JP6012785B2 - 燃料の圧力脈動低減機構、及びそれを備えた内燃機関の高圧燃料供給ポンプ - Google Patents
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Description
部2bの直径は6mmに設定されている。このようにすることにより、プランジャの上下運
動に伴って、電磁吸入弁機構30より上流の低圧側で発生する低圧側の圧力脈動を低減することが出来る。
ここで、燃料の流れは図7中の矢印の方向を正としてある。値が負の場合は矢印とは反対の方向に燃料が流れることを意味している。
ランジャ2の位置が最も上に来たときであり、BDC(BOTTOM DEAD CENTERの略)はプラ
ンジャ2の位置が最も下に来たときを示している。プランジャ2が下降運動中は吸入工程からなり、上昇運動中は戻し工程と吐出工程からなることは先に述べた通りである。
6mmなので、
S=6^2/10^2
=0.36
である。
吸入工程
(1)プランジャ2の下降運動によって加圧室11の容積は増大し、この容積増加分の燃料が吸入流路10cから流れ込む。この場合の容積増加量は大径部2aによって発生し、このときの増量を1とする。したがって、表中では燃料の流れ量は1となる。
1−S
となり、燃料の流れは向きも考慮して
−(1−S)
となる。
1+[−(1−S)]=S
の燃料が高圧燃料供給ポンプに流れ込むことになる。
(1)プランジャ2の上昇運動によって加圧室11の容積は減少し、この容積減少分の燃料が吸入流路10cへと流れ出る。吸入工程と同様に、この場合の容積減少量は大径部2aによって発生し、このときの減量を1とする。したがって、表中では燃料の流れ量は−1となる。
1−S
となり、燃料の流れは
1−S
となる。
[−1]+[(1−S)]=−S
となる。
(1)プランジャ2の上昇運動によって加圧室11の容積は減少し、加圧室11内の燃料は高圧に加圧される。そして吐出弁機構8,燃料吐出口12を介してコモンレール23へと供給される。この場合、加圧室11内の容積は減少するが、吸入流路10cと加圧室11との間では燃料の行き来はない。したがって、燃料の流れ量は0となる。
1−S
となる。
0+[(1−S)]=1−S
となる。
1−T
となる。
のときは、吐出工程がなく、燃料は高圧吐出されない。
のときは、戻し工程がなく加圧室11に流れ込んだ燃料は全て高圧に加圧されコモンレール23へと供給される。このモードをフル吐出と称する。
(a)吸入口10aから吸入流路10cへと流れ込んだ燃料の総量
(b)吸入口10cから吸入流路10aへと流れ出た燃料の総量
ここで(a)は、図8の最下段の表中で斜線部の面積に相当し、
(a)=[S*1]+(1−S)T
一方、(b)は網掛け部分の面積に相当するので、
(b)=S(1−T)
従って(c)=(a)+(b)を計算して
(c)=(a)+(b)=(1−2S)T+2S
となる。
S=1のときは、プランジャ2の小径部2aと大径部2bの直径および断面積が等しく、プランジャ2に段が存在しない状態である。
しかし、Sを小さくすることはプランジャ2の小径部2bを細くすることを意味しており、あまり細くしすぎると小径部2aの強度が不足しプランジャ2が破損してしまう。
し、S=0.36と設定した。S=0.36での特性を図9中に示す。
このようにすることによりで、上側挟持部材104と下側挟持部材105の圧入部を十分長く設定できるので、ダンパカバー14とポンプハウジング1との間でダンパユニット118を固定する際に、その固定力にばらつき(個体差)が発生してもそれを吸収することが出来、上側挟持部材104と下側挟持部材105が金属ダイアフラムダンパ9を挟み付ける力のばらつきを小さくすることが出来る。
加圧室へ燃料を吸入する吸入流路と、前記加圧室から前記燃料を吐出する吐出流路とを有し、前記加圧室内を往復動するプランジャによって燃料の吸入・吐出を行い、前記吸入流路に吸入弁・前記吐出流路に吐出弁をそれぞれ備え、前記吸入流路内または前記吸入流路に連通する低圧室内に、燃料の圧力脈動により体積変化をすることで圧力脈動を低減するための圧力脈動低減ダンパを備え、前記圧力脈動低減ダンパは、二枚の金属ダイアフラムをその周縁部で溶接してその間に気体を密封した金属ダイアフラムダンパである高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記金属ダイアフラムダンパはボディとカバーによって形成された空間内に存在し、前記カバーは内側に突出する突出部を有し、この突出部と前記ボディによって、前記金属ダイアフラムダンパを挟持して固定することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様1に記載したものにおいて、
前記突出部は一部が欠落した環状突出部を有することを特徴とする、高圧燃料供給ポンプ。
実施態様1、または2に記載したものにおいて、
上下一対の挟持部材で、前記金属ダイアフラムダンパの周縁部を上下に挟みつけることにより、三者がその状態でダンパユニットとしてユニット化されており、前記カバーの前記突出部と前記ダンパユニットの前記上側挟持部材とが接触して、前記カバーと前記ボディにより前記ダンパユニットを挟持することによって前記金属ダイアフラムダンパを挟持して固定し、前記カバーと前記上側挟持部材との間に内外を連通する通路を設け、前記金属ダイアフラムダンパと前記カバーの間の空間を前記金属ダイアフラムダンパと前記ボディの間に連通することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
加圧室へ燃料を吸入する吸入流路と、前記加圧室から前記燃料を吐出する吐出流路とを有し、前記加圧室内を往復動するプランジャによって燃料の吸入・吐出を行い、前記吸入流路に吸入弁・前記吐出流路に吐出弁をそれぞれ備え、前記吸入流路内または前記吸入流路に連通する低圧室内に、燃料の圧力脈動により体積変化をすることで圧力脈動を低減するための圧力脈動低減ダンパを備え、前記圧力脈動低減ダンパは、二枚の金属ダイアフラムをその周縁部で溶接してその間に気体を密封した金属ダイアフラムダンパである高圧燃料供給ポンプにおいて、
上下一対の挟持部材で、前記金属ダイアフラムダンパの周縁部を上下に挟みつけることにより、三者がその状態でダンパユニットとしてユニット化されており、前記ダンパユニットを覆うと共に前記ダンパユニットの前記上側挟持部材と接触して前記ダンパユニットを高圧燃料供給ポンプのボディに対して押圧し、前記カバーと前記上側挟持部材との間に内外を連通する通路を設け、前記金属ダイアフラムダンパと前記カバーの間の空間を前記金属ダイアフラムダンパと前記ボディの間に連通することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上下の挟持部材は前記金属ダイアフラムダンパの周縁部と、全周に渡って接触していることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上下の挟持部材は金属ダイアフラムダンパよりも外側の周縁部で圧入により互いに固定され前記ダンパユニットを形成することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上下挟持部材の間に環状の空間が形成され、その空間内に前記金属ダイアフラムダンパの溶接部が収納されていることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上下の挟持部材のどちらか一方の外周が、ボディとの間で径方向の位置決め面を形成していることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上下の挟持部材は周縁部で溶接により互いに固定され前記ダンパユニットを形成することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上側挟持部材は前記カバーと接触し、前記下側挟持部材は前記ボディと接触することを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記吐出弁より下流の高圧部と、前記ボディと前記カバーによって形成された空間内とを接続するリリーフ流路を有し、前記リリーフ流路内に燃料の流れを、前記吐出弁より下流の高圧部から前記ボディと前記カバーによって形成された空間内への一方向に制限する制限弁を備えた高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記リリーフ流路が、前記上側挟持部材の外周と前記下側挟持部材の内周の間に重なることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上下の挟持部材のうちどちらか一方がカール部を有し、他方の挟持部材の一端が前記カール部と対面して前記金属ダイアフラムを挟持していることを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記上側挟持部材と前記金属ダイアフラムダンパの接触部と、前記下側挟持部材と前記金属ダイアフラムの接触部の径が等しいことを特徴とする高圧燃料供給ポンプ。
実施態様3から4に記載したものにおいて、
前記カバーがカップ状に形成されており、その開放側環状端面が前記ボディのダンパ収容室周縁の環状面に当接しており、当該当接面部の外周全周において両者が溶接により接合されていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置。
内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置であって、燃料の入口と出口が設けられたダンパ収容室を備え、前記ダンパ収容室は前記燃料通路の一部を形成するボディと、このボディに固定されるカバーとから構成され、前記ダンパ収容室に収容される前記ダンパはその外周縁が接合された2枚の金属ダイアフラムで構成され、両ダイアフラム間の空間にガスが封入されており、当該ダンパは上下一対のホルダによって保持されて前記ボディと前記カバーとの間に装着されると共に、前記2枚の金属ダイアフラムの両方が前記ダンパ収容室内の燃料の流れにさらされているものにおいて、
前記一対のホルダは前記ダイアフラムを保持した状態で相互に係止されており、その結果前記一対のホルダと前記ダイアフラムの3者が組体をなしていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置。
実施態様15に記載したものにおいて、
前記ダンパ収容室が内燃機関の高圧燃料供給装置の高圧燃料供給ポンプに接続される燃料配管に前記高圧燃料供給ポンプとは独立して接続されていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置。
実施態様15に記載したものにおいて、
前記ダンパ収容室の前記ボディが、内燃機関の高圧燃料供給装置における高圧燃料供給ポンプのポンプボディによって形成され、前記カバーが前記ポンプボディに固定されていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置。
実施態様15乃至17のいずれかに記載したものにおいて、
前記一対のホルダが圧入により相互に係止されていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置。
実施態様17に記載したものにおいて、
前記カバーを前記ボディに固定する固定力が、前記カバーと前記一対のホルダの内の一方のホルダとの当接部、前記両ホルダの前記圧入部を介して前記一対のホルダの内の他方のホルダと当接する前記ボディに作用することを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置。
請求項19に記載したものにおいて、
前記カバーがカップ状に形成されており、その開放側環状端面が前記ボディの前記ダンパ収容室周縁の環状面に当接しており、当該当接面部の外周全周において両者が溶接により接合されていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置における燃料脈動低減装置。
1)従来技術では、金属ダイアフラムダンパの両面に燃料を行き渡らせつつも、金属ダイアフラムダンパの環状の平板部を全周に渡って押さえて固定する構造をとると、カバーが肉厚の部材で構成されるため圧力脈動低減機構の重量が重いという問題があった。
2)金属ダイアフラムダンパの両面に燃料を行き渡らせることが出来ないと、燃料に発生する圧力脈動を十分に吸収することが出来ない。
3)金属ダイアフラムダンパの環状の平板部を全周に渡って押さえて固定する構造をとらないと、溶接部に許容値以上の応力が発生し溶接部が破損してしまう。
1)金属ダイアフラムダンパの両面に燃料を行き渡らせつつも、金属ダイアフラムダンパの環状の平板部を全周に渡って押さえて固定する構造をとり、かつ圧力脈動低減機構の重量を軽くするものである。
2 プランジャ
9 金属ダイアフラムダンパ(圧力脈動低減機構,金属ダンパ)
10c ダンパ室
11 加圧室
14 ダンパカバー
30 電磁吸入弁機構
104,105 上側,下側挟持部材(上側,下側押付け部材)
Claims (10)
- ポンプ本体と、当該ポンプ本体により形成されるダンパ室と、当該ダンパ室を通って前記ポンプ本体に形成された加圧室へ燃料を導入する低圧燃料通路と、前記加圧室の容積を変化させるプランジャと、当該プランジャの外周に設けられたシール部と、を備えた高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記ダンパ室に収納され、2枚の円盤状金属ダイアフラムが全周にわたって接合され、接合部の内側に形成された密閉空間にガスが封入された金属ダンパを備え、
前記ポンプ本体に設けられた吸入ジョイントから吸入される燃料が導かれる吸入通路が前記ポンプ本体に形成され、
前記吸入通路は、前記ダンパ室に連通する第1分岐通路と、前記シール部によりシールされたシール室に連通する第2分岐通路と、とに分岐された高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項1に記載された高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記2枚の円盤状金属ダイアフラムの両表面は、前記ダンパ室に取付けられた状態で、前記吸入ジョイント部から、前記ダンパ室を流れて前記加圧室に流れる燃料に晒されるよう構成される高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項1または2のいずれかに記載された高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記金属ダンパの周囲を挟持する一対の押付け部材は、前記金属ダンパの両外表面に当接する環状面部を有し、前記一対の押付け部材は前記環状面部に引き続く湾曲部を有し、さらに当該湾曲部に引き続いて互いに平行な円筒部が形成されており、当該円筒部の対面する内周面と外周面とが接合されてユニット化されている高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項3に記載された高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記円筒部が対面する前記ダンパ室の内壁面部との間、もしくは前記円筒部自身に前記円筒部の内部の前記金属ダンパの表面の空間と、前記円筒部の外部の電磁吸入弁と連通する空間とを連通する連通路部を有する高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項3に記載された高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記一対の押し付け部材のうち、外側に位置する外側押し付け部材の前記湾曲面部の内周面と、前記一対の押し付け部材のうち、内側に位置する内側押し付け部材の前記湾曲面部の外周面との間に前記接合部を内包する環状の空隙が形成されている高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項1に記載された高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記低圧燃料通路が形成された前記ポンプ本体とともに前記ダンパ室を形成するカバー部材を有し、
前記カバー部材の内壁面が前記金属ダンパを保持する一方の押し付け部材に圧接され、前記一方の押し付け部材若しくは他方の押し付け部材のどちらか一方が前記カバー部材とは反対側で前記ポンプ本体の前記ダンパ室の内壁面に押し付けられることで、金属ダンパユニットが前記ダンパ室に取付けられている高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項1に記載した高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記カバー部材の内壁面と、前記一方の押し付け部材とは部分的に圧接しており、両者の圧接していない部分に、前記一方の押し付け部材の内外を連通し、燃料を流通する間隙が形成されている高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記第1分岐通路と、前記第2分岐通路と、が直線形状に連通する高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記第1分岐通路と、前記第2分岐通路と、が直線形状に連通し、
前記吸入通路は前記第1分岐通路及び前記第2分岐通路と直交するように形成される高圧燃料供給ポンプ。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
前記加圧室の吐出側と前記ダンパ室とを連通するリリーフ通路と、前記リリーフ通路を開閉するリリーフ弁と、前記リリーフ弁を前記加圧室の吐出側から前記ダンパ室の側に向かって付勢するリリーフバネと、を備え、前記加圧室の吐出側と前記ダンパ室との圧力差が設定値を超えると前記リリーフ弁が開弁し、前記加圧室の吐出側の燃料を前記ダンパ室に戻すリリーフ弁機構を備えた高圧燃料供給ポンプ。
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