JP2019090365A - 燃料供給ポンプ - Google Patents

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康久 内山
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淳司 高奥
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Abstract

【課題】従来の構造では、燃料供給ポンプの1吐出毎にリリーフ弁は開閉弁動作を繰り返すため、過渡的圧力上昇が繰り返し発生し、疲労強度観点で高圧配管の剛性を上げる必要があった。【解決手段】加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路と、前記吐出通路と前記加圧室、又は低圧通路とを繋ぐリリーフ通路と、前記リリーフ通路の流路を開閉するリリーフ弁と、を備えた燃料供給ポンプにおいて、前記リリーフ弁が開弁した後、閉弁方向への移動を規制する移動規制部と、を備えた。【選択図】 図8

Description

本発明は、燃料供給ポンプについて特にリリーフ弁機構を備えたものに関する。
自動車等の内燃機関の内、燃焼室へ直接的に燃料を燃焼室内部へ噴射する直接噴射タイプにおいて、燃料を高圧化するための高圧燃料供給ポンプが広く用いられている。この高圧燃料ポンプの背景技術として、特許文献1(特開2009−114868号公報)がある。この高圧燃料ポンプのリリーフ弁構造は、高圧側から低圧側へと流体を流す燃料通路内において、前記燃料通路内にあるハウジングと弁体押さえの隙間をしぼり効果を有するように構成されている。これより、前記弁体押さえの前記高圧側、及び前記低圧側に発生する差圧により、開弁方向へ大きくストロークさせ、高圧配管の圧力を速やかに低下することができる。
特開2009−114868号公報
燃料供給ポンプのリリーフ弁においては、直接噴射インジェクタの故障時などにコモンレール内の圧力が異常に上昇した場合に、弁を開弁することで高圧配管内の圧力を逃がす役割を有する。一方、燃料供給ポンプが正常に作動している場合においては、リリーフ弁の開弁は流量低下を引き起こし、ポンプの圧送効率が低下してしまうため、リリーフ弁が開弁しないことが望ましい。リリーフ弁を開弁させないためには、リリーフ弁の開弁圧を高く設定する必要があるが、開弁圧を高く設定するとポンプ異常時の過渡的圧力が上昇する。従来の構造では、燃料供給ポンプの1吐出毎にリリーフ弁は開閉弁動作を繰り返すため、過渡的圧力上昇が繰り返し発生し、疲労強度観点で高圧配管の剛性を上げる必要があった。
そこで本発明の目的は、過渡的圧力上昇の発生回数を低減させるリリーフ弁機構を有した燃料供給ポンプを提供することにある。
上記した課題を解決するために本発明は、「加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路と、前記吐出通路と前記加圧室、又は低圧通路とを繋ぐリリーフ通路と、前記リリーフ通路の流路を開閉するリリーフ弁と、を備えた燃料供給ポンプにおいて、前記リリーフ弁が開弁した後、閉弁方向への移動を規制する移動規制部と、を備えた」ことを特徴とする。
上記のように構成した本発明によれば、ポンプ異常時のリリーフ弁開弁により発生する過渡的圧力上昇の発生回数を低減することが可能となる。本発明のその他の構成、作用、効果については以下の実施例において説明する。
本発明を実施する燃料供給ポンプの横方向から見た縦断面図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプの上方向から見た水平方向断面図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプの図1とは別の横方向から見た縦断面図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプに搭載される電磁吸入弁機構の拡大断面図である。 本発明を実施する燃料供給ポンプを含む、燃料供給システムの構成図である。 従来構造のリリーフ弁シートの詳細断面図である。 従来構造の圧力挙動である。 第一実施例のリリーフ弁シートの閉弁時の詳細断面図である。 第一実施例のリリーフ弁シートの開弁時の詳細断面図である。 本発明が実施された圧力挙動である。 第二実施例のリリーフホルダの詳細図である。 第三実施例のリリーフ弁シートの詳細図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明で図面における上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は燃料供給ポンプの実装状態における上下方向を意味するものではない。
図5は燃料供給ポンプ(高圧燃料ポンプ)を含む燃料供給システムの一例を示す構成図である。破線で囲まれた部分が燃料供給ポンプのポンプボディ1を示し、この破線の中に示されている機構、部品は燃料供給ポンプのポンプボディ1に一体に組み込まれていることを示す。
燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット(ECU)21からの信号に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられる。この燃料は適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通して燃料供給ポンプの低圧燃料吸入口10aに送られる。低圧燃料吸入口10aから吸入ジョイント51を通過した燃料は、圧力脈動低減機構9、吸入通路10dを介して、容量可変機構を構成する電磁吸入弁機構300の吸入ポート31bに至る。
電磁吸入弁機構300に流入した燃料は、吸入弁30を通過し、加圧室11に流入する。エンジンのカム機構93(図1参照)によりプランジャ2に往復運動する動力が与えられる。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程には吸入弁30から燃料を吸入し、上昇行程には、燃料が加圧される。加圧された燃料は、吐出弁機構8を介して圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ圧送される。
コモンレール23には、図示しないエンジンのシリンダに直接、燃料を噴射するインジェクタ24(所謂、直噴インジェクタ)、圧力センサ26が装着されている。直噴インジェクタ24は、エンジンのシリンダ(気筒)の数に合わせて装着されており、ECU27の制御信号に従って開閉して、燃料をシリンダ内に噴射する。本実施例の燃料供給ポンプ(燃料供給ポンプ)は、インジェクタ24がエンジンのシリンダ内に直接、燃料を噴射する、いわゆる直噴エンジンシステムに適用される。
直噴インジェクタ24の故障等によりコモンレール23に異常高圧が発生した場合、燃料供給ポンプの燃料吐出口12の圧力と加圧室11の圧力との差圧がリリーフ弁機構200の開弁圧力以上になると、リリーフ弁202が開弁する。この場合、コモンレール23の異常高圧となった燃料がリリーフ弁機構200の内部を通り、リリーフ通路200aから加圧室11へと戻される。これによりコモンレール23(高圧配管)を保護することが可能となる。なお、リリーフ通路200aを低圧燃料室10(図1参照)に接続し、異常高圧となった燃料を低圧通路へ戻す方式においても、同様に本発明を適用することが可能である。
図1、図2及び図3を用いて本実施例の燃料供給ポンプについて説明する。図1は、本実施例の燃料供給ポンプについて、プランジャの中心軸方向に平行な断面を示す断面図である。図2は、本実施例の燃料供給ポンプの上方から見た水平方向の断面図である。図3は、本実施例の燃料供給ポンプの図1とは異なる方向から見た断面図である。
なお、図2においては吸入ジョイント51がボディ側面に設けられているが、本発明はこれに限定される訳でなく、吸入ジョイント51がダンパカバー14の上面に設けられた燃料供給ポンプにも適用可能である。吸入ジョイント51は、車両の燃料タンク20からの燃料を供給する低圧配管に接続されており、吸入ジョイント51の低圧燃料吸入口10aから流入した燃料はポンプボディ1の内部に形成された低圧流路を流れる。ポンプボディ1に構成される燃料通路の入口部には、ポンプボディ1に圧入された図示しない吸入フィルタが設けられ、吸入フィルタは燃料タンク20から低圧燃料吸入口10aまでの間に存在する異物が燃料供給ポンプ内に流入することを防ぐ。
燃料は吸入ジョイント51からプランジャ軸方向上側に流れ、図1に示すダンパ上部10b、ダンパ下部10cにより形成される低圧燃料室10に流れる。低圧燃料室10はポンプボディ1に取り付けられたダンパカバー14により覆われることで形成される。低圧燃料室10の圧力脈動低減機構9により圧力脈動が低減された燃料は低圧燃料流路10dを介して電磁吸入弁機構300の吸入ポート31bに至る。電磁吸入弁機構300はポンプボディ1に形成された横穴に取り付けられ、所望の流量の燃料をポンプボディ1に形成された加圧室入口流路1aを介して加圧室11に供給する。シリンダヘッド90とポンプボディ1との間のシールのためにOリング61がポンプボディ1に嵌め込まれ、エンジンオイルが外部に漏れるのを防止する。
図1に示すように、ポンプボディ1にはプランジャ2の往復運動をガイドするためのシリンダ6が取り付けられている。シリンダ6はその外周側において、ポンプボディ1に圧入とかしめとにより固定される。シリンダ6の円筒状をなす圧入部の表面により、ポンプボディ1との隙間から加圧した燃料が低圧側に漏れないようシールしている。シリンダ6は、その上端面を軸方向にポンプボディ1の平面に接触させることで、ポンプボディ1とシリンダ6との円筒状の圧入部のシールに加え、二重のシール構造を構成する。
プランジャ2の下端には、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム93の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット92が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット92に圧着されている。これによりカム93の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に往復運動させることができる。
また、シールホルダ7の内周下端部に保持されたプランジャシール13がシリンダ6の図中下方部においてプランジャ2の外周に摺動可能に接触する状態で設置されている。これにより、プランジャ2が摺動したとき、副室7aの燃料をシールし、内燃機関内部へ流入するのを防ぐ。同時にプランジャシール13は、内燃機関内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がポンプボディ1の内部に流入するのを防止する。
図2に示すようにポンプボディ1には電磁吸入弁機構300を取り付ける横孔と、プランジャ軸方向の同じ位置において、吐出弁機構8を取り付ける横穴と、さらにリリーフ弁機構200を取り付ける横穴、及び、吐出ジョイント12cを取り付ける横穴とが形成される。電磁吸入弁機構300を介して加圧室11で加圧された燃料は吐出弁機構8を介して吐出通路12bを流れ、吐出ジョイント12cの燃料吐出口12から吐出される。
加圧室11の出口側に設けられた吐出弁機構8(図2、3)は、吐出弁シート8a、吐出弁シート8aと接離する吐出弁8b、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8c、吐出弁プラグ8d、吐出弁8bのストローク(移動距離)を決める吐出弁ストッパ8eから構成される。吐出弁プラグ8dとポンプボディ1とは溶接部401により接合される、この接合部は燃料が流れる内側空間と外部とを遮断している。また吐出弁シート8aはポンプボディ1に対し、圧入部402により接合される。
加圧室11の燃料圧力と吐出弁室12aの燃料圧力とに差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出弁室12aの燃料圧力よりも大きくなった時に初めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁する。そして、加圧室11内の高圧燃料は吐出弁室12a、吐出通路12b、燃料吐出口12を経てコモンレール23へと吐出される。吐出弁8bは開弁した際、吐出弁ストッパ8eと接触し、ストロークが制限される。したがって、吐出弁8bのストロークは吐出弁ストッパ8eによって適切に決定される。これによりストロークが大きすぎて、吐出弁8bの閉じ遅れにより、吐出弁室12aへ高圧吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうのを防止でき、燃料供給ポンプの効率低下が抑制できる。また、吐出弁8bが開弁および閉弁動作を繰り返すときに、吐出弁8bがストローク方向にのみ運動するように、吐出弁ストッパ8eの外周面にて吐出弁8bをガイドしている。
以上のように、加圧室11は、ポンプボディ1、電磁吸入弁機構300、プランジャ2、シリンダ6、吐出弁機構8にて構成される。また図2、図3に示すように、本実施例の燃料供給ポンプはポンプボディ1に設けられた取付けフランジ1bを用い内燃機関のシリンダヘッド90の平面に密着し、図示しない複数のボルトで固定される。
リリーフ弁機構200は、リリーフシート部材201、リリーフ弁202、リリーフ弁ホルダ203、リリーフばね204、及びホルダ部材205で構成される。リリーフ弁機構200は、コモンレール23やその先の部材に何らかの問題が生じ、異常に高圧になった場合に作動するよう構成された弁であり、コモンレール23やその先の部材内の圧力が高くなった場合に開弁し、燃料を加圧室11または低圧通路(低圧燃料室10又は吸入通路10d等)に戻すという役割を有する。そのため、所定の圧力以下では閉弁状態を維持する必要があり、高圧に対抗するために非常に強力なばね204を有している。
図4を用いて電磁吸入弁機構300について説明する。図4は本実施例の電磁吸入弁機構について、吸入弁の駆動方向に平行な断面を示す拡大断面図であり、吸入弁が開弁した状態を示す断面図である。
無通電状態では、強力なロッド付勢ばね40によって、吸入弁30が開弁方向に稼働するためにノーマルオープン式となっている。ECU27からの制御信号が電磁吸入弁機構300に印加されると、電磁コイル43には端子46を介して電流が流れる。電磁コイル43に電流が流れることにより、磁気吸引面Sにおいて可動コア36が磁性コア39の磁気吸引力により閉弁方向に引き寄せられる。ロッド付勢ばね40は磁性コア39に形成された凹み部に配置されるとともにフランジ部35aを付勢する。フランジ部35aはロッド付勢ばね40と反対側で可動コア36の凹み部と係合する。
磁性コア39は電磁コイル43が配置された電磁コイル室を覆う蓋部材44と接触するように構成される。可動コア36が磁性コア39に吸引されて移動する際に、ロッド35のフランジ部35aとが係合して可動コア36とともにロッド35が閉弁方向に移動する。可動コア36と吸入弁30との間には、可動コア36を閉弁方向に付勢する閉弁付勢ばね41と、ロッド35を開閉弁方向にガイドするロッドガイド部材37と、が配置される。ロッドガイド部材37は閉弁付勢ばね41のばね座37bを構成する。また、ロッドガイド部材37には燃料通路37aが設けられており、可動コア36が配置された空間への燃料の流入出を可能にしている。
可動コア36、閉弁付勢ばね41及びロッド35等はポンプボディ1に固定された電磁吸入弁機構ハウジング38に内包されている。また、磁性コア39、ロッド付勢ばね40、電磁コイル43及びロッドガイド部材37等は電磁吸入弁機構ハウジング38に保持されている。なお、ロッドガイド部材37は、電磁吸入弁機構ハウジング38に対して、磁性コア39及び電磁コイル43とは反対側に取り付けられており、吸入弁30、吸入弁付勢ばね33及びストッパ32を内包する。
ロッド35の磁性コア39とは反対側には吸入弁30、吸入弁付勢ばね33及びストッパ32を備える。吸入弁30には、加圧室11側に突出して吸入弁付勢ばね33によりガイドされるガイド部30bが形成される。吸入弁30はロッド35の移動に伴って弁体ストローク30eの隙間の分だけ開弁方向(弁座31aから離れる方向)に移動することにより開弁状態となり、供給通路10dから加圧室11に燃料が供給される。ガイド部30bは、電磁吸入弁機構300のハウジング(ロッドガイド部材37)内部に圧入されて固定されたストッパ32に衝突することにより動きを停止する。ロッド35と吸入弁30とは別体で独立した構造である。吸入弁30は吸入側に配置された弁座部材31の弁座31aに接触することで加圧室11への流路を閉じ、また弁座31aから離れることで加圧室11への流路を開くように構成される。
図1のカム93の回転により、プランジャ2がカム93の方向(下方向)に移動して吸入行程状態にある場合、加圧室11の容積は増加し、加圧室11内の燃料圧力が低下する。この吸入行程で電磁コイル43が通電オフになっていると、ロッド付勢ばね40の付勢力と吸入通路10dの圧力との合計が加圧室11内の燃料圧力よりも大きくなり、ロッド35により吸入弁30が開弁方向に付勢されて開弁状態となる。
プランジャ2が下死点に達し吸入行程を終了すると、プランジャ2は上昇運動に転じる。ここで電磁コイル43は無通電状態を維持したままであり磁気付勢力は作用しない。加圧室11の容積は、プランジャ2の圧縮運動に伴い減少するが、この状態では、一度、加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁30の開口部を通して吸入通路10dへと戻されるので、加圧室11の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。
その後、所望のタイミングで電磁コイル43の通電をオンとすることで、上記したように磁気吸引力が生じることで、可動コア36とともにロッド35が閉弁方向に移動し、ロッド35の先端部35bが吸入弁30から離れる。この状態においては、吸入弁30は差圧に応じて開閉するチェック弁となるため、吸入弁付勢ばね33の付勢力により閉弁する。吸入弁30の閉弁後、プランジャ2が上昇しているので、加圧室11の容積が減少し、燃料が加圧される。これを圧縮行程と称する。加圧室11の燃料が加圧されて吐出弁室12aの燃料圧力と吐出弁ばね8cによる付勢力との合計を上回ると、吐出弁8bが開弁して燃料が吐出される。
電磁吸入弁機構300の電磁コイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。電磁コイル43へ通電するタイミングを早くすれば、圧縮行程中の、戻し行程の割合が小さく、吐出行程の割合が大きくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が少なくなり、コモンレール23へ高圧吐出される燃料は多くなる。一方、通電するタイミングを遅くすれば圧縮行程中の、戻し行程の割合が大きく、吐出行程の割合が小さくなる。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が多くなり、コモンレール23へ高圧吐出される燃料は少なくなる。電磁コイル43への通電タイミングは、ECU27からの指令によって制御される。
以上のように電磁コイル43への通電タイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することが出来る。
低圧燃料室10には燃料供給ポンプ内で発生した圧力脈動が燃料配管28へ波及するのを低減させる圧力脈動低減機構9が設置されている。また、圧力脈動低減機構9の上下にはそれぞれ、間隔を持ってダンパ上部10b、ダンパ下部10cが設けられている。一度加圧室11に流入した燃料が、容量制御のため再び開弁状態の吸入弁30を通して吸入通路10dへと戻される場合、吸入通路10dへ戻された燃料により低圧燃料室10には圧力脈動が発生する。しかし、低圧燃料室10に設けた圧力脈動低減機構9は、波板状の円盤型金属板2枚をその外周で張り合わせ、内部にアルゴンのような不活性ガスを注入した金属ダイアフラムダンパで形成されており、圧力脈動はこの金属ダンパが膨張・収縮することで吸収低減される。9aは金属ダンパをポンプボディ1の内周部に固定するための取付け金具であり、燃料通路上に設置されるため、ダンパとの支持部を全周では無く、一部とし前記取付け金具9aの表裏に流体が自由に行き来できるようにしている。
プランジャ2は、大径部2aと小径部2bとを有し、プランジャ2の往復運動によって副室7aの体積は増減する。副室7aは燃料通路10e(図3参照)により低圧燃料室10と連通している。プランジャ2の下降時は、副室7aから低圧燃料室10へ、上昇時は、低圧燃料室10から副室7aへと燃料の流れが発生する。
このことにより、ポンプの吸入行程もしくは、戻し行程におけるポンプ内外への燃料流量を低減することができ、燃料供給ポンプ内部で発生する圧力脈動を低減する機能を有している。
さらに、リリーフ弁機構の動作を詳細に説明する。リリーフ弁機構200は図2に示すように、リリーフシート部材201、リリーフ弁202、リリーフ弁ホルダ203、リリーフばね204、リリーフばねストッパ205からなる。リリーフシート部材201の内部に、リリーフ弁202、リリーフ弁ホルダ203、リリーフばね204を順に挿入し、リリーフばねストッパ205を圧入等で固定する。リリーフばね204による押付力は、リリーフばねストッパ205の位置によって規定する。リリーフ弁202の開弁圧力はこのリリーフばね204による押付力により規定の値に設定される。こうしてユニット化されたリリーフ弁機構200を、図1に示すようにポンプボディ1に圧入等で固定する。なお、図1ではユニット化されたリリーフ弁機構200を示しているが、本発明はこれに限定されるわけではない。
図6は従来構造のリリーフシート部材201の詳細拡大図である。
リリーフ弁202はシート性の観点からボール弁が望ましく、リリーフ弁202とリリーフばね204の間には、リリーフホルダ203が設置されている。リリーフホルダ203は、ばねの押付力をリリーフ弁202に伝達し、リリーフ弁202を保持する役割を果たす。
リリーフシート部材201及びリリーフホルダ203のリリーフ弁202と当接する部位には、リリーフ弁202を保持するための円錐上の凹み形状を有している。リリーフ弁202のリフト量は、リリーフ弁202の前後差圧の状態で決定するため、流体力学上リフト量の計算が可能である。リリーフシート平坦部からリリーフ弁下端までの距離Lをリフト量以上に設定しておくことで、リリーフシート部材201から脱落を防止している。
リリーフ弁202は、コモンレール内の圧力が規定の圧力以上になると、リリーフ弁202がリリーフシート部材201から離れ、開弁するように設定している。この時の規定の圧力を開弁圧Psとする。
図7は従来構造における圧力挙動を示す。
プランジャ2のリフト上昇に伴い、高圧ポンプ1は流量吐出する。吐出工程はプランジャ2が上死点で終了する。即ち、高圧ポンプ1はプランジャ2のリフトの周期に応じて、吐出有無を繰り返す。本吐出工程に伴い、コモンレール内の圧力は上昇する。コモンレール内の圧力が前述の開弁圧Psを超えると、リリーフ弁202は開弁動作を開始する。リリーフ弁が開弁すると、コモンレール内の流量がリリーフ弁202を通過して下流側に流れるので、コモンレール内の圧力はリリーフ弁202の開弁動作に伴い低下する。
このとき、リリーフ弁202の開弁動作には所定の応答遅れ生じるため、開弁動作開始前後で開弁圧Psよりも高い過渡的圧力Pdが発生する。従来構造では図7に示す通り、プランジャリフト1サイクル毎に発生しリリーフ202が開閉弁動作を繰り返すため、前記過渡的圧力Pdもプランジャリフト1サイクル毎に発生する。
一方、コモンレールは圧力に比例した応力が発生する。そのため、コモンレールは過渡的圧力Pdが複数回発生しても耐えられるだけの疲労強度を有する必要があり、大型化及びコストアップするという課題がある。
図8は本課題を解決するための本発明の実施例のリリーフシート部材201の構造を示す。従来構造と同様、リリーフ弁202、リリーフばね204、リリーフシート部材201、リリーフホルダ203で構成される。本構造では、リリーフホルダ203に閉弁時にリリーフ弁を保持するため第1円錐形状203Aとそれとは軸をずらした第2円錐形状203Bを設けている。
本構造における開弁状態の図を図9に示す。
リリーフ弁202が開弁し所定のリフト量を超過すると、第1円錐形状203Aからリリーフ弁202が脱落し、第2円錐形状203Bとリリーフシート部材201のフラット面との間でリリーフ弁202が保持される。リリーフばね204の押付力は垂直方向に作用するため、一度図9に示す状態にリリーフ弁202が保持されると、図8に示す閉弁状態に戻ろうとする荷重は作用せず、図9に示す状態が保持し続けられる。
すなわち図8に示すように、本実施例の燃料供給ポンプは加圧室11で加圧された燃料を吐出する吐出通路12と、吐出通路12と加圧室11、又は低圧通路(低圧燃料室10又は吸入通路10d等)とを繋ぐリリーフ通路200aと、リリーフ通路200aの流路を開閉するリリーフ弁202と、を備え、リリーフ弁202が開弁した後、閉弁方向への移動を規制する移動規制部と、を備えた。この移動規制部は、リリーフ弁202が開弁動作時に径方向外側にずれることで、その後、リリーフ弁202の閉弁方向への移動を規制するように構成されたものである。
また本実施例の燃料供給ポンプはリリーフ弁202を保持するリリーフ弁ホルダ203と、リリーフ弁ホルダ203をリリーフ弁202の下流側から上流側に向かって付勢するリリーフばね204と、を備え、上記した移動規制部はリリーフ弁ホルダ203により構成された。具体的にはリリーフ弁ホルダ203には閉弁時にリリーフ弁202を保持する第1凹み部203A(第1保持部)と、第1凹み部に対して径方向外側に中心軸がずれた第2凹み部203B(第2保持部)とを有し、第2凹み部203Bは開弁時にリリーフ弁202を保持するように構成された。
また本実施例の燃料供給ポンプはリリーフ弁ホルダ203に形成された第1凹み部203Aは円錐形状であるとともに、第2凹み部203Bは第1凹み部203Aに対して径方向外側に中心軸がずれた位置に円錐形状で構成されている。なお、第1凹み部203A及び第2凹み部203B下流に向かって径が小さくなる円錐形状により形成される。また第2凹み部203Bの下流側先端部が第1凹み部203Aの下流側先端部よりも下流側に位置するように構成される。
本構造における圧力挙動を図10に示す。
高圧ポンプ1の流量吐出は従来構造と同様、プランジャリフトの周期に応じて、吐出有無を繰り返すが、リリーフ弁の開弁動作は前述の構造により、最初の1回のみとなる。その後は、開弁状態を保持し続けるため、過渡的応力Pdの作用回数も1回のみとなる。したがって、コモンレールに発生する応力の作用回数も1回のみとなり、コモンレールの強度耐性を低減することが可能となる。即ち、コモンレールは疲労強度観点ではなく、引張強度観点での設計が可能となる。
以下に本発明の第2実施例について説明する。実施例1と同一の内容については説明を省略する。
第2実施例におけるリリーフホルダ203形状を図11に示す。
第1実施例では、軸をずらした円錐形状を2つ配置する構造としたが、円錐形状ではなく、中心軸付近に設けられた第1R形状203A、テーパ部を有する溝形状203C、中心軸から離れた位置に設けられた第2R形状203Bでも同様の機能を達成できる。第1R形状203Aは閉弁時にリリーフ弁202を保持し、溝形状203Cは開弁時にリリーフ弁202を第2R形状203Bに誘導し、第2R形状203Bは開弁時にリリーフ弁202を保持する。
すなわち、本実施例の燃料供給ポンプはリリーフ弁ホルダ203を軸方向上流側から見て、リリーフ弁ホルダ203に第1R形状203A、溝形状203C、第2R形状203Bから形成される縦長の溝で構成されたものである。これにより、圧力挙動は第1実施例と同様に図10に示した挙動となる。
以下に第3実施例について説明する。実施例1、2と同一の内容については説明を省略する。
図12は第3実施例におけるリリーフシート部材201の詳細拡大図を示す。第1実施例及び第2実施例では、溝形状によりリリーフ弁202を保持していたが、ピンを配置することでも同様の機能が達成可能である。リリーフホルダ203上にリリーフシート部材201の中心軸からオフセットした位置にピン形状203Aを設けることで、開弁時の保持部203Bはフラット形状とすることが出来る。本構造でも第1実施例及び第2実施例と同様に閉弁状態ではピン形状203Aにてリリーフ弁202を保持し、開弁状態ではフラット形状203Bにてボールを保持することが可能である。
すなわち、本実施例の燃料供給ポンプにおいて、上記した移動規制部は、リリーフ弁ホルダ203にリリーフ弁202の中心軸から径方向外側にずれた位置に形成された突起203Aにより構成された。突起203Aは、閉弁状態においてリリーフ弁202が閉弁するように閉弁方向に付勢し、リリーフ弁202が開弁した後に閉弁位置に対して径方向外側に移動した場合に径方向内側への動きを規制するように構成されている。なお、以上の実施例において、リリーフ弁202が開弁した後に軸方向上流側(つまり閉弁方向)への動きはリリーフシート部材201の底面により規制される。これにより、図10示す圧力挙動が達成可能となる。
1…ポンプボディ、2…プランジャ、6…シリンダ、7…シールホルダ、8…吐出弁機構、200…リリーフ弁機構、201…シート部材、201a…シート部、201b…上流側内径拡大部、201c…シート面、201d…下流側内径拡大部、201e…下流側端面、201f…導入通路、202…リリーフ弁、203…リリーフ弁ホルダ、203A…第1保持部、203B…第2保持部、204…リリーフばね、205…ばねホルダ、300…電磁吸入弁機構。

Claims (8)

  1. 加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路と、
    前記吐出通路と前記加圧室、又は低圧通路とを繋ぐリリーフ通路と、
    前記リリーフ通路の流路を開閉するリリーフ弁と、を備えた燃料供給ポンプにおいて、
    前記リリーフ弁が開弁した後、閉弁方向への移動を規制する移動規制部と、を備えた燃料供給ポンプ。
  2. 請求項1に記載の燃料供給ポンプにおいて、
    前記移動規制部は、前記リリーフ弁が開弁動作時に径方向外側にずれることで、その後、前記リリーフ弁の閉弁方向への移動を規制するように構成された燃料供給ポンプ。
  3. 請求項1に記載の燃料供給ポンプにおいて、
    前記リリーフ弁を保持するリリーフ弁ホルダと、
    前記リリーフ弁ホルダを前記リリーフ弁の下流側から上流側に向かって付勢するリリーフばねと、を備え、
    前記移動規制部は前記リリーフ弁ホルダにより構成された燃料供給ポンプ。
  4. 請求項3に記載の燃料供給ポンプにおいて、
    前記リリーフ弁ホルダには閉弁時に前記リリーフ弁を保持する第1凹み部と、前記第1凹み部に対して径方向外側に中心軸がずれた第2凹み部とを有し、前記第2凹み部は開弁時に前記リリーフ弁を保持するように構成された燃料供給ポンプ。
  5. 請求項4に記載の燃料供給ポンプにおいて、
    前記リリーフ弁ホルダに形成された前記第1凹み部は円錐形状であるとともに、前記第2凹み部は前記第1凹み部に対して径方向外側に中心軸がずれた位置に円錐形状で構成された燃料供給ポンプ。
  6. 請求項4に記載の燃料供給ポンプにおいて、
    前記リリーフ弁ホルダに形成された前記第1凹み部は縦長の溝であるとともに、前記第2凹み部は前記第1凹み部に対して径方向外側に中心軸がずれた位置に縦長の溝で構成された燃料供給ポンプ。
  7. 請求項3に記載の燃料供給ポンプにおいて、
    前記移動規制部は、前記リリーフ弁ホルダに前記リリーフ弁の中心軸から径方向外側にずれた位置に形成された突起により構成された燃料供給ポンプ。
  8. 請求項7に記載の燃料供給ポンプにおいて、
    前記突起は、閉弁状態において前記リリーフ弁が閉弁するように閉弁方向に付勢し、前記リリーフ弁が開弁した後に閉弁位置に対して径方向外側に移動した場合に径方向内側への動きを規制するように構成された燃料供給ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115398091A (zh) * 2020-05-21 2022-11-25 日立安斯泰莫株式会社 燃料泵

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