱帯入側温度(現在の設定条件を維持した場合における均熱帯入側温度の予測値)を示しており、1140℃付近を指している。
さらに、第1加熱帯の上段部分には、過去に圧延材Dと類似した操業条件で加熱された圧延材Wの抽出温度(現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材Wの過去実績値から算出された均熱帯出側温度の分布)の分布が4つ示されている。
これら4つの分布のうち、実線で示される分布(実線分布)は、圧延材Wの抽出温度のヒストグラムである。このヒストグラムにより、圧延材Dに類似した圧延材Wは、過去に1170℃〜1180℃で抽出されたものが最も多かったことがわかる。二点鎖線で示される分布(二点鎖線分布)は、圧延材Wの先端部分での粗圧延機出側温度において目標値を実現した抽出温度の分布である。破線で示される分布(破線分布)は、圧延材Wの中間部分での粗圧延機出側温度において目標値を実現した抽出温度の分布である。一点鎖線で示される分布(一点鎖線分布)は、圧延材Wの後端部分での粗圧延機出側温度において目標値を実現した抽出温度の分布である。これら分布は、圧延材Dとの類似度を算出してその類似度に応じた重み付けをして作成されている。
次に、第1加熱帯の中段部分には、温度予測モデルによって推定された圧延材A〜Fの上面温度と下面温度の差を示している。
最後に、第1加熱帯の下段部分には、粗圧延機出側温度の目標値が実線の横線で示され、粗圧延機出側温度の上限値が破線で示されている。鋼種によっては、圧延材Eに関して示すように、粗圧延機出側温度の下限値が破線で示される。粗圧延機出側温度の目標値を示す実線及び上限値を示す破線に重なるように、過去に圧延材Dと類似した操業条件で加熱された圧延材Wの粗圧延機出側温度の分布(現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材Wの過去実績値から算出された粗圧延工程後の出側温度の分布)が4つ示されている。これら4つの分布のうち、実線で示される分布(実線分布)は、粗圧延機出側温度のヒストグラムである。このヒストグラムにより、圧延材Dに類似した圧延材Wは、過去に1060度〜1070度の粗圧延機出側温度であったものが最も多かったことがわかる。
二点鎖線で示される分布(二点鎖線分布)は、圧延材Wの先端部分での粗圧延機出側温度の分布である。破線で示される分布(破線分布)は、圧延材Wの中間部分での粗圧延機
出側温度の分布である。一点鎖線で示される分布(一点鎖線分布)は、圧延材Wの後端部分での粗圧延機出側温度の分布である。これらの分布は、圧延材Dとの類似度を算出してその類似度に応じた重み付けをして作成されている。
図4及び図6を参照しつつ、炉温表示部について説明する。
図6は、炉温表示部(図4の矢印X)の一部である第1加熱帯における情報を示している。第1加熱帯についての炉温表示部は、次に第1加熱帯に搬入される圧延材Fに関する情報と、既に第1加熱帯に存在する圧延材Eに関する情報が示される。
図6の炉温表示部の上半分には、第1加熱帯の上部の炉温に関する情報が示され、下半分には、第1加熱帯の下部の炉温に関する情報が示されている。第1加熱帯の上部に示される破線は、第1加熱帯上部の現在の炉温を示し、下部に示される破線は、第1加熱帯下部の現在の炉温を示している。第1加熱帯上部の現在の炉温は約1250℃で、第1加熱帯下部の現在の炉温は約1180℃である。
これら現在の炉温情報(炉内温度の実績値)に重ねて、表示された注目スラブに関して、過去に圧延材E及びFと類似した操業条件で加熱された圧延材Wが第1加熱帯に存在していたときの炉温実績の分布(現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材Wを加熱した際における各セクションの炉内温度の過去実績値の分布)が示されている。
つまり、過去に圧延材Eと類似した操業条件で加熱された圧延材Wが第1加熱帯に存在した際には、第1加熱帯の上部炉温が約1200℃で、下部炉温が約1150℃であったものが最も多かったことが示される。
図4に戻って、均熱帯の炉温表示部について説明する。
均熱帯の炉温表示部は、均熱帯東と均熱帯西に分けられており、それぞれに、次に均熱帯に搬入される注目スラブである圧延材Bに関する情報が表示されている。表示されている情報は、第1加熱帯のものと略同様であるため、説明を省略する。
次に、図7を参照しつつ、設定変更入力部について説明する。図7は、図4に矢印Yで示される設定変更入力部を示している。
設定変更入力部に示される項目は、搬送ピッチと炉温に関するものである。搬送ピッチに関する項目としては、均熱帯内にあるスラブの平均搬送ピッチ(均熱TTH)、第1加熱帯内にあるスラブの平均の搬送ピッチ(第1加熱TTH)、及び第2加熱帯内にあるスラブの平均の搬送ピッチ(第2加熱TTH)が示されている。炉温に関する項目としては、第1加熱帯における上部の炉温(第1加熱上部炉温)、第1加熱帯における下部の炉温(第1加熱下部炉温)、第2加熱帯における上部の炉温(第2加熱上部炉温)、及び第2加熱帯における下部の炉温(第2加熱下部炉温)が示されている。
図7を参照すると、これらの各項目に対して、現在設定されている数値が「現状」の欄に表示されている。搬送ピッチについては、均熱TTHは50秒、第2加熱TTHは50秒、第1加熱TTHは55秒に設定されている。炉温については、第1加熱上部炉温は1250度、第1加熱下部炉温は1180度、第2加熱上部炉温は1350度、第2加熱下部炉温は1280度に設定されている。
この「現状」の欄の右隣には、搬送ピッチ及び炉温に関する上記項目に新たな数値を設定する「入力」の欄が用意されている。「入力」の欄に新たな数値を設定して設定変更入力部の上部左側に用意された「入力計算」ボタンを押すと、「入力」の欄に設定した新たな数値を基に上述した温度予測モデルなどの数値モデルを用いて、板温度表示部及び炉温表示部の内容を模擬的に変更(シミュレーション)することができる。
オペレータMは、このシミュレーションによって、新たな設定値によるスラブの均熱帯入側温度、抽出温度の挙動、粗圧延機出側温度において目標値を実現する抽出温度の分布、粗圧延機出側温度の分布状況を把握することができ、オペレータMは、圧延材の粗圧延機出側温度を目標値に制御するために行っている搬送ピッチや炉温の調整を容易に行うことが出来る。なお、「入力計算」ボタンの左隣に用意された「現状計算」ボタンを押すと、板温度表示部及び炉温表示部の表示内容は、シミュレーション結果から現在の設定値に基づく内容へと復帰する。
最後に、図8を参照しつつ、実績表示部について説明する。図8は、図4に矢印Zで示
される実績表示部を示している。
実績表示部は、粗圧延を終えた圧延材Wの粗圧延機出側温度(R5DT)を、粗圧延を終えた順番に表示する。
図4の実績表示部では、実績表示部の右端に「過去時刻:0分前」と表示されており、過去0分以前、つまり直近の7つの圧延材Wの粗圧延機出側温度の実績値が表示されている。この7つの実績値のうち、最も左側に表示された圧延材Wが最も直近の実績値である。
図8に戻って、最も直近の実績値は、鋼種がAR7617Gで、板厚2.3mmの圧延材Wについてのものである。この圧延材Wについて、グレースケールで表す楕円(グレー楕円)と、黒色で表す楕円(黒楕円)と、X印が付された楕円(X楕円)とが表示されている。グレー楕円は圧延材Wの先端部分の粗圧延機出側温度、黒楕円は圧延材Wの中間部分の粗圧延機出側温度、X楕円は圧延材Wの後端部分の粗圧延機出側温度を示している。
粗圧延機出側温度の最も直近の実績値は、板先端部が約1085℃、中間部が約1090℃、後端部が約1095℃であったことがわかる。
各楕円の上部に示されている四角形の表示は、粗圧延前のオシレーション(時間調整のための待機動作)をしなかったと仮定したときの粗圧延機出側温度の推定値を示している。楕円の表示と同様に、グレースケールで表す四角形は圧延材Wの先端部分の粗圧延機出側温度、黒色で表す四角形は圧延材Wの中間部分の粗圧延機出側温度、X印が付された四角形は圧延材Wの後端部分の粗圧延機出側温度を示している。
なお、図4では、「過去時刻:0分前」として 過去0分以前の粗圧延機出側温度の実績値を表示したが、オペレータは、0分に限らず任意の時間を設定して粗圧延機出側温度の実績値を表示させることができる。
オペレータMは、このような実績表示部を参照することで、自身が行った制御が適正であったか否かを検証することができる。
以上述べた本発明に係る加熱炉1の操業支援システム10を用いることで、粗圧延機出側温度を目標値に制御することを目的に加熱炉内のスラブの搬送ピッチや炉内温度の調整を行うに際して、オペレータMの経験度合いに左右されることなく、適切な操業条件を設定可能とすることができる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、オペレータMに各種情報を提示する表示器として、視覚に訴える支援モニタ11を例示したが、オペレータMに対し音声で情報を伝える機器を表示器として採用してもよい。
1 加熱炉
2 熱間圧延ライン
3 粗圧延機
4 仕上圧延機
5 コイラ
6 板温度計
7 搬送路
8 バーナー
10 操業支援システム
11 支援モニタ
12 コンピュータ
M オペレータ

Claims (7)

  1. 粗圧延工程及び仕上圧延工程を有する圧延設備に送出される圧延材を加熱するための加熱炉に設けられ、且つ前記加熱炉における設定条件の人的な変更作業を支援する操業支援システムであって、
    前記支援システムは、オペレータが確認可能な表示器を有し、前記表示器は、加熱炉に関する情報及び/又は加熱炉を通過する圧延材に関する情報を表示するように構成されており、
    前記加熱炉を通過する圧延材に関する情報を、温度予測モデルなどの数値モデルを用いて算出するように構成されていて、
    前記表示器は、設定条件を入力するための入力部を備えており、前記入力部に新たな設定条件が入力されると、入力された設定条件を基に温度予測モデルなどの数値モデルにて加熱炉を通過する圧延材に関する情報を算出し、算出された加熱炉を通過する圧延材に関する情報を、前記表示器に表示するよう構成されている
    ことを特徴とする加熱炉の操業支援システム。
  2. 前記加熱炉は、圧延材が搬入されてから抽出されるまでに通過する順に、予熱帯、加熱帯、及び均熱帯の各セクションで構成されており、
    前記表示器は、前記各セクションごとに、加熱炉に関する情報及び/又は当該セクションに存在する圧延材に関する情報を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱炉の操業支援システム。
  3. 前記圧延材に関する情報として、現在の設定条件を維持した場合における均熱帯出側温度の予測値を採用していることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱炉の操業支援システム。
  4. 前記圧延材に関する情報として、
    ・現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材の過去実績値から算出された均熱帯出側温度の分布、
    ・均熱帯出側温度における圧延材の上面温度と下面温度の温度差の予測値、
    ・現在の設定条件を維持した場合における均熱帯出側温度の予測値、
    ・現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材の過去実績値から算出された粗圧延工程後の出側温度の分布、
    の少なくとも一つ以上を採用していることを特徴とする請求項に記載の加熱炉の操業支援システム。
  5. 前記加熱炉に関する情報として、
    ・各セクションの炉内温度の実績値、
    ・現在の設定条件に類似した条件を有する圧延材を加熱した際における各セクションの炉内温度の過去実績値の分布、
    の少なくとも一つ以上を採用していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加熱炉の操業支援システム。
  6. 前記入力部に入力される設定条件として、各セクション内における圧延材の搬送ピッチの変更値と、各セクションでの炉内温度の変更値を採用していることを特徴とする請求項に記載の加熱炉の操業支援システム。
  7. 粗圧延を終えた圧延材の粗圧延機出側温度を、粗圧延を終えた順番に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱炉の操業支援システム。
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