JP5999062B2 - 差動信号伝送用ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、互いに位相が異なる2以上の信号を伝送するための差動信号伝送用ケーブルに関する。
数Gbit/s以上の高速デジタル信号を扱うサーバ,ルータ,ストレージなどの機器においては、差動インターフェース規格(例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signal))が採用され、各機器間あるいは機器内の各回路基板間では、差動信号伝送用ケーブルを用いて差動信号の伝送が行われている。差動信号伝送は、システム電源の低電圧化を実現しつつ外来ノイズに対する耐性が高いなどの利点を有する。
一般的な差動信号伝送用ケーブルは、平行に並べられた2本の信号線導体と、これら信号線導体を被覆する絶縁体と、絶縁体の周囲に形成されたシールドと、を備えている。それぞれの信号線導体には、位相が180度反転したプラス側(ポジティブ)電気信号およびマイナス側(ネガティブ)電気信号がそれぞれ伝送される。これら2つの電気信号(プラス側信号およびマイナス側信号)の電位差が信号レベルとなって、例えば電位差がプラスであれば「High」,マイナスであれば「Low」として、当該信号レベルを受信側で認識できるようになっている。
ここで、2本の信号線導体を伝搬する電気信号は、差動信号成分と同相信号成分に分けて考えることができ、差動信号伝送では差動信号成分のみが用いられる。また、絶縁体の周囲に設けられるシールドは、信号電流の帰路を形成するとともに、ケーブル外への電磁波の漏出を防止する役割を果たす。
従来、差動信号伝送用ケーブルには、スパイラルシールド構造または縦添えシールド構造のいずれか一方のシールド構造が採用されている。図5にスパイラルシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルの一例を示す。図示されている差動信号伝送用ケーブル1Bでは、信号線導体50a,50bを被覆する絶縁体51の周囲に帯状のシールドテープ(例えば銅テープ)52が螺旋状に巻かれている。すなわち、螺旋状に巻かれたシールドテープ52によって絶縁体51の周囲にシールドが形成されている。図5に示される差動信号伝送用ケーブル1Bを製造する際には、絶縁体51を一定速度で送り出しつつ、シールドテープ52を絶縁体51の周囲で回転させて絶縁体51に巻き付ける。したがって、シールドテープ52の巻きピッチ(巻き角度)を大きくすればするほど、絶縁体51の送り出し速度(線速)を速くすることができ、製造コストを低下させることができる。
図6に縦添えシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルの一例を示す。図示されている差動信号伝送用ケーブル1Cでは、信号線導体60a,60bを被覆している絶縁体61の径方向両側から該絶縁体61を包み込むようにして、絶縁体61の周囲にシールドテープ62が巻かれている。よって、シールドテープ62の長辺は絶縁体61の長手方向に対して平行になっている。さらに、シールドテープ62の周囲には、該シールドテープ62を保持するために、帯状の押さえテープ63が螺旋状に巻き付けられている。図6に示される差動信号伝送用ケーブル1Cを製造する際には、シールドテープ62が巻かれた絶縁体61を一定速度で送り出しつつ、押さえテープ63を絶縁体61の周囲で回転させて、シールドテープ62の周囲に押さえテープ63を巻き付ける。したがって、絶縁体61の送り出し速度(線速)は、シールドテープ62の角度ではなく、押さえテープ63の巻きピッチ(巻き角度)に依存する。
米国特許第7790981号明細書
図7(a),(b)に示されるように、スパイラルシールド構造では、シールド内面を流れる高周波電流がシールドテープ52の縁を通過する際に反射やモード変換が発生する。すなわち、シールド内面を流れる高周波電流が攪乱される。このため、特定の周波数域において電気信号の減衰量が著しく増加する現象が発生する。かかる減衰量の増加は一般的に“サックアウト”と呼ばれている。さらに、差動信号成分に対するサックアウトの発生周波数域は、シールドテープ52の巻きピッチ(巻き角度)が小さくなるほど高周波側へシフトする。また、本件発明者らの検討結果によれば、同相信号成分に対するサックアウトは、差動信号成分に対するサックアウトよりも低周波域において発生する。よって、シールドテープ52の巻きピッチを小さくすれば、所定の伝送帯域内において、差動信号成分の減衰量が小さく、同相信号成分の減衰量のみが大きい差動信号伝送用ケーブルが実現される。
しかし、10Gbit/s以上の高速信号伝送では、高周波域においても差動信号成分の減衰量を小さくする必要がある。よって、伝送帯域内における差動信号成分の減衰量増加を防止するためには、シールドテープ52の巻きピッチを極端に小さくする必要があり、製造コストが増加する。
一方、図8(a),(b)に示されるように、縦添えシールド構造では、シールド内面を流れる高周波電流がシールドテープ62の縁と交叉することはない。よって、縦添えシールド構造では、差動信号成分に対するサックアウトも同相信号成分に対するサックアウトも発生しない。しかし、縦添えシールド構造を備えた差動信号伝送用ケーブル1Cでは、差動信号成分の減衰量のみでなく、同相信号成分の減衰量も小さくなる。したがって、何らかの原因によって同相信号成分が発生した場合、発生した同相信号成分が除去されずに出力されてしまう。なお、図8(a),(b)では、図6に示される押さえテープ63の図示は省略されている。
以上のように、縦添えシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルでは、差動信号成分の減衰量は小さくなるが、同相信号成分が十分に除去されない。一方、スパイラルシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルにおいて、差動信号成分の減衰量を小さくしつつ、同相信号成分を十分に除去するためには、シールドテープの巻きピッチを小さくしなくてはならず、製造コストが増加する。
本発明の目的は、差動信号成分の減衰量が小さく、かつ、同相信号成分を十分に除去可能な差動信号伝送用ケーブルを低コストで実現することである。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、一対の信号線導体を被覆する絶縁体に巻かれたシールドテープによって前記絶縁体の周囲にシールドが形成される差動信号伝送用ケーブルである。前記シールドテープは、前記絶縁体の周囲に内層シールドを形成する第1導電体パターンと、前記内層シールドの周囲に外層シールドを形成する第2導電体パターンとを備える。前記第1導電体パターンは、基材の対向する第1の辺と第2の辺との間に延びる複数の帯状導体であって、これら辺に沿って所定ピッチで並ぶ複数の帯状導体によって形成されている。また、前記第2導電体パターンは、前記第1の辺と前記第2の辺との間に拡がる単一の面状導体によって形成されている。
本発明の一態様では、前記基材の縁には、前記面状導体が形成されていないギャップ領域が前記第1の辺に沿って設けられ、前記面状導体は、前記ギャップ領域と前記第2の辺との間に拡がっている。
本発明の他の態様では、前記基材は、前記絶縁体の外周面と対向する内面および該内面と反対側の外面を備え、前記第1導電体パターンは、前記基材の前記内面または前記基材の内部に設けられ、前記第2導電体パターンおよび前記ギャップ領域は、前記基材の前記外面に設けられている。
本発明の他の態様では、前記基材は、対向する一面同士が貼り合わされた内側部材および外側部材を備え、前記第1導電体パターンは、前記内側部材および前記外側部材の貼り合せ面の間に設けられ、前記第2導電体パターンおよび前記ギャップ領域は、前記外側部材の前記内側部材に対する貼り合せ面と反対側の一面に設けられている。
本発明の他の態様では、前記基材は、対向する一面同士が貼り合わされた内側部材および外側部材を備え、前記第1導電体パターンは、前記内側部材の前記外側部材に対する貼り合せ面と反対側の一面に設けられ、前記第2導電体パターンおよび前記ギャップ領域は、前記外側部材の前記内側部材に対する貼り合せ面と反対側の一面に設けられている。
本発明の他の態様では、それぞれの前記帯状導体は、前記ギャップ領域を介して部分的に重畳している。
本発明の他の態様では、前記基材がポリエチレンテレフタレートによって形成され、前記第1導電体パターンおよび前記第2導電体パターンが銅によって形成されている。
本発明によれば、差動信号成分の減衰量が小さく、かつ、同相信号成分を十分に除去可能な差動信号伝送用ケーブルが低コストで実現される。
本発明が適用された差動信号伝送用ケーブルの一例を示す斜視図である。 図1に示されるシールドテープの構造を示す断面図である。 (a)は第1導電体パターンを示す平面図であり、(b)は第2導電体パターンを示す平面図である。 シールドテープの変形例を示す断面図である。 スパイラルシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルの一例を示す斜視図である。 縦添えシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルの一例を示す斜視図である。 (a),(b)は、スパイラルシールド構造の内面を流れる高周波電流の振る舞いを示す説明図である。 (a),(b)は、縦添えシールド構造の内面を流れる高周波電流の振る舞いを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る差動信号伝送用ケーブル1Aは、一対の信号線導体2a,2bを備えている。一対の信号線導体2a,2bのいずれか一方にはプラス側(ポジティブ)信号が伝送され、一対の信号線導体2a,2bのいずれか他方にはマイナス側(ネガティブ)信号が伝送される。各信号線導体2a,2bは、例えば、その表面に銀めっき処理が施された円形断面の軟銅線(Silver Plated Copper Wire)によって形成されている。
一対の信号線導体2a,2bは共通の絶縁体3によって一括被覆されている。絶縁体3は、例えば、発泡ポリエチレン(Expanded Poly-Ethylene)によって形成されており、差動信号伝送用ケーブル1Aの長手方向と直交する断面(横断面)の形状は略楕円形である。
絶縁体3は、信号線導体2aと信号線導体2bが所定間隔で平行に並ぶようにこれら信号線導体2a,2bを保持している。絶縁体3は、それぞれの信号線導体2a,2bの周囲における肉厚が略同等となるように形成されている。本実施形態では、絶縁体3の材料である発砲ポリエチレンの溶融温度は110[℃]〜120[℃]に設定されている。また、信号線導体2aと信号線導体2bの結合率は、0.1〜0.3に設定されている。
絶縁体3の周囲には、外来ノイズの影響や電磁波の漏出を抑制するためのシールドを形成するシールドテープ4が巻かれている。また、図示は省略されているが、シールドテープ4の周囲には、シールドテープ4を保持するために、図6に示される押さえテープ63と同様の押さえテープが螺旋状に巻き付けられている。
図2に示されるように、シールドテープ4は、ポリエチレンテレフタレート(PET(Polyethylene terephthalate))によって形成されたシート状の内側部材5および外側部材6からなる基材7を備え、内側部材5と外側部材6は、対向する一面同士が互いに貼り合わされて一体化されている。すなわち、基材7はポリエチレンテレフタレートによって形成されている。
シールドテープ4は、内側部材5の外側部材6に対する貼り合せ面5aと反対側の一面5bが絶縁体3(図1)の外周面と対向するように、絶縁体3の周囲に縦添え巻きされている。すなわち、内側部材5の一面5bによって基材7の内面が形成されている。また、外側部材6の内側部材5に対する貼り合せ面6aと反対側の一面6bによって基材7の外面が形成されている。そこで、以下の説明では、内側部材5の一面5bを基材7の“内面5b”または“基材内面5b”と呼ぶ場合がある。また、外側部材6の一面6bを基材7の“外面6b”または“基材外面6b”と呼ぶ場合がある。
図2に示されるように、基材7の内部には第1導電体パターン11が形成されている。より詳細には、内側部材5の貼り合せ面5aと外側部材6の貼り合せ面6aとの間に第1導電体パターン11が形成されている。一方、基材外面6bには第2導電体パターン12が形成されている。
次に、第1導電体パターン11および第2導電体パターン12について詳しく説明する。図3(a)に示されるように、第1導電体パターン11は、互いに独立した複数の帯状導体11aによって形成されている。具体的には、基材7の内部には、基材7の対向する第1の辺7aと第2の辺7bとの間に斜めに延びる複数の帯状導体11aが形成されている(埋設されている)。複数の帯状導体11aは、辺7a,7bに沿って所定ピッチで並んでおり、隣接する帯状導体11aの間には隙間11bが存在している。また、それぞれの帯状導体11aの一端は第1の辺7aに達しており、他端は第2の辺7bに達している。
一方、図3(b)に示されるように、第2導電体パターン12は、単一の面状導体12aによって形成されている。具体的には、基材外面6bの縁には、第1の辺7aに沿って延びるギャップ領域13が設けられており、ギャップ領域13と第2の辺7bとの間に面状導体12aが拡がっている。換言すれば、基材外面6bの全領域のうち、面状導体12aが形成されていない領域がギャップ領域13である。ギャップ領域13は、第1の辺7aの全長に亘って延びている。すなわち、面状導体12aは、第1の辺7aを除く基材外面6bの三辺に達しているが、第1の辺7aには達していない。換言すれば、基材外面6bの第1の辺7aと面状導体12aとの間には、ギャップ領域13つまり導体層が形成されていない領域が存在している。
図1に示されるように、上記構造を備えるシールドテープ4は、基材内面5b(図2)を内側にして絶縁体3(図1)の周囲に縦添え巻きされている。シールドテープ4が絶縁体3に縦添え巻きされると、絶縁体3の長手方向に沿って複数の帯状導体11aが所定ピッチで配置されるとともに、それぞれの帯状導体11aは絶縁体3を周方向に取り巻く。すなわち、複数の帯状導体11aから構成される第1導電体パターン11によって、絶縁体3の周囲に内層シールドが形成される。
さらに、第1導電体パターン11を構成している複数の帯状導体11aが面状導体12aによって一括して覆われる。すなわち、単一の面状導体12aにより構成される第2導電体パターン12によって、内層シールドの周囲に外層シールドが形成される。なお、図1では、第1導電体パターン11(内層シールド)および第2導電体パターン12(外層シールド)を理解し易くするために、第1導電体パターン11(内層シールド)に斜線を付し、第2導電体パターン12(外層シールド)に点(ドット)を付してある。また、ギャップ領域13は破線で示してある。
図1に示されるように、第1導電体パターン11(内層シールド)を構成しているそれぞれの帯状導体11aは、ギャップ領域13を介して部分的に重畳している。すなわち、それぞれの帯状導体11aにおける重畳部分は容量結合可能である。
以上のように、本実施形態では、絶縁体3の周囲に第1導電体パターン11によって内層シールドが形成され、内層シールドの周囲に、第2導電体パターン12によって外層シールドが形成されている。さらに、内層シールドを形成する第1導電体パターン11は、絶縁体3の長手方向に沿って所定ピッチで配置された複数の帯状導体11aから構成され、それぞれの帯状導体11aは絶縁体3を周方向に取り巻いている。すなわち、内層シールドは、スパイラルシールド構造と近似したシールド構造を有する。
また、外層シールドを形成する第2導電体パターン12は単一の面状導体12aによって構成され、全ての帯状導体11aおよび隣接する帯状導体11aの間に存在する隙間11bを一括して覆っている。すなわち、外層シールドは、縦添えシールド構造と近似したシールド構造を有する。
ここで、スパイラルシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルにおいて、差動信号成分の減衰量を小さくしつつ、同相信号成分を十分に除去するためには、シールドテープの巻きピッチを小さくする必要があることは既述のとおりである。また、シールドテープの巻きピッチを小さくするためには、絶縁体の送り出し速度(線速)を遅くする必要があることも既述のとおりである。
しかし、本実施形態に係る差動信号伝送用ケーブル1Aを製造する際には、予め第1導電体パターン11および第2導電体パターン12が形成されたシールドテープ4が絶縁体3の周囲に縦添え巻きされる。その後、絶縁体3に縦添え巻きされたシールドテープ4の周囲に押さえテープが螺旋状に巻き付けられる。すなわち、本実施形態に係る差動信号伝送用ケーブル1Aは、縦添えシールド構造を備える差動信号伝送用ケーブルと同様の製法によって製造される。よって、製造時の絶縁体3の送り出し速度(線速)がシールドテープ4の巻き角度に依存することはない。一方、第1導電体パターン11を構成する複数の帯状導体11aのピッチを狭くすれば、狭ピッチのスパイラルシールド構造と同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る差動信号伝送用ケーブル1Aは、差動信号成分の減衰量が小さく、同相信号成分を十分に除去可能であり、かつ、製造コストも低い。
さらに、本実施形態に係る差動信号伝送用ケーブル1Aでは、内層シールドの周囲に外層シールドが形成されている。すなわち、二重のシールドが形成されている。さらに、外層シールドは、内層シールドを構成する全ての帯状導体11aおよび隣接する帯状導体11aの間に存在する隙間11bを一括して覆っている。よって、ケーブル外への電磁波の漏出が少ない。特に、シールド内面を流れる高周波電流がシールドの縁と交叉するスパイラルシールド構造では電磁界の漏出が発生しやすく、スパイラルシールド構造と近似したシールド構造を有する内層シールドも同様である。しかし、内層シールドの周囲に外層シールドが形成されている本実施形態に係る差動信号伝送用ケーブル1Aでは、スパイラルシールド構造の上記デメリットが解消される一方、同相伝送モードの減衰量が大きく、モード変換効率が小さいというスパイラルシールド構造のメリットは維持される。すなわち、本実施形態に係る差動信号伝送用ケーブル1Aは、差動信号成分の減衰量が小さく、かつ、同相信号成分を十分に除去可能であるばかりでなく、ケーブル外への電磁波の漏出も少ない。
次に、シールドテープ4の製造方法の一例について説明する。図2,図3に示される構造を備えるシールドテープ4は、例えば、次のようにして製造される。まず、所定寸法に加工された2枚のPETテープを用意する。一方のPETテープは図2に示される内側部材5となり、他方のPETテープは図2に示される外側部材6となる。そこで、以下の説明では、内側部材5となるPETテープを“PETテープ5”と呼び、外側部材6となるPETテープを“PETテープ6”と呼んで区別する。もっとも、かかる区別は説明の便宜上の区別に過ぎない。
次に、PETテープ5またはPETテープ6の一面に、帯状の銅テープを所定ピッチで斜めに貼り付ける。以下の説明では、PETテープ5の一面(以下“第1面”)に帯状銅テープが貼り付けられたものと仮定する。
次に、帯状銅テープが貼り付けられたPETテープ5の第1面に、PETテープ6の一面(以下“第1面”)を重ねて2枚のPETテープ5,6を貼り合せる。すなわち、2枚のPETテープ5,6の間に帯状銅テープを挟む。つまり、帯状銅テープが貼り付けられたPETテープ5の第1面が図2に示される貼り合せ面5aとなる。また、PETテープ5の第1面に重ねられたPETテープ6の第1面が図2に示される貼り合せ面6aになる。また、2枚のPETテープ5,6の間に挟まれたそれぞれの帯状銅テープが図2,3に示される帯状導体11aになる。すなわち、2枚のPETテープ5,6の間に挟まれた複数の帯状銅テープによって図2,3に示される第1導電体パターン11が形成される。
その後、PETテープ6の第2面に面状の銅テープを貼り付ける。この面状銅テープが図2,3に示される面状導体12aになる。すなわち、PETテープ6の第2面に貼り付けられた面状銅テープによって図2,3に示される第2導電体パターン12が形成される。なお、面状銅テープはPETテープ6の第2面よりも小さく、PETテープ6の第2面に面状銅テープを貼り付けると、第2面の縁に図2,3に示されるギャップ領域13が形成される。具体的には、面状銅テープの一辺をPETテープ6の第2面の一辺に合わせると、面状銅テープの他の一辺とPETテープ6の第2面の他の一辺との間に、ギャップ領域13が形成される。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。図2に示されるシールドテープ4の一変形例を図4に示す。図2に示されるシールドテープ4では、基材7の内部に第1導電体パターン11が形成されていた。一方、図4に示されるシールドテープ4では、基材内面5bに第1導電体パターン11が形成されている。なお、第2導電体パターン12は、図2に示されるシールドテープ4と同様に、基材外面6bに形成されている。
図4に示されるシールドテープ4は、例えば次のようにして製造される。まず、所定寸法に加工された2枚のPETテープを用意する。一方のPETテープは図4に示される内側部材5となり、他方のPETテープは図4に示される外側部材6となる。そこで、以下の説明では、内側部材5となるPETテープを“PETテープ5”と呼び、外側部材6となるPETテープを“PETテープ6”と呼んで区別する。もっとも、かかる区別は説明の便宜上の区別に過ぎない。
次に、PETテープ5およびPETテープ6のそれぞれの一面(以下“第1面”)に、面状の銅テープを貼り付ける。その後、PETテープ5,6の第1面に対してそれぞれエッチング加工を施し、PETテープ5の第1面に図3(a)に示される第1導電体パターン11を形成し、PETテープ6の第1面に図3(b)に示される第2導電体パターン12を形成する。次に、PETテープ5,6の第2面同士を貼り合わせる。
なお、PETテープ5,6の第1面に面状銅テープを貼り付ける代わりに、それぞれの第1面に銅の薄膜を形成してもよい。また、PETテープ5,6に代えて他の樹脂シートを用いてもよい。
第1導電体パターン11を構成する帯状導体11aが基材7の第1の辺7aと第2の辺7bとの間に真っ直ぐに延びている実施形態もある。すなわち、帯状導体11aは、基材7の第3の辺および第4の辺と平行であってもよい。
また、第1導電体パターン11が第1のピッチで並ぶ複数の帯状導体11aの一群と、第2のピッチで並ぶ複数の帯状導体11aの一群とを含んでいる実施形態もある。いずれにしても、第1導電体パターン11を構成する帯状導体11aのピッチ,幅,角度などは、伝送帯域に応じて適宜調整される。
絶縁体3が発泡テフロン,テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのテフロン(登録商標)系材料によって形成される実施形態もある。
信号線導体2a,2bが表面に銅めっき処理が施された円形断面の軟銅線(Tinned Annealed Copper Wire)によって形成される実施形態もある。
第1導電体パターン11および第2導電体パターン12に加えて、第3導電体パターンが形成された実施形態もある。すなわち、絶縁体3の周囲に三層以上のシールドが形成された実施形態もある。
縦添え巻きされたシールドテープ4の重なり合う端部の上に銅テープその他のシールドテープを貼り付け、電磁波の漏出をさらに少なくした実施形態もある。
シールドテープの周囲に2本の押さえテープが螺旋状に巻き付けられた実施形態もある。この場合、2本の押さえテープは同じ方向に螺旋巻きされていてもよく、互いに逆方向に螺旋巻きされていてもよい。
本発明は、一対の信号線導体が別々の絶縁体によって個別に被覆され、それら絶縁体がシールドテープによって一本に纏められている構造を備える差動信号伝送用ケーブルにも適用できる。
1A,1B,1C 差動信号伝送用ケーブル
2a,2b,50a,50b,60a,60b 信号線導体
3,51,61 絶縁体
4,52,62 シールドテープ
5 内側部材(PETテープ)
5a 貼り合せ面
5b 基材内面(一面、内面)
6 外側部材(PETテープ)
6a 貼り合せ面
6b 基材外面(一面、外面)
7 基材
7a 第1の辺
7b 第2の辺
11 第1導電体パターン
11a 帯状導体
11b 隙間
12 第2導電体パターン
12a 面状導体
13 ギャップ領域

Claims (7)

  1. 一対の信号線導体を被覆する絶縁体に巻かれたシールドテープによって前記絶縁体の周囲にシールドが形成される差動信号伝送用ケーブルであって、
    前記シールドテープは、
    前記絶縁体の周囲に内層シールドを形成する第1導電体パターンと、
    前記内層シールドの周囲に外層シールドを形成する第2導電体パターンと、
    を備え、
    前記第1導電体パターンは、基材の対向する第1の辺と第2の辺との間に延びる複数の帯状導体であって、これら辺に沿って所定ピッチで並ぶ複数の帯状導体によって形成され、
    前記第2導電体パターンは、前記第1の辺と前記第2の辺との間に拡がる単一の面状導体によって形成されている、
    差動信号伝送用ケーブル。
  2. 請求項1記載の差動信号伝送用ケーブルであって、
    前記基材の縁には、前記面状導体が形成されていないギャップ領域が前記第1の辺に沿って設けられ、
    前記面状導体は、前記ギャップ領域と前記第2の辺との間に拡がっている、
    差動信号伝送用ケーブル。
  3. 請求項2記載の差動信号伝送用ケーブルであって、
    前記基材は、前記絶縁体の外周面と対向する内面および該内面と反対側の外面を備え、
    前記第1導電体パターンは、前記基材の前記内面または前記基材の内部に設けられ、
    前記第2導電体パターンおよび前記ギャップ領域は、前記基材の前記外面に設けられている、
    差動信号伝送用ケーブル。
  4. 請求項3記載の差動信号伝送用ケーブルであって、
    前記基材は、対向する一面同士が貼り合わされた内側部材および外側部材を備え、
    前記第1導電体パターンは、前記内側部材および前記外側部材の貼り合せ面の間に設けられ、
    前記第2導電体パターンおよび前記ギャップ領域は、前記外側部材の前記内側部材に対する貼り合せ面と反対側の一面に設けられている、
    差動信号伝送用ケーブル。
  5. 請求項3記載の差動信号伝送用ケーブルであって、
    前記基材は、対向する一面同士が貼り合わされた内側部材および外側部材を備え、
    前記第1導電体パターンは、前記内側部材の前記外側部材に対する貼り合せ面と反対側の一面に設けられ、
    前記第2導電体パターンおよび前記ギャップ領域は、前記外側部材の前記内側部材に対する貼り合せ面と反対側の一面に設けられている、
    差動信号伝送用ケーブル。
  6. 請求項2〜5のいずれか一項に記載の差動信号伝送用ケーブルであって、
    それぞれの前記帯状導体は、前記ギャップ領域を介して部分的に重畳している、
    差動信号伝送用ケーブル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の差動信号伝送用ケーブルであって、
    前記基材がポリエチレンテレフタレートによって形成され、
    前記第1導電体パターンおよび前記第2導電体パターンが銅によって形成されている、
    差動信号伝送用ケーブル。
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