JP6008666B2 - 温度履歴管理時の異常変色忌避方法 - Google Patents

温度履歴管理時の異常変色忌避方法 Download PDF

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Description

本発明は、可塑剤が含有された樹脂を表層に有している被検温物の温度履歴を、変色によって表示する温度履歴管理材により管理する時に、可塑剤による異常変色を忌避する方法に関するものである。
被検温物の温度履歴を管理する方法として、熱電対や非接触温度計などの機器により、温度履歴を物理的に検出する方法が知られている。また、所期温度で溶融、分解、又は化学変化する化学物質を用いそれの直接的又は間接的な色調変化で温度を表示する温度履歴管理材により、温度履歴を視覚的に検知する方法が、知られている。
温度履歴管理材を用いれば、電線ケーブルや配電設備等の被検温物の温度や異常発熱を、目視可能な色調変化で検知して管理し記録することができる。温度履歴管理材として、特許文献1に、電線の接続部を被覆する合成樹脂製のキャップ本体に、温度上昇により変色する素材からなる温度センサを組み込んだ温度感知型絶縁キャップが開示されている。
特許文献2に、温度履歴管理材として、検知すべき温度に融点を有する粒状又は粉末状の熱溶融性物質と、それを非吸収性の印刷基材上に固着させる樹脂とを含む感温インキで、該印刷基材上に、該熱溶融性物質の熱溶融によって不可逆的に透明へ変色する感温変色層が形成されている不可逆性の温度管理材が、開示されている。
被検温物である電線ケーブルの接続部を被覆する樹脂絶縁体は、一般に塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で形成され、これに柔軟性や弾性を付与するために可塑剤が含有されている。図3に示すように、従来の温度履歴管理材2は、被検温物20中の可塑剤21が、温度履歴管理材2の裁断時に裁断刃で曳き延ばされてはみ出した粘着剤層32を介して長期間経過すると保護シート33で透過しないで次第に拡散して、液状化した熱溶融性物質の吸収層35を経て感温変色層34中の熱溶融性物質に接触し溶解されて、検知すべき温度を経ていないにも関わらず異常変色する(ルートA)。また、従来の温度履歴管理材2は、貼付層30・紙製基材31を介して(ルートB)、又は付着した水滴を介し若しくは揮発・昇華して(ルートC)、感温変色層34中の熱溶融性物質に接触し溶解されて、異常変色する。
この異常変色は、被検温物が検知すべき温度履歴を経たとの誤認を生じさせていた。
実開昭62−37173号公報 特開2005−291825公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、可塑剤が含有されている樹脂を表層に有している被検温物に温度履歴管理材を貼り付けても、その管理材が可塑剤によって異常変色しないで正確に温度履歴を検知できるようにした、温度履歴管理時の異常変色忌避方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた請求項1に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、検知すべき温度を融点とする粒状又は粉末状の熱溶融性物質が熱溶融することによって変色をする感温変色部材と、粘着部材とを、可塑剤非浸透性で可塑剤非含有の基材の上面に隙間を隔てて付してから保護シートで覆うとともに、前記基材の下面に非剥離性の貼付層を付して、形成した温度履歴管理材を、前記可塑剤が樹脂表層に含有されている被検温物に前記貼付層を介して貼り付け、前記変色により前記被検温物の温度履歴を管理する際に、前記隙間と前記基材とで前記感温変色部材と前記可塑剤とを隔離していることによって、前記感温変色部材に前記可塑剤が接触して前記変色に拠らない異常変色を引き起すことを忌避しつつ、前記温度履歴を管理することを特徴とする。
請求項2に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1に記載されたものであって、前記感温変色部材と前記粘着部材とを、前記隙間の幅が少なくとも0.5mmとなるように、付すことを特徴とする。
請求項3に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1又は2に記載されたものであって、前記基材を、セルロース類、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリスチレン類、塩酸ゴム類、ポリアミド類、フッ素樹脂類、ポリブテン類、ポリビニルブチラール類、ポリエチレンオキサイド類、ポリウレタン類、及びポリイミド類から選ばれる少なくとも一種類の材料で成形することを特徴とする。
請求項4に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1〜3のいずれかに記載されたものであって、前記粘着部材を、間欠して複数付すことを特徴とする。
請求項5に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1〜4のいずれかに記載されたものであって、前記温度履歴管理材を、少なくとも5mmの大きさに成形することを特徴とする。
請求項6に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1〜5のいずれかに記載されたものであって、前記温度履歴管理材を、5〜9mmの大きさに成形し、湾曲した前記被検温物に貼り付けることを特徴とする。
請求項7に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1〜6のいずれかに記載されたものであって、アクリル樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤、及びエチレン酢酸ビニル系樹脂粘着剤から選ばれる少なくとも一種類を含有する粘着部材用インキを付すことにより、前記粘着部材を形成することを特徴とする。
請求項8に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1〜7のいずれかに記載されたものであって、前記基材と前記感温変色部材との間に不変色性着色層を少なくとも一層形成することを特徴とする。
請求項9に記載された温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、請求項1〜8のいずれかに記載されたものであって、脂肪酸誘導体、アルコール誘導体、エーテル誘導体、アルデヒド誘導体、ケトン誘導体、アミン誘導体、アミド誘導体、ニトリル誘導体、炭化水素誘導体、チオール誘導体、及びスルフィド誘導体から選ばれる少なくとも一種類の前記熱溶融性物質を含有する感温変色部材用インキを付すことにより、前記感温変色部材を形成することを特徴とする。
請求項10に記載された異常変色忌避温度履歴管理材は、可塑剤が樹脂表層に含有されている被検温物に貼付層を介して貼り付けて、それの温度履歴を管理する温度履歴管理材であって、検知すべき温度を融点とする粒状又は粉末状の熱溶融性物質が熱溶融することによって変色をする感温変色部材と、粘着部材とが、前記可塑剤非浸透性で可塑剤非含有の基材の上面に隙間を隔てて付されて保護シートで覆われ、前記基材の下面に非剥離性の貼付層が付されており、前記隙間と前記基材とで前記感温変色部材と前記可塑剤とが、隔離されていることによって、前記感温変色部材に前記可塑剤が接触して前記変色に拠らない異常変色が温度管理時に引き起こされることを忌避していることを特徴とする。
本発明の温度履歴管理時の異常変色忌避方法によれば、可塑剤が含有された樹脂を表層に有している被検温物に貼り付けられた温度履歴管理材が、長期間経過後、又は高温高湿環境下で、その可塑剤を寄せ付けない。従って、温度履歴管理材が異常変色をせず、検知すべき温度に曝された時にのみ変色するので、被検温物が検知すべき温度履歴を経たか否かを目視によって簡便に正確に管理できる。
この温度履歴管理時の異常変色忌避方法に用いられる異常変色忌避温度履歴管理材は、小型で簡易な構造であるので、簡便に大量に製造できる。また、異常変色忌避温度履歴管理材は、所定の温度を超える温度履歴を経たか否かを明瞭な色調の変化によって、高温多湿条件でも長期間温度管理しても誤変色することなく、正確に表示することができるので、長期間使用できる。
本発明の温度履歴管理時の異常変色忌避方法の実施途中を示す模式断面図である。 本発明の温度履歴管理時の異常変色忌避方法に用いられる温度履歴管理材の例を示す平面図である。 本発明の温度履歴管理時の異常変色忌避方法を適用外であって温度履歴管時に異常変色した状態を示す模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の温度管理時の異常変色忌避方法を、図1を参照しながら、説明する。この温度管理時の異常変色忌避方法は、可塑剤21が含有された樹脂を表層に有している被検温物20の温度履歴を、色調の変化で表示する温度履歴管理材1により管理する時に、可塑剤21による温度履歴管理材1の異常変色を忌避するという工程を有するものである。
先ず、可塑剤21の非浸透性基材12の下面に、粘着剤からなる強粘着性で貼り付け後に非剥離性の貼付層13を付しておき、さらに剥離紙(不図示)で覆っておく。被検温物20の検知すべき温度を融点とする粒状又は粉末状の熱溶融性物質15とインキビヒクルとを含有する感温変色部材用インクを、印刷によって、基材12の上面で層状に付す。すると、熱溶融性物質15が熱溶融時に固液状態変化して乱反射した色調から透明な色調へ変化することにより不可逆的に変色する感温変色部材14が、形成される。
粘着剤を含有する粘着部材用インキを、感温変色部材14と重なったり接触したりせず隙間16で充分に隔たるように、可塑剤の非浸透性の基材12の上面で、感温変色部材14の周りに、印刷によって層状に付すと、粘着部材11が、形成される。
感温変色部材14と粘着部材11とを、隙間16ごと、保護シート10で覆い、感圧接着する。必要に応じ、被検温物20への貼り付けに適した大きさに、裁断すると、温度履歴管理材1が、得られる。
温度管理すべき被検温物20は、例えば金属ワイヤと、それを絶縁性の熱可塑性樹脂で被覆した被覆材やそれらを被覆して色別に表示する熱可塑性樹脂製マークチューブとからなる電線ケーブルである。それら被覆材やマークチューブの熱可塑性樹脂には、成型し易くするために可塑剤21が含有されている。被検温物20は、可塑剤21が含有された樹脂を表層に有しているため、可塑剤21の分子がその表層から一部露出したものである。この被検温物20の温度管理をするために、得られた温度履歴管理材1が、使用される。
この温度履歴管理材1から剥離紙を剥ぎ取り、貼付層13を露出させる。貼付層13を介して、温度履歴管理材1を被検温物20の樹脂表層へ貼り付けると、温度履歴管理が、可能となる。この時、隙間16と基材12とで、感温変色部材14と可塑剤21とが、非接触状態となって、隔離している。可塑剤21と感温変色部材14とが、その間での隙間16と基材12との介在によって、長期間経過しても高温多湿条件下に曝されても、接触しない。それによって、可塑剤21による感温変色部材14の異常変色を忌避している。
即ち、従来の温度履歴管理材1のように可塑剤21が経時的に感温変色部材14に接触したり浸入したりすると、感温変色部材14中の熱溶融性物質15が不意に可塑剤21中や感温変色部材14内の結着樹脂中に溶解されてしまう。すると、温度履歴管理材1が所定温度に加熱されていないにも関わらず、あたかも所定温度を経たかのような異常変色を起こしてしまうことになる。しかし、温度管理時の異常変色忌避方法によれば、隙間16と基材12とが、そのような異常変色を防止している。
従って、被検温物20の表層に存する可塑剤21は、経時的に貼付層13に浸透したとしても、可塑剤21の非浸透性基材12で遮蔽されて、感温変色部材14に到達しない。また、可塑剤21は、経時的に過熱等で被検温物20の表層から揮発又は昇華し又は粘着部材11と表層とに付着した水滴を通じて粘着部材11へ吸収され拡散したとしても、隙間16で遮蔽されて、感温変色部材14に到達しない。また、裁断して温度履歴管理材1が形成された時に裁断刃で粘着部材11が基材12からはみ出し貼付層13にまで曳き延ばされ、その結果、被検温物20の表層に存する可塑剤21が、経時的に貼付層13へ吸収され粘着部材11へ拡散したとしても、隙間16で遮蔽されて、感温変色部材14に到達しない。さらに、被検温物20の表層に可塑剤21が高濃度で存していても、可塑剤21の非浸透性基材12や隙間16で遮蔽されて、感温変色部材14に到達しない。
このように温度管理時の異常変色忌避方法は、可塑剤が樹脂表層に含有されている被検温物の温度管理時に、温度履歴管理材1が、様々な種類・濃度の可塑剤によって異常変色を引き起してしまうのを、防止するものである。
被検温物20の樹脂表層は、可塑剤21を含有する熱可塑性樹脂で形成されている。例えば、被検温物20の樹脂表層は、熱可塑性樹脂で形成される電線ケーブルの樹脂被覆材や、樹脂絶縁体、電線ケーブル識別用マークチューブである。熱可塑性樹脂は、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、及び架橋ポリエチレンが挙げられる。可塑剤21は、熱可塑性樹脂に添加して柔軟性や耐候性を向上させるもので、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、及び安息香酸エステルが挙げられる。このような可塑剤は、非水溶性のものである。可塑剤21は、熱可塑性樹脂に対し、1重量%以上含有される。可塑剤21は、熱可塑性樹脂に対し最大で50重量%も含有される。
この可塑剤による温度管理時の異常変色忌避方法は、隙間16の幅Lが、0.5mm以上となるように粘着部材11と感温変色部材14とを基材12の上面に付すと、可塑剤21が感温変色部材14に一層到達し難くなるので、好ましい。その幅Lが0.5mmより短いと、たとえ幾分か隙間16を有していても、粘着部材11へ浸透していた可塑剤21が、揮発や昇華によって感温変色部材14へ到達したり、保護シート10への押圧又は温度履歴管理材1の撓みや曲げによる隙間16への粘着部材11の押し拡がりによって、感温変色部材14へ接触したりして、異常変色を引き起こしてしまう。
温度管理時の異常変色忌避方法は、基材12が、セルロース、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンのようなポリオレフィン類;ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル類;ポリスチレン、ポリスチレン共重合体のようなポリスチレン類;塩酸ゴム類;ポリアミド類;フッ素樹脂類;ポリビニルブチラール類;ポリエチレンオキサイド類;ポリウレタン類;ポリイミドのうちのいずれか単独で若しくは複数混合し、又は共重合された樹脂製であって可塑剤非浸透性樹脂フィルムで、形成されていると、可塑剤21が感温変色部材14に到達し難くなるので、好ましい。このような基材は、可塑剤非含有であることが必要である。
また、基材12がこれらの樹脂フィルムであると、可撓性にも優れるので、温度履歴管理材1を、傷付けたり折り目を付けたりすることなく撓ませて、被検温物20の形状に追従して貼り付けることができる。さらに、基材12がこれらの樹脂フィルムであると、被検温物20が過熱され例えば紙が焦げる150〜180℃となっても、焦げたり焼けたり縮んでひび割れしたりすることがなく、可塑剤21が感温変色部材14に浸透しない。中でも、基材12が、ポリエチレンテレフタレートやポリイミドのような耐薬品性の樹脂フィルムで形成されていると、可塑剤21が感温変色部材14に一層到達し難くなるので、より一層好ましい。その中でも、基材12が、難燃性に優れたポリイミドの樹脂フィルムで形成されていると、なお一層好ましい。さらに、この基材12の厚さは、10〜30μmであることが好ましい。この範囲未満であると可塑剤21が浸透し感温変色部材14へ到達し易くなる。この範囲を超えると温度履歴管理材1の可撓性が悪くなり丸みがかった電線ケーブルに貼り付けたときに強く付勢されて剥げ易くなる。
温度管理時の異常変色忌避方法は、温度履歴管理材1を、少なくとも5mmの大きさに形成することが好ましい。5〜9mm四方の略四角形又は直径5〜9mmの円形に成形するとより一層好ましい。温度履歴管理材1が5mmより小さいと、隙間16の幅Lを少なくとも0.5mmに形成し難くなり、異常変色を忌避できない。一方9mmより大きいと、隙間16の幅Lを充分かつ確実に形成することができるようになるが、湾曲している被検温物20の表面に、温度履歴管理材1を撓ませて貼り付ける場合、平坦に戻ろうとする復元力が作用してしまい剥がれ易くなる。例えば被検温物20が直径12mmのマークチューブである場合、温度履歴管理材1は、6.5mm四方が好ましい。
温度管理時の異常変色忌避方法は、アクリル樹脂系粘着剤やゴム系粘着剤やエチレン酢酸ビニル系樹脂粘着剤を含有する粘着部材用インキで、基材12の上面に印刷されて、粘着部材11を形成するものであることが好ましい。粘着部材用インキが、アクリル樹脂系水性糊インキであるとより一層好ましい。このような印刷であると、粘着部材11を、感温変色部材14と重なったり接触したりせず隙間16で充分に隔たるように、感温変色部材14の周りに、少なくとも0.5mmの隙間16を正確かつ簡易に付すことが可能である。それによって、可塑剤21が感温変色部材14に浸透しないように、調整することができる。粘着部材11は、基材12の上面で、感温変色部材14と隙間16とを除く表面に均質に印刷して形成してもよい。粘着部材11は、図2(a)に示すようにドット模様状に印刷して間欠した隙間16を形成してもよく、角タイル模様状、水玉模様状、市松模様状などに印刷して間欠した隙間16を形成してもよい。同図(b)に示すように、粘着部材11は、感温変色部材14の周囲に同心円状に印刷して間欠した隙間16を形成してもよい。このような間欠した複数の隙間16を有していると、可塑剤21が感温変色部材14に一層浸透し難くなる。粘着部材11は、基材12の周辺まで印刷されていてもよいが、保護シート10を押圧したり又は温度履歴管理材1を撓ませ又は曲げたりしたときに、周縁から温度履歴管理材1外部へはみ出さないように、周縁から1mm程度内側を、未印刷としてもよい。
温度管理時の異常変色忌避方法は、脂肪酸誘導体、アルコール誘導体、エーテル誘導体、アルデヒド誘導体、ケトン誘導体、アミン誘導体、アミド誘導体、ニトリル誘導体、炭化水素誘導体、チオール誘導体、及びスルフィド誘導体のような熱溶融性物質15と必要に応じ結着樹脂のようなインキビヒクルや溶剤を含有する感温変色部材用インキを、基材12の上面に印刷して付すことによって、感温変色部材14を形成するものであることが好ましい。これら熱溶融性物質15が可塑剤21と接触してしまうと溶解し易いので異常変色を経時的に起こしてしまうが、隙間16と基材12とがその異常変色を防止している。
感温変色部材用インキで、所望の温度履歴管理材1の大きさよりも小さくなるように、基材12の中央で例えば0.5〜2mm程度の大きさに、丸、四角、図柄、又は文字として、印刷して、感温変色部材14を形成する。
得られた温度履歴管理材1が、経時的に可塑剤の影響を受けること無く、検知すべき温度に加熱された時にのみ変色する機構は、以下の通りである。感温変色部材14は、加熱前には熱溶融性物質15の粒又は粉末が光を乱反射するために白色のような不透明に観察される。加熱によって、一旦融点温度以上になると、熱溶融性物質15が熱溶融して透明に変化する。それに伴って、感温変色部材14は、透明に観察される。その後、融点より低い温度に冷却されると、熱溶融性物質15は、凝固するが、元の粒状又は粒子状に戻らないので、インキビヒクルとの間に空隙を生じることなく、アモルファスのような状態で透明なまま固化する。その結果、感温変色部材14は、光を乱反射し難くなり、当初の不透明な白色から透明へと変色し、もはや元の白色には戻らない。このとき、温度履歴管理材1は、感温変色部材14が透明になることによって基材12の色調が透けて観察されるようになり、色調の変化として、目視できるようになる。このような色調の変化は、可塑剤の影響で感温変色部材14の周りから経時的に徐々に変色する異常変色と異なり、感温変色部材14の全体の色調変化として観察されるものである。
感温変色部材14は、感温変色部材用インキ中に、粉末状又は粒子状であって、熱溶融した熱溶融性物質15へ溶解又は拡散できる色素を、含有させて、印刷によって形成してもよい。この場合、当初の低温時では、熱溶融性物質15が光を乱反射することによって色素が隠蔽されている。熱溶融性物質15が熱溶融すると、この色素が拡散して感温変色部材14が呈色するので、熱溶融前後における色彩の相違が明瞭になり、被検温物20が検知すべき温度を経たことを、より正確に視認できる。
感温変色部材14は、結着樹脂のようなインキビヒクルに対し、熱溶融性物質15を多量に含んでいる。感温変色部材14中、樹脂に対して熱溶融性物質15は、70〜95重量%含まれていることが好ましい。熱溶融性物質15が、この範囲であると、可塑剤の種類や濃度に拠らず、可塑剤の影響で感温変色部材14の周りから経時的に徐々に変色する異常変色を、引き起こさない。熱溶融性物質15がこの範囲よりも少ないと、熱溶融した熱溶融性物質15がインキビヒクルとの間に空隙を生じ、光の乱反射を生じて白色に戻ってしまい可逆的な色調変化となってしまう。一方、熱溶融性物質15がこの範囲よりも多いと、熱溶融性物質15に対して相対的にインキビヒクルが少な過ぎることになり、感温変色部材14を基材12へ十分に固着できなくなってしまう。
基材12と粘着部材11及び感温変色部材14との間に不変色性の着色層(不図示)を付してもよく、これに例えば検知すべき温度の数字等の文字や図形を印刷してもよい。これにより、感温変色部材14の変色を明瞭なものとして視認し易くしたり、経た具体的な温度を容易に認識したりできる。また、不変色性の着色層を複数積層して形成してもよく、この場合層ごとの色を変えてもよい。
熱溶融性物質15として用いる脂肪酸誘導体は、ミリスチン酸、パルミチン酸、アジピン酸、オクタン酸、トリコサン酸、テトラトリアコンタン酸、2,3−ジメチルノナン酸、23−メチルテトラコサン酸、2−ヘキセン酸、ブラシン酸、2−メチル−2−ドデセン酸、β−エレオステアリン酸、ベヘノール酸、cis−9,10−メチレンオクタデカン酸、ショールムーグリン酸、3,3’−チオジプロピオン酸−n−ドデシル、トリラウリン、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸アニリド、N−アセチル−L−グルタミン酸、カプロン酸−β−ナフチルアミド、エナント酸フェニルヒドラジド、アラキン酸−p−クロルフェナシル、ギ酸コレステリル、1−アセト−2,3−ジステアリン、チオラウリン酸−n−ペンタデシル、ステアリン酸塩化物、無水パルミチン酸、ステアリン酸−酢酸無水物、コハク酸、セバシン酸ベンジルアンモニウム塩、2−ブロム吉草酸、α−スルホステアリン酸メチルナトリウム塩、2−フルオルアラキン酸が挙げられる。
同じくアルコール誘導体は、オクタデシルアルコール、コレステリン、D−マンニット、ガラクチトール、ヘプタトリアコンタノール、ヘキサデカン−2−オール、1−trans−2−オクタデセノール、β−エレオステアリルアルコール、シクロエイコサノール、d(+)セロビオース、p,p’−ビフェノール、リボフラビン、4−クロロ−2−メチルフェノール、2−ブロモ−1−インダノールが挙げられる。
同じくエーテル誘導体は、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、シチジン、アデノシン、フェノキシ酢酸ナトリウム、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、アルミニウムトリエトキシドが挙げられる。
同じくアルデヒド誘導体は、ステアリンアルデヒド、パララウリルアルデヒド、パラステアリンアルデヒド、ナフトアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒドが挙げられる。
同じくケトン誘導体は、ステアロン、ドコサン−2−オン、フェニルヘプタデシルケトン、シクロノナデカン、ビニルヘプタデシルケトン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、ビス(2,4−ペンタンジオナイト)カルシウム、1−クロロアントラキノンが挙げられる。
同じくアミン誘導体は、トリコシルアミン、ジオクタデシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、ヘプタデカメチレンイミン、ナフチルアミン、p−アミノ安息香酸エチル、o−トリチオ尿素、スルファメタジン、硝酸グアニジン、p−クロロアニリン、プロピルアミン塩酸塩が挙げられる。
同じくアミド誘導体は、ヘキシルアミド、オクタコシルアミド、N−メチルドデシルアミド、N−メチルヘプタコシルアミド、α−シアノアセトアミド、サリチルアミド、ジシアンジアミド、2−ニトロベンズアミド、N−ブロモアセトアミドが挙げられる。
同じくニトリル誘導体は、ペンタデカンニトリル、マルガロニトリル、2−ナフトニトリル、o−ニトロフェノキシ酢酸、3−ブロモベンゾニトリル、3−シアンピリジン、4−シアノフェノールが挙げられる。
同じく炭化水素誘導体は、ヘキサデカン、1−ノナトリアコンテン、trans−n−2−オクタデセン、ヘキサトリアコンチルベンゼン、2−メチルナフタレン、ビセン、塩化シアヌル、1−フルオロノナデカン、1−クロロエイコサン、1−ヨードペンタデカン、1−ブロモヘプタデカン、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンが挙げられる。
同じくチオール誘導体は、ペンタデカンチオール、エイコサンチオール、2−ナフタレンチオール、2−メルカプトエチルエーテル、2−ニトロベンゼンスルフェニルクロリドが挙げられる。
同じくスルフィド誘導体は、1,3−ジアチン、2,11−ジチア[3,3]パラシクロファン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4−ジピリジルスルフィド、4−メチルメルカプトフェノールが挙げられる。
感温変色部材用インキ中のインキビヒクルの樹脂として、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ナイロン、ポリビニルアルコールが用いられ、市販のPAS800メジウム(十条化工社製)、ハイセットマットメジウム(ミノグループ社製)を用いてもよい。
感温変色部材用インキ中や粘着部材用インキ中のインキビヒクルの溶剤として、水、エタノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸イソアミル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、ブチルセロソルブ、ジエチルベンゼン、エチルセロソルブ、ミネラルスピリットを用いてもよい。
感温変色部材用インキの印刷による感温変色部材14の形成と、粘着部材用インキの印刷による粘着部材11の形成との順序は、いずれを先にしてもよい。いずれも印刷によるものであるから、隙間16を正確に形成することができる。
感温変色部材14の形成や粘着部材11の形成は、以下のように行われる。感温変色部材用インキや粘着部材用インキを得るには、夫々熱溶融性物質15、又はアクリル樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤、エチレン酢酸ビニル系樹脂粘着剤と、必要に応じインキビヒクルとして結着樹脂及び溶剤と、色素のような添加剤とを、ボールミル、三本ロール、攪拌機、又は分散機により分散、混練する。これを、貼付層13が下面に付されている基材12の上面へ、所望で任意の形状・大きさに印刷して、感温変色部材14や粘着部材11を形成する。
感温変色部材14と粘着部材11とを形成するための各インキの印刷方法は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷又はグラビア印刷が、挙げられる。
温度管理時の異常変色忌避方法は、感温変色部材14の変色を視認し得る透明又は半透明の樹脂製フィルムのみからなる保護シート10で覆うことが好ましい。保護シート10は、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドで形成され、可塑剤不含有のものである。保護シート10は、感温変色部材14と粘着部材11とを、感温変色部材14を外界の湿気・酸素から保護したり擦過による擦傷や摩擦熱から保護したりすることができる。また、この保護シート10により、外界の湿気を粘着部材11が吸収して膨張し隙間16を押し潰してしまうことを防ぐことによって、隙間16の形状が維持される結果、可塑剤21が感温変色部材14に到達しない。
温度管理時の異常変色忌避方法は、非剥離性の貼付層13を、アクリル系粘着材のような貼付剤が含有された貼付フィルムを基材12の下面に貼り付けるものであってもよく、その貼付剤が含有された貼付層用インキを基材12の下面に塗布するものであってもよい。この非剥離性の貼付層13により、温度履歴管理材1を丸みがかった電線ケーブルのような被検温物20に貼り付けたときに、硬質の基材12で付勢されていても、剥げなくなり、被検温物が検知すべき温度履歴を経たか否かを目視によって簡便に正確に管理できる。
本発明の温度履歴管理時の異常変色忌避方法で温度管理した例を実施例に、本発明を適用外で温度履歴管理時の異常変色忌避方法によらずに温度管理した例を比較例に示す。
(実施例1)
(1.温度履歴管理材の調製)
熱溶融性物質であるパルミチン酸100重量部と、溶剤であるジエチルベンゼンに結着樹脂であるエチルセルロース10重量%溶解させたインキビヒクル150重量部とを配合した後、ボールミルで粉砕、混合し、白色の感温変色部材用インキを得た。得られた感温変色部材用インキで、下面に住友スリーエム社製465粘着材を貼り合わせた黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムである基材の上面に、直径2mmの円形にスクリーン印刷し、乾燥させて、感温変色部材を形成した。その後、粘着部材用インキである水性糊(スリーボンド社製、1458B)を、感温変色部材との間に0.5mmの隙間を設けて、スクリーン印刷で印刷し、乾燥させて、粘着部材を形成した。次いで保護シートとして未処理の透明なポリエステルフィルムを、感温変色部材及び粘着部材上に隙間ごと貼り合わせた後、5mm四方の大きさに裁断して成形し、温度履歴管理材を得た。
(2.恒温恒湿加速条件での経時的な異常変色忌避試験)
温度履歴管理材が、異常変色を引き起こさないか確認するため、温度履歴を検知できる温度よりもやや低めの温度で高湿の恒温恒湿加速条件下に放置した。その加速条件は、温度履歴管理材10検体を、マークチューブTIC−16(緑)(ニチフ社製、商品名)に夫々貼り付け、50℃・90%Rh(相対湿度)の恒温恒湿槽に入れるというものである。3日後、7日後、28日後、56日後、84日後及び112日後に、温度履歴管理材の異常変色の有無を視認し、異常変色を認めなかった場合を○、異常変色を認めた場合を×とする2段階で評価した。なお、マークチューブから温度履歴管理材が剥離した場合は、温度履歴管理ができないので、変色の有無に関わらず「剥離」とした。その結果をまとめて表2に示す。なお、50℃・90%Rhで112日間経時条件は、常温常湿(20℃・60%Rh)で2.5年間の経時条件に相当する。
(3.検知すべき温度への加熱による温度履歴表示確認試験)
恒温恒湿加速条件前後の温度履歴管理材が検知すべき温度で変色して所望の温度履歴表示をするか確認するため、次の条件で試験を行った。恒温恒湿加速条件前の温度履歴管理材10検体を、マークチューブTIC−16(緑)に夫々貼り付け、恒温槽に入れ、50℃から1℃ずつ昇温し各温度で1時間放置した後、温度履歴管理材の変色の有無を目視で確認することにより、温度履歴表示できた温度を測定した。一方、前記経時的な異常変色忌避試験で112日経過後の温度履歴管理材についても同様にして温度履歴表示できた温度を測定した。その結果をまとめて表2に示す。なお、前記経時的な異常変色忌避試験で112日経過時に既に変色していた場合を「異常変色により測定不能」とし、マークチューブから温度履歴管理材が剥離した場合を「剥離により測定不能」とした。
(4.燃焼試験)
燃焼し難さを確認するため、常温管理した実施例1〜6及び比較例1〜11の未使用の温度履歴管理材各10検体に、ガスバーナーで5秒間火炎を当て、燃焼の程度をその外観の視認により確認した。着火しないか着火した後10秒未満で消火した場合を◎、10秒以上30秒未満で消火した場合を○、30秒以上燃え続けた場合を×とする3段階で評価した。その結果をまとめて表2に示す。

Figure 0006008666


Figure 0006008666
(実施例2〜6及び比較例1〜6)
熱溶融性物質の種類、温度履歴管理材の大きさ、感温変色部材と粘着部材との隙間の幅L、基材・粘着部材・貼付層及び保護シートの種類を、表1に記載の通りにしたこと以外は、実施例1と同様にして温度履歴管理材を作製し、実施例1と同様な各種試験を行った。その結果を、まとめて表2に示す。
(実施例7)
実施例1の温度履歴管理材の調製のうち、黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムを、下面に貼付剤として住友スリーエム社製465粘着材を貼り合わせたポリイミドフィルムに代え、その上面に不変色性着色層として帝国インキ社製EGS黒をスクリーン印刷で印刷して付したこと以外は、実施例1と同様にして温度履歴管理材を作製し、実施例1と同様な各種試験を行った。その結果を、まとめて表2に示す。
(比較例7)
実施例1の温度履歴管理材の調製のうち、黒色のポリエチレンテレフタレートフィルムを、下面に貼付剤として住友スリーエム社製465粘着材を貼り合わせた黒色上質紙に代えたこと以外は、実施例1と同様にして温度履歴管理材を作製し、実施例1と同様な各種試験を行った。その結果を、まとめて表2に示す。
(比較例8)
実施例1の温度履歴管理材の調製のうち、保護シートとして、未処理の透明なポリエステルフィルムに代えて、下面全面に糊付きのポリエステルフィルムPET16PLシン(リンテック社製、商品名)を貼り合わせたこと以外は、実施例1と同様にして温度履歴管理材を作製し、実施例1と同様な各種試験を行った。その結果を、まとめて表2に示す。
(比較例9)
熱溶融性物質としてパルミチン酸の白色結晶10重量部を、メチルセルロースの8%水溶液16重量部に配合した感温インキを得た。得られた感温インキを基材である黒色の紙上へ塗布し、乾燥させた後、直径3mmの円形に切り出した。これを基材のポリエチレンテレフタレートフィルムに両面粘着材(住友スリーエム社製、465)が貼り合わされたところに貼った後に、保護シートとして透明のポリエステルフィルムを貼り合わせた。基材のポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面に両面粘着材(住友スリーエム社製、465)を貼った後、四方を5mmの大きさに裁断して、温度履歴管理材を得た。これについて、実施例1と同様な各種試験を行った。その結果を、まとめて表2に示す。
(比較例10)
実施例1の温度履歴管理材の調製のうち、基材の下面の貼付層を、極めて剥離し易い軽粘着性の5035K(日東電工社製、商品名)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして温度履歴管理材を作製し、実施例1と同様な各種試験を行った。その結果を、まとめて表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の温度履歴管理時の異常変色忌避方法を適用する実施例1〜7によれば、温度履歴管理材が高温高湿環境下でも長期間、異常変色をすることがなく、検知すべき温度で正常に正確に変色した。また、被検温物から剥がれることがなく、燃えても速やかに消火した。一方、本発明を適用外で温度履歴管理時の異常変色忌避方法によらずに温度管理した比較例1〜11によれば、短期間で温度履歴管理材が可塑剤の影響で異常変色するようになったり、被検温物から剥がれたり、着火によって燃え続けたりした。
本発明の温度履歴管理材を用いた温度履歴管理時の異常変色忌避方法は、可塑剤が樹脂表層に含有されている被検温物に温度履歴管理材を貼り付けた時でも、所定の温度を超える温度履歴を経たかを、明瞭な色調の変化で正確に表示し、目視で温度履歴管理するのに、用いられる。
1は温度履歴管理材、2は従来の温度履歴管理材、10は保護シート、11は粘着部材、12は基材、13は貼付層、14は感温変色部材、15は熱溶融性物質、16は隙間、20は被検温物、21は可塑剤、30は貼付層、31は基材、32は粘着剤層、33は保護シート、34は感温変色層、35は液状化した熱溶融性物質の吸収層、36は水滴である。

Claims (10)

  1. 検知すべき温度を融点とする粒状又は粉末状の熱溶融性物質が熱溶融することによって変色をする感温変色部材と、粘着部材とを、可塑剤非浸透性で可塑剤非含有の基材の上面に隙間を隔てて付してから保護シートで覆うとともに、前記基材の下面に非剥離性の貼付層を付して、形成した温度履歴管理材を、前記可塑剤が樹脂表層に含有されている被検温物に前記貼付層を介して貼り付け、前記変色により前記被検温物の温度履歴を管理する際に、
    前記隙間と前記基材とで前記感温変色部材と前記可塑剤とを隔離していることによって、前記感温変色部材に前記可塑剤が接触して前記変色に拠らない異常変色を引き起すことを忌避しつつ、前記温度履歴を管理することを特徴とする温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  2. 前記感温変色部材と前記粘着部材とを、前記隙間の幅が少なくとも0.5mmとなるように、付すことを特徴とする請求項1に記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  3. 前記基材を、セルロース類、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリスチレン類、塩酸ゴム類、ポリアミド類、フッ素樹脂類、ポリブテン類、ポリビニルブチラール類、ポリエチレンオキサイド類、ポリウレタン類、及びポリイミド類から選ばれる少なくとも一種類の材料で成形することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  4. 前記粘着部材を、間欠して複数付すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  5. 前記温度履歴管理材を、少なくとも5mmの大きさに成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  6. 前記温度履歴管理材を、5〜9mmの大きさに成形し、湾曲した前記被検温物に貼り付けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  7. アクリル樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤、及びエチレン酢酸ビニル系樹脂粘着剤から選ばれる少なくとも一種類を含有する粘着部材用インキを付すことにより、前記粘着部材を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  8. 前記基材と前記感温変色部材との間に不変色性着色層を少なくとも一層形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  9. 脂肪酸誘導体、アルコール誘導体、エーテル誘導体、アルデヒド誘導体、ケトン誘導体、アミン誘導体、アミド誘導体、ニトリル誘導体、炭化水素誘導体、チオール誘導体、及びスルフィド誘導体から選ばれる少なくとも一種類の前記熱溶融性物質を含有する感温変色部材用インキを付すことにより、前記感温変色部材を形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の温度履歴管理時の異常変色忌避方法。
  10. 可塑剤が樹脂表層に含有されている被検温物に貼付層を介して貼り付けて、それの温度履歴を管理する温度履歴管理材であって、
    検知すべき温度を融点とする粒状又は粉末状の熱溶融性物質が熱溶融することによって変色をする感温変色部材と、粘着部材とが、前記可塑剤非浸透性で可塑剤非含有の基材の上面に隙間を隔てて付されて保護シートで覆われ、前記基材の下面に非剥離性の貼付層が付されており、前記隙間と前記基材とで前記感温変色部材と前記可塑剤とが、隔離されていることによって、前記感温変色部材に前記可塑剤が接触して前記変色に拠らない異常変色が温度管理時に引き起こされることを忌避していることを特徴とする異常変色忌避温度履歴管理材。
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