JP6018929B2 - 検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検査方法に関し、より詳しくは、繰り返しパターンが設けられた試料の欠陥の有無を判定する検査方法に関する。
大規模集積回路(Large Scale Integration;LSI)の高集積化および大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路寸法は狭小化の一途を辿っている。例えば、最先端のデバイスでは、十数nmの線幅のパターン形成が要求される状況となってきている。
多大な製造コストのかかるLSIにとって、製造工程における歩留まりの向上は欠かせない。ここで、半導体素子は、その製造工程において、ステッパまたはスキャナと呼ばれる縮小投影露光装置により、回路パターンが形成された原画パターン(マスクまたはレチクルを指す。以下では、マスクと総称する。)がウェハ上に露光転写される。そして、半導体素子の歩留まりを低下させる大きな要因として、マスクパターンの形状欠陥が挙げられる。
ウェハ上に形成されるLSIパターンの寸法が微細化していることに伴って、マスクパターンの形状欠陥も微細化している。また、マスクの寸法精度を高めることで、プロセス諸条件の変動を吸収しようとしてきたこともあり、マスク検査においては、極めて小さなパターンの欠陥を検出することが必要になっている。特許文献1には、マスク上における微細な欠陥を検出できる検査装置が開示されている。
マスクの検査工程では、まず、XYステージ上にマスクを載置し、マスク上の所望の位置にXYステージを移動させる。次いで、例えば、XYステージをX方向に所定の速度で送りながら光学画像を取得する。取得された光学画像は、基準画像と比較され、その結果から欠陥の有無が判定される。ここで、ダイ−トゥ−データベース方式による検査方法の場合、マスクの光学画像と比較される基準画像は、描画データ(設計パターンデータ)をベースに作成された参照画像である。一方、ダイ−トゥ−ダイ方式による検査方法の場合、基準画像は、検査の対象となる光学画像とは異なる光学画像になる。
マスクの光学画像を基準画像と比較して欠陥検出する際には、最初にこれらの画像を正確に位置合わせすることが重要となる。位置合わせが正確でないと、基準画像とのずれを欠陥と認識したり、異なるパターン同士を比較したりして、本来欠陥でないものを欠陥として検出してしまうおそれがあるからである。
位置合わせの方法としては、例えば特許文献2に開示されるように、画像同士を2段階で位置合わせするものが挙げられる。具体的には、第1のパターンを撮像した第1の画像と、第2のパターンを撮像した第2の画像とを比較して、第1のパターンに含まれる欠陥を検出する場合において、相対的に低い精度で位置合わせを行った後に、相対的に高い精度で位置合わせを行う。しかし、この手法の場合、欠陥検出処理に要する時間が長くなる。
そこで、特許文献3には、光学画像の所定領域と、これに対応する参照画像の領域とからなる複数の対を考え、一部の対については、グローバルアライメントとファインアライメントを行うが、その他の対については、直前に行われたグローバルアライメントの結果を援用して、ファインアライメントのみを行う方法が開示されている。
また、基準画像の基準位置から所定範囲内で位置合わせを行い、光学画像と最も一致した位置でこれらを比較する方法もある。
特許第4236825号公報 特開2005−292016号公報 特開2010−249565号公報
しかしながら、上記いずれの方法においても、繰り返しパターンを撮像した画像の位置合わせで生じるピッチずれの問題を解決することはできない。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、繰り返しパターンが設けられた試料の欠陥の有無を判定する検査方法において、光学画像と基準画像の正確な位置合わせを行うことのできる方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明は、繰り返しパターンが設けられた試料の欠陥の有無を判定する検査方法において、
試料の検査領域を短冊状の複数の第1の領域に仮想的に分割する工程と、
第1の領域毎に光学画像を取得する工程と、
光学画像に対応する基準画像を取得する工程と、
第1の領域が各々複数の第2の領域から構成されていて、光学画像と基準画像の位置合わせを第2の領域毎に行う工程と、
光学画像と基準画像を比較して、それらの差異が閾値を超えた場合に欠陥ありと判定する工程とを備えており、
位置合わせを行う工程は、前回位置合わせを行った第2の領域の位置合わせ開始位置が保存されているか否かを判定する工程と、
位置合わせ開始位置が保存されており、さらに、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性がある場合には、保存された位置合わせ開始位置を用いて、次に位置合わせを行う第2の領域の位置合わせ開始位置とし、
位置合わせ開始位置が保存されていない場合、または、位置合わせ開始位置が保存されているが、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性がない場合には、保存された位置合わせ開始位置ではない任意の位置を用いて、次に位置合わせを行う第2の領域の位置合わせ開始位置とする工程と、
上記の工程で決定された位置合わせ開始位置から所定範囲内で、光学画像と基準画像の位置合わせを行って、これらが最も一致する位置を探す工程と、
位置合わせ開始位置から所定範囲内での位置合わせの結果、最も一致する位置における光学画像と基準画像の位置ずれ量を求め、これらの位置合わせに用いた位置合わせ開始位置から位置ずれ量をオフセットした位置を新たな位置合わせ開始位置として保存する工程とを有することを特徴とするものである。
本発明の位置合わせを行う工程では、位置合わせ開始位置が保存されている場合に、この位置合わせ開始位置から所定範囲内で光学画像の第2の領域と基準画像の第2の領域の位置合わせを行い、これらが最も一致した位置における光学画像または基準画像について、
繰り返しパターンのエッジが、第2の領域のエッジから所定範囲内にある場合、または、第2の領域における繰り返しパターンのエッジが、第2の領域のエッジから所定範囲内にないが、繰り返しパターンのエッジ間の距離が所定範囲内にある場合は、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性があるとし、
第2の領域における繰り返しパターンのエッジが、第2の領域のエッジから所定範囲内になく、繰り返しパターンのエッジ間の距離も所定範囲内にない場合は、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性はないとすることが好ましい。
上記の好ましい態様は、位置合わせ開始位置が保存されている場合に、この位置合わせ開始位置から所定範囲内で光学画像の第2の領域と基準画像の第2の領域の位置合わせを行い、これらが最も一致した位置における光学画像または基準画像について、
第2の領域に白色と黒色の切り替え画素があるか否かを判定する工程と、
切り替え画素がある場合に、切り替え画素が一方向に所定数以上連続しているか否かを判定する工程とを有することがより好ましい。
このとき、切り替え画素が一方向に所定数以上連続している場合には、この連続した切り替え画素を繰り返しパターンのエッジと判断し、この繰り返しパターンのエッジが、第2の領域のエッジから所定範囲内にあるか否かを判定して、
繰り返しパターンのエッジが、第2の領域のエッジから所定範囲内にある場合、または、第2の領域における繰り返しパターンのエッジが、第2の領域のエッジから所定範囲内にないが、繰り返しパターンのエッジ間の距離が所定範囲内にある場合は、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性があるとし、
第2の領域における繰り返しパターンのエッジが、第2の領域のエッジから所定範囲内になく、繰り返しパターンのエッジ間の距離も所定範囲内にない場合は、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性はないとする。
一方、第2の領域に切り替え画素がない場合、または、切り替え画素が一方向に所定数以上連続していない場合には、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性があるとする。
本発明の位置合わせを行う工程は、決定された位置合わせ開始位置から所定範囲内で、光学画像の第2の領域と基準画像の第2の領域の位置合わせを行い、これらが最も一致した位置における光学画像または基準画像に白色と黒色の切り替え画素があるか否かを判定する工程と、
切り替え画素がある場合に、切り替え画素が一方向に所定数以上連続しているか否かを判定する工程とを有することが好ましい。
このとき、切り替え画素が一方向に所定数以上連続している場合には、最も一致する位置における光学画像と基準画像の位置ずれ量を求め、これらの位置合わせに用いた位置合わせ開始位置から位置ずれ量をオフセットした位置を新たな位置合わせ開始位置として保存する。
一方、切り替え画素がない場合、または、切り替え画素が一方向に所定数以上連続していない場合には、新たな位置合わせ開始位置の保存を行わない。
本発明におけるピッチずれは、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとの1ピッチまたは2ピッチのずれとすることが好ましい。
本発明における基準画像は、繰り返しパターンの設計データから生成された画像とすることが好ましい。
本発明によれば、繰り返しパターンが設けられた試料の欠陥の有無を判定する検査方法において、光学画像と基準画像の正確な位置合わせを行うことのできる方法が提供される。
(a)は参照画像の模式図であり、(b)は光学画像の模式図である。 図1の(a)参照画像と(b)光学画像とを位置合わせする前の状態を示す図である。 図1の(a)参照画像と(b)光学画像とを位置合わせした後の状態を示す図である。 本実施の形態の検査方法に使用される検査装置の一例である。 本実施の形態におけるデータの流れを示す概念図である。 フィルタ処理を説明する図である。 欠陥を検出するための光学画像の取得手順を説明する図である。 フレームを模式的に示す図である。 本実施の形態の検査工程を示すフローチャートである。 図9のS110を説明するフローチャートである。 図10のS202を説明するフローチャートである。 図10のS208を説明するフローチャートである。 (a)は参照画像の模式図であり、(b)は光学画像の模式図である。 図13の(a)参照画像と(b)光学画像とを位置合わせする前の状態を示す図である。 図13の(a)参照画像と(b)光学画像とを位置合わせした後の状態を示す図であり、(a)はピッチずれを起こしていない状態、(b)はピッチずれを起こした状態である。
本実施の形態では、ダイ−トゥ−データベース方式による検査方法を述べる。したがって、検査対象の光学画像と比較される基準画像は、設計データ(設計パターンデータとも称す。)から生成された参照画像である。但し、本発明は、ダイ−トゥ−ダイ方式による検査方法にも適用可能であり、その場合の基準画像は、検査対象とは異なる光学画像になる。
図4は、本実施の形態の検査方法に使用される検査装置の一例である。尚、検査装置には、図4に示す構成要素以外に、マスク1を検査するのに必要な他の公知要素が含まれていてもよい。
図4の検査装置100は、光学画像取得部Aと制御部Bを有する。
光学画像取得部Aは、光源5と、水平方向(X方向、Y方向)に移動可能なXYテーブル3と、レンズ6,8,104と、ミラー7と、画像センサ105と、センサ回路106と、レーザ測長システム122と、オートローダ130とを有する。尚、XYテーブル3は、回転方向(θ方向)にも移動可能な構造とすることができる。
制御部Bでは、検査装置100全体の制御を司る制御計算機110が、データ伝送路となるバス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照回路112、展開回路111、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、記憶部の一例となる磁気ディスク装置109、ネットワークインターフェイス115、フレキシブルディスク装置116、液晶ディスプレイ117、パターンモニタ118およびプリンタ119に接続されている。XYテーブル3は、テーブル制御回路114によって制御されたX軸モータおよびY軸モータによって駆動される。これらのモータには、例えば、ステップモータを用いることができる。
図5は、本実施の形態におけるデータの流れを示す概念図である。
図5に示すように、設計者(ユーザ)が作成したCADデータ201は、階層化されたフォーマットの設計中間データ202に変換される。設計中間データ202には、レイヤ(層)毎に作成されてマスク1に形成される設計パターンデータが格納される。ここで、一般に、検査装置は、設計中間データ202を直接読み込めるようには構成されていない。すなわち、検査装置の製造メーカー毎に、異なるフォーマットデータが用いられている。このため、設計中間データ202は、レイヤ毎に各検査装置に固有のフォーマットデータ203に変換された後に、図4の磁気ディスク装置109を通じて検査装置100に入力される。この場合、フォーマットデータ203は、検査装置100に固有のデータとすることができる。
磁気ディスク装置109に格納された設計パターンデータは、検査の進行に合わせて読み出されて展開回路111に送られる。展開回路111では、設計パターンデータがイメージデータ(設計画素データ)に変換される。その後、このイメージデータは、参照回路112に送られて参照画像の生成に用いられる。
参照画像は、次に述べるように、設計パターンデータを基に、記憶工程、展開工程およびフィルタ工程を経て生成される。
<記憶工程>
記憶工程では、上述したように、マスク1のパターン形成時に用いた設計パターンデータが、磁気ディスク装置109に記憶される。
設計パターンに含まれる図形は、長方形や三角形を基本図形としたものである。記憶装部には、例えば、図形の基準位置における座標、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報であって、各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納される。
一般に、数十μm程度の範囲に存在する図形の集合をクラスタまたはセルと称する。記憶工程では、これを用いてデータを階層化することが行われる。クラスタまたはセルには、各種図形を単独で配置したり、ある間隔で繰り返し配置したりする場合の配置座標や繰り返し記述も定義される。クラスタまたはセルデータは、(後述する)ストライプに配置される。
<展開工程>
展開工程では、図4の展開回路111が、磁気ディスク装置109から制御計算機110を通じて設計パターンデータを読み出し、読み出されたデータを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。その後、このイメージデータは、参照回路112へ送られる。
上記において、展開回路111は、設計パターンデータを図形毎のデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値のイメージデータを展開する。展開されたイメージデータは、センサ画素に相当する領域(マス目)毎に図形が占める占有率を演算する。各画素内の図形占有率は画素値となる。
<フィルタ処理工程>
フィルタ処理工程では、参照回路112によって、送られてきた図形のイメージデータに適切なフィルタ処理が施される。
図6は、フィルタ処理を説明する図である。
検査装置100で取得される、マスク1の光学画像は、検査装置100の光学系や画像センサ105のアパーチャ効果等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続的に変化するアナログ状態にある。一方、設計側のイメージデータは、画像強度(濃淡値)がデジタル値となっている。そこで、イメージデータにもフィルタ処理を施すことで、測定データにイメージデータを合わせることができる。
以上のようにして、光学画像と比較する参照画像が生成される。この参照画像は、比較回路108へ送られる。
次に、光学画像の取得方法について説明する。
マスク1の光学画像(測定データ)は、図4の光学画像取得部Aで取得される。ここで、光学画像は、設計パターンに含まれる図形データに基づく図形が描画されたマスク1の画像である。
図4において、光源5は、マスク1に対して、欠陥検査用の光を照射する。光源5から出射された光は、レンズ6を透過し、ミラー7で向きを変えられた後、レンズ8によってマスク1の上に集光される。その後、マスク1を透過した光は、レンズ104を介して、画像センサ105に光学像として結像する。
図7は、マスク1に形成されたパターンの欠陥を検出するための光学画像の取得手順を説明する図である。
図7のマスク1は、図4のXYステージ3の上に載置されているものとする。また、マスク1上の検査領域は、図7に示すように、短冊状の複数のストライプ20,20,20,20,・・・に仮想的に分割されている。各ストライプは、例えば、幅が数百μmであって、長さがマスク1のX方向またはY方向の全長に対応する100mm程度の領域とすることができる。尚、ストライプは、本発明の第1の領域に対応する。
光学画像は、ストライプ毎に取得される。すなわち、図7で光学画像を取得する際には、各ストライプ20,20,20,20,・・・が連続的に走査されるように、XYテーブル3の動作が制御される。具体的には、XYテーブル3が図7のX方向に移動しながら、マスク1の光学画像が取得される。そして、図4の画像センサ105に、図7に示されるような走査幅Wの画像が連続的に入力される。すなわち、第1のストライプ20における画像を取得した後、第2のストライプ20における画像を取得する。この場合、XYテーブル3がY方向にステップ移動した後、第1のストライプ20における画像の取得時の方向(X方向)とは逆方向(−X方向)に移動しながら光学画像を取得して、走査幅Wの画像が画像センサに連続的に入力される。第3のストライプ20における画像を取得する場合には、XYテーブル3がY方向にステップ移動した後、第2のストライプ20における画像を取得する方向(−X方向)とは逆方向、すなわち、第1のストライプ20における画像を取得した方向(X方向)に、XYテーブル3が移動する。尚、図7の斜線部分は、上記のようにして光学画像の取得が済んだ領域を模式的に表したものである。
図4の画像センサ105上に結像したパターンの像は、画像センサ105によって光電変換され、さらにセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。画像センサ105には、画像センサが配置されている。画像センサとしては、例えば、撮像素子としてのCCDカメラを一列に並べたラインセンサが用いられる。ラインセンサの例としては、TDI(Time Delay Integration)センサが挙げられる。XYテーブル3がX軸方向に連続的に移動しながら、TDIセンサによってマスク1のパターンが撮像される。
以上のようにして得られた光学画像は、図4の比較回路108へ送られる。
比較回路108では,センサ回路106から送られた光学画像と、参照回路112で生成した参照画像とが、適切な比較判定アルゴリズムを用いて比較され、誤差が所定の値を超えた場合にその箇所は欠陥と判定される。次いで、欠陥の座標と、欠陥判定の根拠となった光学画像および参照画像とが、図5に示す検査結果205として、磁気ディスク装置109に保存される。
尚、欠陥判定は、次の2種類の方法により行うことができる。1つは、参照画像における輪郭線の位置と、光学画像における輪郭線の位置との間に、所定の閾値寸法を超える差が認められる場合に欠陥と判定する方法である。他の1つは、参照画像におけるパターンの線幅と、光学画像におけるパターンの線幅との比率が所定の閾値を超える場合に欠陥と判定する方法である。この方法では、参照画像におけるパターン間の距離と、光学画像におけるパターン間の距離との比率を対象としてもよい。
検査結果205は、図5に示すように、検査装置100の外部装置であるレビュー装置500に送られる。レビューは、オペレータによって、検出された欠陥が実用上問題となるものであるかどうかを判断する動作である。具体的には、検査結果205がレビュー装置500に送られ、オペレータによるレビューによって修正の要否が判断される。このとき、オペレータは、欠陥判定の根拠となった参照画像と、欠陥が含まれる光学画像とを見比べてレビューする。
レビュー装置500では、欠陥1つ1つの座標が観察できるように、マスク1が載置されたテーブルを移動させながら、マスク1の欠陥箇所の画像を表示する。また同時に欠陥判定の判断条件や、判定の根拠となった光学画像と参照画像を確認できるよう、レビュー装置500に備えられた計算機の画面上にこれらを並べて表示する。
尚、検査装置100にレビュー装置500が備えられている場合には、検査装置100の観察光学系を使って、マスク1の欠陥箇所の画像を表示する。また同時に欠陥判定の判断条件や、判定根拠になった光学画像と参照画像などは、図4に示す制御計算機110の画面を利用して表示される。
レビュー工程を経て判別された欠陥情報は、図4の磁気ディスク装置109に保存される。そして、図5において、レビュー装置500で1つでも修正すべき欠陥が確認されると、マスク1は、欠陥情報リスト207とともに、検査装置100の外部装置である修正装置600に送られる。修正方法は、欠陥のタイプが凸系の欠陥か凹系の欠陥かによって異なるので、欠陥情報リスト207には、凹凸の区別を含む欠陥の種別と欠陥の座標が添付される。
図9は、本実施の形態の検査工程を示すフローチャートである。図4および図7を参照しながら、このフローチャートについて説明する。
検査工程では、図9に示すように、まず、検査を開始するストライプと、検査を終了するストライプとを決定する(S101)。次いで、検査を開始するストライプ(第1のストライプ)の番号を制御計算機110に入力し(S102)、そのストライプの座標を制御計算機110で計算する(S103)。次に、テーブル制御回路114を通じて、S103で取得した座標位置にXYステージ3を移動させた後、例えば図7に示すように、XYステージ3をX方向に移動させながら、第1のストライプ20の光学画像を取得する(S104)。
次に、参照回路112において、第1のストライプ20に対応するストライプの参照画像を生成する(S105)。参照画像の生成工程は、上記で説明した通りである。
図7に示すように、マスク上の評価領域は短冊状の複数のストライプに仮想的に分割されている。そして、各ストライプから、所定の大きさ(例えば、512×512画素)のフレーム単位で切り出して、フレーム毎に連続して検査が行われる。尚、フレームは、本発明の第2の領域に対応する。
図8は、一定の領域毎に切り出されるフレームを模式的に示したものである。図8において、図7の第1のストライプ20は、複数のフレーム2011,2012,・・・から構成されている。また、図8では省略されているが、マスク上の他のストライプも同様に複数のフレームから構成されている。そして、光学画像と参照画像の位置合わせは、フレーム毎に行われる。
図9のS106では、検査対象となるストライプ内の検査開始フレームが決定される。次いで、この検査開始フレームの位置情報(例えば、フレームの座標位置など)が制御計算機110に入力され(S107)、この位置から参照画像のフレームが取得される(S108)。また、光学画像のフレームも取得される(S109)。
次に、S108で取得された参照画像のフレームと、S109で取得された光学画像のフレームとの間で位置合わせ、つまり、各フレーム内の任意のパターンのラインエッジを用いて、最も誤差の少ない個所の特定が行われる(S110)。この位置合わせについては、図10〜図12を用いて後述する。
S110の位置合わせを終えた後は、比較回路108において、光学画像と参照画像とが適切な比較判定アルゴリズムを用いてフレーム毎に比較され、誤差が所定の値を超えた場合にその箇所は欠陥と判定される(S111)。
S111で検出された、フレーム内での欠陥は、ラベリングされる(S112)。例えば、欠陥の座標と、欠陥判定の根拠となった光学画像および参照画像とが、磁気ディスク装置109に保存される。
続いて、次に検査するフレームの位置が制御計算機110に入力される(S113)。その後、ストライプ内の全フレームを検査するまで、S108〜S113の工程が繰り返される。全フレームの検査を終えたか否かの判定はS114で行われ、検査を終えていない場合には、S108へ戻り、入力した位置に対応する参照画像のフレームを取得する。一方、入力した位置に該当するフレームがストライプ内にない場合には、全フレームの検査を終えたと判定してS115へ進む。尚、この判定は、制御計算機110で行うことができる。
S115では、検査したストライプ内で検出された欠陥をラベリングする。その後、ストライプ番号をインクリメント、すなわち、1つ増やし、全ストライプの検査を終えたか否かの判定を行う(S117)。検査を終えていない場合には、(ストライプ番号が1つ増加した)次のストライプについて同様の処理(S103〜S116)を行う。この処理は、マスク上の全ストライプの検査を終えるまで行われる。一方、S117において、ストライプ番号が1つ増加したストライプがない場合には、全ストライプを検査したと判定し、一連の検査工程を終了する。尚、S117の判定も、制御計算機110で行うことができる。
ところで、参照画像のフレームと光学画像のフレームとを位置合わせする際、従来の方法では、ピッチずれの問題を解決することができない。以下、図1〜図3および図13〜図15を参照しながら、この問題について詳述する。
前述した通り、検査装置での欠陥検出は、参照画像と光学画像とを、それぞれフレーム(例えば、512×512画素)で切り出した後、これらの画像の位置ずれを合わせてから、フレーム単位での画像同士を比較することにより行われる。尚、位置合わせが必要となる理由は、次の通りである。
マスクには潜在的な歪みがあるうえ、その形状は、検査工程で周囲から発せられる熱による膨張で変化する。また、マスクを所望の位置に正確に載置することは難しく、大抵は僅かにずれる。さらに、XYステージの移動軌跡を完全な直線とすることも難しく、その動きは微視的に見ると蛇行したものとなる。こうしたことから、マスクの光学画像を参照画像と比較して欠陥検出する際には、最初にこれらの画像を正確に位置合わせすることが重要となる。位置合わせが正確でないと、参照画像とのずれを欠陥と認識したり、異なるパターン同士を比較したりして、本来欠陥でないものを欠陥として検出してしまうおそれがあるからである。
図1(a)は、参照画像のフレームを模式的に示したものである。また、図1(b)は、図1(a)に対応するパターンの光学画像のフレームを模式的に示したものである。これらのフレームをそのエッジ同士で単純に重ね合わせたものが図2の状態である。参照画像は、設計パターンデータを基に作成された理想的な画像であるが、光学画像は、上記した種々の原因によって理想とは異なるものとなる。このため、光学画像のパターンの座標位置は、参照画像のパターンの座標位置からずれてしまい、両者を重ね合わせると図2のようになる。そこで、パターン同士の位置合わせを行って、図3に示すようにこれらの位置ずれをなくしてから、画像同士を比較して検査を行うことが必要になる。尚、パターン同士は、図3に示すように完全に一致した状態でなくても、位置ずれ量が所定の範囲内であれば、補正処理によってずれを理論上なくして検査を行うことが可能である。
しかしながら、フレーム内の画像が繰り返しパターンによって構成される場合、参照画像の基準位置から所定範囲内で光学画像と位置合わせを行い、両画像が最も一致した位置でこれらを比較する方法では、実際には、一致の度合いが極めて低いにも関わらず、位置合わせ結果を妥当とみなしてしまうことがある。
例えば、ライン・アンド・スペースパターンが形成されているマスクを検査する場合を考える。この場合、光学画像と参照画像の双方に、ライン・アンド・スペースパターンが存在する。検査の際には、参照画像の基準位置から所定範囲内で位置合わせを行い、光学画像と最も一致した位置でこれらを比較する。位置合わせは、通常、任意のラインのエッジを用いて行われる。
図13において、(a)は参照画像の模式図であり、(b)は光学画像の模式図である。どちらの画像にもライン・アンド・スペースパターンが存在するが、参照画像には、6つのラインパターン(RP1〜RP6)があり、光学画像には、7つのラインパターン(OP1〜OP7)がある。
図14は、図13(a)の参照画像のフレームエッジと、図13(b)の光学画像のフレームエッジとを重ね合わせた状態であり、パターン同士の位置合わせをする前の状態を示している。
図14において、参照画像のパターンと、光学画像のパターンとは、位置ずれを起こしている。光学画像のパターンOP1のラインエッジを用いて、光学画像と参照画像の位置合わせを行うと、図15(a)に示す例1のようになる。一方、光学画像のパターンOP2のラインエッジを用いて位置合わせを行うと、図15(b)に示す例2のようになる。
光学画像のパターンOP1に対応するのは、参照画像のパターンRP1であるので、本来は、図15(a)のように、パターンOP1〜OP6とパターンRP1〜RP6とが位置合わせされるのが正しい。しかしながら、位置合わせには、任意のパターンのラインエッジが用いられるので、パターンOP2〜OP7とRP1〜RP6とが位置合わせされて、図15(b)のようになってしまうことが起こり得る。これは、従来法が、参照画像の基準位置から所定範囲内で位置合わせを行い、参照画像と光学画像が最も一致した位置で位置合わせをするとしているためである。
つまり、参照画像の基準位置から所定範囲内に複数の同一パターンがあれば、複数の位置合わせ方法が存在し得る。図14の例では、基準位置となる、パターンRP1のラインエッジから、所定範囲内に2つのパターン(OP1とOP2)のラインエッジがあるので、上述したように、パターンOP1のラインエッジと位置合わせをする場合(図15(a))と、パターンOP2のラインエッジと位置合わせをする場合(図15(b))とが考えられる。
図15(b)の位置合わせが行われた場合であっても、上記所定範囲内においては、光学画像と参照画像とが高い一致性を示すので、位置合わせが問題なく行われたと判断されて検査が進行する。この場合、実際には、ピッチずれを起こす位置、つまり、一致の度合いが極めて低い位置であるにも関わらず、位置合わせの際にはエラーとならない。そして、検査が進行し、最後のパターンを検査する段階になって、初めて位置合わせが適当でなかったことが明らかになる。つまり、光学画像のパターンOP1の検査が行われず、ピッチずれを起こしたまま検査が行われたことにより、基準となる参照画像の最後のパターンには、対応する光学画像のパターンがないことが判明する。したがって、パターンOP1の位置合わせを再度行い、検査を初めからやり直すことになる。
ピッチずれの発生を抑制する方法としては、参照画像と光学画像の各フレームをそのエッジ同士で単純に重ね合わせた状態から位置合わせを行うのではなく、以前に検査を行ったフレーム(通常は、直前に検査を行ったフレーム)の位置合わせ開始位置から位置合わせを行うことが考えられる。しかしながら、この方法によっても、図15(b)のような位置合わせが行われた結果、ずれが一方向に偏り続けるような事態を見逃すおそれがある。これに対して、本実施の形態によれば、ピッチずれの抑制に加えて、かかる問題の解決をも図ることができる。以下、本実施の形態の位置合わせ工程について詳述する。
図10は、図9のS110(光学画像と参照画像の位置合わせ工程)を説明するフローチャートである。
図10に示す位置合わせ工程では、まず、前回位置合わせを行ったフレームで位置合わせを開始した位置が保存されているか否かが判定される(S201)。ここで、「位置合わせを開始した位置」とは、位置合わせ開始時の原点となる座標位置を言う。例えば、前回位置合わせを行ったフレームが、図13(a)の参照画像のフレームと、図13(b)の光学画像のフレームであって、図14の状態から位置合わせを開始するのであれば、図14の状態における、パターンOP1のラインエッジの座標位置が、位置合わせを開始した位置となる。
S201において、位置合わせを開始した位置が保存されていると判定されれば、ピッチずれを起こす可能性を調べる処理が行われる(S202)。尚、この処理については、図11を用いて後述する。
次に、S202の処理に基づき、S203において、ピッチずれを起こす可能性があるか否かが判定される。ピッチずれを起こす可能性がないと判定されれば、位置合わせ開始位置をリセットする(S205)。つまり、保存された開始位置でない任意の位置を用いて、光学画像と参照画像とを位置合わせする。また、S201において、位置合わせを開始する位置が保存されていない場合にも、S205に進んで、位置合わせ開始位置のリセットを行う。
一方、S203において、ピッチずれを起こす可能性があると判定された場合には、保存された位置を、位置合わせを開始する位置として決定する(S204)。
次に、S204またはS205で決定された位置合わせ開始位置から所定範囲内で、光学画像と参照画像の位置合わせを行って、これらが最も一致する位置、すなわち、両画像の位置ずれ量が最小となる位置を探す(S206)。
本実施の形態によれば、ピッチずれを起こす可能性がなければ、前回のフレームにおける位置合わせ開始位置を用いないので、例えば、マスクの歪みやステージの移動軌跡が一方向に偏り続けた場合であっても、前回の位置合わせにおけるずれ量に今回の位置合わせ結果が追従してしまうのを抑制できる。これにより、参照画像の基準位置から所定範囲内で行われるべき位置合わせが、この所定範囲を超えて行われるのを防いで、欠陥として扱われるべき「パターンずれ」が見逃されるのを低減することができる。
また、本実施の形態によれば、ピッチずれを起こす可能性がある場合には、前回のフレームにおける位置合わせ開始位置を用いるので、位置合わせの開始時において、光学画像と参照画像をほとんど一致させることができる。したがって、画像の移動量を減少させて、位置合わせに要する時間を短縮させることができ、ひいては、検査時間を短縮させることが可能となる。
次に、S206で探索された位置から導き出されるフレームの有効性を調べる(S207,S208)。すなわち、S206において、光学画像と参照画像とが最も一致した位置におけるこれらの画像が、位置合わせを行うのに有効なものであるか否かを判定する。S207では、S206の探索結果から、光学画像と参照画像が最も一致する位置における光学画像のフレームと参照画像のフレームを確認する。次いで、S208において、これらのフレームが位置合わせを行うのに有効であるか否かを判定する。尚、S208については、図12を用いて後述する。
S208で位置合わせに有効なフレームであると判定された場合、その最も一致する位置での光学画像と参照画像の位置ずれ量を求め、これらの位置合わせに用いた位置合わせ開始位置から位置ずれ量をオフセットした位置を新たな位置合わせ開始位置として保存する(S209)。その後、位置合わせ工程を終了する。一方。上記フレームが有効でないと判定された場合には、新たな位置合わせ開始位置の保存を行わずに位置合わせ工程を終了する。
図11は、図10のS202(ピッチずれを起こす可能性を判定する工程)を説明するフローチャートである。
図11では、まず、保存された位置合わせ開始位置から所定範囲内で、光学画像と参照画像の位置合わせを行い、これらが最も一致する位置における光学画像のフレームと参照画像のフレームを確認する(S301)。
次いで、S301におけるフレームが、位置合わせを行うのに有効なものであるか否かを判定する(S302)。例えば、位置合わせの基準となるパターンエッジを有するフレームは有効と判定される。一方、白色または黒色のみからなるフレームや、1つの点パターンのみを有するフレームといった、パターンエッジのないフレームは、位置合わせができないために無効と判定される。尚、S302は、(図12を用いて後述する)図10のS208と同様の工程である。
S302で、位置合わせを行うのに有効なフレームであると判定された場合、次に、このフレームにおけるパターンエッジが、フレームエッジから所定範囲内であるか否かを判定する(S303)。例えば、参照画像の基準位置から、(3×3)画素内で位置合わせを行う場合について考える。すなわち、X方向に3画素、−X方向に3画素、Y方向に3画素、−Y方向に3画素の範囲内で位置合わせを行う場合である。このとき、パターンエッジがフレームエッジから3画素以上離れていれば、ピッチずれを起こすパターンが近くにないと考えられるので、ピッチずれはない可能性が高い。一方、パターンエッジがフレームエッジから3画素以内のところにあれば、ピッチずれを起こす可能性があると言える。ピッチずれは、通常、光学画像の繰り返しパターンと、基準画像の繰り返しパターンとが1ピッチまたは2ピッチずれて起こる。本実施の形態によれば、この1ピッチまたは2ピッチのずれが起きているか否かを判定することができる。
S303でパターンエッジがフレームエッジから所定範囲内でない場合には、S304に進み、パターンのエッジペア間の距離が所定範囲内であるか否かを判定する(S304)。所定範囲内になければ、ピッチずれを起こす可能性はないと言える。一方、所定範囲内にある場合には、ピッチずれを起こす可能性があると言える。
また、S302において、位置合わせに有効でないフレームと判定された場合にも、ピッチずれを起こす可能性があるとして扱う。
図12は、図10のS208(フレームの有効性判定工程)を説明するフローチャートである。
図12では、まず、S207で確認されたフレーム中に、白色と黒色の切り替え画素があるか否かを判定する(S401)。ここで、切り替え画素とは、白色から黒色へ、または、黒色から白色へ、色が切り替わる画素を言う。かかる画素は、パターンエッジを見つけ出す手掛かりとなる。
S401において、切り替え画素がなければ、位置合わせに必要なパターンエッジがないので、このフレームは無効、すなわち、位置合わせを行うのに有効でないと判定される。
S401において、切り替え画素がある場合には、S402に進み、白色と黒色の切り替え画素が一方向に所定数以上連続しているか否かを判定する(S402)。所定数以上連続していなければ、この切り替え画素はパターンエッジではなく、1つの点パターンであると考えられ、位置合わせに用いることができないので、無効フレームと判定される。一方、所定数以上連続していれば、この切り替え画素はパターンエッジと考えられるので、有効フレームと判定される。
以上述べたように、本実施の形態は、従来法における、参照画像の基準位置から所定範囲内で位置合わせを行い、参照画像と光学画像が最も一致した位置で位置合わせをする工程に加えて、ピッチずれが起きているか否かを判定する工程を有するので、従来法の問題点、すなわち、所定範囲内で光学画像と参照画像とが高い一致性を示すことにより、位置合わせが問題なく行われたと誤認されて検査が進行するのを防ぐことができる。つまり、実際には、ピッチずれを起こす位置、つまり、一致の度合いが極めて低い位置であるにも関わらず、位置合わせに問題はないと判断されて検査が進行してしまい、最後のパターンを検査する段階になって、初めて位置合わせに問題があったことが明らかになるのを防ぐことができる。これにより、パターンの位置合わせを再度行って、検査を初めからやり直すことになるのを回避できる。
さらに本実施の形態の効果を詳細に述べると次の通りである。
本実施の形態では、位置合わせを行う際に、対象となるフレームが位置合わせを行うのに適当であるか否かを判定し、適当であると判定されれば、次に、このフレームにおけるパターンエッジがフレームエッジから所定範囲内であるか否かを判定して、ピッチずれを起こす可能性の有無を調べる。
ピッチずれを起こす可能性がなければ、前回位置合わせを行ったフレームの位置合わせ開始位置を利用しない。このようにすることで、例えば、マスクの歪みやステージの移動軌跡が一方向に偏り続けた場合であっても、前回の位置合わせにおけるずれ量に今回の位置合わせ結果が追従してしまうのを抑制できる。したがって、参照画像の基準位置から所定範囲内で行われるべき位置合わせが、この所定範囲を超えて行われるのを防いで、欠陥として扱われるべき「パターンずれ」が見逃されるのを低減することができる。
一方、ピッチずれを起こす可能性がある場合には、前回位置合わせを行ったフレームの位置合わせ開始位置を利用するので、位置合わせの開始時において、光学画像と参照画像をほとんど一致させることができる。したがって、画像の移動量を減少させて、位置合わせに要する時間を短縮させることができ、ひいては、検査時間を短縮させることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、フレーム中に白色と黒色の切り替え画素があるか否かを判定することで、位置合わせを行うのに適当なフレームであるか否かを判定する。
つまり、切り替え画素がなければ、位置合わせに必要なパターンエッジがないので、このフレームは位置合わせを行うのに有効でないと判定される。
一方、切り替え画素がある場合には、次に、白色と黒色の切り替え画素が一方向に所定数以上連続しているか否かを判定する。所定数以上連続していなければ、この切り替え画素はパターンエッジではなく、1つの点パターンであると考えられ、位置合わせに用いることができないので、位置合わせに有効でないフレームと判定される。これに対して、所定数以上連続していれば、この切り替え画素はパターンエッジと考えられるので、位置合わせに有効なフレームと判定される。
このようにすることで、実質的に有効でない位置合わせ結果が用いられるのを防いで、正確な位置合わせを行うことが可能となる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要としない部分についての記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができることは言うまでもない。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全ての検査方法は、本発明の範囲に包含される。
1 試料
3 XYテーブル
5 光源
6,8,104 レンズ
7 ミラー
20,20,20,20 フレーム
100 検査装置
105 画像センサ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111 展開回路
112 参照回路
113 オートローダ制御回路
114 テーブル制御回路
115 ネットワークインターフェイス
116 フレキシブルディスク装置
117 液晶ディスプレイ
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
130 オートローダ

Claims (6)

  1. 繰り返しパターンが設けられた試料の欠陥の有無を判定する検査方法において、
    前記試料の検査領域を短冊状の複数の第1の領域に仮想的に分割する工程と、
    前記第1の領域毎に光学画像を取得する工程と、
    前記光学画像に対応する基準画像を取得する工程と、
    前記第1の領域は各々複数の第2の領域から構成され、前記光学画像と前記基準画像の位置合わせを前記第2の領域毎に行う工程と、
    前記光学画像と前記基準画像を比較して、それらの差異が閾値を超えた場合に欠陥ありと判定する工程とを備えており、
    前記位置合わせを行う工程は、前回位置合わせを行った第2の領域の位置合わせ開始位置が保存されているか否かを判定する工程と、
    前記位置合わせ開始位置が保存されており、さらに、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性がある場合には、前記保存された位置合わせ開始位置を用いて、次に位置合わせを行う第2の領域の位置合わせ開始位置とし、
    前記位置合わせ開始位置が保存されていない場合、または、前記位置合わせ開始位置が保存されているが、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性がない場合には、前記保存された位置合わせ開始位置ではない任意の位置を用いて、次に位置合わせを行う第2の領域の位置合わせ開始位置とする工程と、
    前記工程で決定された位置合わせ開始位置から所定範囲内で、前記光学画像と前記基準画像の位置合わせを行って、これらが最も一致する位置を探す工程と、
    前記最も一致する位置における前記光学画像と前記基準画像の位置ずれ量を求め、これらの位置合わせに用いた前記位置合わせ開始位置から前記位置ずれ量をオフセットした位置を新たな位置合わせ開始位置として保存する工程とを有することを特徴とする検査方法。
  2. 前記位置合わせを行う工程では、前記位置合わせ開始位置が保存されている場合に、該位置合わせ開始位置から所定範囲内で前記光学画像の第2の領域と前記基準画像の第2の領域の位置合わせを行い、これらが最も一致した位置における前記光学画像または前記基準画像について、
    前記繰り返しパターンのエッジが、前記第2の領域のエッジから前記所定範囲内にある場合、または、前記第2の領域における前記繰り返しパターンのエッジが、前記第2の領域のエッジから前記所定範囲内にないが、前記繰り返しパターンのエッジ間の距離が前記所定範囲内にある場合は、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性があるとし、
    前記第2の領域における前記繰り返しパターンのエッジが、前記第2の領域のエッジから前記所定範囲内になく、前記繰り返しパターンのエッジ間の距離も前記所定範囲内にない場合は、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性はないとすることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記位置合わせ開始位置が保存されている場合に、該位置合わせ開始位置から所定範囲内で前記光学画像の第2の領域と前記基準画像の第2の領域の位置合わせを行い、これらが最も一致した位置における前記光学画像または前記基準画像について、
    前記第2の領域に白色と黒色の切り替え画素があるか否かを判定する工程と、
    前記切り替え画素がある場合に、前記切り替え画素が一方向に所定数以上連続しているか否かを判定する工程とを有し、
    前記切り替え画素が一方向に所定数以上連続している場合には、この連続した切り替え画素を前記繰り返しパターンのエッジと判断し、該繰り返しパターンのエッジが、前記第2の領域のエッジから前記所定範囲内にあるか否かを判定して、
    前記繰り返しパターンのエッジが、前記第2の領域のエッジから前記所定範囲内にある場合、または、前記第2の領域における前記繰り返しパターンのエッジが、前記第2の領域のエッジから前記所定範囲内にないが、前記繰り返しパターンのエッジ間の距離が前記所定範囲内にある場合は、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性があるとし、
    前記第2の領域における前記繰り返しパターンのエッジが、前記第2の領域のエッジから前記所定範囲内になく、前記繰り返しパターンのエッジ間の距離も前記所定範囲内にない場合は、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性はないとし、
    前記第2の領域に前記切り替え画素がない場合、または、前記切り替え画素が一方向に所定数以上連続していない場合には、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとがピッチずれを起こしている可能性があるとすることを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
  4. 前記位置合わせを行う工程は、前記決定された位置合わせ開始位置から所定範囲内で、前記光学画像の第2の領域と前記基準画像の第2の領域の位置合わせを行い、これらが最も一致した位置における前記光学画像または前記基準画像に白色と黒色の切り替え画素があるか否かを判定する工程と、
    前記切り替え画素がある場合に、前記切り替え画素が一方向に所定数以上連続しているか否かを判定する工程とを有し、
    前記切り替え画素が一方向に所定数以上連続している場合には、前記最も一致する位置における前記光学画像と前記基準画像の位置ずれ量を求め、これらの位置合わせに用いた前記位置合わせ開始位置から前記位置ずれ量をオフセットした位置を新たな位置合わせ開始位置として保存し、
    前記切り替え画素がない場合、または、前記切り替え画素が一方向に所定数以上連続していない場合には、新たな位置合わせ開始位置の保存を行わないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査方法。
  5. 前記ピッチずれは、前記光学画像の繰り返しパターンと、前記基準画像の繰り返しパターンとの1ピッチまたは2ピッチのずれであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査方法。
  6. 前記基準画像は、前記繰り返しパターンの設計データから生成された画像であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査方法。
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