JP6020155B2 - 線維芽細胞増殖促進剤 - Google Patents

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本発明は、マクルリン又はその配糖体、及びポリフェノール、並びにヒアルロン酸を含有する線維芽細胞増殖促進剤に関するものである。また、本発明は、マンゴスチン果皮の水抽出物とヒアルロン酸を含有する線維芽細胞増殖促進剤に関するものである。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織からなる3層構造をとっている。表皮層は厚さが平均約0.2ミリのとても薄い膜であり、皮膚の一番外側に存在する。外部からの異物の進入や体の水分の蒸散を防ぐバリアとなって、内部を保護する役割を持つ。真皮層には、線維や毛細血管、リンパ管などが詰まっており、これらが表皮層を支え、酸素や栄養素を送り込んだり、老廃物を運び去っている。真皮層は、表皮層の内側にあって、皮膚組織の大部分を占めている。真皮はコラーゲンがその大部分を占めており、ヒアルロン酸やエラスチンとともに皮膚の張りや弾力を支持する働きをする。真皮に存在する線維芽細胞がこれらの成分を産生する。皮下組織は、皮膚の3層構造のうち最も内側にある組織で、表皮と真皮とを支える役割をしている。皮下組織は大部分が皮下脂肪であり、そこを通っている動脈や静脈が皮膚組織に栄養を届けたり老廃物を運び出したりする。また、皮下組織は外部からの刺激や衝撃を和らげたり、断熱・保温の働きをしたり、エネルギーを脂肪のかたちで蓄える役割もしている。
加齢や生活習慣、紫外線等の様々な内的、外的刺激により皮膚がダメージを受けると、真皮層に存在する線維芽細胞の増殖が低下し、コラーゲン産生の減少やコラーゲンの変質が起こり、その結果、肌の張りや弾力の低下等、様々な症状を生じる。線維芽細胞の増殖を促進する組成物は機能性食品や化粧品として有用であると考えられ、安全性、効果ともに高い素材の開発が望まれている。
ヒアルロン酸は、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸が二糖単位で直鎖状に結合した繰り返し構造を有している。生体内に極めて高分子で存在し、分子量は100万以上になると言われる。生体内では、関節、硝子体、皮膚、脳など広く細胞外マトリックスに存在する。
ヒアルロン酸は、その優れた保水力や粘弾性をはじめとする様々な作用が注目されており、化粧品、医薬品、食品の形態で利用されている。分子量約95万または100万の高分子ヒアルロン酸は、線維芽細胞増殖促進作用を有することが報告されている(非特許文献1)。また、4糖からなるヒアルロン酸(HA4)は、細胞保護作用を有することが報告されている(非特許文献2)。しかし、低分子ヒアルロン酸が線維芽細胞増殖促進作用を有することは知られていない。
マンゴスチンは、東南アジア原産のオトギリソウ科(Guttiferae)フクギ属の常緑小高木であり、古くから伝承薬として用いられ、抗菌作用や抗炎症作用、抗酸化作用、滋養強壮作用が知られている。マンゴスチンの果実のうち、食べられる果肉は4分の1であり、その淡い酸味と上品な甘みが特徴で、マンゴー、チェリモヤとともに世界三大美果に数えられている。マンゴスチンは、マンゴスチンにマクルリンが存在することは報告があるが、その生理作用については知られていない(特許文献1および2参照)。
特表2008−520585号公報 特表2006−504790号公報
J Cell Sci. 、90 、265−273、1988 J Biol Chem. 10;277 (19):17308−17314、2002
本発明は、新規な線維芽細胞増殖促進剤を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、マンゴスチン果皮の水抽出物とヒアルロン酸の組成物が線維芽細胞増殖促進作用を有することを見出し、本発明を完成した。また、本発明者は、マクルリン又はその配糖体、及びポリフェノール、並びにヒアルロン酸を含有する組成物が線維芽細胞増殖促進作用を有することを見出した。
本発明として、下記のものを挙げることができる。
(1)マンゴスチン果皮の水抽出物及びヒアルロン酸を有効成分として含有する、線維芽細胞増殖促進剤。
(2)マクルリン又はその配糖体、及びポリフェノール、並びにヒアルロン酸を有効成分として含有する線維芽細胞増殖促進剤。
(3)マクルリン又はその配糖体、及びポリフェノールがマンゴスチン果皮の水抽出物由来である、前記2記載の線維芽細胞増殖促進剤。
本発明に係る線維芽細胞増殖促進剤(以下、本発明増殖促進剤という。)は、線維芽細胞の増殖を促進してコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進することから、コラーゲンやヒアルロン酸の減少により生じる皮膚のしわやたるみ、肌のくすみや老化、肌の乾燥を抑制し、有用である。また、本発明増殖促進剤は、食用成分または生体成分由来であることから、安全性が高いものである。
液液分配スキームを示す図である。 n−ヘキサン(hexane)で液液分配した水(H2O)層のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。矢印は、マクルリン配糖体のピークを示す。 酢酸エチル(EtOAc)で液液分配した水(H2O)層のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。矢印は、マクルリン配糖体のピークを示す。 水飽和ブタノール(BuOH)層のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。矢印は、マクルリン配糖体のピークを示す。 ODSカラム フラクションNo.15−18のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 マクルリン配糖体のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 マクルリン配糖体の吸光スペクトルを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は波長(nm)を示す。 マンゴスチン果皮の水抽出物、ヒアルロン酸の線維芽細胞増殖促進作用を示す図である。横軸は細胞増殖率(%)を示す。 マクルリン配糖体、エピカテキン、ヒアルロン酸の線維芽細胞増殖促進作用を示す図である。横軸は細胞増殖率(%)を示す。 マクルリン配糖体、プロシアニジンB2、ヒアルロン酸の線維芽相棒増殖作用を示す図である。横軸は細胞増殖率(%)を示す。 マクルリン配糖体、カテキン、ヒアルロン酸の線維芽細胞増殖促進作用を示す図である。横軸は細胞増殖率(%)を示す。
マンゴスチン果皮の水抽出物
本発明に係るマンゴスチン果皮の水抽出物(以下、「本発明抽出物」という)は、マンゴスチン(Garcinia mangostana L.)の果皮を水で抽出することにより得られる。抽出方法は、通常用いられる方法により行うことができる。
具体的には、マンゴスチン果皮をそのまま又は適当な大きさに切断し、必要に応じてブランチング又は乾燥し、水で抽出することにより製造することができる。ブランチングは、例えば、マンゴスチン果皮を生のままあるいは、冷凍した後に解凍したものを60℃以上の熱水に5分以内の間、浸すことにより行うことができる。
抽出に使う水の量は、抽出条件等により異なるが、重量比で、1:2〜1:30(植物原料:水)の範囲内が適当であり、1:3〜1:20の範囲内が好ましく、1:5〜1:10の範囲内がより好ましい。抽出時間は、1時間〜15日の範囲内が適当である。抽出温度は、5〜100℃の範囲内が適当であり、60〜100℃の範囲内が好ましい。抽出方法については特に制限されず、バッチ抽出、カラムを用いた連続抽出等、任意の方法を適用することができる。
得られた抽出物は、そのままの状態で用いることもできるが、必要に応じ、その活性に影響のない範囲内で更に精製処理を加えてもよい。このような精製処理は、通常の方法によって行えばよく、例えば、抽出物を常法によりろ過することにより行うことができる。また、得られたろ液を減圧濃縮、凍結乾燥またはスプレードライヤーに供することもできる。
マクルリン又はその配糖体
本発明に係るマクルリン(Macrulin、一般名:(3,4−ジヒドロキシフェニル)(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)ケトン)は、次の化学式(I)で表される化合物である。また、マクルリン配糖体は次の化学式(II)で表される化合物である。
Figure 0006020155
Figure 0006020155
本発明に係るマクルリン及びその配糖体は、市販のものか、又は植物抽出物から単離したものを用いることができる。
マクルリン又はその配糖体を含む植物としては、例えば、トウグワ(Morus alba L.)、アメリカハリグワ(Maclura ponifera (Raf.) Schneid.)、ニオイイリス(Iris florentina L.)、マンゴー(Mangifera indica L.)、モラル(Chlorophora tinctoria (L.) Gandich.)、ゲンチアナロダンザ(Gentiana rhodantha Franch.)、ゲンチアナヴェルナ(Gentiana verna L.)、タマゴノキ(Garcinia xanthochymus Hook.f.ex T.Anders.)、マンゴスチン(Garcinia mangostana L.)が挙げられる。抽出に使用する植物の部位としては、マクルリン及び/又はその配糖体が含まれている部位であれば特に限定されないが、例えば、花、花穂、果皮、果実、果肉、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子、虫えい、心材、地上部、地下部又は全草を用いることができる。中でも、マンゴスチンの果皮が好ましい。
植物抽出物は、マクルリン又はその配糖体を含む植物から通常用いられる方法により製造することができる。具体的には、植物の各部位をそのまま又は適当な大きさに切断し、必要に応じてブランチング又は乾燥し、搾汁又は溶媒で抽出することにより製造することができる。ブランチングは、例えば、植物の各部位を生のままあるいは、冷凍した後に解凍したものを60℃以上の熱水に5分以内の間、浸すことにより行うことができる。抽出溶媒としては、例えば、水を用いることができる。
水の使用量は、用いる植物原料や抽出条件等により異なるが、重量比で、1:2〜1:30(植物原料:水)の範囲内が適当であり、1:3〜1:20の範囲内が好ましく、1:5〜1:10の範囲内がより好ましい。抽出時間は、1時間〜15日の範囲内が適当である。抽出温度は、5〜100℃の範囲内が適当である。抽出方法については特に制限されず、バッチ抽出、カラムを用いた連続抽出等、任意の方法を適用することができる。
得られた植物抽出物は、そのままの状態で用いることもできるが、必要に応じ、その活性に影響のない範囲内で更に精製処理を加えてもよい。このような精製処理は、通常の方法によって行えばよく、例えば、植物抽出物を常法によりろ過することにより行うことができる。また、得られたろ液を減圧濃縮、凍結乾燥することもできる。
植物抽出物から本発明に係るマクルリン又はその配糖体を単離する方法としては、特に限定されないが、例えば、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなどを挙げることができる。また、それらを組み合わせて単離してもよい。
本発明に係るマクルリン又はその配糖体としては、マンゴスチン果皮の水抽出物が好ましい。特に、60〜100℃の熱水で抽出したものが好ましい。より好ましくは、70〜100℃の範囲内である。
線維芽細胞増殖促進剤
本発明増殖促進剤は、線維芽細胞の増殖を促進して、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進することができる。
本発明増殖促進剤は、マンゴスチン果皮の水抽出物及びヒアルロン酸を有効成分として含有するものである。また、本発明増殖促進剤は、マクルリン又はその配糖体、及びポリフェノール、並びにヒアルロン酸を有効成分として含有するものでもある。かかるポリフェノールとしては、例えば、エピカテキン、カテキン、プロシアニジンを挙げることができる。かかるポリフェノールは、市販のものを用いることもできるし、通常の方法で植物から抽出したものを用いることもできる。
本発明増殖促進剤は、上記のようにして得られた各成分を混合し、そのまま又は担体として使用することのできる素材と混合し、次いで、常法により粉末状、塊状、液状などの各種形態に加工することにより製造することができる。
本発明増殖促進剤におけるマンゴスチン果皮の水抽出物の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%(以下、単に「%」という)以上が適当であり、好ましくは、0.05〜50%の範囲内である。また、本発明増殖促進剤におけるマクルリン又はその配糖体の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.0001〜50%の範囲内が適当であり、好ましくは、0.001〜10%の範囲内である。本発明増殖促進剤におけるマクルリン又はその配糖体とポリフェノールとの配合比は、特に限定されないが、重量比として1:1〜1:100(マクルリン又はその配糖体:ポリフェノール、以下同じ)の範囲内が好ましく、1:5〜1:20の範囲内がより好ましい。
また、マクルリン又はその配糖体とポリフェノール、ヒアルロン酸との配合比は、特に限定されないが、重量比として1:1:10〜1:100:10000(マクルリン又はその配糖体:ポリフェノール:ヒアルロン酸、以下同じ)の範囲内が好ましく、1:5:100〜1:20:1000の範囲内がより好ましい。
本発明増殖促進剤には、医薬上又は食品上許容される添加物を任意に配合することができる。かかる添加剤としては、例えば、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、緩衝剤、酸化防止剤、賦形剤、界面活性剤、紫外線防止剤、金属イオン封鎖剤、増粘剤、防腐剤、抗菌剤、保湿剤、色素を挙げることができ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
本発明増殖促進剤は、常法により、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、ドロップ錠、トニック、ローション、軟膏、クリーム等の剤型に適宜調製することができる。
本発明増殖促進剤の摂取量は、症状、剤型、投与対象者の年齢、体重等により異なるが、通常、成人1日当り、本発明抽出物又は本発明増殖促進剤の重量として、0.01〜100gの範囲内とするのが適当であり、0.03g〜60gの範囲内とするのが好ましく、マクルリン又はその配糖体の重量として、0.01mg〜10gの範囲内とするのが適当であり、0.03mg〜5gの範囲内とするのが好ましいが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。かかる1日当りの摂取量は、1回で摂取してもよく、また、2〜4回に分割して摂取してもよい。
以下に、実施例、試験例を掲げて本発明をさらに詳述する。但し、本発明が下記実施例に限定されないことは言うまでもない。
実施例1 マクルリン配糖体の単離
乾燥したマンゴスチン果皮1.5kgを、底に100メッシュのフィルターを取り付けたφ13.5cm×60cmのステンレス製カラムに充填し、上から熱水を加え、下から1時間当たり3リットルの速度で抽出液を集めた。これを濃縮機(RVT−T、HISAKA WORKS L.T.D.製)にて固形分濃度(Brix)25%になるまで濃縮した液をトレイに入れ、凍結乾燥器(RLEII−103、日精(株)製)にて乾燥させたものをブレンダーで粉砕し、パウダー状のマンゴスチン熱水抽出物を得た。
このパウダー25gを図1に示すようなスキームで液液分配を行った。液液分配で得られたHPLCチャートを図2〜図7に示す。水飽和ブタノール(BuOH)層を蒸発乾固後、水で再溶解し、ODSオープンカラム(YMC−gelODSAQ12S50、φ2×17cm、(株)ワイエムシィ製)にチャージし、水で溶出し1−70のフラクションに分けた。この内、15−18番目のフラクションを集め、さらにHPLC(カラム:YMC−Pack ODS−A 250×10mm、S−5μm、12nm、(株)ワイエムシィ製)にて分取し、単離した目的化合物を6.7mg得た。
得られた化合物は次に示す条件でHPLCにて分析を行い、純品であることを確認し、吸光スペクトルを測定した。
<HPLC条件>
カラム:YMC−pack ODS−A A302,S−5μm,12nm (150mm×4.6mm、(株)ワイエムシィ製)
移動相:A;0.1% ギ酸水、B;0.1%ギ酸含アセトニトリル
Figure 0006020155
さらに、単離した化合物はNMRにて同定を行った。13C、1Hの帰属結果を表2に示す。さらにDEPT、1D−NOESY、HMQC、HMBC(4Hz、12Hz)の結果から、マクルリン配糖体(II)と同定した。
Figure 0006020155
試験例1 本発明増殖促進剤の線維芽細胞増殖促進活性測定
細胞はヒト正常線維芽細胞(タカラバイオ社製;以下、NHDF細胞)を用いた。NHDF細胞は10%FBS(Fetal Bovine Serum、以下同じ)を含むDMEM培地(Gibco社製)(100unit/ml Penicilin−100mg/ml Streptomycin(Gibco社製)および0.1mM NEAA(Gibco社製)を含む) に分散し,接着系細胞用培養フラスコ(日本バイオサイエンス社製;底面積:25cm2)に終濃度1×104cells/mlとなるように7ml播種し,CO2インキュベーター(三洋電機バイオメディカ社製;CO2濃度5%、湿度90%)を用いて37(Cで4―5日間培養した。70−90%コンフルエントになったことを検鏡により確認した後,順次実験に使用した。
検体として用いたヒアルロン酸はヒアルロン3000(日本新薬株式会社製)を用いた。また、マンゴスチン抽出物はマンゴスチンアクア(日本新薬株式会社製)を用いた。各検体はPBS(Phosphate Buffered Saline、以下同じ)に溶解させた。なお、検体溶液は0.2μmフィルターに供して滅菌し、実験に使用した。
細胞増殖作用はWST−1試薬(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いて測定した。まず、70−90%コンフルエントになったNHDF細胞をTrypsin−EDTA(Gibco社製)を用いて剥がし、回収した。このNHDF細胞を1.0×104cells/well(100μl)で96wellプレートに播種した後、24時間インキュベートした。インキュベート後、培養液を除去し、PBSで2回洗浄した。その後、0.5%FBSを含むDMEM培地と検体(ヒアルロン酸;終濃度1.0μg/ml、マンゴスチン抽出物;終濃度1.0μg/ml)を単独、または複数添加し、48時間培養した。培養後、各wellにWST−1試薬(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を5μl加え、30分間インキュベートした。その後、450nmの吸光値をマイクロプレートリーダー(CORONA ELECTRIC社製、MTP−300)で測定した。
検体無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作をおこない、ここに得られた吸光値に対する各検体添加時の吸光値の相対値を求め、細胞増殖率(%)とした。その結果を、図8に示す。
図8に示すように、マンゴスチン抽出物(本発明抽出物)は、単独で線維芽細胞の増殖を促進した。また、ヒアルロン酸も線維芽細胞の増殖を促進した。一方、マンゴスチン抽出物とヒアルロン酸を併用することにより、各成分単独の細胞増殖促進活性を相乗的に増強した。

試験例2 本発明増殖促進剤の線維芽細胞増殖促進活性測定
細胞はヒト正常線維芽細胞(タカラバイオ社製;以下、NHDF細胞)を用いた。NHDF細胞は10%FBSを含むDMEM培地(100unit/ml Penicilin−100mg/ml Streptomycinおよび0.1mM NEAAを含む)に分散し,接着系細胞用培養フラスコ(日本バイオサイエンス社製;底面積:25cm2) に終濃度1×104cells/mlとなるように7ml播種し,CO2インキュベーター (三洋電機バイオメディカ社製;CO2濃度5%,湿度90%)を用いて37(Cで4−5日間培養した。70−90%コンフルエントになったことを検鏡により確認した後,順次実験に使用した。
検体として用いたヒアルロン酸はヒアルロン3000(日本新薬株式会社製)を用いた。カテキンおよびエピカテキンはフナコシ社から購入した試薬を、プロシアニジンB2はSigma社から購入した試薬を用いた。マクルリン配糖体は実施例1で単離したものを用いた。各検体はPBSに溶解させた。なお、検体溶液は0.2μmフィルターに供して滅菌し、実験に使用した。細胞増殖作用はWST−1試薬(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いて測定した。
まず、70−90%コンフルエントになったNHDF細胞をTrypsin−EDTA(Gibco社製)を用いて剥がし、回収した。このNHDF細胞を1.0×104cells/well(100μl)で96wellプレートに播種した後、24時間インキュベートした。インキュベート後、培養液を除去し、PBSで2回洗浄した。その後、0.5%FBSを含むDMEM培地と検体(ヒアルロン酸;終濃度1.0μg/ml、カテキン;終濃度0.01μg/ml、エピカテキン;終濃度0.01μg/ml、プロシアニジンB2;終濃度0.01μg/ml、マクルリン配糖体;終濃度0.001μg/ml)を単独または複数種添加し、48時間培養した。培養後、各wellにWST−1試薬(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を5μl加え、30分間インキュベートした。その後、450nmの吸光値をマイクロプレートリーダー(CORONA ELECTRIC社製,MTP−300)で測定した。
検体無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作をおこない、ここに得られた吸光値に対する各検体添加時の吸光値の相対値を求め、細胞増殖率(%)とした。結果を図9、10、11、12、13に示す。
図9に示すように、マクルリン配糖体及びエピカテキンとヒアルロン酸を併用することにより、各々の成分による細胞増殖活性を相乗的に増強した。
図10に示すように、マクルリン配糖体及びプロシアニジンB2とヒアルロン酸を併用することにより、各々の成分による細胞増殖活性を相乗的に増強した。
図11に示すように、マクルリン配糖体及びカテキンとヒアルロン酸を併用することにより、細胞増殖活性を相乗的に増強した。
本発明増殖促進剤は、優れた線維芽細胞増殖促進作用を有するため、例えば、コラーゲンの減少や変質を原因等する症状である皮膚の老化(皮膚の弾力低下、しわやたるみの原因となるコラーゲンの架橋形成、肌のくすみの原因となる色素沈着等)等の抑制に有用である。

Claims (3)

  1. マンゴスチン果皮の水抽出物及びヒアルロン酸を有効成分として含有する、線維芽細胞増殖促進剤。
  2. マクルリン又はその配糖体、及びポリフェノール、並びにヒアルロン酸を有効成分として含有する線維芽細胞増殖促進剤。
  3. マクルリン又はその配糖体、及びポリフェノールがマンゴスチン果皮の水抽出物由来である、請求項2記載の線維芽細胞増殖促進剤。
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