以下、添付の図面を参照しながら、本発明による電気検証装置、電気検証方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
まず、図4には、本発明による電気検証装置のハードウエア構成を表すブロック構成説明図が示されている。
即ち、この本発明による電気検証装置10は、公知のパーソナルコンピューターや汎用コンピューターなどで実現されており、その動作を中央処理装置(CPU)12を用いて制御するように構成されている。
そして、このCPU12には、バス14を介して、CPUの制御のためのプログラムや各種のデータなどを記憶するリードオンリメモリ(ROM)やCPU12のためのワーキングエリアとして用いられる記憶領域などを備えたランダムアクセスメモリ(RAM)などから構成される記憶装置16と、外部に接続される各種機器の入出力インターフェース回路(I/O)26とが接続されている。
また、この電気検証装置10においては、CPU12の制御により生成された各種データを出力するプリンターなどの出力装置18と、CPU12の制御に基づいて各種の表示を行うCRTや液晶パネルなどの画面を備えた表示装置20と、表示装置20の表示画面上における任意の位置を指定するための入力装置たるマウスなどのポインティングデバイス22と、任意の文字を入力するための入力装置たるキーボードなどの文字入力デバイス24とを有して構成されている。
さらに、この電気検証装置10においては、ハードディスクなどの外部記憶装置28がI/O26を介して接続されているとともに、コンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)などのようなコンピューター読み取り可能な記録媒体(以下、単に「記録媒体」と適宜に称する。)30へCPU12の制御に基づき生成された各種データを書き込んだり、記録媒体30から記憶装置16へ各種データを読み込んだりするためのリードライト装置32がI/O26を介して接続されている。
ここで、後述する電気検証装置10により電気検証処理を実行するためのプログラムや当該電気検証処理に用いる各種データは、記憶装置16のリードオンリメモリやランダムアクセスメモリへ予め記憶するようにしてもよいし、外部記憶装置28や記憶媒体30から記憶装置16のランダムアクセスメモリへ読み込むようにしてもよい。
また、電気検証装置10に通信機能を設けるようにして、後述する電気検証装置10による電気検証処理を実行するためのプログラムや当該電気検証処理に用いる各種データを、通信により外部から電気検証装置10の記憶装置16のランダムアクセスメモリへ読み込むようにしてしてもよい。
なお、以下の説明においては、電気検証装置10の理解を容易にするために、記憶装置16に電気検証装置10による電気検証処理を実行するためのプログラムや当該電気検証処理に用いる各種データが予め記憶されているものとする。
次に、図5を参照しながら、本発明による電気検証装置10について、詳細に説明することとする。図5は、本発明による電気検証装置の機能的構成を表すブロック構成説明図である。
この電気検証装置10は、基板設計を行うCADシステムなどのような電子基板設計装置で作成された電子基板の設計データたる電子基板設計データ40および筐体設計を行うCADシステムなどのような筐体設計装置で作成された筐体の設計データたる筐体設計データ42を、それぞれ変換して電気検証装置10において利用可能な検証用基板データおよび検証用筐体データに変換して読み込む設計データ変換部44と、設計データ変換部44で変換した検証用基板データおよび検証用筐体データに関して、それぞれ電子基板および筐体を構成する構成部品の属性を示す構成データをツリー形式(以下、構成データをツリー形式にしたものを「構成ツリー」と適宜に称することとする。)として管理する構成データ管理部46と、構成データに対して電気検証に必要な属性を設定する構成データ属性設定部48と、設計データ変換部44で変換した検証用基板データと検証用筐体データとを合成して検証用データを作成して同一管理上のデータとして格納し、表示装置20の表示画面において同一画面上に表示する検証用データ合成部50と、電気検証の対象とする構成データを抽出するための抽出条件を設定する抽出条件設定部52と、抽出条件設定部52において抽出した構成データを検証するための検証条件を設定する検証条件設定部54と、抽出条件設定部52により設定された抽出条件に基づいて、検証を行う構成データを検証用データから抽出するとともに、抽出した構成データに検証条件設定部54において設定された検証条件を付加する検証対象抽出部56と、検証対象抽出部56により検証条件を付加されて抽出された構成データに対して伝導経路の探索を行なったり、検証対象抽出部56により検証条件を付加されて抽出された構成データに対して、付加された検証条件(つまり、検証条件設定部54において設定された検証条件である。)と、後述する経路測定部60により測定された空間距離および沿面距離、あるいは、探索された伝導経路とに基づいて電気検証を行う検証実行部58と、検証対象抽出部56により検証条件を付加されて抽出された構成データについて、空間距離、沿面距離または検証実行部58において探索された伝導経路の距離の測定を行う経路測定部60と、検証実行部58により電気検証された検証結果を反映した測定経路(空間距離あるいは沿面距離を測定する際の経路のことである。)や判定結果などを検証用モデルデータ中に付加して表示装置20の表示画面上に表示することにより測定経路、探索経路あるいは判定結果などを可視化する測定経路可視化部62とを有して構成されている。
より詳細には、この設計データ変換部44においては、電子基板設計データ40を検証用基板データに変換するとともに、筐体設計データ42を検証用筐体データに変換するものである。
なお、検証用基板データは、電子基板を構成する各構成部品の3次元形状および配置位置を表す検証用基板モデルデータと、電子基板を構成する各構成部品の属性を示す検証用基板構成データとから構成され、また、検証用筐体データは、筐体を構成する各構成部品の3次元形状および配置位置を表す検証用筐体モデルデータと、筐体を構成する各構成部品の属性を示す検証用筐体構成データとから構成されている(図6を参照する。)。
そして、設計データ変換部44において変換された検証用基板データと検証用筐体データとを、検証用データ合成部50により合成して検証用データを作成することとなる。この検証用データは、電子基板設計データで表される電子基板および筐体設計データで表される筐体からなる電子機器を表すデータとなる。
即ち、検証用基板モデルデータと検証用筐体モデルデータとを合成することにより、検証用筐体モデルデータにより示される3次元形状の筐体に検証用基板モデルデータにより示される3次元形状の電子基板が収容された状態を示す検証用モデルデータを作成する。つまり、この検証用モデルデータは、電子機器を構成する各構成部品の3次元形状および配置位置を表すデータとなる。
そして、検証用基板モデルデータと検証用筐体モデルデータとを合成すると、検証用基板構成データと検証用筐体構成データとにより、検証用構成データも作成される。つまり、この検証用構成データは、電子機器を構成する各構成部品の属性を表すデータとなる。
従って、検証用データは、3次元形状の筐体内に3次元形状の電子基板が配設された状態を表す検証用モデルデータと、筐体および電気基板を構成する各構成部品の属性を示す検証用構成データとから構成されることとなる。
ここで、検証用基板構成データは、導体部品であるか絶縁体であるかの情報や、検証用基板モデルデータを特定する情報が含まれていて、例えば、選択、移動、追加、削除が検証用基板モデルデータおよび検証用基板構成データ間において相互に連動しており、検証用基板構成データの所定のデータを選択すると、連動して検証用基板モデルデータにおける当該所定のデータに対応するデータも選択されるようになされている。
同様に、検証用筐体構成データは、導体部品であるか絶縁体であるかの情報や、検証用筐体モデルデータを特定する情報が含まれていて、例えば、選択、移動、追加、削除が検証用筐体モデルデータおよび検証用筐体構成データ間において相互に連動しており、検証用筐体構成データの所定のデータを削除すると、連動して検証用筐体モデルデータにおける当該所定のデータに対応するデータも削除されるようになされている。
従って、検証用構成データにおいては、導体部品であるか絶縁体であるかの情報や、検証用モデルデータを特定する情報が含まれていることとなり、例えば、選択、移動、追加、削除が、検証用モデルデータおよび検証用構成データ間において相互に連動していることとなる。
また、電子基板設計データ40から検証用基板データを取得する際に、電子基板設計データ40が3次元形状であれば、電子基板設計データ40をそのまま利用し、電子基板設計データ42が2次元形状であれば、例えば、特開2001−202401号公報に開示されている技術を用いて3次元形状に変換して検証用基板モデルデータを作成する。作成した検証用基板モデルデータは表示装置20の表示画面に表示されるウインドウ200のモデルデータ表示部200bに表示される(図9を参照する。)。
なお、電子基板設計データ40から検証用基板データを取得する際には、電子基板設計データ40の仕様に基づいて、自動的に検証用基板構成データを取得し、構成データ管理部46において取得した構成データから構成管理データを作成することとなる。そして、作成された構成管理データは構成ツリーとして、表示装置20の表示画面に表示されるウインドウ200の構成ツリー表示部200aに表示される(図9を参照する。)。
また、筐体設計データ42から検証用筐体データを取得する際には、筐体設計データ42は一般には3次元形状であるため、筐体設計データ42をそのまま利用することができ、その3次元形状のデータがモデルデータ表示部200bに表示される。
なお、筐体設計データ42から検証用筐体データを取得する際には、筐体設計を行うCADシステムにおいて作成された構成ツリーをそのまま利用して構成管理データを作成することとなる。そして、作成された構成管理データは構成ツリーとして構成ツリー表示部200aに表示される。
また、こうした設計データ変換部44においては、例えば、ラティス・テクノロジー株式会社のXVL(eXtensible Virtual world description Language)技術などを利用して、3次元形状データの軽量化を図りながら、検証用基板モデルデータおよび検証用筐体モデルデータを取得するようにしてもよい。
また、設計データ変換部44は、電子基板設計データ40を利用して検証用基板データに変換するが、こうした変換時には、電子基板設計データ40から、基板外形として形状、厚さ、色などの情報、製造情報(レジスト層、シルク層などの3次元形状)として形状、厚さ、色などの情報、信号情報(ネットの3次元形状)として形状、厚さ、名称、色、属性情報などの情報、部品情報(電子部品の形状)として形状、厚さ、名称、色、属性情報などの情報を引き継ぐとともに、層構成(厚み情報)を引き継ぐものである(図7、図8を参照する。)。
また、設計データ変換部44は、筐体設計データ42を利用して検証用筐体データに変換するが、こうした変換時には、筐体設計データ42から、筐体の3次元形状、色、属性などの情報を引き継ぐものである。
構成データ管理部46は、検証用基板構成データ、検証用筐体構成データおよび検証用構成データについて、それぞれ構成ツリーとして構成管理データを生成して管理する。
即ち、構成データ管理部46においては、検証用データ合成部50で検証用基板モデルデータと検証用筐体モデルデータとを合成して検証用モデルデータが作成されると、設計データ変換部44で変換された検証用基板データと検証用筐体データとからそれぞれ、検証用基板構成データと検証用筐体構成データとを読み込み、構成管理データを作成する。
構成データ属性設定部48は、電気検証に必要な属性を設定するものであって、設計データ変換部44において、電子基板設計データ40から検証用基板データに変換するとともに、筐体設計データ42から検証用筐体データに変換する際に、電子基板設計データ40および筐体設計データ42から電気検証に必要な属性を抽出し、その属性を検証用データ合成部50で合成した検証用データの検証用構成データに付加する。
また、構成データ属性設定部48においては、検証用構成データにおいて導体部品または絶縁体などの属性がない場合には、作業者による設定作業により設定された属性を検証用構成データに付加する。
検証用データ合成部50は、検証用筐体データと検証用基板データとを合成し、検証用データを作成する。
即ち、設計データ変換部44において変換した検証用筐体データに対して検証用基板データをインポートし検証用筐体データと検証用基板データとを合成して、検証用データを作成するものであるが、この際には、検証用筐体モデルデータおよび検証用基板モデルデータが表示装置20に表示されたウインドウ200のモデルデータ表示部200bに表示され(図9を参照する。)、作業者はモデルデータ表示部200bに表示された検証用筐体モデルデータおよび検証用基板モデルデータを参照しながら、ポインティングデバイス22などを用いて検証用筐体モデルデータ上の所定の位置に検証用基板モデルデータを配置させるようにする(図10(a)を参照する。)。
このようにして、検証用筐体モデルデータに検証用基板モデルデータをインポートすると、検証用筐体データと検証用基板データとは、検証用データとして同一管理上のデータとして格納され、モデルデータ表示部200bには検証用筐体データ上に検証用基板データが配置された状態の検証用モデルデータが表示されるので、作業者はポインティングデバイス22などを用いて検証用筐体モデルデータ上の検証用基板モデルデータを移動あるいは拡大しながら位置合わせを行う。
その後、モデルデータ表示部200bにおいて、ネジなどのモデルデータ(3次元形状)により、検証用筐体モデルデータ上に検証用基板モデルデータを接合するようにする。この際、ネジおよびネジにより接合される検証用筐体モデルデータおよび検証用基板モデルデータの部品が全て金属であった場合には、導通していることとなる。
そして、検証用データ合成部50において、この導通しているという新たな情報が作成され、こうした導通しているという情報を構成データが保有されることとなる。
また、検証用筐体モデルデータ上に検証用基板モデルデータが接合されると、検証用筐体構成データの構成管理データに検証用基板構成データの構成管理データが付加されるとともに、検証用筐体モデルデータと検証用基板モデルデータとを接合する上記したネジが構成データとして付加されることとなる。
なお、電子基板の導体部品について、詳細な3次元形状のデータが用意されているのであれば、例えば、特開2001−202401号公報に開示されている技術を用いて検証用基板モデルデータにおける導体部品を当該3次元形状のデータに置換すれば、電気検証の精度を向上することができるようになる(図10(b)を参照する。)。
このように、検証用基板モデルデータを検証用筐体モデルデータにインポートし、位置合わせの後に検証用筐体モデルデータに検証用基板モデルデータをネジなどで接合するという作業を繰り返し、パーツ(つまり、筐体内に配設される電子基板のことである。)を組み立てることにより、検証用データ合成部50においては、検証用筐体モデルデータと検証用基板モデルデータとを合成した検証用モデルデータが作成される。
検証用筐体モデルデータに検証用基板モデルデータを接合する際には、検証用筐体モデルデータと検証用意基板モデルデータの接触面が金属部品のデータ同士である場合は、それらの金属部品のデータは導通していることになる。
例えば、ネジ、GNDパターン、筐体が図11に示すように接続され、ネジ、GNDパターン、筐体が金属部品のデータである場合には、ネジ上部とGNDパターンの接触面およびネジ下部と筐体の接触面とが金属部品同士のデータであることから、ネジ、GNDパターン、筐体の金属部品のデータは導通していることになる。
抽出条件設定部52は、電気検証の対象とする構成データ(導体部品)を抽出するための抽出条件を設定するものである、例えば、表示装置20に表示されるウインドウ200において各種設定の条件や検証の結果が表示される検証実行メニューを表示する検証実行メニュー表示部200c(図9を参照する。)の各種電気検証の種類に応じて表示される検証実行メニュー内に設けられた抽出条件設定ボタン(図示せず。)を選択することにより抽出条件設定ウインドウ(図24(b)を参照する。)が表示され、この抽出条件設定ウインドウ上で、作業者が資料などを参照しながら文字入力デバイス24により抽出条件を直接入力したり、あるいは、構成ツリー表示部200aに表示された検証用構成データの構成管理データによる構成ツリーもしくはモデルデータ表示部200bに表示された検証用モデルデータにおいて、作業者がポインティングデバイス22により抽出条件を直接選択するものである。
また、検証条件設定部54は、抽出条件設定部52において抽出した構成データを検証するための検証条件を設定するものである。例えば、検証実行メニュー表示部200cの各種電気検証の種類に応じて表示される検証実行メニュー内に設けられた検証条件設定ボタン(図示せず。)を選択することにより検証条件設定ウインドウ(図26、図28(b)、図30(b)、図31(c)を参照する。)が表示され、この検証条件設定ウインドウ上で安全規格に規定された値やメーカー独自の規定値などを、作業者が文字入力デバイス24により入力することとなる。
具体的には、安全規格検証においては、検証条件設定部54では、導体部品間で設けるべき空間距離の値が、対象とする導体部品間の空間距離の合否判定の基準となる判定距離(空間)として設定され、導体部品間で設けるべき沿面距離の値が、対象とする導体部品間の沿面距離の合否判定の基準となる判定距離(沿面)として設定されるとともに、空間距離および沿面距離を測定する際の測定距離の上限値としての最大測定距離とが設定される。(図26を参照する。)。
なお、空間距離の値とは、導体部品間の空間を通る最短距離である空間距離が最低限に保持していなければならない値のことであり、沿面距離の値とは、導体部品間の絶縁物の表面に沿った最短距離である沿面距離が最低限に確保していなければならない値のことである。
また、静電気検証における放電検証においては、検証条件設定部54では、静電気を発生させる箇所と対象となる導体部品との間で設けるべき空間距離の値が、当該箇所と当該導体部品との間の空間距離の合否判定の基準となる判定距離として設定され、測定した空間距離に対して警告を行うべき距離となる警告距離が設定されるとともに、当該空間距離を測定する際の測定距離の上限値として最大測定距離が設定される(図28(b)を参照する。)。
さらに、静電気検証における伝導経路探索検証においては、検証モードとして、簡易な伝導経路の検索を行うか、あるいは、詳細な伝導経路の探索を行うかが設定され、探索する伝導経路の数の上限たる探索件数上限が設定されるとともに、探索した伝導経路の距離を測定する際の測定距離の上限値として最大測定距離が設定される(図30(b)を参照する。)。
なお、この伝導経路探索検証においては、伝導経路上に位置する導体部品数の上限値として最大経由部品数上限を設定するようにしてもよい。こうした探索した伝導経路において経由する部品数が指定した個数を超える、つまり、最大経由部品数上限を超えるか否かを検証することにより、伝導経路探索検証を行う経路の範囲が狭くなり、伝導経路探索検証をより早く行うことができるようになる。
また、EMC検証においては、検証条件設定部54では、対象となる導体部品と接続状態にある金属部品全ての属性名および属性値を設定する(図31(c)を参照する。)。
検証対象抽出部56は、抽出条件設定部52により設定された抽出条件に基づいて、検証を行う検証対象を検証用データから抽出し、抽出した検証対象に検証条件設定部54において設定された検証条件を付加するとともに、検証実行メニュー表示部200cにおける検証実行メニューに抽出した検証対象および当該検証対象に付加した検証条件を表示する。
検証実行部58は、検証対象抽出部56により検証条件を付加されて抽出された検証対象に対して、当該検証条件に基づいて伝導経路の探索を行うとともに、検証対象抽出部56により検証条件を付加されて抽出された検証対象に対して、付加された検証条件と、経路測定部60により測定された空間距離および沿面距離、あるいは、探索された伝導経路の距離に基づいて電気検証を行うものである。
経路測定部60では、検証対象抽出部56により検証条件を付加されて抽出された構成データについて、沿面距離、空間距離または検証実行部58において探索された伝導経路の距離の測定を行うものである。
測定経路可視化部62では、検証実行部58により電気検証された検証結果を反映した測定経路や判定結果などを、検証用モデルデータ中に付加して表示装置20の表示画面に表示されるウインドウのモデルデータ表示部200bにおいて、測定経路(空間距離および沿面距離を測定する際の経路)、探索経路および判定結果などを可視化するものである。
以上の構成において、本発明による電気検証装置10により、電子基板設計および筐体設計が完了した電子機器における電気検証を行う場合について説明する。
まず、図12乃至図15を参照しながら、表示装置20に表示されるウインドウ200の構成ツリー表示部200aおよびモデルデータ表示部200bに表示される検証用構成データおよび検証用モデルデータの作成について説明する。
ここで図12には、本発明による電気検証装置における電子基板設計データ変換処理の処理ルーチンを表すフローチャートが示されており、また、図13には、本発明による電気検証装置における筐体設計データ変換処理の処理ルーチンを表すフローチャートが示されており、また、図14には、本発明による電気検証装置における放電ガン設計データ変換処理の処理ルーチンを表すフローチャートが示されており、また、図15には、本発明による電気検証装置における検証用データ作成処理の処理手順を表すフローチャートが示されている。
まず、作業者により電子基板設計データのファイルの読み込みが選択されると、電子基板設計データ変換処理が実行される。
この電子基板設計データ変換処理においては、まず、設計データ変換部44において、電子基板設計装置において設計された電子基板設計データ40を読み込む(ステップS2302)。
次に、設計データ変換部44において、読み込んだ電子基板設計データ40を変換して検証用基板モデルデータおよび検証用基板構成データからなる検証用基板データを作成する(ステップS2304)。
この際、電子基板設計データ40が2次元形状であった場合には、設計データ変換部44において3次元形状にした後に、検証用基板モデルデータを作成するものである。
そして、ステップS2304の処理で作成された検証用基板モデルデータは、表示装置20に表示されるウインドウ200のモデルデータ表示部200bに表示される。
ステップS2304の処理により検証用基板データが作成されると、構成データ管理部46において、検証用基板構成データから構成管理データを生成し(ステップS2306)、当該構成管理データを構成ツリーとして表示装置20に表示されるウインドウ200の構成ツリー表示部200aに表示し(ステップS2308)、電子基板設計データ変換処理を終了する。
その後、作業者は、構成ツリー表示部200aにツリー形式で表示された検証用基板構成データそれぞれについて属性を参照し、電気検証で必要となる属性が不足している場合には、構成データ属性設定部48において、その検証用基板構成データに対して電気検証で必要となる属性を追加する。
こうして作成された検証用基板データは、作業者により検証用基板データのファイルとして保存される。このとき、構成管理データも保存されることとなる。
次に、作業者により筐体設計データのファイルの読み込みが選択されると、筐体設計データ変換処理が実行される。
この筐体設計データ変換処理においては、まず、設計データ変換部44において、筐体設計装置において設計された筐体設計データ42を読み込む(ステップS2402)。
すると、設計データ変換部44において、読み込んだ筐体設計データ42を変換して検証用筐体モデルデータおよび検証用筐体構成データからなる検証用筐体データを作成する(ステップS2404)。
この際、筐体設計データ42が2次元形状であった場合には、設計データ変換部44において3次元形状にした後に、検証用筐体モデルデータを作成するものである。
そして、ステップS2404の処理で作成された検証用筐体モデルデータは、表示装置20に表示されるウインドウ200のモデルデータ表示部200bに表示される。
ステップS2404の処理により検証用筐体データが作成されると、構成データ管理部46において、検証用筐体構成データから構成管理データを生成し(ステップS2406)、当該構成管理データを構成ツリーとして表示装置20に表示されるウインドウ200の構成ツリー表示部200aに表示し(ステップS2408)、筐体設計データ変換処理を終了する。
その後、作業者は、構成ツリー表示部200aにツリー形式で表示された検証用筐体構成データそれぞれについて属性を参照し、電気検証で必要となる属性が不足している場合には、構成データ属性設定部48において、その検証用筐体構成データに対して電気検証で必要となる属性を追加する。
こうして作成された検証用筐体データは、作業者により検証用筐体データのファイルとして保存される。このとき、構成管理データも保存されることとなる。
さらに、作業者により放電ガンの静電気検証における放電検証を行う際に必要となる、放電ガンのデータについても設計データ変換部44により検証用放電ガンデータを作成する。
即ち、作業者により所定の設計装置で設計された放電ガンの設計データたる放電ガン設計データのファイルの読み込みが選択されると、放電ガン設計データ変換処理が実行される。なお、放電ガン設計データは、例えば、3次元形状により検査針の部分だけを設計したものである。
この放電ガン設計データ変換処理においては、まず、設計データ変換部44において、所定の設計装置において設計された放電ガン設計データを読み込む(ステップS2502)。
すると、設計データ変換部44において、読み込んだ放電ガン設計データを変換して検証用放電ガンモデルデータおよび検証用放電ガン構成データからなる検証用放電ガンデータを作成する(ステップS2504)。
そして、ステップS2504の処理で作成された検証用放電ガンモデルデータは、表示装置20に表示されるウインドウ200のモデルデータ表示部200bに表示される。
ステップS2504の処理により検証用放電ガンデータが作成されると、構成データ管理部46において、検証用放電ガン構成データから構成管理データを生成し(ステップS2506)、当該検証用放電ガン構成データを表示装置20に表示されるウインドウ200の構成ツリー表示部200aに表示し(ステップS2508)、筐体設計データ変換処理を終了する。
その後、作業者は、構成ツリー表示部200aに表示された検証用放電ガン構成データについて属性を参照し、検証用放電ガン構成データにおいて電気検証で必要となる属性が不足している場合には、構成データ属性設定部48により、その検証用放電ガン構成データに対して電気検証で必要となる属性を追加する。
こうして作成された検証用放電ガンデータは、作業者により検証用放電ガンデータのファイルとして保存される。このとき、構成管理データも保存されることとなる。
なお、検証用放電ガンモデルデータとしては、球、立方体などの3次元形状や円、四角、点などの単純な形状としてもよい。
検証用基板データ、検証用筐体データおよび検証用放電ガンデータを作成すると、次に、検証用データの作成を行う。
検証用データの作成では、まず、作業者によって検証用筐体データのファイルの読み込みが行われる。(ステップS2602)。
検証用筐体データのファイルの読み込みが完了すると、検証用筐体モデルデータがモデルデータ表示部200bに表示されるとともに、検証用筐体構成データの構成ツリーが構成ツリー表示部200aに表示される。
次に、作業者によって検証用基板データのファイルの読み込みが行われる(ステップS2604)。
検証用基板データのファイルの読み込みが完了すると、検証用筐体モデルデータが既に表示されているモデルデータ表示部200bに検証用基板モデルデータが表示されるとともに、構成ツリー表示部200aにおいて、既に表示されている検証用筐体構成データの構成ツリーの最上位層に検証用基板構成データの構成ツリーが付加される。
その後、作業者はモデルデータ表示部200bに表示された検証用基板モデルデータを移動および回転させて検証用筐体モデルデータの所定の位置に位置合わせを行う(ステップS2606)とともに、検証用筐体モデルデータの所定の位置に検証用基板モデルデータを固定する(ステップS2608)。
検証用筐体モデルデータ上に検証用基板モデルデータを固定する際に、ネジなどの部品により固定するものであるが、こうした固定部品の構成データは検証用筐体構成データの構成ツリーの最上位層に付加される。
こうして、検証用筐体モデルデータ上に検証用基板モデルデータを固定したデータを検証用モデルデータとするとともに、検証用筐体構成データに検証用基板構成データおよび固定部品の構成データが付加された構成データを検証用構成データとして、検証用モデルデータおよび検証用構成データからなる検証用データが作成される。
なお、こうした検証用データの作成は、検証用データ合成部50において処理されるものである。
また、こうして作成された構成ツリーは、ツリー形式の構成データとして構成管理データとして管理されることとなる。
そして、作成された検証用データは検証用データのファイルとして保存される(ステップS2610)。このとき、構成管理データも保存されることとなる。
こうして、検証用モデルデータおよび検証用構成データにより構成管理データを作成した後に、作業者がポインティングデバイス22などを用いて、表示装置20に表示されるウインドウ200の検証実行メニュー表示部200cに表示される検証実行メニュー内に設けられた安全規格検証タブ200c−1、静電気検証タブ200c−2およびEMC検証タブ200c−3のいずれかを選択することにより、実行する検証内容を選択するとともに実行する検証メニューを表示する。
以下、安全規格検証、静電気検証およびEMC検証における処理について、図16乃至図23を参照しながら、それぞれ詳細に説明することとする。
ここで、図16には、本発明による電気検証装置における安全規格検証の処理手順を表すフローチャートが示されており、また、図17には、安全規格検証処理の処理ルーチンを表すフローチャートが示されており、また、図18には、本発明による電気検証装置における静電気検証の放電検証の処理手順を表すフローチャートが示されており、また、図19には、静電気検証における放電検証処理の処理ルーチンを表すフローチャートが示されており、また、図20には、本発明による電気検証装置における静電気検証の伝導経路探索の処理手順を表すフローチャートが示されており、また、図21には、静電気検証における伝導経路探索処理の処理ルーチンを表すフローチャートが示されており、また、図22には、本発明による電気検証装置におけるEMC検証の処理手順を表すフローチャートが示されており、また、図23には、EMC検証処理の処理ルーチンを表すフローチャートが示されている。
(1)安全規格検証
安全規格検証を行うには、作業者がポインティングデバイス22などを用いて、検証実行メニュー内に設けられた安全規格検証タブ200c−1を選択する。これにより検証実行メニュー表示部200cにおいて安全規格検証メニュー200caが表示される(図24(a)を参照する。)。
安全規格検証メニュー200caが表示されると、作業者は、まず、構成データに対する抽出条件を設定する(ステップS2702)。
このステップS2702の処理においては、抽出条件設定部52により抽出条件を設定するものであり、まず、作業者がポインティングデバイス22などにより、安全規格検証メニュー200caに設けられた抽出条件設定ボタン(図示せず。)を選択して抽出条件設定ウインドウ202を表示させる(図24(b)を参照する。)。
そして、作業者は、この抽出条件設定ウインドウ202において安全規格検証の対象とする導体部品間の一方の導体部品を検証対象Aとして検証対象Aについての抽出条件を設定するとともに、他方の導体部品を検証対象Bとして検証対象Bについての抽出条件を設定する。
抽出条件の設定においては、作業者が、例えば、資料などを参照しながら検証対象Aとして設定する部品の属性名を属性名欄202a−1に入力するとともに、当該部品の属性値を属性値欄202b−1に入力することにより検証対象Aの抽出条件の設定を行うものである。同様に、検証対象Bとして設定する部品の属性名を属性名欄202a−2に入力するとともに、当該部品の属性値欄202b−2に入力することにより検証対象Bの抽出条件の設定を行うものである。
なお、こうした検証対象Aおよび検証対象Bの抽出条件については、それぞれ複数設定することが可能であり、複数の設定を行う場合には、演算子欄202c−1および演算子欄202c−2においてAND条件およびOR条件を適宜に組み合わせて設定を行う。
そして、各種数値を入力した後に抽出条件設定ウインドウ202内に設けられた決定ボタン(図示せず。)を選択することにより、設定した内容が記憶されるとともに、抽出条件設定ウインドウ202が閉じることとなる。
具体的には、例えば、図24(b)に示すように検証対象Aの抽出条件を設定したとすると、検出対象Aについては、交流(AC)のトランスまたはトランジスタを抽出対象とすることとなる。さらに、図24(b)に示すように検証対象Bの抽出条件を設定したとすると、検証対象Bについては、直流(DC)のトランスまたはトランジスタを抽出条件することとなる。
なお、こうした抽出条件の設定においては、モデルデータ表示部200bに表示された検証用モデルデータにおいて検証対象とする部品を直接選択して設定するようにしてもよいし、または、構成ツリー表示部200aに表示された検証用構成データにおいて対象とする部品を直接選択して設定するようにしてもよい。
具体的には、検証用モデルデータを用いて検証対象Aの抽出条件を設定する場合には、作業者が検証用モデルデータ中で検証対象Aとして設定する部品を直接選択することにより、属性名欄202a−1に選択した部品の属性名が入力されるとともに、属性値欄202b−1に属性値が入力される。
このとき、検証用モデルデータ中で直接選択された部品は当該検証用モデルデータ中においてハイライトされて表示されるとともに、構成ツリー表示部200aにおいて表示されている構成ツリーのうちの当該部品に対応する構成データがハイライトされて表示される(図25(a)を参照する。)。
そして、演算子欄202c−1においてAND条件またはOR条件を設定し、さらに検証対象Aとして設定する部品がある場合には、同様にして検証対象Aとして設定する部品を検証用モデルデータで直接選択することにより属性名および属性値を入力して検証対象Aの抽出条件の設定を行う。
検証用モデルデータを用いて検証対象Bの抽出条件を設定する場合には、上記した検証対象Aの抽出条件を設定する場合と同様にして、作業者が検証用モデルデータ中で検証対象Bとして設定する部品を直接選択することにより、属性名欄202a−2に選択した部品の属性名が入力されるとともに、属性値欄202b−2に属性値が入力される。
このとき、検証用モデルデータ中で直接選択された部品は当該検証用モデルデータ中においてハイライトされて表示されるとともに、構成ツリー表示部200aにおいて表示されている構成ツリーのうちの当該部品に対応する構成データがハイライトされて表示される(図25(b)を参照する。)。
そして、演算子欄202c−2においてAND条件またはOR条件を設定し、さらに検証対象Bとして設定する部品がある場合には、同様にして検証対象Bとして設定する部品を検証用モデルデータで直接選択することにより属性名および属性値を入力して検討対象Bの抽出条件の設定を行う。
また、検証用構成データの構成ツリーを用いて検証対象Aの抽出条件を設定する場合には、作業者が検証用構成データの構成ツリーの中から検証対象Aとして設定する部品の構成データを直接選択することにより、属性名欄202a−1に選択した部品の属性名が入力されるとともに、属性値欄202b−1に属性値が入力される。
このとき、構成ツリー中で直接選択された部品は当該構成ツリーにおいてハイライトされて表示されるとともに、モデルデータ表示部200bにおいて表示されている検証用モデルデータ中の当該部品に対応するデータがハイライトされて表示される(図25(a)を参照する。)。
そして、演算子202c−1においてAND条件またはOR条件を設定し、さらに検証対象Aとして設定する部品がある場合には、同様にして検証対象Aとし設定する部品を構成ツリー中から直接選択することにより属性名および属性値を入力して検証対象Aの抽出条件の設定を行う。
検証用構成データに構成ツリーを用いて検証対象Bの抽出条件を設定する場合には、上記した検証対象Aの抽出条件を設定する場合と同様にして、作業者が検証用構成データの構成ツリーの中から検証対象Bとして設定する部品の構成データを直接選択することにより、属性名欄202a−1に選択した部品の属性名が入力されるとともに、属性値欄202b−1に属性値が入力される。
このとき、構成ツリー中で直接選択された部品は当該構成ツリー中においてハイライトされて表示されるとともに、モデルデータ表示部200bにおいて表示されている検証用モデルデータ中の当該部品に対応するデータがハイライトされて表示される(図25(b)を参照する。)。
そして、演算子202c−2においてAND条件またはOR条件を設定し、さらに検証対象Aとして設定する部品がある場合には、同様にして検証対象Bとし設定する部品を構成ツリー中から直接選択することにより属性名および属性値を入力して検証対象Bの抽出条件の設定を行う。
こうして抽出条件の設定が完了すると、次に、作業者により構成データに対する検証条件を設定する(ステップS2704)。
このステップS2704の処理においては、検証条件設定部54により検証条件を設定するものであり、まず、作業者がポインティングデバイス22などにより、安全規格検証メニュー200caに設けられた検証条件設定ボタン(図示せず。)を選択して検証条件設定ウインドウ204を表示させる(図26を参照する。)。
そして、作業者は、この検証条件設定ウインドウ204において、ステップS2702の処理において設定した抽出条件に合致した検証対象Aおよび検証対象Bとの間の空間距離における安全規格の規定値を「安全規格検証(空間)」の判定距離として入力ボックス204aに入力するとともに、当該検証対象Aおよび当該検証対象Bとの間の沿面距離における安全規格の規定値を安全規格検証(沿面)の判定距離として入力ボックス204b入力し、当該検証対象Aおよび当該検証対象Bとの間の空間距離および沿面距離を測定する際の上限として最大測定距離を入力ボックス204cに入力する。
そして、各種数値を入力した後に検証条件設定ウインドウ204内に設けられた決定ボタン(図示せず。)を選択することにより、設定した内容が記憶されるとともに、検証条件設定ウインドウ204が閉じることとなる。
この最大測定距離は、空間距離および沿面距離を測定する際の上限値として最大距離を示すものであり、空間距離あるいは沿面距離にいずれか一方が最大測定距離を超えた時点で測定を中断し、検証を終了することを意図している。
即ち、この最大測定距離は、経路測定部60における測定を行う必要がないと判断する際の基準となる距離であって、この安全規格検証においては、空間距離あるいは沿面距離にいずれか一方を測定中に最大測定距離を超えた時点で測定を中止することとなる。
なお、安全規格検証(空間)および安全規格検証(沿面)は、それぞれチェックボックス204d、204eにチェックを入れるか否かによって検証の有効・無効を切り替えるものであり、例えば、検証対象Aと検証対象Bとの間の沿面距離のみ検証する場合には、チェックボックス204eにチェックを入れて安全規格検証(沿面)を有効にするとともに、チェックボックス204dにチェックを入れずに安全規格検証(空間)を無効にする。
また、チェックボックス204fにチェックを入れるか否かによって最大測定距離の有効・無効を切り替えることができ、最大測定距離を有効にする場合には、チェックボックス204fにチェックを入れるようにする。こうした最大測定距離を有効にすることにより、明らかに安全な間隔を備えた導体部品間の空間距離および沿面距離の測定を省くことにより、測定処理時間が短くすることができる。
従って、チェックボックス204fにチェックを入れない場合には、最大測定距離が無効になり、全ての空間距離および沿面距離の測定が行われることになり、測定処理時間が長くなってしまう。
このため、チェックボックス204fにチェックを入れない場合には、例えば、空間距離の判定距離および沿面距離の判定距離の大きい方の値に所定の係数を乗算するなどして、最大測定距離に相当する測定上限値を自動設定できる構成としてもよい。
具体的には、例えば、図26に示すように、チェックボックス204d、204e、204fにチェックを入れるとともに、入力ボックス204aに「8」、入力ボックス204bに「10」、入力ボックス204cに「15」を入力すると、安全規格検証において空間距離および沿面距離の測定を行うこととなり、空間距離の規定値、つまり、空間距離として最低限確保していなければならない距離が8mm、沿面距離の規定値、つまり、沿面距離として最低限確保しなければならない距離10mm、空間距離および沿面距離を測定する際の上限値が15mmと設定したこととなる。
その後、ステップS2702の処理において設定内容およびステップS2704の処理において設定した設定内容を合わせた設定内容に対して、ルール名を設定する(ステップS2706)。
なお、こうしたルール名の設定としては、例えば、検証条件設定ウインドウ204中にルール名設定ボックス(図示せず。)が設けられており、このルール名設定ボックスにルール名を入力することにより設定されるものであり、例えば、図24(b)に示すような検証条件を設定したものに対しては「AC−DC」と設定する。
そして、作業者は、安全規格検証メニュー200caに設けられたルール名入力ボックス200ca−1に安全規格検証を行おうとするルール名を入力し、抽出実行ボタン200ca−2を選択して、安全規格検証メニュー200ca上に設定内容を表示させる(ステップS2708)。
このステップS2708の処理では、ステップS2706の処理で設定したルール名を入力することにより、入力したルール名の設定内容(つまり、ステップS2702の処理において設定した抽出条件およびステップS2704の処理において設定した検証条件である。)を検証対象抽出部56により抽出して安全規格検証メニュー200caに表示するものである。
また、安全規格検証メニュー200caに表示される際には、ステップS2702の処理で設定した抽出条件に合致した検証対象Aおよび検証対象Bがそれぞれ抽出されて表示され、その検証対象Aおよび検証対象Bの総当たりの組み合わせが表示される。
そして、検証対象Aおよび検証対象Bの各組み合わせに対してステップS2704の処理で設定した検証条件を付加されて安全規格検証メニュー200caに表示される。
具体的には、図24(b)および図26に示す設定内容に、ルール名をAC−DCと設定したとすると、作業者は、安全規格検証メニュー200caのルール名入力ボックス200ca−1にAC−DCと入力した後に、抽出実行ボタン200ca−2を選択すると、安全規格検証メニュー200caにおいて、ルール名を表示するルール名欄200ca−3には、ルール名入力ボックス200ca−1に入力したルール名「AC−DC」が表示され、検証対象Aを表示する検証対象A欄200ca−4および検証対象Bを表示する検証対象B欄200ca−5には、それぞれステップS2706の処理で判定した抽出条件に合致した検証対象Aおよび検証対象Bが表示される(図24(a)を参照する。)。即ち、検証対象Aおよび検証対象Bには、部品名称が表示されることとなる。
さらに、ステップS2704の処理で設定した検証条件に基づいて、測定の種別を表示する種別欄200ca−6に空間距離あるいは沿面距離のいずれかが表示される。この種別欄200ca−6においては、測定の種別が空間距離であれば「空間」と表示され、沿面距離であれば「沿面」と表示される。
また、測定の種別に対応した判定距離が判定距離欄200ca−7に表示されるとともに、最大測定距離が最大測定距離欄200ca−8に表示される。従って、判定距離欄200ca−7においては、種別欄200ca−6が「空間」と表示されている場合には、「8mm」と表示され、「沿面」と表示されている場合には、「10mm」と表示されるとともに、最大測定距離を表示する最大測定距離欄200ca−8においては、「15mm」と表示されることとなる。
抽出条件および検証条件がリストアップされて安全規格検証メニュー200caに表示されると、作業者が検証実行ボタン200ca−9を選択して、安全規格検証処理を実行する(ステップS2710)。なお、こうした安全規格検証処理は、検証実行部58および経路測定部60により実行される。
ここで、図17のフローチャートには、このステップS2710における安全規格検証処理の詳細な処理内容が示されており、この安全規格検証処理においては、まず、安全規格検証メニュー200caに表示されたリストの最上段(リスト1)に表示された検証対象A、Bを測定対象とする(ステップS2802)。
次に、測定対象とした検証対象A、B間の距離を設定された種別の内容に基づいて測定する(ステップS2804)。
つまり、ステップS2804の処理においては、リストにおいて測定対象とした検証対象A、Bの種別欄200ca−6に「空間」と表示されている場合には、経路測定部60において検証対象A、B間の空間距離を測定し、種別欄200ca−6に「沿面」と表示されている場合には、経路測定部60において検証対象A、B間の沿面距離を測定するものである。
そして、ステップS2804の処理における測定中に、測定値が最大測定距離を超過したか否かを判断する(ステップS2806)。
このステップS2806の判断処理においては、ステップS2804の処理により測定される測定値が、最大測定距離として設定された閾値を超えたか否かを判断するものであって、測定値が測定中に当該閾値を超えた時点で、測定値が最大測定距離を超過したと判断する。従って、最大測定距離を超過していないという判断がなされる場合は、測定が終了した時点ということとなる。
このステップS2806の判断処理により、測定値が最大測定距離を超過していないと判断されると、測定された測定値と設定された判定距離とを比較し測定値の合否判定を行う(ステップS2808)。
即ち、このステップS2808の処理では、測定値が判定距離未満であればNG(不合格)、判定距離以上であればOK(合格)と判定することとなる。
具体的には、図24(a)に示されたリスト1に表示された設定内容のときに、検証対象Aと検証対象Bとが図27(a)に示すような位置にあった場合、つまり、実際の検証対象A、B間の空間距離が7mm、沿面距離が11mmである場合、空間距離は最大測定距離15mm未満であるため、測定した空間距離の測定値の合否判定が行われる。
即ち、リスト1においては、測定値が「7mm」であるのに対して判定距離は「8mm」となっており、測定値が判定距離未満となっているため「NG」(つまり、不合格である。)の判定がなされる。
また、図24(a)に示されたリスト2に表示された設定内容のときに、検証対象Aと検証対象Bとが図27(a)に示すような位置にあった場合、つまり、実際の検証対象A、B間の空間距離が7mm、沿面距離が11mmである場合、沿面距離は最大測定距離15mm未満であるため、測定した沿面距離の測定値の合否判定が行われる。
即ち、リスト2においては、測定値が「11mm」であるのに対し判定距離が「10mm」となっており、測定値が判定距離以上となっているため「OK」(つまり、合格である。)の判定がなされる。
その後、リストの次の段(ステップS2804の処理においてリスト1について検証対象A、B間の測定を行った場合には、次の段はリスト2となる。)に検証対象A、Bが表示されているか否かの判断を行う(ステップS2810)。
一方、ステップS2806の判断処理により、測定値が最大測定距離を超過していると判断されると、その時点で測定が中断され(ステップS2812)、ステップS2810の判断処理に進む。
具体的には、図24(a)に示されたリスト3およびリスト4に表示された設定内容のときに、検証対象Aと検証対象Bとが図27(b)に示すような位置にあった場合、つまり、実際の検証対象A、B間の空間距離が7mm、沿面距離が17mmである場合、空間距離は最大測定距離15mm未満であるが、沿面距離は最大測定距離15mm以上となっている。
従って、沿面距離については、測定中に最大測定距離15mmを超えた時点で測定が中止されるとともに、合否判定を行わないものとなり、この検証対象A、Bについては検証の対象から外される。
ステップS2810の判断処理において、次の段に検証対象A、Bが表示されていると判断されると、当該次の段の検証対象A、Bが測定対象とされ(ステップS2814)、ステップS2804の処理に進み、ステップS2814の処理により測定対象とされた検証対象A、B間の測定を実行する。
ステップS2810の判断処理において、次の段に検証対象A、Bが表示されていないと判断されると、安全規格検証メニュー200caにおいて、測定結果欄200ca−10に測定した測定値を表示するとともに、合否判定の判定結果たる判定値を表示する判定値欄200ca−11に合否判定の結果を表示し(ステップS2816)、安全規格検証処理を終了して安全規格検証を終了する。
即ち、ステップS2816の処理においては、同じ検証対象A、B間において測定した異なる種別の距離において、どちらも最大測定距離を超えていなかった場合には、測定した測定値を測定結果欄200ca−10に表示するとともに、ステップS2808の処理において判定した判定結果を判定値欄200ca−11に表示するようにする(図24(a)のリスト1、リスト2を参照する。)。
具体的には、図24(a)に示す設定の内容において、実際に検証対象A、BとなるQ1、Q2、Q3の位置が、Q1、Q2間の空間距離7mm、沿面距離11mm、Q1、Q3間の空間距離10mm、沿面距離17mmであった場合には、Q1、Q2間の空間距離の検証内容を示すリスト1においては、測定結果欄200ca−10には「7mm」、判定値欄200ca−11には「NG」が表示される。また、Q1、Q2間の沿面距離の検証内容を示すリスト2においては、測定結果欄200ca−10には「11mm」、判定値欄200ca−11には「OK」が表示される。
ここで、Q1、Q3間の空間距離は10mmと測定され、ステップS2808の処理における合否判定は「OK」となるはずであるが、Q1、Q3間においては沿面距離が17mmであるため測定を中止して合否判定を行っていない。
このため、Q1、Q3間は検証の対象から外されたこととなり、Q1、Q3間の空間距離の検証内容を示すリスト3およびQ1、Q3間の沿面距離の検証内容を示すリスト4においては、測定結果欄200ca−10および判定値欄200ca−11に「−」が表示される。
なお、空間距離および沿面距離の少なくともいずれか一方が最大測定距離を超えていた場合、検証対象A、B間は十分な距離が設けられていることを示しているので、合否判定については「OK」とするようにしてもよい。
(2)静電気検証
静電気検証を行うには、作業者がポインティングデバイス22などを用いて検証実行メニュー内に設けられた静電気検証タブ200c−2を選択する。これにより、静電気検証における放電検証または伝導経路探索を選択する選択ウインドウ(図示せず。)が表示され、作業者は、表示された選択ウインドウにおいて放電検証または伝導経路探索のいずれかを選択する。
(2−1)静電気検証における放電検証
作業者が選択ウインドウ(図示せず。)において放電検証を選択すると、検証実行メニュー表示部200cにおいて放電検証メニュー200cbが表示される(図28(a)を参照する。)。
放電検証メニュー200cbが表示されると、作業者は、まず、構成データに対する抽出条件を設定する(ステップS2902)。
このステップS2902の処理においては、抽出条件設定部52により抽出条件を設定するものであり、上記した安全規格検証における抽出条件の設定と同様にして、検証用モデルデータ中あるいは検証用構成データ中から検証対象A、Bを直接選択して属性名および属性値を設定することができる。
即ち、モデルデータ表示部200bに表示された検証用モデルデータ中の部品を選択したり、構成ツリー表示部200aに表示された検証用構成データの構成ツリー中から構成データを選択することにより、検証対象Aおよび検証対象Bにそれぞれ属性名および属性値を設定するものである。
さらに、作業者が放電検証メニュー200cbに設けられた抽出条件設定ボタン(図示せず。)を選択して抽出条件設定ウインドウ(図示せず。)を表示させ、この抽出条件ウインドウにおいて検証対象A、Bを設定するようにしてもよい。
なお、この抽出条件設定ウインドウは、上記した安全規格検証において説明した抽出条件設定ウインドウ202と同様であって、「検証対象Aの抽出条件」および「検証対象Bの抽出条件」においてそれぞれ属性名および属性値を入力することにより、検証対象A、Bを設定するものである。
また、放電検証では、検証対象A、Bのうちの一方は、必ず放電ガンとなるため、検証対象A(あるいは、検証対象B)は、放電ガンを抽出する属性名および属性値を入力して検証対象A(あるいは、検証対象B)の抽出条件を設定することになる。
こうして抽出条件の設定が完了すると、次に、作業者により構成データに対する検証条件を設定する(ステップS2904)。
このステップS2904の処理においては、検証条件設定部54により検証条件を設定するものであり、まず、作業者が放電検証メニュー200cbに設けられた検証条件設定ボタン(図示せず。)を選択して検証条件設定ウインドウ214を表示させる(図28(b)を参照する。)。
そして、作業者は、この検証条件設定ウインドウ214においてステップS2902の処理において設定した抽出条件に合致する検証対象A、B間の空間距離における規定値を判定距離として入力ボックス214aに入力するとともに、警告を表示するための下限の規定値を警告距離として入力ボックス214bに入力し、空間距離A、B間の空間距離を測定する際の上限として最大測定距離を入力ボックス214cに入力する。
そして、各種数値を入力した後に検証条件設定ウインドウ214内に設けられた決定ボタン(図示せず。)を選択することにより、設定した内容が記憶されるとともに、検証条件設定ウインドウ214が閉じることとなる。
この最大測定距離は、経路測定部60における測定を行う必要がないと判断する際の基準となる距離であって、この放電検証においては、空間距離を測定中に最大測定距離を超えた時点で測定を中止することとなる。
また、警告距離は、測定結果が警告距離の範囲内にあった場合、判定値に「Warning」と警告表示するための基準となる距離であって、例えば、警告距離の入力ボックス214bに「25」と入力すると、警告距離は、判定距離の25%ということとなり、これにより判定値は、0≦測定結果<7.5mmの場合には「NG」となり、7.5mm≦測定結果<10の場合には「Warning」となり、10mm≦測定結果<最大計測距離の場合には「OK」となる(図28(c)を参照する。)。
従って、入力ボックス214bに「0」と入力すると、警告距離は判定距離の0%ということとなり、判定値は「OK」、「NG」の2段階で表されることとなる。
なお、チェックボックス214fにチェックを入れるか否かによって最大測定距離の有効・無効を切り替えることができ、最大測定距離を有効にする場合には、チェックボックス214fにチェックを入れるようにする。こうした最大測定距離を有効にすることにより、明らかに安全な間隔を備えた放電ガン(検証対象A)と検証対象Bとの間の空間距離の測定を省くことができ、測定処理時間が短くすることができる。
従って、チェックボックス214fにチェックを入れない場合には、最大測定距離が無効になり、全ての空間距離の測定が行われることになって、測定処理時間が長くなってしまう。
このため、チェックボックス214fにチェックを入れない場合には、例えば、判定距離の値に所定の係数を乗算するなどして、最大測定距離に相当する測定上限値を自動設定できる構成としてもよい。
具体的には、例えば、図28(b)に示すように、チェックボックス214fにチェックを入れるとともに、入力ボックス214aに「10」、入力ボックス214bに「25」、入力ボックス214cに「15」を入力すると、放電検証において、空間距離の規定値、つまり、空間距離として最低限確保していなければならない距離が10mm、判定値で「Warning」と表示する距離が7.5mm以上、10mm(空間距離の規定値)未満、空間距離を測定する際の上限値が15mmと設定したことになる。
その後、作業者は、放電検証メニュー200cbに設けられた抽出実行ボタン200cb−4を選択して、放電検証メニュー200cb上に設定内容を表示させる(ステップS2906)。
このステップS2906の処理では、検証対象抽出部56によりステップS2902の処理で設定した抽出条件に合致した検証対象A、Bが抽出されて表示されるとともに、検証対象A、Bが表示されたリストにステップS2904の処理で設定した検証条件を付加して表示される。
具体的には、ステップS2902の処理において検証対象Aとして「E_GUN1」、検証対象Bとして「Z_JC−QFP」および「Z_C−32_11」が設定されるとともに、ステップS2904の処理において図28(b)に示す検証条件が設定された場合、作業者が抽出実行ボタン200cb−4を選択すると、放電検証メニュー200cbにおいて、検証対象Aを表示する検証対象A欄200cb−1に「E_GUN1」が表示されるとともに、検証対象Bを表示する検証対象B欄200cb−2に「Z_JC−QFP」および「Z_C−32_11」が表示される。さらに、測定の種別を表示する種別欄200cb−3には空間距離を表す「空間」が表示されるとともに、判定距離を表示する判定距離欄200cb−5に「10mm」、最大測定距離を表示する最大測定距離欄200cb−6に「15mm」と表示される(図28(a)を参照する。)。
こうして抽出条件および検証条件がリストアップされて放電検証メニュー200cbに表示されると、作業者が検証実行ボタン200cb−9を選択して、放電検証処理を実行する(ステップS2908)。なお、こうした放電検証処理は、検証実行部58、経路測定部60および測定経路可視化部62により実行される。
ここで、図19のフローチャートには、このステップS2908における放電検証処理の詳細な処理内容が示されており、この放電検証処理においては、まず、放電検証メニュー200cbに表示されたリストの最上段(図28(a)のリスト1を参照する。)に表示された検証対象A、Bを測定対象とする(ステップS3002)。
次に、測定対象とした検証対象A、B間の空間距離を測定する(ステップS3004)。
例えば、筐体側面に位置する放電ガン(検証対象A)から発生した静電気は、最短経路を通って検証対象Bに到達するものであるため、ステップS3004の処理では、放電ガン、つまり、検証対象Aと検証対象Bとの間の空間距離を経路測定部60により測定するものである。
そして、ステップS3004の処理における空間距離の測定中に測定値が最大測定距離を超過したか否かを判断する(ステップS3006)。
このステップS3006の判断処理においては、ステップS3004の処理により測定される測定値が、最大測定距離として設定された閾値を超えたか否かを判断するものであって、測定値が測定中に当該閾値を超えた時点で、測定値が最大測定距離を超過したと判断する。従って、最大測定距離を超過していないという判断がなされる場合は、測定が終了した時点ということとなる。
このステップS3006の判断処理により、測定値が最大測定距離を超過していないと判断されると、測定された測定値と設定された判定距離および警告距離とを比較し、測定値の合否判定を行う(ステップS3008)。
即ち、このステップS3008の処理では、警告距離の範囲の下限値より小さい場合はNG(不合格)であり、警告距離の範囲であればWarning(警告)であり、警告距離の範囲の上限値以上の場合にはOK(合格)と判定することとなる。
なお、この警告距離の範囲とは、例えば、図28(c)に示すように判定距離10mm、警告距離25%としたときに、7.5〜10mmとなり、この警告距離の範囲の下限値は7.5mmとなるとともに上限値は10mmとなる。
具体的には、図28(a)のリスト1に表示された設定内容のときに、リスト1における検証対象B「Z_JC_QFP」と検証対象A「E_Gun1」(放電ガン)との実際の空間距離が11mmであった場合、その空間距離は、最大測定距離15mm未満であるため、測定した空間距離の測定値の合否判定が行われることとなる。
即ち、リスト1においては、測定値が「11m」となるのに対して判定距離は「10mm」となっており、判定値が判定距離以上となっているため「OK」(つまり、合格である。)の判定がなされる。
また、図28(a)のリスト2に表示された設定内容のときに、リスト2における検証対象B「Z_C−32_11」と検証対象A「E_Gun1」(放電ガン)との実際の空間距離が9.85mmである場合、その空間距離は最大測定距離15mm未満であるため、測定した空間距離の測定値の合否判定が行われることとなる。
即ち、リスト2においては、測定値が「9.85mm」となるのに対して判定距離は「10mm」となっており、測定値は警告距離の範囲内となっているため「Warning」(つまり、警告である。)の判定がなされる。
その後、リストの次の段(つまり、ステップS3004の処理においてリスト1について検証対象A、B間の測定を行った場合には、次の段はリスト2となる。)に検証対象A、Bが表示されているか否かの判断を行う(ステップS3010)。
一方、ステップS3006の判断処理により、測定値が最大測定距離を超過していないと判断されると、その時点で測定が中断され(ステップS3012)、ステップS3010の判断処理に進む。
具体的には、図28(a)のリスト1に表示された設定内容のときに、リスト1における検証対象B「Z_JC_QFP」と検証対象A「E_Gun1」(放電ガン)との実際の空間距離が17mmであった場合、その空間距離は、最大測定距離15mm以上となっている。
従って、リスト1については、測定中に最大測定距離15mmを超えた時点で測定が中止されるとともに、合否判定を行わないものとなり、この検証対象A、Bについては検証対象から外されることとなる。
そして、ステップS3010の判断処理において、次の段に検証対象A、Bが表示されていると判断されると、当該次の段の検証対象A、Bが測定対象とされ(ステップS3014)、ステップS3004の処理に進み、ステップS3004の処理により測定対象とされた検証対象A、B間の空間距離の測定を実行する。
また、ステップS3010の判断処理において、次の段に検証対象A、Bが表示されていないと判断されると、放電検証メニュー200cbの測定結果欄200cb−7に測定した測定値を表示するとともに、合否判定の判定結果たる判定値を表示する判定値欄200cb−8に合否判定の結果を表示する(ステップS3016)。
即ち、ステップS3016の処理においては、例えば、図28(a)のリスト1およびリスト2に表示された設定内容のときに、リスト1における検証対象B「Z_JC_QFP」と検証対象A「E_Gun1」(放電ガン)との実際の空間距離が11mm、リスト2における検証対象B「Z_C−32_11」と検証対象A「E_Gun1」(放電ガン)との実際の空間距離が9.85mmである場合、リスト1においては、測定結果欄200cb−7には「11mm」、判定値欄200cb−8には「OK」が表示され、また、リスト2においては、測定結果欄200cb−7には「9.85mm」、判定値欄200cb−8には「Warning」が表示される(図28(a)を参照する。)。
また、ステップS3016の処理において、例えば、図28(a)のリスト1に表示された設定内容のときに、リスト1における検証対象B「Z_JC_QFP」と検証対象A「E_Gun1」(放電ガン)との実際の空間距離が17mmである場合、測定結果欄200cb−7および判定値欄200cb−8に、検証の対象から外されたことを示す「−」が表示される。
その後、放電検証メニュー200cbに表示された合否判定結果を検証用モデルデータ上に反映させて識別表示し(ステップS3018)、放電検証処理を終了して静電気検証における放電検証を終了する。
即ち、このステップS3018の処理においては、モデルデータ表示部200bに表示された検証用モデルデータにおいて、測定経路可視化部62により測定した空間距離の測定経路を表示するとともに、合否判定結果(判定値)に基づいて、表示した測定経路の線種や色彩を変更して表示するようにする(図29を参照する。)。
(2−2)静電気検証における伝導経路探索
作業者が選択ウインドウ(図示せず。)において伝導経路探索を選択すると、検証実行メニュー表示部200cにおいて伝導経路探索メニュー200ccが表示される(図30(a)を参照する。)。
導電経路探索メニュー200ccが表示されると、作業者は、まず、構成データに対する抽出条件を設定する(ステップS3102)。
このステップS3102の処理においては、抽出条件設定部52により抽出条件を設定するものであり、上記した安全規格検証における抽出条件の設定と同様にして、検証用モデルデータ中あるいは検証用構成データ中から検証対象A、Bを直接選択して属性名および属性値を設定することができる。
即ち、モデルデータ表示部200bに表示された検証用モデルデータ中の部品を選択したり、構成ツリー表示部200aに表示された検証用構成データの構成ツリー中から構成データを選択することにより、検証対象Aおよび検証対象Bにそれぞれ属性名および属性値を設定するものである。
さらに、作業者が導電経路探索メニュー200ccに設けられた抽出条件設定ボタン(図示せず。)を選択して抽出条件設定ウインドウ(図示せず。)を表示させ、この抽出条件ウインドウにおいて検証対象A、Bを設定するようにしてもよい。
なお、この抽出条件設定ウインドウは、上記した安全規格検証において説明した抽出条件設定ウインドウ202と同様であって、「検証対象Aの抽出条件」および「検証対象Bの抽出条件」においてそれぞれ属性名および属性値を入力することより、検証対象A、Bを設定するものである。
こうして抽出条件の設定が完了すると、次に、作業者は構成データに対する検証条件を設定する(ステップS3104)。
このステップS3104の処理においては、検証条件設定部54により検証条件を設定するものであり、まず、作業者が導電経路探索メニュー200ccに設けられた検証条件設定ボタン(図示せず。)を選択して検証条件設定ウインドウ224を表示させる(図30(b)を参照する。)。
そして、作業者は、この検証条件設定ウインドウ224において、伝導経路探索の検証モードを「簡易」あるいは「詳細」から選択するとともに、ステップS3102の処理において設定した抽出条件に合致した検証対象A、B間の伝導経路として探索する上限として探索件数上限を設定し、当該検証条件A、B間の伝導経路を探索する際の経路長の上限として最大測定距離を設定する。
なお、探索件数上限は、検証対象A、B間の伝導経路を探索する際の最大件数を設定するものであって、当該最大件数を入力ボックス224aに入力することにより設定されるものである。例えば、入力ボックス224aにおいて「5」を入力すると、検証実行部58により探索された伝導経路のうち経路長が短いものから5つが伝導経路探索メニュー200ccに表示されることとなる。このとき、探索された伝導経路の件数が探索件数上限で入力した「5」よりも少ない場合には、そこまでの件数を取得して処理を終了することとなる。
また、検証実行部58により伝導経路の探索が行われる際は、経路測定部60により探索された伝導経路の経路長が測定されており、最大測定距離は、こうした経路測定部60における測定を行う必要がないと判断する際の基準となる距離であって、経路測定部60においては、経路長を測定中に最大測定距離を超えた時点で伝導経路の探索を中止することとなる。そして、この最大測定距離を入力ボックス224cに入力することにより設定するものである。
なお、チェックボックス224fにチェックを入れるか否かによって最大測定距離の有効・無効を切り替えることができ、最大測定距離を有効にする場合には、チェックボックス224fにチェックを入れるようにする。こうした最大測定距離を有効にすることにより、無用な伝導経路の探索を省くことができるとともに、測定処理時間が短くすることができる。
さらに、検証モードにおいて、「簡易」を選択すると、検証の高速化を目的とした簡易モードとなり、配線やビアなどを無視した直線により検証用モデルデータ上で伝導経路の探索が行われるものである。また、「詳細」を選択すると、配線やビアなどを無視することなく検証用モデルデータ上で伝導経路の探索が行われるものである。
ここで、検証条件として、探索された伝導経路上に位置する導体部品数の上限値たる最大経由部品数上限を設定可能とする場合には、検証条件設定ウインドウ224内に最大経由部品数上限を入力する入力ボックスを設け、当該入力ボックスに最大経由部品数上限を入力するようにすればよい。
なお、最大経由部品数上限は、検証対象A、B間の伝導経路を探索する際に当該伝導経路が経由する導体部品数の最大数を設定するものであり、当該最大値を最大経由部品数上限を入力する入力ボックスに入力することにより設定されるものである。例えば、当該入力ボックスにおいて「10」を入力すると、検証実行部58により検索される伝導経路において経由する導体部品数が10個を超えた時点で伝導経路の探索を中止することとなる。
具体的には、例えば、図30(b)に示すように、検証モードで「簡易」を選択し、チェックボックス224fにチェックを入れるとともに、入力ボックス224aに「2」、入力ボックス224cに「150」を入力すると、簡易モードにおいて、探索する際の最大件数が2件、探索する際の導電経路の上限値が150mmと設定したことになる。
その後、作業者は、伝導経路探索メニュー200ccに設けられた抽出実行ボタン200cc−1を選択して、伝導経路探索メニュー200cc上に設定内容を表示させる(ステップS3106)。
このステップS3106の処理では、検証対象抽出部56によりステップS3102の処理で設定した抽出条件に合致する検証対象A、Bが抽出されて表示されるとともに、表示された検証対象A、BにステップS3104の処理で設定した検証条件を付加して表示される。
具体的には、ステップS3102の処理において検証対象Aとして「C256」を、検証対象Bとして「Battery Case」を設定されるとともに、ステップS3104の処理において図30(b)に示す検証条件が設定された場合、作業者が抽出実行ボタン200cc−1を選択すると、伝導経路探索メニュー200ccにおいて、検証対象Aを表示する検証対象A欄200cc−2に「C256」、検証対象Bを表示する検証対象B欄200cc−3に「Battery Case」、検証の種別を表示する種別欄200cc−4に「伝導(簡易)」、探索件数上限を表示する判定上限数欄200cc−5に「2」、最大測定距離を表示する最大測定距離欄200cc−6に「150mm」と表示される(図30(a)を参照する。)。
こうして抽出条件および検証条件がリストアップされて伝導経路探索メニュー200ccに表示されると、作業者が検証実行ボタン200cc−7を選択して、伝導経路探索処理を実行する(ステップS3108)。なお、こうした伝導経路探索処理については、検証実行部58、経路測定部60および測定経路可視化部62により実行される。
ここで、図21のフローチャートには、このステップS3108における伝導経路探索処理の詳細な処理内容が示されており、この伝導経路探索処理においては、まず、伝導経路探索メニュー200ccに表示されたリストの最上段に表示された検証対象A、Bを探索対象とする(ステップS3202)。
次に、探索対象とした検証対象A、B間の伝導経路の探索を行うものであるが、当該検証対象A、Bのうちまだ伝導経路の探索をしていない導体険路の探索を行う(ステップS3204)。
このステップS3204の処理では、探索対象とした検証対象A、B間の簡易な伝導経路の探索を行うとともに、当該簡易な伝導経路の経路長の測定および経由した導体部品情報の取得を行う。
そして、ステップS3204の処理において探索している伝導経路が不正な経路を経由した、あるいは、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したか否かの判断をする(ステップS3206)。
即ち、このステップS3206の判断処理においては、ステップS3204の処理において探索中の伝導経路が不正な経路(つまり、循環や逆戻りのような経路のことである。)を経由したか否かを判断するとともに、ステップS3204の処理において探索中の伝導経路の経路長が最大測定距離を超過しているか否かを判断し、当該判断結果に基づいて、探索している伝導経路が不正な経路を経由した、あるいは、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したか否かの判断を行うものである。
従って、探索中の伝導経路が不正な経路を経由した時点、あるいは、探索中の伝導経路の経路長が最大測定距離を超過した時点で、探索している伝導経路が不正な経路を経由した、あるいは、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したと判断されることとなる。
なお、探索している伝導経路が不正な経路を経由した、あるいは、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したものではないと判断された場合は、探索中に伝導経路が不正な伝導経路を経由せず、かつ、当該伝導経路の経路長が最大測定距離を超過しなかったときである。
ここで、ステップS3206の判断処理中においても伝導経路の探索が実行中なので、探索している伝導経路が不正な経路を経由した、あるいは、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したものではないと判断された場合には、伝導経路の探索中に不正な経路の経由および経路長の最大測定距離の超過がない状態で伝導経路の探索が終了していることとなる。
ステップS3206の判断処理により、探索している伝導経路が不正な経路を経由した、あるいは、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したと判断されると、伝導経路の探索を中止して(ステップS3208)、ステップS3204の処理に戻り、ステップS3204の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS3206の判断処理により探索している伝導経路が不正な経路を経由した、あるいは、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したものではないと判断されると、検証モードが簡易モードであるか否かを判断する(ステップS3210)。
このステップS3210の判断処理においては、ステップS3104の処理において作業者により設定された検証条件における検証モードが簡易モードであるか否かの判断を行うものである。
ステップS3210の判断処理により検証モードは簡易モードではない、つまり、詳細モードであると判断されると、探索された伝導経路のうち、まだリファインメント処理していない伝導経路についてリファインメント処理を行う(ステップS3212)。
なお、リファインメント処理とは、簡易な伝導経路から詳細な伝導経路を求めるものであって、この際には、詳細な伝導経路の経路長も測定される。
そして、リファインメント処理している伝導経路の経路長が、最大測定距離を超過しているか否かの判断を行う(ステップS3214)。
即ち、このステップS3214の判断処理においては、リファインメント処理している伝導経路の経路長が、最大測定距離として設定された閾値を超えたか否かを判断するものであって、当該経路長が当該閾値を超えた時点で、当該経路長が最大測定距離を超過したと判断する。従って、最大測定距離を超過していないという判断がなされる場合は、測定が終了した時点ということとなる。
ステップS3214の判断処理により、リファインメント処理している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したと判断された場合には、ステップS3212の処理に戻り、ステップS3212の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS3214の判断処理により、リファインメント処理している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過しなかったと判断された場合には、リファインメント処理した伝導経路のうち、経路長が最短のものから探索件数上限の件数分を詳細な伝導経路として取得する(ステップS3216)。このとき、この伝導経路においては、経路長および経由した導体部品情報を合わせて取得することとなる。
その後、リストの次の段に検証対象A、Bが表示されているか否かの判断を行う(ステップS3218)。
一方、ステップS3210の判断処理により検証モードは簡易モードであると判断されると、探索した伝導経路のうち、経路長が最短のものから探索件数上限の件数分を簡易な伝導経路として取得する(ステップS3220)。このとき、この伝導経路においては、経路長および経由した導体部品情報を合わせて取得することとなる。
その後、ステップS3218の判断処理に進み、リストの次の段に検証対象A、Bが表示されているか否かの判断を行う。
このステップS3218の判断処理において、次の段に検証対象A、Bが表示されていると判断されると、当該次の段の検証対象A、Bが探索対象とされ(ステップS3222)、ステップS3204の処理に進み、当該検証対象A、B間の伝導経路の探索を実行する。
また、ステップS3218の判断処理において、次の段に検証対象A、Bが表示されていないと判断されると、取得した探索件数上限の件数分の各伝導経路について、図30(a)に示すように、伝導経路探索メニュー200ccの測定結果欄200cc−8の探索した伝導経路の経路長を表示するとともに、経由部品欄200cc−9に探索した導体経路が経由した導体部品名を表示する(ステップS3224)。
この図30(a)においては、最短の経路長の伝導経路が最も上段に表示され、当該伝導経路の経路長たる測定結果が73.37mmと表示されるとともに、経由部品「GND_BATTERY 1%」、「CN202」、「CN5 %1」、「DGND %1」、「Screw3」の5つの導体部品が表示されており、その下段には、当該伝導経路の経路長たる測定結果が105051mmと表示されるとともに、「VCC %4」、「JA1」、「GND_BATTERY %1」、「LCD」の4つの導体部品が表示されている。
その後、取得した伝送経路を検証用モデルデータには反映させて表示し(ステップS3226)、伝導経路探索処理を終了して静電気検証における伝導経路探索を終了する。
このステップS3226の処理においは、伝導経路探索メニュー200ccに表示した伝導経路をそれぞれ異なる色彩で検証用モデルデータに表示するようにしてもよいし、探索した伝導経路のうち作業者がリストを指定することにより指定したリストに対応した伝導経路を表示するようにしてもよい。
なお、検証条件として、最大経由部品数を設定した場合には、ステップS3206の処理は、探索している伝導経路が不正な経路を経由した、当該伝導経路の経路長が最大測定距離を超過した、あるいは、当該伝導経路の経由する部品数が最大経由部品数を超過したか否かの判断を行うようにする。
即ち、このときのステップS3206の判断処理においては、ステップS3204の処理において探索中の伝導経路が不正な経路を経由したか否かを判断し、ステップS3204の処理において探索中の伝導経路の経路長が最大測定距離を超過したか否かを判断するとともに、ステップS3204の処理において探索中の伝導経路が経由した導体部品数が最大経由部品数を超過したか否かの判断を行い、当該判断結果に基づいて、探索している伝導経路が不正な経路を経由した、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過した、あるいは、探索している伝導経路の経由する部品数が最大経由部品数を超過したか否かの判断を行う。
従って、探索中の伝導経路が不正な経路を経由した時点、探索中の伝導経路の経路長が最大測定距離を超過した時点、あるいは、探索中の伝導経路の経由した部品数が最大経由部品数を超過した時点で、探索している伝導経路が不正な伝導経路を経由した、探索している伝導経路の経路長が最大測定距離を超過した、あるいは、探索している伝導経路の経由する部品数が最大経由部品数を超過したと判断される。
(3)EMC検証
EMC検証を行うには、作業者がポインティングデバイス22などを用いて検証実行メニュー内に設けられたEMC検証タブ200c−3を選択する。これにより検証実行メニュー表示部200cにおいてEMC検証メニュー200cdが表示される(図31(a)を参照する。)。
EMC検証メニュー200cdが表示されると、作業者は、まず、構成データに対する抽出条件を設定する(ステップS3302)。
このステップS3302の処理においては、抽出条件設定部52により抽出条件を設定するものであり、EMC検証では、対象とする部品と接続状態にある部品が金属部品であるか否かを確認するものであるので、抽出条件として設定する条件としては検証対象Aに対する条件のみとなり、このステップS3302の処理では、検証対象Aの抽出条件を設定することとなる。この部品間で接続状態にあるか否かは、電子基板における各部品の配置位置などから判断するものである。
この部品間における接続状態の判断については、基本的には部品の配置位置から判断されるが、当該配置位置だけでは接続状態の判断ができないものについては、設計データ変換部44で作成した情報を用いて判定することとなる。
具体的な設定方法としては、モデルデータ表示部200bに表示された検証用モデルデータにおいて検証対象とする部品を直接選択して設定したり、または、構成ツリー表示部200aに表示された検証用構成データにおいて対象とする部品を直接選択して設定する。
即ち、検証用モデルデータを用いて検証対象Aの抽出条件を設定する場合には、作業者が検証用モデルデータ中で検証対象Aとして設定する部品を直接選択する。
このとき、検証用モデルデータ中で直接選択された部品は当該検証用モデルデータ中でハイライトされて表示されるとともに、構成ツリー表示部200aにおいて表示されている構成ツリーのうち当該部品に対応する構成データがハイライトされて表示される(図31(b)を参照する。)。
また、検証用構成データの構成ツリーを用いて検証対象Aの抽出条件を設定する場合には、作業者が構成ツリー表示部200aに表示された構成ツリーの中のから検証対象Aとして設定する部品の構成データを直接選択する。
このとき、構成ツリー中で選択された部品は当該構成ツリー中でハイライトされて表示されるとともに、モデルデータ表示部200bにおいて表示されている検証用モデルデータのうち当該部品に対応するデータがハイライトされて表示される(図31(b)を参照する。)。
こうして抽出条件の設定が完了すると、次に、作業者により構成データに対する検証条件を設定する(ステップS3304)。
このステップS3304の処理においては、検証条件設定部54により検証条件を設定するものであり、まず、作業者がEMC検証メニュー200cdに設けられた検証条件設定ボタンを選択して検証条件設定ウインドウ234を表示させる(図31(c)を参照する。)。
そして、作業者は、この検証条件設定ウインドウ234において、ステップS3302の処理において設定した抽出条件に合致する検証対象Aと接続状態にある金属部品の属性名を入力するとともに、当該金属部品の属性値が、ネジなどの部品を表す「Metal」であるのか、GNDなどの部品を表す「GROUND」であるのかを設定する。
即ち、検証条件の設定においては、検証対象Aと接続状態にある金属部品の属性名および属性値を全て入力する必要があり、さらに、当該金属部品と接続状態にある金属部品についてもその属性および属性値を全て入力する。
作業者は、この検証条件設定ウインドウ234において、ステップS3302の処理において設定した抽出条件に合致する検証対象Aと接続状態にある金属部品の属性名を属性名欄234aに入力するとともに、当該属性名に対応する属性値を属性値欄234bに入力し、演算子欄234cにおいてAND条件およびOR条件を適宜に組み合わせて設定を行う。
そして、全ての属性名および属性値を入力した後に検証条件設定ウインドウ234内に設けられた決定ボタン(図示せず。)を選択することにより、設定した内容が記憶されるとともに、設定条件設定ウインドウ234が閉じることとなる。
具体的には、例えば、図31(c)に示すように検証条件を設定したとすると、検証条件としては、検証対象Aに接続する金属部品は、属性名「Conductivity」について属性値「Metal」とし、属性名「Signal Type」について属性値「GROUND」と設定したこととなる。
その後、作業者は、EMC検証メニュー200cdに設けられた抽出実行ボタン200cd−1を選択して、EMC検証メニュー200cd上に設定内容を表示させる(ステップS3306)。
このステップS3306の処理では、検証対象抽出部56によりステップS3302の処理で設定した抽出条件に合致した検証対象Aが抽出されて表示されるとともに、検証対象Aが表示されたリストにステップS3304の処理で設定した検証条件を付加して表示される。
また、図31(b)に示すように、検証対象Aとして「GND_SUB」が選択されていた場合、図31(a)に示すように、EMC検証メニュー200cdにおいて、検証対象Aとして「GND_SUB」が表示されることとなる。
なお、図31(a)においては、便宜上、検証条件を表示する部分が省略して示されている。
このとき、作業者が、ステップS3302の処理で検証対象Aを複数選択した場合には、検証対象Aを複数表示可能なように、リストが複数段表示される。
こうして抽出条件および検証条件がリストアップされてEMC検証メニュー200cdに表示されると、作業者が検証実行ボタン200cd−2を選択して、EMC検証処理を実行する(ステップS3308)。なお、こうしたEMC検証処理は、検証実行部58および測定経路可視化部62により実行される。
ここで、図23のフローチャートには、このステップS3308におけるEMC検証処理の詳細な処理内容が示されており、このEMC検証処理においは、まず、EMC検証メニュー200cdに表示されたリストの最上段に表示された検証対象Aを検証対象とする(ステップS3402)。
次に、検証用データ中で検証対象Aと接続状態にある部品が存在するか否かを判断する(ステップS3404)。
そして、ステップS3404の判断処理において、検証用データ中で検証対象Aと接続状態にある部品がないと判断されると、後述するステップS3418の判断処理に進む。
ステップS3404の判断処理において、検証用データ中で検証対象Aと接続状態にある部品が存在すると判断されると、検証用データ中の検証対象Aと接続状態にある部品の属性名および属性値を参照する(ステップS3406)。
次に、ステップS3406の処理で参照した属性名および属性値と、検証条件として設定した属性名および属性値とが一致するか否かを判断する(ステップS3408)。
つまり、このステップS3408の処理においては、検証用データ中の検証対象Aと接続状態にある部品の属性名および属性値が、検証条件として設定した属性名および属性値と一致するか否かの判断を行うものである。
ステップS3408の判断処理において、検証用データ中の検証対象Aと接続状態にある部品の属性名および属性値が、検証条件として設定した属性名および属性値と一致しないと判断されると、後述するステップS3418の判断処理に進む。
一方、ステップS3408の判断処理において、検証用データ中の検証対象Aと接続状態にある部品の属性名および属性値が、検証条件として設定した属性名および属性値と一致したと判断されると、一致した部品を導通部品としてEMC検証メニュー200cdに表示される(ステップS3410)。
具体的には、「GND_SUB」という部品を検証対象Aとし、この検証対象Aに、実際に「DGND %1」、「Battery_Case」、「Screw1」、「Screw2」、「Screw3」の5つの部品が導通している場合、検証対象A欄200cd−3に表示された「GND_SUB」の導通部品として、導通部品欄200cd−3に「DGND %1」、「Battery_Cse」、「Screw1」、「Screw2」、「Screw3」が表示されるとともに、当該導通部品の属性値が属性値欄200cd−4に表示され、導通部品数欄200cd−5に導通部品の総数が表示される(図31(a)を参照する。)。なお、この図31(a)においは、検証条件に設定した設定内容は省略されている。
なお、設計データ変換部44において電子基板設計データから変換されて検証用基板データを取得する際には、ネットリストが取得されており、このネットリストは、電子基板設計データにおける導体部品間のパターンの接続情報となっている(図34を参照する。)。
EMC検証においては、金属部品間の接続について、こうしたデータも利用して検証が行われるものであり、これにより検証時間が短縮される。
例えば、図35を参照しながらネット名SIGN00123と電子部品R34の接続情報をまとめると、ネットリストからネット名:SIGN00123のみを取得するとともに(図35(a)参照する。)、ネットリストからリファレンス名:R34のみを取得する(図35(b)を参照する。)。
すると、SIGN00123は電子部品(BD−VXLセクションの属性:Reference)のR34、R35に接続しており、さらに、電子部品(BD−VXLセクションの属性:Reference)のR34に接続しているネットは、SIGN00123、V+37(図35(c)に示すハッチングの領域)であることがわかる。
次に、検証対象Aの導通部品として表示された導通部品に接続状態にある部品が存在するか否かを判断する(ステップS3412)。
即ち、ステップS3412の判断処理では、EMC検証メニュー200cdの導通部品欄200cd−3に表示された導通部品のそれぞれについて、既に接続状態にある部品の検証がなされた部品(例えば、検証対象Aである。)を除外して、接続された部品があるか否かの判断を行う。
このステップS3412の判断処理において、導通部品欄200cd−3に表示された導通部品のそれぞれについて、接続された部品がないと判断されると、後述するステップS3418の判断処理に進む。
一方、ステップS3412の判断処理において、導通部品欄200cd−3に表示された導通部品のそれぞれについて接続された部品があると判断されると、検証用データ中で導通部品と接続状態にある部品の属性名および属性値を参照する(ステップS3414)。
そして、ステップS3414の処理で参照した属性名および属性値と、検証条件として設定した属性名および属性値とが一致するか否かを判断する(ステップS3416)。
つまり、このステップS3416の処理においては、検証用データ中の導通部品と接続状態にある部品の属性名および属性値が、検証条件として設定した属性名および属性値と一致するか否かの判断を行うものである。
このステップS3416の判断処理において、検証用データ中の導通部品と接続状態にある部品の属性名および属性値が、検証条件として設定した属性名および属性値と一致したと判断されると、ステップS3410の処理に進み、一致した部品を導通部品としてEMC検証メニュー200cdに表示される。
具体的には、既に表示された検証対象Aの導通部品欄200cd−3に、ステップS3416の判断処理において一致したと判断された部品名を追加するとともに、当該部品の属性値を属性値欄200cd−4に表示し、既に表示されている導通部品数に追加となった部品数だけ加算してあらたな導通部品数として導体部品数欄200cd−5に表示する。
また、ステップS3416の処理において、証用データ中の導通部品と接続状態にある部品の属性名および属性値が、検証条件として設定した属性名および属性値と一致しないと判断されると、次の段に検証対象Aが表示されているか否かを判断する(ステップS3418)。
ステップS3418の判断処理において、次の段に検証対象Aが表示されていると判断されると、当該次の段の検証対象Aを検証対象とし(ステップS3420)、ステップS3404の処理に進み、ステップS3404以降の処理を行う。
一方、ステップS3418の判断処理において、次の段に検証対象Aが表示されていないと判断されると、検証対象Aと導通部品とをモデルデータ表示部200bに識別表示し(ステップS3422)、EMC検証処理を終了してEMC検証が終了する。
即ち、ステップS3422の処理においては、検証実行部58において検証対象Aおよび検証対象Aと接続状態にある部品が存在するか否かによる判断により検証対象Aに対して導通状態にあるとされた導通部品により部品群を形成し、モデルデータ表示部200bにおいて当該部品群のみをモデルデータとして表示してもよいし、検証用モデルデータ中で当該部品群をハイライトして表示するようにしてもよい。
具体的には、例えば、検証対象および検証対象と導通状態にある部品により作成した部品群をモデルデータ表示部200bにおいて指定色で表示するようにしてもよい(図32を参照する。)。
このようにして、異なる検証対象Aを抽出条件で設定して、EMC検証処理を実行し、互いに導通状態にないGNDを異なる色で表示することにより、互いに導通していないGND同士を識別して表示することが可能となる。
上記において説明したように、本発明による電気検証装置10においては、基板設計を行うCADシステムなどのような電子基板設計装置で作成された電子基板設計データおよび筐体設計を行うCADシステムなどのような筐体設計装置で作成された筐体設計データの情報を利用して、安全規格検証、静電気検証およびEMC検証を行うようにした。
これにより、本発明による電子検証装置10によれば、試作用の電子機器を用いて電気検証を行う前に、データ上で電気検証を行うことができるようになり、電気検証に費やす時間と費用とが低減することができるとともに、検査漏れなどの人為的なミスの発生を低減することができるようになる。
さらに、本発明による電子検証装置10によれば、試作用の電子機器を用いた電気検証における不具合を低減することができるため、試作用の電子機器の作成費用を抑制することができ、コスト高を抑制することができるようになる。
また、本発明による電気検証装置10によれば、静電気検証においては、放電ガンによる放電検証の際には、発生した静電気が落ちる経路や静電気が落ちる部品が表示されるので、作業に習熟していない作業者であっても、容易に検証を行うことができるようになる。
さらにまた、本発明による電気検証装置10によれば、EMC検証において、複雑な構成の電子基板であっても、指定した部品と接続関係にあるような部品を容易に発見することができ、検証時間を短縮することができるようになる。
従って、こうした本発明による電子検証装置10に、電子基板設計装置および筐体設計装置からの設計データを利用して筐体と電子基板との干渉チェックや断面検証も行う構成を盛り込むことにより、電気検証や詳細な干渉チェックを行うことができるようになり、より広範囲な検証を行う装置として構成することができる。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(12)に示すように変形することができるものである。
(1)上記した実施の形態においては、測定結果可視化部62においては、検証用モデルデータ上に測定経路や合否判定結果を識別表示するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
例えば、測定結果可視化部62において、表示した測定経路の近傍に、測定した測定値たる測定結果を表示するようにしてもよい。
また、測定経路と当該測定経路を測定した測定値とを表示するようにしてもよいし、単に測定経路のみを表示するようにしてもよい。
(2)上記した実施の形態においては、所定の設計装置で設計された放電ガンの設計データたる放電ガン設計データを、設計データ変換部44により変換して検証用放電ガン構成データおよび検証放電ガンモデルデータを作成して検証用放電ガンデータを作成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、こうした検証用放電ガンデータを予めデータとして記憶しておくようにしてもよい。
(3)上記した実施の形態においては、3次元形状データの軽量化を図るためにXVL技術を用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、3次元形状データを軽量化することができる各種技術を用いるようにしてもよい。
(4)上記した実施の形態においては、安全規格検証において、沿面距離および空間距離の測定結果を安全規格検証メニュー200caに表示するだけであったが、こうした沿面距離および空間距離の測定結果を測定経路とともにモデルデータ表示部200bにおける検証用モデルデータ内に表示するようにしてもよい(図33(a)(b)を参照する。)。さらに、検証用モデルデータ内に表示した測定経路に対して、合否判定の結果を反映させて識別表示するようにしてもよい。
なお、こうした測定経路や合否判定の結果を検証用モデルデータ内に反映させて表示するタイミングとしては、ステップS2816の処理において合否判定の判定結果たる判定値を表示する判定値欄200ca−11に合否判定の結果を表示した後とする。
(5)上記した実施の形態においては、作業者はモデルデータ表示部200bに表示された検証用筐体モデルデータおよび検証用基板モデルデータを参照しながら、ポインティングデバイス22などを用いて検証用筐体モデルデータ上の所定の位置に検証用基板モデルデータを配置させるようにするようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、検証用筐体モデルデータ上に検証用基板モデルデータを配置する際に、検証用筐体モデルデータおよび検証用基板モデルデータが互いに接続する部位を指定し、当該部位の中心軸が一致するように指定して検証用筐体モデルデータ上に検証用基板モデルデータを位置合わせを行うようにしてもよい。
(6)上記した実施の形態においては、表示装置20の表示画面上に検証結果を表示するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、検証結果を表示するとともに、音声ガイダンスや警告音を発して検証結果を作業者に通知するようにしたり、当該表示画面上に検証結果を表示することなく、音声ガイダンスや警告音のみによって検証結果を作業者に通知するようにしてもよい。
(7)上記した実施の形態においては、最大経由部品数上限を設定可能としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、この最大経由部品数上限の設定を省略してもよい。
(8)上記した実施の形態においては、ステップS2816の処理において、同じ検証対象A、B間において測定した異なる種別の距離(つまり、空間距離および沿面距離である。)において、どちらも最大測定距離を超えていなかった場合には、測定した測定値を測定結果欄200ca−10に表示するとともに、ステップS2808の処理において判定した判定結果を判定値欄200ca−11に表示するようにし、当該異なる種別の距離において、少なくともどちらか一方が最大測定距離を超えていた場合には、その検証対象A、B間においては、種別に関わらず測定結果欄200ca−10および判定値欄200ca−11に、検証の対象から外したことを示す「−」を表示するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、同じ検証対象A、B間において測定した異なる種別の距離において、一方の距離の測定値が最大測定距離を超えた場合には、当該一方の距離の測定を中止するが、他方の距離が未測定であれば、他方の距離の測定は行うようにしてもよい。
具体的には、沿面距離の測定値が最大測定距離を超えた場合には、沿面距離の測定を中止し、まだ空間距離の測定が行われていないならば、沿面距離の測定中止後に空間距離の測定を開始するようにする。
ここで、上記した実施の形態に記載した場合では、最大測定距離を超えた場合、距離が十分に確保できていると判断して、検証結果を合格とみなし、測定を中断するようにしていたが、例えば、最大測定距離の値をあまり大きく設定しなかった場合など、一方の距離の測定で最大測定距離を超えていた場合においても、他方の距離が合格になるとは限らない。
しかしながら、上記したように一方の距離の測定値が最大測定距離を超えた場合に、当該一方の距離の測定を中止して、他方の距離の測定を行うようにすることにより、より正確な検証を行うことができるようになる。
(9)上記した実施の形態においては、放電検証において、作業者が検証対象Aとして放電ガンを設定するようにしていたが、これに限られるものではないことは勿論であり、予め検証対象Aについては放電ガンとなるように設定しておき、放電検証メニュー200cbでは、常に検証対象A欄200cb−1に放電ガンを表す「E_Gun1」が表示されるとともに、測定の種別を表示する種別欄200cb−3に空間距離であることを表す「空間」が表示されるようにしてもよい。
(10)上記した実施の形態においては、電子検証装置10において、電子基板設計データおよび筐体設計データ42を設計データ変換部44で変換して検証用基板データおよび検証用筐体データを作成し、作成した検証用基板データおよび検証用筐体データに関して、構成データ管理部46においてそれぞれ構成する部品の属性を示す構成データを管理するとともに、こうした検証用基板データおよび検証用筐体データを合成して検証用データを作成するようにしたが、これに限られるものではないことはもちろんである。
即ち、例えば、電気検証装置10以外の装置により検証用基板データおよび検証用筐体データを作成するとともに、検証用データを作成し、作成した検証用基板データ、検証用筐体データおよび検証用データを電気検証装置10による電気検証時に用いるようにしてもよい。
(11)上記した実施の形態においては、導体部品Aと導体部品Bとの間に絶縁体Aが存在する場合について空間距離および沿面距離を測定する際には、当該絶縁体Aを迂回して測定するようにしたが、例えば、導体部品Aと導体部品Bとの間に導体部品Cが存在する場合には、導体部品Aと導体部品Bとの間に導体部品Cがないものとして導体部品Aと導体部品Bとを直線で結んだ最短経路を測定するようにしてもよい。
これは、導体部品Aと導体部品Bとの間に導体部品Cが存在する場合には、導体部品Aと導体部品Bとの間では放電は発生せず、導体部品Aと導体部品Cとの間あるいは、導体部品Bと導体部品Cとの間に放電が発生することになる。
このため、後の設計変更により、導体部品Aと導体部品Bとの間にある導体部品Cがなくなった場合を想定して、電気検証装置10においてこうした検証を行うようにすると、設計変更で導体部品Cが削除されても、導体部品Aと導体部品Bとの検証は終了しているので、再検証を行う必要がなくなり、作業性が向上することとなる。
(12)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(11)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。