JP6018833B2 - 流量制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、流量センサと流量制御バルブとを給水側配管系統のヘッダ管と給湯側配管系統のヘッダ管とにそれぞれ取り付け、流量制御バルブの開度を制御することにより、管内を流水する湯水を減量制御して不必要にシングルレバー式の水栓から吐出することがないようしてある流量制御システムに関する。
従来、戸建て住宅や集合住宅の専有部における給湯給水配管の工法として、ヘッダ管を用いた「ヘッダ方式」が広く採用されている。
ヘッダ方式は、配管の接続個所の数を抑えることができるので、漏水発生の危険性を少なくでき、複数の水栓で同時使用された場合であっても各水栓の流量変動を抑えることができるというメリットを有する。また、ヘッダ方式で用いられる配管は、樹脂で形成されている場合が多く、腐食などによる劣化が少ないため、水質や衛生性を維持することができるというメリットを有する。
また、近年、循環型社会及び低炭素社会が着目され、このような社会を目指すにあたり、水道施設においては、給水用のポンプ装置に要するエネルギを削減することが望まれ、また、住宅内においては、給湯器に要するエネルギを削減することが望まれている。更にまた、住宅内における湯水の使用量を削減することにより、エネルギの削減に寄与することが望まれており、これを実現するための技術開発や検討が進められている。
また、エネルギや資源の削減を推進するべく「エネルギの使用の合理化に関する法律」(以下「省エネ法」という。)が制定され、エネルギ及び資源の使用量を監視することにより節約に対する心理的作用を生じさせること(見える化)と、エネルギ及び資源の使用量が最適となるように制御すること(最適制御)とが推進されている。
そこで、上述する「見える化」と「最適制御」とを実現するために、従来、ヘッダ管を用いて分水した湯水の使用量をヘッダ管を介して集中管理する流量制御システムが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特開2002−206260号公報 特開2003−302101号公報
しかしながら、近年、戸建て住宅や集合住宅において、「シングルレバー式」の水栓が広く採用されている。シングルレバー式の水栓は、一つの操作レバーにより湯と水とを簡単に切り換えることができ、温度調整も比較的容易となるため、台所や洗面所などの湯水混合水栓として設置されている。
また、シングルレバー式の水栓は、バルブを備えた旧来の蛇口式の水栓に比べて、開閉操作が容易である一方、吐出流量を細かく調整することが困難であり、必要以上に湯水を吐出させてしまう。その結果、例えば、一般家庭において、湯水の必要流量と実際の吐出流量との差が開き気味となり、湯水を無駄に吐出している。そのため、市場では、特許文献1及び2に記載されたシステムのようにヘッダ管を介して集中管理するのみでなく、シングルレバー式の水栓を用いた際の湯水の使用量を確実に減量制御することができる工夫が望まれている。
そこで、本願発明者は、流量センサと流量制御バルブとを給水側配管系統のヘッダ管と給湯側配管系統のヘッダ管とにそれぞれ取り付け、流量制御バルブの開度を制御することにより、管内を流水する湯水を減量制御し、不必要にシングルレバー式の水栓から吐出することがないようしてある流量制御システムを提案している。
ところで、シングルレバー式の水栓を含む湯水混合水栓は、水栓レバーが手動操作され、給水側配管系統を流れる水と給湯側配管系統を流れる湯との混合比が調整されることにより、湯水の温度が調整される。出湯温度は、使用用途に応じて変化するため、適宜調整される必要がある。
従って、給水側配管系統を流れる水の流量と給湯側配管系統を流れる湯の流量とを別個独立して減量制御する場合には、水栓から吐出する湯水の混合比が不安定となり、出湯温度を調整することが困難となる。
このような事態を防ぐために、水栓から吐出した湯水の温度を計測し、その計測値に基づいて各配管系統を流れる湯水の流量を調整するシステムが別途提案されているが、制御方法が複雑となり、システム構築に膨大な費用を要する。
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、バルブの弁開閉を制御する際に、給湯側ヘッダ管の流量を調整する流量制御バルブと給湯側ヘッダ管の流量を調整する流量制御バルブとに対して、これらの開度が常に同一となるように制御することにより、水栓から吐出する湯水の混合比を一定に保ち、出湯温度を安定的に調整することができる流量制御システムを提供することを目的とする。
本願請求項1に係る流量制御システムは、給水源から供給される水を流す給水主管と該給水主管を流れる水を分水して各水栓へと導水する複数の給水枝管とを有する給水側ヘッダと、給湯源から供給される湯を流す給湯主管と該給湯主管を流れる湯を分水して前記各水栓へと導水する複数の給湯枝管とを有する給湯側ヘッダと、これらのヘッダから前記各水栓へと導水される湯水の流量を計測する流量センサと、計測した値に基づき、前記各水栓へと導水されるべき湯水の流量を調整する流量制御バルブとを備える流量制御システムにおいて、前記各水栓は、シングルレバー式の水栓であって、前記各水栓へと導水されるべき湯水の流量を設定する設定手段と、該設定手段により設定された制御目標となるターゲット流量値と前記流量センサで計測した湯水の合計流量との差が所定の許容流量誤差範囲内に収まるように前記流量制御バルブの弁開閉を制御する制御手段とを更に備え、前記制御手段は、バルブの弁開閉を制御する際に、前記給水側ヘッダの流量を調整する流量制御バルブの開度と前記給湯側ヘッダの流量を調整する流量制御バルブの開度とが常に同一となるように従属的に作動させることを特徴とする。
本発明にあっては、バルブの弁開閉を制御する際に、給水側ヘッダ管の流量を調整する流量制御バルブと給湯側ヘッダ管の流量を調整する流量制御バルブとを従属的に制御し、これらの開度が常に同一となるように作動させることにより、湯水混同水栓から吐出する湯水の混合比を変化させることなく、出湯温度を安定的に調整する。
より具体的には以下の通りである。例えば、湯水混合水栓側で湯水の混合比が、湯(40℃):水(10℃)=7:3に設定され、31℃に温度調整された湯水を10リットル/分で吐出する場合であって、合計流量を6リットル/分に減量制御するとき、各流量制御バルブの開度をそれぞれ全開時の60%となるように従属的に制御することにより、湯水の混合比である「7:3」を変化させることなく、湯水の合計流量を6リットル/分(湯が4.2リットル/分、水が1.8リットル/分)に減量させる。
また、本願請求項2に係る流量制御システムは、前記流量制御バルブは、弁を駆動するステッピングモータを備え、前記制御手段は、前記ステッピングモータの一パルスあたりの単位動作量が該ステッピングモータの最小動作角度の倍数となる角度に基づくように作動させることを特徴とする。
本発明にあっては、流量制御バルブの弁を駆動させるステッピングモータの一パルスあたりの単位動作量を、このステッピングモータの最小動作角度の倍数となる角度となるように作動させることにより、弁の制御反応時間を短縮させる。
より具体的には以下の通りである。ステッピングモータは、市場において比較的安価に供給されているサーボモータであり、駆動パルスを受け付ける都度、少なくとも1ステップ(最小動作角度)作動する。従って、ステッピングモータを用いて流量制御バルブを駆動させる場合には、「流量センサによる検出」、「検出値が許容流量誤差範囲内であるか否かの判定」、「駆動パルス出力」、「ステッピングモータの単位動作」及び次ループの「流量センサの検出」というループ処理を繰り返して制御処理を行うこととなる。仍って、ステッピングモータの一パルスあたりの単位動作量が小さいと、目標開度に達するまでに実行すべきループ処理が多数となり、弁の制御反応時間が遅くなる。
例えば、最小動作角度が0.117°のステッピングモータを用いる場合、流量制御バルブの弁を20°変化させるためには、上述するループ処理を171回実行する必要がある。そこで、ステッピングモータの一パルスあたりの単位動作量を最小動作角度の10倍となるように作動させることにより、上述するループ処理の実行を17回に短縮し、弁の制御反応時間を短縮させる。
また、本願請求項3に係る流量制御システムは、前記許容流量誤差範囲の下限未満の所定の閾値と前記流量センサで計測した湯水の合計流量との関係に基づいて、前記各水栓が閉栓されているか否かを判定する判定手段を更に備え、該判定手段は、前記湯水の合計流量が前記所定の閾値以下となる場合に各水栓が閉栓されていると判定し、前記制御手段は、各水栓が閉栓されていると判定した場合に、前記流量制御バルブの制御を停止することを特徴とする。
本発明にあっては、各水栓が閉栓されていると判定された場合に流量制御バルブの制御を停止することにより、水栓からの吐出量が閉栓時から開栓再開時までの間に大幅に変化することを抑える。
より具体的には以下の通りである。各水栓を閉栓した場合には、各ヘッダの流量が減量するため、それに応じて流量制御バルブが開方向へ制御され、最終的に流量制御バルブが全開状態となる。その結果、閉栓後暫くした後に水栓を再度開栓した場合には、瞬間的に大量の湯水が一気に吐出し、その後次第に所定の許容流量誤差範囲内に落ち着くこととなるため、水栓の使用感が非常に劣悪になる場合がある。
そこで、流量センサで計測した湯水の合計流量と所定の閾値との関係に基づいて各水栓が閉栓されているか否かを判定し、各水栓が閉栓されていると判定した場合には、流量制御バルブの制御を停止することにより、流量制御バルブが不用意に全開状態とならないようにする。
その結果、各水栓を閉栓し、暫くした後に当該水栓を再度開栓した場合であっても、開栓時に、大量の湯水が必要以上に吐出することなく、水栓の使用感が低下することがない。
また、本願請求項4に係る流量制御システムは、前記制御手段は、各水栓が閉栓されているとの判定した時点から所定の停止遅延時間が経過した後に、前記流量制御バルブの制御を停止することを特徴とする。
本発明にあっては、各水栓が閉栓されているとの判定による流量制御バルブの制御の停止を、所定の停止遅延時間が経過するまで遅延させることにより、水栓からの吐出量が閉栓時から開栓再開時の間に大幅に変化することを抑えつつ、閉栓以外の理由によって湯水の流量が一時的に低下する場合には、流量制御バルブの制御が不用意に停止することがないようにする。
より具体的には以下の通りである。一般的な湯水混合水栓において、湯水の流量の調整は、給水側配管系統と給湯側配管系統と水栓吐出口との重なり部分に流入する湯水の混合比を調整することにより行う。
ところで、近年普及が進んでいるエコキュート(登録商標)やエネファーム(登録商標)などの貯湯式給湯器には、貯湯タンクの耐圧的な保護や安全性確保の観点から、その給水口に減圧弁が設置され、貯湯タンク内が0.169MPaに減圧されているものが多い。仍って、給湯器から給湯側ヘッダ及び各水栓へと導水される湯についても、同じように減圧された状態で供給される。一方、水道管から給水側ヘッダ及び各水栓へと導水される水については、例えば、水道管の給水圧である0.5MPaのままで供給される。
その結果、給水側配管系統から流入する水と、給湯側配管系統から流入する湯とでは、水栓への流入量が大幅に異なるため、水栓レバーの操作により給水から給湯に瞬時に切り換えた場合には、湯水の合計流量が一時的に大幅に減少する場合がある。
かかる場合、各水栓が閉栓されていないにもかかわらず、流量制御バルブの制御が停止する事態が生じる。そこで、流量制御バルブの制御の停止を、所定の停止遅延時間が経過するまで遅延させることにより、停止遅延期間の間に、湯水の合計流量が許容流量内の落ち着く場合には、これを閉栓と誤判定することなく、流量制御バルブの制御を継続させる。
更にまた、本願請求項5に係る流量制御システムは、前記制御手段は、前記流量センサで計測した湯水の合計流量が前記所定の許容流量誤差範囲の下限を下回る時点から所定の開始遅延時間が経過した後であって、且つ、各水栓が閉栓されていないと判定した場合に、前記流量制御バルブの開方向への制御を開始することを特徴とする。
本発明にあっては、流量制御バルブを開方向に制御する場合、この制御の開始を所定の開始遅延時間が経過するまで遅延させることにより、開始遅延時間の間に各水栓が閉栓されていると判定したときには、直ちに流量制御バルブの制御を停止する。
このように、流量センサで計測した湯水の合計流量が所定の許容流量誤差範囲の下限を下回る時点から各水栓が閉栓されていると判定されるまでの間、流量制御バルブを極力開方向に作動させることがないようにして、開栓時に、大量の湯水が必要以上に吐出することなく、水栓の使用感が低下することがないようにする。
本発明は、流量センサと流量制御バルブとを給水側配管系統のヘッダ管と給湯側配管系統のヘッダ管とにそれぞれ取り付け、流量制御バルブの開度を制御することにより、不必要にシングルレバー式の水栓から吐出することがないようにするとともに、水栓から吐出する湯水の混合比を一定に保ち、出湯温度を安定的に調整することができる。
本発明に係る流量制御システムの全体構成を示す模式図である。 本発明に係る流量制御システムが備える流量制御バルブの構成を示す模式図である。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、開度制御処理を説明するためのグラフである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、閉栓判定処理を説明するためのグラフである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、開方向制御開始遅延処理を説明するためのグラフである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、全開制御処理を説明するためのグラフである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、開度制御処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、許容流量誤差判定処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、閉栓判定処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、開方向制御開始遅延処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、全開制御処理の手順を示すフローチャートである。 図11とは異なる全開制御処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る流量制御システムにおける、許容流量誤差範囲などの設定値に応じた挙動状況の一例を示す図である。 許容流量誤差範囲についての挙動状況の一例を示すグラフである。 ステッピングモータの単位動作量についての挙動状況の一例を示すグラフである。 開始遅延時間についての挙動状況の一例を示すグラフである。 開始遅延時間についての挙動状況の一例を示すグラフである。
本発明に係る流量制御システムについて、本実施の形態を示す図面に基づいて以下説明する。図1は本発明に係る流量制御システムの全体構成を示す模式図である。流量制御システムは、図1に示すように、給水側配管系統と給湯側配管系統とにそれぞれ設けられるヘッダ管1と、ヘッダ管1内を流れる湯水の流量を調整する流量制御バルブ2と、ヘッダ管1内を流れる湯水の流量を計測する流量センサ3と、これらを制御する制御装置4とを備える。
(ヘッダ管1について)
ヘッダ管1は、架橋ポリエチレン樹脂などの可撓性を有する合成樹脂により形成され、一次側の流路となる引込配管と二次側の流路となる屋内配管とを接続する管寄せである。
ヘッダ管1は、給水源から供給される水を導く給水側配管系統に取り付けられた給水側ヘッダ管と、給湯源から供給される湯を導く給湯側配管系統に取り付けられた給湯側ヘッダ管とが別個独立して存在し、それぞれが湯水混同水栓に向かって配設されている。
各ヘッダ管1は、一本のヘッダ主管10と、ヘッダ主管10から分岐する複数のヘッダ枝管11とを備える。ヘッダ主管10は、一次側の流入口が引込配管と接続して引込配管を流れる湯水を流入させる。また、ヘッダ枝管11は、二次側に流出口が屋内配管と接続して湯水を分水する。
(流量センサ3について)
流量センサ3は、ヘッダ枝管11の中程に取り付けられ、ヘッダ枝管11内を通過する湯水の流量を計測する。流量センサ3は、例えば、ロータ式流量センサなどが該当する。ロータ式流量センサは、湯水が本体を追加する際に、本体内の磁気ロータが流量に応じて回転し、回転する磁気ロータの羽根がホール素子を励磁させて流量に応じた流量パルスを出力する。
(流量制御バルブ2について)
流量制御バルブ2は、任意のヘッダ枝管11に取り付けられている。流量制御バルブ2は、弁と、この弁を駆動させるアクチュエータとを備え、弁の開度に応じて各ヘッダ管1内の流路面積を変化させ、各ヘッダ管1内を通過する湯水の流量を調整する。各ヘッダ管1内を通過する湯水の流量と管内の流路面積とは、以下の式(1)のような比例関係が成立する。
Q=α×S×ΔP1/2 …(1)
但し、Qは管内を通過する湯水の流量を示す。また、αは定数を示す。また、Sは管内の流路面積を示す。また、ΔPは流路前後の差圧を示す。
また、流量制御バルブ2は、上述する式(1)の比例関係が成立することから、バルブの開度を開くことにより、各ヘッダ管1内の流路面積を広げて管内を通過する湯水の流量を増量制御する一方、開度を絞ることにより、各ヘッダ管1内の流路面積を狭めて管内を通過する湯水の流量を減量制御する。このように、流量制御バルブ2は、弁の開度が制御されることにより、各ヘッダ管1内の流路面積を変化させ、管内を通過する湯水の流量を調整する。
また、流量制御バルブ2は、例えば、弁を駆動させるアクチュエータとして「ステッピングモータ」を用いるものや「ポテンショメータ式DCモータ」を用いるものが該当する。
また、流量制御バルブ2は、流量センサ3で計測した各ヘッダ管1内を通過する湯水の流量に基づき、その開度が実時間で調整される。流量制御バルブ2は、制御目標とする湯水の合計流量(「ターゲット流量値」という。以下同じ。)が指定されることにより、このターゲット流量値と流量センサ3で計測した湯水の合計流量との関係に基づいて、流量制御バルブ2の開度が制御され、湯水混合水栓から吐出する湯水の流量を調整する。
例えば、流量制御バルブ2は、洗面所の湯水混同水栓へと繋がるヘッダ管1について、ダーゲット流量値が「6リットル/分」となるように指定された場合、ターゲット流量値と流量センサ3で計測した湯水の合計流量との関係に基づいて、流量制御バルブ2の開度が動的に制御され、湯水混同水栓から吐出する湯水の流量を実時間で調整する。なお、ここで「湯水の合計流量」とは、給水側配管系統を導水された水と給湯側配管系統を導水された湯とが混合され、最終的に湯水混同水栓から吐出する際の湯水の合計流量を指す。
また、流量制御バルブ2は、水使用量の節約に寄与する水栓へと繋がるヘッダ枝管11に取り付けられている。具体的には、台所、洗面化粧台及びユニットバスの水栓へと繋がるヘッダ枝管11に取り付けられている。近年、台所や洗面化粧台などには、シングルレバー式の水栓が取り付けられており、シングルレバー式の水栓は、簡単な操作で全開となる一方、吐出流量の微調整が容易でないため、吐出流量が減量調整されることにより、水使用量を効果的に節約することができる。
これに対して、水栓式トイレや全自動洗濯機は、必要な水使用量が機器側で設定されているため、水使用量の節約に寄与し難い。従って、流量制御バルブ2は、水栓式トイレや全自動洗濯機へと繋がるヘッダ枝管11には取り付けられていない。
(制御装置4について)
制御装置4は、信号線20を介して流量制御バルブ2と接続し、信号線30を介して流量センサ3と接続し、これらを集中管理している。制御装置4は、制御基盤40と、操作部41と、表示部42と、電源43と、タイマ44とを備え、これらがバス45を介して接続している。制御装置4は、使用者が操作し易い場所、例えば、リビングルーム、洗面化粧台及び台所などに設置されている。
制御基盤40は、演算部(図示せず、以下同じ。)と記憶部(図示せず、以下同じ。)とを備える。制御基盤40は、流量センサ3から出力された流量パルスを信号線30を介して受け付け、受け付けた流量パルスを積算し、積算した流量パルスを湯水の合計流量に換算し、換算した湯水の合計流量を記憶部に格納する。ここで「換算された湯水の合計流量」とは、最終的に湯水混同水栓から吐出された湯水の合計流量を指す。
また、制御基盤40は、操作部41の操作に応じて、演算部が、記憶部に格納してある値を読み出し、読み出した値に基づいて各種データを生成する。ここで「各種データ」とは、例えば、瞬間の水使用量に関するデータ、所定期間の水使用量に関するデータ、複数の水使用量についての比較データ、及び、所定間隔をあけて生成した水使用量に関するデータなどを指す。また「水使用量」とは、湯水混同水栓から吐出する湯水の合計流量に相当する。
また、制御基盤40は、記憶部が、データ生成に必要な計算式や演算処理に必要なプログラムを予め格納している。これらの情報は、上述するデータを生成する際に、記憶部から読み出され、演算部で用いられる。
図3は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置4が実行する、開度制御処理を説明するためのグラフである。制御基盤40は、図3に示すように、換算した湯水の合計流量が、予め設定してあるターゲット流量値(図中D1)を中心とした許容流量誤差範囲(上限が図中D2、下限が図中D3)内に収まるように流量制御バルブ2の弁開閉を制御し、湯水混合水栓から吐出する湯水の流量を調整する(図3参照)。制御基盤40は、湯水の合計流量が許容流量誤差範囲の上限(図中D2)を超える場合には流量制御バルブ2を閉方向に制御する(図中A)一方、許容流量誤差範囲の下限(図中D3)未満の場合には流量制御バルブ2を開方向に制御する(図中B)。
図2は本発明に係る流量制御システムが備える流量制御バルブの構成を示す模式図である。制御基盤40は、流量制御バルブ2がポテンショメータ式のDCモータ20を備える場合、図2(a)に示すように、電源43からDCモータ20に給電してモータ軸を回転駆動させ、モータ軸の回転位置に応じてバルブの開度を変化させる。ポテンショメータ21は、モータ軸の回転位置を測定することにより、現在の開度を検出し、検出した開度情報を制御基盤40に出力する。制御基盤40は、開度情報を受け付け、受け付けた開度情報に応じて、更に、DCモータ20に給電してモータ軸を回転駆動させ、バルブの開度を調整する。制御基盤40は、記憶部が、バルブの開度に対応するモータ軸の回転位置を予め記憶しており、演算部が、これらの情報を用いて、検出時の回転位置から目標の回転位置に達するよう制御する。
また、制御基盤40は、流量制御バルブ2がステッピングモータ22を備える場合、図2(b)に示すように、駆動パルスを出力し、駆動パルスと同期する電流を電源43からステッピングモータ22に出力することにより、モータ軸を回転駆動させる。制御基盤40は、駆動パルスの出力を繰り返すことにより、検出時の回転位置から目標の回転位置に達するように制御する。ステッピングモータ22が1回の駆動パルスで駆動する動作量は、本発明に係る「一パルスあたりの単位動作量」に該当する。また、単位動作量は、ステッピングモータ22の最小動作角度の倍数となる角度に相当し、例えば、最小動作角度の数倍となるように設定することができる。
また、制御基盤40は、給水側ヘッダ管1の流量制御バルブ2と給湯側ヘッダ管1の流量制御バルブ2とに同一の駆動パルスを出力することにより、これらの流量制御バルブ2が従属的に作動するように制御する。その結果、これらの流量制御バルブ2は、弁の開度が常に同一の状態となる。また、これらの流量制御バルブ2は、ステッピングモータ22の最小動作角度が同一であり、一パルスあたりの単位動作量の設定についても同一の動作量となるように設定される。
図4は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、閉栓判定処理を説明するためのグラフである。制御基盤40は、図4に示すように、換算した湯水の合計流量が予め設定してある閉栓判定するための閾値(図中D4)以下であると判定した場合、各水栓が閉栓されていると判断し、この判断が予め設定してある所定の停止遅延時間(図中D5)が経過した時点まで継続した場合に、初めて流量制御バルブの制御を停止する。なお、閉栓判定するための閾値は、上述する許容流量誤差範囲の下限(図中D3)未満の値が設定される。
図5は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、開方向制御開始遅延処理を説明するためのグラフである。制御基盤40は、図5に示すように、換算した湯水の合計流量が、予め設定してある許容流量誤差範囲の下限(図中D3)を下回る場合であって、所定の閾値(図中D4)を超えているとき、この状態が予め設定してある所定の開始遅延時間(図中D6)が経過した時点まで継続した場合に、初めて流量制御バルブの開方向への制御を開始する。
図6は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置が実行する、全開制御処理を説明するためのグラフである。制御基盤40は、流量制御バルブ2に対して全開制御処理を実行する。ここ「全開制御処理」とは、制御基盤40が、減量制御を実行する場合、操作部41を介して入力された実行指示を受け付けたこと、又は、流量センサ3から出力される流量パルスが中断した後に再開したことをトリガとして、所定のキャンセル時間に到達するまで、流量制御バルブ2を全開状態にする処理である。
制御基盤40は、実行指示を受け付けた場合、タイマ44を用いて、キャンセル時間を計測し、タイマ44の計時がキャンセル時間に到達するまでの間、流量制御バルブ2を一時的に全開制御する。
また、制御基盤40は、給湯側の流量が所定の湯待ち流量値(図中D7)以下になる時点から、流量センサ3からの流量パルスを中断し、図6に示すように、タイマ44を用いて、湯待ち時間(図中D8)を計測する。制御基盤40は、タイマ44の計時が湯待ち時間まで到達していない場合、配管内に残留する湯が未だ冷めていないと判断する一方、タイマ44の計時が湯待ち時間を超える場合、配管内に残留する湯が冷めていると判断する。
また、制御基盤40は、タイマ44の計時が湯待ち時間を超えた時点から、タイマ44を用いて、湯待ち開放時間(図中D9)を計測する。制御基盤40は、タイマ44の計時が湯待ち開放時間に到達するまでの間、流量制御バルブ2を一時的に全開制御し、配管内に残留した冷めた湯を水栓から強制吐出して湯温を安定させる。
操作部41は、各種ボタンを備えており、使用者によりボタンが押下されることにより、対応する処理の実行指示を制御基盤40に出力する。ここで「実行指示」とは、上述する各種データの生成処理の実行指示、上述する各種データの表示処理の実行指示、ターゲット流量値の設定処理の実行指示、許容流量誤差範囲の設定処理の実行指示、ステッピングモータの単位動作量の設定処理の実行指示、開始遅延時間の設定処理の実行指示、キャンセル時間の設定処理の実行指示、閉栓を判定するための閾値の設定処理の実行指示、停止遅延時間の設定処理の実行指示、湯待ち流量値の設定処理の実行指示、湯待ち時間の設定処理の実行指示、湯待ち開放時間の設定処理の実行指示、バルブ開度制限の設定処理の実行指示、閉栓判定処理の実行指示、開方向制御開始遅延処理の実行指示、及び、全開制御処理の実行指示などである。
また、操作部41は、使用者により各種ボタンが押下されることにより、対応する数値を制御基盤40に出力する。ここでいう「数値」とは、例えば、ターゲット流量値として3乃至10リットル/分、許容流量誤差範囲として±0.1乃至2リットル/分、ステッピングモータの単位動作量として1乃至17段階、開始遅延時間として0乃至30秒、キャンセル時間として10乃至200秒、閉栓を判定するための閾値として0乃至2リットル/分、停止遅延時間として0乃至10秒、湯待ち流量値として0乃至2リットル/分、湯待ち時間として60乃至600秒、湯待ち開放時間として5乃至100秒、バルブ開度制限として20乃至50%などである。
表示部42は、操作部41の操作に応じて、生成された各種データの表示画面(図示せず、以下同じ。)や、上述するターゲット流量値などの設定画面(図示せず、以下同じ。)などを出力する。表示部42は、見える化の実行手段となる。
(見える化及び最適処理について)
制御基盤40は、給水側配管系統の流量センサ3と給湯側配管系統の流量センサ3とでそれぞれ計測した湯水の合計流量が、予め設定してあるターゲット流量値を中心とした前後の許容流量誤差範囲内に収まるように、流量制御バルブ2の開度を制御し、湯水混合水栓から吐出する湯水の流量を調整する。
図7は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置4が実行する、開度制御処理の手順を示すフローチャートである。制御基盤40は、流量制御バルブ2がステッピングモータ22を備える場合、図7に示す手順で処理を実行する。制御基盤40は、流量センサ3から出力された流量パルスを信号線30を介して受け付け(S101)、受け付けた流量パルスを積算し(S102)、積算したパルスを、給水側配管系統を流れる水と給湯側配管系統を流れる湯との合計流量に換算する(S103)。
制御基盤40は、使用者により入力された操作に応じて、換算した合計流量に基づき各種データを生成し、生成した各種データを表示部42に出力する(S104)。制御基盤40は、換算した合計流量に基づき「許容流量誤差」の判定を実行する(S105)。なお、許容流量誤差の判定処理の手順については、後述にて詳しく説明する。
制御基盤40は、許容流量誤差の判定処理において、湯水の合計流量が許容流量誤差範囲を逸脱しているか否か判定し(S106)、誤差範囲以内と判定した場合(S106でNO)、ステップS101に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、誤差範囲を逸脱していると判定した場合(S106でYES)、パルス発信部を介して、駆動パルスを出力する(S107)。ステッピングモータ22は、駆動パルスを受け付けることにより、予め設定してある単位動作量だけモータ軸を回転駆動させ、流量制御バルブ2の弁を開閉させる。その後、ステップS101に戻り処理を繰り返す。
このとき、制御基盤40は、出力した駆動パルスに応じて、給水側配管系統に配置されたステッピングモータ22と、給湯側配管系統に配置されたステッピングモータ22とを同一の単位動作量で駆動させることにより、いずれの系統に配置された流量制御バルブ2についても常に同一の開度となるように制御する。
例えば、湯水混合水栓側で湯水の混合比が、湯:水=7:3に設定され、温度調整された湯水を10リットル/分で吐出する場合であって、これを6リットル/分に減量制御するとき、いずれの系統に配置された流量制御バルブの開度についてもそれぞれ全開時の60%となるように制御することにより、湯水の混合比である「7:3」を変化させることなく、合計流量が6リットル/分(湯が4.2リットル/分、水が1.8リットル/分)となるように減量する。
制御基盤40は、ステップS101に戻り、引き続き流量パルスを受け付け、換算した合計流量が許容流量誤差範囲内に収まるまで処理を繰り返す。
(許容流量誤差判定処理について)
図8は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置4が実行する、許容流量誤差判定処理の手順を示すフローチャートである。制御基盤40は、図8に示す手順に従い、上述するステップS105の許容流量誤差の判定処理を実行する。制御基盤40は、ターゲット流量値を変数Q1に代入し、許容流量誤差を変数Q2に代入し、ステップS103で換算した湯水の合計流量を変数Q3に代入する(S201)。
制御基盤40は、変数Q1と変数Q3との差を求め、求めた差が変数Q2以内であるか否かを判定する(S202)。言い換えれば、変数Q3が、変数(Q1+Q2)以内であるか否か又は変数(Q1−Q2)以内であるか否かを判定する。その結果、制御基盤40は、差が変数Q2以内であると判定した場合(S202でYES)、上述するステップS106において「許容流量誤差範囲以内である」と判定し(S203)、判定処理を終了する。
一方、制御基盤40は、差が変数Q2を超えていると判定した場合(S202でNO)、上述するステップS106において「許容流量誤差範囲を逸脱している」と判定し(S204)、判定処理を終了する。
(閉栓判定処理について)
図9は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置4が実行する、閉栓判定処理の手順を示すフローチャートである。制御基盤40は、閉栓判定処理の実行指示を受け付けた場合、図9に示す手順で処理を実行する。制御基盤40は、流量センサ3から出力された流量パルスを信号線30を介して受け付け(S301)、受け付けた流量パルスを積算し(S302)、積算したパルスを、給水側配管系統を流れる水と給湯側配管系統を流れる湯との合計流量に換算する(S303)。
制御基盤40は、換算した湯水の合計流量が、予め設定してある閉栓判定するための閾値以下であるか否かを判定し(S304)、湯水の合計流量が所定の閾値を超えていると判定した場合(S304でNO)、各水栓が閉栓されていないと判断し、並行する開度制御処理を継続実行させ(S305)、ステップS301に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、湯水の合計流量が所定の閾値以下であると判定した場合(S304でYES)、各水栓が閉栓されていると判断し、タイマ44を計時させる(S306)。制御基盤40は、タイマ44の計時が予め設定してある停止遅延時間に到達したか否かを判定し(S307)、所定の停止遅延時間に到達していないと判定した場合(S307でNO)、並行する開度制御処理を継続実行させつつ(S308)、ステップS306に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、所定の停止遅延時間に到達したと判定した場合(S307でYES)、並行して実行する開度制御処理を停止させ(S309)、ステップS301に戻り処理を繰り返す。
(開方向への制御の開始遅延処理について)
図10は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置4が実行する、開方向制御開始遅延処理の手順を示すフローチャートである。制御基盤40は、開方向への制御の開始遅延処理の実行指示を受け付けた場合、図10に示す手順で処理を実行する。制御基盤40は、上述する開度制御処理のステップS106において、湯水の合計流量が許容流量誤差範囲を逸脱していると判定した場合、判定時の湯水の合計流量がターゲット流量値未満であるか否かを判定する(S401)。その結果、制御基盤40は、ターゲット流量値以上であると判定した場合(S401でNO)、湯水の合計流量が許容流量誤差範囲の上限(Q1+Q2)を上回ることとなるので、通常の開度制御処理を実行して流量制御バルブ2を閉方向へ制御し(S402)、ステップS401に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、ターゲット流量値未満であると判定した場合(S401でYES)、湯水の合計流量が許容流量誤差範囲の下限(Q1−Q2)を下回ることとなるが、直ちに流量制御バルブ2を開方向へ制御することなく、タイマ44を計時させる(S403)。制御基盤40は、タイマ44の計時が予め設定してある所定の開始遅延時間に到達したか否かを判定し(S404)、所定の開始遅延時間に到達していないと判定した場合(S404でNO)、ステップS403に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、所定の開始遅延時間に到達したと判定した場合(S404でYES)、流量制御バルブ2の開方向への制御を開始し(S405)、ステップS401に戻り処理を繰り返す。
(全開制御処理について)
制御基盤40は、上述する開度制御処理において流量制御バルブ2を減量制御する場合であって、実行指示を受け付けるか又は給湯側配管系統に配置された流量センサ3から出力される流量パルスが一時中断した後に再開するかしたときをトリガーとして全開制御処理を実行する。
図11は本発明に係る流量制御システムが備える制御装置4が実行する、全開制御処理の手順を示すフローチャートである。制御基盤40は、例えば、全開制御処理の実行指示を受け付けることをトリガーとする場合、図11に示す手順で処理を実行する。制御基盤40は、減量制御を実行する間に、全開制御処理の実行指示を受け付けた否かを判定し(S501)、実行指示を受け付けていないと判定した場合(S501でNO)、全開制御処理を実行することなく減量制御を実行し(S502)、ステップS501に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、実行指示を受け付けたと判定した場合(S501でYES)、開度制御処理を一時停止させ(S503)、タイマ44の計時を開始する(S504)。制御基盤40は、流量制御バルブ2を全開制御し(S505)、給湯系配管に残留する冷めた湯を強制吐出させる。その後、ステップS501に戻り処理を繰り返す。
制御基盤40は、タイマ44の計時が予め設定してあるキャンセル時間に到達したか否かを判定し(S506)、所定のキャンセル時間に到達していないと判定した場合(S506でNO)、ステップS504に戻って処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、所定のキャンセル時間に到達したと判定した場合(S506でYES)、流量制御バルブ2の全開制御を停止し(S507)、一時停止中の開度制御処理の実行を再開し(S508)、ステップS501に戻り処理を繰り返す。
図12は図11とは異なる全開制御処理の手順を示すフローチャートである。制御基盤40は、例えば、給湯側の流量が所定の湯待ち流量値以下となって流量センサ3から出力される流量パルスが一時中断し、その後、所定の湯待ち流量値が再度超えて流量センサ3から流量パルスが再開されることをトリガーとする場合、図12に示す手順で処理を実行する。制御基盤40は、減量制御を実行する間に、給湯側の流量が所定の湯待ち流量値以下であるか否かを判定し(S601)、給湯側の流量が所定の湯待ち流量値を超えると判定した場合(S601でNO)、全開制御処理を実行することなく減量制御を実行し(S602)、ステップS601に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、給湯側の流量が所定の湯待ち流量値以下であると判定した場合(S601でYES)、流量パルスが一時中断した時点から再開される時点までの中断時間が、予め設定してある湯待ち時間に到達したか否かを判定する(S603)。制御基盤40は、中断時間が湯待ち時間に到達していないと判定した場合(S603でNO)、配管内に残留する湯が未だ冷めていないと判断し、全開制御処理を実行することなく通常の開度制御処理を実行し(S604)、配管内に残留する湯を吐出させる。制御基盤40は、その後、ステップS601に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、中断時間が湯待ち時間以上であると判定した場合(S603でYES)、配管内に残留する湯が既に冷めていると判断して、流量制御バルブ2を全開制御し(S605)、配管内に残留する湯を強制的に吐出させる。また、制御基盤40は、タイマ44の計時を開始させ(S606)、タイマ44の計時が予め設定してある湯待ち開放時間に到達したか否かを判定する(S607)。制御基盤40は、タイマ44の計時が湯待ち開放時間に到達していないと判定した場合(S607でNO)、ステップS605に戻り処理を繰り返す。
一方、制御基盤40は、タイマ44の計時が湯待ち開放時間に到達したと判定した場合(S607でYES)、流量制御バルブ2の全開制御を停止し(S608)、通常の開度制御処理を再開し(S609)、配管内に残留する湯を吐出させる。その後、ステップS601に戻り処理を繰り返す。
(実施例1)
最後に、上述する許容流量誤差範囲、ステッピングモータ22の単位動作量、開始遅延時間、閉栓を判定するための閾値、及び、停止遅延時間について、設定値に応じた挙動状況の一例を示す。
図13は本発明に係る流量制御システムにおける、許容流量誤差範囲などの設定値に応じた挙動状況の一例を示す図である。図中、1は許容流量誤差範囲についての一例を示す。許容流量誤差範囲にあっては、最適条件より範囲が狭くなるとハッチングが発生する(図14参照)。また、2はステッピングモータ22の単位動作量についての一例を示す。単位動作量にあっては、最適条件より倍数が大きくなると制御速度が速くなるがハッチングが発生する。一方、最適条件より倍数が小さくなると制御即誤が遅くなり流量制御に時間がかかる(図15参照)。また、3は開始遅延時間についての一例を示す。開始遅延時間にあっては、最適条件より短時間になると、開栓時に過流量となる(図16参照)。一方、最適条件より長時間になると、湯への切り替え時の復帰不良が発生する(図17参照)。また、4は閉栓を判定するための閾値についての一例を示す。所定の閾値にあっては、最適条件より値が小さくなると、開栓時に過流量となる。一方、最適条件より値が大きくなると、湯への切り替え時の復帰不良が発生する。更にまた、5は停止遅延時間についての一例を示す。停止遅延時間にあっては、最適条件より短時間となると開栓時に過流量となる。一方、最適条件より長時間になると、湯への切り替え時の復帰不良が発生する。
図14は許容流量誤差範囲についての挙動状況の一例を示すグラフである。図中、aは湯水混合状態、bは湯状態、cは閉栓状態、dは湯水混合状態、eは湯状態である。また、f及びgは、ハッチングが発生した時点を示す。
図15はステッピングモータ22の単位動作量についての挙動状況の一例を示すグラフである。図中、h及びiは、開栓後の流量安定まで時間がかかる時点を示す。
図16及び図17は開始遅延時間についての挙動状況の一例を示すグラフである。図中、jは、開栓時に過流量が生じる時点を示す。k及びlは、水から湯への切り替え時に制御不良が発生する時点を示す。
1 ヘッダ管
10 ヘッダ主管
11 ヘッダ枝管
2 流量制御バルブ
20 DCモータ
21 ポテンショメータ
22 ステッピングモータ
3 流量センサ
4 制御装置
40 制御基盤
41 操作部
42 表示部
43 電源
44 タイマ
45 バス

Claims (5)

  1. 給水源から供給される水を流す給水主管と該給水主管を流れる水を分水して各水栓へと導水する複数の給水枝管とを有する給水側ヘッダと、給湯源から供給される湯を流す給湯主管と該給湯主管を流れる湯を分水して前記各水栓へと導水する複数の給湯枝管とを有する給湯側ヘッダと、これらのヘッダから前記各水栓へと導水される湯水の流量を計測する流量センサと、計測した値に基づき、前記各水栓へと導水されるべき湯水の流量を調整する流量制御バルブとを備える流量制御システムにおいて、
    前記各水栓は、シングルレバー式の水栓であって、
    前記各水栓へと導水されるべき湯水の流量を設定する設定手段と、
    該設定手段により設定された制御目標となるターゲット流量値と前記流量センサで計測した湯水の合計流量との差が所定の許容流量誤差範囲内に収まるように前記流量制御バルブの弁開閉を制御する制御手段と
    を更に備え、
    前記制御手段は、バルブの弁開閉を制御する際に、前記給水側ヘッダの流量を調整する流量制御バルブの開度と前記給湯側ヘッダの流量を調整する流量制御バルブの開度とが常に同一となるように従属的に作動させることを特徴とする流量制御システム。
  2. 前記流量制御バルブは、弁を駆動するステッピングモータを備え、
    前記制御手段は、前記ステッピングモータの一パルスあたりの単位動作量が該ステッピングモータの最小動作角度の倍数となる角度に基づくように作動させることを特徴とする請求項1に記載の流量制御システム。
  3. 前記許容流量誤差範囲の下限未満の所定の閾値と前記流量センサで計測した湯水の合計流量との関係に基づいて、前記各水栓が閉栓されているか否かを判定する判定手段を更に備え、
    該判定手段は、前記湯水の合計流量が前記所定の閾値以下となる場合に各水栓が閉栓されていると判定し、
    前記制御手段は、各水栓が閉栓されていると判定した場合に、前記流量制御バルブの制御を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の流量制御システム。
  4. 前記制御手段は、各水栓が閉栓されているとの判定した時点から所定の停止遅延時間が経過した後に、前記流量制御バルブの制御を停止することを特徴とする請求項3に記載の流量制御システム。
  5. 前記制御手段は、前記流量センサで計測した湯水の合計流量が前記所定の許容流量誤差範囲の下限を下回る時点から所定の開始遅延時間が経過した後であって、且つ、各水栓が閉栓されていないと判定した場合に、前記流量制御バルブの開方向への制御を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の流量制御システム。
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