JP6007833B2 - 回転式製造装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1の装置では下杵を下方から上方へ押上げるのみであり、上方から下方への戻りは下杵の重力に依存している。したがって、摺動部に異物が噛み込んだとき等に下杵が下がらず、作動が不確実となるおそれがある。また、この構成では横型機に適用することができない。
複数のワークユニットは、ロータリーテーブルの回転軸を中心とする円周上に配置され、ロータリーテーブルと共に回転する。
カムレールは、複数のワークユニットに対し回転軸方向の少なくとも一方において周設され、周方向の位置に応じて回転軸方向の位置が変化するように形成されている。
複数の作用手段は、ワークユニット毎に対応して設けられ、ロータリーテーブルと共に回転しつつカムレールの形状に倣って回転軸方向に移動し、対応するワークユニットに対して周期的に接近又は離間する。
また、ワークユニットは、「外部から圧油を導入する導油口が連通し、導油口に導入される油量を調節することで圧力が微調整される油室」が形成されている。好ましくは、油室内の圧力は、導油口の上流側に設けられた油量調節ネジにより微調整される。
本発明の回転式製造装置は、ワークユニットに対する作用手段の作動、及び、油室の容積変化によって製品を製造することを特徴とする。
また、作用手段は、カムレールの形状に倣って回転軸方向の双方向に強制的に駆動される。したがって、従来技術のように一方向への移動を作用手段自体の重力に依存するものでないため、作用手段を確実に作動させることができる。また、この構成を横型機に適用することができる。
より具体的には、縦型の回転式圧縮成形機にアッパーカムレール及びロアカムレールを設け、ロアカムレールを用いてピストンを駆動することでキャビティ内の材料を加圧圧縮し、また、アッパーカムレールを用いて成形金型上部の作用手段を駆動することで、キャビティへの材料供給口を開閉したり、成形品を取り出したりすることができる。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による回転式製造装置は、点火プラグの碍子の製造において、金属酸化物等の絶縁体粉末材料を加圧圧縮成形する回転式圧縮成形機である。
図1に示すように回転式圧縮成形機10は、ロータリーテーブル11、ロータリーフレーム12、アッパーカムレール13、ロアカムレール14、支柱15、基台16、駆動モータ17、アッパー作動ユニット20、ロア作動ユニット25、ワークユニット300、その他図示しない制御盤等を備えた縦型機である。
支柱15の内部には、「回転駆動源」としての駆動モータ17が収容されている。駆動モータ17の駆動力が図示しない動力伝達機構によって伝達されることで、ロータリーテーブル11及びロータリーフレーム12は、静止した支柱15等に対し、回転軸Oを中心として互いに同期して回転可能となっている。
ロア作動ユニット25は、ワークユニット300のシリンダ部50内にロッド28が挿通することで、ロータリーテーブル11に追従して回転しつつ、回転軸方向(図1(b)の上下方向)に昇降可能である。
したがって、アッパー作動ユニット20、ロア作動ユニット25、ワークユニット300は、これらが1セットとなり、回転軸Oを中心として回転する。また、アッパー作動ユニット20、ロア作動ユニット25、ワークユニット300の各セットは、共通のユニット中心軸Qに対し同軸に設けられている。
このように、回転式圧縮成形機10は、ロータリーテーブル11が一回転する間に一連の製造工程を実行し、成形品Pを成形する。
まず、図3、図4を参照して、ワークユニット300の構成を説明する。ワークユニット300は、上側の成形金型30と下側のシリンダ部50とが結合されている。
ゴム型41は、上方に開口した有底筒状であり、径外側がインナーブロック33で、上側がアッパーブロック32で、下側がロアブロック36で保持される。ゴム型41は弾性変形可能であり、圧油Lにより外壁が押圧されることで、内側に形成されたキャビティCが圧縮される。
アッパーブロック32は、上方に開口するテーパ状の材料供給口322を有している。材料供給口322の口元側の端面321は、上型23のボディ部232に対向する。材料供給口322の奥側には、上型23の加圧部233の先端が嵌合する嵌合孔323が形成されている。
筒状のブッシュ37は、ロアブロック36の底面を下側から押えるとともに、内側に油室38が形成されている。油室38には、外部から圧油Lを導入する導油口39が連通する。導油口39の上流側に図示しない油量調節ネジを設けることで、油量を調節し、油室38内の圧力を微調整することができる。
シリンダブロック51には、ピストン55の小径部551が内壁を摺動するシリンダ53、及び、ピストン55の大径部552が内壁を摺動する収容室54が形成されている。シリンダ53の内壁、及びピストン55の小径部551の上端面は、油室38の底部を区画する。ピストン55が昇降することで、油室38の容積を変化させる。
アッパー作動ユニット20は、ハウジング21、カムフォロワ22、上型23、センタピン24を含む。図2(a)に示すように、ハウジング21に収容されたローラ状のカムフォロワ22は、アッパーカムレール13の上下を挟むように設けられる。ハウジング21及びカムフォロワ22がアッパーカムレール13に対し周方向に移動すると、アッパー作動ユニット20は、アッパーカムレール13の形状に倣って昇降する。
図4に示すように、ロッド28の先端は鉤状になっており、ピストン55の大径部552と連結している。したがって、ロア作動ユニット25が昇降することにより、シリンダ部50の収容室54においてピストン55が往復移動する。
図中、アッパー作動ユニット20又はピストン55の上昇を「UP」、下降を「DN」の文字を付したブロック矢印で示す。
図3に示すように、ステージS1にて、アッパー作動ユニット20が上限位置UHにある状態で、粉末材料Mがアッパーブロック32の材料供給口322からゴム型41のキャビティCに投入される。
図4に示すように、ステージS2にて、アッパー作動ユニット20が下限位置ULまで下降すると、センタピン24が粉末材料M内に挿入された状態で上型23の加圧部233の先端がアッパーブロック32の嵌合孔323に嵌合し、金型が閉じられる。このとき、キャビティC内の粉末材料Mに対し、例えば数十kNの荷重が掛かる。
図5に示すように、ステージS3にて、ロア作動ユニット25のロッド28の上昇に伴ってピストン55が収容室54の上限位置まで上昇する。これにより、圧油Lが例えば数十MPaまで加圧され、矢印Fで示すように、分配油路353、環状油路351及び放射状油路352を経由してゴム型41の外壁を押圧する。そして、ゴム型41が内側に弾性変形することで、キャビティC内の粉末材料Mが圧縮され、硬化する。
その後、図6に示すように、ステージS4にて、ロア作動ユニット25のロッド28の下降に伴ってピストン55が収容室54の下限位置まで下降する。これにより、圧油Lが除圧され、破線矢印Rで示すように油室38側へ戻される。それに伴い、弾性変形していたゴム型41が元の形状に戻る。
図7に示すように、ステージS5にて、アッパー作動ユニット20が中間位置UMまで上昇する。これにより、上型23の加圧部233の先端がアッパーブロック32の嵌合孔323から離脱し型開きすると共に、成形品Pは、センタピン24の周囲に付着してキャビティCから抜ける。
続いて図8に示すように、ステージS6にて、チャックアーム18が成形品Pを把持した状態で、センタピン24が回転しつつアッパー作動ユニット20が上限位置UHまで上昇することで、センタピン24が成形品Pから外れる。
最後に図9に示すように、ステージS7にて、成形品Pを把持したチャックアーム18が水平方向に動き、成形品Pを外部へ排出する。
以上で一連の製造工程を終了する。その後、再びステージS1に移行すると、新しい粉末材料Mが成形金型30に投入される。こうして成形品Pが連続生産される。
本実施形態と対比する回転式圧縮成形機として、例えばワークユニット300毎に油圧シリンダ、油圧ポンプ及び制御盤を備え、これらをロータリーテーブル11と共に回転しながら製造工程を実行する装置を想定する。このような装置では、部品点数が増加し、また、増大する回転部重量に耐える剛性を確保するため、体格が大型にならざるを得ない。さらに、モーメントが大きくなるため、高速回転にも不利である。
(ア)上記実施形態の回転式圧縮成形機において、本発明の要旨以外の部分の構成は、当業者の通常の知識に基づき適宜変更してよい。例えば、ロータリーテーブル11の回転方向、ワークユニット300、アッパー作動ユニット20及びロア作動ユニット25のセット数、アッパーカムレール13及びロアカムレール14の支持構造等については上記実施形態に例示した構成に限らない。
以上、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施することができる。
11 ・・・ロータリーテーブル、
13 ・・・アッパーカムレール、 14 ・・・ロアカムレール、
17 ・・・駆動モータ(回転駆動源)、
20 ・・・アッパー作動ユニット(作用手段)、
25 ・・・ロア作動ユニット(作用手段)、
300・・・ワークユニット、
30 ・・・成形金型、
50 ・・・シリンダ部、 55 ・・・ピストン、
C ・・・キャビティ、 M ・・・粉末材料。
Claims (5)
- ロータリーテーブル(11)と、
前記ロータリーテーブルを回転させる駆動力を発生する回転駆動源(17)と、
前記ロータリーテーブルの回転軸を中心とする円周上に配置され、前記ロータリーテーブルと共に回転する複数のワークユニット(300)と、
前記複数のワークユニットに対し前記回転軸方向の少なくとも一方において周設され、周方向の位置に応じて前記回転軸方向の位置が変化するように形成されたカムレール(13、14)と、
前記ワークユニット毎に対応して設けられ、前記ロータリーテーブルと共に回転しつつ前記カムレールの形状に倣って前記回転軸方向に移動し、対応する前記ワークユニットに対して周期的に接近又は離間する複数の作用手段(20、25)と、
を備え、
前記ワークユニットは、外部から圧油を導入する導油口(39)が連通し、前記導油口に導入される油量を調節することで圧力が微調整される油室(38)が形成されており、
前記ワークユニットに対する前記作用手段の作動、及び、前記油室の容積変化によって製品を製造することを特徴とする回転式製造装置(10)。 - 前記油室内の圧力は、前記導油口の上流側に設けられた油量調節ネジにより微調整されることを特徴とする請求項1に記載の回転式製造装置。
- 前記カムレール及び前記複数の作用手段は、前記複数のワークユニットに対し、前記回転軸方向の一方及び他方に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の回転式製造装置。
- 前記複数のワークユニット及び前記複数の作用手段は、一連の製造工程数に対応する個数設けられており、前記ロータリーテーブルが一回転する間に当該一連の製造工程が実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転式製造装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転式製造装置において、流動体又は粉末の材料(M)を圧縮成形する回転式圧縮成形機であって、
前記ワークユニットは、
材料が充填されるキャビティ(C)を有し前記油室が形成されている成形金型(30)、及び、前記油室の容積を変化させ前記キャビティ内の材料を加圧圧縮するピストン(55)を往復移動可能に収容するシリンダ部(50)を含むことを特徴とする回転式圧縮成形機。
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