JP6001936B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに用いられる電子写真用トナーの製造方法に関する。
電子写真用トナーの分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が要求されている。高画質化の観点からは、トナーを小粒径化する必要があり、従来の溶融混練法に代わり、重合法や乳化分散法などのケミカル法により得られる、いわゆるケミカルトナーが開示されている。さらに、高速化の観点からは低温定着性改善のため、トナーに離型剤を内添することが提案されている。
例えば、特許文献1には、トナー作製時のトナー組成物からの離型剤粒子の遊離を防いで低温定着性及び耐高温オフセット性に優れる電子写真用トナーを提供することを目的として、カルボキシ基を有し、酸価が0.5〜20mgKOH/gの離型剤の分散液と、オキサゾリン基を有する重合体とを混合する工程を有する、離型剤粒子を含有するトナー用離型剤分散液の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、耐熱保存性に優れかつ広い定着温度幅を有する電子写真用トナーを提供することを目的として、ポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練し、得られた溶融混練物を水系媒体中で乳化した後に、凝集工程又は合一工程においてオキサゾリン基を有する重合体を添加する工程を有する電子写真用トナーの製造方法が開示されている。
特開2009−133946号公報 特開2009−192699号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、離型剤として炭化水素ワックスを用いた場合は、トナーを製造する際に、離型剤が合一粒子から水系媒体中に遊離するのを十分に抑制できない。また、特許文献2に記載された方法でも、離型剤の遊離を抑制できず、トナーの定着性及び耐高温オフセット性が不十分である。
本発明は、炭化水素ワックスとエステルワックスとを含むワックス混合物を離型剤として用いた場合であっても、離型剤が合一粒子から遊離するのを抑制することで、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れた電子写真用トナーを製造する方法に関する。
本発明は、下記工程1〜3を有する電子写真用トナーの製造方法を提供する。
工程1:炭化水素ワックスと、カルボキシ基を有しかつ酸価が0.5mgKOH/g以上であるエステルワックスとを含むワックス混合物を、オキサゾリン基を有する重合体と混合した後、水系媒体中に分散させて、離型剤粒子の水分散液を得る工程
工程2:工程1で得られた離型剤粒子の水分散液と、カルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子の水分散液とを混合し、凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程3:工程2で得られた凝集粒子を合一させて、合一粒子を得る工程
本発明の製造方法によれば、トナー作製時のトナー組成物からの離型剤粒子の遊離を防ぐことができ、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れる電子写真用トナーを提供することができる。
本発明の製造方法は、下記工程1〜3を含む。
工程1:炭化水素ワックスと、カルボキシ基を有しかつ酸価が0.5mgKOH/g以上であるエステルワックス(以下、単に「エステルワックス」ともいう)とを含むワックス混合物を、オキサゾリン基を有する重合体(以下、「オキサゾリン基含有重合体」ともいう)と混合した後、水系媒体中に分散させて、離型剤粒子の水分散液を得る工程
工程2:工程1で得られた離型剤粒子の水分散液と、カルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子の水分散液とを混合し、凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程3:工程2で得られた凝集粒子を合一させて、合一粒子を得る工程
本発明の製造方法は、離型剤のカルボキシ基とオキサゾリン基含有重合体のオキサゾリン基とを反応させた後、該離型剤を分散させることで、前記樹脂からの離型剤の遊離を抑制するものである。前記工程1では、カルボキシ基を有するワックス混合物とオキサゾリン基を有する重合体とを混合し、オキサゾリン基とカルボキシ基とを反応させた後に乳化することで、離型剤に含まれるカルボキシ基とオキサゾリン基との反応性を高めることができると考えられる。
一方、前記特許文献1では、離形剤を先に乳化剤で乳化しているため、離形剤界面が乳化剤等にて覆われ、離形剤中のカルボキシル基とオキサゾリン含有ポリマーのオキサゾリン基との反応が阻害されて、十分な効果を得られないと考えられる。
<工程1>
工程1は、炭化水素ワックスと、カルボキシ基を有しかつ酸価が0.5mgKOH/g以上であるエステルワックスとを含むワックス混合物を、オキサゾリン基を有する重合体と混合した後、水系媒体中に分散させて、離型剤粒子の水分散液を得る工程である。
本発明では、トナーを製造する際に、トナー組成物、具体的には合一粒子から離型剤が遊離するのを抑制する観点、並びに低温定着性及び耐高温オフセット性を改善する観点から、炭化水素ワックス及びエステルワックスを含むワックス混合物が使用される。
(炭化水素ワックス)
炭化水素ワックスは、結晶性ポリエステルを使用する際の離型剤として好ましく用いられる。
炭化水素ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、セレシン等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも、トナーを使用する際における良好な離型性の観点から、炭素数16〜40の炭化水素ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
炭化水素ワックスの融点は、トナーを製造する際にトナー組成物から離型剤が遊離するのを抑制する観点、及び耐高温オフセット性を改善する観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であり、トナーの低温定着性を改善する観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下、更に好ましくは90℃以下である。融点は、示差走査熱量計を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定することができる。
(エステルワックス)
本発明に用いられるエステルワックスはカルボキシ基を有する。エステルワックスのカルボキシ基がオキサゾリン基含有重合体のオキサゾリン基と反応することで、トナー組成物、具体的には合一粒子から離型剤が遊離するのを抑制することができる。
本発明に用いられるエステルワックスの酸価は、オキサゾリン基含有重合体との反応性の観点から、0.5mgKOH/g以上、好ましくは0.7mgKOH/g以上、より好ましくは1.0mgKOH/g以上であり、トナーの帯電性確保の観点から、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは20mgKOH/g以下、さらに好ましくは17mgKOH/g以下、より好ましくは15mgKOH/g以下である。
本発明に用いられるエステルワックスとしては、植物系ワックス、天然又は合成の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックスや、ポリオレフィンをカルボン酸変性して得られる酸変性ポリオレフィンワックスのエステル化物等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。植物系ワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも、トナーを製造する際にトナー組成物から離型剤が遊離するのを抑制する観点、並びに低温定着性及び耐高温オフセット性を改善する観点から、カルナウバワックスが好ましい。
エステルワックスの融点は、トナーを製造する際にトナー組成物から離型剤が遊離するのを抑制する観点、及び耐高温オフセット性を改善する観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であり、低温定着性を改善する観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下、更に好ましくは90℃以下である。融点は、示差走査熱量計を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定することができる。
ワックス混合物における炭化水素ワックスとエステルワックスとの質量比は、エステルワックス/炭化水素ワックスの質量比として、トナーを製造する際にトナー組成物から離型剤が遊離するのを抑制する観点、並びに低温定着性を改善する観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上、更に好ましくは20/80以上であり、耐高温オフセット性を改善する観点から、好ましくは70/30以下、より好ましくは50/50以下、更に好ましくは40/60以下、より更に好ましくは30/70以下であり、また好ましくは5/95〜70/30、より好ましくは10/90〜50/50、更に好ましくは10/90〜40/60、更に好ましくは20/80〜30/70である。
上記の炭化水素ワックスとエステルワックスとの混合方法は特に限定されないが、例えば、両者を溶融した後に混合する方法が好ましい。
離型剤量は、カルボキシ基を有する樹脂100重量部に対して、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、より好ましくは1.5重量部以上であり、離型剤の遊離を抑制する観点から、好ましくは20重量部以下、より好ましくは20重量部以下、より好ましくは18重量部以下、さらに好ましくは15重量部以下である。
ワックス混合物中における上記の炭化水素ワックス及びエステルワックスの総量は、トナーを製造する際にトナー組成物から離型剤が遊離するのを抑制する観点、並びに低温定着性及び耐高温オフセット性を改善する観点から、ワックス混合物を100質量%とした場合、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは実質的に100質量%である。
(オキサゾリン基含有重合体)
オキサゾリン基含有重合体は、オキサゾリン基を有する重合性単量体を重合することによって得ることができ、必要に応じて、オキサゾリン基を有する重合性単量体と、該オキサゾリン基を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体との共重合によって得ることもできる。ここで、上記オキサゾリン基を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体は、オキサゾリン基を有する重合性単量体及びオキサゾリン基を有しない重合性単量体のいずれも包含することができる。
オキサゾリン基を有する重合性単量体としては、特に制限はないが、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも入手容易性の観点から、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが好ましい。
オキサゾリン基を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体のうち、オキサゾリン基を有しない重合性単量体としては、特に制限はないが、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸塩、不飽和ニトリル、不飽和アミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、α−オレフィン、ハロゲン含有α,β−不飽和脂肪族炭化水素、α,β−不飽和芳香族炭化水素等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
オキサゾリン基含有重合体中におけるオキサゾリン基の含有量は、トナーを製造する際にカルボキシ基を有する樹脂から離型剤が遊離するのを抑制する観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.5mmol/g以上、離型剤が遊離するのを抑制する観点(反応密度)から、好ましくは0.05mol/g以下、より好ましくは0.01mol/g以下である。
オキサゾリン基含有重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、オキサゾリン基の反応効率の観点から、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であり、取扱性の観点から、好ましくは2,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下である。上記数平均分子量が500以上であれば、離型剤粒子や樹脂粒子との十分な架橋反応が行われ、2,000,000以下であれば、重合体の粘度が適切な値となり、取扱いが容易になる。
オキサゾリン基含有重合体として一般的な市販品としては、(株)日本触媒製のエポクロスWSシリーズ(水溶性タイプ)、Kシリーズ(エマルションタイプ)等が使用可能である。
(ワックス混合物とオキサゾリン基含有重合体との混合)
オキサゾリン基含有重合体は、上述のワックス混合物を調製した後にワックス混合物と混合する。
前記のワックス混合物とオキサゾリン基含有重合体とを混合する手段は特に限定されないが、強いせん断力を有するホモジナイザー、圧力吐出型ホモジナイザー、超音波分散機等を使用することができる。また、ホモミキサー、ディスパー(商品名、プライミクス(株)製)、クレアミックス(商品名、エムテクニック(株)製)、キャビトロン(商品名、大平洋機工(株)製)等を使用することもできる。なお、ディスパーを使用する場合には、全体が均一に混合されている状態において5分以上撹拌を行うことが好ましい。
ワックス混合物とオキサゾリン基含有重合体とを混合する温度は、オキサゾリン基含有重合体のオキサゾリン基とエステルワックスのカルボキシ基とを効率的に反応させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、操作性の観点から、好ましくは99℃以下、より好ましくは98℃以下、更に好ましくは96℃以下である。
前記のワックス混合物とオキサゾリン基含有重合体との混合割合は、トナーを製造する際にトナー組成物から離型剤が遊離するのを抑制する観点から、オキサゾリン基含有重合体のオキサゾリン基のモル数に対するエステルワックスのカルボキシ基のモル数の比率(カルボキシ基/オキサゾリン基)として、好ましくは1/20以上、より好ましくは1/10以上、更に好ましくは1/5以上であり、トナーの帯電性低下回避の観点から、好ましくは10/1以下、より好ましくは8/1以下、更に好ましくは5/1以下である。
(離型剤の乳化)
ワックス混合物をオキサゾリン基含有重合体と混合した後、水系媒体中に分散させて、離型剤粒子の水分散液を得る。好ましくは、ワックス混合物をオキサゾリン基含有重合体と混合した後、水系媒体中に、乳化剤の存在下で分散させて予備乳化液を得、更に予備乳化液を、ワックスの融点以上の温度に加熱しながら、高圧乳化分散機を用いて微分散させる。これにより、体積中位粒径(D50)が好ましくは1μm以下の離型剤粒子の水分散液を得ることができる。
ワックスの分散に用いられる水系媒体としては、後述の樹脂の乳化の際に用いられる水系媒体を用いることができるが、環境性、トナー作製時の添加の容易性の観点から、脱イオン水や蒸留水が好ましい。
乳化剤としては特に限定されないが、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び高分子分散剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルコハク酸ジカリウム、炭素数8〜22の脂肪酸ナトリウム等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜22のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート等)、ショ糖脂肪酸エステル(シュガーエステル)等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
高分子分散剤としては、ポリビニルアルコール、セルロース化合物(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルエチルセルロース等)、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリル酸−スチレン共重合体塩等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
オキサゾリン基含有重合体のオキサゾリン基との低い反応性の観点から、アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤がより好ましい。ノニオン性界面活性剤としてはショ糖脂肪酸エステルが好ましく、ショ糖ステアリン酸エステルがより好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、三菱化学フーズ(株)製のリョートーシュガーエステル(商品名)を使用することができる。
乳化剤(界面活性剤)の添加量は、乳化安定性の向上等の観点から、ワックス混合物100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上であり、トナーの洗浄の負荷低減の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
予備乳化液の調製に使用される撹拌手段は特に限定されないが、強いせん断力を有するホモジナイザー、圧力吐出型ホモジナイザー、超音波分散機等を使用することができる。また、ホモミキサー、ディスパー(商品名、プライミクス(株)製)、クレアミックス(商品名、エムテクニック(株)製)、キャビトロン(商品名、大平洋機工(株)製)等を使用することもできる。なお、ディスパーを使用する場合には、全体が均一に混合されている状態において5分以上撹拌を行うことが好ましい。
さらに、得られた予備乳化液を、ワックスの融点以上の温度に加熱しながら、高圧乳化分散機を用いて微分散させて、離型剤粒子の水分散液を得る。
予備乳化液をワックスの融点以上の温度にする方法は特に限定されないが、予備乳化液を得た後、高圧乳化分散機の高圧分散部に至る流路の少なくとも一部、必要であれば全部の温度をワックスの融点以上とする方法が好ましい。具体的には、上記流路を、ジャケットや加熱媒体により内外から加熱する方法、温水等を予備乳化液に添加する方法、赤外線やマイクロ波、誘導加熱等によって昇温する方法等が挙げられる。この中で、特に加熱したオイルや温水等の熱媒体中に高圧乳化分散機の流路を浸漬する方法が好ましい。この際の熱媒体の温度はワックスの融点よりも5〜30℃、好ましくは10〜25℃、更に好ましくは15〜20℃程度高く設定しておくことが好ましい。また、高圧分散処理を行う高圧分散部の直前で流路を加熱することが好ましい。
使用できる高圧乳化分散機は、特に制限されないが、粒径1μm以下の粒子を得る観点及び取扱い操作の簡便性の観点から、マイクロフルイダイザー(みづほ工業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)等を使用することができる。該分散機の高圧分散部としては、例えば対向衝突型、貫通型等のいずれの方式も用いられるが特に限定されない。
予備乳化液を高圧乳化する際の圧力は、得られる離型剤粒子の粒径及び分散性の観点から、好ましくは5MPa以上、より好ましくは10MPa以上、更に好ましくは20MPa以上であり、製造コストの観点から、好ましくは200MPa以下、より好ましくは180MPa以下、更に好ましくは150MPa以下である。
処理回数については、上記処理圧力及び得られる離型剤粒子の粒径等に応じて適宜選択できるが、好ましくは1〜10回であり、より好ましくは2〜5回である。
高圧乳化分散機を用いて微分散させた後、離型剤粒子の水分散液を室温(20℃)まで冷却することが好ましい。
冷却方法は特に限定されないが、管の内外より冷却する方法、冷水を直接分散物に添加する方法のいずれも可能である。また粒子径が1μm以下の分散物は通常安定であるため、一度分散物を容器に受け、その後撹拌下にジャケット等で冷却する方法も可能である。
離型剤粒子の水分散液の分散時における離型剤の固形分濃度は、乳化性及び生産性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
得られた水分散液中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は、トナー中での分散性の観点から、1μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.9μm、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。離型剤粒子の体積中位粒径は、粒度分布測定装置を用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定することができる。
<工程2>
工程2は、工程1で得られた離型剤粒子の水分散液と、カルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子の水分散液とを混合し、凝集させて、凝集粒子を得る工程である。
工程2は、下記工程2−1を含むことが好ましく、更に、離型剤の遊離を抑制する観点から、工程2−1及び工程2−2を含むことがより好ましい。工程2−1及び2−2を含むことにより、得られるトナー粒子は、樹脂粒子(A)をコア部に含み、樹脂粒子(B)をシェル部に含む、コアシェル粒子となる。
本発明における、カルボキシ基を有する樹脂とは、工程2−1に用いられる樹脂であり、結晶性ポリエステル(a1)及び非晶質ポリエステル(a2)の両方用いられる場合は、両方を含む。
工程2−1:工程1で得られた離型剤粒子の水分散液と、カルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子(A)の水分散液と、凝集剤とを、水性媒体中で混合して凝集して凝集粒子(1)を得る工程
工程2−2:工程2−1で得られた凝集粒子(1)に、非晶質ポリエステル(b)を含有する樹脂粒子(B)の水分散液を添加して、凝集粒子(2)を得る工程
[樹脂粒子(A)]
(カルボキシル基を有する樹脂)
カルボキシル基を有する樹脂には、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、ポリエステル、スチレン−アクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等を用いることができるが、トナーの定着性及び耐久性の観点から、ポリエステルが含まれることが好ましい。カルボキシル基を有する樹脂中のポリエステルの含有量は、トナーの定着性及び耐久性の観点から、カルボキシル基を有する樹脂中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、更に好ましくは実質100質量%である。
カルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子(A)には、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性を改善する観点から、結晶性ポリエステル(a1)及び非晶質ポリエステル(a2)の両方を含有することが好ましい。
(結晶性ポリエステル(a1))
本発明において、樹脂粒子(A)は、トナーの低温定着性の観点から、結晶性ポリエステル(a1)を含有することが好ましい。
本発明で用いられる結晶性ポリエステル(a1)は、トナーの低温定着性の観点から、炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分とを縮重合して得られることが好ましい。
本発明において、「結晶性ポリエステル」とは、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される結晶性指数が0.6〜1.4のものであり、トナーの低温定着性の観点から、0.8〜1.3のものが好ましく、0.9〜1.2のものがより好ましく、0.9〜1.1のものが更に好ましい。
結晶性ポリエステル(a1)は、樹脂粒子分散液の乳化を容易にし、分散安定性を高める観点から、分子末端にカルボキシ基を有することが好ましい。
結晶性ポリエステル(a1)の融点は、トナーの保存安定性を向上させる観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、65℃以上が更に好ましく、トナーの低温定着性を向上させる観点から、100℃以下が好ましく、97℃以下がより好ましく、95℃以下が更に好ましく、90℃以下が更に好ましい。
結晶性ポリエステル(a1)の軟化点は、トナーの保存安定性を向上させる観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、65℃以上が更に好ましく、70℃以上が更に好ましく、トナーの低温定着性を向上させる観点から、140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましく、100℃以下が更に好ましい。
結晶性ポリエステル(a1)の酸価は、樹脂粒子分散液の分散安定性及びオキサゾリン基含有重合体との反応性を向上させる観点から、3mgKOH/g以上が好ましく、4mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上が更に好ましく、6mgKOH/g以上が更に好ましく、トナーの帯電性確保の観点から、30mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以下がより好ましく、23mgKOH/g以下が更に好ましく、20mgKOH/g以下が更に好ましい。
なお、結晶性ポリエステル(a1)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、結晶性ポリエステル(a1)の融点、軟化点は、実施例記載の方法によって求められる。2種以上併用する場合、融点、軟化点及び数平均分子量は、全ての結晶性ポリエステル(a1)を使用する比率で混合した混合物を用いて、実施例に記載の方法によって求められる。
結晶性ポリエステル(a1)は、炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分とを縮重合反応させることによって製造することができる。重縮合反応の際には好ましくは触媒を用いることができる。
トナーの低温定着性および印刷物の画像濃度の観点から、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸が好ましく、酸成分中、コハク酸を70〜100モル%含むことが好ましく、90〜100モル%含むことがより好ましく、100モル%であることが更に好ましい。
コハク酸以外に用いられる酸成分としては、コハク酸以外の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸が挙げられ、なかでもトナーの低温定着性を向上させる観点から、コハク酸以外の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
酸成分には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1〜3のアルキルエステルも含まれる。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
トナーの低温定着性の更なる向上の観点から、アルコール成分中、炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールを70〜100モル%含むことが好ましく、90〜100モル%含むことがより好ましく、100モル%であることが更に好ましい。
炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールの例としては、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられ、なかでもトナーの低温定着性を向上させる観点から、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオール以外のアルコール成分としては、炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオール以外の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、ビスフェノールAの水素添加物、3価以上の多価アルコール等が挙げられ、なかでも、ポリエステルの結晶化を促進させ、トナーの低温定着性を向上させる観点から、脂肪族ジオールが好ましい。アルコール成分の平均炭素数は、トナーの低温定着性の観点から、6〜14が好ましく、8〜12がより好ましく、10〜12が更に好ましい。
酸成分とアルコール成分との組合せとしては、トナーの低温定着性の観点から、コハク酸を70〜100モル%含む酸成分と炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールを70〜100モル%含むアルコール成分との組合せが好ましく、コハク酸と炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールとの組合せがより好ましい。
触媒は、縮重合反応の効率を向上させる観点から、錫化合物、チタン化合物が好ましく、錫化合物がより好ましく、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫、酸化ジブチル錫が更に好ましい。
チタン化合物としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等が挙げられる。
触媒の使用量は、酸成分とアルコール成分との総量100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましく、0.1〜0.6質量部がより好ましい。
縮重合反応は、反応容器に、酸成分及びアルコール成分を入れ、140〜200℃で5〜15時間維持して行うことが好ましい。更にその後、触媒を加え140〜200℃で1〜5時間維持して反応を進行させ、5.0〜20kPaに減圧して1〜10時間維持する条件で行うことが好ましい。
(非晶質ポリエステル(a2))
樹脂粒子(A)は、トナーの低温定着性を維持しながら、耐熱保存性、帯電性を向上させ、高温オフセットを防ぐ観点から、更に非晶質ポリエステル(a2)を含有することが好ましい。
本発明において、「非晶質ポリエステル」とは、前記結晶性指数が1.4を超えるか、0.6未満の樹脂である。非晶質ポリエステル(a2)は、この結晶性指数が、トナーの低温定着性の観点から、0.6未満又は1.4を超え4以下であることが好ましく、より好ましくは0.6未満又は1.5以上4以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上3以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上2以下である。結晶性指数は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により適宜決定することができる。
非晶質ポリエステル(a2)としては、樹脂粒子分散液の乳化を容易にし、分散安定性を高める観点から、分子末端にカルボキシ基を有することが好ましい。
非晶質ポリエステル(a2)は、前記の結晶性ポリエステル(a1)と同様の方法で、酸成分とアルコール成分とを、重縮合反応させることによって製造することができる。
酸成分としては、ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸が挙げられ、なかでもジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸の具体例としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、なかでもフマル酸、ドデセニルコハク酸及びテレフタル酸が好ましく、ドデセニルコハク酸及びテレフタル酸がより好ましい。
3価以上の多価カルボン酸の具体例としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、なかでも耐オフセット性の観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸成分には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1〜3のアルキルエステルも含まれる。
非晶質ポリエステル(a2)としては、トナーの耐高温オフセット性の観点から、3価以上の多価カルボン酸並びにその酸無水物又はそのアルキルエステル、好ましくはトリメリット酸又はその無水物を含有する酸成分を用いて得られた非晶質ポリエステルを少なくとも1種使用することが好ましい。
アルコール成分としては、主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、ビスフェノールAの水素添加物、3価以上の多価アルコール等が挙げられる。3価以上の多価アルコールの具体例としては、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらの中でも、非晶質のポリエステルを得る観点から、芳香族ジオールを用いることが好ましく、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜16)を用いることがより好ましい。
アルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
非晶質ポリエステル(a2)のガラス転移点は、耐高温オフセット性及び保存安定性の観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、トナーの低温定着性の観点から、70℃以下が好ましく、68℃以下がより好ましく、66℃以下が更に好ましい。
非晶質ポリエステル(a2)の軟化点は、耐高温オフセット性及び保存安定性の観点から、70℃以上が好ましく、90℃以上が更に好ましく、100℃以上が特に好ましく、トナーの低温定着性の観点から、165℃以下が好ましく、140℃以下が更に好ましく、130℃以下特に好ましい。
なお、非晶質ポリエステル(a2)を2種以上混合して使用する場合は、そのガラス転移点及び軟化点は、各々2種以上の非晶質ポリエステル(a2)の混合物として、実施例記載の方法によって得られた値である。
非晶質ポリエステル(a2)の数平均分子量は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の観点から、1,000〜50,000が好ましく、1,500〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましく、2,000〜4,000が更に好ましい。
非晶質ポリエステル(a2)の酸価は、樹脂粒子分散液の分散安定性及びオキサゾリン基含有重合体との反応性を向上させる観点から、6mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましく、15mgKOH/g以上が更に好ましく、トナーの帯電性確保の観点から、35mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましい。
非晶質ポリエステル(a2)は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することが好ましい。軟化点が異なる2種類のポリエステルをそれぞれポリエステル(a2−1)及び(b−2)とした場合、一方のポリエステル(a2−1)の軟化点は70℃以上115℃未満が好ましく、他方のポリエステル(a2−2)の軟化点は115℃以上165℃以下が好ましい。ポリエステル(a2−1)とポリエステル(a2−2)との質量比((a2−1)/(a2−2))は、10/90〜90/10が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。
なお、本発明では、その効果を損なわない範囲で、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルの各々を変性したものを用いることができる。ポリエステルを変性する方法としては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法により、フェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化する方法や、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂とする方法等が挙げられる。
樹脂粒子(A)における結晶性ポリエステル(a1)及び非晶質ポリエステル(a2)の総量は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂中好ましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%であり、特に好ましくは実質的に100質量%である。
樹脂粒子(A)における結晶性ポリエステル(a1)と非晶質ポリエステル(a2)との質量比((a1)/(a2))は、トナーの低温定着性の観点から、5/95以上であることが好ましく、10/90以上がより好ましく、13/87以上が更に好ましく、15/85以上がより更に好ましく、トナーの保存安定性の観点から、50/50以下であることが好ましく、40/60以下がより好ましく、30/70以下がより好ましく、25/75以下が更に好ましく、20/80以下がより更に好ましい。
樹脂粒子(A)には、本発明の効果を損なわない範囲で、離型剤、帯電制御剤を含有させてもよい。また、必要に応じて、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤等を含有させてもよい。
また、樹脂粒子(A)は、樹脂のみからなる粒子であってもよく、着色剤を含有する着色剤含有樹脂粒子であってもよいが、トナーの粒度分布をシャープにする観点から、着色剤を含有することが好ましく、着色剤を含有する着色剤含有樹脂粒子であることが好ましい。
樹脂粒子(A)が着色剤含有樹脂粒子である場合、着色剤の含有量は、トナーの画像濃度の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、表面処理や分散剤の使用によって、水性媒体中に着色剤粒子として用いてもよく、樹脂粒子(A)等の樹脂粒子に含有させて用いてもよいが、トナーの粒度分布をシャープにする観点から、樹脂粒子(A)に含有させて用いることが好ましい。
着色剤としては、顔料及び染料が用いられ、トナーの画像濃度の観点から、顔料が好ましい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、銅フタロシアニン、フタロシアニングリーン等が挙げられ、銅フタロシアニンが好ましい。
染料の具体例としては、アクリジン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インディゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系等が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(樹脂粒子(A)の分散液の製造)
樹脂粒子(A)の分散液は、結晶性ポリエステル(a1)、非晶質ポリエステル(a2)、及び着色剤等の前記の任意成分を水性媒体中に分散させ、樹脂粒子(A)を含有する分散液として得る方法によって製造することが好ましい。
分散液を得る方法としては、樹脂等を水性媒体に添加し、分散機等によって分散処理を行う方法、樹脂等に水性媒体を徐々に添加して転相乳化させる方法等が挙げられ、得られるトナーの低温定着性の観点から、転相乳化による方法が好ましい。以下、転相乳化による方法について述べる。
まず、結晶性ポリエステル(a1)、非晶質ポリエステル(a2)、アルカリ水溶液、及び着色剤等の前記の任意成分を溶融して混合し、樹脂混合物を得る。
また、混合の際には、樹脂の乳化安定性の観点から、界面活性剤を添加することが好ましい。
アルカリ水溶液中のアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等やアンモニア等が挙げられるが、樹脂の分散性向上の観点から、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。また、アルカリ水溶液中のアルカリの濃度は、1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、1.5〜20質量%が更に好ましい。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられ、なかでもノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤を併用することがより好ましく、樹脂を十分に乳化させる観点から、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを併用することが更に好ましい。
界面活性剤の含有量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましく、0.5〜10質量部が更に好ましい。
樹脂混合物を得る方法としては、結晶性ポリエステル(a1)、非晶質ポリエステル(a2)、アルカリ水溶液、及び前記の任意成分、好ましくは界面活性剤を容器に入れ、撹拌器によって撹拌しながら、樹脂を溶融して均一に混合する方法が好ましい。
樹脂を溶融し混合する際の温度は、非晶質ポリエステル(a2)のガラス転移点以上が好ましく、均質な樹脂粒子を得る観点から、より好ましくは結晶性ポリエステル(a1)の融点以上がより好ましい。
次に、前記の樹脂混合物に水性媒体を添加して、転相し、樹脂粒子(A)を含有する分散液を得る。
水性媒体としては水を主成分とするものが好ましく、水性媒体中の水の含有量は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、実質100質量%が更に好ましい。水としては、脱イオン水又は蒸留水が好ましく用いられる。
水以外の成分としては、炭素数1〜5の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のジアルキル(炭素数1〜3)ケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等の水に溶解する有機溶媒が用いられる。
水性媒体を添加する際の温度は、非晶質ポリエステル(a2)のガラス転移点以上が好ましく、均質な樹脂粒子を得る観点から、結晶性ポリエステル(a1)の融点以上がより好ましい。
水性媒体の添加速度は、樹脂粒子を小粒径とする観点から、転相が終了するまでは、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部/分であること好ましく、0.1〜30質量部/分であることがより好ましく、0.5〜10質量部/分であることが更に好ましく、0.5〜5質量部/分であることが更に好ましい。転相後の水性媒体の添加速度には制限はない。
水性媒体の使用量は、後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して100〜2000質量部が好ましく、150〜1500質量部がより好ましく、150〜500質量部が更に好ましい。得られる樹脂粒子分散液の安定性及び取扱い容易性等の観点から、その固形分濃度は、好ましくは7〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは20〜40質量%、更に好ましくは25〜35質量%である。なお、固形分は樹脂、界面活性剤等の不揮発性成分の総量である。
得られた樹脂粒子(A)の分散液は、後述する工程3において離型剤がカルボキシ基を有する樹脂から水性媒体中に遊離するのを抑制する観点から、前記オキサゾリン基含有重合体と混合することが好ましい。
得られた樹脂粒子(A)を含有する分散液中の樹脂粒子(A)の体積中位粒径は0.02〜2μmであることが好ましい。高画質の画像が得られるトナーを得る観点から、0.02〜1.5μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、0.05〜0.5μmが更に好ましい。ここで、体積中位粒径とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径である。
また、樹脂粒子の粒度分布の変動係数(CV値)(%)は、高画質の画像が得られるトナーを得る観点から、40%以下であることが好ましく、35%以下がより好ましく、30%以下が更に好ましい。なお、CV値は、下記式で表される値であり、具体的には実施例記載の方法で求められる。
CV値(%)=[粒度分布の標準偏差(μm)/体積平均粒径(μm)]×100
[樹脂粒子(B)]
本発明において、樹脂粒子(B)は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の観点から、非晶質ポリエステル(b)を含有することが好ましく、実質非晶質ポリエステル(b)からなる粒子であることが好ましい。
非晶質ポリエステル(b)の好ましいモノマー組成、物性は、前述の非晶質ポリエステル(a2)と同じである。非晶質ポリエステル(b)は、非晶質ポリエステル(a2)と同じであっても異なっていてもよい。
樹脂粒子(B)の分散液は、トナーの帯電性の観点から、前記オキサゾリン基含有重合体と混合しないことが好ましい。
非晶質ポリエステル(b)は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよく、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することが好ましい。
<工程2−1>
工程2−1は、工程1で得られた離型剤粒子の水分散液と、カルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子(A)の水分散液と、凝集剤とを、水性媒体中で混合して凝集して凝集粒子(1)を得る工程である。
本工程においては、まず、樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を水性媒体中で混合して、混合分散液を得る。
なお、任意の成分として着色剤を混合することが好ましいが、着色剤はそれのみで別の粒子として混合してもよく、樹脂粒子(A)に含まれていてもよいが、凝集制御の観点から、樹脂粒子(A)に含まれていることが好ましい。
また、本工程において、樹脂粒子(A)以外の樹脂粒子を混合してもよい。
混合の順に制限はなく、いずれかを順に添加してもよいし、同時に添加してもよい。
混合分散液中、樹脂粒子(A)(固形分)は、10〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。水性媒体は60〜90質量%が好ましく、70〜80質量%となるように混合することがより好ましい。
また、着色剤は、画像濃度の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましい。
離型剤粒子(固形分)は、トナーの離型性及び帯電性の観点から、樹脂と着色剤との合計100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましい。
混合温度は、凝集制御の観点から、0〜40℃が好ましい。
次に、混合分散液中の粒子を凝集させて、凝集粒子(1)の分散液を得る。凝集を効率的に行うために凝集剤を添加することが好ましい。
凝集剤は、第四級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が用いられる。
無機金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられ、硫酸アンモニウムがより好ましい。塩の価数は特に限定されず、1価であっても2価以上であってもよい。
凝集剤の使用量は、トナーの帯電性の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。また、樹脂粒子の凝集性の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。以上の点を考慮して、1価の塩の使用量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは3〜40質量部、更に好ましくは5〜30質量部である。
凝集の方法としては、混合分散液の入った容器に、凝集剤を好ましくは水溶液として滴下する。凝集剤は一時に添加してもよいし、断続的あるいは連続的に添加してもよいが、添加時及び添加終了後には、十分な撹拌を行うことが好ましい。凝集制御およびトナー製造時間短縮の観点から、凝集剤の滴下時間は1〜120分が好ましい。また、滴下温度は凝集制御の観点から0〜50℃が好ましい。
得られた凝集粒子(1)の体積中位粒径は、小粒径化及び得られるトナーのプリンタ等の印刷機内での飛散量の低減の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜9μm、更に好ましくは3〜6μmである。また、CV値は、好ましくは30%以下、より好ましくは28%以下、更に好ましくは25%以下であり、生産性の観点から、5%以上が好ましい。
<工程2−2>
工程2−2は、工程2−1で得られた凝集粒子(1)に、非晶質ポリエステル(b)を含有する樹脂粒子(B)を添加して、凝集粒子(2)を得る工程である。
本工程においては、工程2−1で得られた凝集粒子(1)の分散液に、非晶質ポリエステル(b)を含有する樹脂粒子(B)の分散液を添加して、凝集粒子(1)に更に樹脂粒子(B)を付着させ、凝集粒子(2)を得ることが好ましい。
凝集粒子(1)の分散液に樹脂粒子(B)の分散液を添加する前に、凝集粒子(1)の分散液に水性媒体を添加して希釈してもよく、水性媒体を添加することが好ましい。水性媒体を添加することで、凝集粒子(1)に樹脂粒子(B)をより均一に付着させることができる。
凝集粒子(1)の分散液に樹脂粒子(B)分散液を添加するときには、凝集粒子(1)に樹脂粒子(B)を効率的に付着させるために、前記凝集剤を用いてもよい。
凝集粒子(1)の分散液に樹脂粒子(B)分散液を添加する場合の好ましい添加方法としては、凝集剤と樹脂粒子(B)分散液とを同時に添加する方法、凝集剤と樹脂粒子(B)分散液とを交互に添加する方法、凝集粒子(1)の分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(B)分散液を添加する方法が挙げられる。このようにすることで、凝集剤濃度低下による凝集粒子(1)及び樹脂粒子(B)の凝集性の低下を防ぐことができる。トナーの生産性及び製造簡便性の観点から、凝集粒子(1)の分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(B)分散液を添加することが好ましい。
本工程における系内の温度は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の観点から、樹脂粒子(A)に含まれる結晶性ポリエステル(a1)の融点より5℃以上低く、非晶質ポリエステル(b)のガラス転移点より3℃以上低いことが好ましく、5℃以上低いことがより好ましい。当該温度範囲で凝集粒子(2)の製造を行うと、得られるトナーの低温定着性及び耐高温オフセット性が良好になる。その理由は定かではないが、凝集粒子(2)同士の融着が生じないために、粗大粒子の発生が抑制されることと、結晶性ポリエステル(a1)の結晶性が維持できるためであると考えられる。
樹脂粒子(B)の添加量は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の観点から、樹脂粒子(B)と樹脂粒子(A)との質量比(樹脂粒子(B)/樹脂粒子(A))が、好ましくは0.2〜1.5、より好ましくは0.2〜1.0、更に好ましくは0.25〜0.75となる量が好ましい。
樹脂粒子(B)分散液は、一定の時間をかけて連続的に添加してもよく、一時に添加してもよく、複数回に分割して添加してもよいが、一定の時間をかけて連続的に添加するか、複数回に分割して添加することが好ましい。前記のように添加することで、樹脂粒子(B)が凝集粒子(1)に選択的に付着しやすくなる。なかでも選択的な付着を促進する観点及び製造の効率化の観点から一定の時間を掛けて連続的に添加することが好ましい。連続的に添加する場合の時間は、均一な凝集粒子(2)を得る観点および製造時間短縮の観点から、1〜10時間が好ましく、3〜8時間がより好ましい。
工程2−2で得られる凝集粒子(2)の体積中位粒径は、高画質な画像が得られるトナーを得る観点から、1〜10μmであることが好ましく、2〜10μmがより好ましく、3〜9μmが更に好ましく、4〜6μmが更に好ましい。
工程2−2で得られる凝集粒子(2)のpHは、5.5〜7.5であることが好ましく、6.0〜7.0がより好ましく、6.0〜6.5が更に好ましい。
<工程3>
工程3は、工程2で得られた凝集粒子を合一させて、合一粒子を得る工程である。工程2が工程2−1及び2−2を含む場合、工程2−2で得られた凝集粒子(2)を合一することでコアシェル粒子が形成される。
工程2が工程2−1及び2−2を含む場合、融着を促進し、トナーの生産性を向上させる観点から、本工程においては、好ましくは非晶質ポリエステル(b)のガラス転移点以上、より好ましくはガラス転移点より5℃高い温度以上、更に好ましくはガラス転移点より10℃高い温度以上の温度で保持する。トナーのコアシェル状態を維持し、離型剤の遊離を防ぐ観点から、本工程においては、好ましくは非晶質ポリエステル(b)のガラス転移点より30℃高い温度以下、より好ましくは25℃高い温度以下、更に好ましくは20℃高い温度以下の温度で保持する。
本工程においては、粒子の融着を促進する観点から、好ましくは65〜90℃、より好ましくは70〜90℃、更に好ましくは70〜85℃で保持する。
本工程における保持時間は、粒子融着性、トナーの耐熱保存性、帯電性及びトナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは30秒〜24時間、より好ましくは1分〜10時間、更に好ましくは6分〜1時間である。
高画質の画像を得る観点から、本工程で得られる合一粒子の体積中位粒径は、好ましくは2〜10μm、より好ましくは2〜8μm、より好ましくは2〜7μm、更に好ましくは3〜8μm、更に好ましくは4〜6μmである。
なお、本工程で得られる融着した合一粒子の平均粒径は、凝集粒子の平均粒径以下であることが好ましい。すなわち、本工程において、合一粒子同士の凝集、融着が生じないことが好ましい。
また、本工程で得られたコアシェル粒子の、コア中の樹脂とシェル中の樹脂との質量比(コア/シェル比)は、好ましくは90/10〜55/45、より好ましくは90/10〜60/40、更に好ましくは80/20〜65/35となる量が好ましい。
[後処理工程]
本発明においては、工程3の後に後処理工程を行ってもよく、合一粒子を単離することによってトナー粒子を得ることが好ましい。
工程3で得られた合一粒子は、水性媒体中に存在するため、まず、固液分離を行うことが好ましい。
固液分離後に洗浄を行うことが好ましい。
次に乾燥を行うことが好ましい。乾燥後の水分含量は、トナーの飛散を抑制し、帯電性を向上させる観点から、1.5質量%以下に調整することが好ましく、1.0質量%以下に調整することがより好ましい。
[電子写真用トナー]
(トナー)
乾燥等を行うことによって得られたトナー粒子を本発明のトナーとしてそのまま用いることもできるが、後述のようにトナー粒子の表面を処理したものを電子写真用トナーとして用いることが好ましい。
得られたトナーの軟化点は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは60〜140℃、より好ましくは60〜130℃、更に好ましくは60〜120℃である。また、ガラス転移点は、低温定着性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、好ましくは20〜70℃、より好ましくは25〜60℃である。
トナーの体積中位粒径は、トナーによって高画質の印刷物を得、生産性を向上させる観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜8μm、更に好ましくは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。
トナーのCV値は、高画質の印刷物を得、生産性を向上させる観点から、好ましくは30%以下、より好ましくは27%以下、更に好ましくは25%以下であり、生産性の観点から、5%以上が好ましい。
トナーの円形度は、トナーの飛散を抑制し、クリーニング性を向上させる観点から、0.950〜0.995が好ましく、0.955〜0.990がより好ましく、0.960〜0.985が更に好ましい。
トナーのBET比表面積は、トナーの飛散を抑制し、耐熱保存性を向上させる観点から1.0〜2.5が好ましく、1.1〜1.8がより好ましく、1.2〜1.5が更に好ましい。
(外添剤)
本発明の電子写真用トナーは、前記トナー粒子をトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。
外添剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等が挙げられ、これらの中でも、疎水性シリカが好ましい。
外添剤を用いてトナー粒子の表面処理を行う場合、外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは2〜4質量部である。
本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
ポリエステル、樹脂粒子、トナー等の各性状値については次の方法により測定、評価した。
[ポリエステルの酸価]
JIS K0070に従って測定した。但し、測定溶媒はクロロホルムとした。
[ポリエステルの軟化点、結晶性指数、融点及びガラス転移点]
(1)軟化点
フローテスター((株)島津製作所製、商品名:CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)結晶性指数
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:Q100)を用いて、室温(20℃)から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後、昇温速度10℃/分で180℃まで昇温した。観測されるピークのうち、ピーク面積が最大のピーク温度を吸熱の最大ピーク温度(1)として、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(1)(℃))により、結晶性指数を求めた。
(3)融点及びガラス転移点
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:Q100)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を、引き続き昇温速度10℃/分で測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度(2)とした。結晶性ポリエステルの時には該ピーク温度を融点とした。また、非晶質ポリエステルの場合に吸熱ピークが観測されるときはそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移点とした。
[凝集粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布]
凝集粒子の体積中位粒径は以下の通り測定した。
・測定機:コールターマルチサイザーIII(商品名、ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:マルチサイザーIIIバージョン3.51(商品名、ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(商品名、ベックマンコールター社製)
・測定条件:凝集粒子を含有する試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
また、粒度分布としてCV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
[トナー(粒子)の体積中位粒径(D50)]
トナー(粒子)の体積中位粒径は以下の通り測定した。
測定機、アパチャー径、解析ソフト、電解液は、凝集粒子の体積中位粒径と同様のものを用いた。
分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、商品名:エマルゲン109P、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させ、濃度5質量%の分散液を得た。
分散条件:前記分散液5mLにトナー測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製した。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
[樹脂粒子、離型剤粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布]
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機((株)堀場製作所製、商品名:LA−920)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定した。また、CV値は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径)×100
[樹脂粒子分散液、離型剤粒子分散液の固形分濃度]
赤外線水分計((株)ケツト科学研究所製、商品名:FD−230)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、水分%を測定した。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(質量%)=100−M
M:水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料質量(初期試料質量)
0:測定後の試料質量(絶対乾燥質量)
[トナーの円形度]
トナーの分散液は、5質量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン109P)水溶液5mlにトナー50mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させたのち、蒸留水20mlを添加し、さらに超音波分散機にて1分間分散させて調製した。
測定装置:フロー式粒子像分析装置(シスメックス(株)製、商品名:FPIA−3000)
測定モード:HPF測定モード
[トナーの定着領域 低温定着温度〜高温オフセット温度]
上質紙(富士ゼロックス(株)製、J紙A4サイズ)に市販のプリンタ((株)沖データ製、商品名:Microline5400)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.42〜0.48mg/cm2となるベタ画像をA4紙の上端から5mmの余白部分を残し、50mmの長さで定着させずに出力した。
次に、定着器を温度可変に改造した同プリンタを用意し、定着器の温度を90℃にし、A4縦方向に1枚あたり1.2秒の速度で定着し、印刷物を得た。
同様の方法で定着器の温度を5℃ずつ上げて、定着し、印刷物を得た。
印刷物の画像上の上端の余白部分に、メンディングテープ(3M社製、商品名:Scotchメンディングテープ810、幅18mm)を長さ50mmに切ったものを軽く貼り付けた後、500gのおもりを載せ、速さ10mm/秒で1往復押し当てた。その後、貼付したテープを下端側から剥離角度180度、速さ10mm/秒で剥がし、テープ剥離後の印刷物を得た。テープ貼付前及び剥離後の印刷物の下に上質紙((株)沖データ製、エクセレントホワイト紙A4サイズ)を30枚敷き、各印刷物のテープ貼付前及び剥離後の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計(GretagMacbeth社製、商品名:SpectroEye、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、下記の式で定着率を算出した。
定着率=(テープ剥離後の反射画像濃度/テープ貼付前の反射画像濃度)×100
定着率が90%以上となる温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れる。
また、定着温度を上昇させ、高温での定着領域を上記と同様にして求めた。定着率が90%未満になる温度を高温オフセット温度とした。高温オフセット温度が高いほど、高温での定着領域が高いことを示す。
[トナー中の離型剤残存率]
得られた電子写真用トナーを示差走査熱量計で測定して得られる離型剤由来の吸熱ピークの吸熱量(実測値)と、離型剤単独で測定して得られた吸熱量から換算される吸熱ピークの吸熱量(換算値)との割合を、下記式で求めた。
離型剤残存率(%)=[(トナー中の離型剤由来の吸熱量(実測値)/(離型剤単独で測定して得られた吸熱量から換算されるトナー中の離型剤由来の吸熱量(換算値))]×100
(離型剤単独で測定して得られた吸熱量から換算される、トナー(単位重量)中の離型剤由来の吸熱量)
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:Q−100)を用い、トナーに使用した離型剤を150℃まで5℃/分で昇温して、離型剤の吸熱量を測定した。
離型剤の吸熱量に、コアシェル粒子中の離型剤の理論重量比(ただし、界面活性剤及び外添剤を除く)を乗じた値を、離型剤単独で測定して得られた吸熱量から換算されるトナー中の離型剤由来の吸熱量(換算値)とした。
(トナー(単位重量)中の離型剤由来の吸熱量(実測値))
得られたトナーについて、上記示差走査熱量計を用い、200℃まで5℃/分で昇温した後、100℃/分にて0℃まで急冷し、その後、0℃から150℃まで5℃/分で昇温して離型剤の吸熱量を測定した。この値を実測値とした。
[合一粒子のろ過性]
合一粒子分散液中の合一粒子が5.2gになるように秤量し、直径70cmのヌッチェに定性ろ紙(アドバンテック社製、種類No.2)を敷き、合一粒子分散液をろ過後、イオン交換水240mLをろ過するのに要する時間を測定する。時間が短いことは、合一粒子を洗浄する工程が短くて済むことを示している。離形剤が合一粒子より漏れ出ている場合、ろ紙が目詰まりを起こし、ろ過時間が長くなる。
[合一工程での離形剤の遊離状況]
合一粒子分散液5gを遠沈管に採取し、遠心分離機(HSIANGTAI社製、商品名:CN−2060)を用いて、4000rpmで1分間、遠心分離を施すことで合一粒子を沈降させ、上澄み液の状態を目視にて観察した。
上澄み液が無色透明である場合、離形剤が遊離していないことを示す。上澄み液が白濁している場合、離形剤が遊離していることを示し、白濁の具合が高いほど離型剤の遊離が多いことを示す。
[ポリエステルの製造]
製造例CP1
(結晶性ポリエステル(A)の製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、アルコール成分として1,12−ドデカンジオール5050g、酸成分としてコハク酸2950gを入れた。撹拌しながら、135℃に昇温し、135℃で3時間維持した後、135℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫16gを加え、更に200℃にて1時間維持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間維持し、結晶性ポリエステル(A)を得た。軟化点は87℃、融点は79℃、結晶性指数は1.1であった。また酸価は8.2mgKOH/gであった。
Figure 0006001936
製造例AP1
(非晶質ポリエステル(B)の製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1750g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1625g、テレフタル酸1145g、ドデセニルコハク酸無水物161g、トリメリット酸無水物480g、及び酸化ジブチル錫10gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、220℃に昇温し、220℃で5時間維持した後、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、非晶質ポリエステル(B)を得た。ガラス転移点は64℃、軟化点は122℃であり、結晶性指数は1.6であった。また酸価は21.0mgKOH/gであった。
製造例AP2
(非晶質ポリエステル(C)の製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3374g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン33g、テレフタル酸672g及び酸化ジブチル錫10gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、230℃に昇温し、5時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間維持した。その後、210℃まで冷却し、大気圧に戻した後、フマル酸696g、tert−ブチルカテコール0.49gを加え、210℃の温度下で5時間維持した後に、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて4時間維持させて、非晶質ポリエステル(C)を得た。ガラス転移点は65℃、軟化点は107℃であり、結晶性指数は1.5であった。また酸価は24.4mgKOH/gであった。
製造例AP3
(非晶質ポリエステル(D)の製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3004g、フマル酸996g、tert−ブチルカテコール2g及び酸化ジブチル錫8gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、5時間かけて210℃まで昇温し、210℃で2時間保持した後、8.3KPaにて反応し下記の軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(D)を得た。ガラス転移点は57℃、軟化点は101℃であり、結晶性指数は1.5であった。また酸価は22.4mgKOH/gであった。
製造例AP4
(非晶質ポリエステル(E)の製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3528g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1404g、テレフタル酸1248g、ドデセニルコハク酸無水物1541g、及び酸化ジブチル錫20gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、230℃に昇温し、230℃で6時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間維持した。その後、215℃まで冷却し、大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物300gを入れ、215℃で1時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて3時間維持させて、非晶質ポリエステル(E)を得た。ガラス転移点は57℃、軟化点は118℃であった。また酸価は19.1mgKOH/gであった。
製造例MB1
(銅フタロシアニン顔料含有のマスターバッチ(F)の製造)
製造例AP3で得た非晶質ポリエステル(D)の微粉末70質量部及び銅フタロシアニンのスラリー顔料(大日精化工業(株)製、商品名:ECB−301、固形分46.2質量%)を顔料分30質量部になるようにヘンシェルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗砕して青色顔料を30質量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗砕品(マスターバッチ(F))を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は全て微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
Figure 0006001936
[樹脂粒子の分散液の製造]
製造例A1
(樹脂粒子(A−1)の分散液の製造)
撹拌機を装備したフラスコに、結晶性ポリエステル(A)90g、非晶質ポリエステル(C)285g、非晶質ポリエステル(E)120g、銅フタロシアニン顔料含有のマスターバッチ(F)150g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン性界面活性剤、商品名:エマルゲン150、花王(株)製)8.5g、15質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(アニオン性界面活性剤、商品名:ネオペレックスG−15、花王(株)製)80g、5質量%水酸化カリウム水溶液270gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、撹拌しながら、脱イオン水1113gを6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュ(目開き105μm)の金網を通して、樹脂粒子分散液を得た。
更に、得られた樹脂粒子分散液とオキサゾリン基含有アクリルポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700、不揮発分25質量%、アクリル主鎖、オキサゾリン基含有重合体中のオキサゾリン基含有量:4.55mmol/g、数平均分子量:20,000)22.7gとを混合し、撹拌しながら95℃で1時間保持した。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュの金網を通し、脱イオン水を加えて、固形分を30質量%に調整して、樹脂粒子(A−1)の分散液を得た。樹脂粒子(A−1)の体積中位粒径は0.143μm、CV値は29.8%であった。
製造例A2
(樹脂粒子(A−2)の分散液の製造)
内容積5リットルのフラスコに、非晶性ポリエステル(B)210g、非晶性ポリエステル(C)390g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン性界面活性剤、商品名:エマルゲン430、花王(株)製)6g、15質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(ネオペレックスG−15)40g及び5質量%水酸化カリウム278gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、撹拌しながら、1135gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュの金網を通し、脱イオン水を加えて、固形分を16.5質量%に調整して、樹脂粒子(A−2)の分散液を得た。樹脂粒子(A−2)の体積中位粒径は0.158μm、CV値は24.0%、ガラス転移点は60℃であった。
製造例A3
(樹脂粒子(A−3)の分散液の製造)
内容積5リットルのフラスコに、非晶性ポリエステル(B)210g、非晶性ポリエステル(C)285g、銅フタロシアニン顔料含有のマスターバッチ(F)150g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン性界面活性剤、商品名:エマルゲン430、花王(株)製)6g、15質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(ネオペレックスG−15)40g及び5質量%水酸化カリウム274gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、撹拌しながら、1143gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュの金網を通し、樹脂粒子分散液を得た。
更に、得られた樹脂粒子分散液と前記オキサゾリン基含有アクリルポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700)22.6gとを混合し、撹拌しながら95℃で1時間保持した。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュの金網を通し、脱イオン水を加えて、固形分を30質量%に調整して、樹脂粒子(A−3)の分散液を得た。樹脂粒子(A−3)の体積中位粒径は0.157μm、CV値は26.3%であった。
Figure 0006001936
[離形剤粒子の分散液の製造]
製造例W1
(離形剤粒子(W−1)の分散液の製造)
500ミリリットル容のビーカーで、脱イオン水250gにカルナウバワックス((株)加藤洋行製、商品名:カルナウバワックス1号、融点83℃、酸価5mgKOH/g)27gとパラフィンワックス(日本精鑞(株)製、商品名:HNP−9、融点75℃)63gを添加し、95℃に温度を保持しながらワックスを溶融混合した。その後、95℃に温度を保持しながら、前記オキサゾリン基含有アクリルポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700)3.04gを添加し、ホモミキサーで15分撹拌後、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS1170)1.8g及びショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS570)1.8gを加え、更にホモミキサーで15分撹拌して予備乳化液を得た。本予備乳化液を80〜95℃に保ちながら、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製、商品名:NM2−L200−D08)で100MPaの圧力で3回処理した後に室温まで冷却し、ここにイオン交換水を加え、離型剤固形分20質量%に調整し、離形剤粒子(W−1)の分散液を得た。分散液中の離形剤粒子(W−1)の体積中位粒径(D50)は241nm、CV値は28.3%であった。
製造例W2
(離形剤粒子(W−2)の分散液の製造)
製造例W1において、カルナウバワックス及びパラフィンワックスの使用量を、カルナウバワックス9g及びパラフィンワックス81gに変更したこと以外は製造例W1と同様にして、離形剤粒子(W−2)の分散液を得た。分散液中の離形剤粒子(W−2)の体積中位粒径(D50)は240nm、CV値は28.2%であった。
製造例W3
(離形剤粒子(W−3)の分散液の製造)
500ミリリットル容のビーカーで、脱イオン水250gにカルナウバワックス((株)加藤洋行製、商品名:カルナウバワックス1号、融点83℃)27gとパラフィンワックス(日本精鑞(株)製、商品名:HNP−9、融点75℃)63gを添加し、95℃に温度を保持しながらワックスを溶融混合した。その後、95℃に温度を保持しながら、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS1170)1.8g及びショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS570)1.8gを加え、ホモミキサーで15分撹拌して予備乳化液を得た。本予備乳化液を80〜95℃に保ちながら、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製、商品名:NM2−L200−D08)で100MPaの圧力で3回処理した後に室温まで冷却し、ここにイオン交換水を加え、離型剤固形分20質量%に調整し、離形剤粒子(W−3)の分散液を得た。分散液中の離形剤粒子(W−3)の体積中位粒径(D50)は223nm、CV値は30.0%であった。
製造例W4
(離形剤粒子(W−4)の分散液の製造)
500ミリリットル容のビーカーで、脱イオン水250gにカルナウバワックス((株)加藤洋行製、商品名:カルナウバワックス1号、融点83℃)27gとパラフィンワックス(日本精鑞(株)製、商品名:HNP−9、融点75℃)63gを添加し、95℃に温度を保持しながらワックスを溶融混合した。その後、95℃に温度を保持しながら、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS1170)1.8g及びショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS570)1.8gを加え、ホモミキサーで15分撹拌後、前記オキサゾリン基含有アクリルポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700)3.04gを添加し、更にホモミキサーで15分撹拌して予備乳化液を得た。本予備乳化液を80〜95℃に保ちながら、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製、商品名:NM2−L200−D08)で100MPaの圧力で3回処理した後に室温まで冷却し、ここにイオン交換水を加え、離型剤固形分20質量%に調整し、離形剤粒子(W−4)の分散液を得た。分散液中の離形剤粒子(W−4)の体積中位粒径(D50)は177nm、CV値は34.0%であった。
製造例W5
(離形剤粒子(W−5)の分散液の製造)
500ミリリットル容のビーカーで、脱イオン水250gにカルナウバワックス((株)加藤洋行製、商品名:カルナウバワックス1号、融点83℃)90gを添加し、95℃に温度を保持しながらワックスを溶融混合した。その後、95℃に温度を保持しながら、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS1170)1.8g及びショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商品名:リョートーシュガーエステルS570)1.8gを加え、ホモミキサーで15分撹拌後、前記オキサゾリン基含有アクリルポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700)3.04gを添加し、更にホモミキサーで15分撹拌して予備乳化液を得た。本予備乳化液を80〜95℃に保ちながら、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製、商品名:NM2−L200−D08)で100MPaの圧力で3回処理した後に室温まで冷却し、ここにイオン交換水を加え、離型剤固形分20質量%に調整し、離形剤粒子(W−5)の分散液を得た。分散液中の離形剤粒子(W−5)の体積中位粒径(D50)は210nm、CV値は29.0%であった。
[トナーの製造]
実施例1
(トナー1の製造)
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した内容積2リットルの4つ口フラスコに、樹脂粒子(A−1)の分散液250g、脱イオン水41g、及び離型剤粒子(W−1)の分散液35gを温度25℃下で混合した。次に、該混合物を撹拌しながら、硫酸アンモニウム21gを脱イオン水216gに溶解した水溶液を25℃で10分かけて滴下した後、60℃まで昇温し、凝集粒子の体積中位粒径が4.6μmになるまで、60℃で保持し、凝集粒子(1)の分散液を得た。
凝集粒子(1)の分散液の温度を毎時0.8℃の速度で昇温しながら、樹脂粒子(A−2)の分散液126gを毎分0.7mlの速度で滴下し、凝集粒子(2)の分散液を得た。また、滴下終了後の分散液の温度は58℃であった。
凝集粒子(2)の分散液に、アニオン性界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマール(登録商標)E27C、有効濃度27質量%)15g、脱イオン水1183gを混合した水溶液を添加した。80℃まで昇温し、80℃下で5分間保持して、粒子を融着してコアシェル粒子を得た。
得られたコアシェル粒子分散液を30℃に冷却して、分散液を吸引濾過で固形分を分離した後、脱イオン水で洗浄し、33℃で乾燥を行って、トナー粒子を得た。該トナー粒子100質量部、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:RY50、平均粒径;0.04μm)2.5質量部、及び疎水性シリカ(キャボット社製、商品名:キャボシールTS720、平均粒径;0.012μm)1.0質量部をヘンシェルミキサーに入れ、撹拌し、150メッシュのふるいを通過させてトナー1を得た。トナーの物性及び評価を表4に示す。
実施例2
(トナー2の製造)
実施例1において、離形剤粒子(W−1)の分散液を、表に示す離形剤粒子(W−2)の分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、トナー2を得た。トナーの物性及び評価を表4に示す。
比較例1、2及び4
(トナー3、4及び6の製造)
実施例1において、離形剤粒子(W−1)の分散液を、表に示す離型剤粒子の分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、トナー3、4及び6を得た。トナーの物性及び評価を表4に示す。
比較例3
(トナー5の製造)
実施例1において、離型剤粒子(W−1)の分散液35gを、離形剤粒子(W−3)の分散液35g及び前記オキサゾリン基含有アクリルポリマー水溶液((株)日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700)0.25gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、トナー5を得た。トナーの物性及び評価を表4に示す。
比較例5
(トナー7の製造)
実施例1において、樹脂粒子(A−1)の分散液を樹脂粒子(A−3)の分散液に変更し、離形剤粒子(W−1)の分散液を離形剤粒子(W−5)の分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、トナー7を得た。トナーの物性及び評価を表4に示す。
Figure 0006001936
表4から、離形剤分散液の製造時に、ワックス混合物にオキサゾリン含有ポリマーを添加し、その後、乳化剤で離型剤粒子を水中に分散させた離型剤粒子(W−1)又は(W−2)の分散液を用いた実施例1及び2では、トナー製造時における離形剤の遊離を抑制でき、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れた電子写真用トナーを製造することができた。
これに対し、ワックス混合物を乳化させた後に、オキサゾリン含有ポリマーを添加した離型剤粒子(W−4)の分散液を用いた比較例1では、離形剤が遊離し、ろ過性が低下すると共に、残存率も低くなった。
炭化水素ワックスを含有しない離形剤粒子(W−5)を用いた比較例2及び5では、いずれもトナー製造時における離形剤の遊離は抑制できるものの、結晶性ポリエステルを含むトナーでは印刷時に離形性を発揮できず(比較例2)、一方、結晶性ポリエステルを含まないトナーでは低温定着性に劣るものであった(比較例5)。
離形剤製造時にオキサゾリン含有ポリマーを添加しなかった離型剤粒子(W−3)の分散液を用い、樹脂粒子(A−1)の凝集時にオキサゾリン含有ポリマーを用いた比較例3では、トナー製造時における離形剤の遊離を防止できなかった。また、離形剤製造時にオキサゾリン含有ポリマーを添加しなかった離型剤粒子(W−3)の分散液を用いた比較例4でも、同様にトナー製造時における離形剤の遊離を防止できなかった。
以上の結果、離形剤として炭化水素ワックス(パラフィンワックス)を使用する場合、離型剤にオキサゾリン含有ポリマーを添加し、その後に乳化剤で分散させた離形剤分散液を用いることが、トナー製造の際の合一粒子から離形剤の遊離を抑制するのに効果的であることがわかった。
本発明の製造方法により得られる電子写真用トナーは、トナー製造時に合一粒子から離型剤が遊離するのを抑制することでき、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れるという特性を有するため、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナーとして好適に使用できる。本発明の方法によれば、このような特性を有するトナーを効率的に製造することができる。

Claims (6)

  1. 下記工程1〜3を有する電子写真用トナーの製造方法。
    工程1:炭化水素ワックスと、カルボキシ基を有しかつ酸価が0.5mgKOH/g以上であるエステルワックスとを含むワックス混合物を、オキサゾリン基を有する重合体と混合した後、水系媒体中に分散させて、離型剤粒子の水分散液を得る工程
    工程2:工程1で得られた離型剤粒子の水分散液と、カルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子の水分散液とを混合し、凝集させて、凝集粒子を得る工程
    工程3:工程2で得られた凝集粒子を合一させて、合一粒子を得る工程
  2. 前記エステルワックスがカルナウバワックスである、請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 前記のカルボキシ基を有する樹脂を含む樹脂粒子が、結晶性ポリエステルの樹脂粒子及び非晶質ポリエステルの樹脂粒子を含む、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記のワックス混合物とオキサゾリン基を有する重合体との混合を50℃以上99℃以下で行う、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 前記結晶性ポリエステルが、炭素数10〜12のα,ω−アルカンジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分とを縮重合して得られる、請求項3又は4に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 前記のワックス混合物とオキサゾリン基を有する重合体との混合割合が、オキサゾリン基のモル数に対するエステルワックスのカルボキシ基のモル数の比率(カルボキシ基/オキサゾリン基)として1/20以上5/1以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
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