JP6019582B2 - 加工条件良否判定方法とその判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加工条件の良否を判定する方法とその判定装置関するものである。
実開昭6−176049号公報(特許文献1)には、AE(アコースティック・エミッション)センサを被加工物に取り付け、びびり振動の有無を判定して、切削状態を調整することが記載されている。また、特開2004−291118号公報(特許文献2)には、AEセンサの出力値と閾値との比較により、切削用スピンドルの送り速度を変更することが記載されている。
実開昭6−176049号公報 特開2004−291118号公報
本発明は、AEセンサを用いて、従来よりも高精度に加工条件の良否を判定する方法および装置を提供することを目的とする。
(加工条件良否判定方法)
(請求項1)本発明に係る加工条件良否判定方法は、1または複数の刃部を備える回転工具を用いて被加工物を切削する際に、所定周期内において全ての前記刃部による断続的な切削を行うための加工条件の良否を判定する方法であって、前記被加工物側または前記回転工具側に取り付けられたAE(アコースティック・エミッション)センサのAE出力値を取得する取得工程と、前記AE出力値に基づいて前記加工条件の良否を判定する判定工程と、を備える。
前記AE出力値は、断続的な切削時に高い突出値を表し、断続的な非切削時に低い値を表す。前記判定工程は、前記所定周期内における前記AE出力値の前記突出値の回数が、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削回数に相当するn回であるか否かに基づいて、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているか否かを判定し、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているときに前記加工条件が良好であると判定する。
(請求項2)また、前記判定工程は、さらに、前記所定周期内における複数の前記突出値の最大値差が設定範囲内であるか否かに基づいて前記加工条件の良否を判定するようにしてもよい。
(請求項3)また、前記判定工程は、さらに、前記所定周期内における前記AE出力値の積分値が設定範囲内であるか否かに基づいて前記加工条件の良否を判定するようにしてもよい。
(請求項4)また、前記判定工程は、さらに、前記所定周期内における複数の前記突出値の平均値が設定範囲内であるか否かに基づいて前記加工条件の良否を判定するようにしてもよい。
(請求項)また、前記取得工程は、前記回転工具の回転速度が一の回転速度である場合における前記AE出力値を取得し、前記判定工程は、前記一の回転速度における前記AE出力値に基づいて、前記加工条件のうち前記一の回転速度についての良否を判定し、前記取得工程は、前記判定工程における前記一の回転速度についての良否の判定の後に前記回転工具の回転速度を他の回転速度に変化させて、前記回転工具の回転速度が前記他の回転速度である場合における前記AE出力値を取得し、前記判定工程は、前記他の回転速度における前記AE出力値に基づいて、前記加工条件のうち前記他の回転速度についての良否を判定するようにしてもよい。
(請求項)また、前記取得工程は、前記回転工具の固有振動数を通過しないように前記回転工具の回転速度を変化させるようにしてもよい。
(請求項)また、前記回転工具は、回転しながら断続的な切削を行うと共に、前記回転工具の先端側は、前記断続的な切削により切込方向に振動し、前記回転工具が1の刃部を有する場合には、当該1の刃部の切削により前記回転工具が第1回目および第2回目の切削抵抗を受け、前記回転工具が複数の刃部を有する場合には、一の刃部の切削により前記回転工具が第1回目の切削抵抗を受け、他の刃部の切削により前記回転工具が第2回目の切削抵抗を受け、前記取得工程は、前記回転工具が第1回目の切削抵抗を受ける時において前記回転工具の先端側の切込方向の振動における振動位相0°と定義した場合に、前記回転工具が第2回目の切削抵抗を受ける時において前記回転工具の先端側の切込方向の振動における前記回転工具の振動位相を180°以上270°未満の範囲において前記回転工具の回転速度を変化させるようにしてもよい。
(請求項)また、前記取得工程は、設定された前記加工条件に基づいて断続的な切削を行う際の前記AE出力値を取得し、前記加工条件良否判定方法は、前記判定工程にて現在の前記加工条件が良好でない状態になったと判定された場合に、前記加工条件を変更する条件変更工程を備えるようにしてもよい。
(加工条件良否判定装置)
(請求項9)本発明に係る加工条件良否判定装置は、1または複数の刃部を備え、加工条件に従って被加工物を切削する際断続的な切削を行う回転工具と、前記被加工物側または前記回転工具側に取り付けられたAE出力値を出力するAEセンサと、前記AE出力値に基づいて前記加工条件の良否を判定する判定手段と、を備え、前記AE出力値は、断続的な切削時に高い突出値を表し、断続的な非切削時に低い値を表し、前記判定手段は、前記所定周期内における前記AE出力値の前記突出値の回数が、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削回数に相当するn回であるか否かに基づいて、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているか否かを判定し、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているときに前記加工条件が良好である判定する。

(請求項1)AEセンサは、切削により生じる弾性波を検出することができる。従って、断続的な切削において、詳細に見た場合には、AE出力値は、断続的な切削時に高い突出値を表し、断続的な非切削時に低い値を表すことになる。例えば、2つの刃部を有する回転工具による切削においては、AEセンサは、回転工具の1回転に2回の突出値を出力し、非切削の状態すなわち刃部が空転している間は低い値を出力する。例えば、1回転または複数回転を所定周期とした場合には、理想的には、所定周期内に回転数の2倍の数の突出値が検出されるべきとなる。さらに、理想的には、それぞれの切削量を所望量とするためには、それぞれのAE出力値の大きさがある設定値程度になる。
しかし、回転工具は、片持ち支持されているため、切削によってたわみ変形する。特に、断続的な切削であることによって、回転工具は振動する。そのため、1回目の刃部が被加工物を切削したとしても、2回目の刃部は、被加工物を切削できなくなることがある。この状態を継続すると、回転工具の振動がますます大きくなり、加工精度を悪くする原因となる。そこで、判定工程において、AE出力値が所定周期内にn回の突出値を有するか否かにより、加工条件の良否を判定することとしている。これにより、高精度に加工条件の良否を判定できる。
(請求項2)また、2回目の刃部が切削しない状態ではないとしても、2回目の刃部による切削量が1回目の切削量に比べて少なくなる場合がある。この場合には、回転工具が大きく振動している状態であることが多く、この状態を継続すると、回転工具の振動がますます大きくなり、加工精度を悪くする原因となる。このとき、1回目のAE出力値の突出値と、2回目のAE出力値の突出値とは大きく異なる状態になる。そこで、判定工程において、所定周期内における複数の突出値の最大値差が設定範囲内であるか否かにより、加工条件の良否を判定することとしている。これにより、高精度に加工条件の良否を判定できる。
(請求項3,4)また、回転工具の振動によって、1回目の刃部による切削量および2回目の刃部による切削量の合計が所望値でない場合には、加工精度が悪くなる。仮に、1回目の刃部による切削量と2回目の刃部による切削量が同程度であったとしても、削り残しまたは削りすぎの状態となる。そこで、判定工程において、所定周期内における複数の突出値の平均値が設定範囲内であるか否か、または前記所定周期内における前記AE出力値の積分値が設定範囲内であるか否かにより、加工条件の良否を判定することとしている。これにより、高精度に加工条件の良否を判定できる。
そして、上記は、刃部が1つの場合や3つ以上の場合にも同様に適用できる。また、所定周期は、例えば、刃部が複数の場合には、回転工具の1回転または複数回転に相当する時間とし、刃部が1つの場合には、回転工具の複数回転に相当する時間とする。
(請求項)回転工具の振動状態は、回転工具の回転速度によって変化することが分かった。そこで、加工条件のうち回転速度の良否を判定することにより、回転工具の振動を小さくすることができる回転速度を見つけ出すことができる。
(請求項)回転工具の回転速度を変化させる際に、回転工具の固有振動数を通過すると、回転工具が大きく振動するおそれがある。そのため、固有振動数を通過した後の回転速度においては、正確に判定できない。そこで、固有振動数を通過しないように回転速度を変化させることで、確実に回転速度の良否判定ができる。
(請求項)振動位相を180°以上270°未満の範囲において、回転工具の回転速度を変化させるようにして、回転速度の良否判定を行っている。このように、回転速度の狙いをある程度定めた上で、回転速度の決定処理を行うことで、短時間で、良好な回転速度の条件を決定することができる。
(請求項)加工条件が良好でない状態になったと判定された場合に、加工条件を変更することで、確実に、良好な加工条件で加工を行うことができる。
(請求項)加工条件良否判定装置によれば、上述した加工条件良否判定方法による効果と同様の効果を奏する。
第一実施形態における機械構成を示す図である。 第一実施形態における判定装置の機能ブロック図である。 加工誤差の発生メカニズムを説明するための図であって、回転工具に生じる切削抵抗および回転工具の回転中心の変位量の経過時間に対する挙動を示す図である。 加工誤差の発生メカニズムを説明するための図であって、図3の各時刻における回転工具と被加工物との位置関係を示す図である。 case1(理想的な状態)におけるAE出力値を示す図である。 図2の判定部による判定処理のフローチャートである。 図6の回転速度変化の態様を示す図である。 case2におけるAE出力値を示す図である。 case3におけるAE出力値を示す図である。 case4におけるAE出力値を示す図である。 第二実施形態:回転工具の回転速度に対する加工誤差の関係を示す。 第二実施形態:回転工具の回転速度に対する回転工具の最大振幅の関係を示す。 図11および図12における回転工具の振動位相に関する説明図である。
(第一実施形態)
本実施形態の加工条件良否判定方法およびその装置について説明する。まずは機械構成について、図1および図2を参照して説明する。例えば、マシニングセンタに適用され、回転工具1を被加工物Wに対して相対移動させることにより、被加工物Wを切削する。ここで、回転工具1は、外周側に周方向に1または複数の刃部1a,1bを備える。回転工具1は、例えば、ボールエンドミル、スクエアエンドミル、フライスなどを含む。つまり、回転工具1により、被加工物Wに対して断続的な切削を行う。
被加工物Wまたは被加工物Wを支持する部材に、アコースティック・エミッション(AE)センサ2取り付けられている。AEセンサ2は、切削により生じる弾性波を検出する。従って、断続的な切削において、詳細に見た場合には、AEセンサ2によるAE出力値は、断続的な切削時に高い突出値を表し、断続的な非切削時に低い値を表すことになる。例えば、2つの刃部1a,1bを有する回転工具1による切削においては、AEセンサ2は、回転工具1の1回転に2回の突出値を出力し、非切削の状態すなわち刃部1a,1bが空転している間は低い値を出力する。ここで、本実施形態においては、AEセンサ2を被加工物W側に取り付けることとしたが、回転工具1または回転工具1を支持する部材に取り付けてもよい。ただし、AEセンサ2を被加工物W側に取り付ける方が、ノイズを小さくでき、高精度なAE出力値を取得できる。なお、AEセンサ2の被加工物W側の取付位置には、被加工物Wそのもの、被加工物Wを支持する治具(イケール)、および、被加工物Wを支持するテーブルが含まれる。
変位センサ3は、主軸ハウジング4に取り付けられており、回転工具1の径方向変位量を検出する。この変位センサ3は、回転工具1の固有振動数を算出するために、切削により振動した回転工具1の変位量を検出する。
制御部5は、入力された加工条件に基づいて、工作機械の各駆動部6を駆動する。加工条件には、回転工具1の回転速度、回転工具1の送り速度、切込量、および、回転工具1の回転中心位置の指令位置が含まれている。
判定部7は、加工条件の良否、特に、加工条件のうち回転工具1の回転速度の良否を判定する。ここで、判定部7は、回転工具1の回転速度を変化させながら、回転速度の良否を判定する。加工条件が良い状態とは、加工精度(誤差、面性状)を良好にし、回転工具1がびびり現象すなわち回転工具1が大きく振動することを抑制できる状態を意味する。反対に、加工条件が悪い状態とは、その逆の状態である。
ここで、回転工具1の振動および加工誤差の発生メカニズムについて、図1、図3〜図4を参照して説明する。加工誤差とは、被加工物Wの実加工後形状と、被加工物Wの目標形状(設計値)との誤差である。
図1に示すように、回転工具1がたわみ変形することにより、回転工具1における各Z軸方向断面の回転中心座標が指令座標からずれることが、振動および加工誤差の原因の一つである。Z軸方向とは、回転工具1の回転軸方向である。特に、L/D(=長さ/直径)の大きな回転工具1(細長い回転工具)を用いる場合には、当該回転工具1の剛性が低いため、切削抵抗Fyによって当該回転工具1の先端側がたわみ変形しやすい。
ここで、回転工具1に生じる切削抵抗Fyが一定であれば、回転工具1の先端側のたわみ量は一定となる。しかし、回転工具1による断続的な切削により、回転工具1に生じる切削抵抗Fyは逐次変化する。そのため、回転工具1の先端側の回転中心Cの変位量は、主としてY方向に逐次変化する。このときの回転工具1の先端側の回転中心Cの変位量と切削抵抗Fyとは、回転工具1の動特性に依存する。工具の動特性とは、入力された力に対する変形の挙動を示すものであり、伝達関数(コンプライアンスおよび位相遅れ)もしくはそれから算出される質量(M)、粘性減衰係数(C)、バネ定数(K)、共振周波数(ω)、減衰比(ζ)などにより表される。図2において往復矢印は、回転工具1の先端側の回転中心Cが主としてY方向に往復移動することを意味する表示である。
図1には、Y方向の切削抵抗Fyによる加工誤差について説明した。ただし、実際には、回転工具1には、反切込方向の切削抵抗Fyの他に、反送り方向の切削抵抗Fxおよび軸方向の切削抵抗Fzが生じる場合がある。つまり、回転工具1の先端側の回転中心Cは、各方向の切削抵抗Fx,Fy、Fzの合成抵抗Fxyzの方向に変位する。
次に、回転工具1を回転しかつ送りながら被加工物Wの断続的な切削を行う際において、回転工具1に生じる切削抵抗Fyおよび回転工具1の先端側の回転中心Cの変位量Yaの経過時間tに対する挙動について、図3および図4を参照して説明する。ここでは、反切込方向(Y方向)における切削抵抗Fyおよび先端側の回転中心Cの変位量Yaを取り上げて説明する。これは、反切込方向(Y方向)が加工誤差に対して最も影響が大きいためである。
図3と図4(a)〜(e)を参照して、切削抵抗Fyの経過時間tに対する挙動について説明する。図3に示すように、切削抵抗Fyは、ゼロ付近から時刻t1にて大きな値に変化し、時刻t2に再びゼロ付近に変化している。図4(a)(b)が、それぞれ図3の時刻t1,t2に対応する。図4(a)に示すように、時刻t1は、一方の刃部1aが被加工物Wに接触開始した瞬間である。つまり、時刻t1は、一方の刃部1aにより切削を開始した瞬間である。一方、図4(b)に示すように、時刻t2は、一方の刃部1aによる被加工物Wの切削を終了した瞬間である。このように、t1〜t2の間において、一方の刃部1aが被加工物Wを切削している。
その後、図3に示すように、t2〜t4の間は、切削抵抗Fyがゼロ付近となっている。この間は、時刻t3に対応する図4(c)に示すように、両方の刃部1a,1bが被加工物Wに接触していない。つまり、回転工具1は空転している。
その後、図3に示すように、切削抵抗Fyが時刻t4に再び大きな値に変化し、時刻t5に再びゼロ付近に変化している。図3の時刻t4には、対応する図4(d)に示すように、他方の刃部1bが被加工物Wに接触開始している。つまり、他方の刃部1bにより切削加工を開始している。また、図3の時刻t5には、対応する図4(e)に示すように、他方の刃部1bによる切削加工を終了している。このように、t4〜t5の間において、他方の刃部1bが切削加工している。
ここで、図4における今回の切削領域より、t1〜t2、t4〜t5の各瞬間において、実切込量(瞬間的な切込量を意味し、切込量の指令値とは異なる意味である)が異なることが分かる。つまり、実切込量は、切削開始から一気に多くなり、ピークに達した後に徐々に少なくなっている。より詳細には、前回切削されていない部位と前回切削された部位との境界の前後で変化している。そして、図3の切削抵抗Fyのうち急激に大きくなっている部分に示すように、切削加工中の切削抵抗Fyは、略三角形状になっており、実切込量に応じて変化していることが分かる。
上記のように、回転工具1は、時刻t1〜t2,t4〜t5において断続的な切削を行い、時刻t2〜t4において断続的に空転している。つまり、回転工具1は、断続的な切削によって、断続的に力を受けることになる。つまり、回転工具1の先端側の回転中心Cは、断続的な切削により生じる断続的な力(切削抵抗)によって、少なくとも反切込方向(Y方向)に振動する。
従って、回転工具1の先端側の回転中心Cの変位量Yaは、図3に示すように、回転工具1の固有値に応じて振動している。特に、切削抵抗Fyが発生した直後に、回転中心Cの変位量Yaが最も大きくなり、その後に減衰している。そして、再び、切削抵抗Fyにより変位量Yaが大きくなり、繰り返す。
次に、AEセンサ2のAE出力値について図5を参照して説明する。AE出力値は、図5に示すように、断続的な切削時に高い突出値を表し、断続的な非切削時に低い値を表すことになる。高い突出値は、回転工具1の1回転目における刃部1aによる切削時P(1_1)、1回転目の刃部1bによる切削時P(1_2)、2回転目における刃部1aによる切削時P(2_1)、2回転目の刃部1bによる切削時P(2_2)を図示している。高い突出値の間、すなわち、非切削の状態のときには、低い値となっている。
図5に示すAE出力値は、理想的な状態である。P(1_1)における突出値A(1_1)とP(1_2)における突出値A(1_2)は同一であり、設定範囲内(Ath(lower)以上、Ath(upper)以下)に含まれている。さらに、回転工具1の1回転分の周期TにおけるAE出力値の積分値S(1)は、設定範囲内(Sth(lower)以上、Sth(upper)以下)に含まれている。
次に、判定部7による良否判定処理について、図6を参照しながら説明する。まず、加工プログラムを実行する(ステップS1)。この加工プログラムは、良否判定のための加工プログラムであって、試し加工のプログラムである方がよい。つまり、当該加工プログラムは、実際の製品加工用のプログラムではない。このとき、回転工具1の回転速度は、一定である。
続いて、加工プログラムが開始された後において、変位センサ3の出力値を取得して、回転工具1の固有振動数を算出する(ステップS2)。ここで、変位センサ3は、回転工具1により被加工物Wの断続的な切削が行われているときの回転工具1の変位を検出する。つまり、断続的な切削によって生じた回転工具1の変位挙動を把握することで、回転工具1の固有振動数を算出できる。
ここで、上記においては、実際に断続的な切削によって生じた回転工具1の変位挙動に基づいて、回転工具1の固有振動数を算出した。この他に、加工プログラムを実行することなく、予め、ハンマリングによって回転工具1を加振させたときの回転工具1の変位挙動に基づいて、回転工具1の固有振動数を算出するようにしてもよい。この場合、図7のS2は、実行されない。
続いて、AEセンサ2の出力値を取得する(ステップS3)。AE出力値は、図5に示すような高い突出値を含む挙動となる。そして、取得したAE出力値に基づいて、回転工具1の回転速度の良否を判定する(ステップS4)。この回転速度の良否判定については後述する。
続いて、回転速度の変化させる範囲を終了したか否かを判定し(ステップS5)、終了していなければ、回転速度を変化させて(ステップS6)、ステップS3から繰り返す。ここで、回転速度の変化は、回転速度を徐々に増加させるようにしてもよいし、回転速度を徐々に減少するようにしてもよい。回転速度の変化の仕方としては、図7のAに示すように、階段状に変化させる方法、すなわち定速で一定時間を経過した後に、所定分を変化させることを繰り返すようにしてもよい。また、回転速度の変化の他の仕方としては、図7のBに示すように、連続的に回転速度を変化させるようにしてもよい。ただし、この場合には、比較的短時間での判定が必要となる。また、連続的に変化させる際に、低速側においては緩やかに変化させ、高速側においては急に変化させるとよい。もちろん、連続的に変化させる際に、上記に限られることなく、低速側と高速側での変化速度の関係を逆にしてもよいし、線形の関係となるようにしてもよい。
ただし、図7に示すように、ステップS2において算出した回転工具1の固有振動数fを通過しないように、通常は固有振動数fより低い範囲で、回転速度を変化させる。仮に、回転工具1の回転速度を変化させる際に、回転工具1の固有振動数fを通過すると、回転工具1が大きく振動するおそれがある。そのため、固有振動数fを通過した後の回転速度においては、正確に判定できない。そこで、固有振動数fを通過しないように回転速度を変化させることで、以下の回転速度の良否判定を確実にできる。
次に、良否判定処理について、図5、図8〜図10を参照しながら説明する。良否判定条件は、表1に示す3項目とする。ここで、良否判定処理において、判定条件1〜3の全てを満たす場合に良好として、何れかを満たさない場合に不良とする第一タイプ、判定条件1〜3の何れか一つを満たす場合に良好として、全てを満たさない場合に不良とする第二タイプ、判定条件1〜3の何れか二つを満たす場合に良好として、そうでない場合に不良とする第三タイプなどがある。
Figure 0006019582
判定条件1は、設定周期T内において、AE出力値の中に高い突出値が発生する回数が、n回であることである。ここで、設定周期Tは、理想状態において、設定周期T内にn(nは複数)回の断続的な切削を行うように設定する。例えば、図5においては、回転工具1の1回転分に相当する時間としている。ただし、設定周期Tは、回転工具1の複数回転分に相当する時間としてもよい。特に、回転工具1が1つの刃部を有する場合には、設定周期Tは複数回転分に設定することになる。
つまり、判定条件1は、刃部1a,1bの両方ともが切削を行っているか否かを判定する条件ということになる。仮に、一方の刃部が切削しない状態を継続すると、回転工具1の振動がますます大きくなり、加工精度を悪くする原因となる。つまり、判定条件1を満たすことで、回転工具1の振動が小さくなり、加工精度を良好にするということになる。
判定条件2は、設定周期T内における複数の突出値A(m_b)の最大値差ΔA(m)が設定範囲内であることである。最大値差ΔA(m)は、式(1)にて求められる。設定範囲の上限値ΔAthは、ゼロに近い許容値である。つまり、判定条件2は、刃部1aによる切削量と刃部1bによる切削量とが大差ない状態であるか否かを判定する条件ということになる。仮に、両方の刃部1a,1bが切削するとしても、刃部1aによる切削量が刃部1bによる切削量に比べて少なくなる場合がある。この場合には、回転工具1が大きく振動している状態であることが多く、この状態を継続すると、回転工具1の振動がますます大きくなり、加工精度を悪くする原因となる。つまり、判定条件2を満たすことで、回転工具1の振動が小さくなり、加工精度を良好にするということになる。
Figure 0006019582
判定条件3は、設定周期T内における複数の突出値A(m_b)の平均値A(m_ave)が設定範囲内であること、もしくは、設定周期T内におけるAE出力値の積分値S(m)が設定範囲内であることである。平均値A(m_ave)は、式(2)にて求められる。複数の突出値A(m_b)の平均値A(m_ave)に対する設定範囲は、図5に示すような理想的な状態における突出値A(m_b)を含む前後範囲とするとよい。また、AE出力値の積分値S(m)に対する設定範囲は、図5に示すような理想的な状態における積分値S(m)を含む前後範囲とするとよい。つまり、判定条件3は、被加工物Wの目標形状に対する誤差が小さくなる状態であるか否かを判定する条件ということになる。
ここで、回転工具1の振動によって、刃部1aによる切削量および刃部1bによる切削量の合計が所望値でない場合には、加工精度が悪くなる。仮に、刃部1aによる切削量と刃部1bによる切削量が同程度であったとしても、削り残しまたは削りすぎの状態となる。そこで、判定条件3を満たすことで、切削量が所望値となり、加工精度を良好にするということになる。
Figure 0006019582
次に、case1〜4のそれぞれについて、判定条件1〜3の判定を行う。case1〜4は、順に、図5、図8、図9、図10の場合である。case1の図5は上述したとおりである。case2の図8は、両方の刃部1a,1bが被加工物Wを切削しており、刃部1aにより切削する際に被加工物W側に近づき、かつ、刃部1bにより切削する際に被加工物Wから遠ざかっている場合である。この場合、刃部1aによる切削量が多くなり、刃部1bによる切削量が少なくなる。
case3の図9は、両方の刃部1a,1bが被加工物Wを切削しており、切削する際の刃部1a,1bと被加工物Wの相対位置は同程度である。刃部1a,1bによる切削量は、同程度であるが、理想状態に比べると少ない。case4の図10は、刃部1aのみが被加工物Wを切削しており、刃部1bは被加工物Wを切削していない。この場合、刃部1aによる切削量が非常に多くなり、刃部1bによる切削量はゼロとなる。
case1〜4において、判定条件1〜3の判定結果を表2に示す。case1では、全ての判定条件1〜3に対して良好となる。
Figure 0006019582
case2では、両方の刃部1a,1bが切削しているため、判定条件1において良好と判定される。また、1回転目の刃部1aによる切削時P(1_1)における突出値A(1_1)は上限閾値Ath(upper)より大きく、1回転目の刃部1bによる切削時P(1_2)における突出値A(1_2)は下限閾値Ath(lower)より小さい。従って、最大値差ΔA(1)が、設定範囲の上限値ΔAthより大きい。従って、判定条件2において不良と判定される。また、突出値A(1_1)、A(1_2)の平均値A(1_ave)は、下限閾値Ath(lower)と上限閾値Ath(upper)との間に位置する。従って、判定条件3の一方において良好と判定される。また、積分値S(1)は、下限閾値Sth(lower)と上限閾値Sth(upper)との間に位置する。従って、判定条件3の他方において良好と判定される。
case3では、両方の刃部1a,1bが切削しているため、判定条件1において良好と判定される。また、1回転目の刃部1aによる切削時P(1_1)における突出値A(1_1)と刃部1bによる切削時P(1_2)における突出値A(1_2)は、同一値である。従って、最大値差ΔA(1)が、設定範囲の上限値ΔAthより小さい。従って、判定条件2において良好と判定される。また、突出値A(1_1)、A(1_2)は下限閾値Ath(lower)であるため、平均値A(1_ave)は、下限閾値Ath(lower)より小さい。従って、判定条件3の一方において不良と判定される。また、積分値S(1)は、下限閾値Sth(lower)より小さい。従って、判定条件3の他方においても不良と判定される。
case4では、一方の刃部1bが切削していないため、判定条件1において不良と判定される。また、1回転目の刃部1aによる切削時P(1_1)における突出値A(1_1)は大きいが、刃部1bによる切削時P(1_2)における突出値A(1_2)はゼロとなる。従って、最大値差ΔA(1)が、設定範囲の上限値ΔAthより大きい。従って、判定条件2においても不良と判定される。また、突出値A(1_1)、A(1_2)の平均値A(1_ave)は、下限閾値Ath(lower)より小さい。従って、判定条件3の一方において不良と判定される。また、積分値S(1)は、下限閾値Sth(lower)より小さい。従って、判定条件3の他方においても不良と判定される。
このように、判定条件3の全てを満たすのは、case1のみとなる。case1は良好と判定されるが、case2、3は判定タイプによって良好と判定される場合や不良と判定される場合がある。また、case4は不良と判定される。ここで、図8のcase2のように突出値A(1_1) 、A(1_2)が異なる値であっても、最大値差ΔA(1)が設定範囲の上限値ΔAthより小さくなる場合がある。この場合には、判定条件1〜3の全てを満たすことになる。
以上説明したように、実際の切削を行って判定条件1〜3を用いることにより、加工精度が良好となる加工条件、特に回転工具1の回転速度の条件を決定することができる。
(第二実施形態)
ここで、回転工具1の回転速度の条件を決定するために、回転工具1の固有振動数f以外の全範囲について回転速度を変化させることは、多大な時間を要する。そこで、回転工具1による断続的な切削を行う場合の解析結果を利用して、回転工具1の回転速度を変化させる範囲を決定し、その範囲内で適切な回転速度の条件を決定する。
解析とは、実際の加工をモデル化してシミュレーションを行う解析である。この解析の結果として、図11に示すように回転工具1の回転速度に対する加工誤差の関係、および、図12に示すように回転工具1の回転速度に対する回転工具1の最大振幅の関係を得ているものとする。
図11において、加工誤差Δyとは、被加工物Wの実加工後形状と、被加工物Wの目標形状(設計値)との誤差である。つまり、加工誤差Δyがゼロであることが理想状態である。また、図12において、回転工具1の最大振幅Amaxは、小さい方が望ましい。回転工具1の最大振幅Amaxが大きくなると、加工精度を悪化させる原因となる。なお、図11において加工誤差Δyがゼロに近い範囲と、図12において最大振幅Amaxが小さい範囲とは、ほぼ一致する。
つまり、図11および図12によれば、回転工具1の振動位相θが180°以上270°未満の範囲で、加工誤差Δyが小さくかつ回転工具1の最大振幅Amaxが小さくなっている。特に、回転工具1の振動位相θが180°以上で「180°+α(αは20〜30°程度)」以下の範囲で、加工誤差Δyが小さくかつ回転工具1の最大振幅Amaxが小さくなっている。
ここで、回転工具1の振動位相θについて、図13を参照して説明する。図13に示すように、振動位相θとは、回転工具1が第1回目の切削抵抗を受ける時を振動位相0°と定義した場合に、回転工具1が第2回目の切削抵抗を受ける時における回転工具1の振動位相である。
つまり、振動位相θ=0°,360°は、回転工具1が反切込方向に移動しかつ反切込方向の移動速度が最大となる振動位相である。振動位相θ=90°は、回転工具1が反切込方向から切込方向に切り替わる瞬間の振動位相である。振動位相θ=180°は、回転工具1が切込方向に移動しかつ切込方向の移動速度が最大となる振動位相である。振動位相θ=270°は、回転工具1が切込方向から反切込方向に切り替わる瞬間の振動位相である。
図11および図12に戻り説明する。図11および図12に示すように、振動位相θが180°以上で180°+α以下の範囲は、複数存在する。すなわち、回転工具1の回転速度が6600min-1付近、4000min-1付近、3000min-1付近、2300min-1付近において、振動位相θが180°以上で180°+α以下の範囲となる。そこで、各範囲について、上記処理を行う。上記処理は、各範囲において、回転速度の低い側(振動位相θ=180°+α)からスタートし、回転速度の高い側(振動位相θ=180°)に変化させながら行う。
このようにすることで、回転速度の狙いをある程度定めた上で、回転速度の決定処理を行うことで、短時間で、良好な回転速度の条件を決定することができる。ここで、回転工具1の回転速度ほど、加工能率が高い。そこで、回転速度が高い側から順に上述した処理を行っていく。すなわち、回転工具1の回転速度が6600min-1付近、4000min-1付近、3000min-1付近、2300min-1付近の順に行うとよい。
ここで、振動位相θ=180°となる回転速度、または、振動位相θ=180°+αとなる回転速度は、固有振動数fから得ることができる。例えば、断続的な切削によって生じた回転工具1の変位挙動に基づいて回転工具1の固有振動数fを算出する場合には、振動位相θ=180°,180°+αとなる回転速度を算出できる。そこで、振動位相θ=180°+αとなる回転速度からθ=180°となる回転速度へ変化させながら上記を行う。
また、ハンマリングによって固有振動数fを算出する場合には、少なくとも振動位相θ=180°となる回転速度を算出できる。そこで、振動位相θ=180°より大きな位相(270°未満)の範囲に対応する回転速度について、適宜AEセンサ2のAE出力値を参照しながら、加工誤差Δyが小さくなる振動位相θを見つけ出す。そして、振動位相θ=180°+αとなる回転速度からθ=180°となる回転速度へ変化させながら上記を行う。
(第三実施形態)
上記においては、回転工具1の回転速度を変化させていきながら、条件を満たす回転工具1の回転速度を決定することとした。回転速度の他に、回転工具1の送り速度、および、切込量に置換することもできる。回転工具1の送り速度を決定する場合には、図7のS5において送り速度の変化の終了判定を行い、S6において送り速度の変化処理を実行することになる。このようにすることで、条件を満たす送り速度を得ることができる。切込量の場合も、同様であり、図7のS5,S6において、回転速度を切込量に置換する。上記の結果、加工精度が良好となる送り速度、切込量などの加工条件を決定することができる。
(第四実施形態)
上記においては、試し加工のプログラムを実行しながら、回転工具1の回転速度の条件を決定することについて説明した。ここで、実際に製品である被加工物Wを加工している状態において、回転工具1の摩耗などによって、現在の加工条件が良好でない状態に変化することがある。現在の加工条件が良好であるか否かは、上述した判定と同様に行うことができる。
そこで、製品加工中に、現在の回転工具1の回転速度の条件が良好であるか否かを判定し、良好であればそのままの加工条件を維持し、良好でなければ加工条件を変更するようにしてもよい(条件変更工程)。例えば、良好でない状態になった場合には、回転工具1の回転速度を低減したり、送り速度を低減したり、切込量を低減したりする。
(第五実施形態)
また、上記においては、加工条件、特に回転工具1の回転速度の条件の良否判定を行った。同様の判定方法を適用して、回転工具1の寿命の判定を行うことができる。すなわち、回転工具1による切削において、加工開始時にはAE出力値が所定周期T内にn回の突出値A(m_b)を有し、所定周期T内における複数の突出値A(m_b)の最大値差ΔA(m)が設定範囲内であり、所定周期T内における複数の突出値A(m_b)の平均値A(m_ave)が設定範囲内であり、および、所定周期T内におけるAE出力値の積分値S(m)が設定範囲内であるとする。
そして、上記の判定条件のうち少なくとも1つが、設定範囲内でなくなった場合に、回転工具1が摩耗などにより寿命であると判定する。判定後、当該回転工具1を新しい回転工具1に交換する。つまり、回転工具1の工具交換のタイミングを決定することができる。
1:回転工具、 1a,1b:刃部、 2:AEセンサ、 3:変位センサ、 7:判定部、 A(m_b):突出値、 A(m_ave):平均値、 S(m):積分値、 T:設定周期、 W:被加工物、 ΔA(m):最大値差

Claims (9)

  1. 1または複数の刃部を備える回転工具を用いて被加工物を切削する際に、所定周期内において全ての前記刃部による断続的な切削を行うための加工条件の良否を判定する方法であって、
    前記被加工物側または前記回転工具側に取り付けられたAE(アコースティック・エミッション)センサのAE出力値を取得する取得工程と、
    前記AE出力値に基づいて前記加工条件の良否を判定する判定工程と、
    を備え、
    前記AE出力値は、断続的な切削時に高い突出値を表し、断続的な非切削時に低い値を表し、
    前記判定工程は、
    前記所定周期内における前記AE出力値の前記突出値の回数が、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削回数に相当するn回であるか否かに基づいて、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているか否かを判定し、
    切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているときに前記加工条件が良好であると判定する、
    加工条件良否判定方法。
  2. 前記判定工程は、さらに、前記所定周期内における複数の前記突出値の最大値差が設定範囲内であるか否かに基づいて前記加工条件の良否を判定する、請求項1の加工条件良否判定方法。
  3. 前記判定工程は、さらに、前記所定周期内における前記AE出力値の積分値が設定範囲内であるか否かに基づいて前記加工条件の良否を判定する、請求項1または2の加工条件良否判定方法。
  4. 前記判定工程は、さらに、前記所定周期内における複数の前記突出値の平均値が設定範囲内であるか否かに基づいて前記加工条件の良否を判定する、請求項2または3の加工条件良否判定方法。
  5. 前記取得工程は、前記回転工具の回転速度が一の回転速度である場合における前記AE出力値を取得し、
    前記判定工程は、前記一の回転速度における前記AE出力値に基づいて、前記加工条件のうち前記一の回転速度についての良否を判定し、
    前記取得工程は、前記判定工程における前記一の回転速度についての良否の判定の後に前記回転工具の回転速度を他の回転速度に変化させて、前記回転工具の回転速度が前記他の回転速度である場合における前記AE出力値を取得し、
    前記判定工程は、前記他の回転速度における前記AE出力値に基づいて、前記加工条件のうち前記他の回転速度についての良否を判定する、請求項1〜4の何れか一項の加工条件良否判定方法。
  6. 前記取得工程は、前記回転工具の固有振動数を通過しないように前記回転工具の回転速度を変化させる、請求項5の加工条件良否判定方法。
  7. 前記回転工具は、回転しながら断続的な切削を行うと共に、前記回転工具の先端側は、前記断続的な切削により切込方向に振動し、
    前記回転工具が1の刃部を有する場合には、当該1の刃部の切削により前記回転工具が第1回目および第2回目の切削抵抗を受け、前記回転工具が複数の刃部を有する場合には、一の刃部の切削により前記回転工具が第1回目の切削抵抗を受け、他の刃部の切削により前記回転工具が第2回目の切削抵抗を受け、
    前記取得工程は、前記回転工具が第1回目の切削抵抗を受ける時において前記回転工具の先端側の切込方向の振動における振動位相0°と定義した場合に、前記回転工具が第2回目の切削抵抗を受ける時において前記回転工具の先端側の切込方向の振動における前記回転工具の振動位相を180°以上270°未満の範囲において前記回転工具の回転速度を変化させる、請求項6の加工条件良否判定方法。
  8. 前記取得工程は、設定された前記加工条件に基づいて断続的な切削を行う際の前記AE出力値を取得し、
    前記加工条件良否判定方法は、前記判定工程にて現在の前記加工条件が良好でない状態になったと判定された場合に、前記加工条件を変更する条件変更工程を備える、請求項1〜7の何れか一項の加工条件良否判定方法。
  9. 1または複数の刃部を備え、加工条件に従って被加工物を切削する際断続的な切削を行う回転工具と、
    前記被加工物側または前記回転工具側に取り付けられたAE出力値を出力するAEセンサと、
    前記AE出力値に基づいて前記加工条件の良否を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記AE出力値は、断続的な切削時に高い突出値を表し、断続的な非切削時に低い値を表し、
    前記判定手段は、
    前記所定周期内における前記AE出力値の前記突出値の回数が、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削回数に相当するn回であるか否かに基づいて、切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているか否かを判定し、
    切削すべき全ての前記刃部による断続的な切削が行われているときに前記加工条件が良好であると判定する、
    加工条件良否判定装置。
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