JP6009864B2 - 企業評価システム、企業評価方法及び企業評価プログラム - Google Patents
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Description
請求項1、8、9に記載の発明によれば、制御手段が、財務情報記憶手段から、キャッシュ・フロー情報及び利益情報を取得する。制御手段が、取得したキャッシュ・フロー情報及び利益情報に基づいて、リスク評価マトリックスにおいて各企業が属するエリアを特定し、倒産企業情報を用いて、エリアに基づく高リスク範囲を規定する条件を高リスク範囲記憶手段に記録する。制御手段が、評価対象企業の財務情報から、リスク評価マトリックスにおいて評価対象企業が属するエリアを特定し、このエリアと高リスク範囲を規定する条件とを用いて、評価対象企業の評価結果を出力する。これにより、キャッシュ・フロー情報及び利益情報と、実際に倒産した企業の情報とから、企業リスクの評価を行なうので、より正確に企業リスクを評価することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では、株価下落による企業に対する投資リスクや企業の倒産リスク等の企業リスクを評価するための企業評価システムとして説明する。この企業評価システムは、評価対象の企業がリスク企業(倒産する可能性や経営不振により株価が下落する可能性がある企業)であるか否かを判定する。更に、本実施形態では、リスク企業と評価した場合には、倒産時期及び倒産確率についても評価する。なお、本実施形態では、倒産情報やキャッシュ・フロー情報を含む財務情報を取得できる上場企業に限定して評価する。また、本実施形態では、特殊性がある業種(例えば、金融・保険)は、評価対象には含めない。
企業評価手段212は、リスク評価マトリックスと各企業の財務情報とを用いて、評価対象の企業についてのリスクを評価する処理を実行する。
会社名データ領域には、この企業の企業名に関するデータが記録されている。
決算期データ領域には、各決算期に関するデータが記録されている。
営業CFデータ領域、投資CFデータ領域、財務CFデータ領域には、この決算期におけるこの企業の営業CF、投資CF、財務CFに関するデータが、それぞれ記録されている。
自己資本比率増減率データ領域には、この決算期における自己資本比率の増減率に関するデータが記録されている。
会社名データ領域には、この企業の企業名に関するデータが記録されている。
上場廃止日データ領域には、この企業が上場を廃止した年月日に関するデータが記録されている。
廃止理由データ領域には、企業が倒産した理由に関するデータが記録されている。本実施形態では、「更生手続の申立て」、「民事再生手続の申立て」、「破産の申立て」、「債務超過」等の理由を特定するためのデータが記録されている。
まず、マトリックス作成処理について、図3を用いて説明する。このマトリックス作成処理は、企業評価処理の前に実行する。本実施形態では、投資CF閾値及び財務CF閾値については、記憶している投資CF初期閾値及び財務CF初期閾値を用いる。
次に、企業評価処理について、図4を用いて説明する。この企業評価処理は、企業評価サーバ20が、クライアント端末10から、企業についてのリスク評価依頼を受信した場合に実行される。このリスク評価依頼には、リスク評価を行なう評価対象企業を特定する情報(企業識別子)が含まれる。
(1)本実施形態では、企業評価サーバ20の制御部21は、CFの相対的規模・利益の相対的規模の組み合わせを生成処理(ステップS1−5)、リスクが高い領域の記憶処理(ステップS1−6)を実行する。これにより、制御部21は、リスク評価マトリックスを生成し、このマトリックスの各エリア内の各領域に対してリスク識別情報と関連付けて、リスク評価記憶部24に記憶する。制御部21は、評価対象企業の財務情報を用いてリスク評価マトリックス上の範囲の特定処理(ステップS2−2)を実行し、リスク企業か否かの判定処理を実行し(ステップS2−4)、リスク評価結果の出力処理(ステップS2−9)を実行する。このため、実際に倒産した企業の各キャッシュ・フロー規格値と利益規格値とを用いて作成したリスク評価マトリックスから評価対象企業の支払能力を評価する。従って、経営不振の企業と、経営が安定している企業とを、簡便な方法で評価することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。本実施形態において、上記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の制御部21は、後述する処理(格付け値算出段階、評価範囲特定段階としてのクラス評価段階、企業評価段階等を含む処理)を行なう。そして、このための企業評価プログラムを実行することにより、制御部21は、格付け値算出手段、評価範囲特定手段としてのクラス評価手段、及び企業評価手段等として機能する。
企業評価手段は、企業の財務情報と、リスク評価マトリックスの重み付け値と、クラス評価結果とを用いて、評価対象の企業についてのリスクを評価する処理を実行する。
・該当する企業が稀である各エリア(第1類型(I)と第8類型(VIII)の領域)の重み付け値を、原則として「0」に設定する。ただし、第1類型で、かつ利益額がプラス(増加)の場合には、他に比べて倒産可能性が低いため、重み付け値を「0.5」に設定する。また、第8類型で、かつ利益額がマイナス(減少)の場合には、他に比べて倒産可能性が高いため、重み付け値を「−0.5」に設定する。
クラス情報記憶部は、クラスの評価結果を記憶した高リスク範囲記憶手段として機能する。このクラス情報記憶部には、クラス識別子、各クラスに分類される格付け値及び倒産可能性評価がそれぞれ関連付けられて記憶されている。クラス識別子には、例えば、AAA格、AA格、A格、BBB格、BB格、B格、CCC格、CC格以下等がある。各クラスに分類される格付け値は、例えば、AAA格であれば「3.00」、AA格であれば「2.90〜2.70」、A格であれば「2.62〜2.44」、BBB格であれば「2.40〜1.30」等である。更に、本実施形態では、倒産可能性評価として、「低リスク」、「中リスク」及び「高リスク」が用いられる。
まず、クラス評価処理について、図5(b)を用いて説明する。このクラス評価処理においては、分類されるクラスの範囲を決めるとともに、各クラスに属する企業の倒産可能性を評価する。
まず、企業評価サーバ20の制御部21は、各企業の財務情報の取得処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21のクラス評価手段は、財務情報記憶部22に記憶されている財務レコード220を抽出する。この場合、マトリックス作成手段211は、各業種の財務レコード220を抽出する。
そして、クラス評価手段は、各クラス識別子、各クラスに属する格付け値及び付与された倒産可能性評価を関連付けて、クラス情報記憶部に記録する。
次に、企業評価処理について説明する。この企業評価処理は、第1実施形態と同様に、企業評価サーバ20が、クライアント端末10から、企業についてのリスク評価依頼を受信した場合に実行される。
次に、企業評価サーバ20の制御部21は、評価対象企業の格付け値の算出処理を実行する。具体的には、制御部21の格付け値算出処理は、ステップS3−2と同様に、2次元マトリックスを用いた重み付け値の取得処理を、決算期毎に繰り返して実行する。そして、格付け値算出処理は、ステップS3−3と同様に、評価対象企業の格付け値の算出処理を実行する。
(4)本実施形態では、企業評価サーバ20の制御部21は、各企業のCF及び利益額を取得し、各CFと利益額との組合せの2次元マトリックスに対応するエリアを特定し、このエリアに関連付けられている重み付け値を取得する。制御部21は、取得した重み付け値を用いて格付け値を算出し、この格付け値を用いてクラス分類を行なう。制御部21は、分類されたクラス内において倒産企業割合を算出し、この倒産企業割合に基づいて各クラスの倒産可能性評価を付与して、クラス情報記憶部に記録する。制御部21は、評価対象企業の財務情報を取得し、この財務情報に基づいて評価対象企業が該当する2次元マトリックス上のエリアを特定し、このエリアに関連付けられている重み付け値を取得する。制御部21は、評価対象企業の重み付け値を用いて格付け値を算出し、この格付け値が属するクラスの倒産可能性評価を取得し、この倒産可能性評価に対応するメッセージをクライアント端末10に送信する。このため、各キャッシュ・フローと利益額とを要素とし、実際の倒産情報を用いて作成された2次元マトリックスを用いて、評価対象企業の支払能力を評価する。従って、経営不振の企業と、経営が安定している企業とを、簡便な方法で評価することができる。また、直近3期分という長期的なCF情報及び利益情報を用いて企業リスクを評価するため、より正確に企業リスクを評価することができる。
・ 上記第1実施形態のマトリックス作成処理においては、企業評価サーバ20の制御部21は、企業規模値として売上高を用いた。企業規模値としては、売上高に限られず、決算期における各企業の規模を特定できれば、他の企業規模値(例えば、総資産や自己資本等)であってもよい。
・ 上記第1実施形態においては、企業評価サーバ20の制御部21は、毎年、マトリックス作成処理を実行したが、マトリックス作成処理は、四半期毎に行なってもよい。
・ 上記第2実施形態においては、クラス識別子として、AAA格、AA格、…、CC格以下等を用いた。クラス識別子は、これに限定されず、他のクラス識別子(優、良、…、不可等のクラス識別子やZ1格、Z2格、…、Z10格のクラス識別子等)を用いてもよい。
・ 上記各実施形態においては、企業評価サーバ20の制御部21が企業についてのリスク評価に用いるCF情報は、財務情報公開サーバから新たに公開された場合に取得した。CF情報は、複数期の貸借対照表、損益計算書から作成できる。そこで、企業のCF情報を取得できない場合には、企業評価サーバ20の制御部21が、企業の損益決算書情報及び複数期の賃借対照表情報を取得し、これらの情報に基づいて、公知の手法により作成したCF情報を生成するようにしてもよい。これにより、企業のCF情報を取得できない場合にも、リスク評価を行なうことができる。
Claims (9)
- 企業毎に、決算期における営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー、財務キャッシュ・フローからなるキャッシュ・フロー情報及び利益情報を記憶した財務情報記憶手段と、
倒産した企業に関する倒産企業情報を記憶した倒産情報記憶手段と、
キャッシュ・フロー情報及び利益情報を2軸としたリスク評価マトリックスにおいて、倒産比率が高い高リスク範囲か否かの評価をするために用いるリスク評価マトリックスを記憶するマトリックス記憶手段と、
前記リスク評価マトリックスのエリアを用いて高リスク範囲を規定する条件を記憶する高リスク範囲記憶手段と
に接続された制御手段を備え、企業のリスク評価を行なうシステムであって、
前記制御手段が、
前記財務情報記憶手段から、各企業のキャッシュ・フロー情報及び利益情報を取得する手段と、
取得したキャッシュ・フロー情報及び利益情報に基づいて、前記リスク評価マトリックスにおいて各企業が属するエリアを特定し、前記倒産企業情報を用いて、エリアに基づく高リスク範囲を規定する条件を前記高リスク範囲記憶手段に記録する高リスク範囲特定手段と、
評価対象企業の財務情報から、前記リスク評価マトリックスにおいて前記評価対象企業が属するエリアを特定し、このエリアと前記高リスク範囲を規定する条件とを用いて、評価対象企業の評価結果を出力する評価手段と
を備えたことを特徴とする企業評価システム。 - 前記財務情報記憶手段には、企業毎に、決算期における企業規模値が記憶されており、
前記制御手段が、
前記財務情報記憶手段から、キャッシュ・フロー情報及び利益情報とともに企業規模値を取得し、企業毎に各キャッシュ・フローを企業規模値により除算したキャッシュ・フロー規格値と、企業毎に利益を前記企業規模値で除算した利益規格値とを算出する手段を更に備え、
前記高リスク範囲特定手段は、更に、前記キャッシュ・フロー規格値と前記利益規格値とから構成されたマトリックスの各エリアについて、倒産比率の高低を識別した識別情報を記録したリスク評価マトリックスを生成して前記マトリックス記憶手段に記録し、
前記評価手段は、評価対象企業のキャッシュ・フロー規格値と利益規格値とを算出し、前記リスク評価マトリックスにおいて前記評価対象企業が属するエリアを特定し、このエリアの高リスク範囲を規定する条件から前記評価対象企業の評価結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の企業評価システム。 - 前記評価手段は、
前記評価対象企業について複数期のキャッシュ・フロー情報及び利益情報を取得し、
複数期のキャッシュ・フロー規格値と利益規格値とを算出し、前記複数の決算期毎に、前記リスク評価マトリックスに対応する範囲を特定し、
複数の決算期において、前記評価対象企業が属するリスク評価マトリックスの範囲に基づいて、前記評価対象企業の評価結果を出力することを特徴とする請求項2に記載の企業評価システム。 - 前記財務情報記憶手段には、財務指標が記憶されており、
前記制御手段は、
前記評価対象企業の財務指標を取得する手段と、
前記リスク評価マトリックスにおいて、前記評価対象企業が属するエリアにおける倒産企業の財務指標を取得する手段とを更に備え、
前記評価手段は、前記評価対象企業の財務指標と前記エリアに属する倒産企業の財務指標とを比較した比較結果を算出し、この比較結果と前記特定した範囲とに応じた評価結果を出力することを特徴とする請求項2又は3に記載の企業評価システム。 - 前記リスク評価マトリックスの各エリアにおける倒産比率と、財務指標の比較結果とから倒産時期を予測するための倒産時期予測テーブルを備えており、
前記評価手段は、前記倒産時期予測テーブルを用いて、前記評価対象企業の財務指標と、前記エリアに属する倒産企業の財務指標との比較結果に応じた倒産時期を特定し、この倒産時期を前記評価結果に含めることを特徴とする請求項4に記載の企業評価システム。 - 前記高リスク範囲記憶手段には、クラス識別子に関連付けて、このクラス識別子によって特定されるクラスに属する企業の評価結果を記憶しており、
前記マトリックス記憶手段には、前記リスク評価マトリックスの各エリアに対応付けて重み付け値が関連付けられて記憶されており、
前記制御手段が、
前記財務情報記憶手段から取得した各企業の各キャッシュ・フロー情報及び利益情報から、前記リスク評価マトリックスにおいて各企業が属するエリアを特定し、このエリアに対応付けられた重み付け値を取得する手段と、
前記特定した重み付け値を用いて、企業毎の格付け値を算出する手段と、
前記算出した格付け値の順番に並べた各企業を、複数のクラスに分類する手段と、
前記倒産情報記憶手段から取得した倒産企業情報を用いて、各クラスに属する企業の倒産比率を算出して、この倒産比率に応じた各クラスの評価結果を、クラス識別子と関連付けて、前記高リスク範囲記憶手段に記録する手段とを更に備え、
前記評価手段は、
評価対象企業の各キャッシュ・フロー情報及び利益情報を用いて、この評価対象企業が属するエリアの重み付け値を取得し、
この重み付け値を用いて評価対象企業の格付け値を算出し、
この格付け値が属するクラスを特定し、
このクラスのクラス識別子に関連付けられた評価結果を、前記高リスク範囲記憶手段から取得して、この評価対象企業についての評価結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の企業評価システム。 - 前記評価手段は、
前記評価対象企業の複数期のキャッシュ・フロー情報及び利益情報を用いて、前記複数の決算期毎に、前記リスク評価マトリックスにおいて前記評価対象企業が属するエリアを特定し、特定したエリアの重み付け値を特定し、
複数の決算期において特定した重み付け値を用いて格付け値を算出することを特徴とする請求項6に記載の企業評価システム。 - 企業毎に、決算期における営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー、財務キャッシュ・フローからなるキャッシュ・フロー情報及び利益情報を記憶した財務情報記憶手段と、
倒産した企業に関する倒産企業情報を記憶した倒産情報記憶手段と、
キャッシュ・フロー情報及び利益情報を2軸としたリスク評価マトリックスにおいて、倒産比率が高い高リスク範囲か否かの評価をするために用いるリスク評価マトリックスを記憶するマトリックス記憶手段と、
前記リスク評価マトリックスのエリアを用いて高リスク範囲を規定する条件を記憶する高リスク範囲記憶手段と
に接続された制御手段を備えた企業評価システムを用いて、企業のリスク評価を行なう方法であって、
前記制御手段が、
前記財務情報記憶手段から、各企業のキャッシュ・フロー情報及び利益情報を取得する段階と、
取得したキャッシュ・フロー情報及び利益情報に基づいて、前記リスク評価マトリックスにおいて各企業が属するエリアを特定し、前記倒産企業情報を用いて、エリアに基づく高リスク範囲を規定する条件を前記高リスク範囲記憶手段に記録する高リスク範囲特定段階と、
評価対象企業の財務情報から、前記リスク評価マトリックスにおいて前記評価対象企業が属するエリアを特定し、このエリアと前記高リスク範囲を規定する条件とを用いて、評価対象企業の評価結果を出力する評価段階と
を実行することを特徴とする企業評価方法。 - 企業毎に、決算期における営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー、財務キャッシュ・フローからなるキャッシュ・フロー情報及び利益情報を記憶した財務情報記憶手段と、
倒産した企業に関する倒産企業情報を記憶した倒産情報記憶手段と、
キャッシュ・フロー情報及び利益情報を2軸としたリスク評価マトリックスにおいて、倒産比率が高い高リスク範囲か否かの評価をするために用いるリスク評価マトリックスを記憶するマトリックス記憶手段と、
前記リスク評価マトリックスのエリアを用いて高リスク範囲を規定する条件を記憶する高リスク範囲記憶手段と
に接続された制御手段を備えた企業評価システムを用いて、企業のリスク評価を行なうプログラムであって、
前記制御手段を、
前記財務情報記憶手段から、各企業のキャッシュ・フロー情報及び利益情報を取得する手段、
取得したキャッシュ・フロー情報及び利益情報に基づいて、前記リスク評価マトリックスにおいて各企業が属するエリアを特定し、前記倒産企業情報を用いて、エリアに基づく高リスク範囲を規定する条件を前記高リスク範囲記憶手段に記録する高リスク範囲特定手段、及び
評価対象企業の財務情報から、前記リスク評価マトリックスにおいて前記評価対象企業が属するエリアを特定し、このエリアと前記高リスク範囲記憶手段に記憶した高リスク範囲を規定する条件とを用いて、評価対象企業の評価結果を出力する評価手段
として機能させることを特徴とする企業評価プログラム。
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