JP6011461B2 - 燃焼状態診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼状態を診断する燃焼状態診断装置に関するものである。
従来から、機関回転数が所定回転数まで低下した場合や、機関回転数が閾値以下に低下した回数が所定回数に達した場合に、エンジンストール(以下、エンストともいう)の発生を予測する手法が知られている。
しかしながら、エンストの発生には、筒内での混合気の燃焼の様子がサイクル毎に変化する燃焼変動が大きく影響するため、かかる燃焼変動を考慮せず、単に機関回転数に基づいてエンストの発生を予測する手法では、十分な予測精度が得られないおそれがある。
そこで、例えば特許文献1には、筒内圧に基づいて算出された図示トルクの最小値が閾値より小さい場合に、エンストのおそれありと判定し、吸入空気量の現実値を、エンストのおそれなしとの判定が得られるような吸入空気量の目標値に変更する技術が開示されている。
特開2007−211722号公報
ところで、上記特許文献1のものでは、エンストに影響を及ぼす燃焼変動が生じる原因として、空燃比や、前サイクルの既燃ガスの残留量や、筒内での混合気の流動状態などが例示されている。また、上記特許文献1のものでは、図示トルクの最小値が閾値より小さい場合に、エンストのおそれありと判定する。
しかしながら、これら例示されたものの他にも、燃料供給量低下や気筒間ばらつきなど、エンスト発生の原因は種々存在する。そうして、エンスト発生の原因によっては、エンスト発生の兆候として、複数のサイクルにおいて或るパラメータが一定の傾向を示す場合がある。
換言すると、エンスト発生の兆候は、エンスト発生の原因に応じて区々であり、1つのサイクルにおいて或るパラメータが上限値または下限値を超えなくても、複数のサイクルにおいて当該パラメータが一定の傾向を示せば、エンストの発生を予測できる場合もある。それ故、エンスト発生の予測を含む、内燃機関の燃焼状態の診断においては、改良の余地が多分に残されていると言える。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の燃焼状態を診断する燃焼状態診断装置において、エンスト発生の予測精度を向上させる技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る燃焼状態診断装置では、単一のサイクルにおける燃焼状態のみならず、サイクル間における燃焼状態の変動をも監視するようにしている。
具体的には、本発明は、内燃機関の燃焼状態を診断する燃焼状態診断装置を対象としている。
そして、上記燃焼状態診断装置は、サイクルにおける熱発生率波形に関するパラメータに対して設定される上限側の第1閾値および下限側の第2閾値と、各サイクルの実熱発生率と、を取得し、定常状態において、同一気筒で、n−1回目(nは2以上の整数)のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第1閾値を上回り、且つ、n回目のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第2閾値を下回った場合、または、n−1回目のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第2閾値を下回り、且つ、n回目のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第1閾値を上回った場合に、エンジンストール発生の兆候があると判定するとともに、定常状態において、同一気筒での所定回のサイクルのうち、実熱発生率に係る上記パラメータが上記第1閾値を上回った回数、または、実熱発生率に係る上記パラメータが上記第2閾値を下回った回数が、所定の基準回数以上となった場合にも、エンジンストール発生の兆候があると判定することを特徴とするものである。
なお、本発明において、「上限側の第1閾値」とは、上限値(実熱発生率波形に関するパラメータがその値を上回れば確実にエンストが発生すると見做せる閾値)よりも小さく設定される値である。また、「下限側の第2閾値」とは、下限値(実熱発生率波形に関するパラメータがその値を下回れば確実にエンストが発生すると見做せる閾値)よりも大きく設定される値である。また、「定常状態」とは、例えば機関負荷および機関回転速度の所定時間内における変動幅が所定値以内であるような機関運転状態をいい、内燃機関のアイドル運転中における定常状態も含む。
1つの気筒において燃焼が安定していれば、サイクル間における実熱発生率の変動は小さく、各サイクルにおける実熱発生率波形に関するパラメータ(以下、実パラメータともいう)は、上限側の第1閾値と下限側の第2閾値との間の領域に収まり易い。裏を返せば、各サイクルにおける実パラメータが、第1閾値を上回ったり、第2閾値を下回ったりした場合には、当該気筒において燃焼が安定しておらず、エンスト発生の可能性が高いと言える。
もっとも、上限値よりも小さく設定された第1閾値を、実パラメータが1回でも上回れば、エンスト発生の兆候があると判定したのでは、誤判定が生じるおそれがある。一方、実パラメータが上限値を上回るまで、エンスト発生の兆候がないとするのでは、判定が遅れる場合がある。なお、このことは、下限値と第2閾値との関係についても同様である。
そこで、本発明では、定常状態において、同一気筒で、n−1回目のサイクルの実パラメータが第1閾値を上回り、且つ、n回目のサイクルの実パラメータが第2閾値を下回った場合、換言すると、規模燃焼の次に規模燃焼が起こった場合には、エンスト発生の兆候があると判定する。また、本発明では、定常状態において、同一気筒で、n−1回目のサイクルの実パラメータが第2閾値を下回り、且つ、n回目のサイクルの実パラメータが第1閾値を上回った場合、換言すると、規模燃焼の次に規模燃焼が起こった場合にも、エンスト発生の兆候があると判定する。
このように、実パラメータが第1閾値を上回る燃焼(大規模燃焼)と、実パラメータが第2閾値を下回る燃焼(小規模燃焼)とが交番的に生じた場合には、サイクル間変動が大きいことから、これらが単発的に生じた場合に比して、エンスト発生の可能性が飛躍的に高まる。また、大規模燃焼と小規模燃焼とが1回でも交番的に生じた場合には、エンスト発生の兆候があると判定することから、エンスト発生の可能性を早期に認識することができる。
特に、同一気筒における小規模燃焼後の大規模燃焼は、n−1回目のサイクルにおいて、デポジットやアルコール含有などにより有効噴霧量が減少し、未燃噴霧がn回目のサイクルに供給されて大きな燃焼が発生している蓋然性が高いことから、失火サイクル発生後の燃焼と見做すことができる。したがって、同一気筒において小規模燃焼後に大規模燃焼が生じた場合には、エンスト発生の原因を燃料供給量低下に特定することが可能となるとともに、エンスト発生を確実に予測することができる。
以上により、本発明によれば、エンスト発生の可能性を早期に認識することができるとともに、エンスト発生の予測精度を向上させることができる。
上述の如く、本発明では、大規模燃焼と小規模燃焼とが交番的に生じた場合には、エンスト発生の兆候があると判定するが、エンスト発生の兆候があるからといって、大規模燃焼と小規模燃焼とが、常に交番的に生じる訳ではない。例えば、大規模燃焼または小規模燃焼が数回連続で起こったり、正常な燃焼を挟んで大規模燃焼と小規模燃焼とが頻繁に起こったりする場合も想定される。換言すると、エンスト発生の兆候が、小規模燃焼または大規模燃焼の発生頻度の増大という形で現れることもある。
そこで、上記燃焼状態診断装置では、定常状態において、同一気筒での所定回のサイクルのうち、実熱発生率に係る上記パラメータが上記第1閾値を上回った回数、または、実熱発生率に係る上記パラメータが上記第2閾値を下回った回数が、所定の基準回数以上となった場合に、エンジンストール発生の兆候があると判定するようにしている
このように、実パラメータが、第1閾値を上回った頻度または第2閾値を下回った頻度が高い場合に、エンスト発生の兆候があると判定することから、小規模燃焼と大規模燃焼とが交番的に生じない場合にも、エンスト発生を確実に予測することができる。これにより、エンスト発生の兆候が現れた場合の認識漏れが可及的に抑えられるので、エンスト発生の予測精度をより一層向上させることができる。
また、上記燃焼状態診断装置では、サイクルにおける熱発生率波形に関するパラメータに対して設定される、上記第1閾値よりもさらに上限側の第3閾値と、上記第2閾値よりもさらに下限側の第4閾値と、を取得し、定常状態において、実熱発生率に係る上記パラメータが、上記第3閾値を上回った場合、または、上記第4閾値を下回った場合に、エンジンストールが発生すると判定することが好ましい。
なお、本発明において、「上限側の第3閾値」とは、実熱発生率波形に関するパラメータがその値を上回れば確実にエンストが発生すると見做せる閾値であり、また、「下限側の第4閾値」とは、実熱発生率波形に関するパラメータがその値を下回れば確実にエンストが発生すると見做せる閾値である。
この構成によれば、実パラメータが1回でも、第3閾値を上回った場合または第4閾値を下回った場合には、エンストが発生すると判定することから、エンストの発生を確実に抑えることができる。そうして、かかる構成と、上述した構成との組み合わせにより、単発的に、交番的に、および、頻度に基づいてという具合に、エンスト発生およびその兆候を多角的に監視することが可能となるので、エンスト発生の予測精度をより一層確実に向上させることができる。
また、上記燃焼状態診断装置では、上記パラメータは、上記波形のピーク値、上記波形の位相、上記波形の勾配および上記波形の面積の少なくとも1つを含むことが好ましい。
この構成によれば、例えば実熱発生率波形のピーク値が、第1閾値と第2閾値との間のピーク幅に収まっているか否か、また、例えば実熱発生率波形によって囲まれる面積が、第1閾値と第2閾値とで決まる数値内に収まっているか否かなどを判定することで、エンスト発生の兆候を容易に予測することができる。
ところで、ガソリンエンジンは、燃費やエミッション低減などの観点から制約が多く、ディーゼルエンジンに比して燃焼が不安定になり易いことから、実熱発生率波形のピーク値、位相、勾配、面積などが、一定の幅で変動することが元々想定される。このため、ガソリンエンジンでは、燃焼状態が良好であっても、外乱などにより実パラメータが第1閾値を上回る(第2閾値を下回る)可能性がある。それ故、ガソリンエンジンでは、燃焼状態が良好であるにも拘わらず、エンスト発生の兆候ありとの誤判定が生じる可能性が、ディーゼルエンジンに比して高い。
そこで、上記燃焼状態診断装置では、定常状態において、同一気筒での所定回のサイクルにおける実熱発生率波形に関するパラメータの平均値を、サイクルが行われる度に取得するとともに、取得した当該パラメータの平均値同士を比較することによって同一気筒における燃焼状態の傾向を推定し、サイクルが行われる度に燃焼状態が悪化する傾向にある場合には、第1閾値を下げるとともに第2閾値を上げる一方、サイクルが行われる度に燃焼状態が良化する傾向にある場合には、第1閾値を上げるとともに第2閾値を下げることが好ましい。
この構成では、定常状態において、同一気筒での所定回のサイクルにおける実熱発生率の平均値を取得した後、サイクルが行われる度に実熱発生率の移動平均値を取得する。このようにして取得した実熱発生率の移動平均値同士を比較することで、同一気筒における燃焼状態が、サイクルが行われる度に悪化する傾向にあるのか、良化する傾向にあるのかを推定することができる。
そうして、サイクルが行われる度に燃焼状態が悪化する傾向にある場合には、判定基準を厳しくすべく、上限側の第1閾値を下げるとともに下限側の第2閾値を上げることで、例えばピーク幅などを狭くする。一方、サイクルが行われる度に燃焼状態が良化する傾向にある場合には、判定基準を緩くすべく、上限側の第1閾値を上げるとともに下限側の第2閾値を下げることで、例えばピーク幅などを広くする。
このようにすれば、サイクルが行われる度に燃焼状態が悪化する傾向にある場合には、ピーク幅などが狭く設定されるので、早い段階でエンスト発生の兆候があると判定することができる。一方、サイクルが行われる度に燃焼状態が良化する傾向にある場合には、ピーク幅などを広くすることから、ガソリンエンジンにおいて、燃焼状態が良好であるにも拘わらず、エンスト発生の兆候ありとの誤判定が生じるのを抑えることができる。
また、上記燃焼状態診断装置では、過渡状態において、所定回のサイクルにおける実熱発生率波形に関するパラメータの平均値を気筒毎に取得するとともに、取得した当該パラメータの平均値を気筒間で比較することによって、気筒間ばらつきを判定することが好ましい。
なお、「過渡状態」とは、加速時や登坂時のように、大出力が要求され、機関回転数や機関負荷が増大側に変化している状態、または、減速時のように、機関回転数や機関負荷が減小側に変化している状態のことである。
過渡状態においては、定常状態とは異なり、1つの気筒におけるサイクル間の燃焼変動を比較するだけでは、燃焼状態を把握することは困難である。この点、この構成によれば、例えば定常状態において燃焼状態が良好な気筒を標準気筒とし、当該標準気筒の実パラメータの平均値と、他の気筒の実パラメータの平均値とを比較することで、過渡状態においても、複数の気筒のうち燃焼状態が悪化している気筒を容易に特定することができる。
さらに、上記燃焼状態診断装置では、エンジンストール発生またはエンジンストール発生の兆候があると判定した場合には、気筒内のEGR量を減少させることが好ましい。
この構成によれば、気筒内のEGR量を減少させることで、燃焼安定性を向上させて、エンストの発生を抑えることができる。
なお、気筒内にEGRガスを存在させることは、排気系を通過する排気の一部を吸気系に再循環させることや、燃焼後の排気を気筒内に残留させることや、一旦排気系に排出された排気を気筒に再吸入することによって実現することができる。
また、上記燃焼状態診断装置では、エンジンストール発生またはエンジンストール発生の兆候があると判定した場合には、点火時期を進角させることが好ましい。
この構成によれば、例えばノッキングの発生を抑制するべく点火時期をベース点火時期から遅角させている場合に、トルクを増大させてエンストの発生を抑えることができる。
以上、説明したように本発明に係る燃焼状態診断装置によれば、エンスト発生の可能性を早期に認識することができるとともに、エンスト発生の予測精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るエンジンおよびその制御系統の一例を示す概略構成図である。 ECUなどの制御系の構成を示すブロック図である。 熱発生率波形に関するパラメータの具体例を模式的に示す図である。 上限値および下限値ならびに第1および第2閾値と、実熱発生率との関係を模式的に示す図である。 同一気筒の連続したサイクルにおける実熱発生率の一例を模式的に示す図であり、同図(a)および(b)は、大規模燃焼の次に小規模燃焼が起こった場合を示す図であり、同図(c)および(d)は、小規模燃焼の次に大規模燃焼が起こった場合を示す図である。 燃焼状態診断の一例を示すフローチャートである。 同図(a)は、燃焼状態が悪化する傾向にある場合の一例を模式的に示す図であり、同図(b)は、燃焼状態が良化する傾向にある場合の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載された筒内直噴型ガソリンエンジン1に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るガソリンエンジン(以下、単にエンジンともいう)1の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1およびその制御系統の一例を示す概略構成図である。なお、図1にはエンジン1の4気筒のうちの1気筒の構成のみを示している。
図1に示すように、このエンジン1の一部を構成するシリンダブロック1cには、円筒状のシリンダボア1eが形成されている。各シリンダボア1eの内部には、ピストン1bが上下方向に摺動可能に収容されている。ピストン1bはコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されている。シリンダボア1e内でのピストン1bの往復運動がコネクティングロッド16によってクランクシャフト15の回転へと変換されることでエンジン出力が得られるようになっている。
クランクシャフト15には、外周面に複数の突起(歯)17aを有するシグナルロータ17が取り付けられている。シグナルロータ17の側方近傍にはクランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)25が配置されている。クランクポジションセンサ25は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト15が回転する度にシグナルロータ17の突起17aに対応する検出信号(パルス)を出力する。
エンジン1のシリンダブロック1cには、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ21と、エンジン1のシリンダブロック1cに伝わるエンジン振動を検出するノックセンサ22とが配置されている。水温センサ21は、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する。また、この例に用いるノックセンサ22は、例えばフラットセンサ(非共振型ノックセンサ)であって、エンジン振動の広い周波数範囲にわたって略フラットな出力特性を有する。
ピストン1bの頂面の上側には燃焼室1aが形成されている。より詳しくは、この燃焼室1aは、シリンダブロック1cの上部に取り付けられたシリンダヘッド1dの下面と、シリンダボア1eの内壁面と、ピストン1bの頂面とにより区画形成されている。
シリンダヘッド1dには、燃焼室1aへ空気を導入する吸気ポート11aと、燃焼室1aから排気ガスを排出する排気ポート12aとが形成されている。また、シリンダヘッド1dには、吸気ポート11aおよび排気ポート12aをそれぞれ開閉する吸気バルブ13および排気バルブ14がシリンダ中心線を挟んで対向配置されている。これら吸気バルブ13および排気バルブ14の開閉駆動は、クランクシャフト15の回転が伝達される吸気カムシャフト(図示せず)および排気カムシャフト(図示せず)の各回転によって行われる。
また、シリンダヘッド1dには、先端が燃焼室1aに臨むように点火プラグ3が配置されている。点火プラグ3の点火タイミングはイグナイタ4によって調整される。イグナイタ4はECU(Electronic Control Unit)200によって制御される。加えて、シリンダヘッド1dにおける点火プラグ3の近傍には、燃焼室1a内の圧力(以下、筒内圧ともいう)を検出するための筒内圧センサ30が設けられている。
さらに、シリンダヘッド1dには燃料噴射用のインジェクタ2が配置されている。インジェクタ2には、燃料タンク(図示せず)から燃料ポンプ(図示せず)によって所定圧力の燃料が供給され、気筒内に燃料が直接噴射される。この噴射燃料は、燃焼室1a内で吸入空気と混合され、点火プラグ3によって点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室1a内での燃焼・爆発によりピストン1bが往復運動してクランクシャフト15が回転する。以上のエンジン1の運転状態はECU200によって制御される。
エンジン1の燃焼室1aには吸気通路11と排気通路12とが接続されている。吸気通路11は、吸気ポート11a、当該吸気ポート11aに接続される吸気マニホールド11b、当該吸気マニホールド11bに接続される吸気管11cなどによって構成されている。この吸気通路11には、上流側から順にエアクリーナ7、吸入空気量を検出する熱線式のエアフロメータ23、吸気温センサ24(エアフロメータ23に内蔵)、および、エンジン1の吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ5が配置されている。また、吸気通路11におけるスロットルバルブ5の下流側には、サージタンク11dが設けられている。エアフロメータ23は、エアクリーナ7を介して吸気通路11に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。スロットルバルブ5はスロットルモータ6によって駆動される。スロットルバルブ5の開度はスロットル開度センサ26によって検出される。
一方、排気通路12は、排気ポート12a、当該排気ポート12aに接続される排気マニホールド12b、当該排気マニホールド12bに接続される排気管12cなどによって構成されている。この排気通路12には三元触媒8が配置されている。三元触媒8は、酸素貯蔵能力を有し、排気ガスの空燃比がリーンであるときに過剰分の酸素を吸着し、排気ガスの空燃比がリッチであるときに不足分の酸素を放出することにより、燃焼室1aから排出される排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)および窒素酸化物(NOx)を浄化する。
三元触媒8の上流側の排気通路12には、フロントO2センサ(メインO2センサ)28が配置されている。フロントO2センサ28は、空燃比に対してリニアな特性を示すセンサである。また、三元触媒8の下流側の排気通路12にはリアO2センサ(サブO2センサ)29が配置されている。リアO2センサ29は、排気ガス中の酸素濃度に応じて起電力を発生するものであり、理論空燃比に相当する電圧(比較電圧)よりも出力が高いときはリッチと判定し、逆に比較電圧よりも出力が低いときはリーンと判定する。
また、エンジン1には、吸気通路11と排気通路12とを接続する排気還流通路(EGR通路)18が設けられている。このEGR通路18は、排気の一部(以下、EGRガスともいう)を適宜吸気通路11に還流させて燃焼室1aへ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。このEGR通路18には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ19と、EGR通路18を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ20とが設けられている。
−ECU−
ECU200は、図2に示すように、CPU201、ROM202、RAM203およびバックアップRAM204などを備えている。
ROM202は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。CPU201は、ROM202に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM203は、CPU201での演算結果や各センサから入力されたデータなどを一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM204は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータなどを記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU201、ROM202、RAM203およびバックアップRAM204は、バス207を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース205および出力インターフェース206と接続されている。
入力インターフェース205には、水温センサ21、ノックセンサ22、エアフロメータ23、吸気温センサ24、クランクポジションセンサ25、スロットル開度センサ26、アクセルペダル(図示せず)の踏込み量に応じた検出信号(アクセルON/OFFの検出信号も含む)を出力するアクセル開度センサ27、フロントO2センサ28、リアO2センサ29、および、筒内圧センサ30などが接続されている。
出力インターフェース206には、インジェクタ2、点火プラグ3のイグナイタ4、スロットルバルブ5のスロットルモータ6、および、EGRバルブ19などが接続されている。
そして、ECU200は、上記した各種センサの検出信号に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。
例えば、エンジン1の排気通路12(三元触媒8の上流側)に配置したフロントO2センサ28の出力に基づいてメインの空燃比フィードバック制御を実行する。また、エンジン1の排気通路12(三元触媒8の下流側)に配置したリアO2センサ29の出力に基づいてサブの空燃比フィードバック制御を実行する。
メイン空燃比フィードバック制御では、三元触媒8に流入する排気ガスの空燃比が制御目標空燃比に一致するように、インジェクタ2から気筒内に噴射する燃料噴射量を制御する。また、サブ空燃比フィードバック制御では、三元触媒8の下流に流出する排気ガスの空燃比が理論空燃比となるように、より具体的には、三元触媒8の下流側に配置されたリアO2センサ29の出力がストイキとなるように、メイン空燃比フィードバック制御の内容を補正する。これらの空燃比フィードバック制御を実行することにより、三元触媒8の下流側における空燃比を理論空燃比の近傍値に精度よく維持することができ、優れたエミッション特性を実現することができる。
また、ECU200は、KCS学習制御を含むエンジン1の点火時期制御を実行する。KCS学習制御は、エンジン1のノッキングの発生を抑制する制御であり、ノックセンサ22の出力信号に基づいてノッキングの発生の有無を判定し、その判定結果に基づいて点火時期をベース点火時期から遅角させるとともに、その点火時期の遅角量(KCS学習値)を学習する。
具体的には、クランクポジションセンサ25の出力信号から得られるエンジン回転数およびエアフロメータ23の出力信号から得られる吸入空気量に基づいて、予め設定されたマップを参照してベース点火時期を算出するとともに、ノックセンサ22からのノック信号のピーク値をノック判定レベルと比較してノック発生の有無を判定する。そして、ノック発生有りと判定したときには、点火時期をベース点火時期から遅角させることにより、混合気の燃焼速度を低下させて最高燃焼圧を低く抑えることで、ノッキングの発生を抑制する。さらに、点火時期の遅角量をKCS学習値として学習してRAM203やバックアップRAM204に記憶する。なお、このKCS学習制御において遅角量は、ノッキングが発生しているときには点火時期が遅角されるように学習され、また、ノッキングが生じていないときには点火時期が徐々に進角されるように学習される量である。
ここで、ベース点火時期は、エンジン回転数および負荷などのエンジン1の運転状態に基づいて、標準的な環境条件下においてノックを生じさせない最も進角側の点火時期のことである。また、エンジン1の負荷は、アクセル開度やエアコン負荷、電気負荷などから求められる要求負荷(要求発生トルク)のことであり、例えば、エアフロメータ23の出力信号から得られる吸入空気量に基づいてマップを参照して算出する。なお、エンジン1の負荷は、吸入空気量およびエンジン回転数に基づいて算出してもよい。
−エンジンの燃焼状態診断−
本実施形態のエンジン1では、上述の如く、燃焼室1aにEGRガスを導入することにより、燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるようにしている。また、燃焼室1aにEGRガスを導入することにより、冷却損失やポンピングロスが低減するので、燃費を向上させることができる。しかしながら、吸気のEGR率が過剰に高くなると、燃焼が不安定化し、失火やトルク変動などの問題が生じる場合がある。
また、エンジン1では、定常状態であっても、筒内での混合気の燃焼の様子が燃焼サイクル毎に変化する燃焼変動が生じること、および、かかる燃焼変動は、燃焼が不安定なときに生じることが知られている。そうして、燃焼変動は筒内圧(燃焼圧)に反映されるところ、燃焼圧が十分でない状態において、大量のEGRガスが燃焼室1aに導入されると、燃焼がさらに不安定になり、機関トルクが低下してエンジンストール(以下、エンストともいう)が発生するおそれがある。
このため、ECU(燃焼状態診断装置)200は、エンストの発生を抑えるべく、エンジン1の燃焼状態を診断するように構成されている。具体的には、ECU200は、燃焼サイクル(以下、単にサイクルともいう)における熱発生率波形に関するパラメータに対して設定される上限値(第3閾値)UBおよび下限値(第4閾値)LBと、各サイクルの実熱発生率と、を取得し、定常状態において、実熱発生率に係るパラメータが上限値UBを上回った場合または下限値LBを下回った場合に、エンストが発生すると判定するように構成されている(第1燃焼状態診断)。以下、この第1燃焼状態診断について説明する。
先ず、「熱発生率波形に関するパラメータ」とは、熱発生率波形を特徴付けるパラメータを意味する。具体的には、「熱発生率波形に関するパラメータ」は、図3(a)に示すような熱発生率波形のピーク値、図3(b)に示すような熱発生率波形の位相(燃焼重心に達する時期)、図3(c)に示すような熱発生率波形の勾配(熱発生率の変化割合)、図3(d)に示すような熱発生率波形が囲む面積(積分値)の少なくとも1つを含む。なお、以下では、「熱発生率波形に関するパラメータ」として熱発生率波形のピーク値を採用した場合について説明する。
そうして、「熱発生率波形に関するパラメータに対して設定される上限値UB」とは、実熱発生率波形に関するパラメータが、当該上限値UBを上回れば確実にエンストが発生すると見做せる閾値である(図4参照)。一方、「熱発生率波形に関するパラメータに対して設定される下限値LB」とは、実熱発生率波形に関するパラメータが、当該下限値LBを下回れば確実にエンストが発生すると見做せる閾値である(図4参照)。なお、これら上限値UBおよび下限値LBは、例えば経験や、実験や、シミュレーション結果などに基づいて求めることが可能であり、噴射される燃料量に対応する上限値UBおよび下限値LBが予めROM202に記憶されている。そうして、CPU201は、これら上限値UBおよび下限値LBを必要に応じて参照(取得)するようになっている。
熱発生率と筒内圧とには相関があることから、ECU200は、筒内圧センサ30によって検出された筒内圧に基づいて、気筒毎に各サイクルの実熱発生率を推定(取得)する。なお、筒内圧センサ30によって検出された筒内圧力データには、電気的なノイズや、筒内圧の変化に伴って筒内圧センサ30と燃焼室1aとの間で発生する気柱振動によるノイズなどによる誤差が含まれるおそれがある。それ故、筒内圧力データを、高速フーリエ変換を用いた周波数解析し、各周波数帯の筒内圧スペクトルを得た後、ノイズの原因であるバンドをフィルタによって排除して実熱発生率推定に必要なバンドのみを抽出し、これを逆高速フーリエ変換によってフィルタリングし、フィルタリングされた筒内圧力データにより、実熱発生率を算出するようにしてもよい。
各サイクルの実熱発生率が得られると、ECU200は、各サイクルの実熱発生率波形のピーク値(以下、実ピーク値ともいう)Ptが、上限値UB以下且つ下限値LB以上か否か、すなわち、上限値UBと下限値LBによって規定されるピーク幅に収まっているか否かを確認する。そうして、ECU200は、実ピーク値Ptが上限値UBを上回った場合(図4の破線参照)、または、下限値LBを下回った場合(図4の細実線参照)に、エンストが発生すると判定する。
このように、ECU200は、単一のサイクルにおける実ピーク値Ptが、上限値UBを上回った場合または下限値LBを下回った場合に、エンストの発生を予測するが、エンスト発生の原因によっては、エンスト発生の兆候として、複数のサイクルにおいて実ピーク値Ptが一定の傾向を示す場合がある。換言すると、エンスト発生の兆候は、エンスト発生の原因に応じて区々であり、1つのサイクルにおいて実ピーク値Ptが上限値UBまたは下限値LBを超えなくても、複数のサイクルにおいて実ピーク値Ptが一定の傾向を示せば、エンストの発生を予測できる場合もある。
そこで、ECU200は、サイクルにおける熱発生率波形のピーク値に対して設定される上限側の第1閾値T1および下限側の第2閾値T2と、各サイクルの実熱発生率とを取得する。そうして、ECU200は、定常状態において、同一気筒で、前回のサイクルにおける実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回り、且つ、今回のサイクルにおける実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回った場合、または、前回のサイクルにおける実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回り、且つ、今回のサイクルにおける実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回った場合には、エンスト発生の兆候があると判定するように構成されている(第2燃焼状態診断)。なお、「前回のサイクル」が、本発明における「n−1回目のサイクル」(nは2以上の整数)に相当し、「今回のサイクル」が本発明における「n回目のサイクル」に相当する。
ここで、「上限側の第1閾値T1」とは、上限値UBよりも小さく設定される値である(図4参照)。この第1閾値T1は、上限値UBとは異なり、実ピーク値Ptが当該第1閾値T1を上回っても、それだけではエンストが発生するとの判定はされないが、実ピーク値Ptが当該第1閾値T1を上回れば、正常な燃焼(通常燃焼)よりも大きな燃焼が生じていると見做せる値である。
一方、「下限側の第2閾値T2」とは、下限値LBよりも大きく設定される値である(図4参照)。この第2閾値T2は、下限値LBとは異なり、実ピーク値Ptが当該第2閾値T2を下回っても、それだけではエンストが発生するとの判定はされないが、実ピーク値Ptが当該第2閾値T2を下回れば、通常燃焼よりも小さな燃焼が生じていると見做せる値である。
これら第1閾値T1および第2閾値T2は、例えば経験や、実験や、シミュレーション結果などに基づいて求めることが可能であり、噴射される燃料量に対応する第1閾値T1および第2閾値T2が予めROM202に記憶されている。そうして、CPU201が必要に応じて参照(取得)するようになっている。
これら第1閾値T1および第2閾値T2の具体的な設定の仕方としては、例えば、同一気筒における連続した複数回のサイクルでの実熱発生率およびその波形のピーク値を算出するとともに、複数の実熱発生率の平均波形または理想波形から基準ピーク値を算出する。そうして、複数の実ピーク値Ptを、基準ピーク値以上の実ピーク値Ptと、基準ピーク値未満の実ピーク値Ptとに振り分け、基準ピーク値以上の実ピーク値Ptの平均値を第1閾値T1とし、基準ピーク値未満の実ピーク値Ptの平均値を第2閾値T2としてもよい。なお、熱発生率波形に関するパラメータとして、熱発生率波形の位相を採用する場合には、基準位相よりも進角側(基準位相と同じ位相を含む)の実位相(実熱発生率波形の位相)の平均値を第1閾値T1とし、基準位相よりも遅角側の実位相の平均値を第2閾値T2としてもよい。
また、第1閾値T1および第2閾値T2の別の設定の仕方としては、例えば、複数の実熱発生率の平均波形または理想波形から基準ピーク値を算出するとともに、かかる基準ピーク値の0.6〜0.7倍の値を第2閾値T2とし、基準ピーク値の1.5〜1.6倍の値を第1閾値T1としてもよい。
そうして、ECU200は、同一気筒において、実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回った後(または第2閾値T2を下回った後)、次のサイクルで実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回った(または第1閾値T1を上回った)場合には、エンスト発生の兆候があると判定するが、このような判定を行うのは以下の理由による。
すなわち、1つの気筒において燃焼が安定していれば、サイクル間における実熱発生率の変動は小さく、各サイクルにおける実ピーク値Ptは、第1閾値T1と第2閾値T2とで規定されるピーク幅に収まり易い。裏を返せば、各サイクルにおける実ピーク値Ptが、第1閾値T1を上回ったり、第2閾値T2を下回ったりした場合には、当該気筒において燃焼が安定しておらず、エンスト発生の可能性が高いと言える。
もっとも、実ピーク値Ptが第1閾値T1を1回でも上回れば(または第2閾値T2を1回でも下回れば)、エンスト発生の兆候があると判定したのでは、誤判定が生じるおそれがある。一方、実ピーク値Ptが上限値UBを上回る(または下限値LBを下回る)まで、エンスト発生の兆候がないとするのでは、判定が遅れる場合がある。
そこで、ECU200は、図5(a)および(b)に示すように、同一気筒において、前回のサイクルの実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回り、且つ、今回のサイクルの実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回った場合、換言すると、規模燃焼の次に規模燃焼が起こった場合に、エンスト発生の兆候があると判定するように構成されている。同様に、ECU200は、図5(c)および(d)に示すように、同一気筒において、前回のサイクルの実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回り、且つ、今回のサイクルの実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回った場合、換言すると、規模燃焼の次に規模燃焼が起こった場合に、エンスト発生の兆候があると判定するように構成されている。
このように、実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回る燃焼(大規模燃焼)(図4の一点鎖線参照)と、実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回る燃焼(小規模燃焼)(図4の二点鎖線参照)とが交番的に生じた場合には、サイクル間変動が大きいことから、これらが単発的に生じた場合に比して、エンスト発生の可能性が飛躍的に高まる。また、大規模燃焼と小規模燃焼とが1回でも交番的に生じた場合には、エンスト発生の兆候があると判定することから、エンスト発生の可能性を早期に認識することができる。
特に、同一気筒における小規模燃焼の後の大規模燃焼は、以下の理由から、失火サイクル発生後の燃焼と見做すことができるとともに、エンスト発生の原因を燃料供給量低下に特定することが可能となる。すなわち、エンジン1の内部には、燃料やエンジンオイルの不完全燃焼生成物であるデポジットが堆積し易く、かかるデポジットがインジェクタ2のノズルに堆積すると、有効噴霧量が減少(燃料供給量が低下)する場合がある。また、一般にアルコールは低温では気化し難いため、アルコールを含有したガソリンを使用する場合には、有効噴霧量が減少する場合がある。そうして、デポジットやアルコール含有などにより有効噴霧量が減少すると、失火が発生する可能性が高くなり、失火が発生した場合には実熱発生率のピーク値が低い小規模燃焼が生じる。なお、本実施形態では、混合気に着火しなかった場合や混合気に着火した後で火炎伝播が行われずに消炎した場合のみならず、火炎伝播が行われたが混合気が多く残った状態で火炎が消えた場合も「失火」に含む。
このように前回のサイクルで失火が発生すると、今回のサイクルでは、新たに供給される燃料(噴霧)に加えて、着火性の高い未燃噴霧も供給されることから、実熱発生率のピーク値が高い大規模燃焼が生じる可能性が高い。つまり、回のサイクルにおいて大規模燃焼が生じているということは、燃焼状態が良好であるのではなく、前のサイクルにおいて失火が発生している蓋然性が高く、しかも、その失火の原因が有効噴霧量の減少(燃料供給量の低下)である蓋然性が高い。なお、第1燃焼状態診断において、実ピーク値Ptが上限値UBを上回った場合に、エンストが発生すると判定するのも、これと同じ理由による。
このように、ECU200は、実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回る燃焼と、実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回る燃焼とが交番的に生じた場合には、エンスト発生の兆候があると判定するようにしているが、その逆の現象が常に成り立つ訳ではない。すなわち、エンスト発生の兆候があるからといって、実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回る燃焼と、実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回る燃焼とが、常に交番的に生じる訳ではなく、例えば、大規模燃焼または小規模燃焼が数回連続で起こったり、正常な燃焼(通常燃焼)を挟んで大規模燃焼と小規模燃焼とが頻繁に起こったりする場合も想定される。
そこで、ECU200は、同一気筒における所定回のサイクルのうち、実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回った回数、または、実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回った回数が、所定の基準回数以上となった場合に、エンスト発生の兆候があると判定するように構成されている(第3燃焼状態診断)。
この第3燃焼状態診断によれば、同一気筒において、実パラメータが、第1閾値T1を上回った頻度または第2閾値T2を下回った頻度が所定頻度以上となった場合に、エンスト発生の兆候があると判定することから、小規模燃焼と大規模燃焼とが交番的に生じない場合にも、エンスト発生の兆候が現れた場合の認識漏れを可及的に抑えることができる。
以上のように、本実施形態によれば、単発的に(第1燃焼状態診断)、交番的に(第2燃焼状態診断)、および、頻度に基づいて(第3燃焼状態診断)という具合に、エンスト発生およびその兆候を多角的に監視することが可能となるので、エンスト発生の予測精度を確実に向上させることができる。
−エンスト発生またはその兆候予測後の具体的な制御−
上記第1〜第3燃焼状態診断により、エンスト発生またはその兆候ありとの判定を行った場合には、ECU200は、気筒内のEGR量を減少させ、または、気筒内のEGR量を減少させるとともに、点火時期を進角させる。
具体的には、ECU200は、ラフアイドル的な状態(例えば第2または第3燃焼状態診断でエンスト発生の兆候ありと判定した場合)であれば、EGRバルブ19を絞る(閉じ側に制御する)ことによって、燃焼室1aに導入されるEGRガス量を減少させる。
また、ECU200は、燃焼変動が急峻な状態(例えば第1燃焼状態診断でエンストが発生すると判定した場合)であれば、早急に燃焼を安定させるべく、気筒内のEGR量を減少させるのに加えて、KCS学習制御によって点火時期をベース点火時期から遅角させている場合には、KCS学習制御を一時的に停止するとともに、イグナイタ4に指令を出して点火時期を進角させる。
なお、これらはあくまでも例示であり、エンスト発生またはその兆候ありとの判定を行った場合には、燃料噴射量を増大させてトルクアップを図ってもよいし、また、排気バルブ14の閉時期を遅角させて、気筒内に残留させるEGR量を減少させるようにしてもよい。
−燃焼状態診断ルーチン−
次に、本実施形態に係る燃焼状態診断の手順を図6のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップS1では、ECU200が、筒内圧センサ30によって検出された筒内圧に基づいて、今回のサイクルの実熱発生率を推定して、今回のサイクルの実ピーク値Ptを取得する。
次のステップS2では、ECU200が、ROM202に記憶されている上限値UBおよび下限値LBを参照して、今回のサイクルの実ピーク値Ptが下限値LB以上且つ上限値UB以下であるか否かを判定する。このステップS2の判定がNOの場合、すなわち、実ピーク値Ptが上限値UBを上回った場合、または、下限値LBを下回った場合には、ステップS8に進み、ECU200が、エンストが発生すると判定(エンストの発生を予測)した後、リターンする。一方、ステップS2の判定がYESの場合には、ステップS3に進む。
次のステップS3では、ECU200が、ROM202に記憶されている第2閾値T2を参照して、今回のサイクルの実ピーク値Ptが第2閾値T2以上か否かを判定する。このステップS3の判定がNOの場合、すなわち、実ピーク値Ptが第2閾値T2を下回った場合には、ステップS6に進む。
次のステップS6では、ECU200が、ROM202に記憶されている前回のサイクルの実ピーク値Plおよび第1閾値T1を参照して、前回のサイクルの実ピーク値Plが第1閾値T1を上回っていたか否かを判定する。このステップS6の判定がYESの場合、すなわち、前回のサイクルで大規模燃焼が発生し且つ今回のサイクルで小規模燃焼が発生(ステップS3の否定判定)した場合には、ステップS9に進み、ECU200が、エンスト発生の兆候ありと判定(エンスト発生の兆候を予測)した後、リターンする。一方、ステップS6の判定がNOの場合には、ステップS7に進む。
これに対し、ステップS3の判定がYESの場合には、ステップS4に進み、ECU200が、今回のサイクルの実ピーク値Ptが第1閾値T1を上回っているか否かを判定する。このステップS4の判定がNOの場合には、今回のサイクルの実ピーク値Ptが、第1閾値T1と第2閾値T2とによって規定されるピーク幅に収まっていることから、そのままリターンする。一方、このステップS4の判定がYESの場合には、ステップS5に進む。
次のステップS5では、ECU200が、前回のサイクルの実ピーク値Plが第2閾値T2を下回っていたか否かを判定する。このステップS5の判定がYESの場合、すなわち、前回のサイクルで小規模燃焼が発生し且つ今回のサイクルで大規模燃焼が発生(ステップS4の肯定判定)した場合には、ステップS9に進み、ECU200が、エンスト発生の兆候ありと判定した後、リターンする。一方、ステップS5の判定がNOの場合には、ステップS7に進む。すなわち、ステップS7へは、ステップS3→ステップS6またはステップS4→ステップS5において、今回のサイクルで小規模燃焼または大規模燃焼が発生したが、前回のサイクルと今回のサイクルにおいて、小規模燃焼と大規模燃焼とが交番的に発生しなかった場合に進むことになる。
次のステップS7では、ECU200が、第1閾値T1または第2閾値T2と今回のサイクルの実ピーク値Ptとの比較結果を加えることによって、所定回のサイクルにおける小規模燃焼または大規模燃焼が生じた回数が基準回数以上になったか否かを判定する。このステップS7の判定がYESの場合、すなわち、小規模燃焼または大規模燃焼が生じた頻度が基準値以上となった場合には、ステップS9に進み、ECU200が、エンスト発生の兆候ありと判定した後、リターンする。一方、ステップS7の判定がNOの場合には、そのままリターンする。
(変形例1)
上述した実施形態では、予めROM202に記憶された第1閾値T1および第2閾値T2をそのまま用いて、第2燃焼状態診断および第3燃焼状態診断を行うようにした。本変形例では、制御の当初は、予めROM202に記憶された第1閾値T1および第2閾値T2を用いるが、サイクルが行われるに伴って燃焼状態を反映させながら第1閾値T1および第2閾値T2を更新する制御を行うようにしている。
本実施形態のガソリンエンジン1では、上述の如く、NOx発生量の低減や、冷却損失やポンピングロスを低減させて燃費を向上るため、燃焼室1aにEGRガスを導入するとともに、空燃比をストイキに制御しなければならない。このように、ガソリンエンジン1には、制約が多いため、ディーゼルエンジンに比して燃焼が不安定になり易い。また、上述の如く、筒内圧センサ30によって検出された筒内圧力データには、電気的なノイズや、筒内圧の変化に伴って筒内圧センサ30と燃焼室1aとの間で発生する気柱振動によるノイズなどによる誤差が含まれるおそれがある。このため、ガソリンエンジン1では、燃焼状態が良好であっても第1閾値T1を上回ったり、第2閾値T2を下回ったりする可能性があるため、燃焼状態が良好であるにも拘わらず、エンスト発生の兆候ありとの誤判定が生じるおそれがある。
そこで、ECU200は、所定回のサイクルにおける実ピーク値Ptの平均値を、サイクルが行われる度に取得するとともに、取得した実ピーク値Ptの平均値を比較することによって同一気筒における燃焼状態の傾向を推定する。そうして、サイクルが行われる度に燃焼状態が悪化する傾向にある場合には、第1閾値T1を下げるとともに第2閾値T2を上げる一方、サイクルが行われる度に燃焼状態が良化する傾向にある場合には、第1閾値T1を上げるとともに第2閾値T2を下げる。
例えば、lとmを正の整数として、1回目からm回目までのm回(所定回)のサイクルにおける実ピーク値Ptの平均値を取得した後、m+1回目のサイクルが行われると、2回目からm+1回目までのm回のサイクルにおける実ピーク値Ptの平均値を取得し、・・・m+l回目のサイクルが行われると、l+1回目からm+l回目までのm回のサイクルにおける実ピーク値Ptの平均値を取得するといった具合に、サイクルが行われる度に実ピーク値Ptの移動平均値を取得する。このようにして取得した実ピーク値Ptの移動平均値同士を比較することで、同一気筒における燃焼状態が、サイクルが行われる度に悪化する傾向にあるのか、良化する傾向にあるのかを推定する。
そうして、例えば図7(a)に示すように、サイクルが行われる度に実ピーク値Ptの移動平均が小さくなる場合(または大きくなる場合でもよい)、すなわち、燃焼状態が悪化する傾向にある場合には、判定基準を厳しくすべく、第1閾値T1を下げるとともに第2閾値T2を上げることで、ピーク幅を狭くする。一方、例えば図7(b)に示すように、サイクルが行われる度に実ピーク値Ptの移動平均が第1閾値T1と第2閾値T2との中間値に近づくような場合、すなわち、燃焼状態が良化する傾向にある場合には、判定基準を緩くすべく、第1閾値T1を上げるとともに第2閾値T2を下げることで、ピーク幅を広くする。
このようにすれば、サイクルが行われる度に燃焼状態が悪化する傾向にある場合には、ピーク幅が狭く設定されるので、早い段階でエンスト発生の兆候があると判定することができる。一方、サイクルが行われる度に燃焼状態が良化する傾向にある場合には、ピーク幅を広くすることから、ディーゼルエンジンに比して燃焼が不安定になり易いガソリンエンジン1において、燃焼状態が良好であるにも拘わらず、エンスト発生の兆候ありとの誤判定が生じるのを抑えることができる。
(変形例2)
上述した実施形態および変形例1では、定常状態における同一気筒での燃焼状態を診断対象としたが、本変形例では、過渡状態における4つの気筒間におけるばらつきを検出するようにしている。
過渡状態においては、定常状態とは異なり、1つの気筒におけるサイクル間の燃焼変動を比較するだけでは、燃焼状態を把握することは困難である。そこで、ECU200は、所定回のサイクルにおける実ピーク値Ptの平均値を気筒毎に取得するとともに、取得した実ピーク値Ptの平均値を気筒間で比較することによって、気筒間ばらつきを判定するように構成されている。
より詳しくは、ECU200は、上述した実施形態および/または変形例1に係る燃焼状態診断を行うことで、4つの気筒のうち、定常状態において最も燃焼状態が良好な1つの気筒を標準気筒として設定する。そうして、当該標準気筒の実ピーク値Ptの平均値と、他の気筒の実ピーク値Ptの平均値とを比較することで、換言すると、標準気筒における実ピーク値Ptの平均値に対して、他の気筒における実ピーク値Ptの平均値がどれだけ離れているか等を検出することで、複数の気筒のうち燃焼状態が悪化している気筒を特定する。これにより、過渡状態においても、4つの気筒のうち燃焼状態が悪化している(または悪化する傾向にある)気筒を容易に特定することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神または主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、筒内直噴型ガソリンエンジン1に本発明を適用したが、これに限らず、ポート噴射型ガソリンエンジンにも適用可能である。また、ディーゼルエンジンにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、EGR通路18を用いてEGRガスを吸気通路11に還流させて燃焼室1aへ再度供給するようにしたが、これに限らず、一旦排気通路12に排出された排気ガスを気筒に再吸入するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、熱発生率波形に関するパラメータとして、波形のピーク値、波形の位相、波形の勾配、波形が囲む面積を挙げたが、これらは例示であり、他のパラメータを用いてもよい。
また、上記実施形態では、今回のサイクルと前回のサイクルとにおいて、小規模燃焼と大規模燃焼とが交番的に生じているか否かを確認するようにしたが、これに限らず、例えば、複数回のサイクルからデータを抽出して、n−1回目のサイクルとn回目のサイクルにおいて、小規模燃焼と大規模燃焼とが交番的に生じているか否かを確認するようにしてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、エンスト発生の予測精度を向上させることができるので、内燃機関の燃焼状態を診断する燃焼状態診断装置に適用して極めて有益である。
1 エンジン(内燃機関)
200 ECU(燃焼状態診断装置)

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃焼状態を診断する燃焼状態診断装置であって、
    サイクルにおける熱発生率波形に関するパラメータに対して設定される上限側の第1閾値および下限側の第2閾値と、各サイクルの実熱発生率と、を取得し、
    定常状態において、同一気筒で、n−1回目(nは2以上の整数)のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第1閾値を上回り、且つ、n回目のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第2閾値を下回った場合、または、n−1回目のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第2閾値を下回り、且つ、n回目のサイクルにおける実熱発生率に係る上記パラメータが上記第1閾値を上回った場合に、エンジンストール発生の兆候があると判定するとともに、定常状態において、同一気筒での所定回のサイクルのうち、実熱発生率に係る上記パラメータが上記第1閾値を上回った回数、または、実熱発生率に係る上記パラメータが上記第2閾値を下回った回数が、所定の基準回数以上となった場合にも、エンジンストール発生の兆候があると判定することを特徴とする燃焼状態診断装置。
  2. 上記請求項に記載の燃焼状態診断装置において、
    サイクルにおける熱発生率波形に関するパラメータに対して設定される、上記第1閾値よりもさらに上限側の第3閾値と、上記第2閾値よりもさらに下限側の第4閾値と、を取得し、
    定常状態において、実熱発生率に係る上記パラメータが、上記第3閾値を上回った場合、または、上記第4閾値を下回った場合に、エンジンストールが発生すると判定することを特徴とする燃焼状態診断装置。
  3. 上記請求項1または2に記載の燃焼状態診断装置において、
    上記パラメータは、上記波形のピーク値、上記波形の位相、上記波形の勾配および上記波形の面積の少なくとも1つを含むことを特徴とする燃焼状態診断装置。
  4. 上記請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃焼状態診断装置において、
    定常状態において、同一気筒での所定回のサイクルにおける実熱発生率波形に関するパラメータの平均値を、サイクルが行われる度に取得するとともに、取得した当該パラメータの平均値同士を比較することによって同一気筒における燃焼状態の傾向を推定し、
    サイクルが行われる度に燃焼状態が悪化する傾向にある場合には、第1閾値を下げるとともに第2閾値を上げる一方、サイクルが行われる度に燃焼状態が良化する傾向にある場合には、第1閾値を上げるとともに第2閾値を下げることを特徴とする燃焼状態診断装置。
  5. 上記請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃焼状態診断装置において、
    過渡状態において、所定回のサイクルにおける実熱発生率波形に関するパラメータの平均値を気筒毎に取得するとともに、取得した当該パラメータの平均値を気筒間で比較することによって、気筒間ばらつきを判定することを特徴とする燃焼状態診断装置。
  6. 上記請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃焼状態診断装置において、
    エンジンストール発生またはエンジンストール発生の兆候があると判定した場合には、気筒内のEGR量を減少させることを特徴とする燃焼状態診断装置。
  7. 上記請求項に記載の燃焼状態診断装置において、
    エンジンストール発生またはエンジンストール発生の兆候があると判定した場合には、点火時期を進角させることを特徴とする燃焼状態診断装置。
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