JP6002628B2 - 端子挿入装置及び端子挿入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタハウジングに端子を挿入する端子挿入装置及び端子挿入方法に関する。
特許文献1には、端子挿入ヘッドによりチャックされてクランプ竿から持ち上げられた電線が、一本ずつ掴まれて端子を載置台の上に位置決めして置かれたコネクタハウジングの所定の端子収容室に挿入される自動端子挿入機について記載されている。
また、特許文献2には、ワイヤハーネスの製造ラインなどにおいて、コネクタハウジングの端子収容室内に、電線付き端子の端子を挿入する端子挿入装置について記載されている。
また、端子挿入作業などの自動化のために利用可能な技術が、例えば特許文献3及び特許文献4に開示されている。すなわち、特許文献3には、端子挿入ヘッドに設けたカメラを用いて位置ずれなどを計測する方法が記載されている。また、特許文献4には、部品の先端位置を正確に認識できる部品位置計測方法が記載されている。
特開2001−160472号公報 特開2001−184958号公報 特開平9−14919号公報 特開2012−103099号公報
ワイヤハーネスなどを製造する場合に、電線に装着した各端子をコネクタハウジングに挿入する作業工程については、特許文献1及び特許文献2の技術を用いて自動化することが可能である。また、端子挿入ミスの発生や不良発生を減らすために、特許文献3及び特許文献4の位置計測技術を利用することができる。
しかしながら、従来の技術では端子挿入ミスの発生や不良発生を十分に低減することができなかった。更に、次に示すような課題があった。
端子が装着された電線をコネクタハウジングの端子収容室内に挿入する際に、現状では、端子を把持して位置決めし、同時に電線も把持する必要があるため、挿入作業を行う機構の挿入ヘッドが重くなり部品数も増える。挿入ヘッドが重くなると、機構の移動速度を上げることかできず、作業の所要時間を短縮できない。
一方、挿入ヘッドで端子を把持せずに、端子から少し離れた位置の電線部分だけを把持し、この状態で端子をコネクタハウジングに挿入すると電線部分は可撓性があるため、把持した箇所から電線先端の端子までの領域が挿入方向の軸に対して上下左右の方向に傾いている場合がある。更に、端子を把持していないので、挿入方向の軸の周りを周回する方向(ロール方向)に端子の向きが傾いた状態で挿入作業が行われる可能性もある。
一般的に用いられる端子は断面形状がほぼ矩形である場合が多く、コネクタハウジングの端子収容室は、端子の外形形状よりも僅かに大きい形状である場合が多い。したがって、端子がロール方向に傾いた状態のままでは、端子をコネクタハウジングに挿入することができない可能性が高い。その場合、端子に座屈が生じて挿入に失敗することになる。また、電線の傾きによってその先端に装着されている端子の位置が上下左右の方向にずれている場合にも、この端子とコネクタハウジングの端子収容室とを正確に位置合わせすることができず、端子の挿入に失敗することになる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子の挿入の失敗が生じにくく、挿入作業の所要時間を短縮することも可能な端子挿入装置及び端子挿入方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子挿入装置は、下記(1)〜(6)を特徴としている。
(1) コネクタハウジングに端子を挿入する端子挿入装置であって、
複数のコネクタハウジングが配置される固定盤と、
先端に端子が接続された電線を把持し、前記固定盤に配置された前記コネクタハウジングのうちのいずれか1つに向けて前記電線を運搬し、該コネクタハウジングにおけるキャビティに対して前記端子を挿し込む並列関節機構と、
前記端子を挿し込む方向とほぼ直交する第1軸の方向、及び前記第1軸と直交する第2軸の方向のそれぞれについて、少なくとも前記端子の輪郭位置を計測可能な2軸センサ部と、
前記端子の先端部の矩形断面形状における対角線寸法と、前記2軸センサ部を用いた計測により得られる前記端子の幅寸法とに基づいて、前記端子を挿し込む方向の軸の周りを周回する方向の、基準状態に対するロール角度を算出するロール角度算出部と、
前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記並列関節機構を制御して前記ロール角度に応じた前記端子の傾きの修正を実行するロール角度補正制御部と
を備えたこと。
(2) 上記(1)の構成の端子挿入装置であって、
前記端子の先端部の位置座標を前記2軸センサ部を用いて計測し、前記位置座標の基準座標との差異に基づき、前記電線のピッチ方向及びヨー方向の傾きを検出し、前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記傾きに応じて前記端子の先端部の位置を修正するように、前記並列関節機構を制御する電線傾き補正制御部、を更に備えた
こと。
(3) 上記(2)の構成の端子挿入装置であって、
前記ロール角度補正制御部が前記端子の傾きの修正を完了し、且つ前記電線傾き補正制御部が前記端子の先端部の位置の修正を完了した後で、前記端子の先端部が挿入先のキャビティの入口と当接する一次挿入位置まで前記端子を移動し、その後で、前記電線傾き補正制御部が検出した前記電線の傾きを矯正するように、前記電線を把持している位置を移動した後で、前記一次挿入位置よりも奥の二次挿入位置まで前記キャビティの中に前記端子を挿し込む電線傾き矯正制御部、を更に備えた
こと。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか1つの構成の端子挿入装置であって、
前記ロール角度補正制御部は、前記ロール角度の回転方向が未知の状態で、特定の回転方向に向けて前記端子の傾きの修正を実行した後、前記端子の前記対角線寸法を前記2軸センサ部を用いて再び計測し、計測結果から前記ロール角度が増大したことを検知した場合には、前記特定の回転方向とは反対の方向に対して前記端子の傾きの修正を実行する
こと。
(5) 上記(1)から(4)のいずれか1つの構成の端子挿入装置であって、
前記2軸センサ部は、前記端子を前記キャビティに挿し込む方向と同じ軸に沿って、前記端子に対して接近及び離間する方向に移動可能な可動機構により支持されている
こと。
(6) 上記(1)から(5)のいずれか1つの構成の端子挿入装置であって、
前記並列関節機構は、前記端子を開放した状態で、前記電線の一部分を把持する、
こと。
上記(1)の構成の端子挿入装置によれば、前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記端子のロール方向の傾きを検出し、この傾きを補正するように端子の姿勢を制御することができる。したがって、端子を支持している電線だけを前記並列関節機構で把持し、電線の先端の端子が開放されている状態であっても、端子の姿勢をコネクタハウジングのキャビティの形状及び位置に正確に合わせることができる。また、並列関節機構を用いているので、把持した箇所から電線の先端にかけて上下左右に傾いているような状況であっても、端子の姿勢を高精度で調整できる。
上記(2)の構成の端子挿入装置によれば、電線の把持した箇所から電線の先端にかけて上下左右に傾いているような状況であっても、電線の傾きによる先端の端子位置での位置ずれを補正し、端子の位置をコネクタハウジングのキャビティの位置に正確に合わせることができる。
上記(3)の構成の端子挿入装置によれば、前記端子の先端部が一次挿入位置で挿入先のキャビティの入口と当接した状態のまま、電線を把持している箇所が基準位置に向かって移動するので、電線の把持している箇所と端子先端との間に外力が加わって、電線の傾きが矯正される。電線がヨー方向又はピッチ方向に傾いた状態のまま、キャビティの奥まで端子を挿入しようとすると、端子に座屈が生じ挿入に失敗する可能性が高いが、二次挿入位置に挿入する前に電線の傾きを矯正することにより、電線が挿入方向と一致する軸に沿ってまっすぐに延びた状態になり、座屈の発生が防止される。
上記(4)の構成の端子挿入装置によれば、前記2軸センサ部がレーザセンサを採用している場合のように、端子の輪郭形状及び位置だけしか検出できず、前記ロール角度の回転方向が未知の場合であっても、このロール角度を正しく補正し、端子の姿勢をコネクタハウジングのキャビティの形状及び位置に正確に合わせることができる。
上記(5)の構成の端子挿入装置によれば、端子及び電線の位置を固定したままであっても、必要な時に前記端子を計測できる位置まで前記2軸センサ部を移動することができる。したがって、端子の計測に伴って、電線の掴み直しを行う必要がない。電線の掴み直しを行わなければ、計測した端子の位置と実際の端子の位置との間に位置ずれが生じることもない。
上記(6)の構成の端子挿入装置によれば、前記並列関節機構が電線だけを把持するので、電線を把持する機構の部品数を減らし軽量化することができる。これにより、端子挿入作業の所要時間の短縮が可能になる。また、電線だけを把持する場合であっても、端子に生じるロール方向の傾きなどを修正してから挿入作業を行うことができるので、挿入の失敗が増えることもない。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子挿入方法は、下記(7)〜(12)を特徴としている。
(7) 並列関節機構によってコネクタハウジングに端子を挿入する端子挿入方法であって、
先端に端子が接続された電線を把持する工程と、
固定盤に配置された複数のコネクタハウジングのうちのいずれか1つに向けて前記電線を運搬する工程と、
前記端子を挿し込む方向とほぼ直交する第1軸の方向、及び前記第1軸と直交する第2軸の方向のそれぞれについて、少なくとも前記端子の輪郭位置を計測する行程と、
前記端子の先端部の矩形断面形状における対角線寸法と、前記計測により得られる前記端子の幅寸法とに基づいて、前記端子を挿し込む方向の軸の周りを周回する方向の、基準状態に対するロール角度を算出する行程と、
前記端子をキャビティに挿し込む前に、前記並列関節機構を制御して前記ロール角度に応じた前記端子の傾きを修正する行程と、
前記コネクタハウジングにおけるキャビティに対して前記端子を挿し込む工程と、
を有する
こと。
(8) 上記(7)の構成の端子挿入方法であって、
前記端子の先端部の位置座標を計測する工程と、
前記位置座標の基準座標との差異に基づき、前記電線のピッチ方向及びヨー方向の傾きを検出する工程と、
前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記傾きに応じて前記端子の先端部の位置を修正するように、前記並列関節機構を制御する工程と、
を更に有すること。
(9) 上記(8)の構成の端子挿入方法であって、
前記端子の傾きの修正を完了し、且つ前記端子の先端部の位置の修正を完了した後で、前記端子の先端部が挿入先のキャビティの入口と当接する一次挿入位置まで前記端子を移動する工程と、
前記電線の傾きを矯正するように、前記電線を把持している位置を移動する工程と、
前記一次挿入位置よりも奥の二次挿入位置まで前記キャビティの中に前記端子を挿し込む工程と、
を更に有すること。
(10) 上記(7)から(9)のいずれか1つの構成の端子挿入方法であって、
前記ロール角度の回転方向が未知の状態で、特定の回転方向に向けて前記端子の傾きの修正を実行する工程と、
前記端子の前記対角線寸法を再び計測し、計測結果から前記ロール角度が増大したことを検知した場合には、前記特定の回転方向とは反対の方向に対して前記端子の傾きの修正を実行する工程と、
を更に有すること。
(11) 上記(7)から(10)のいずれか1つの構成の端子挿入方法であって、
前記端子の輪郭位置を計測する工程にて、2軸センサ部が、前記端子を前記キャビティに挿し込む方向と同じ軸に沿って、前記端子に対して接近または離間する、
こと。
(12) 上記(7)から(11)のいずれか1つの構成の端子挿入方法であって、
前記並列関節機構によって、前記端子を開放した状態で、前記電線の一部分が把持される、
こと。
上記(7)の構成の端子挿入方法によれば、前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記端子のロール方向の傾きを検出し、この傾きを補正するように端子の姿勢を制御することができる。したがって、端子を支持している電線だけを前記並列関節機構で把持し、電線の先端の端子が開放されている状態であっても、端子の姿勢をコネクタハウジングのキャビティの形状及び位置に正確に合わせることができる。
上記(8)の構成の端子挿入方法によれば、電線の把持した箇所から電線の先端にかけて上下左右に傾いているような状況であっても、電線の傾きによる先端の端子位置での位置ずれを補正し、端子の位置をコネクタハウジングのキャビティの位置に正確に合わせることができる。
上記(9)の構成の端子挿入方法によれば、前記端子の先端部が一次挿入位置で挿入先のキャビティの入口と当接した状態のまま、電線を把持している箇所が基準位置に向かって移動するので、電線の把持している箇所と端子先端との間に外力が加わって、電線の傾きが矯正される。電線がヨー方向又はピッチ方向に傾いた状態のまま、キャビティの奥まで端子を挿入しようとすると、端子に座屈が生じ挿入に失敗する可能性が高いが、二次挿入位置に挿入する前に電線の傾きを矯正することにより、電線が挿入方向と一致する軸に沿ってまっすぐに延びた状態になり、座屈の発生が防止される。
上記(10)の構成の端子挿入方法によれば、前記2軸センサ部がレーザセンサを採用している場合のように、端子の輪郭形状及び位置だけしか検出できず、前記ロール角度の回転方向が未知の場合であっても、このロール角度を正しく補正し、端子の姿勢をコネクタハウジングのキャビティの形状及び位置に正確に合わせることができる。
上記(11)の構成の端子挿入方法によれば、端子及び電線の位置を固定したままであっても、必要な時に前記端子を計測できる位置まで前記2軸センサ部を移動することができる。したがって、端子の計測に伴って、電線の掴み直しを行う必要がない。電線の掴み直しを行わなければ、計測した端子の位置と実際の端子の位置との間に位置ずれが生じることもない。
上記(12)の構成の端子挿入方法によれば、前記並列関節機構が電線だけを把持するので、電線を把持する機構の部品数を減らし軽量化することができる。これにより、端子挿入作業の所要時間の短縮が可能になる。また、電線だけを把持する場合であっても、端子に生じるロール方向の傾きなどを修正してから挿入作業を行うことができるので、挿入の失敗が増えることもない。
本発明の端子挿入装置及び端子挿入方法によれば、端子の挿入の失敗が生じにくく、また繰り返し行う挿入作業の所要時間(サイクルタイム)を短縮することも可能になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態の、2台の並列関節機構を備える端子挿入装置の斜視図である。 図2は、本発明の実施形態の端子挿入装置を示す斜視図である。 図3(A)及び図3(B)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における固定盤を示す図であって、図3(A)は固定盤の平面図であり、図3(B)は側面図である。 図4は、本発明の実施形態の端子挿入装置における並列関節機構を示す側面図である。 図5は、本発明の実施形態の端子挿入装置における電線運搬機を示す斜視図である。 図6(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における端子計測センサを示す斜視図であり、図6(B)は、計測センサによる検出領域と端子の位置関係を示す正面図である。 図7は、本発明の実施形態の端子挿入装置を含む制御システムの機能ブロック図である。 図8(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図8(B)は、図8(A)の要部拡大図である。 図9(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図9(B)は、図9(A)の要部拡大図である。 図10(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図10(B)は、図10(A)の要部拡大図である。 図11(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図11(B)は、図11(A)の要部拡大図である。 図12(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図であり、図12(B)は、図12(A)の要部拡大図である。 図13(A)は、X計測センサ及びZ計測センサの検出領域に端子の先端が位置している状態を示す斜視図であり、図13(B)は、端子のロール方向の回転が0に戻され、且つ電線がY軸に平行に配置された状態を示す斜視図である。 図14(A)、図14(B)及び図14(C)は、各方向の回転を説明するための模式図であり、図14(A)は端子のロール方向回転角が0の場合、図14(B)は端子のロール方向回転角がθの場合、図14(C)は電線把持本体のピッチ方向の回転角及びヨー方向の回転角を表している。 図15は、本発明の実施形態の端子挿入装置におけるロール角度補正制御の処理手順を表すフローチャートである。 図16は、本発明の実施形態の端子挿入装置における電線傾き補正制御の処理手順を表すフローチャートである。 図17は、端子のロール角度を補正する場合の端子及び動作の状態遷移の具体例を示す状態遷移図である。 図18は、端子の先端が挿入先のキャビティの間口基準位置の直前位置まで移動した状態を示す斜視図である。 図19(A)から図19(D)は、電線傾き矯正制御を実施する場合の端子及びその周辺の水平面内の状態遷移の具体例を表す状態遷移図である。 図20(A)及び図20(B)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における固定盤の応用例を示す図であって、図20(A)は固定盤の斜視図であり、図20(B)は図20(A)の要部拡大図である。 図21は、本発明の実施形態の端子挿入装置における、並列関節機構20の応用例を示す斜視図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
[端子挿入装置の概要]
図1は、本発明の実施形態の端子挿入装置を示す斜視図である。本発明の実施形態の端子挿入装置は、固定盤10と、並列関節機構20と、を含んで構成される。本発明の実施形態の端子挿入装置は、さらに、電線運搬機30と、端子計測センサ40と、を備えている。以下、固定盤10、並列関節機構20、電線運搬機30及び端子計測センサ40について詳細に説明する。
図1に示されるように、2台の並列関節機構20A、20Bがそれぞれ、固定盤10に配置された異なるコネクタハウジング80に対して端子を挿入する。また、この構成の場合、電線運搬機30は、2つの移動体32A、32Bを備えており、移動体32Aが電線90の一端を、移動体32Bが電線90の他端をそれぞれ把持する。そして、2つの移動体32A、32Bが一端及び他端が把持された状態の電線90を所定位置へ運搬する。このように、電線運搬機30は、一回路線単位で電線を運搬する。また、端子計測センサ40は、計測センサが2つセンサ台41に取り付けられている。一つの計測センサ47Aは、並列関節機構20Aが把持した電線の先端に位置する端子を計測対象とし、別の計測センサ47Bは、並列関節機構20Bが把持した電線の先端に位置する端子を計測対象とする。この構成により、2台の並列関節機構20A、20Bは、一方が電線90の一端を把持し、他方が電線90の他端を把持し、それぞれの端部が接続されるべき異なるコネクタハウジングに対して端子挿入処理を実行する。
以降に説明する、本発明の実施形態の端子挿入装置においては、より深い理解に導くため、1台の並列関節機構20によって端子をコネクタハウジングに挿入する形態について説明するが、2台の並列関節機構20A、20Bによって端子を挿入する形態であっても、2台の並列関節機構20A、20Bが独立して駆動するため、端子挿入処理は同様である。
[端子挿入装置の構成]
[固定盤10の詳細]
図3(A)及び図3(B)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における固定盤を示す図であって、図3(A)は固定盤の平面図を、図3(B)は側面図を、それぞれ示す。固定盤10は、図2及び図3(A)、図3(B)に示されるように、コネクタハウジング80を位置決めするための部材であり、ハウジング支持台(図示せず)の平坦面に取り付けられる。固定盤10は、コネクタハウジング80を保持するハウジング受け11と、ハウジング受け11が固定される円環状のレール部材12と、レール部材12と軸心が一致するように該レール部材12が上面13aに固定される円盤部材13と、円盤部材13の軸心と一致するように回転軸14aが設定された、円盤部材13の下面13bに取り付けられたモータ部材14と、を備える。
ハウジング受け11は、コネクタハウジング80の外側面の形状に略一致する内面が形成された凹部を有する。ハウジング受け11の凹部に収容されることにより、コネクタハウジング80はハウジング受け11に対して位置決めされる。ハウジング受け11は、ハウジング受け11を支持する支持台11aを介してレール部材12に固定される。レール部材12に固定された支持台11aは、その一部がレール部材12の半径方向に沿ってレール部材12の外部に延在されている。ハウジング受け11は、支持台11aにおけるレール部材12の外部に延在されている一部に固定されている。また、レール部材12には複数のハウジング受け11が固定されるが、これらの複数のハウジング受け11は、円環状のレール部材12に所定の間隔で配置される。このため、複数のハウジング受け11に固定されたコネクタハウジング80は、隣り合うコネクタハウジング80の位置を順に繋いでいくと、その繋いだ線分の集合が全体として円環状を形成するように配置される。また、コネクタハウジング80は、図3(A)及び図3(B)に示されるように、キャビティ81の開口が露出する該コネクタハウジング80の前面がレール部材12の外側に位置するようにハウジング受け11に保持される。このとき、ハウジング受け11に保持されたコネクタハウジングにおけるキャビティ81は、その延びる方向がレール部材12の半径方向に沿って配置される。
レール部材12は、円形平板の内部が穿たれた平板状の円環部材であり、その内部に円盤部材13の一部が嵌入することにより該円盤部材13に固定される。レール部材12は、半円形状の平板が2つ同一平面上に並設されたものである。好ましくは、ハウジング受け11にコネクタハウジング80が保持された状態のレール部材12が円盤部材13に固定され、各コネクタハウジング80に対する端子の挿入が実施される。
円盤部材13は、径の異なる3つの円盤体13c、13d、13eが軸心を一致するように積層され、それらの円盤体13c、13d、13eが一体として形成された部材である。円盤体13cは、径がレール部材12の内径に略一致する。円盤体13cがそのレール部材12に嵌入することにより、レール部材12が円盤体13cに対して固定される。また、円盤体13dは、径がレール部材12の外径に略一致する。円盤体13cに対して固定されたレール部材12の下面を、円盤体13dの上面13aが支持することにより、レール部材12は円盤部材13に対して安定的に保持される。また、円盤体13eは、下面13bにモータ部材14が取り付けられている。円盤体13eの軸心は、モータ部材14の回転軸14aの軸心と一致しており、モータ部材14の回転に伴って円盤部材13が回動する。この結果、円盤部材13の円盤体13cに固定されたレール部材12も、モータ部材14の回転に伴って回転軸14aを中心として回動する。このため、各ハウジング受け11に固定された複数のコネクタハウジング80もまた、これらのハウジングが形成する円環の周方向に回転することになる。
モータ部材14は、回転軸がハウジング支持台(図示せず)の平坦面に対して垂直となるように、該平坦面に支持される。モータ部材14がハウジング支持台の平坦面に支持されることにより、固定盤10がハウジング支持台に取り付けられる。モータ部材14は、モータの回転力が各種のギヤを介して円盤部材13に伝達され、円盤部材13が回転する。モータ部材14は、制御装置(図2、図3(A)及び図3(B)には図示せず)からの制御信号を受け付けて、モータの回転を制御する。制御装置によるモータ部材14の駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
本発明の実施形態の端子挿入装置では、複数のコネクタハウジング80が固定盤10に円環状に配置される。このため、本発明の実施形態の端子挿入装置は、従来の端子挿入装置のように、複数のコネクタハウジングを一列に配置するための幅方向に大きく開かれた空間を確保する必要は無く、固定盤10を収納できる程度の幅の空間を確保すればよくなる。このため、上述した固定盤10の構造は、端子挿入装置の小型化に寄与する。
[並列関節機構20の詳細]
図4は、本発明の実施形態の端子挿入装置における並列関節機構を示す側面図である。並列関節機構20は、コネクタハウジング80に端子を挿入するための機材であり、並列関節機構支持台(図示せず)に取り付けられる。並列関節機構20は、図4に示されるように、並列関節機構支持台に取り付けられる基台21と、基台21上に設置された3つの第1モータ22a、22b、22cと、第1モータ22a、22b、22cの回転軸に各々の一端が接続されて駆動する3つのアーム23a、23b、23cと、アーム23a、23b、23cの他端に各々の一端がユニバーサルジョイント、伝達ギヤを介して接続される3つのリンク24a、24b、24cと、3つのリンク24a、24b、24cの他端にユニバーサルジョイントを介して接続されるハンド部材25と、を備えている。並列関節機構20は、3つの第1モータ22a、22b、22cの回転量を制御してアーム23a、23b、23cの傾斜角度、及びリンク24a、24b、24cのアーム23a、23b、23cに対する角度を変化させることにより、ハンド部材25をXYZに沿う3方向に並進させることができる。並列関節機構20は、制御装置(図4には図示せず)からの制御信号を受け付けて、第1モータ22a、22b、22cの回転を制御する。制御装置による並列関節機構20のXYZ3方向への並進駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
さらに、ハンド部材25は、3つのリンク24a、24b、24cの他端にユニバーサルジョイントを介して接続されるハンド基台25aと、ハンド基台25aに対してロール方向に旋回自在に取り付けられた電線把持本体25bと、先端に接続された端子を含む電線の一部を把持する、電線把持本体25bの先端に設けられた電線チャック25cと、ハンド基台25aに取り付けられ、電線把持本体25bをハンド基台25aに対してピッチ方向(図4におけるX軸を周回する方向)、ヨー方向(図4におけるZ軸を周回する方向)に旋回する第2モータ25fと、ハンド基台25aに取り付けられ、電線把持本体25bをハンド基台25aに対してロール方向(図4におけるY軸を周回する方向)に旋回する第3モータ25dと、電線チャック25cに作用する外力を検出する圧力センサ25gを有する。尚、本実施形態では、ハンド基台25aに第2モータ25f及び第3モータ25dを設ける構成としたが、第2モータ25f及び第3モータ25dを基台21上に設ける構成としてもよい。この場合、第2モータ25f及び第3モータ25dを伸縮シャフト及びユニバーサルジョイントを介してハンド基台25aに取り付ける構造とすることにより、ハンド部材25をピッチ方向、ヨー方向、ロール方向に旋回自在とする。また、1つの第2モータ25fにて電線把持本体25bをピッチ方向及びヨー方向に旋回する構成としたが、第2モータ25fに相当するモータをハンド基台25aに2つ取り付け、一方のモータがその回転によって電線把持本体25bをピッチ方向に、他方のモータがその回転によって電線把持本体25bをヨー方向に、それぞれ旋回自在とする構成であってもよい。
電線把持本体25bは、電線チャック25cにエアーを送り込むシリンダを有しており、電線チャック25cは、電線把持本体25bからエアーを送り込まれるとチャックが閉じられ、エアーが送り込まれなくなるとチャックが開く。並列関節機構20は、制御装置(図4には図示せず)からの制御信号を受け付けて、電線把持本体25bが電線チャック25cにエアーを送り込むタイミングを制御する。制御装置による電線チャック25cの開閉駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
また、電線把持本体25bは、第2モータ25fの回転量を制御して駆動させることにより、電線把持本体25bの姿勢がピッチ方向、ヨー方向に旋回する。また、電線把持本体25bは、第3モータ25dの回転軸に連結される駆動軸25eを有しており、第3モータ25dの回転量を制御して駆動軸25eをハンド基台25aに対して回転させることにより、電線把持本体25bの姿勢をロール方向に旋回させることができる。この結果、電線チャック25cに把持された電線もまた、姿勢がピッチ方向、ヨー方向及びロール方向に旋回する。並列関節機構20は、制御装置(図4には図示せず)からの制御信号を受け付けて、第2モータ25f及び第3モータ25dの回転を制御する。制御装置による電線把持本体25bのピッチ方向、ヨー方向及びロール方向への旋回駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
また、電線チャック25cは、前側チャック25c1及び後側チャック25c2を備えている。本発明の実施形態では、各チャック25c1、25c2がそれぞれ、電線の外皮の部分をチャックの間に挟んだ状態で閉じられることにより、電線チャック25cが電線を把持する。このように電線チャック25cが端子91を把持しなくてもよくなると、端子91を把持するための端子チャックを電線把持本体25bに設けなくて済む。これにより、電線把持本体25bの軽量化、ひいてはハンド部材25の軽量化に繋がる。この結果、並列関節機構20の動作スピードの向上やサイクルタイムの短縮が実現でき、並列関節機構20の作業効率の向上を図ることができる。
[電線運搬機30の詳細]
図5は、本発明の実施形態の端子挿入装置における電線運搬機を示す斜視図である。電線運搬機30は、先端に端子91が取り付けられた電線90を、所定位置に運搬する機材である。電線運搬機30は、図5に示されるように、X軸方向に延びる運搬レール31と、運搬レール31をスライド自在な移動体32と、先端に接続された端子91を含む電線90の一部を把持する、移動体32に設けられた搬送チャック33と、運搬レール31を支持するフレーム34と、搬送チャック33にエアーを送り込むエアチャック本体35と、を備えている。本発明の実施形態では、移動体32が運搬レール31上を移動する向きがX軸の向きに相当する。
移動体32は、モータを備えており、当該モータの回転力が運搬レール31の長手方向の推進力に変換されて運搬レール31上をスライドすることができる。移動体32は、制御装置(図5には図示せず)からの制御信号を受け付けて、モータの回転を制御する。制御装置による移動体32の運搬レール31上のスライド駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
また、移動体32は、搬送チャック33にエアーを送り込むエアチャック本体35を有しており、搬送チャック33は、移動体32からエアーを送り込まれるとチャックが閉じられ、エアーが送り込まれなくなるとチャックが開く。移動体32は、制御装置(図5には図示せず)からの制御信号を受け付けて、搬送チャック33にエアーを送り込むタイミングを制御する。制御装置による搬送チャック33の開閉駆動制御については後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
移動体32によって運搬されてきた電線90を並列関節機構20が把持する位置は、予め位置決めされている。すなわち、移動体32は、運搬レール31上を移動して予め定められた所定位置で停止し、他方、並列関節機構20は、移動体32によって運搬された電線が予め定められた位置にあるものとしてその位置に向かう。この結果、並列関節機構20は、移動体32によって運搬されてきた電線90を把持することができ、他方、移動体32は、電線90が並列関節機構20によって把持された後自身の電線90の把持を解く。この一連の処理により、並列関節機構20に電線90が供給される。
[端子計測センサ40の詳細]
図6(A)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における端子計測センサを示す斜視図である。端子計測センサ40は、並列関節機構20が把持した電線90の先端に位置する端子91のロール方向の回転角及び端子91の先端が位置するXZ座標を計測する機材である。本発明の実施形態では、並列関節機構20の電線チャック25cが電線90の外皮の部分を2箇所挟み、並列関節機構20がその電線90を運搬して、端子91をコネクタハウジング80のキャビティ81に挿入する。このとき、端子91がロール方向に回転していることも考慮しなければならない。さらには、端子91の重みによる電線90の垂れ下がりまたは電線の巻き癖による跳ね返り、より具体的には電線90における、電線チャック25cの前側チャック25c1に把持された箇所から電線90の先端にかけての垂れ下がりまたは跳ね返り、を考慮しなければならない。端子計測センサ40は、端子91のロール方向への回転角、及びこの電線90の垂れ下がりまたは跳ね返りによる端子91のY軸方向に対する傾きを検出するものである。
端子計測センサ40は、センサ台41、センサ台41に取り付けられる端子91先端のX軸方向の位置座標を検出するX計測センサ42、センサ台41に取り付けられる端子91先端のZ軸方向の位置座標を検出するZ計測センサ43、Y軸方向に延びるセンサ台レール44、センサ台41のセンサ台レール44に沿ったスライドを可能にするスライダ45、及びセンサ台レール44の端部(図6(A)では左方)に設けられた、センサ台41をスライダ45を介して前進、後退駆動させるための駆動源46と、を備える。センサ台41がセンサ台レール44上を移動する向きがY軸の向きに相当する。
X計測センサ42は、帯状レーザを発光する発光面とその帯状レーザを受光する受光面がZ軸方向に離間して配置されている。また、Z計測センサ43は、帯状レーザを発光する発光面とその帯状レーザを受光する受光面がX軸方向に離間して配置されている。図6(B)に示される、計測センサによる検出領域と端子の位置関係のように、X計測センサ42の発光面と受光面、及びZ計測センサ43の発光面と受光面で囲まれる検出領域に遮蔽物が位置した場合、X計測センサ42の受光面にて検出される光の強度の分布、及びZ計測センサ43の受光面にて検出される光の強度の分布から、その遮蔽物のX方向、Z方向の幅、及びXZ座標を特定することができる。この原理を利用し、並列関節機構20が把持した電線90の端子91の先端を、X計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域に配置することができれば、X計測センサ42及びZ計測センサ43によって検出される端子91のX方向、Z方向の幅及びXZ座標から端子91の先端のロール方向の回転角θ、及びXZ座標を検出することができる。
上述のようにX計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域に端子91の先端を配置するため、センサ台41は、センサ台レール44をY軸方向に次のように移動する。すなわち、駆動源46は、制御装置(図6には図示せず)からの制御信号を受け付けて駆動し、または駆動を停止し、センサ台41は、その駆動源46から動力を受けてY軸方向の任意の位置に移動する。このセンサ台41の動きにより、X計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域に端子91の先端を収めることができる。
尚、並列関節機構20が電線90を把持する箇所が端子91から離れるほど、端子91の重みによる電線90の垂れ下がり量または跳ね返り量は大きくなる。この結果、X計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域に端子91が収まらない、X計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域に端子91が到達しない、等が考えられる。このため、並列関節機構20が電線90を把持する箇所を定めるにあたっては、電線90の垂れ下がりまたは跳ね返りによる端子91の先端のX軸及びZ軸の最大変位量が上記の検出領域に収まり、且つ、Y軸方向の最大変位量がX計測センサ42及びZ計測センサ43の帯状レーザの厚み(Y軸方向の厚み)の範囲内に収まることが好ましい。
ここまで説明したセンサ台41の移動は、制御装置(図6には図示せず)が駆動源46のエンコーダからの信号を受け付け駆動源46に制御信号を出力してセンサ台41の移動を制御することにより実現される。そして、X計測センサ42及びZ計測センサ43は、検出領域に配置された端子91の先端のX方向、Z方向の幅、及びXZ座標を検出すると、その信号を制御装置に出力する。端子91の先端のロール方向の回転角θ、及びXZ座標の算出手法については、後述する[制御装置70による制御の詳細]にて説明する。
[制御システムの構成]
項目[端子挿入装置の構成]にて説明したように、本発明の実施形態の端子挿入装置は、固定盤10と、並列関節機構20と、備え、さらに、電線運搬機30と、端子計測センサ40と、を備えている。これらの機材を統括的に制御するため、本発明の実施形態の端子挿入装置を含む制御システムには制御装置70が備わっている。図7は、本発明の実施形態の端子挿入装置を含む制御システムの機能ブロック図である。制御装置70は、固定盤10のモータ部材14、並列関節機構20、電線運搬機30の移動体32、並びに、端子計測センサ40のX計測センサ42、Z計測センサ43、及び駆動源46のエンコーダに接続される。制御装置70は、各種の駆動源に対しては制御信号を出力し、各種のセンサからは該センサが検出した信号が入力される。制御装置70は、汎用PCや、端子挿入装置を含むシステム全体を制御する専用の演算装置などの、各種の装置によって構成することができる。以下、制御装置70によって制御される、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理について詳細に説明する。
[制御装置70による制御の詳細]
[位置決め設定処理]
制御装置70には、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理に先だって、固定盤10の初期位置、及び固定盤10に配置されたコネクタハウジング80の初期位置を設定し、初期状態におけるコネクタハウジング80のキャビティ81の位置を該制御装置70に認識させておく必要がある。
ところで、固定盤10の円盤部材13及びモータ部材14はハウジング支持台の所定位置に取り付けられている。このため、形状が特定される円盤部材13に取り付けられるレール部材12の中心の位置は、円盤部材13の軸心上の一点に定めることができる。また、レール部材12の半径及びレール部材12に対する各ハウジング受け11の取り付け位置は既知である。以上から、円盤部材13にレール部材12を取り付けたときの、円盤部材13の周方向の所定位置とレール部材12の周方向の所定位置と間の相対的なずれ量が分かれば、そのずれ量に基づいて、各ハウジング受け11に収容されるコネクタハウジング80の位置及びキャビティ81の開口の位置を制御装置70に設定することができる。
円盤部材13の周方向の所定位置からレール部材12の周方向の所定位置までの相対的なずれ量については、次のようにして制御装置70に設定することができる。すなわち、円盤部材13の周方向の所定位置及びレール部材12の周方向の所定位置にそれぞれ目印となるものを設けておき、それらの目印が一致するように円盤部材13にレール部材12が取り付けられる。こうしておけば、ずれ量「0」として制御装置70に設定しておけばよい。或いは、円盤部材13の周方向またはレール部材12の周方向に角度を示す目盛を付記しておき、円盤部材13の周方向の所定位置からレール部材12の周方向の所定位置までの角度をずれ量として制御装置70に設定しておくことも可能である。
或いは、円盤部材13の初期位置を、並列関節機構20を用いて設定しても良い。例えば、円盤部材13のハウジング受け11のいずれか一つに丸穴を設け、他方、電線チャック25cに電線90の代わりに位置決め用の丸棒を持たせる。そして、丸棒が丸穴に差し込むことができるハウジング受け11の位置を、円盤部材13の回転角0の位置とする。このように各種の手法により、固定盤10の初期位置を設定する。
また、制御装置70には、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理に先だって、並列関節機構20のハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置、電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の初期角度、並びに、電線把持本体25bのロール方向の初期角度、を設定し、初期状態におけるこれらの数値を該制御装置70に認識させておく必要がある。ハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置は、電線運搬機30の搬送チャック33の所定位置によって定められる。すなわち、ハンド基台25aの初期位置は、電線90を把持した移動体32が並列関節機構20へ電線を渡すべき所定位置にいる状況の搬送チャック33に対して、電線チャック25cが所定の距離上方(Z軸の正方向)に位置するように定められる。より厳密には、ハンド基台25aの初期位置は、Z軸方向に電線チャック25c及び搬送チャック33を視たときに、電線チャック25cの前側チャック25c1及び後側チャック25c2によって搬送チャック33が挟まれる位置に定められる。このため、搬送チャック33に把持された電線90を電線チャック25cが把持する際、搬送チャック33の前後両側を前側チャック25c1及び後側チャック25c2が把持することになる。
移動体32が並列関節機構20へ電線を渡すべき所定位置は、運搬レール31の所定位置にストッパーを設けておく、若しくは移動体32のモータのエンコーダ情報によって位置決めするなどして、電線運搬機30に構造上設定されている。この所定位置を予め作業者が計測し制御装置70に設定しておく、若しくは電線運搬機30側で移動体32のモータのエンコーダ情報を記憶しておけば、制御装置70は、その所定位置に基づいて並列関節機構20のハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置を設定することができる。
端子計測センサ40のセンサ台レール44は、電線90を把持した移動体32が並列関節機構20へ電線を渡すべき所定位置にいる状況の搬送チャック33に対して、位置合わせされている。すなわち、センサ台レール44は、搬送チャック33によって把持される、垂れ下がりまたは跳ね返りが無くY軸方向に理想的に延びる電線90が、X計測センサ42及びZ計測センサ43によって計測されるXZ座標の原点O(図6(B)参照。)を通過する位置に、位置合わせされている。また、端子計測センサ40のセンサ台41の初期位置は、駆動源46のエンコーダ情報によって定められている。この初期位置は、把持された電線90の端子91先端がX計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域から離間し、その2部材の間である程度の距離が確保され得る位置である。
以上まとめると、制御装置70には、次の項目が初期値として設定されている。
・固定盤10の初期位置
・レール部材12の固定盤10に対する初期位置
・固定盤10に配置されたコネクタハウジング80のキャビティ81の初期位置
・ハンド基台25aのX座標、Y座標及びZ座標の初期位置
・電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の角度の初期角度
・電線把持本体25bのロール方向の角度の初期角度
・移動体32の運搬レール31に対する初期位置
・端子計測センサ40のセンサ台41の初期位置
[端子挿入処理]
続いて、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための一連の処理について詳細に説明する。図8(A)、図9(A)、図10(A)、図11(A)及び図12(A)はそれぞれ、本発明の実施形態の端子挿入装置による端子挿入処理の一工程を示す斜視図である。また、図8(B)、図9(B)、図10(B)、図11(B)及び図12(B)はそれぞれ、対応する図8(A)、図9(A)、図10(A)、図11(A)及び図12(A)の要部拡大図である。尚、以下に説明する各機材の駆動は、制御装置70からの制御信号にしたがったものである。
まず、図8(A)及び図8(B)に示されるように、並列関節機構20は、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための前回の一連の処理が終わると、ハンド基台25aをX座標、Y座標及びZ座標の初期位置に移動すると共に、電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。さらに、電線把持本体25bのロール方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。
また、固定盤10は、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための前回の一連の処理が終わると、制御装置70からの制御信号が入力されてレール部材12が回転し、今回の一連の処理で端子91が挿入される対象となるコネクタハウジング80が、並列関節機構20の電線把持本体25bに向かって周回移動する。このような固定盤10の周回駆動制御は、固定盤10に配置されたコネクタハウジング80の初期位置が[位置決め設定処理]にて制御装置70に設定されているからこそ、実現することができる。さらに、この周回移動の際、今回の一連の処理で端子91が挿入される対象となるキャビティ81がY軸に平行になる位置に、コネクタハウジング80を周回移動することが好ましい。このような固定盤10の周回駆動制御も、コネクタハウジング80におけるキャビティ81の開口の位置が事前に登録されているために実現することができる。
また、電線運搬機30は、図8(A)及び図8(B)に示されるように、搬送チャック33に電線を把持した状態の移動体32が所定位置に移動してくる。
そして、並列関節機構20は、移動体32の所定位置への移動が完了すると、図9(A)及び図9(B)に示されるように、ハンド基台25aが所定距離、下方向(Z軸負方向)に移動する。そして、電線チャック25cが、搬送チャック33に把持された電線90を把持する。このように、電線チャック25cが搬送チャック33に把持された電線90を把持することにより、並列関節機構20は、電線運搬機30から電線90を直接把持することができ、電線の掴み直しを行う必要がない。この結果、以降で説明する端子計測において、電線の掴み直しに伴う、計測した端子の位置と実際の端子の位置との間の位置ずれが生じることもない。
端子計測センサ40は、並列関節機構20の電線チャック25cによって電線90が把持されると、センサ台41が初期位置から並列関節機構20の電線把持本体25bに向かって前進移動を開始する。そして、センサ台41は、駆動源46のエンコーダ情報によって定められた位置に来ると、その移動を停止する。
電線運搬機30は、センサ台41の移動が完了すると、図9(A)及び図9(B)に示されるように、移動体32が搬送チャック33を開いて電線90を解放する。この後、移動体32は、図10(A)及び図10(B)に示されるように、次の電線90を把持すべく、所定位置から離れていく。
センサ台41の移動が完了したとき、X計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域には、図9(A)及び図9(B)に示されるように、端子91の先端が位置している。このとき、制御装置70には、X計測センサ42及びZ計測センサ43それぞれによって検出される光の強度の分布が入力される。制御装置70は、これらの光の強度の分布に基づいて、端子91の外形の輪郭形状を表す各点の座標を認識し、これらの計測情報に基づいて端子91の先端に関するロール方向の回転角、幅寸法(X方向の部品寸法)、高さ寸法(Z方向の部品寸法)、及びXZ位置座標を算出する。
図13(A)は、X計測センサ及びZ計測センサの検出領域に端子の先端が位置している状態を示す説明図である。図13(A)に示されるように、端子91がロール方向に回転している場合がある。さらに、電線チャック25cに把持された電線90は、電線チャック25cの前側チャック25c1を支点として跳ね返り上(Z軸正方向)、左右(X軸方向)に曲がっている場合がある(逆に、垂れ下がって下(Z軸負方向)、左右(X軸方向)に曲がっている場合もある)。
ところで、端子91は挿入方向(Y軸)と直交する方向の断面形状が矩形である場合が多い。また、コネクタハウジング80のキャビティ81の形状も端子91の断面形状と一致する同等の形状になっている。そのため、基準方向に対して端子91が図13(A)のようにロール方向に回転している場合には、相対的な傾きにより端子91とキャビティ81との形状が一致しなくなるため、挿入に失敗する可能性がある。また、電線90が跳ね返った姿勢のまま端子91をコネクタハウジング80のキャビティ81に挿入しようとする場合にも、キャビティ81に挿入することができない、または挿入できたとしても電線90または端子91を破損するなどの虞がある。特に、電線90は柔らかい場合が多いので無理な力が加わると座屈が生じやすく、これにより正常な挿入ができなくなる。
このため、本発明の実施形態の端子挿入装置では、制御装置70が、X計測センサ42及びZ計測センサ43それぞれによって検出される光の強度の分布に基づいて、端子91のロール方向の回転角及び電線90の垂れ下がり量または跳ね返り量を定量的に算出する。そして、制御装置70は、さらに、その算出した数値を基に、端子91のロール方向の回転を0度に戻し、且つ垂れ下がったまたは跳ね返った電線90をY軸に平行に配置するための、電線把持本体25bのロール方向の回転角、並びに電線把持本体25bのピッチ方向の回転角及びヨー方向の回転角を算出する。
ここで、電線把持本体25b及び端子91のロール方向の回転角を算出する計算手法について説明する。図14(A)及び図14(B)は、端子のロール方向の回転角の計算手法を説明する説明図であり、図14(A)は回転角が0の場合、図14(B)は回転角がθの場合である。
すなわち、図14(A)及び図14(B)は、端子91の先端の挿入方向(Y軸)と直交する方向の断面における断面形状を表している。図14(A)及び図14(B)に示す例では、端子91の断面形状が矩形であり、その幅寸法が「a」、高さ寸法が「b」であり、対角線寸法が「c」である場合を想定している。このとき、図14(A)に示されるように、幅方向の一辺と対角線のなす角θは、次式によって与えられる。
θ=cos−1(a/c) ・・・(1)
また、図14(A)に示す状態の端子91がロール方向に角度θだけ回転した場合には、図14(B)に示す状態になる。
一方、X計測センサ42の計測によって得られる端子91の幅寸法の情報は、X軸方向(図14(B)中の左右方向)の輪郭形状の両端の間の幅であり、図14(B)に示す幅寸法「X」になる。つまり、端子91の実際の幅寸法「a」と計測によって得られる幅寸法「X」との間には、ロール方向の角度θに応じた違いが生じる。
同様に、Z計測センサ43の計測によって得られる端子91の高さ寸法の情報は、Z軸方向(図14(B)中の上下方向)の輪郭形状の両端の間の幅であり、図14(B)に示す高さ寸法「Z」になる。つまり、端子91の実際の幅寸法「b」と計測によって得られる高さ寸法「Z」との間には、ロール方向の角度θに応じた違いが生じる。
このような違いを逆に利用して、ロール方向の角度θを算出することができる。すなわち、図14(B)に示されるように、対角線とX軸方向とのなす角θを規定すると、ロール方向の回転角θは、次式によって与えられる。
θ=θ−θ=cos−1(a/c)−cos−1(X/c) ・・・(2)
また、端子91の幅寸法「a」、及び高さ寸法「b」については、部品毎の寸法のばらつきを無視すれば、定数として予め取得することができる。また、対角線寸法「c」については例えば次式を用いて算出することができる。
c=√(a+b) ・・・(3)
したがって、端子91の対角線寸法「c」と、計測の結果から得られる幅寸法「X」とに基づき、ロール方向の回転角θを算出することができる。また、このようにして算出した回転角θを、補正制御のパラメータとして電線把持本体25bに与え、回転させることにより、端子91のロール方向の回転を修正することができる。実際には、電線90を把持している位置からその先端の端子91までの箇所がY軸方向に対してヨー方向及びピッチ方向に傾いている場合があるので、ロール方向の回転を修正する際には、端子91の中心を回転軸としてロール方向に回転させるために、三次元の制御を行う。すなわち、電線把持本体25bを回転させると同時に、電線90を把持している位置をXYZの各軸方向に動かして、端子91の回転軸の位置がずれないように制御する。並列関節機構20は、図10(A)及び図10(B)に示されるように、端子計測センサ40による計測の後、ロール方向の回転を修正する。
尚、ロール方向の角度θを算出する際には、端子91の対角線寸法「c」と、計測の結果から得られる高さ寸法「Z」とに基づいて計算することもできる。例えば、角型端子のように端子91の断面形状が正方形に近い形状であれば、幅寸法「X」、高さ寸法「Z」のどちらを使用しても良い。しかし、平型端子のように断面形状が横長の場合には、ロール方向の回転に対する計測寸法変化の違いにより、高さ寸法「Z」を利用した方が精度を上げることができる。つまり、実際に挿入する端子91の断面形状の違いを考慮して、幅寸法「X」と高さ寸法「Z」とを使い分ける。
続いて、電線把持本体25bのピッチ方向の回転角及びヨー方向の回転角を算出する計算手法について説明する。図14(C)は、電線把持本体25bのピッチ方向の回転角及びヨー方向の回転角の計算手法を説明する説明図である。図14(B)に示されるように、端子91の先端のX座標は、上述した幅寸法「X」の中央の中点x1として定めることができる。同様に、端子91の先端のZ座標は、上述した高さ寸法「Z」の中央の中点z1として定めることができる。
ところで、センサ台41及びセンサ台レール44は、Y軸方向に理想的に延びる電線90が、X計測センサ42及びZ計測センサ43によって計測されるXZ座標の原点O(図6(B)参照。)を通過する位置に、位置合わせされている。また、並列関節機構20の前側チャック25c1から前進したセンサ台41における検出領域までの距離lは既知である。このため、図14(C)に示されるように前側チャック25c1の位置を原点として見立てた場合、電線把持本体25bのピッチ方向の回転角θ及びヨー方向の回転角θは、次式によって与えられる。
θ=tan−1(z1/l) ・・・(4)
θ=tan−1(x1/l) ・・・(5)
この算出手法により、電線把持本体25bのピッチ方向の回転角及びヨー方向の回転角が算出される。並列関節機構20は、図11(A)及び図11(B)に示されるように、端子計測センサ40による計測の後、ピッチ方向及びヨー方向の回転を修正する。
図13(B)に示す状態は、端子91のロール方向の回転角θが0に修正され、且つ傾いた電線90のヨー方向の向きが正され、ピッチ方向の向きが正されていない状態を表している。つまり、端子91の計測の結果に基づき、制御装置70が、算出されたヨー方向の回転角、及びロール方向の回転角だけ、その回転を打ち消す方向にハンド基台25a及び電線把持本体25bを旋回させる。その結果、電線把持本体25bは、図13(B)に示されるように、端子91のロール方向の回転角が0度に戻り、且つ電線90のヨー方向の向きが正され、ピッチ方向の向きが正されていない状態で把持することができる。尚、ピッチ方向の向きが正されていない状態を言及したが、ピッチ方向の向きを正して、電線90がY軸に平行に延びるように電線90を把持することも可能である。
端子計測センサ40は、ハンド基台25a及び電線把持本体25bが旋回した後、図11(A)及び図11(B)に示されるように、センサ台41が初期位置に移動する。
並列関節機構20は、センサ台41が初期位置に移動した後、図11(A)及び図11(B)に示されるように、ハンド基台25aをX軸及びZ軸方向に駆動させ、端子91をキャビティ81に挿入する。このとき、制御装置70には、コネクタハウジング80におけるキャビティ81内で端子91にロックが掛かるまでの距離が設定されている。このため、制御装置70は、この距離だけY軸正方向にハンド基台25aが移動するよう並列関節機構20を駆動する。このとき、制御装置70は、圧力センサ25gが検出する信号から、端子91の座屈、または端子91がキャビティに挿入されなかった場合の端子91の固定盤10に対する干渉を判定する。尚、ここでは、本発明の端子挿入処理時の概略を述べるにとどまり、後述する[特徴的な制御の処理手順の説明]にて、電線90のロール方、ヨー方向の旋回、及びハンド基台25aのXYZ座標系の移動の制御について説明することとする。
並列関節機構20は、Y軸正方向にハンド基台25aを移動すると、続いて、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動する。ここで、電線把持本体25bには、電線チャック25cに作用する外力を検出する圧力センサ25gが備わっている。端子91がキャビティ81に正常に挿入されていた場合、端子91はキャビティ81内のランスに係合されている。このため、端子91がキャビティ81に正常に挿入されていれば、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動したときに圧力センサ25gが電線90に作用する、ある閾値以上の張力を検出するはずである。逆に、端子91がキャビティ81に正常に挿入されていなければ、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動したときに圧力センサ25gが外力を検出しない、或いは閾値未満の張力を検出するはずである。このように、並列関節機構20は、Y軸負方向にわずかにハンド基台25aを移動することによって、端子91が正常に挿入されたか否かを判別している。尚、端子91がキャビティ81に正常に挿入されていない場合、並列関節機構20は、ハンド基台25aをダストボックス上に移動させ、そこで電線チャック25cを開くことで、電線90をダストボックスに廃棄するようにしてもよい。この後、並列関節機構20は、コネクタハウジング80に端子91を挿入するための今回の一連の処理が終わると、ハンド基台25aをX座標、Y座標及びZ座標の初期位置に移動すると共に、電線把持本体25bのピッチ方向の角度及びヨー方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。さらに、電線把持本体25bのロール方向の角度を初期角度に戻すように旋回する。
[特徴的な制御の処理手順の説明]
図15は、本発明の実施形態の端子挿入装置におけるロール角度補正制御の処理手順を表している。また、図16は本発明の実施形態の端子挿入装置における電線傾き補正制御の処理手順を表している。これらの制御は制御装置70によって実行される。また、図15に示すロール角度算出部110及びロール角度補正制御部120が制御装置70に備わっている。また、図16に示す電線傾き補正制御部130及び電線傾き矯正制御部140が制御装置70に備わっている。
<ロール角度補正制御>
図15に示したロール角度補正制御の処理手順について以下に説明する。この制御を実行するのは制御装置70である。
図9(A)及び図9(B)に示した状態のように、移動体32が所定位置まで移動し、並列関節機構20が下降して電線90を把持し、搬送チャック33が開く。このとき同時に、ステップS11では、端子計測センサ40が端子91の先端を検出し、計測ができる位置までセンサ台41の位置を移動するように制御装置70が制御する。
ステップS12では、端子91のロール方向の回転を補正するための回転方向の初期値を制御装置70が決定する。本実施形態では、時計回り方向(CW)を初期値に定めてある。
ステップS13では、X計測センサ42の受光部が検出したX軸方向の受光強度分布に基づき、端子91のX軸方向の輪郭の幅寸法を検出する。また、Z計測センサ43の受光部が検出したZ軸方向の受光強度分布に基づき、端子91のZ軸方向の輪郭の高さ寸法を検出する。つまり、図14(B)に示した幅寸法「X」及び高さ寸法「Z」の少なくとも一方を計測結果として取得する。
ステップS14では、端子91の現在のロール方向の回転角θ(図14(A)に示す基準状態に対する回転量)をロール角度算出部110が次式により算出する。
θ=θ−θ=cos−1(a/c)−cos−1(X/c) ・・・(6)
θ:幅方向の一辺と対角線のなす角
θ:対角線とX軸方向とのなす角
c:対角線寸法、端子91の幅寸法「a」及び高さ寸法「b」に基づき算出
a:端子91の部品仕様の幅寸法により定まる定数
b:端子91の部品仕様の高さ寸法より定まる定数
X:計測値により取得できる幅寸法(図14(B)参照)
ステップS15では、S12で決定したロール回転方向(CW)に向けて、S14で算出した回転角θだけ、端子91先端の中心を回転の中心として、Y軸の周りを周回するロール方向に、端子91を回転する。すなわち、ロール方向の回転を修正するように、電線90を把持しているハンド部材25を回転方向に動かす。この時、回転の中心が端子91の中心軸の位置からずれないように、回転と同時にXYZの各軸方向の位置を並列関節機構20により調整する。
また、S15の1回の補正動作だけで端子91のロール方向の回転角θをほとんど正しく修正できる。その場合は挿入動作に移行する。特に、端子計測センサ40で検出できるのは端子91の輪郭位置だけであるため、時計回り(CW)/反時計回り(CCW)のどちらのロール方向に端子91がずれているのかはまだ未知の状態であり、S15の処理の結果、ロール方向の回転角θが更に増えてしまう場合もある。したがって、次のS16以降のロール角度補正制御部120の制御を更に実行する。
ステップS16では、前述のS13と同様に、再び端子91の計測を行い、端子91の幅寸法「X」又は高さ寸法「Z」を取得する。そして、次のS17で、S14と同様にロール方向の回転角θを算出する。
更に、S17で得られた回転角θと、修正前のS14で得られた回転角θとをS18で比較する。つまり、S15の回転操作により回転角θが減少したか否かをS18で識別する。回転角θが減少した場合はS20に進み、回転角θが減少していない場合はS19に進む。
ステップS19では、端子91のロール方向の回転を補正するための回転の方向をそれまでとは反対の方向に変更する。例えば、回転の方向が初期状態としてS12で時計回り方向(CW)に決定された後に、S18でロール方向の回転角θが増えたことを検知した場合には、S19で反時計回り方向(CCW)に切り替える。このステップS19の後でS15を実行する際には、切り替わった方向に向けてロール方向の補正を実行する。
ステップS20では、最後に検出したロール方向の回転角θを事前に定めた閾値(規定値)と比較することにより、回転角θが規定値以内か否かを識別する。規定値以内であれば図15の処理を終了し、規定値を超えている場合はS21に進む。
ステップS21では、S15と同様に、S12で決定した方向、又はS19で切り替えた方向に向けて、回転角θだけロール方向の回転を補正するように、端子91の中心軸を中心として回転する。
ステップS22では、それまでに行ったロール補正動作(S15,S21)の実行回数を閾値(規定回数)と比較する。規定回数のロール補正動作を終了した場合はS23に進み、まだ終了していない場合はS16に進んで処理を繰り返す。
ステップS23では、端子91のロール方向の回転角θが最小になるように端子91の中心軸を中心として回転する。すなわち、これまでのロール補正動作の規定回数の繰り返しの中で、回転角θが最小になった状態と同等の状態に近づくように、最終的にロール方向の回転を補正する。
<ロール角度補正制御による動作の例>
図17は、端子のロール角度を補正する場合の端子及び動作の状態遷移の具体例を示す状態遷移図である。
図17に示す状態C11のように端子91がロール方向に対し反時計回り(左回転:マイナス方向)に回転角θだけ初期状態でずれている場合には、図15の最初のS15で回転角θと同じ量だけ時計回りに端子91が回転する。その結果、図17に示す状態C12のように端子91のロール方向の回転が解消された状態になるので、このロール角度補正制御を終了し、端子91をキャビティ81に挿入する工程に移行することができる。
一方、図17に示す状態C21のように端子91がロール方向に対し時計回り(右回転:プラス方向)に回転角θだけ初期状態でずれている場合には、図15の最初のS15で回転角θと同じ量だけ時計回りに端子91が回転すると、状態C22のように回転角θが増えてしまう。この場合は、図15のステップS19で補正の回転方向を切り替えるので、次にステップS15を実行した時に、反時計回りに端子91が回転する。その結果、図17に示す状態C24のように端子91のロール方向の回転が解消された状態になるので、このロール角度補正制御を終了し、端子91をキャビティ81に挿入する工程に移行することができる。
<電線傾き補正制御>
図16に示した電線傾き補正制御の処理手順について以下に説明する。この制御を実行するのは制御装置70である。また、図16に示した処理を実行する時には、端子計測センサ40が端子91を計測できる位置までセンサ台41の位置を移動するように制御装置70が制御する。つまり、図9(A)及び図9(B)に示した状態で、移動体32が所定位置まで移動し、並列関節機構20が下降して電線90を把持し、搬送チャック33が開いたときに、図15に示した処理を実行する。
ステップS31では、制御装置70が端子計測センサ40を用いて端子91の位置を計測する。すなわち、X計測センサ42の受光部が検出したX軸方向の受光強度分布に基づき、端子91のX軸方向の輪郭の幅寸法「X」の領域を検出し、この中央の点x1の位置座標を計測する(図14(B)参照)。また、Z計測センサ43の受光部が検出したZ軸方向の受光強度分布に基づき、端子91のZ軸方向の輪郭の高さ寸法「Z」の領域を検出し、この中央の点z1の位置座標を計測する。ステップS31は、図13(B)に示される状態にて実行される。
ステップS32では、S31の計測結果に基づき、端子91先端の基準位置に対する位置ずれ及び回転に対する補正量(X,Z,a)を算出する。把持された位置から先の電線90のヨー方向の傾きにより生じる点x1の位置とX軸方向の基準位置とのずれが補正量の「X」であり、ピッチ方向の傾きにより生じる点z1の位置とZ軸方向の基準位置とのずれが補正量の「Z」である。また、補正量の「a」は、電線90の傾きの角度に相当し、図14(C)に示したヨー方向の回転角θに対応する。
ステップS33では、S32で得られた補正量(X,Z,a)に基づき、ヨー方向の回転角θを0に正すべく、電線90をヨー方向に旋回させる。このとき、電線把持本体25bがヨー方向に旋回するため、端子91の先端はY軸上に位置する。他方、ステップS33では、端子91の先端のZ軸方向のずれZ(すなわち、ピッチ方向の回転角θ)は0であり、解消されていない。このように、ヨー方向の回転角を0にする位置補正がなされた状態の電線90が、図13(B)に示されている。
図16のステップS34では、ハンド部材25が電線90を把持したまま並列関節機構20が位置を移動して、図12(A)及び図12(B)に示すように、1つのコネクタハウジング80の位置まで電線90を移動する。より厳密には、端子91の先端が、挿入先のキャビティ81の間口基準位置の直前位置まで移動するように運搬される。端子91の先端が挿入先のキャビティ81の間口基準位置の直前位置まで移動した状態が図18に示されている。ステップS34の状態においても、端子91の先端のZ軸方向のずれ(すなわち、ピッチ方向の回転角θ)は0ではない。
次のステップS35では、S34の位置から更にY軸方向に端子91を移動して、該当するキャビティ81の一次挿入位置まで端子91を挿し込む。この一次挿入位置は、端子91の先端がキャビティ81の入り口付近でコネクタハウジング80と確実に当接する位置であって、まだキャビティ81の奥までは端子91が挿入されていない位置である。
次のステップS36では、S35の状態のまま、電線90を把持しているハンド部材25が、前述の補正量(X,Z,a)に相当する量だけ、この補正がない状態の位置まで移動する。つまり、端子91の先端位置がキャビティ81の開口に引っ掛かって固定された状態のまま、電線90を把持しているハンド基台25aが補正量Zを0にするべくZ軸方向に移動すると共に、ヨー方向に回転していた電線把持本体25bが回転角0の状態に戻される。このとき、電線90は、端子91の先端がキャビティ81に固定された状態で、電線チャック25cに把持された部分が移動するので、電線90に外力が加わり傾きが矯正される。この矯正により、電線90の把持された位置から端子91の先端にかけて、Y軸に沿って挿入方向にまっすぐに延びた状態になる。
ステップS37では、S36の状態から、更にY軸方向に端子91を移動して、該当するキャビティ81の二次挿入位置まで端子91を挿し込む。この二次挿入位置は、キャビティ81のランスに端子91が係合されるのに十分な距離、端子91が挿入された状態に相当する。
<電線傾き補正制御による動作の例>
図19(A)から図19(D)は、電線傾き矯正制御を実施する場合の端子及びその周辺の水平面内の状態遷移の具体例を表す状態遷移図である。図19(A)から図19(D)を参照して、上述したステップS34、S35、S36、及びS37の処理をさらに詳細に説明する。
すなわち、図16に示した各ステップS34、S35、S36、及びS37を実行することにより、それぞれ図19に示した(A)端子挿入前位置の状態、(B)一次挿入位置の状態、(C)一次挿入定位置の状態、及び(D)二次挿入位置の状態になる。
(1)端子挿入前位置の状態では、図19(A)に示すように、端子91の先端は、コネクタハウジング80と対向し、キャビティ81の間口基準位置の直前位置に存在している。このとき、前述のS33でヨー方向の回転角を0にする位置補正がなされた状態の電線90の端子91の先端が、間口基準位置に合わせられる。
(2)一次挿入位置の状態では、図19(B)に示すように、端子91の先端だけが、コネクタハウジング80のキャビティ81の間口と当接した状態になっている。ここで、キャビティ81の奥の方まで更に端子91を挿し込むことは可能である。しかし、電線90がピッチ方向に傾いている場合には、挿し込む力の方向がY軸と一致していないので、斜め方向の無理な力が電線90に加わり、十分に挿し込む前に端子91が座屈する可能性がある。端子91が座屈すると、それ以上端子91を挿し込むことができず、挿入に失敗することになる。
(3)一次挿入定位置の状態では、図19(C)に示すように、端子91の先端がキャビティ81の間口と当接したまま、電線チャック25cの位置が端子91の先端のずれZを打ち消す向きに移動する。同時に、ヨー方向に回転していた電線把持本体25bが回転角0の状態に戻される。これにより、端子91先端と電線チャック25cにより把持された電線90の箇所との間で、電線90に外力が加わる。この外力により、ヨー方向及びピッチ方向に傾いていた電線90がY軸に平行に矯正される。つまり、(3)一次挿入定位置の状態では、電線チャック25cの位置から端子91の先端にかけて、電線90がY軸に沿ってまっすぐに延びた状態になる。
(4)二次挿入位置の状態では、図19(D)に示すように、端子91がコネクタハウジング80のキャビティ81のランスに係合する程度に十分に挿し込まれている。
尚、ステップS33では、端子91の先端のZ軸方向のずれZ(すなわち、ピッチ方向の回転角θ)を敢えて0にしていない。これは、端子91を図12(B)のようにコネクタハウジング80に挿入する際に、ピッチ方向の電線90の回転角θが0でない場合、キャビティ開口から端子91を視たときの端子91先端の面積が小さくなって挿入に有利に働くためである。したがって、図16のステップS33では、補正する補正量の角度「a」については、ヨー方向の角度(θ)のみに限定した。もちろん、ステップS33にて、S32で得られた補正量(X,Z,a)に基づき、ピッチ方向の回転角θを0に正すべく、電線90をピッチ方向に旋回させておいてもよい。この場合、ステップS36におけるハンド基台25aのZ軸方向の移動が不要となり、他方、ピッチ方向に回転していた電線把持本体25bを回転角0の状態に戻す処理が新たに必要となる。
[本発明の端子挿入装置による作用及び効果]
以上のように説明した本発明の実施形態の端子挿入装置は、次の作用及び効果が得られる。
本発明の実施形態の端子挿入装置では、複数のコネクタハウジング80が固定盤10に円環状に配置される。このため、本発明の実施形態の端子挿入装置は、従来の端子挿入装置のように、複数のコネクタハウジングを一列に配置するための幅方向に大きく開かれた空間を確保する必要は無く、固定盤10を収納できる程度の幅の空間を確保すればよくなる。このため、上述した固定盤10の構造は、端子挿入装置の小型化に寄与する。
端子挿入装置の小型化という効果は、固定盤10と並列関節機構20との協働により実現されるものである。単に従来の端子挿入装置に本発明の円環状の固定盤10を適用しただけでは、コネクタハウジングに端子を挿し込む側の装置が円環状の固定盤10に対応することができず、コネクタハウジングへの端子の挿入が困難になるだけである。この困難性を解決すべく、可動範囲は狭いもののその可動範囲内で6自由度で自在に移動・旋回できる並列関節機構20が用いられたことを付言する。さらに、付言すれば、並列関節機構20自体の大きさも、従来の端子挿入装置の端子を把持する側の装置に比べて、小型で済む。このため、固定盤10及び並列関節機構20の相性の良さ、つまり、固定盤10に配置されたコネクタハウジングが回転する軌跡と並列関節機構20の可動範囲の形状の類似性、もあって、端子挿入装置全体を一層小型化することができる。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、固定盤10が回転し、端子91が挿入されるべき次のコネクタハウジング80が並列関節機構20が把持する電線90に接近する構成である。このため、並列関節機構20の移動を最小限にとどめることができ、並列関節機構20の作業効率の向上を図ることができる。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、並列関節機構20が、端子を把持せず電線のみを把持する構造である。このため、端子を把持するためのチャックを並列関節機構20の電線把持本体25bに設ける必要が無い。これにより、電線把持本体25bの軽量化、ひいてはハンド部材25の軽量化に繋がる。この結果、並列関節機構20の動作スピードの向上やサイクルタイムの短縮が実現でき、並列関節機構20の作業効率の向上を図ることができる。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、端子91の先端の計測をX計測センサ42及びZ計測センサ43を用いて光学的に行う。このため、端子91のX方向、Z方向の幅及びXZ座標を瞬時に検出し、端子91の姿勢を検出することができる。さらに、その検出精度が高いため、電線把持本体25bのロール方向の回転角、並びに電線把持本体25bのピッチ方向の回転角及びヨー方向の回転角を正確に計測することができる。この結果、サイクルタイムの短縮及び端子の誤挿入の減少を実現することができ、作業効率が向上する。また、X計測センサ42及びZ計測センサ43の検出領域に端子91の先端が進入したことをトリガとして、計測を開始する。X計測センサ42及びZ計測センサ43の反応性の高さ及び端子計測処理の簡易さと相まって、並列関節機構20による端子挿入処理に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、電線90に少々の巻き癖があっても、その巻き癖が残った状態で端子91をコネクタハウジング80に挿入することができる。このため、電線90の巻き癖を矯正するなどの、部品の精度のバラツキを抑えるための工程が不要になる。この結果、作業効率が向上する。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、端子91をコネクタハウジング80に挿入後、端子挿入方向とは逆方向に電線90を引っ張ることにより、端子91が正常に挿入されたか否かを判別する。この動作による端子挿入の正誤判定のためには、電線把持本体25bに圧力センサ25gを設けるだけで済み、部品点数の減少に伴う電線把持本体25bの軽量化、コスト低減を図ることができる。電線把持本体25bの軽量化は、並列関節機構20の動作スピードの向上やサイクルタイムの短縮に繋がる。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、端子計測センサ40が計測した端子91の輪郭位置の情報に基づいて、ロール方向の端子91の傾きの角度θをS14で算出しこれをS15〜S23の処理で補正する。さらに、並列関節機構20で3次元(X,Z,a)的に回転動作できる。このため、搬送チャック33で電線90を把持、回転及び掴み直しを行うことなく端子91の向きをキャビティ81の形状に合わせて挿入を行うことができる。また、掴み直しが不要であるため、掴み直しに伴う位置ずれの発生を防止できるし、サイクルタイムの向上も可能になる。ロール方向の端子91の傾きの角度θを補正することにより、キャビティ81の開口形状に対して端子91の向きを正確に合わせることが可能になり、挿入の失敗が生じにくくなる。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、S14でロール方向の角度θを算出する際には、図14(B)に示した端子91の断面形状に相当する矩形の対角線の長さ「c」と、計測により得られる幅寸法「X」とを用いて計算するので、瞬時に角度θを得ることができるし、端子計測センサ40を回転させることなく、ロール方向の角度θを把握できる。したがって、移動などに伴って端子91に微妙な振動が発生しているような場合であっても、短時間で角度θを取得できるし、設備の振動等の外乱に対しても影響を受けにくくなる。また、ロール方向の角度θを計算により求めるので瞬時に補正角度が分かり、端子91及び電線90を移動しながらの計測も可能であり、良否判定に用いる閾値を明確にすることもできる。
また、本発明の実施形態の端子挿入装置では、一次挿入定位置の状態で電線90がY軸に平行に矯正され、その後二次挿入位置までキャビティに端子が挿入される。このため、端子に座屈が生じて挿入に失敗することを抑制することができる。
[本発明の端子挿入装置の応用]
上述した本発明の実施形態の端子挿入装置においては、固定盤10に複数のコネクタハウジング80が円環状に配置されるとした。本発明の端子挿入装置は、複数のコネクタハウジング80が配置される位置関係が全体として円環であるものに限られない。複数のコネクタハウジング80を全体として視たときに環状であるもの全ての形状が含まれる。さらに言えば、複数のコネクタハウジング80が配置される位置関係が全体として環状である必要もない。複数のコネクタハウジングのうちの第1のコネクタハウジング、第2のコネクタハウジング及び第3のコネクタハウジングが、第1のコネクタハウジングと第2のコネクタハウジングの並び方向と、第2のコネクタハウジングと第3のコネクタハウジングの並び方向とが交差するように配置されていれば、端子挿入装置の小型化という効果を満たすことができる。さらに言えば、複数のコネクタハウジング80が一列に配置される形態であっても、上記[特徴的な制御の処理手順の説明]にて説明した事項を適用することができる。
また、複数のコネクタハウジング80は、隣り合うコネクタハウジングが所定間隔で配置されている必要は無い。隣り合うコネクタハウジング80は、任意の距離で配置してよい。
また、上述した本発明の実施形態の端子挿入装置においては、並列関節機構20によるロール方向、ピッチ方向及びヨー方向の旋回は、ハンド基台25aに設けられた第2モータ25f及び第3モータ25dによって駆動することとした。第2モータ25f及び第3モータ25dを設ける部材は、ハンド基台25aに限られない。基台21に第2モータ25f及び第3モータ25dに相当するモータを設け、そのモータの回転が伸縮シャフト、ユニバーサルジョイントを介してハンド基台25aに伝達され、ハンド基台25aのロール方向、ピッチ方向及びヨー方向の旋回が実現される構造であってもよい。
また、上述した本発明の実施形態の端子挿入装置においては、固定盤10、並列関節機構20、電線運搬機30及び端子計測センサ40の一連の動作及び配置は一例に過ぎない。例えば、移動体32に端子計測センサ40を搭載し、搬送チャック33に電線90が供給され搬送チャック33が閉じた時点で端子計測センサ40がY軸負方向に向かって前進するとともに同時に移動体32が並列関節機構20下部の所定位置に移動し、並列関節機構20が所定位置から下降して電線90を把持する、といった一連の動作及び配置によっても、電線90に対する端子計測を実施することもできる。
また、上述した本発明の実施形態の端子挿入装置においては、固定盤10のモータ部材14は、回転軸がハウジング支持台(図示せず)の平坦面に対して垂直となるように、該平坦面に支持されるとした。平坦面に対する回転軸の角度は、垂直に限られない。固定盤10の形状に応じて適宜定めるようにしてもよい。また、平坦面に対する回転軸の角度が可変であってもよい。平坦面に対する回転軸の角度が可変である形態を図20(A)及び図20(B)を参照して説明する。図20(A)及び図20(B)は、本発明の実施形態の端子挿入装置における固定盤の応用例を示す図であって、図20(A)は固定盤の斜視図であり、図20(B)は図20(A)の要部拡大図である。図20(A)に示されるように、固定盤10は、ハウジング支持台15の平坦面に、平坦面に対する回転軸Aの角度を調節する取付台16を介して取り付けられている。取付台16は軸16aとエアシリンダ16bが設けられており、エアシリンダ16bにより軸16aに対する回転角度を調節することができる。これにより、平坦面に対するモータ部材14の回転軸Aの角度を調節することができる。このような固定盤10は、図20(B)に示されるように、端子挿入処理がなされたコネクタハウジング80が固定盤10に固定されている場合、そのコネクタハウジング80に向かって該固定盤10の外縁が下がるように傾けられることによって、コネクタハウジング80近傍に位置する電線90がより直線的な形状になる、言い換えれば、電線の垂れ下がりまたは跳ね返りが抑制された形状になる。このため、固定盤10に固定されたコネクタハウジング80を回転させたときに、コネクタハウジング80から延びる電線が他の電線に接触して他の電線を傷つけたり、他の電線線に絡まることを抑制することができる。
また、図20(A)及び図20(B)を参照して説明した、平坦面に対する回転軸の角度が可変である固定盤10に対して、並列関節機構20が端子挿入処理を行う場合、固定盤10に対して平行になるように並列関節機構20の基台21を傾ける必要がある。図21は、本発明の実施形態の端子挿入装置における、並列関節機構20の応用例を示す斜視図である。図21に示されるように並列関節機構20の基台21の傾きを固定盤10に対して平行にすることにより、コネクタハウジング80のキャビティ81の向きと、並列関節機構20が端子91を挿入するときの方向と、が一致する。このため、並列関節機構20は、水平面に対して傾いた固定盤10であっても、その固定盤10のコネクタハウジング80に対して端子91を挿入することができる。
ここで、上述した本発明の実施形態の端子挿入装置及び端子挿入方法の特徴をそれぞれ以下[1]〜[12]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
コネクタハウジング(80)に端子(91)を挿入する端子挿入装置であって、
複数のコネクタハウジングが配置される固定盤(10)と、
先端に端子が接続された電線(90)を把持し、前記固定盤に配置された前記コネクタハウジングのうちのいずれか1つに向けて前記電線を運搬し、該コネクタハウジングにおけるキャビティに対して前記端子を挿し込む並列関節機構(20)と、
前記端子を挿し込む方向とほぼ直交する第1軸(X)の方向、及び前記第1軸と直交する第2軸(Z)の方向のそれぞれについて、少なくとも前記端子の輪郭位置を計測可能な2軸センサ部(40)と、
前記端子の先端部の矩形断面形状における対角線寸法(c)と、前記2軸センサ部を用いた計測により得られる前記端子の幅寸法(「X」)とに基づいて、前記端子を挿し込む方向の軸の周りを周回する方向の、基準状態に対するロール角度(θ)を算出するロール角度算出部(110)と、
前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記並列関節機構を制御して前記ロール角度に応じた前記端子の傾きの修正を実行するロール角度補正制御部(120)と
を備えたことを特徴とする端子挿入装置。
[2]
前記端子の先端部の位置座標を前記2軸センサ部を用いて計測し(S31)、前記位置座標の基準座標との差異に基づき、前記電線のヨー方向及びピッチ方向の傾きを検出し(S32)、前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記傾きに応じて前記端子の先端部の位置を修正する(S33)ように、前記並列関節機構を制御する電線傾き補正制御部(130)、を更に備えた
ことを特徴とする[1]に記載の端子挿入装置。
[3]
前記ロール角度補正制御部が前記端子の傾きの修正を完了し、且つ前記電線傾き補正制御部が前記端子の先端部の位置の修正を完了した後で、前記端子の先端部が挿入先のキャビティの入口と当接する一次挿入位置まで前記端子を移動し(S35)、その後で、前記電線傾き補正制御部が検出した前記電線の傾きを矯正するように、前記電線を把持している位置を移動(S36)した後で、前記一次挿入位置よりも奥の二次挿入位置まで前記キャビティの中に前記端子を挿し込む(S37)電線傾き矯正制御部(140)、を更に備えた
ことを特徴とする[2]に記載の端子挿入装置。
[4]
前記ロール角度補正制御部(120)は、前記ロール角度の回転方向が未知の状態で、特定の回転方向に向けて前記端子の傾きの修正を実行(S12,S15)した後、前記端子の前記対角線寸法を前記2軸センサ部を用いて再び計測し(S16)、計測結果から前記ロール角度が増大したことを検知した(S18)場合には、前記特定の回転方向とは反対の方向に対して前記端子の傾きの修正を実行する(S19,S15)
ことを特徴とする[1]から[3]のいずれか1項に記載の端子挿入装置。
[5]
前記2軸センサ部は、前記端子を前記キャビティに挿し込む方向と同じ軸(Y)に沿って、前記端子に対して接近及び離間する方向に移動可能な可動機構(41)により支持されている
ことを特徴とする[1]から[4]のいずれか1項に記載の端子挿入装置。
[6]
前記並列関節機構は、前記端子(91)を開放した状態で、前記電線(90)の一部分を把持する、
ことを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の端子挿入装置。
[7]
並列関節機構(20)によってコネクタハウジング(80)に端子(91)を挿入する端子挿入方法であって、
先端に端子が接続された電線を把持する工程と、
固定盤に配置された複数のコネクタハウジングのうちのいずれか1つに向けて前記電線を運搬する工程と、
前記端子を挿し込む方向とほぼ直交する第1軸の方向、及び前記第1軸と直交する第2軸の方向のそれぞれについて、少なくとも前記端子の輪郭位置を計測する行程(S11,S13)と、
前記端子の先端部の矩形断面形状における対角線寸法と、前記計測により得られる前記端子の幅寸法とに基づいて、前記端子を挿し込む方向の軸の周りを周回する方向の、基準状態に対するロール角度を算出する行程(S14)と、
前記端子をキャビティに挿し込む前に、前記並列関節機構を制御して前記ロール角度に応じた前記端子の傾きを修正する行程(S15〜S23)と、
前記コネクタハウジングにおけるキャビティに対して前記端子を挿し込む工程(S34〜S37)と、
を有することを特徴とする端子挿入方法。
[8]
前記端子の先端部の位置座標を計測する工程(S31)と、
前記位置座標の基準座標との差異に基づき、前記電線のピッチ方向及びヨー方向の傾きを検出する工程(S32)と、
前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記傾きに応じて前記端子の先端部の位置を修正するように、前記並列関節機構を制御する工程(S33)と、
を更に有することを特徴とする[7]に記載の端子挿入方法。
[9]
前記端子の傾きの修正を完了し、且つ前記端子の先端部の位置の修正を完了した後で、前記端子の先端部が挿入先のキャビティの入口と当接する一次挿入位置まで前記端子を移動する工程(S35)と、
前記電線の傾きを矯正するように、前記電線を把持している位置を移動する工程(S36)と、
前記一次挿入位置よりも奥の二次挿入位置まで前記キャビティの中に前記端子を挿し込む工程(S37)と、
を更に有することを特徴とする[8]に記載の端子挿入方法。
[10]
前記ロール角度の回転方向が未知の状態で、特定の回転方向に向けて前記端子の傾きの修正を実行する工程(C11、C21)と、
前記端子の前記対角線寸法を再び計測し、計測結果から前記ロール角度が増大したことを検知した場合には、前記特定の回転方向とは反対の方向に対して前記端子の傾きの修正を実行する工程(C12、C22)と、
を更に有することを特徴とする[7]から[9]のいずれか1項に記載の端子挿入方法。
[11]
前記端子(91)の輪郭位置を計測する工程にて、2軸センサ部が、前記端子(91)を前記キャビティ(81)に挿し込む方向と同じ軸に沿って、前記端子(91)に対して接近または離間する、
ことを特徴とする[7]から[10]のいずれか1項に記載の端子挿入方法。
[12]
前記並列関節機構(20)によって、前記端子(91)を開放した状態で、前記電線(90)の一部分が把持される、
ことを特徴とする[7]から[11]のいずれか一項に記載の端子挿入方法。
10 固定盤
11 ハウジング受け
12 レール部材
13 円盤部材
14 モータ部材
15 ハウジング支持台
20 並列関節機構
21 基台
22a,22b,22c 第1モータ
23a,23b,23c アーム
24a,24b,24c リンク
25 ハンド部材
25f 第2モータ
30 電線運搬機
31 運搬レール
32 移動体
33 搬送チャック
34 フレーム
35 エアチャック本体
40 端子計測センサ
41 センサ台
42 X計測センサ
43 Z計測センサ
44 センサ台レール
45 スライダ
46 駆動源
70 制御装置
80 コネクタハウジング
81 キャビティ
90 電線
91 端子
110 ロール角度算出部
120 ロール角度補正制御部
130 電線傾き補正制御部
140 電線傾き矯正制御部

Claims (12)

  1. コネクタハウジングに端子を挿入する端子挿入装置であって、
    複数のコネクタハウジングが配置される固定盤と、
    先端に端子が接続された電線を把持し、前記固定盤に配置された前記コネクタハウジングのうちのいずれか1つに向けて前記電線を運搬し、該コネクタハウジングにおけるキャビティに対して前記端子を挿し込む並列関節機構と、
    前記端子を挿し込む方向とほぼ直交する第1軸の方向、及び前記第1軸と直交する第2軸の方向のそれぞれについて、少なくとも前記端子の輪郭位置を計測可能な2軸センサ部と、
    前記端子の先端部の矩形断面形状における対角線寸法と、前記2軸センサ部を用いた計測により得られる前記端子の幅寸法とに基づいて、前記端子を挿し込む方向の軸の周りを周回する方向の、基準状態に対するロール角度を算出するロール角度算出部と、
    前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記並列関節機構を制御して前記ロール角度に応じた前記端子の傾きの修正を実行するロール角度補正制御部と
    を備えたことを特徴とする端子挿入装置。
  2. 前記端子の先端部の位置座標を前記2軸センサ部を用いて計測し、前記位置座標の基準座標との差異に基づき、前記電線のピッチ方向及びヨー方向の傾きを検出し、前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記傾きに応じて前記端子の先端部の位置を修正するように、前記並列関節機構を制御する電線傾き補正制御部、を更に備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の端子挿入装置。
  3. 前記ロール角度補正制御部が前記端子の傾きの修正を完了し、且つ前記電線傾き補正制御部が前記端子の先端部の位置の修正を完了した後で、前記端子の先端部が挿入先のキャビティの入口と当接する一次挿入位置まで前記端子を移動し、その後で、前記電線傾き補正制御部が検出した前記電線の傾きを矯正するように、前記電線を把持している位置を移動した後で、前記一次挿入位置よりも奥の二次挿入位置まで前記キャビティの中に前記端子を挿し込む電線傾き矯正制御部、を更に備えた
    ことを特徴とする請求項2に記載の端子挿入装置。
  4. 前記ロール角度補正制御部は、前記ロール角度の回転方向が未知の状態で、特定の回転方向に向けて前記端子の傾きの修正を実行した後、前記端子の前記対角線寸法を前記2軸センサ部を用いて再び計測し、計測結果から前記ロール角度が増大したことを検知した場合には、前記特定の回転方向とは反対の方向に対して前記端子の傾きの修正を実行する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の端子挿入装置。
  5. 前記2軸センサ部は、前記端子を前記キャビティに挿し込む方向と同じ軸に沿って、前記端子に対して接近及び離間する方向に移動可能な可動機構により支持されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の端子挿入装置。
  6. 前記並列関節機構は、前記端子を開放した状態で、前記電線の一部分を把持する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の端子挿入装置。
  7. 並列関節機構によってコネクタハウジングに端子を挿入する端子挿入方法であって、
    先端に端子が接続された電線を把持する工程と、
    固定盤に配置された複数のコネクタハウジングのうちのいずれか1つに向けて前記電線を運搬する工程と、
    前記端子を挿し込む方向とほぼ直交する第1軸の方向、及び前記第1軸と直交する第2軸の方向のそれぞれについて、少なくとも前記端子の輪郭位置を計測する行程と、
    前記端子の先端部の矩形断面形状における対角線寸法と、前記計測により得られる前記端子の幅寸法とに基づいて、前記端子を挿し込む方向の軸の周りを周回する方向の、基準状態に対するロール角度を算出する行程と、
    前記端子をキャビティに挿し込む前に、前記並列関節機構を制御して前記ロール角度に応じた前記端子の傾きを修正する行程と、
    前記コネクタハウジングにおけるキャビティに対して前記端子を挿し込む工程と、
    を有することを特徴とする端子挿入方法。
  8. 前記端子の先端部の位置座標を計測する工程と、
    前記位置座標の基準座標との差異に基づき、前記電線のピッチ方向及びヨー方向の傾きを検出する工程と、
    前記端子を前記キャビティに挿し込む前に、前記傾きに応じて前記端子の先端部の位置を修正するように、前記並列関節機構を制御する工程と、
    を更に有することを特徴とする請求項7に記載の端子挿入方法。
  9. 前記端子の傾きの修正を完了し、且つ前記端子の先端部の位置の修正を完了した後で、前記端子の先端部が挿入先のキャビティの入口と当接する一次挿入位置まで前記端子を移動する工程と、
    前記電線の傾きを矯正するように、前記電線を把持している位置を移動する工程と、
    前記一次挿入位置よりも奥の二次挿入位置まで前記キャビティの中に前記端子を挿し込む工程と、
    を更に有することを特徴とする請求項8に記載の端子挿入方法。
  10. 前記ロール角度の回転方向が未知の状態で、特定の回転方向に向けて前記端子の傾きの修正を実行する工程と、
    前記端子の前記対角線寸法を再び計測し、計測結果から前記ロール角度が増大したことを検知した場合には、前記特定の回転方向とは反対の方向に対して前記端子の傾きの修正を実行する工程と、
    を更に有することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の端子挿入方法。
  11. 前記端子の輪郭位置を計測する工程にて、2軸センサ部が、前記端子を前記キャビティに挿し込む方向と同じ軸に沿って、前記端子に対して接近または離間する、
    ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の端子挿入方法。
  12. 前記並列関節機構によって、前記端子を開放した状態で、前記電線の一部分が把持される、
    ことを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の端子挿入方法。
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