JP6005767B2 - 磁性記録媒体用スパッタリングターゲット - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体における磁性薄膜の形成に使用されるスパッタリングターゲットに関する。
ハードディスクドライブに代表される磁気記録の分野では、磁気記録媒体の磁性薄膜の材料として、強磁性金属であるCo、Fe、あるいはNiをベースとした材料が用いられている。例えば、面内磁気記録方式を採用するハードディスクの磁性薄膜にはCoを主成分とするCo−Cr系やCo−Cr−Pt系の強磁性合金が用いられてきた。
また、近年実用化された垂直磁気記録方式を採用するハードディスクの磁性薄膜には、Coを主成分とするCo−Cr−Pt系の強磁性合金と酸化物からなる複合材料が多く用いられている。そして上記の磁性薄膜は、生産性の高さから、上記材料を成分とするスパッタリングターゲットをマグネトロンスパッタ装置でスパッタして作製されることが多い。
本件出願人は以前、磁気記録媒体用薄膜形成用スパッタリングターゲットに関して、Coをベースとした焼結体スパッタリングターゲットの組織構造を調整することにより、漏洩磁束が大きく、マグネトロンスパッタ装置で安定した放電が得られるとともに、スパッタ時に凝集した酸化物の脱離を原因とするパーティクルの発生が少ない強磁性材スパッタリングターゲットに関する技術を提供した(特許文献1、2)。
また、特許文献3、4には、スパッタリングターゲットの組織において、CoやCrやPtを含む合金相中に非磁性酸化物が分散した第1層と、CoやPtを含む強磁性合金相中に非磁性酸化物が分散した第2相との複合組織からなることで、高い漏洩磁束密度が得られ、スパッタ効率の向上を図る技術が開示されている。
さらに、特許文献5には、ハードディスク媒体の記録層を形成するためのスパッタリングターゲットにおいて、ボールミル等により原料粉末を混合、粉砕する際に、予め原料粉末を混合、焼結、粉砕して得た一次焼結体粉末を混合することで、ターゲット組織をより微細化する技術が開示されている。
ところで、上記したCo、Cr、Ptの合金相中に酸化物が分散した焼結体スパッタリングターゲットにおいては、ターゲットの作製時に、酸化物が凝集することがあり、この凝集した酸化物が、スパッタ時にパーティクルの発生の原因となることがあった。そして、従来では、このようなパーティクル発生を抑制するために酸化物相を金属相中に微細に分散させることが行われていた。
しかしながら、酸化物の種類によっては、合金相中に酸化物を微細に分散させても、パーティクルを十分に抑制することができないという問題が生じていた。特に、近年のハードディスクドライブの記録密度向上に伴って、磁気ヘッドの浮動量が小さくなっていることから、磁気記録媒体として許容されるパーティクルのサイズや個数は、一段と厳しく制限されるようになっている。
特許第4885333号 国際公開第2008/084577号 特開2011−208169号公報 特開2011−174174号公報 特開2011−175725号公報 特許第5226155号
本発明は、上記問題を鑑みて、スパッタ時に発生するパーティクルを大幅に低減することができる磁気記録媒体用スパッタリングターゲットを提供することを課題とする。これにより、良質な磁気記録層の成膜が可能となり、磁気記録媒体の歩留まり等を改善することができる。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を行った結果、金属と金属酸化物との接触角が小さいこと、すなわち、金属と金属酸化物との濡れ性が良好となることで、ターゲット中の金属と金属酸化物との密着性が高まり、スパッタ時に金属酸化物の脱粒が抑制され、パーティクルの発生を大幅に低減することができるとの知見を得た。また、スパッタにより成膜された磁性薄膜において、磁性粒子を取り囲むように金属酸化物の粒界が形成され易くなるため、磁気記録媒体の磁気特性の向上も見込まれる。
なお、特許文献6には、Fe−Pt合金の磁性相と、それを分離している金属酸化物の非磁性相とからなり、金属酸化物と母材合金との濡れ性をシミュレーションで予測し、濡れ性の数値が低いほど密着性が高く、スパッタ時に金属酸化物の不用意な脱落を抑制することが記載されている。しかし、特許文献6は、Fe−Pt系強磁性材スパッタリングターゲットであって、後述する本発明とは構成成分が大きく異なる。また、シミュレーションで求めることができる濡れ性の数値は、単体金属と単体酸化物との組み合わせに関するものに限定されてしまい、合金や複合酸化物については、シミュレーションできないという問題があった。
このような知見に基づき、本発明者は、下記の発明を提供する。
1)少なくともCoを含有する組成の金属と金属酸化物からなる焼結体スパッタリングターゲットであって、前記金属酸化物の溶融体の前記金属に対する接触角又は前記金属溶融体の前記金属酸化物に対する接触角が90°以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)前記金属が、Pt:0.1mol%以上、45mol%以下、残余Coからなる組成を有することを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
3)前記金属が、Cr:0.1mol%以上、45mol%以下、Pt:0.1mol%以上45mol%以下、残余Coからなる組成を有することを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
4)前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有することを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
5)前記B酸化物が、Bであることを特徴とする上記4)記載のスパッタリングターゲット。
6)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、52<y<79を満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
7)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、Ti、Cr、Si、Oを構成成分とし、TiとSiとCrの原子数比が式:TiSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、0<y<25、52<z/(1−y/100)<79を満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
8)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
9)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
10)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<20を満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
11)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(但し、x、y、zは、x+y+z=100、50<x<100、x>2y、x>2zを満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
12)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>6zを満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
13)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>6zを満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
14)前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100を満たす数)で表されることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
15)前記金属が、Pt:17mol%以上、27mol%以下、残余Coからなる組成を有することを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
16)前記金属酸化物が、Ti、Si、Oを構成成分とし、TiとSiの原子数比が式:TiSi(但し、x、yは、x+y=100、40<y<60を満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
17)前記金属酸化物が、Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、71<y<100を満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
18)前記金属酸化物が、Si、Cr、Oを構成成分とし、SiとCrの原子数比が式:SiCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<95を満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
19)前記金属酸化物が、B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
20)前記金属酸化物が、B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
21)前記金属酸化物が、B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<15を満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
22)前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(但し、x、y、zは、x+y+z=100、50<x<100、x>2y、X>2zを満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
23)前記金属酸化物が、B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、80<x<100、x>3y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
24)前記金属酸化物が、B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
25)前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100、x>7wを満たす数)で表されることを特徴とする上記15)記載のスパッタリングターゲット。
26)前記金属が、Cr:15mol%以上、25mol%以下、Pt:12mol%以上、22mol%以下、残余Coからなる組成を有することを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
27)前記金属酸化物が、Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、15<y<100を満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
28)前記金属酸化物が、Si、Cr、Oを構成成分とし、SiとCrの原子数比が式:SiCr(但し、x、yは、x+y=100、5<y<100を満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
29)前記金属酸化物が、B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
30)前記金属酸化物が、B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
31)前記金属酸化物が、B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<15を満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
32)前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(ただしx、y、zはx+y+z=100、50<x<100、x>2y、x>2zを満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
33)前記金属酸化物が、B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、80<x<100、x>3y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
34)前記金属酸化物が、B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
35)前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100、x>7wを満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
36)
前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Co、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrとCoの原子数比が式:BTiSiCrCo(但し、x、y、z、w、uは、x+y+z+w+u=100、75<x<100、5<u<30を満たす数)で表されることを特徴とする上記26)記載のスパッタリングターゲット。
37)金属成分として、さらに、Au、B、Cu、Ga、Ge、Mn、Mo、Nb、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Ta、W、V、Znの群から選択した1種以上の元素を1mol%以上、30mol%以下含有することを特徴とする上記1)〜36)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
38)スパッタリングターゲットの切断面において、金属素地中の金属酸化物粒子の平均面積が0.1〜20μmであることを特徴とする上記1)〜37)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
本発明によれば、スパッタリングの際に、発生するパーティクル量を大幅に低減したスパッタリングターゲットを提供することができる。これにより、成膜時における歩留まりを著しく向上することができるという優れた効果を有する。また、スパッタリングによって形成された磁性薄膜において、磁性粒子を取り囲むように金属酸化物の粒界が形成されやすくなることから、磁気記録媒体の磁気特性の向上が見込まれるという優れた効果を有する。
本発明の金属と金属酸化物の接触角を測定するための方法を示す図である。 本発明の実施例21に係る焼結体(金属:Co−Cr−Pt、酸化物:SiO−Cr)断面の組織画像を示す図である(黒っぽく見えるところが酸化物である)。
本発明のスパッタリングターゲットは、1)溶融金属酸化物の溶融体の金属に対する接触角、または、2)金属溶融体の金属酸化物に対する接触角、が90°以下であることを特徴とするものである。金属素地中に金属酸化物が分散したスパッタリングターゲットでは、スパッタ時に金属酸化物が脱粒してパーティクルの原因となっていたが、金属と金属酸化物との接触角を小さくなるような材料や組成を選択することにより、このような脱粒を抑制することができ、スパッタ時におけるパーティクル発生を大幅に低減することができる。
スパッタリングターゲットを構成する金属(素地)と金属酸化物の接触角が小さいと、スパッタ時のパーティクルの発生が大幅に低減する理由は定かではないが、おそらく、金属と金属酸化物の接触角が小さいと、金属と金属酸化物との濡れ性が良好になるため、このような材料からなるスパッタリングターゲットをスパッタした場合、金属素地中に分散する金属酸化物の脱粒が抑制されるものと考えられる。
ここで、接触角の測定手順を図1に示す。まず、ターゲットを構成する酸化物と同一組成の金属酸化物板と、ターゲットを構成する金属と同一組成の金属ペレットを用意する。金属酸化物板や金属ペレットの大きさや重量に制限はないが、金属酸化物板の大きさを約40mm角×5mm厚、金属ペレットの重量は約10gとするのが好ましい。次に、金属酸化物板の上に金属ペレットを載せて、真空雰囲気中で加熱し金属ペレットを溶融させ、その後自然冷却させる。
このとき、金属酸化物の融点よりも低く、金属の融点よりも高い温度で溶融する必要がある。但し、金属の融点よりも、金属酸化物の融点の方が低い場合には、上述の方法とは逆に、金属板と金属酸化物ペレットを用意し、金属板の上に金属酸化物ペレットを載せて溶融させることになる。またこのときは、当然、金属の融点よりも低く、金属酸化物の融点よりも高い温度で溶融することとなる。溶融温度は、金属と金属酸化物の種類とその組み合わせにもよるが、通常、融点より20〜70℃高い温度とする。また、金属酸化物が複数の酸化物からなる場合には、全ての酸化物が溶解する温度をここでは金属酸化物の融点とする。
接触角は、1/2θ法によって求める。具体的には、金属塊の金属酸化物板との界面における端と金属塊の頂点を結ぶ線、及び金属酸化物板面に水平な線の2線のなす角度を求め、その2倍の角度を接触角とする。但し、金属の融点よりも、金属酸化物の融点の方が低い場合には、上述とは逆に、金属酸化物塊の金属板との界面における端と金属酸化物塊の頂点を結ぶ線、及び金属板面に水平な線の2線のなす角度を求め、その2倍の角度を接触角とする。
また、本願発明のスパッタリングターゲットにおける金属成分(磁性相に相当)として、少なくともCoを含有する組成の金属を用いることができる。好ましくは、純Coまたは、Ptが0.1mol%以上45mol%以下、残余がCoからなる組成の金属、あるいは、Crが0.1mol%以上45mol%以下、Ptが0.1mol%以上45mol%以下、残余がCoからなる組成の金属を用いることができる。前記の金属成分は、磁性薄膜として十分な磁気特性を得ることができれば、上記の範囲において適宜組成を調整することができる。
なお、スパッタリングターゲットに不可避的に混入している不純物や、金属成分として1mol%未満の比率で含まれる添加元素は、金属と金属酸化物との濡れ性に対して有意な変化を生じさせることはない。従って、スパッタリングターゲットが本発明の組成範囲を満たすかどうかは、このような不可避的不純物や1mol%未満の添加元素については除外して考えればよい。
本願発明のスパッタリングターゲットにおける金属成分(磁性相に相当)として、純Coを用いることができ、この場合には、金属酸化物(非磁性相に相当)として、以下の種類の酸化物を用いることが好ましい。
1)Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、52<y<79を満たす数)で表される金属酸化物、
2)Ti、Cr、Si、Oを構成成分とし、TiとSiとCrの原子数比が式:TiSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、0<y<25、52<z/(1−y/100)<79を満たす数)で表される金属酸化物。
3)B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表される金属酸化物。
4)B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表される金属酸化物。
5)B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<20を満たす数)で表される金属酸化物。
6)B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(但し、x、y、zは、x+y+z=100、50<x<100、x>2y、x>2zを満たす数)で表される金属酸化物。
7)B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>6zを満たす数)で表される金属酸化物。
8)、B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>6zを満たす数)で表される金属酸化物。
9)B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100を満たす数)で表される金属酸化物。
これらの金属酸化物の原子数比の範囲は、本発明者らが実施した実験と試算によって得られたもので、良好な濡れ性が期待できる。
また、本願発明のスパッタリングターゲットにおける金属成分(磁性相に相当)として、Ptが17mol%以上27mol%以下、残余がCoからなる組成の金属を用いることができ、この場合には、金属酸化物(非磁性相に相当)として、以下の種類の酸化物を用いることが好ましい。
1)Ti、Si、Oを構成成分とし、TiとSiの原子数比が式:TiSi(但し、x、yは、x+y=100、40<y<60を満たす数)で表される金属酸化物。
2)Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、71<y<100を満たす数)で表される金属酸化物。
3)Si、Cr、Oを構成成分とし、SiとCrの原子数比が式:SiCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<95を満たす数)で表される金属酸化物。
4)B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表される金属酸化物。
5)B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表される金属酸化物。
6)B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<15を満たす数)で表される金属酸化物。
7)B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(但し、x、y、zは、x+y+z=100、50<x<100、x>2y、X>2zを満たす数)で表される金属酸化物。
8)B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、80<x<100、x>3y、x>11zを満たす数)で表される金属酸化物。
9)B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>11zを満たす数)で表される金属酸化物。
10)B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100、x>7wを満たす数)で表される金属酸化物。
これらの金属酸化物の原子数比の範囲は、本発明者らが実施した実験と試算によって得られたもので、良好な濡れ性が期待できる。
また、本願発明のスパッタリングターゲットにおける金属成分(磁性相に相当)として、Cr:15mol%以上、25mol%以下、Pt:12mol%以上、22mol%以下、残余Coからなる組成る組成の金属を用いることができ、この場合には、金属酸化物(非磁性相に相当)として、以下の種類の酸化物を用いることが好ましい。
1)Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、15<y<100を満たす数)で表される金属酸化物。
2)Si、Cr、Oを構成成分とし、SiとCrの原子数比が式:SiCr(但し、x、yは、x+y=100、5<y<100を満たす数)で表される金属酸化物。
3)B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表される金属酸化物。
4)B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表される金属酸化物。
5)B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<15を満たす数)で表される金属酸化物。
6)B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(ただしx、y、zはx+y+z=100、50<x<100、x>2y、x>2zを満たす数)で表される金属酸化物。
7)B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、80<x<100、x>3y、x>11zを満たす数)で表される金属酸化物。
8)B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>11zを満たす数)で表される金属酸化物。
9)B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100、x>7wを満たす数)で表される金属酸化物。
10)B、Ti、Si、Cr、Co、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrとCoの原子数比が式:BTiSiCrCo(但し、x、y、z、w、uは、x+y+z+w+u=100、75<x<100、5<u<30を満たす数)で表される金属酸化物。
これらの金属酸化物の原子数比の範囲は、本発明者らが実施した実験と試算によって得られたもので、良好な濡れ性が期待できる。
本願発明のスパッタリングターゲットは、添加成分として、さらに、Au、B、Cu、Ga、Ge、Mn、Mo、Nb、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Ta、W、V、Znの群から選択した1種以上の元素を1mol%以上、30mol%以下含有することができる。これにより、磁性薄膜の磁気特性を向上させることができる。
また、本願発明のスパッタリングターゲットの組織(任意の切断面)において、前記金属(素地)中の前記金属酸化物の粒子の平均面積が0.1〜20μmの範囲にあることが好ましい。これにより、スパッタ時に酸化物に起因するパーティクルの発生を低減することができる。平均面積が20μmより大きい場合には、粗大な金属酸化物の粒子がスパッタした際にアーキングの起点になるので、パーティクルが増加するおそれがあり、一方、平均面積が0.1μmより小さい場合には、そのような組織を実現するために原料粉末の微粉砕する必要があり、製造工程が複雑になるという問題がある。
本発明のスパッタリングターゲットは、粉末焼結法を用いて、例えば、以下の方法によって作製することができる。
まず、磁性材料の粉末として、Co粉末、Pt粉末、Cr粉末、必要に応じて、上記添加金属粉末を用意する。金属粉末としては、単元素の金属粉末だけでなく、合金粉末を用いることもできる。これらの金属粉末は粒径が1〜10μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が1〜10μmであるとより均一な混合が可能であり、偏析と粗大結晶化を防止できる。金属粉末の粒径が10μmより大きい場合には、金属酸化物(非磁性材料)が均一に分散しないことがあり、また、1μmより小さい場合には、金属粉末の酸化の影響でターゲットの組成が所望の組成から外れてくるという問題が生じることがある。
また、非磁性材料の粉末として、上記した組成の金属酸化物粉末を用意する。金属酸化物粉末は粒径が1〜30μmの範囲のものを用いることが望ましい。粒径が1〜30μmであると前述の金属粉末と混合した際に、金属酸化物粉末同士が凝集しにくくなり、均一に分散させることが可能になる。
なお、上述した原料粉末の粒径範囲はあくまで好ましい範囲であり、これを逸脱することが本願発明を否定する条件でないことは当然理解されるべきである。
次に、上記の原料粉を所望の組成になるように秤量し、ボールミル等の公知の手法を用いて粉砕を兼ねて混合する。このとき、粉砕容器内に不活性ガスを封入して原料粉の酸化をできるかぎり抑制することが望ましい。
このようにして得られた混合粉末をホットプレス法で真空雰囲気、あるいは、不活性ガス雰囲気において成型・焼結させる。また、前記ホットプレス以外にも、プラズマ放電焼結法など様々な加圧焼結方法を使用することができる。特に、熱間静水圧焼結法は焼結体の密度向上に有効である。焼結時の保持温度は、ターゲットの構成成分にもよるが、多くの場合、800〜1500°Cの温度範囲とする。
そして、得られた焼結体を旋盤で所望の形状に加工することにより、本発明のスパッタリングターゲットを作製することができる。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1〜9:金属成分Co)
金属粉として、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、酸化物粉として、平均粒径1μmのTiO粉末、平均粒径3μmのCr粉末、平均粒径1μmのSiO粉末、平均粒径5μmのB粉末、を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で合計の重量が1500gとなるように秤量した。
実施例1:90Co−5TiO−5Cr(mol%)
実施例2:90Co−5TiO−3SiO−2Cr(mol%)
実施例3:94Co−4B−2TiO(mol%)
実施例4:94Co−4B−2SiO(mol%)
実施例5:94Co−5B−1Cr(mol%)
実施例6:93Co−3B−2TiO−2SiO(mol%)
実施例7:93Co−4.5B−2TiO−0.5Cr(mol%)
実施例8:93Co−4.5B−2SiO−0.5Cr(mol%)
実施例9:92.5Co−5B−1TiO−1SiO−0.5Cr(mol%)
次に、実施例1〜9のそれぞれについて、秤量した粉末をそれぞれ粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、24時間回転させて混合した。そして、実施例1〜9のそれぞれについて、ボールミルから取り出した混合粉を直径190mmのカーボン製の型に充填し、ホットプレスで焼結させた。ホットプレスの条件は、実施例1〜2では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度1050℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。また、実施例3〜9では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、実施例1〜9のそれぞれについて、作製した焼結体の断面を研磨し、その組織を顕微鏡で観察したところ金属酸化物が金属素地中に分散している組織が確認された。さらに、実施例1〜9のそれぞれについて、観察面の任意に選んだ4箇所を108μm×80μmの視野サイズで組織画像を撮影した。撮影された画像を画像処理ソフトで2値化し金属酸化物に該当する部分(組織観察画像の黒っぽい部分)の個数と面積を求め、金属酸化物粒子1個あたりの平均面積を計算したところ、実施例1〜9について、それぞれ、1.8μm、1.8μm、2.8μm、3.1μm、3.1μm、2.3μm、2.4μm、2.5μm、2.8μmであった。
次に、実施例1〜9のそれぞれの焼結体を、直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これらをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、投入電力1kW、Arガス圧1.7Paとし、2kWhrのプレスパッタリングを実施した後、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。そして、実施例1〜9のそれぞれについて、基板上へ付着した0.25〜3μmの大きさのパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、それぞれ6個、10個、8個、9個、6個、9個、6個、4個、8個と、後述する比較例1〜9に比べて大幅に減少していた。
次に、実施例1〜9のそれぞれについて、以下の手順にて接触角の測定を実施した。実施例1では、ターゲットを構成する酸化物と同一組成(50TiO−50Cr)の酸化物板と、ターゲットを構成する金属と同一組成(純Co)の金属ペレットを用意した。酸化物板の大きさは約40mm角×5mm厚とし、金属ペレットの重量は約10gとした。そして、酸化物板の上に金属ペレットを載せて、真空雰囲気中で1550℃まで加熱し金属ペレットを溶融させ、その後自然冷却させた。接触角は1/2θ法によって求めた。金属塊の酸化物板との界面における端と金属塊の頂点を結ぶ線、および酸化物板面に水平な線の2線のなす角度を求め、その2倍の角度を接触角とした。その結果、接触角の値は、87°であった。また、実施例2〜9についても、実施例1と同様の手順により接触角を測定した。その結果、実施例2〜9は、それぞれ、90°、73°、43°、52°、58°、80°、76°、43°であった。なお、金属と金属酸化物のどちらを溶融させるかは両者の融点によって定め、溶融温度は、低い方の融点よりも約50℃高い温度とした。以上の結果を表1に示す。
(比較例1〜9:金属成分Co)
金属粉として、平均粒径3μmのCo粉末を用意し、酸化物粉として、平均粒径1μmのTiO粉末、平均粒径3μmのCr粉末、平均粒径1μmのSiO粉末、平均粒径5μmのB粉末、を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で合計の重量が1500gとなるように秤量した。
比較例1:90Co−8.5TiO−1.5Cr(mol%)
比較例2:90Co−5TiO−4SiO−1Cr(mol%)
比較例3:94Co−2B−4TiO(mol%)
比較例4:94Co−2B−4SiO(mol%)
比較例5:94Co−3B−3Cr(mol%)
比較例6:93Co−1B−3TiO−3SiO(mol%)
比較例7:93Co−3B−2TiO−2Cr(mol%)
比較例8:93Co−3B−2SiO−2Cr(mol%)
比較例9:92.5Co−2.5B−2TiO−2SiO−1Cr(mol%)
次に、比較例1〜9のそれぞれについて、秤量した粉末をそれぞれ粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、24時間回転させて混合した。そして、比較例1〜9のそれぞれについて、ボールミルから取り出した混合粉を直径190mmのカーボン製の型に充填し、ホットプレスで焼結させた。ホットプレスの条件は、比較例1〜2では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度1050℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。また、比較例3〜9では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、比較例1〜9のそれぞれについて、作製した焼結体の断面を研磨し、その組織を顕微鏡で観察したところ金属酸化物が金属素地中に分散している組織が確認された。さらに、比較例1〜9のそれぞれについて、観察面の任意に選んだ4箇所を108μm×80μmの視野サイズで組織画像を撮影した。撮影された画像を画像処理ソフトで2値化し金属酸化物に該当する部分(組織観察画像の黒っぽい部分)の個数と面積を求め、金属酸化物粒子1個あたりの平均面積を計算したところ、比較例1〜9は、それぞれ、1.7μm、1.8μm、2.4μm、2.7μm、2.7μm、2.6μm、2.6μm、2.1μm、2.7μmであった。
次に、比較例1〜9のそれぞれの焼結体を、直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これらをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1〜9と同様とし、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。そして、比較例1〜9のそれぞれについて、基板上へ付着した0.25〜3μmの大きさのパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、それぞれ21個、29個、18個、21個、17個、12個、13個、18個、32個であった。
次に、比較例1〜9のそれぞれについて、以下の手順にて接触角の測定を実施した。比較例1では、ターゲットを構成する酸化物と同一組成(85TiO−15Cr)の酸化物板と、ターゲットを構成する金属と同一組成(純Co)の金属ペレットを用意した。酸化物板の大きさは約40mm角×5mm厚とし、金属ペレットの重量は約10gとした。そして、酸化物板の上に金属ペレットを載せて、真空雰囲気中で1550℃まで加熱し金属ペレットを溶融させ、その後自然冷却させた。接触角は、実施例1〜9と同様の方法で求めた。その結果、接触角の値は、110°であった。また、比較例2〜9についても、比較例1と同様の手順により接触角を測定した。その結果、比較例2〜9は、それぞれ124°、105°、95°、115°、139°、103°、99°、92°であった。なお、金属と金属酸化物のどちらを溶融させるかは両者の融点によって定め、溶融温度は、低い方の融点よりも約50℃高い温度とした。以上の結果を表1に示す。
(実施例10〜19:金属成分Co、Pt)
金属粉として、平均粒径3μmのCo粉末、平均粒径3μmのPt粉末を用意し、酸化物粉として、平均粒径1μmのTiO粉末、平均粒径3μmのCr粉末、平均粒径1μmのSiO粉末、平均粒径5μmのB粉末、を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で合計の重量が1500gとなるように秤量した。
実施例10:70.2Co−19.8Pt−5TiO−5SiO(mol%)
実施例11:70.2Co−19.8Pt−4TiO−6Cr(mol%)
実施例12:69.56Co−24.44Pt−4SiO−2Cr(mol%)
実施例13:69.56Co−24.44Pt−4B−2TiO(mol%)
実施例14:77.08Co−16.92Pt−4B−2SiO(mol%)
実施例15:77.08Co−16.92Pt−5.5B−0.5Cr(mol%)
実施例16:72.54Co−20.46Pt−5B−1TiO−1SiO(mol%)
実施例17:71.76Co−20.24Pt−6B−1.5TiO−0.5Cr(mol%)
実施例18:71.76Co−20.24Pt−6B−1.5SiO−0.5Cr(mol%)
実施例19:71.76Co−20.24Pt−5.5B−1TiO−1SiO−0.5Cr(mol%)
次に、実施例10〜19のそれぞれについて、秤量した粉末をそれぞれ粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、24時間回転させて混合した。そして、実施例10〜19のそれぞれについて、ボールミルから取り出した混合粉を直径190mmのカーボン製の型に充填し、ホットプレスで焼結させた。ホットプレスの条件は、実施例10〜12では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度1050℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。また、実施例13〜19では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、実施例10〜19のそれぞれについて、作製した焼結体の断面を研磨し、その組織を顕微鏡で観察したところ金属酸化物が金属素地中に分散している組織が確認された。さらに、実施例10〜19のそれぞれについて、観察面の任意に選んだ4箇所を108μm×80μmの視野サイズで組織画像を撮影した。撮影された画像を画像処理ソフトで2値化し金属酸化物に該当する部分(組織観察画像の黒っぽい部分)の個数と面積を求め、金属酸化物粒子1個あたりの平均面積を計算したところ、実施例10〜19は、それぞれ1.8μm、1.4μm、0.8μm、2.3μm、1.5μm、2μm、1.7μm、1.3μm、1.2μm、1.3μmであった。
次に、実施例10〜19のそれぞれの焼結体を、直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これらをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1〜9と同様とし、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。そして、実施例10〜19のそれぞれについて、基板上へ付着した0.25〜3μmの大きさのパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、それぞれ2個、6個、4個、11個、8個、5個、7個、10個、3個、5個と後述の比較例10〜19に比べて大幅に減少していた。
次に、実施例10〜19のそれぞれについて、以下の手順にて接触角の測定を実施した。実施例10では、ターゲットを構成する酸化物と同一組成(50TiO−50SiO)の酸化物板と、ターゲットを構成する金属と同一組成(78Co−22Pt)の金属ペレットを用意した。酸化物板の大きさは約40mm角×5mm厚とし、金属ペレットの重量は約10gとした。そして、酸化物板の上に金属ペレットを載せて、真空雰囲気中で1500℃まで加熱し金属ペレットを溶融させ、その後自然冷却させた。接触角は、実施例1〜9と同様の方法で求めた。その結果、接触角の値は、86°であった。また、実施例11〜19についても、実施例10と同様の手順により接触角を測定した。その結果、実施例11〜19は、それぞれ84°、63°、85°、60°、88°、37°、82°、58°、57°であった。なお、金属と金属酸化物のどちらを溶融させるかは両者の融点により定め、溶融温度は、低い方の融点よりも約50℃高い温度とした。以上の結果を表1に示す。
(比較例10〜19:金属成分Co、Pt)
金属粉として、平均粒径3μmのCo粉末、平均粒径3μmのPt粉末を用意し、酸化物粉として、平均粒径1μmのTiO粉末、平均粒径3μmのCr粉末、平均粒径1μmのSiO粉末、平均粒径5μmのB粉末、を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で合計の重量が1500gとなるように秤量した。
比較例10:70.2Co−19.8Pt−8TiO−2SiO(mol%)
比較例11:70.2Co−19.8Pt−5TiO−5Cr(mol%)
比較例12:69.56Co−24.44Pt−5.9SiO−0.1Cr(mol%)
比較例13:69.56Co−24.44Pt−2B−4TiO(mol%)
比較例14:77.08Co−16.92Pt−2B−4SiO(mol%)
比較例15:77.08Co−16.92Pt−3B−3Cr(mol%)
比較例16:72.54Co−20.46Pt−2B−3TiO−2SiO(mol%)
比較例17:71.76Co−20.24Pt−4B−2SiO−2Cr(mol%)
比較例18:71.76Co−20.24Pt−4B−2SiO−2Cr(mol%)
比較例19:71.76Co−20.24Pt−2B−2TiO−2SiO−2Cr(mol%)
次に、比較例10〜19のそれぞれについて、秤量した粉末をそれぞれ粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、24時間回転させて混合した。そして、比較例10〜19のそれぞれについて、ボールミルから取り出した混合粉を直径190mmのカーボン製の型に充填し、ホットプレスで焼結させた。
ホットプレスの条件は、比較例10〜12では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度1050℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。また、比較例13〜19では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、比較例10〜19のそれぞれについて、作製した焼結体の断面を研磨し、その組織を顕微鏡で観察したところ金属酸化物が金属素地中に分散している組織が確認された。さらに、比較例10〜19のそれぞれについて、観察面の任意に選んだ4箇所を108μm×80μmの視野サイズで組織画像を撮影した。撮影された画像を画像処理ソフトで2値化し金属酸化物に該当する部分(組織観察画像の黒っぽい部分)の個数と面積を求め、金属酸化物粒子1個あたりの平均面積を計算したところ、比較例10〜19は、それぞれ1.7μm、1.4μm、1.1μm、2.3μm、1.2μm、2.1μm、1.2μm、0.9μm、1.1μm、1.2μmであった。
次に、比較例10〜19のそれぞれの焼結体を、直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これらをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1〜9と同様とし、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。そして、比較例10〜19のそれぞれについて、基板上へ付着した0.25〜3μmの大きさのパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、それぞれ14個、13個、25個、18個、19個、21個、11個、12個、21個、12個であった。
次に、比較例10〜19のそれぞれについて、以下の手順にて接触角の測定を実施した。比較例10では、ターゲットを構成する酸化物と同一組成(80TiO−20SiO)の酸化物板と、ターゲットを構成する金属と同一組成(78Co−22Pt)の金属ペレットを用意した。酸化物板の大きさは約40mm角×5mm厚とし、金属ペレットの重量は約10gとした。そして、酸化物板の上に金属ペレットを載せて、真空雰囲気中で1500℃まで加熱し金属ペレットを溶融させ、その後自然冷却させた。接触角は、実施例1〜9と同様の方法で求めた。その結果、接触角の値は、95°であった。また、比較例11〜19についても、比較例10と同様の手順により接触角を測定した。その結果、比較例11〜19は、それぞれ93°、96°、109°、93°、118°、91°、125°、123°、117°であった。なお、金属と金属酸化物のどちらを溶融させるかは両者の融点により定め、溶融温度は、低い方の融点よりも約50℃高い温度とした。以上の結果を表1に示す。
(実施例20〜30:金属成分Co、Pt、Cr、添加金属Ru)
金属粉として、平均粒径3μmのCo粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径10μmのRu粉末を用意し、酸化物粉として、平均粒径1μmのTiO粉末、平均粒径3μmのCr粉末、平均粒径1μmのSiO粉末、平均粒径5μmのB粉末、を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で合計の重量が1500gとなるように秤量した。
実施例20:56.7Co−18Cr−15.3Pt−2TiO−8Cr(mol%)
実施例21:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−4SiO−4Cr(mol%)
実施例22:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−6B−2TiO(mol%)
実施例23:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−6B−2SiO(mol%)
実施例24:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−7B−1Cr(mol%)
実施例25:58.59Co−13.95Cr−20.46Pt−3B−2TiO−2SiO(mol%)
実施例26:58.59Co−13.95Cr−20.46Pt−5.5B−1TiO−0.5Cr(mol%)
実施例27:57.96Co−23Cr−11.04Pt−6.5B−1SiO−0.5Cr(mol%)
実施例28:57.33Co−22.75Cr−10.92Pt−6.5B−1TiO−1SiO−0.5Cr(mol%)
実施例29:56.7Co−13.5Cr−19.8Pt−8B−0.5TiO−0.5SiO−0.5Cr−0.5Co(mol%)
実施例30:48.23Co−13.65Cr−20.02Pt−9.1Ru−6.5B−1TiO−1SiO−1Cr(mol%)
次に、実施例20〜30のそれぞれについて、秤量した粉末をそれぞれ粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、24時間回転させて混合した。そして、実施例20〜30のそれぞれについて、ボールミルから取り出した混合粉を直径190mmのカーボン製の型に充填し、ホットプレスで焼結させた。
ホットプレスの条件は、実施例20〜21では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度1050℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。また、実施例22〜30では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、実施例20〜30のそれぞれについて、作製した焼結体の断面を研磨し、その組織を顕微鏡で観察したところ金属酸化物が金属素地中に分散している組織が確認された。さらに、実施例20〜30のそれぞれについて、観察面の任意に選んだ4箇所を108μm×80μmの視野サイズで組織画像を撮影した。撮影された画像を画像処理ソフトで2値化し金属酸化物に該当する部分(組織観察画像の黒っぽい部分)の個数と面積を求め、金属酸化物粒子1個あたりの平均面積を計算したところ、実施例20〜30は、それぞれ0.8μm、1.0μm、2.7μm、1.6μm、2.3μm、1.8μm、1.2μm、1.8μm、2.5μm、2.8μm、1.9μmあった。
次に、実施例20〜30のそれぞれの焼結体を、直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これらをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1〜9と同様とし、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。そして、実施例20〜30のそれぞれについて、基板上へ付着した0.25〜3μmの大きさのパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、それぞれ9個、5個、9個、7個、8個、6個、7個、8個、5個、6個、6個と後述の比較例20〜28に比べて大幅に減少していた。
次に、実施例20〜30のそれぞれについて、以下の手順にて接触角の測定を実施した。実施例20では、ターゲットを構成する酸化物と同一組成(20TiO−80Cr)の酸化物板と、ターゲットを構成する金属と同一組成(63Co−20Cr−17Pt)の金属ペレットを用意した。酸化物板の大きさは約40mm角×5mm厚とし、金属ペレットの重量は約10gとした。そして、酸化物板の上に金属ペレットを載せて、真空雰囲気中で1530℃まで加熱し金属ペレットを溶融させ、その後自然冷却させた。接触角は、実施例1〜9と同様の方法で求めた。その結果、接触角の値は、72°であった。また、実施例21〜30についても、実施例20と同様の手順により接触角を測定した。その結果、実施例21〜30は、それぞれ47°、80°、22°、75°、77°、88°、58°、53°、17°、58°であった。なお、金属と金属酸化物のどちらを溶融させるかは両者の融点により定め、溶融温度は、低い方の融点よりも約50℃高い温度とした。以上の結果を表1に示す。
(比較例20〜28:金属成分Co、Pt)
金属粉として、平均粒径3μmのCo粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径○μmのCr粉末を用意し、酸化物粉として、平均粒径1μmのTiO粉末、平均粒径3μmのCr粉末、平均粒径1μmのSiO粉末、平均粒径5μmのB粉末、を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で合計の重量が1500gとなるように秤量した。
比較例20: 56.7Co−18Cr−15.3Pt−9.5TiO−0.5Cr(mol%)
比較例21:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−7.8SiO−0.2Cr(mol%)
比較例22:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−1B−7TiO(mol%)
比較例23:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−1B−7SiO(mol%)
比較例24:57.96Co−18.4Cr−15.64Pt−4B−4Cr(mol%)
比較例25:58.59Co−13.95Cr−20.46Pt−1B−3TiO−3SiO(mol%)
比較例26:58.59Co−13.95Cr−20.46Pt−3B−2TiO−2Cr(mol%)
比較例27:57.96Co−23Cr−11.04Pt−4B−2SiO−2Cr(mol%)
比較例28:57.33Co−22.75Cr−10.92Pt−3B−2TiO−2SiO−2Cr(mol%)
次に、比較例20〜28のそれぞれについて、秤量した粉末をそれぞれ粉砕媒体のジルコニアボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、24時間回転させて混合した。そして、比較例20〜28のそれぞれについて、ボールミルから取り出した混合粉を直径190mmのカーボン製の型に充填し、ホットプレスで焼結させた。
ホットプレスの条件は、比較例20〜21では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度1050℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。また比較例22〜28では、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次に、比較例20〜28のそれぞれについて、作製した焼結体の断面を研磨し、その組織を顕微鏡で観察したところ金属酸化物が金属素地中に分散している組織が確認された。さらに、比較例20〜28のそれぞれについて、観察面の任意に選んだ4箇所を108μm×80μmの視野サイズで組織画像を撮影した。撮影された画像を画像処理ソフトで2値化し金属酸化物に該当する部分(組織観察画像の黒っぽい部分)の個数と面積を求め、金属酸化物粒子1個あたりの平均面積を計算したところ、比較例20〜28は、それぞれ0.8μm、1.1μm、1.5μm、1.3μm、1.4μm、1.8μm、1.3μm、1.6μm、2.3μmであった。
次に、比較例20〜28のそれぞれの焼結体を、直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工し、円盤状のターゲットを作製した。これらをマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1〜9と同様とし、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。そして、比較例20〜18のそれぞれについて、基板上へ付着した0.25〜3μmの大きさのパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、それぞれ16個、12個、21個、18個、23個、15個、19個、17個、17個であった。
次に、比較例20〜28のそれぞれについて、以下の手順にて接触角の測定を実施した。比較例20では、ターゲットを構成する酸化物と同一組成(95TiO−5Cr)の酸化物板と、ターゲットを構成する金属と同一組成(63Co−20Cr−17Pt)の金属ペレットを用意した。酸化物板の大きさは約40mm角×5mm厚とし、金属ペレットの重量は約10gとした。そして、酸化物板の上に金属ペレットを載せて、真空雰囲気中で1530℃まで加熱し金属ペレットを溶融させ、その後自然冷却させた。接触角は、実施例1〜9と同様の方法で求めた。その結果、接触角の値は、97°であった。また、比較例21〜28についても、比較例20と同様の手順により接触角を測定した。その結果、比較例21〜28は、それぞれ92°、98°、106°、127°、103°、137°、124°、113°であった。なお、金属と金属酸化物のどちらを溶融させるかは両者の融点により定め、溶融温度は、低い方の融点よりも約50℃高い温度とした。以上の結果を表1に示す。
以上の通り、いずれの実施例においても、溶融金属酸化物の金属に対する接触角又は溶融金属の金属酸化物に対する接触角が小さい(特に90°以下)の場合には、スパッタリングの際に生じるパーティクル量を大幅に低減することができ、成膜時の歩留まりを改善することができた。このように金属と金属酸化物の間の接触角を規定することがパーティクル発生の抑制に非常に重要な役割を有することが分かった。
本発明のスパッタリングターゲットは、スパッタ時に発生するパーティクル量を低減することができ、成膜時における歩留まりを向上することができるという優れた効果を有する。したがって、ハードディスクドライブに代表される磁気記録媒体の磁性薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットとして有用である。

Claims (37)

  1. 少なくともCoを含有する組成の金属と金属酸化物からなる焼結体スパッタリングターゲットであって、前記金属酸化物の溶融体の前記金属に対する接触角又は前記金属溶融体の前記金属酸化物に対する接触角が90°以下であり、前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 前記金属の組成が、Pt:0.1mol%以上、45mol%以下、残余Coであることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  3. 前記金属の組成が、Cr:0.1mol%以上、45mol%以下、Pt:0.1mol%以上45mol%以下、残余Coであることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  4. 前記B酸化物が、Bであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
  5. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有し、さらに、Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、52<y<79を満たす数)で表される金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  6. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有し、さらに、Ti、Cr、Si、Oを構成成分とし、TiとSiとCrの原子数比が式:TiSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、0<y<25、52<z/(1−y/100)<79を満たす数)で表される金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  7. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  8. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  9. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<20を満たす数)で表されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  10. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(但し、x、y、zは、x+y+z=100、50<x<100、x>2y、x>2zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  11. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>6zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  12. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>6zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  13. 前記金属がCoで、前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100を満たす数)で表されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  14. 前記金属の組成が、Pt:17mol%以上、27mol%以下、残余Coであることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  15. 前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有し、さらに、Ti、Si、Oを構成成分とし、TiとSiの原子数比が式:TiSi(但し、x、yは、x+y=100、40<y<60を満たす数)で表される金属酸化物を含有することを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  16. 前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有し、さらに、Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、71<y<100を満たす数)で表される金属酸化物を含有することを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  17. 前記金属酸化物が、Si、Cr、Oを構成成分とし、SiとCrの原子数比が式:SiCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<95を満たす数)で表されると共に、当該金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有することを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  18. 前記金属酸化物が、B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  19. 前記金属酸化物が、B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  20. 前記金属酸化物が、B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<15を満たす数)で表されることを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  21. 前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(但し、x、y、zは、x+y+z=100、50<x<100、x>2y、X>2zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  22. 前記金属酸化物が、B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、80<x<100、x>3y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  23. 前記金属酸化物が、B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  24. 前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BTiSiCr(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100、x>7wを満たす数)で表されることを特徴とする請求項14記載のスパッタリングターゲット。
  25. 前記金属の組成が、Cr:15mol%以上、25mol%以下、Pt:12mol%以上、22mol%以下、残余Coであることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  26. 前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有し、さらに、Ti、Cr、Oを構成成分とし、TiとCrの原子数比が式:TiCr(但し、x、yは、x+y=100、15<y<100を満たす数)で表される金属酸化物を含有することを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  27. 前記金属酸化物が、少なくともB酸化物又はBを構成元素の一つとする複合酸化物を含有し、さらに、Si、Cr、Oを構成成分とし、SiとCrの原子数比が式:SixCry(但し、x、yは、x+y=100、5<y<100を満たす数)で表される金属酸化物を含有することを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  28. 前記金属酸化物が、B、Ti、Oを構成成分とし、BとTiの原子数比が式:BTi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  29. 前記金属酸化物が、B、Si、Oを構成成分とし、BとSiの原子数比が式:BSi(但し、x、yは、x+y=100、0<y<33を満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  30. 前記金属酸化物が、B、Cr、Oを構成成分とし、BとCrの原子数比が式:BCr(但し、x、yは、x+y=100、0<y<15を満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  31. 前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Oを構成成分とし、BとTiとSiの原子数比が式:BTiSi(ただしx、y、zはx+y+z=100、50<x<100、x>2y、x>2zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  32. 前記金属酸化物が、B、Ti、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとCrの原子数比が式:BTiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、80<x<100、x>3y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  33. 前記金属酸化物が、B、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとSiとCrの原子数比が式:BSiCr(但し、x、y、zは、x+y+z=100、66<x<100、x>2y、x>11zを満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  34. 前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrの原子数比が式:BxTiySizCrw(但し、x、y、z、wは、x+y+z+w=100、75<x<100、x>7wを満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  35. 前記金属酸化物が、B、Ti、Si、Cr、Co、Oを構成成分とし、BとTiとSiとCrとCoの原子数比が式:BTiSiCrCo(但し、x、y、z、w、uは、x+y+z+w+u=100、75<x<100、5<u<30を満たす数)で表されることを特徴とする請求項25記載のスパッタリングターゲット。
  36. 前記金属の組成に、さらに、Au、B、Cu、Ga、Ge、Mn、Mo、Nb、Ni、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Ta、W、V、Znの群から選択した1種以上の元素を1mol%以上、30mol%以下含有することを特徴とする請求項1〜35のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
  37. スパッタリングターゲットの切断面において、金属素地中の金属酸化物粒子の平均面積が0.1〜20μmであることを特徴とする請求項1〜36のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
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