JP6000431B1 - 車両用エネルギーマネジメント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】惰性走行モードなどの特殊なモードを有する車両の計画制御を効率的に実現する。【解決手段】車両用エネルギーマネジメント装置100において、基準モード速度計画作成部105は、自車両が基準モードで走行すると仮定したときの各走行区間の速度計画(基準モード速度計画)を作成する。合成モード速度計画作成部107は、自車両が、連続する複数の走行区間を合成した合成走行区間の一部の走行区間を特殊モードで走行し、残りの走行区間を基準モードで走行すると仮定したときの各合成走行区間の速度計画(合成モード速度計画)を作成する。制御計画立案部110は、基準モード速度計画に基づくエネルギー消費量(基準モードエネルギー消費量)の予測値と、合成モード速度計画に基づくエネルギー消費量(合成モードエネルギー消費量)の予測値とに基づいて、車両機器120の走行区間ごとの制御計画を立てる。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料エネルギーや電気エネルギーなど車両の複数のエネルギー源を管理する車両用エネルギーマネジメント装置に関する。
エンジン車、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池車などにおいては、車載センサーなどから得られる現在の車両状態を示す情報に応じて、車両の動作モードを変更する、いわゆる逐次制御によって、エネルギー消費量の抑制が図られている。例えばハイブリッド車の動作モードとしては、エンジンの動力のみで走行するモード、モーターの動力のみで走行するモード、エンジンの動力とモーターの動力の両方を使って走行するモード、エンジンの動力で発電してバッテリに蓄電したりモーターの駆動に用いたりするモード、などがある。
また、現在の車両状態だけでなく、予測される将来の車両状態も考慮して、車両の制御計画(動作モードの切り替え計画)を立てる技術の開発が進められている。例えば、ハイブリッド車が長い上り坂と長い下り坂を続けて走行することが予測される場合、上り坂の手前でバッテリを十分に充電しておき、上り坂をモーターの動力で走行してバッテリの空き容量を増やし、その後の下り坂で得られる回生電力でバッテリを充電する、といった効率的な制御が可能となる。
例えば、特許文献1や特許文献2には、車両(ハイブリッド車)の現在位置、走行経路、地形情報、道路の混雑度などの情報から、車両の走行経路の標高や走行時の速度の変化を算出(予測)して、バッテリの残量(SOC:State of Charge)の上下限を規定する計画を立案し、その計画に沿って車両を制御する技術が開示されている。
特開2001−69605号公報 特許第5642253号公報
特許文献1や特許文献2の技術では、通常は、エンジンやモーターなどの動力源を用いる動作モードを想定して算出した予測速度を元に、各動作モードのエネルギー消費量が算出される。一方、今後の製品としては、惰性走行モード(コースト(COAST)モード)を積極的に活用する車両が増加すると考えられる。惰性走行モードとは、アクセルが解放された状態で走行するときに、駆動力の伝達経路に存在する摩擦要素を解放する動作モードである。また、動力源の動作を停止させることによって惰性走行モードになるものもある。惰性走行モードでは、走行に動力源が用いられないため、特許文献1や特許文献2の技術では適切なエネルギー消費量を考慮できず、エネルギー消費量の誤差(予測値と実際の値との差)が大きくなると考えられる。そのため、惰性走行モードを有効に活用できず、走行経路全体のエネルギー消費量の削減効果が低下する可能性がある。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、惰性走行モードなどの特殊なモードを有する車両の計画制御を効率的に実現することが可能な車両用エネルギーマネジメント装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用エネルギーマネジメント装置は、異なるエネルギー源で駆動される複数の車両機器を有し、動作モードとして、動力源を使用して走行する基準モードと動力源を使用せずに走行する特殊モードとを有する車両に用いられる車両用エネルギーマネジメント装置であって、前記車両の走行経路を複数の走行区間に分割する走行経路分割部と、各走行区間における前記車両のエネルギー消費に関係する情報であるエネルギー消費関連情報を取得するエネルギー消費関連情報取得部と、前記エネルギー消費関連情報に基づいて、前記車両が基準モードで走行すると仮定したときの各走行区間の速度計画である基準モード速度計画を作成する基準モード速度計画作成部と、前記エネルギー消費関連情報および前記基準モード速度計画に基づいて、前記車両が特殊モードで走行すると仮定したときの各走行区間の速度計画である特殊モード速度計画を作成する特殊モード速度計画作成部と、前記エネルギー消費関連情報、前記基準モード速度計画および前記特殊モード速度計画に基づいて、前記車両が、連続する複数の走行区間を合成した合成走行区間の一部の走行区間を特殊モードで走行し、残りの走行区間を基準モードで走行すると仮定したときの各合成走行区間の速度計画である合成モード速度計画を作成する合成モード速度計画作成部と、前記エネルギー消費関連情報および前記基準モード速度計画から、前記車両が基準モードで各走行区間を走行するときの前記複数の車両機器によるエネルギー消費量である基準モードエネルギー消費量の予測値を演算する基準モードエネルギー消費量演算部と、前記エネルギー消費関連情報および前記合成モード速度計画から、前記車両が各合成走行区間の前記一部の走行区間を特殊モード、前記残りの走行区間を基準モードで走行するときの、各合成走行区間での前記複数の車両機器によるエネルギー消費量である合成モードエネルギー消費量の予測値を演算する合成モードエネルギー消費量演算部と、各走行区間の前記基準モードエネルギー消費量の予測値および各合成走行区間の前記合成モードエネルギー消費量の予測値に基づいて、前記複数の車両機器の走行区間ごとの制御計画を立てる制御計画立案部と、前記制御計画に従って前記複数の車両機器を制御する車両機器制御部と、を備えるものである。
本発明に係る車両用エネルギーマネジメント装置によれば、一部の走行区間を車両の動力源を用いない特殊モードで走行することを想定した制御計画を立てることができる。それにより、特殊モードを用いた場合でも、エネルギー消費量の誤差を小さくできる。よって、特殊モードを有効に活用でき、走行経路全体のエネルギー消費量の削減効果が向上する。
本発明の実施の形態に係る車両用エネルギーマネジメント装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る車両用エネルギーマネジメント装置の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る車両用エネルギーマネジメント装置のエネルギー消費量を考慮した動作モードおよび速度計画の最適化処理を概念的に示す図である。 車両用エネルギーマネジメント装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 車両用エネルギーマネジメント装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1は、車両用エネルギーマネジメント装置100の構成を示すブロック図である。図1のように、車両用エネルギーマネジメント装置100は、現在位置取得部101、走行経路算出部102、走行経路分割部103、エネルギー消費関連情報取得部104、基準モード速度計画作成部105、特殊モード速度計画作成部106、合成モード速度計画作成部107、基準モードエネルギー消費量演算部108、合成モードエネルギー消費量演算部109、制御計画立案部110および車両機器制御部111を備えている。以下、車両用エネルギーマネジメント装置100が搭載された車両を「自車両」ということもある。
現在位置取得部101は、GPS(Global Positioning System)から取得した自車両の絶対位置(緯度・経度)および自車両の速度センサーや方位センサーが取得した情報(センサ情報)から分かる相対位置から、自車両の現在位置を算出する。現在位置取得部101が算出した自車両の現在位置は、走行経路算出部102が走行経路を算出する処理や、車両機器制御部111が自車両の存在する走行区間を判断する処理などに用いられる。なお、現在位置取得部101は、自車両の現在位置を自ら算出せずに、外部のナビゲーション装置が算出した現在位置の情報を取得するものであってもよい。
走行経路算出部102は、地図データを用いて、現在位置取得部101が算出した自車両の現在位置(出発地)から、目的地(到着地)までの走行経路を算出する。走行経路算出部102は、走行経路の他にも、出発地からの出発時刻や、目的地への到着予想時刻も算出することができる。ここで、走行経路算出部102が出力する自車両の走行経路の情報には、その経路に含まれる各道路の特性が含まれることもある。道路特性としては、例えば、道路種別(一般道、自動車専用道路、高速道路など)、標高情報(すなわち勾配情報)、道路幅、カーブの曲率、分岐点の有無、各道路で予測される車両の流れ(速度域)を示す速度情報(予測速度情報)などがある。道路種別は、道路が通る地域に応じて、市街地の道路、郊外地の道路、山岳地の道路などにさらに細分化されていてもよい。
また、道路種別は、時間や天候などの外的要因によって変化するものであってもよい。例えば、各道路の道路特性が、時間帯に応じて「朝の道路」、「昼の道路」、「夜の道路」などと変化したり、天候に応じて「晴れの道路」、「雨の道路」、「雪の道路」などと変化したりしてもよい。
さらに、道路種別は、後述するエネルギー消費関連情報などによって規定されてもよい。例えば、「エネルギー消費量が大きい道路」、「エネルギー消費量が小さい道路」、「車両の平均速度が高い道路」、「車両の平均速度が低い道路」などといった情報が道路特性として規定されていてもよい。
走行経路算出部102は、車両の走行経路、出発時刻、到着予想時刻などを自ら算出せずに、外部のナビゲーション装置が算出したそれらの情報を取得するものであってもよい。その場合、ナビゲーション装置が保持している地図データや道路特性情報を使用できるため、それらの情報を走行経路算出部102が記憶しておく必要はない。さらに、地図データや道路特性情報は、例えば地図サービス会社などから配信されるものを使用してもよい。
走行経路分割部103は、走行経路算出部102が算出した走行経路を複数の区間に分割する。走行経路分割部103が走行経路を複数の区間に分割する方法としては、例えば、道路種別ごとに区切る方法、一定距離ごとに区切る方法、一定時間の予想走行距離ごとに区切る方法、道路の分岐点(交差点等)で区切る方法、あるいはそれら2以上の方法を組み合わせることなどが考えられる。また、走行経路を大まかな道路特性(道路種別など)ごとの区間に分割し、その後、一定の長さ以上の区間を、詳細な道路特性情報に基づいてさらに複数の区間に分割する方法も考えられる。例えば、大まかに分割した区間から、上りや下り勾配の強い道路、カーブの曲率が大きい道路、速度域の高い又は低い道路などを抽出して、細かい区間に分割するとよい。
また、各道路の道路特性が時間や天候などの外的要因によって変化するものとし、自車両が走行するときの時間帯や天候に基づいて走行経路を分割してもよい。例えば、自車両が走行することが予測される時間帯ごとに走行経路を分割したり、自車両が走行するときに予測される天候ごとに走行経路を分割したりしてもよい。
また、後述するエネルギー消費関連情報などを、自車両の走行経路を分割する前に取得し、それらの情報を基準にして走行経路を分割してもよい。例えば、走行経路を、単位距離あたりのエネルギー消費量が大きい区間と小さい区間とに分割することや、平均速度が一定値よりも高い区間と低い区間とに分割することなどが考えられる。
以下、走行経路分割部103が走行経路を分割して得た各区間を「走行区間」と称し、また、連続する複数の走行区間を合成した各区間を「合成走行区間」と称す。
エネルギー消費関連情報取得部104は、走行経路算出部102が算出した自車両の走行経路における、自車両のエネルギー消費に関係する情報(エネルギー消費関連情報)を取得する。エネルギー消費関連情報は、例えば、走行経路の情報に含まれる道路特性情報(勾配情報、道路種別、道路幅、カーブの曲率、予測速度情報など)、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)などの情報配信サービスが配信する渋滞情報および実際の車両の流れ(速度域)を示す速度情報(実測速度情報)、ADAS(Advanced Driver Assistance System)と呼ばれる先進運転支援システム(例えば衝突予防安全装置など)が取得したレーダー情報など、走行経路における自車両のエネルギー消費量に影響し得る情報である。
さらに、エネルギー消費関連情報には、気象情報(天気、気温、湿度、日射量など)や、インフラのエネルギー網(例えば、家庭や工場、ビルなどの電力網(グリッド))の需給情報なども考えられる。インフラのエネルギー網の需給情報としては、例えば、家庭や工場、ビルなどのエネルギーマネジメントシステム(EMS)が作成した電力の需給計画がある。これらの情報は、車両の走行に要するエネルギー消費量(エンジンやモータのエネルギー消費量)に直接影響しないが、エンジンやモーターの駆動に費やすことができるエネルギー消費量に影響する。
エネルギー消費関連情報取得部104が取得するエネルギー消費関連情報として、走行経路算出部102が算出する情報をそのまま用いてもよい。例えば、走行経路算出部102が道路勾配を算出済みであれば、その道路勾配の情報をエネルギー消費関連情報として用いることができる。
基準モード速度計画作成部105は、エネルギー消費関連情報取得部104が取得したエネルギー消費関連情報に基づいて、自車両が動力源を使用して走行する動作モード(以下、「基準モード」という)で各走行区間を走行すると仮定したときの、各走行区間の速度計画である「基準モード速度計画」を作成する。基準モードとしては、例えば、エンジンの動力のみで走行する動作モード、モーターの動力のみで走行する動作モード、エンジンの動力とモーターの動力の両方を使って走行する動作モード、エンジンの動力で発電してバッテリに蓄電したりモーターの駆動に用いたりする動作モード、などが挙げられる。
特殊モード速度計画作成部106は、エネルギー消費関連情報取得部104が取得したエネルギー消費関連情報と、基準モード速度計画作成部105が作成した基準モード速度計画とに基づいて、自車両が動力源を使用せずに走行する動作モード(以下、「特殊モード」という)で走行すると仮定したときの、各走行区間の速度計画である「特殊モード速度計画」を作成する。特殊モードは、基準モードと同様に扱うことができない動作モードである。特殊モードとしては、惰性走行モードの他、惰性走行モードでの走行中において下り坂や減速の際に運動エネルギーを使って発電する「回生モード」などが考えられる。なお、惰性走行モードは、アクセルが解放された状態で走行するときに、駆動力の伝達経路に存在する摩擦要素を解放するものでもよいし、動力源の動作を停止させるものでもよい。また、回生モードにおける発電量は、モーターの動力のみで走行する動作モード(後述する「EV(Electric Vehicle)モード」)と同様の方法で計算できる場合もあり、その場合には、回生モードを基準モードの一つとして扱ってもよい。
特殊モードでは動力源が用いられないため、無条件では、特殊モードの車両の速度計画を立てるのは困難である。そのため、特殊モード速度計画作成部106は、各走行区間の始点における自車両の速度計画(速度および加速度)が、その地点における基準モード速度計画と同じであるという条件の下で、特殊モード速度計画を作成する。
合成モード速度計画作成部107は、エネルギー消費関連情報取得部104が取得したエネルギー消費関連情報と、基準モード速度計画作成部105が作成した基準モード速度計画と、特殊モード速度計画作成部106が作成した特殊モード速度計画とに基づいて、自車両が、連続する複数の走行区間を合成した合成走行区間の一部の走行区間を特殊モードで走行し、残りの走行区間を基準モードで走行すると仮定したときの、各合成走行区間の速度計画である「合成モード速度計画」を作成する。このとき、合成モード速度計画作成部107は、各合成走行区間の始点および終点における自車両の速度計画が、それらの地点における基準モード速度計画と同じになるように、合成モード速度計画を作成する。
本実施の形態では、合成走行区間は連続する2つの走行区間から構成され、前半の走行区間を特殊モードで走行し、後半の走行区間を基準モードで走行すると仮定して、合成モード速度計画が作成されるものとする。この場合、各合成走行区間の前半の走行区間の速度計画は特殊モード速度計画と同じになる。また、後半の走行区間の速度計画は、当該走行区間の終点における速度計画が、その地点における基準モード速度計画と同じになるように、エネルギー消費関連情報に基づいて作成される。このように、各合成走行区間の始点および終点における合成モード速度計画を、それらの地点における基準モード速度計画と同じにすることで、基準モード速度計画の一部を合成モード速度計画に置き換えても、速度計画の連続性を維持することができる。なお、合成走行区間は、連続する3つ以上の走行区間から構成されてもよい。また、異なる数の走行区間からなる合成走行区を混在させてもよい。
基準モードエネルギー消費量演算部108は、エネルギー消費関連情報取得部104が取得したエネルギー消費関連情報と、基準モード速度計画作成部105が作成した基準モード速度計画とから、自車両が基準モード速度計画に従うように各走行区間を基準モードで走行するときの車両機器120によるエネルギー消費量である「基準モードエネルギー消費量」の予測値を計算する。すなわち、基準モードエネルギー消費量演算部108は、自車両が各走行区間を基準モードで走破するのに必要となるエネルギー消費量(必要走行エネルギー消費量)を計算する。
合成モードエネルギー消費量演算部109は、エネルギー消費関連情報取得部104が取得したエネルギー消費関連情報と、合成モード速度計画作成部107が作成した合成モード速度計画から、自車両が合成モード速度計画に従うように各合成走行区間を走行するときの、各合成走行区間での車両機器120によるエネルギー消費量である「合成モードエネルギー消費量」の予測値を演算する。すなわち、合成モードエネルギー消費量演算部109は、自車両が、各合成走行区間の一部の走行区間を特殊モード、残りの走行区間を基準モードで走行して走破するときに必要となるエネルギー消費量(必要走行エネルギー消費量)を計算する。
基準モードエネルギー消費量演算部108および合成モードエネルギー消費量演算部109が求める基準モードエネルギー消費量および合成モードエネルギー消費量、すなわち、走行区間または合成走行区間ごとの必要走行エネルギー消費量は、予め定められた数式や特性データを用いて計算できる。
そのような数式としては、走行経路に含まれる各道路の道路勾配および基準モード速度計画ならびに車両諸元情報(車両重量や走行抵抗係数など)から、必要走行エネルギー消費量を算出する物理式や、必要走行エネルギー消費量を、エンジン駆動に必要な燃料の量や、モーター駆動に必要な電力量、またはそれらを組み合わせたときに必要な燃料の量および電力量へ変換する変換式などがある。また、特性データとしては、エンジンの回転数に対する、トルク、エンジン出力、燃料消費量などの特性を示すデータマップなどがある。
先に述べたように、車両の動作モードのうち、基準モードとしては、モーターの動力のみで走行する「EV(Electric Vehicle)モード」、モーターとエンジンの両方の動力で走行する「HEV(Hybrid Electric Vehicle)モード」、エンジンの動力のみで走行する「エンジンモード」、エンジンの動力で走行と発電を行う「エンジン+発電モード」、などがある。また、特殊モードとしては、慣性によって走行する「惰性走行(COAST)モード」、下り坂や減速の際に運動エネルギーを使って発電する「回生モード」などがある。
「EVモード」では、必要走行エネルギー消費量を全て電力で賄うので、燃料消費量は0であり、電力消費量は、必要走行エネルギー消費量にモーターやインバータの効率で除した値として得ることができる。モーターやインバータの効率は物理式から求めてもよいし、データマップから得てもよい。
「エンジンモード」では、必要走行エネルギー消費量を全て燃料で賄うので、電力消費量は0であり、燃料消費量は、例えばエンジンのトルク、回転数、出力と燃料消費量の関係を表すBSFC(Brake Specific Fuel Consumption)と呼ばれる燃料消費率マップを使って算出することができる。
「HEVモード」では、必要走行エネルギー消費量が電力と燃料で分担して賄われる。例えば、エンジンの出力は、BSFCにおいてエンジンのトルクおよび回転数が最も効率良くなる値に設定され、モーターの出力は、エンジンの出力だけでは足りないエネルギー消費量を賄うように設定される。その場合、燃料消費量は、そのように設定されたエンジンのトルク、回転数、出力からBSFCを用いて算出できる。また、電力消費量は、必要走行エネルギー消費量からエンジンが出力するエネルギー消費量を減じた値に、モーターやインバータの効率で除した値として得ることができる。
「エンジン+発電モード」では、エンジンの出力を、トルクおよび回転数が最も効率良くなる値に設定した上で、余剰のエンジン出力によって発電が行われる。よって、燃料消費量は、そのように設定されたエンジンのトルク、回転数、出力からBSFCを用いて算出できる。また、電力消費量は、余剰のエンジン出力で発電可能な電力量に相当する負の値に発電機やインバータの効率を乗じた値として得ることができる。
「惰性走行モード」では、エンジンおよびモーターの出力は0であり、電力回生も行われないので、電力消費量、燃料消費量とも0となる。
「回生モード」では、エンジンおよびモーターの出力は0であり、電力回生のみが行われる。従って、燃料消費量は0であり、電力消費量は、モーターを用いた回生ブレーキによる発電量に相当する負の値として得ることができる。なお、回生ブレーキによる発電量は、「EVモード」における電力消費量と同じ方法で計算できるが、その正負や効率の乗除は逆である。
制御計画立案部110は、自車両の走行前および走行中に、各走行区間の基準モードエネルギー消費量の予測値および各合成走行区間の合成モードエネルギー消費量の予測値に基づいて、走行経路全体での自車両のエネルギー消費量(燃料消費量および電力消費量)が、予め定められた条件を満たすように、走行区間ごとの車両機器120(モーター、エンジン、ジェネレータ等)の制御計画を立てる。具体的には、走行経路全体での自車両のエネルギー消費量が予め設定された条件を満たすように、走行区間ごとの自車両の動作モードおよび速度計画の割り当てを行う。車両機器制御部111は、合成走行区間に対して動作モードの割り当てを行うこともあり、その場合、合成走行区間の一部の走行区間に惰性走行モードが割り当てられる。
各走行区間の動作モードおよび速度計画を定める基準となる条件としては、例えば、走行経路全体でのエネルギー消費量が特定の目標値に最も近づく条件や、目的地到着時のバッテリ残量(SOC)を所望の範囲内に収めるための条件、燃料消費量が最小または最大になる条件、電力消費量が最小または最大になる条件、COの発生量が最小になる条件、燃料および電力のコスト(走行前の燃料補給や充電のコストを含めてもよい)が最小になる条件、などが考えられる。なお、惰性走行モードの場合は、加速度を制御できないため、速度計画に対して、加速度、最大速度または最小速度などの制約を与えてもよい。
車両のエネルギー消費量は動作モードによって変化するため、制御計画立案部110は、基準モードエネルギー消費量演算部108および合成モードエネルギー消費量演算部109を用いて、各走行区間の必要走行エネルギー消費量を各動作モードに場合分けして算出し、走行経路全体での自車両のエネルギー消費量が予め定められた条件を満たすように、各走行区間の動作モードの組み合わせを選択することになる。この制御計画立案部110が決定した、走行区間ごとの動作モードおよび速度計画の割り当てが、車両機器120の制御計画である。制御計画立案部110は、作成した車両機器120の制御計画を、車両機器制御部111へ入力する。
車両機器制御部111は、制御計画立案部110から入力された車両機器120の制御計画(各走行区間の動作モードおよび速度計画の割り当て)に従い、車両機器120を制御して、動作モードの切り替えを行う。なお、動作モードの切り替えは、通常、自車両が新たな走行区間に入ったときに行われるが、後述するように、走行の途中で車両機器120の制御計画が変更(再計画)される場合や、運転者が予想に反する操作を行うことで制御計画どおりの動作モードを維持できなくなる場合もあり、そのような場合には走行区間の途中でも動作モードの切り替えは実行される。
上記のように、車両機器120の制御計画には、各走行区間の動作モードの計画だけでなく、速度計画も含まれている。速度計画は、各動作モードが選択された際の自車両の走行速度の予測値であり、必ずしも実際の走行速度に一致するとは限らないため、車両機器制御部111は、速度計画が実現されるように車両機器を制御してもよい。すなわち、速度計画で定められた走行速度を目標値にして、車両の速度が自動的に制御されるようにしてもよい。例えば、クルーズコントロール(登録商標)機能を備えたハイブリッド車両などには、速度制御機能が搭載されており、速度計画を実現するような速度制御も技術的に可能である。
また、車両機器制御部111は、制御計画に基づいて動作した車両機器120における実際のエネルギー消費量(エネルギー消費量の実測値)と、制御計画立案部110が制御計画を作成したときに算出した各走行区間のエネルギー消費量(エネルギー消費量の予測値)とを比較し、両者の差が小さくなるように動作モードのパラメータ(エンジンとモーターの出力比率、電力回生の強さなど)を補正するフィードバック制御を行う機能も備えている。
一方、制御計画立案部110は、エネルギー消費量の予測値と実測値の差の大きさ又は差の変化量が予め定められた閾値を超えた場合や、自車両が予定の走行経路(走行経路算出部102が算出した走行経路)から外れ、走行経路算出部102が走行経路を変更した場合には、車両機器120の制御計画の立て直しを行う再計画制御を行う機能も備えている。さらに、制御計画立案部110は、利用者が車両機器120の制御計画の変更を指示した場合にも、車両機器120の制御計画の立て直しを行う再計画制御が行われる。
次に、図2のフローチャートに基づいて、車両用エネルギーマネジメント装置100の動作を説明する。
自車両(もしくは車載システム)の起動により、車両用エネルギーマネジメント装置100の動作フローが開始されると、まず、現在位置取得部101が取得した自車両の現在位置を取得する(ステップS1)。
次に、走行経路算出部102が、自車両の現在地から設定された目的地までの走行経路を探索する(ステップS2)。目的地の設定は、自車両の利用者がユーザインタフェースを用いて行ってもよいし、走行経路算出部102が、過去の走行履歴などから目的地を推定することによって自動的に行ってもよい。
自車両の走行経路が決定すると、走行経路分割部103が、その走行経路を、地図データや道路特性情報を考慮して、複数の走行区間に分割する(ステップS3)。
走行経路の分割が完了すると、以下のステップS4〜S7の処理が行われる。ステップS4〜S7については、図3を参照しつつ説明する。図3は、車両用エネルギーマネジメント装置100が行う、動作モードの切り替え計画および速度計画の最適化処理を概念的に示している。
ステップS4では、エネルギー消費関連情報取得部104が、走行区間のエネルギー消費関連情報を取得する。図3においては、各走行区間(走行区間R1〜R6)の標高の情報(道路勾配)および交差点の位置情報を含むエネルギー消費関連情報が示されている。
ステップS5は、各種の速度計画の作成処理であり、以下のステップS5a〜S5cの各処理が行われる。ステップS5aでは、基準モード速度計画作成部105が、エネルギー消費関連情報に基づいて、自車両が基準モードで各走行区間を走行すると仮定したときの、各走行区間の速度計画である基準モード速度計画を作成する。ステップS5bでは、特殊モード速度計画作成部106が、エネルギー消費関連情報とステップS5aで作成された基準モード速度計画とに基づいて、自車両が特殊モードで走行すると仮定したときの各走行区間の速度計画である特殊モード速度計画を作成する。ステップS5cでは、合成モード速度計画作成部107が、エネルギー消費関連情報と、ステップS5aで作成された基準モード速度計画と、ステップS5bで作成された特殊モード速度計画とに基づいて、自車両が合成走行区間の一部の走行区間を特殊モードで走行し、残りの走行区間を基準モードで走行すると仮定したときの、各合成走行区間の速度計画である合成モード速度計画を作成する。
図3の例では、合成走行区間は連続する2つの走行区間から構成されている。すなわち、走行区間R1,R2から合成走行区間CR1が構成され、走行区間R2,R3から合成走行区間CR2が構成され、走行区間R3,R4から合成走行区間CR3が構成され、走行区間R4,R5から合成走行区間CR4が構成され、走行区間R5,R6から合成走行区間CR5が構成されている。このように、隣り合う合成走行区間同士は、一部が重複することになる。
また、図3の例では、合成モード速度計画は、各合成走行区間の前半の走行区間を特殊モードで走行し、後半の走行区間を基準モードで走行すると仮定して作成されている。この場合、各合成走行区間の前半の走行区間の速度計画は特殊モード速度計画と同じになる。また、後半の走行区間の速度計画は、当該走行区間の終点における速度計画が、その地点における基準モード速度計画と同じになるように、エネルギー消費関連情報に基づいて新たに作成される。
例えば、合成走行区間CR1の前半としての走行区間R1の走行計画は、走行区間R1の特殊モード速度計画と同じに設定される。また、合成走行区間CR1の後半としての走行区間R2の走行計画は、走行区間R2の始点の速度が走行区間R1の終点の速度と同じ値に設定され、走行区間R2の終点の速度が走行区間R3の始点における基準モード速度計画と同じ値に設定された上で、この条件が満たされるように作成される。このようにして得られた走行区間R1の走行計画と走行区間R2の走行計画とを結合することで、合成走行区間CR1の合成モード速度計画が作成される。合成走行区間CR2以降の合成モード速度計画もこれと同様の処理で作成される。
その結果、各合成走行区間の始点および終点における合成モード速度計画が、それらの地点における基準モード速度計画と同じになる。それにより、基準モード速度計画の一部を合成モード速度計画に置き換えても、速度計画の連続性を維持することができる。
ステップS6は、各走行区間の必要走行エネルギー消費量の演算処理であり、以下のステップS6a,S6bの各処理が行われる。ステップS6aでは、基準モードエネルギー消費量演算部108が、エネルギー消費関連情報と、ステップS5aで作成された基準モード速度計画とから、自車両が基準モード速度計画に従うように各走行区間を基準モードで走破するための必要走行エネルギー消費量である基準モードエネルギー消費量の予測値を計算する。また、ステップS6bでは、合成モードエネルギー消費量演算部109が、エネルギー消費関連情報と、ステップS5cで作成された合成モード速度計画から、自車両が合成モード速度計画に従うように基準モードと特殊モードを組み合わせて各合成走行区間を走破するための必要走行エネルギー消費量である合成モードエネルギー消費量の予測値を演算する。ステップS6a,S6bは互いに独立した処理であるため、どちらが先に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
図3の例においては、基準モードとしてEVモードとHEVモードの2つを想定し、特殊モードとして惰性走行モードの1つを想定している。この場合、上記のステップS6aでは、走行区間R1〜R6のそれぞれをEVモードで走行すると仮定したときの基準モードエネルギー消費量A01〜A06と、HEVモードで走行すると仮定したときの基準モードエネルギー消費量B01〜B06との2種類が算出される。
また、各合成走行区間における自車両の動作モードとしては、前半を惰性走行モードで走行し、後半をEVモードで走行するパターン(COASTモード+EVモード)と、前半を惰性走行モードで走行し、後半をHEVモードで走行するパターン(COASTモード+HEVモード)との2通りが想定される。そのため、上記のステップS6bでは、合成走行区間CR1〜CR5のそれぞれをCOASTモード+EVモードのパターンで走行すると仮定したときの合成モードエネルギー消費量と、COASTモード+HEVモードのパターンで走行すると仮定したときの基準モードエネルギー消費量との2種類が算出される。
図3においては、合成走行区間CR1〜CR5の前半としての走行区間R1〜R5を惰性走行モードで走行するときの必要走行エネルギー消費量を、それぞれC01〜C05と表している。また、合成走行区間CR1〜CR5の後半としての走行区間R2〜R6をEVモードで走行するときのエネルギー消費量を、それぞれCA01〜CA06と表している。また、合成走行区間CR1〜CR5の後半としての走行区間R2〜R6をHEVモードで走行するときの必要走行エネルギー消費量を、それぞれCB01〜CB05と表している。なお、惰性走行モードで走行するときの必要走行エネルギー消費量C01〜C05は、通常は0である。
ステップS7では、制御計画立案部110が、ステップS6aで算出された各走行区間の基準モードエネルギー消費量の予測値と、ステップS6bで算出された各合成走行区間の合成モードエネルギー消費量の予測値に基づいて、走行経路全体での自車両のエネルギー消費量(燃料消費量および電力消費量)が、最適化されるように(予め定められた条件を満たすように)、走行区間ごとに自車両の動作モードおよび走行計画を割り当てる。すなわち、車両機器120(モーター、エンジン、ジェネレータ等)の制御計画が立案される。それにより、各走行区間の必要走行エネルギー消費量を、複数のエネルギー源でどのように担保するかが決定される。
図3の例では、合成走行区間CR1に、COASTモード+EVモードのパターンが割り当てられ(走行区間R1に惰性走行モード、走行区間R2にEVモードが割り当てられる)、走行区間R3にEVモードが割り当てられ、走行区間R4にHEVモードが割り当てられ、合成走行区間CR5にCOASTモード+HEVモードのパターンが割り当てられている(走行区間R5に惰性走行モード、走行区間R6にHEVモードが割り当てられる)。また、図3のように、最適化後の速度計画は、基準モード速度計画の一部を合成モード速度計画に置き換えたものとなるが、その連続性は保たれる。
本実施の形態では、各走行区間に動作モードが割り当てられると、同時に、速度計画も割り当てられることになる。ただし、自車両の特性や動作モードごとの制約(例えば、燃料タンクおよび蓄電池の容量、定格、各動作モードで走行可能な速度範囲など)を守る必要があるため、走行区間によっては特定の動作モードの割り当てが不可能な場合も考えられる。このような制約を守りつつ、予め定められた条件が満たされるように動作モードの割り当てを行う。
動作モードの割り当ての決定方法としては、各走行区間に割り当て可能な動作モードを総当たり的に比較する方法でもよいし、いわゆる“組み合わせ最適化問題”の解法として一般的に知られた方法を用いてもよい。本実施の形態では、動作モードが割り当てられることによって、制約条件下で速度計画が最適化されるため、制約条件がない場合に速度計画を最適化することと比較すると、最適解を求めるための計算量が大幅に削減されることになる。
ステップS7で車両機器120の制御計画が作成された後、自車両が走行を開始すると、車両機器制御部111は、その制御計画に規定されている各走行区間に動作モードおよび速度計画の割り当てに従って、車両機器120を制御する(ステップS8)。具体的には、車両機器制御部111は、現在位置取得部101が取得した自車両の現在位置に基づき、自車両が走行経路上のどの走行区間にいるかを認識し、その走行区間に割り当てられた動作モードで車両機器120を動作させる。また、各走行区間に割り当てられた走行計画が実現されるように、車両機器120を制御してもよい。自車両が新たな走行区間に入れば(走行区間の境界を通過すれば)、車両機器制御部111は、必要に応じて自車両の動作モードを切り替える。
自車両が走行経路を走破した場合には(ステップS9でYES)、車両機器制御部111は図2のフローは終了するが、走破していなければ(ステップS9でNO)、制御計画立案部110は、車両機器120の制御計画の立て直しが必要かどうか確認する(ステップS10)。
車両機器120の動作モードが制御計画に従って切り替えられたとしても、自車両の走行中には、ステップS6で算出されるエネルギー消費計画(エネルギー消費量の予測値)と実際のエネルギー消費量(エネルギー消費量の実測値)との間に差が生じ得る。例えば、想定外の渋滞により予定通りの速度で走行できない場合や、運転者の操作によって制御計画どおりの動作モードが維持されない場合があるからである。エンジンおよびモーターの出力が0と仮定される「惰性走行モード」や「回生モード」の走行区間であっても、運転者が実際の交通状況に応じて自車両のアクセルやブレーキの操作を行うことは十分に想定される。また、自車両が予定された走行経路から外れた場合にも、その差が生じる。
このようなエネルギー消費計画からのずれを認識するために、制御計画立案部110は、エネルギー消費量の予測値と実測値の差を演算する。具体的には、例えばエンジン制御用のコントローラが計測した燃料消費量と予め計算した燃料消費量の予測値との差、および、モーター制御用のコントローラが計測した電力消費量と予め計算した電力消費量の予測値との差、をそれぞれ演算する。
制御計画立案部110は、それらの差の大きさ又は変化量が予め定められた閾値を超える場合や、自車両が走行経路を外れて走行経路に変更が生じた場合、また使用者から指示があった場合には、車両機器120の制御計画を立て直す再計画制御の必要があると判断し(ステップS10でYES)、その立て直しを行うために、ステップS1に戻る。この場合、ステップS1〜S7の各処理のうち必要なものだけを行えばよい。例えば、自車両が走行経路を外れていなければ、走行経路に変更はないので、走行経路の探索(ステップS1)は省略することができる。
一方、車両機器120の制御計画を立て直す必要がないと判断された場合には(ステップS10でNO)、車両機器制御部111が、車両機器120のフィードバック制御が必要か否かを判断する(ステップS11)。具体的には、ステップS6で求めたエネルギー消費量の予測値と実測値の差が一定の大きさの範囲を超えていれば、フィードバック制御が必要と判断される。
車両機器制御部111は、車両機器120のフィードバック制御が必要と判断した場合には(ステップS11でYES)、エネルギー消費量の予測値と実測値の差が小さくなるように、動作モードのパラメータ(エンジンとモーターの出力比率、電力回生の強さなど)を補正することによって、そのフィードバック制御を行う(ステップS12)。
ステップS1〜S12の動作は、自車両が走行経路を走破するまで繰り返し実行される。
本実施の形態に係る車両用エネルギーマネジメント装置100によれば、一部の走行区間を車両の動力源を用いない特殊モードで走行することを想定した制御計画を立てることができる。それにより、特殊モードを用いた場合でも、エネルギー消費量の誤差を小さくできる。よって、特殊モードを有効に活用でき、走行経路全体のエネルギー消費量の削減効果が向上する。また、各走行区間に動作モードが割り当てられることによって、制約条件下で速度計画が最適化されるため、速度計画の最適化処理を制約条件なしに行うのと比較して、最適解を求めるための計算量が大幅に削減されるという効果も得られる。
図4および図5は、それぞれ本発明に係る車両用エネルギーマネジメント装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
車両用エネルギーマネジメント装置100は、例えば図4に示す処理回路50により実現される。すなわち、処理回路50は、自車両の現在位置を取得する現在位置取得部101と、自車両の走行経路を算出する走行経路算出部102と、当該走行経路を複数の走行区間に分割する走行経路分割部103と、各走行区間におけるエネルギー消費関連情報を取得するエネルギー消費関連情報取得部104と、各走行区間の基準モード速度計画を作成する基準モード速度計画作成部105と、各走行区間の特殊モード速度計画を作成する特殊モード速度計画作成部106と、各合成走行区間の合成モード速度計画を作成する合成モード速度計画作成部107と、各走行区間の基準モードエネルギー消費量の予測値を演算する基準モードエネルギー消費量演算部108と、各合成走行区間の合成モードエネルギー消費量の予測値を演算する合成モードエネルギー消費量演算部109と、車両機器120の走行区間ごとの制御計画を立てる制御計画立案部110と、制御計画に従って車両機器120を制御する車両機器制御部111と、とを備える。処理回路50には、専用のハードウェアが適用されてもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサ(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、Digital Signal Processor)が適用されてもよい。
処理回路50が専用のハードウェアである場合、処理回路50は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。車両用エネルギーマネジメント装置100の各部の機能それぞれは、複数の処理回路50で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路50で実現されてもよい。
図5は、処理回路50がプロセッサである場合における車両用空調制御システムのハードウェア構成を示している。この場合、車両用エネルギーマネジメント装置100の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ52に格納される。処理回路50としてのプロセッサ51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、車両用空調制御システムは、処理回路50により実行されるときに、自車両の現在位置を取得するステップと、自車両の走行経路を算出するステップと、当該走行経路を複数の走行区間に分割するステップと、各走行区間におけるエネルギー消費関連情報を取得するステップと、各走行区間の基準モード速度計画を作成するステップと、各走行区間の特殊モード速度計画を作成するステップと、各合成走行区間の合成モード速度計画を作成するステップと、各走行区間の基準モードエネルギー消費量の予測値を演算するステップと、各合成走行区間の合成モードエネルギー消費量の予測値を演算するステップと、車両機器120の走行区間ごとの制御計画を立てるステップと、制御計画に従って車両機器120を制御するステップと、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ52を備える。換言すれば、このプログラムは、車両用エネルギーマネジメント装置100の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ52には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)およびそのドライブ装置等が該当する。
以上、車両用エネルギーマネジメント装置100の各機能が、ハードウェアおよびソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、車両用エネルギーマネジメント装置100の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば、車両機器制御部111については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、その他の要素についてはプロセッサ51としての処理回路50がメモリ52に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
以上のように、処理回路50は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100 車両用エネルギーマネジメント装置、101 現在位置取得部、102 走行経路算出部、103 走行経路分割部、104 エネルギー消費関連情報取得部、105 基準モード速度計画作成部、106 特殊モード速度計画作成部、107 合成モード速度計画作成部、108 基準モードエネルギー消費量演算部、109 合成モードエネルギー消費量演算部、110 制御計画立案部、111 車両機器制御部、120 車両機器。

Claims (7)

  1. 異なるエネルギー源で駆動される複数の車両機器を有し、動作モードとして、動力源を使用して走行する基準モードと動力源を使用せずに走行する特殊モードとを有する車両に用いられる車両用エネルギーマネジメント装置であって、
    前記車両の走行経路を複数の走行区間に分割する走行経路分割部と、
    各走行区間における前記車両のエネルギー消費に関係する情報であるエネルギー消費関連情報を取得するエネルギー消費関連情報取得部と、
    前記エネルギー消費関連情報に基づいて、前記車両が基準モードで走行すると仮定したときの各走行区間の速度計画である基準モード速度計画を作成する基準モード速度計画作成部と、
    前記エネルギー消費関連情報および前記基準モード速度計画に基づいて、前記車両が特殊モードで走行すると仮定したときの各走行区間の速度計画である特殊モード速度計画を作成する特殊モード速度計画作成部と、
    前記エネルギー消費関連情報、前記基準モード速度計画および前記特殊モード速度計画に基づいて、前記車両が、連続する複数の走行区間を合成した合成走行区間の一部の走行区間を特殊モードで走行し、残りの走行区間を基準モードで走行すると仮定したときの各合成走行区間の速度計画である合成モード速度計画を作成する合成モード速度計画作成部と、
    前記エネルギー消費関連情報および前記基準モード速度計画から、前記車両が基準モードで各走行区間を走行するときの前記複数の車両機器によるエネルギー消費量である基準モードエネルギー消費量の予測値を演算する基準モードエネルギー消費量演算部と、
    前記エネルギー消費関連情報および前記合成モード速度計画から、前記車両が各合成走行区間の前記一部の走行区間を特殊モード、前記残りの走行区間を基準モードで走行するときの、各合成走行区間での前記複数の車両機器によるエネルギー消費量である合成モードエネルギー消費量の予測値を演算する合成モードエネルギー消費量演算部と、
    各走行区間の前記基準モードエネルギー消費量の予測値および各合成走行区間の前記合成モードエネルギー消費量の予測値に基づいて、前記複数の車両機器の走行区間ごとの制御計画を立てる制御計画立案部と、
    前記制御計画に従って前記複数の車両機器を制御する車両機器制御部と、
    を備えることを特徴とする車両用エネルギーマネジメント装置。
  2. 前記合成モード速度計画作成部は、各合成走行区間の始点および終点における前記車両の速度計画が、前記基準モード速度計画と同じになるように、前記合成モード速度計画を作成する
    請求項1に記載の車両用エネルギーマネジメント装置。
  3. 前記制御計画立案部が立案する制御計画には、動作モードの切り替え計画および前記車両の速度計画が含まれている
    請求項1または請求項2に記載の車両用エネルギーマネジメント装置。
  4. 前記車両機器制御部は、前記速度計画で定められた速度を目標値として前記車両の速度を自動的に制御する
    請求項3に記載の車両用エネルギーマネジメント装置。
  5. 前記特殊モードは、前記車両の走行中に、前記車両の動力源が出力する駆動力の伝達経路に存在する摩擦要素を解放する制御を行う惰性走行モードである
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用エネルギーマネジメント装置。
  6. 前記特殊モードは、前記車両の走行中に、前記車両の動力源の動作を停止させる制御を行う惰性走行モードである
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用エネルギーマネジメント装置。
  7. 前記車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、
    前記現在位置から前記車両の目的地までの経路を前記走行経路として算出する走行経路算出部と、をさらに備える
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車両用エネルギーマネジメント装置。
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