以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像処理装置に搭載された画像処理機能と、情報処理装置によって実現される情報処理機能とを連携させるマクロ機能を用いる場合において、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル機器を画像処理装置のユーザインタフェースとして用いると共に、情報処理機能の一部をモバイル機器において実現する画像処理システムを例として説明する。
スマートフォンやタブレット端末等のモバイル機器には、全画面のタッチパネルが搭載されていることが一般的である。そのようなモバイル機器を画像処理装置のユーザインタフェースとして用いることにより、画像処理装置に搭載された限定されたユーザインタフェースではなく、豊富なユーザインタフェースによってマクロ機能を操作することが可能となる。
また、情報処理機能をモバイル機器側で実現する場合は、モバイル機器と画像処理装置との間の通信により、処理対象の画像の情報をモバイル機器側で受信することにより可能となる。そのような場合、画像処理装置側ではなくモバイル機器にアプリケーション・プログラムをインストールすることによって情報処理機能の拡張を図ることが可能となる。
モバイル端末は各個人専用の情報処理端末として用いられることが前提であるため、各個人が必要なアプリケーションを各自のモバイル端末にインストールすることによって、各自にとって必要な機能を選択することが可能となり、リソース利用の効率化を図ることが可能となる。また、MFP管理者の管理負担を軽減することが可能となると共に、モバイル端末にインストールされるアプリケーション・プログラムのみを開発すれば良いため、様々なMFPに応じたアプリケーション・プログラムを開発する必要がなく、プログラムの開発負荷を軽減することも可能となる。
図1は、本実施の形態に係る画像処理システムの運用形態の例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システムは、画像処理装置1、モバイル機器2、PC(Personal Computer)3及びプロジェクタ4が、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されて構成される。
画像処理装置1は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(Multi Function Peripheral:複合機)である。モバイル機器2は、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)等の可搬型の情報処理端末である。
PC3は一般的な情報処理装置であり、本実施形態に係る画像処理システムによるマクロ機能において、処理された画像の最終的な配信先として選択され得る。プロジェクタ4は、スクリーンに映像を投影する機能を有する映写機である。本実施形態に係るプロジェクタ4は、一般的なプロジェクタのように入力された映像信号に基づいて投影を行う機能の他、ファイルの閲覧やフォルダの参照等を行う情報処理機能を有する。更に、プロジェクタ4は、ネットワーク通信機能を有する。
即ち、本実施形態に係るプロジェクタ4は、本実施形態に係る画像処理システムによるマクロ機能において、処理された画像の最終的な配信先として選択され得る他、画像処理装置1、モバイル機器2及びPC3に格納されている情報を参照して映像信号を生成し、投影することが可能である。
次に、本実施形態に係る画像処理システムに含まれる夫々の機器である情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。
即ち、本実施形態に係る情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。この他、画像処理装置1の場合、画像形成出力やスキャンを実行するエンジンが含まれ、プロジェクタ4の場合、映像信号に基づいた映写光を照射する投影器が含まれる。
CPU10は演算手段であり、情報処理装置全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが情報処理装置の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボード、マウス、各種のハードボタン、タッチパネル等、ユーザが情報処理装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことによりソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像処理システムを構成する各機器の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像処理装置1の機能について説明する。図3は、本実施形態に係る画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)110、スキャナユニット120、排紙トレイ130、ディスプレイパネル140、給紙テーブル150、プリントエンジン160、排紙トレイ170、ネットワークI/F180及び近距離通信I/F190を有する。
また、コントローラ100は、主制御部101、エンジン制御部102、入出力制御部103、画像処理部104及び操作表示制御部105を有する。図3に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、スキャナユニット120、プリントエンジン160を有する複合機として構成されている。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル140は、画像処理装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像処理装置1を直接操作し若しくは画像処理装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F180は、画像処理装置1がネットワークを介して管理者用端末等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSBインタフェースが用いられる。
近距離通信I/F190は、画像処理装置1が近距離無線通信により他の機器と通信するためのインタフェースであり、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、FeliCa(登録商標)等のインタフェースが用いられる。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30やHDD40等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20にロードされ、それらのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像処理装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部101は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部102は、プリントエンジン160やスキャナユニット120等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部103は、ネットワークI/F180、近距離通信I/F190を介して入力される信号や命令を主制御部101に入力する。また、主制御部101は、入出力制御部103を制御し、ネットワークI/F180や近距離通信I/F190及びネットワークを介して他の装置にアクセスする。
画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン160が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部104は、スキャナユニット120から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像処理装置1に格納され若しくはネットワークI/F180や近距離通信I/F190を介して他の機器に送信される情報である。
この他、マクロ機能に関する付加的な画像処理機能に対応するアプリケーション・プログラムが、画像処理装置1にインストールされた場合、インストールされたプログラムに応じて画像処理部104の機能が拡張されることとなる。操作表示制御部105は、ディスプレイパネル140に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル140を介して入力された情報を主制御部101に通知する。
画像処理装置1を利用する際、ユーザはディスプレイパネル140を介してログイン情報を入力することによりログイン処理を行う。ここで入力されるログイン情報とは、ユーザIDやパスワード等である。尚、ディスプレイパネル140を操作してログイン情報を入力する場合の他、IC(Integrated Circuit)カードに格納されている情報をNFC(Near Field Communication)を介して読み取らせる態様も考えられる。この場合、近距離通信I/F190としてFelica(登録商標)のインタフェースが用いられていれば、そのインタフェースにより社員証などのIDカードを読み取らせることによってログイン情報を入力することが可能である。
画像処理装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部103がネットワークI/F180を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部103は、受信した印刷ジョブを主制御部101に転送する。主制御部101は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部104を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報若しくは画像情報に基づいて描画情報を生成する。画像処理部104によって描画情報が生成されると、エンジン制御部102は、生成された描画情報に基づき、給紙テーブル150から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。プリントエンジン160の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン160によって画像形成が施された文書は排紙トレイ170に排紙される。
画像処理装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル140の操作若しくはネットワークI/F180を介して外部の機器から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部105若しくは入出力制御部103が主制御部101にスキャン実行信号を転送する。主制御部101は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部102を制御する。エンジン制御部102は、ADF110を駆動し、ADF110にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット120に搬送する。また、エンジン制御部102は、スキャナユニット120を駆動し、ADF110から搬送される原稿を撮像する。また、ADF110に原稿がセットされておらず、スキャナユニット120に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット120は、エンジン制御部102の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット120が撮像部として動作する。
撮像動作においては、スキャナユニット120に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいた撮像情報が生成される。エンジン制御部102は、スキャナユニット120が生成した撮像情報を画像処理部104に転送する。画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、エンジン制御部102から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。画像処理部104が生成した画像情報はHDD40等の画像処理装置1に装着された記憶媒体に保存される。画像処理部104によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくはネットワークI/F180、近距離通信I/F190を介して、入出力制御部103により外部の装置に送信される。
また、画像処理装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部102がスキャナユニット120から受信した撮像情報若しくは画像処理部104が生成した画像情報に基づき、画像処理部104が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部102がプリントエンジン160を駆動する。
次に、本実施形態に係るモバイル機器2の機能構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、本実施形態に係るモバイル機器2は、図2において説明したLCD60、操作部70に加えて、コントローラ200、ネットワークI/F210及び近距離通信I/F220を含む。また、コントローラ200は、ネットワーク制御部201、操作制御部202、表示制御部203、近距離通信制御部204及びクライアントアプリケーション230を含む。
ネットワークI/F210は、モバイル機器2がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)等のインタフェースが用いられる。近距離通信I/F220は、モバイル機器2が近距離無線通信により他の機器と通信するためのインタフェースであり、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、FeliCa(登録商標)等のインタフェースが用いられる。ネットワークI/F210、近距離通信I/F220は、図2に示すI/F50によって実現される。
コントローラ200は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。コントローラ200は、モバイル機器2全体を制御する制御部である。ネットワーク制御部201は、ネットワークI/F210を介して入力される情報を取得すると共に、ネットワークI/F210を介して他の機器に情報を送信する。近距離通信制御部204は、近距離通信I/F220を介して入力される情報を取得すると共に、近距離通信I/F220を介して他の機器に情報を送信する。
操作制御部202は、操作部70に対するユーザによる操作内容の信号を取得し、クライアントアプリケーション204等のモバイル機器2において動作するモジュールに入力する。表示制御部203は、クライアントアプリケーション205のGUI(Graphical User Interface)等、モバイル機器2の状態をLCD60に表示させる。
クライアントアプリケーション205は、本実施形態に係る画像処理システムの機能をモバイル機器2において利用するために、モバイル機器2にインストールされて動作するソフトウェア・プログラムによって構成される。クライアントアプリケーション205は、画像処理装置1を操作するための命令を出力する機能、画像処理装置1を操作するためのGUI(Graphical User Interface)をモバイル機器2において表示する機能及びマクロ機能に組み込まれる画像処理機能等を実現する。
次に、本実施形態に係るクライアントアプリケーション205の機能構成について、図5を参照して説明する。図5に示すように、本実施形態に係るクライアントアプリケーション230は、情報取得部231、項目情報変換部232、表示情報生成部233、GUI表示処理部234、項目対応情報記憶部235、設定情報記憶部236、設定項目変換部237、操作受付部238及び操作情報送信部239を含む。
情報取得部231は、画像処理装置1を操作するために画像処理装置1に与えるべきパラメータ項目の情報(以降、「パラメータ項目情報」とする)を、画像処理装置1から近距離無線通信を介して取得する。画像処理装置1を操作して動作させるためには、動作の命令に加えて、動作に際するパラメータ値を与える必要がある。情報取得部231がパラメータ項目情報を取得することにより、画像処理装置1を動作させるために画像処理装置1に与えるべきパラメータ値の項目をモバイル機器2において認識することができる。即ち、情報取得部231が、設定項目情報取得部として機能する。
上記パラメータ項目情報は、画像処理装置1を操作するために画像処理装置1に与えるべきパラメータ項目の情報を示すと共に、画像処理装置1を操作するためにモバイル機器2から画像処理装置1に対して入力するべき情報のフォーマットを示す。従って、モバイル機器2においては、パラメータ項目情報のフォーマットに従い、ユーザによる操作内容に応じた値を、夫々のパラメータ項目の値として設定することにより、画像処理装置1を動作させるための情報を容易に生成することが可能となる。
また、上記パラメータ項目情報は、画像処理装置1においてディスプレイパネル140に表示されるGUIの元となる情報であり、例えば、XML(eXtensible Markup Language)等のマークアップ言語によって記述された情報である。このような情報を画像処理装置1側から取得することにより、モバイル機器2においても、画像処理装置1のディスプレイパネル140に表示されるGUIに準じた画面を表示することが可能となる。
図6は、本実施形態に係るパラメータ項目情報の例を示す図である。本実施形態に係るパラメータ項目情報においては、“<項目A>”、“<項目B>”等のタグにより、画像処理装置1を操作するために画像処理装置1に与えるべきパラメータ項目が指定されている。また、夫々の項目に対する選択肢が“<Select>”のタグによって定義されている。換言すると、画像処理装置1においては、主制御部101が、図6に示すような情報に基づいて、ディスプレイパネル140にGUIを表示させる。
また、情報取得部231は、画像処理装置1において予め設定されているマクロ機能の設定値の情報(以降、「画像処理装置側設定値情報」とする)を取得する。この画像処理装置側設定値情報は、上述したパラメータ項目情報において示される夫々の設定項目毎に、マクロ機能における設定値が登録された情報であり、設定済み情報として用いられる。従って、情報取得部231が、設定済み情報取得部としても機能する。これにより、モバイル機器2を画像処理装置1のユーザインタフェースとして用いる場合であっても、画像処理装置1に予め設定されているマクロ機能を用いることが可能となる。
項目情報変換部232は、項目対応情報記憶部235に記憶されている情報に基づき、情報取得部231が取得した各種の情報をモバイル機器2における形式に変換する。上述したように、画像処理装置1を動作させるためには、動作に際するパラメータ値を与える必要がある。そして、本実施形態に係るクライアントアプリケーション230も、画像処理装置1を動作させるために設定するべきパラメータ項目を予め有している。
しかしながら、モバイル機器2は、様々な種類の画像処理装置1においてユーザインタフェースとして用いられる可能性があり、機種の異なる画像処理装置1におけるパラメータの設定項目の名称は夫々異なる場合があり得る。そのため、項目情報変換部232は、図7に示すような項目対応情報に基づき、情報取得部231が取得した画像処理装置側設定値情報に含まれる各項目の設定値を、モバイル機器2における設定項目に夫々割り当て、モバイル機器2における設定値の確認や変更が可能なように処理する。
例えば、上記パラメータ項目情報の場合、図6に示す“<項目A>”、“<項目B>”等のタグを“<項目1>”、“<項目2>”等のタグに変換する。これにより、パラメータ項目情報は、クライアントアプリケーション230によって認識可能な形式に変換されるため、クライアントアプリケーション230による画像処理装置1の操作画面の表示が可能となる。また、上記画像処理装置側設定値情報の場合、含まれる各項目の設定値を、モバイル機器2における設定項目に割り当てる。
尚、図7に示すような項目対応情報は、モバイル機器2がユーザインタフェースとして用いられる可能性のある画像処理装置1毎に夫々生成されて項目対応情報記憶部235に格納されている。換言すると、ある機種の画像処理装置1のユーザインタフェースとしてモバイル機器2を用いるための初期設定に該当する処理として、その機種に対応した項目対応情報を項目対応情報記憶部235に記憶させる処理が実行される。また、図7においては、“画像処理装置側項目”の“項目4”に対応する“モバイル側項目”が空白となっている。これは、その機種の画像処理装置1においては、“項目4”に対応する設定値が必要ないこと、若しくは、“項目4”に対応する設定値の設定が不可能なことを示す。
表示情報生成部233は、上述したように変換されたパラメータ項目情報に基づき、画像処理装置1のユーザインタフェースをモバイル機器2のLCD60に表示させるための表示情報を生成する。また、表示情報生成部233は、図7において説明した項目対応情報に基づき、例えば、図7の“項目4”を設定するためのインタフェース欄を操作不能にする等の処理や、上述した画像処理装置側設定値情報に基づき、画像処理装置側設定値情報によって設定されているマクロ機能を選択するためのアイコンの表示情報の生成処理等を実行する。
GUI表示処理部234は、表示情報生成部233が生成した表示情報に基づいて表示制御部203にLCD60を制御させることにより、画像処理装置1を操作するためのユーザインタフェース、即ち操作画面をLCD60に表示させる。また、GUI表示処理部234は、上述した画像処理装置側設定値情報や、設定値情報記憶部236に格納されている設定値情報に基づき、予め設定されているマクロ機能を表示させる。このように、本実施形態におけるクライアントアプリケーション230においては、項目情報変換部232、表示情報生成部233及びGUI表示処理部234が連動して、操作画面表示処理部として機能する。
図8は、設定値情報記憶部236に記憶されている設定値情報の例を示す図である。設定値情報は、上述した画像処理装置側設定値情報と同様に、マクロ機能の設定値の情報であり、モバイル機器2において予め設定されているマクロ機能の設定値の情報である。図7に示すように、設定値情報は、“<項目1>Scan to Me”、“<項目2>スキャン”、“<項目3>A4”等のように、画像処理装置1を動作させるための設定項目を示すタグと、その設定値の情報とが関連付けて記憶された情報である。
また、画像処理装置側設定値情報も、図8と同様の構成を有するが、上述したように、画像処理装置側設定値情報においては、図8に示す“画像処理装置側項目”によって夫々の項目が記述され、設定値が登録されている。尚、図7に示す設定値情報は、予め設定登録されているマクロ機能毎に生成され、設定値情報236において記憶されている。
操作受付部237は、操作制御部202から入力される情報に基づき、GUI表示処理部234によって表示された画像処理装置1用の操作画面に対する操作を受け付ける。そして、操作受付部237は、受け付けた操作に対応する処理を実行する。操作受付部237が受け付ける操作の情報には、上述したパラメータ項目夫々に対する設定値の指定が含まれる。即ち、操作受付部237が設定値指定受付部として機能する。
設定項目変換部238は、図7に示す項目対応情報に基づき、図7に示すようなモバイル側での設定値情報を、画像処理装置1に対応する設定値情報に変換する。設定項目変換部238は、図7に示す項目対応情報に基づき、図8に示す設定値情報に含まれる設定項目を、“画像処理装置側項目”に変換すると共に、情報取得部231からパラメータ項目情報を取得し、画像処理装置1に対応するフォーマットの設定値情報を生成する。即ち、設定項目変換部238が、画像処理装置1を動作制御するための動作制御情報を生成する動作制御情報生成部として機能する。
尚、操作により指定されたマクロ機能が、画像処理装置1において予め設定されているマクロ機能、即ち、画像処理装置側設定値情報によって指定されるマクロ機能であった場合、上記と同様の変換処理を行っても良いし、情報取得部231が取得した画像処理装置側設定値情報をそのまま取得しても良い。
操作情報送信部239は、操作受付部237が受け付けた画像処理装置1の操作画面に対する操作に応じて、近距離無線通信を介して必要な情報を画像処理装置1に送信する。例えば、操作受付部237は、設定項目変換部238から変換済みの設定値情報を取得すると、その変換済みの設定値情報をマクロ機能の実行指示と共に操作情報送信部239に入力する。この場合、操作情報送信部239は、近距離通信制御部204を制御し、近距離通信I/F220を介して画像処理装置1にマクロ機能の実行命令を送信させる。これにより、モバイル機器2から画像処理装置1に対して、マクロ機能の実行命令及び実行するべきマクロ機能のパラメータ設定値が送信される。即ち、操作情報送信部239が、動作制御情報送信部として機能する。
次に、本実施形態に係るシステムにおいて、モバイル機器2を画像処理装置1のユーザインタフェースとして用いる場合の動作について説明する。図9は、モバイル機器2のLCD60に、画像処理装置1を操作するための操作画面を表示するまでのモバイル機器2の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、先ずは、クライアントアプリケーション230が、近距離無線通信による通信が可能な機器を検索する(S901)。
S901においては、クライアントアプリケーション230が、近距離通信制御部204を制御することにより近距離通信I/F220にポーリング信号を送信し、そのポーリング信号に対応する応答信号を受信することによって機器検索を行う。ポーリング信号に対する応答信号を受信すると、クライアントアプリケーション230は、近距離通信制御部204を制御し、応答のあった機器との間で近距離無線通信による情報のやり取りが可能となるように通信を確立する(S903)。
機器との間で近距離無線通信を確立すると、クライアントアプリケーション230は、通信を確立した機器からIP(Internet Protocol)アドレスを取得する(S903)。IPアドレスを取得すると、クライアントアプリケーション230は、ネットワーク制御部201を制御することにより、ネットワークを介してデバイス種別を問い合わせることによって各機器のデバイス種別の情報を取得する(S904)。即ち、S904においては、クライアントアプリケーション230が、機器種別情報取得部として機能する。
図10は、S904において取得される機器のデバイス種別の情報例を示す図である。図10に示すように、デバイス種別の情報には、“<デバイス種別>”、“<IPアドレス>”、“<デバイス名>”の情報が含まれる。“<デバイス種別>”の情報は、その名の通りデバイスの種別を示す情報であり、画像処理装置1であれば“画像処理装置”、PC3であれば“PC”、プロジェクタ4であれば“プロジェクタ”といった情報である。
“<IPアドレス>”は、その名の通りIPアドレスを示す情報であり、S904においては、例えば、どの機器への問い合わせに対する応答であるかを示す情報として用いられる。“<デバイス名>”は、その名の通り各機器のネットワーク上の名称を示す情報であり、機種の型番等を示す情報である。
尚、図9においては、S903においてIPアドレスを取得した上で、S904の処理を行う場合を例として説明している。これは、IPアドレスを取得することにより、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いたMIB(Management Information Base)情報の取得によりS904の処理が容易になるからである。この他、クライアントアプリケーション230の機能や、画像処理装置1、PC3、プロジェクタ4等の各機器におけるクライアントアプリケーション230に対応する機能を作り込むことにより、近距離無線通信を介して図10の情報を取得することも可能である。
各機器のデバイス種別の情報を取得すると、クライアントアプリケーション230は、夫々の“<デバイス種別>”の情報を参照し、操作対象となり得る機器、画像の配信先となり得る機器、いずれにもなり得る機器を判断して、夫々についての“<デバイス名>”及び“<IPアドレス>”の情報をモバイル機器2内の記憶媒体に格納する(S905)。即ち、S905においては、クライアントアプリケーション230が、操作可能機器判断部及び配信可能機器判断部として機能する。
S905において、画像の配信先となり得る機器として登録された“<デバイス名>”及び“<IPアドレス>”は、モバイル機器2において表示された操作画面において、図6に“<項目H>配信先指定値”に示すようなパラメータを選択するためのインタフェースにおける選択肢として用いられる。そのため、取得された“<デバイス名>”が図6に示す“<項目H>配信先指定値”に対しての“<Select>”に続く選択肢の項目として登録されることとなる。また、S905において、操作対象となり得る機器として登録された“<デバイス名>”及び“<IPアドレス>”は、以降の処理において操作対象とする画像処理装置を選択する際の選択肢として用いられる。
このように、本実施形態に係る画像処理システムにおいては、クライアントアプリケーション230がネットワークを介して取得したデバイス種別の情報に基づき、ネットワークを介して画像を配信する際の配信先の選択肢を自動的に生成する。ため、ユーザは、マクロ機能のパラメータ設定に際して、画像の配信先を設定する際に、IPアドレス等を自分で確認して入力する必要がなくなり、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
S905の処理が完了すると、クライアントアプリケーション230は、操作対象とする画像処理装置1、即ち、モバイル機器2に操作画面を表示する対象とする画像処理装置1を選択するための選択画面を、LCD60に表示させるように表示制御部203を制御する(S906)。これにより、モバイル機器2のLCD60には、図11に示すような画面が表示され、操作画面を表示させる対象の機器をユーザが選択することが可能となる。
次に、図11に示すような画面において操作対象とする装置が選択された後の動作について図12を参照して説明する。図12に示すように、モバイル機器2のクライアントアプリケーション230は、図11に示す画面に対する操作により、操作対象とする画像処理装置1の選択を受け付けると(S1201)、情報取得部231が、選択された画像処理装置1との間に確立された近距離無線通信を介して、上述したパラメータ項目情報や、画像処理装置側設定値情報を取得する(S1202)。
情報取得部231が上述した各種の情報を取得すると、項目情報変換部232が、図7において説明した項目対応情報に基づき、画像処理装置側設定値情報に含まれる各項目の設定値を、モバイル機器2における設定項目に割り当てて項目情報を変換する(S1203)。そして、表示情報生成部233が、項目対応情報及び変換済みの画像処理装置側設定値情報に基づき、画像処理装置1のユーザインタフェースをモバイル機器2のLCD60に表示させるための表示情報を生成し(S1204)、生成された表示情報に基づいてGUI表示処理部234が表示制御部203を制御することにより、LCD60への操作画面の表示制御を行う(S1205)。
図13(a)、(b)は、S1205においてモバイル機器2のLCD60に表示される操作画面と、画像処理装置1の操作画面との違いを示す図である。図13(a)は、S1205においてモバイル機器2のLCD60に表示される操作画面を示す図である。図13(a)の例においては、“Scan to Me”、“Scan to Projector”、“Scan to Server”の3つのマクロ機能が選択可能に表示されている。このうち、例えば“Scan to Me”が、上述した画像処理装置側設定値情報によるマクロ機能であり、“Scan to Projector”、“Scan to Server”が、モバイル機器2において設定値情報記憶部236に格納されている設定値情報によるマクロ機能である。
図13(b)は、画像処理装置1において表示されるマクロ機能選択の操作画面を示す図である。上述したように、“Scan to ME”は画像処理装置側設定値情報によって表示されているマクロ機能であるため、図13(b)に示すように、画像処理装置1において表示されるマクロ機能選択の操作画面においても表示されている。このように、本実施形態においては、モバイル機器2において画像処理装置1から画像処理装置側設定値情報を取得し、項目対応情報記憶部235に記憶されている項目対応情報に基づいて項目を変換することにより、モバイル機器2を画像処理装置1のユーザインタフェースとして用いる場合であっても、画像処理装置1に予め設定されているマクロ機能を用いることが可能となる。
このようにして画像処理装置1の操作画面がモバイル機器2に表示されることにより、ユーザはモバイル機器2のLCD60に表示された操作画面において画像処理装置1を操作し、命令を与えることが可能となる。ユーザがモバイル機器2において表示された操作画面を操作することにより、操作制御部202を介して操作受付部237が操作を受け付けると(S1206)、上述したような操作受付部237及び設定項目変換部238の処理により操作情報が生成され、操作情報送信部239により、近距離無線通信を介して操作情報が送信される(S1207)。
S1207において送信される操作情報には、ユーザによる操作によって特定された動作の命令の他、その動作を実行させる際に指定するべきパラメータの情報が含まれる。尚、ここでは、画像処理装置1においてスキャンを実行し、そのスキャン結果に所定の処理を施してモバイル機器2において格納するスキャン配信機能が命令された場合を例として説明する。
画像処理装置1においては、近距離通信I/F190を介して入出力制御部103が操作情報を受信し、入出力制御部103が転送することによって主制御部101に入力される。主制御部101は、入出力制御部103からスキャン配信機能の実行に係る操作情報を取得すると、操作情報に含まれるコマンド及びパラメータに従ってエンジン制御部102を制御することによりスキャンを実行する(S1208)。即ち、主制御部101が、画像処理装置1において、モバイル機器2から受信した動作制御情報に基づいて装置を動作制御する動作制御部として機能する。
スキャンによって原稿を撮像した撮像結果の情報が得られると、主制御部101は、画像処理部104を制御することにより、撮像結果の情報に対する画像処理を実行させ、入出力制御部103を制御することにより、近距離通信I/F190を介して画像処理により生成された画像情報をモバイル機器2に送信する(S1209)。
モバイル機器2においては、近距離通信I/F220を介して近距離通信制御部204が画像情報を受信し、近距離通信制御部204が転送することによってクライアントアプリケーション230に入力される。クライアントアプリケーション230は、画像情報を取得すると、S1206において受け付けた操作においてモバイル機器2にインストールされたアプリケーション・プログラムによる画像処理が指定されている場合には、設定されたパラメータに従って画像処理を実行し(S1210)、その後、モバイル機器2に含まれる記憶媒体に格納する(S1211)。
このように、本実施形態に係る画像処理システムにおいては、画像処理装置1を操作するためのGUIをモバイル機器2に表示させることにより、豊富なユーザインタフェースによって画像処理装置1を操作することが可能となる。また、モバイル機器2を画像処理装置1のユーザインタフェースとして用いると共に、マクロ機能に組み込まれる情報処理機能をモバイル機器2にインストールされたアプリケーション・プログラムによって実現することにより、機能拡張に際して画像処理装置1の機能を拡張する必要がなく、画像処理装置1の管理負担を軽減することが可能となる。
また、同一の機能を拡張する場合であっても、画像処理装置1の機能を拡張する場合は、異なる機種の画像処理装置1夫々に対応したアプリケーション・プログラムを開発する必要があるため、開発負荷が高くなる。これに対して、モバイル機器2にインストールされたアプリケーション・プログラムによって実現することにより、ハードウェアやソフトウェアの使用が比較的統一されているモバイル機器2のためのアプリケーション・プログラムを開発すれば良いため、プログラムの開発負荷を低減することが可能となる。
また、ユーザ夫々が、各自利用する機能に対応したアプリケーション・プログラムのみを各自のモバイル機器2にインストールするため、共用の画像処理装置1にインストールするプログラム数を低減し、ハードウェアリソース利用の効率化を図ることが可能となる。即ち、本実施形態に係る画像処理システムにより、画像処理装置に備わっている機能と情報処理機能とを組み合わせるマクロ機能の拡張の容易化及びハードウェアリソース利用の効率化を図ることが可能となる。
また、様々な機種の画像処理装置1が操作対象となる場合、夫々の画像処理装置1を動作させるための操作コマンドの形式や与えるべきパラメータの内容が、画像処理装置1毎に異なる。これに対して、本実施形態に係るシステムにおいては、夫々の画像処理装置1に与えるべきパラメータの内容及び入力するべき操作情報のフォーマットを示すパラメータ項目情報を操作対象となる画像処理装置1から取得するため、夫々の画像処理装置1を動作させるための操作コマンドの形式や与えるべきパラメータの内容をモバイル機器2側において容易に認識することが可能となる。
また、様々な機種の画像処理装置1が操作対象となる場合、対応するパラメータ項目であっても、夫々の画像処理装置1におけるパラメータ値の定義が異なることが考えられる。これに対して、本実施形態に係るシステムにおいては、図7に示すような項目対応情報が予めモバイル機器2側に記憶されているため、モバイル機器2側において設定されたパラメータ値を、画像処理装置1に入力するべきパラメータ値に対応させて変換することが可能となる。
また、上記パラメータ項目情報は、画像処理装置1において操作画面のGUIを表示させるための元となるマークアップ言語で記述された情報であり、そのパラメータ項目情報を上述した項目対応情報に基づいてモバイル機器2におけるパラメータ項目の定義に変換するため、モバイル機器2におけるGUIの表示を簡易な処理で実現することが可能となる。
尚、図12の例においては、画像処理装置1におけるスキャン及び画像処理によって生成された画像情報が、近距離無線通信を介して画像処理装置1からモバイル機器2に配信される場合を例として説明した。これに対して、一般的なスキャン配信機能においては、近距離無線通信ではなく、TCP/IPプロトコルによるネットワーク配信が用いられる。
従って、図12の例のように近距離無線通信を用いる場合には、ネットワーク制御部201ではなく、近距離通信制御部204を指定するような方針方法を指定するためのパラメータが設定されると共に、図6に示すような“<項目H>配信先指定値”のパラメータとして、モバイル機器2が指定される。
また、上述したように、本実施形態に係る画像処理システムにおけるモバイル機器2は、図9のS904において、ネットワークを介して接続されたデバイスの種別を示す情報を取得し、画像情報の配信先として選択可能なデバイスについては、モバイル機器2において表示された操作画面における配信先の選択肢の1つとして表示させる。ここで、配信先として選択可能か否かの判断は、モバイル機器2における判断であり、画像処理装置1からの直接の配信が可能であることを示すものではない。
従って、プロジェクタ2等、S904において取得されたデバイス種別の情報に基づいて配信先として選択可能だと判断されたデバイスが“<項目H>配信先指定値”として指定された場合、モバイル機器2から画像処理装置1に通知する配信先としては、図12の例と同様に近距離無線通信によるモバイル機器2への配信が指定される。その上で、モバイル機器2がプロジェクタ4に対してネットワークを介して配信することにより、ユーザの指定に応じた配信が実現される・
また、画像処理装置1において登録されているマクロ機能として、自己の端末として設定されている機器に対して画像を配信する“Scan to Me”と呼ばれる機能が登録されている場合がある。この場合、画像処理装置1においては、ログイン処理により認証したユーザに応じて“Scan to Me”のマクロ機能における“<項目H>配信先指定値”が自動的に設定される。
これに対して、モバイル機器2を画像処理装置1のユーザインタフェースとして用いる場合には、“Scan to Me”の配信先としてモバイル機器2が選択されることが、モバイル機器と言うデバイスの特性上も好ましい。従って、クライアントアプリケーション230は、画像処理装置1から画像処理装置側設定値情報を取得した際に、“Scan to Me”に相当するようなマクロ機能の設定値情報が取得された場合、その配信先を、図12の例に示すような近距離無線通信によるモバイル機器2への配信に書き換えることが好ましい。
このような処理は、例えば、項目情報変換部232が各パラメータ項目の設定値を変換する際に、図6に示す“<項目A>設定値名称値”を参照して“Scan to Me”という値が設定されているか否かを判断することにより実現することが可能である。また、図6に示す“<項目H>配信先指定値”において、ログインしたユーザに応じた配信先を指定するような識別子が登録されているような場合には、項目情報変換部232がその識別子を検知することによって実現することも可能である。即ち、項目情報変換部232が、設定値変換部として機能する。
また、本実施形態における“Scan to Me”とは、即ちモバイル機器2への配信である。そのため、項目情報変換部232は、上述したように画像処理装置側設定値情報において“Scan to Me”という値が設定されていることを検知した場合、その値を“Scan to Mobile”に変換しても良い。これにより、図13(c)に示すように、モバイル機器2におけるマクロ選択画面における表示が“Scan to Me”から“Scan to Mobile”に変更される。これにより、操作画面の表示をユーザにとって分かり易いものにすることができ、ユーザの利便性を上げることが可能である。
尚、上記実施形態においては、項目情報変換部232が、図6に示すようなパラメータ項目情報を、図7に示すような項目対応情報に基づいて変換した上で、表示情報生成部233が、変換済みのパラメータ項目情報に基づいて表示情報を生成する場合を例として説明した。これに対して、パラメータ項目情報の変換を行うのではなく、表示情報生成部233が表示情報を生成する際に、項目対応情報を参照しながらパラメータ項目情報に基づいて表情報を生成しても良い。
また、操作対象となる画像処理装置1から取得するパラメータ項目情報は、図6に示すようなマークアップ言語で記述された情報に限られたものではなく、少なくとも、図6に示すような指定するべきパラメータ項目を示す情報や、操作画面に表示させるべき選択肢の情報等が含まれる情報であれば良い。モバイル機器2のクライアントアプリケーション230がそのような情報を取得することにより、図7に示す項目対応情報に基づいてクライアントアプリケーション230において定義されているパラメータ項目との対応関係を判断し、表示させるべき操作画面の表示情報を生成することが可能となる。
いずれの場合においても、様々な画像形成装置において用いられているパラメータ項目を定義する形式が“<項目A>”、“<項目1>”等の識別子であったり、“<設定名称値>”のような名称を指定する情報であったりして異なる場合であっても、図7に示すような項目対応情報が予めクライアントアプリケーション230に登録されていることにより、クライアントアプリケーション230におけるパラメータ項目の定義に基づいて操作画面のGUIを表示するための表示情報を生成することが可能となる。
また、上記実施形態においては、モバイル機器2が画像処理装置1のユーザインタフェースとして機能する際にやり取りされる情報が近距離無線通信を介してやり取りされる場合を例として説明した。この他、ネットワークI/F210による無線LAN(Local Area Network)を介した通信でも良いし、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信でも良く、上記と同様の効果を得ることが可能である。
また、上記実施形態においては、画像処理装置1を操作対象とする画像処理システムを例として説明したが、これに限らず、画像処理装置以外の電子機器を操作対象とする場合であっても機器制御システムとして同様に適用することが可能である。これにより、装置に備わっている機能と情報処理機能とを組み合わせるマクロ機能の拡張の容易化及びハードウェアリソース利用の効率化を図ることができる。
画像処理装置1と