この種の飲料ディスペンサとしては、図6及び図7に示すようなものがある。これは、飲料を冷却する冷却水槽20と、この冷却水槽20を冷却する冷凍装置25とをハウジング11内に収容し、冷凍装置25を構成する凝縮器27の冷却ファン28の駆動によりハウジング11内の下部の吸気口(図示省略)から導入した空気を凝縮器27を通過させてこれを冷却し、同凝縮器27を通過させた空気を前記ハウジング11の周壁12b,14の上部の排気口17,17aから排出するようにしたものである。
図6及び図7に示すように、ハウジング11は、正面パネル12a及び左右の側面パネル12b,12bからなるハウジング本体12と、その下側にねじ止め固定された底板13と、これらの背面を閉じるようにねじ止め固定された背面パネル14と、天井板15により構成されている。正面パネル12a及び左右の側面パネル12b,12bの各上縁部には内向きに折曲したフランジ部12cが形成され、四周が下向きに折曲された天井板15はハウジング本体12の上側にかぶせられ、各フランジ部12c上に支持されて、ハウジング11の上側を閉じている。ハウジング11内には、外周に断熱材20aが設けられた冷却水槽20と、その内部に収容される冷却水を冷却する冷凍装置25の主要部が前後に配置して収容されている。
主として図7に示すように、冷却水槽20の内周面のすぐ内側には冷凍装置25の一部を構成するコイル状の蒸発管22が立設されている。また冷却水槽20内にはコイル状の飲料冷却管21が蒸発管22と同心的に立設され、この飲料冷却管21の一端はビア樽などの飲料供給源(図示省略)に連結され、他端は注出コック21aに連結されている。冷却水槽20の上面に配置された支持板2には撹拌装置24の撹拌モータ24aが取り付けられ、撹拌モータ24aから冷却水槽20の中心線に沿って下方に伸びるシャフト24bの先端には、冷却水を撹拌する撹拌羽根24cが固定されている。
蒸発管22を除く冷凍装置25の主要部は、ハウジング11の底板13上の後部に設けられた圧縮機26と、ハウジング11内の後部中段にねじ止め固定された棚板3の下側と上側に取り付けられた凝縮器27及び冷却ファン28により構成されている。
棚板3には、その前縁から冷却水槽20の断熱材20aの後面に沿って立ち上がり次いで冷却水槽20の上面に沿って前方に伸びる連結部4a及び支持板部4bと、撹拌モータ24aの手前で支持板部4bから垂直に立ち上がって天井板15まで達する仕切板部4cとからなるシュラウド4が一体的に形成されている。棚板3と天井板15の間には、凝縮器27及び冷却ファン28を通過して温度が上昇した排気が排出される排気空間R1が形成されている。また冷却水槽20と天井板15の間の空間は、シュラウド4の仕切板部4cにより、冷却水槽20の上側に連通されて撹拌モータ24aなどが設けられる空間と、排気空間R1に連通される空間に仕切られている。冷凍装置25の作動を制御する電装箱(制御装置)29は支持板部4b上に設けられ、排気空間R1に連通される空間内に位置している。排気空間R1の周壁を形成するハウジング11の左右の側面パネル12bの後上部及び背面パネル14の上部には、多数の横長の排気口17,17aがパンチングにより形成され、排気空間R1内に排出された排気は排気口17,17aからハウジング11外に排出される。
冷凍装置25の圧縮機26により圧縮された冷媒は、凝縮器27を通過する際に冷却ファン28によりハウジング11内の下部の吸気口(図示省略)から導入した空気により冷却されて液化され、キャピラリを介して冷却水槽20内の蒸発管22に送り込まれ、気化されて冷却水を冷却してから圧縮機26に還流される。これにより冷却水槽20内の冷却水は冷却され、蒸発管22の周囲には凍結した氷層が形成される。飲料供給源から供給されたビールなどの飲料は、飲料冷却管21を通過する際に冷却水槽20内の冷却水により冷却され、注出コック21aからグラスなどの容器に注出される。
このような従来技術では、図7に示すように冷却ファン28からの凝縮器27を冷却して温度が上昇した排気は上向きに排気空間R1内に排出され、この排気は天井板15に当たり勢いをそがれて矢印L4に示すように各側面パネル12b及び背面パネル14とほぼ直交方向に流れて各排気口17,17aから外部に排出される。
また冷凍装置25の作動を制御する電装箱(制御装置)29を冷却水槽20の上側に連通される空間内に設けると、冷却水槽20からの冷気により冷やされて電装箱29内に結露が生じ、冷凍装置25の作動に不具合が生じるおそれがある。そこでこの従来技術では、棚板3と一体的に形成したシュラウド4により、冷却水槽20の上側に連通される空間から仕切られて排気空間R1側に連通される空間を冷却水槽20の上の後側に形成し、この空間内となるシュラウド4の支持板部4b上に電装箱29を設け、高温の凝縮器27を冷却して温度が上昇した排気により電装箱29内に結露が生じることを防いでいる。
なお上述のような従来技術では、保守点検のために天井板15を取り外すと冷却ファン28が露出するので、回転するファンに手などが触れないようにするためのファンガード5を必要としていた。
前述した従来技術では、凝縮器27を冷却して温度が上昇した排気は冷却ファン28から上向きに排気空間R1内に排出され、この排気は矢印L4に示すように各側面パネル12b及び背面パネル14とほぼ直交方向に流れて各排気口17,17aから外部に排出される。飲料ディスペンサ1の周囲に充分な空間がある場合は、各排気口17,17aから外部に排出された排気はそのまま真っ直ぐに流れ続けるのでこれで充分な冷却風量が得られ、凝縮器27は充分に冷却される。しかし図6及び図7に示すように、ハウジング11の周壁となる各パネル12b,14と建家の内壁Wや周辺機器の外壁Kとの間に充分な隙間がとれない場合には、各排気口17,17aから外部に排出された排気はすぐにこれらの内壁Wや外壁Kに当たるので排出抵抗が高くなり、凝縮器27を通る冷却風量が減少して冷媒を充分に冷却できなくなるおそれがある。また排気口17,17aの下半分から排出される排気は、建家の内壁Wや周辺機器の外壁Kとの間を通って下側に回り込み、ハウジング11内の下部の吸気口から再び吸入される排気のショートサイクルが生じ、吸気が高温となって凝縮器27内の冷媒を充分に冷却できなくなることもあった。これらにより飲料ディスペンサ1の冷却水槽20を充分に冷却できなくなるという問題が生じる。また凝縮器27を通る冷却風量の減少により排気空間R1に排出される排気の温度が上昇し、排気空間R1内に連通される空間内に設けた電装箱29の内部温度も上昇するので、電装箱29に冷却のための空気孔が必要になり、電装箱29内に埃が侵入するという新たな問題も生じる。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
このために、請求項1に記載の発明による飲料ディスペンサは、飲料を冷却する冷却水槽と、冷却水槽を冷却する冷凍装置とをハウジング内に収容し、冷凍装置を構成する凝縮器の冷却ファンの駆動によりハウジング内の下部の吸気口から導入した空気を凝縮器を通過させてこれを冷却し、凝縮器を通過させた空気をハウジングの周壁の上部の排気口から排出するようにした飲料ディスペンサであって、ハウジング内には凝縮器の上側にて排気口の上部側に進むにつれて高くなるように傾斜した案内板を備えたダクトカバーによって凝縮器を通過させた空気よりなる排気が排気口から斜め上向きに流れる経路を形成したことを特徴とするものである。
請求項1に記載の飲料ディスペンサは、請求項2に記載のように、冷凍装置の作動を制御する制御装置を、ハウジング内にて排気が流れる経路から離間して配置することが好ましい。
また請求項2に記載の飲料ディスペンサは、請求項3に記載のように、ハウジング内の冷却水槽の上側となる位置に排気が流れる通路から仕切られた小空間を形成し、小空間内には冷却水槽内の冷却水を撹拌する撹拌装置の撹拌モータ及び制御装置を配置することが好ましい。
請求項1に記載の発明によれば、ハウジング内には凝縮器の上側にて排気口の上部側に進むにつれて高くなるように傾斜した案内板を備えたダクトカバーによって凝縮器を通過させた空気よりなる排気が排気口から斜め上向きに流れる経路を形成したので、凝縮器を通過して排気空間内に上向きに排出された排気は、上向きの勢いがそがれることなくダクトカバーの案内板に沿って斜めに上方向に流れ、排気口から排出された後の流れも上向きの成分を有している。ハウジングの周壁となる各パネルと建家の内壁や周辺機器の外壁との間に充分な隙間がとれない場合には排出抵抗が高くなるので凝縮器を通る冷却風量がある程度減少して飲料ディスペンサの飲料冷却性能が低下することは避けられない。しかし排気口から排出される排気の大部分は、その流れの上向きの成分により建家の内壁Wや周辺機器の外壁Kとの間の隙間を通って上方に流れて、すぐにハウジングより上方の広い空間に放出される。これにより排気の排出抵抗が減少するとともに、建家の内壁や周辺機器の外壁に沿って下側に回り込む排気も少なくなるので、このような排気がハウジング内の下部の吸気口から再び吸入される排気のショートサイクルも減少し、排気のショートサイクルに起因する飲料ディスペンサの飲料冷却性能の低下は大幅に改善される。
請求項2に記載の発明によれば、冷凍装置の作動を制御する制御装置を、ハウジング内にて排気が流れる経路から離間して配置したので、温度が上昇した排気により制御装置が加熱されることはなくなる。ハウジングの周壁となる各パネルと建家の内壁や周辺機器の外壁との間に充分な隙間がとれない場合には排出抵抗が高くなって凝縮器を通る冷却風量が減少するので排気温度が上昇することは避けられないが、そのような場合でも温度が上昇した排気により制御装置が加熱されることはないので、制御装置の温度上昇によるトラブルが生じることはなくなる。これにより制御装置を収容する箱体に冷却用の貫通孔を設ける必要はなくなるので、そのような箱体内への埃の侵入という問題も解決される。
請求項3に記載の発明によれば、ハウジング内の冷却水槽の上側となる位置に排気が流れる通路から仕切られた小空間を形成し、この小空間内には冷却水槽内の冷却水を撹拌する撹拌装置の撹拌モータ及び制御装置を配置しており、制御装置は撹拌モータの作動にともなう発熱により穏やかに加熱されるので、冷却水槽からの冷気により制御装置に結露が生じることはない。この撹拌モータによる加熱は安定しており、ハウジングの周囲の各パネルと建家の内壁や周辺機器の外壁との間の隙間などの設置環境の影響により制御装置の温度が左右されることはないので、制御装置の結露は完全に防止されるとともに、制御装置が加熱されて温度が上昇し過ぎることもない。
以下に、図1〜図4により、本発明による飲料ディスペンサの一実施形態の説明をする。この実施形態は、先に図6及び図7により説明した従来技術において排気空間R1内に案内支持板30及びダクトカバー32を追加し、それらの前側に続く冷却水槽20の上側となる部分の構造を異ならせたものである。その他の部分の構造は前述した従来技術と実質的に違いはないので、これらの追加部分及び構造が異なる部分について主として説明し、実質的に同じ部分は図6及び図7と同一符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
図1〜図4に示すように、棚板16は、図6及び図7に示す従来技術の棚板3からシュラウド4を除いたものであり、ハウジング11のハウジング本体12の左右の側面パネル12bにねじ止め固定されている。棚板16の下面及び上面には、前述した従来技術と同様の凝縮器27及び冷却ファン28が取り付けられている。なお凝縮器27と冷却ファン28の位置は上下を入れ換えてもよい。案内支持板30は前述した従来技術のシュラウド4の連結部4aとほぼ同じ高さで、その上下縁に沿って取付用の折曲部30a,30bが形成されている。下側の折曲部30aをねじ止めすることにより、案内支持板30は断熱材20aの後面との間にわずかの隙間をおいて棚板16の後縁部に立設固定されている。
前述した従来技術と同様の冷却水槽20及びその断熱材20aの上面を、前部の一部を除いて覆う支持板23は、冷却水槽20の上部に支持されている。この支持板23の上面の冷却水槽20の中心となる位置には撹拌装置24の撹拌モータ24aが固定され、それから下方に伸びるシャフト24bの先端には、冷却水を撹拌する撹拌羽根24cが固定されている。また撹拌モータ24aよりも後ろ側となる支持板23の上面には、冷凍装置25の作動を制御する電装箱(制御装置を収容する箱体)29が設けられている。
図2〜図4に示すように、ハウジング11内の棚板16と天井板15の間には、前述した従来技術と同様、凝縮器27及び冷却ファン28を通過して温度が上昇した排気が排出される排気空間R1が形成され、この排気空間R1内の上半部にはダクトカバー32が設けられている。またハウジング11内の支持板23と天井板15の間となる位置には、水槽側カバー35が設けられている。ダクトカバー32と水槽側カバー35は、この実施形態では一体的に形成されているが、図5で示す後述する変形例のように、別体に形成してもよい。
ダクトカバー32は、上部に排気口17aが形成された背面パネル14側に進むにつれて高くなるように傾斜した案内板33と、その両側から上方に延びるように折曲された略直角三角形状の側板34,34からなるものであり、案内板33の横幅はハウジング11の両側面パネル12b,12bの上縁のフランジ部12c,12cの間の内法寸法より多少狭くなっている。案内板33は、その前端側に形成された幅狭の水平部33aが、上述のように棚板16に立設固定された案内支持板30の上側の折曲部30b上にねじ止め固定され、上述のように傾斜されて背面パネル14の近くまで延びている。この取付状態では、各側板34,34の上縁部に形成された外向きの折曲部34a,34aはハウジング本体12の両側のフランジ部12c上に引っ掛け支持される。この実施形態では図2及び図3に示すように、案内板33の水平部33aに対応する狭い範囲には、各側板34,34及び各折曲部34a,34aは形成されていない。排気空間R1のうち棚板16とダクトカバー32の間に位置する部分が、本発明の排気が流れる経路を形成している。
水槽側カバー35は、ダクトカバー32の案内板33の水平部33aの前端縁に一体的に連結されて上向きに折曲された立上り板部36と、この立上り板部36をダクトカバー32の側板34の折曲部34aと同じ高さ位置で前向きの水平方向に折曲した水平板部37と、この水平板部37を撹拌モータ24aを支持する支持板23の前縁の多少手前の位置で下向きに折曲した支持脚部38により構成されている。立上り板部36と支持脚部38の横幅はダクトカバー32の案内板33の横幅と同程度であり、水平板部37の横幅はそれより広く両側板34,34の各折曲部34a,34aの先端部の間の幅と同程度である。支持脚部38には撹拌モータ24aとの干渉を避けるための長方形の切欠部38aが形成され、また支持脚部38の下縁部には支持板23にねじ止め固定するための折曲部38bが形成されている。ハウジング11内の冷却水槽20の上側となる位置には、この水槽側カバー35により、各所に多少の隙間は存在するが、上述した排気が流れる経路からほぼ仕切られた小空間R2が形成され、撹拌装置24及び電装箱29はこの小空間R2内に配置されている。
立上り板部36の下縁に連結された水平部33aを案内支持板30の上側の折曲部30bにねじ止めし、支持脚部38の下縁の折曲部38bを支持板23にねじ止めした状態では、水槽側カバー35の水平板部37の両側部は、ハウジング本体12の両側面パネル12b,12bの各フランジ部12c、12c上に支持されている。
前述した従来技術の場合と同様、この実施形態でも冷凍装置25の圧縮機26により圧縮された冷媒は、凝縮器27を通過する際に冷却ファン28により吸入された空気により冷却されて液化され、冷却水槽20内の蒸発管22に送り込まれ、ここで気化されて冷却水を冷却してから圧縮機26に還流される。これにより冷却水槽20内の冷却水は冷却され、蒸発管22の周囲には凍結した氷層が形成される。飲料供給源から供給されたビールなどの飲料は、飲料冷却管21を通過する際に冷却水槽20内の冷却水により冷却され、注出コック21aからグラスなどの容器に注出される。
この実施形態によれば、凝縮器27を冷却して冷却ファン28から排気空間R1内に上向きに排出された排気の大部分は、図2及び図3の矢印L1に示すように、その上向きの勢いがそがれることはなくダクトカバー32の案内板33に沿って斜め上方向に流れ、背面パネル14の排気口17aから排出された後の流れも上向きの成分を有している。図2及び図3に示すように、ハウジング11の周壁となる背面パネル14と建家の内壁Wとの間に充分な隙間がとれない場合には排気口17aから排出される排気の排出抵抗が高くなるので凝縮器27を通る冷却風量がある程度減少して飲料ディスペンサ10の飲料冷却性能が低下することは避けられない。しかし排気口17aから排出される排気の大部分は、その流れの上向きの成分により建家の内壁Wとの間の隙間を通って上方に流れてすぐにハウジング11より上方の広い空間に放出され、これにより排気の排出抵抗の増大は減少するので飲料ディスペンサ10の飲料冷却性能の低下は減少される。これと同時に建家の内壁Wに沿って下側に回り込む排気も少なくなり、ハウジング11内の下部の吸気口から再び吸入される排気のショートサイクルも減少するので、飲料冷却性能の低下はさらに一層減少される。
この実施形態では、ハウジング11内の冷却水槽20の上側となる位置に、棚板16とダクトカバー32の間の排気が流れる通路から仕切られた小空間R2を形成し、この小空間R2内に冷凍装置25の作動を制御する電装箱29を配置している。このように、凝縮器27及び冷却ファン28を通過して温度が上昇した排気が流れる上述の経路から離間された小空間R2内に電装箱29を配置したので、温度が上昇した排気により電装箱29が加熱されるおそれはなくなる。ハウジング11の周壁となる各パネル12b,14と建家の内壁Wや周辺機器の外壁Kとの間に充分な隙間がとれない場合には排出抵抗が高くなって凝縮器27を通る冷却風量が減少するので排気温度が上昇することは避けられないが、上記のように排気温度が上昇した場合でも、排気により電装箱29が加熱されることはなくなるので、電装箱29の温度上昇によるトラブルが生じることはなくなる。従って電装箱29に冷却用の貫通孔を設ける必要はなくなり、電装箱29内への埃の侵入という問題も解決される。
またこの実施形態では、小空間R2内には冷却水槽20内の冷却水を撹拌する撹拌装置24の撹拌モータ24a及び電装箱29を配置しており、このようにすれば電装箱29は撹拌モータ24aの作動にともなう発熱により穏やかに加熱されるので、冷却水槽20からの冷気により電装箱29内に結露が生じることはない。
またこの実施形態によれば、保守点検のために天井板15を取り外しても冷却ファン28はダクトカバー32により覆われているので、前述した従来技術では必要とされるファンガード5は不要となる。
次に図5に示すダクトカバーの変形例の説明をする。先に図1〜図4により説明した実施形態のダクトカバー32は水槽側カバー35と一体形成され、左右の側板34,34は互いに平行な平板であったが、図5に示す変形例のダクトカバー32Aは水槽側カバー35とは別体に形成され、また左右の側板34A,34Aは、上部の一定幅部分34A1,34A1は先の実施形態と同様互いに平行な平板状であるが、それより下側の部分は互いに近づくように内向きに折り曲げた平面状の傾斜した側案内板34A2となっている点が先の実施形態のダクトカバー32と相違している。
すなわち、この変形例のダクトカバー32Aでは、上部に排気口17aが形成された背面パネル14側に進むにつれて高くなるように傾斜した案内板33Aに加えて、上部に排気口17が形成された左右の側面パネル12b,12b側に進むにつれて高くなるように傾斜した側案内板34A2を備えている。案内板33Aの前端部に形成された幅狭の水平部33A1は先の実施形態の水平部33aの長さより短く、この水平部33A1の両端部に左右の側案内板34A2,34A2の内下方となる先端部が連結されている。従って、案内板33Aは水平部33A1に連結される前端部から後ろ上方に進むにつれて次第に横幅が広くなる形状であり、各側案内板34A2,34A2は水平部33A1に連結される各内端部から両外側上方に進むにつれて次第に横幅が広くなる形状である。左右の側板34Aの上部の一定幅部分34A1,34A1の上縁部には先に述べた実施形態と同様な外向きの折曲部34a,34aが形成されている。なお図示の変形例では、左右の側案内板34A2,34A2の傾斜角を異なる角度としたが、同一角度としてもよい。
この変形例では、水槽側カバー35の立上り板部36の下縁に形成した折曲部36aが案内支持板30の上縁の折曲部30b上に重ねられてねじ止めされ、ダクトカバー32Aの前縁の水平部33A1が水槽側カバー35後下縁の折曲部36a上に重ねられて、案内支持板30及び水槽側カバー35にねじ止めされる。この取付状態ではダクトカバー32Aの各側板34A,34A上縁の各折曲部34a,34a及び水槽側カバー35の水平板部37の両側部が左右の側面パネル12b,12b上に当接されて支持される。
前述した実施形態では、背面パネル14の排気口17aから排出される排気の大部分は、その流れの上向きの成分により建家の内壁Wとの間の隙間を通って上方に流れてすぐにハウジング11より上方の広い空間に放出されるので排気の排出抵抗の増大は減少し、また建家の内壁Wに沿って下側に回り込む排気も少なくなって排気のショートサイクルも減少するので、飲料冷却性能の低下は大幅に減少される。しかしながら前述した実施形態では、左右の側面パネル12b,12bの排気口17から排出される排気の流れについては、図4の矢印L2に示すように上向きの分力がないので、上述した効果は期待できない。しかしこの変形例によれば、図5の矢印L3に示すように、左右の側面パネル12b,12bの排気口17から排出される排気も、左右の側案内板34A2,34A2に沿って斜め上方向に流れ、左右の側面パネル12b,12bの排気口17,17から排出された後も上向きの成分を有している。これにより左右の側面パネル12b,12bの排気口17,17から排出される排気も、背面パネル14の排気口17aから排出される排気と同様、その流れの上向きの成分により周辺機器の外壁Kとの間の隙間を通って上方に流れてすぐにハウジング11より上方の広い空間に放出されるので排気の排出抵抗の増大は減少し、また建家の内壁Wに沿って下側に回り込む排気も少なくなって排気のショートサイクルも減少する。従って飲料ディスペンサ10の飲料冷却性能の低下は、前述した実施形態の場合よりもさらに減少されせることができる。