JP5996160B2 - 圧粉磁心、及び圧粉磁心を用いたインダクタ - Google Patents

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Description

本発明は、粒径の比較的大きな非晶質軟磁性粉末に対して、微小粒径で球状を有する非晶質軟磁性微粉末を混合した混合粉末を材料として製造される圧粉磁心、及びその圧粉磁心を用いたインダクタに関する。
近年、パソコン等の情報機器において高性能化や多機能化が急速に進行しており、これら情報機器の電源回路に搭載されるコイル・トランスなどのインダクタに対して、小型化が求められると共に大電流を流した際における高いインダクタンスが求められている。
このような要求に対応するため、インダクタの磁心材料として、高い飽和磁束密度(Bs)を有するカルボニル鉄、Fe−Si合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Ni合金等の軟磁性金属材料が用いられている。即ち、これらの軟磁性金属材料を粉末化し、樹脂等の絶縁性を有する結合剤と混合した混合物を圧縮成型することで、圧粉磁心が製造されている。
しかしながら、軟磁性金属粉末は高いBsを有する反面、結晶質であるため、結晶磁気異方性に起因して圧粉磁心のヒステリシス損失が高くなってしまうという問題がある。このため、圧粉磁心の材料として、近年では特定の結晶方位を持たずヒステリシス損失が少ない非晶質軟磁性粉末が使用されつつある。
ところで、圧粉磁心は磁心中における磁性粉末の充填率(以下、単に「粉末充填率」という。)を高めることで透磁率を向上させることができる。軟磁性金属粉末を圧粉磁心の材料とする場合は、圧縮成型することで粉末を変形させ、粉末充填率を充分に高めることができる。一方、非晶質軟磁性粉末は硬度が高いため、圧縮変形によって粉末充填率を向上することが難しい。
このため、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、平均粒径が比較的大きい非晶質軟磁性粉末(大径粉末)と、平均粒径が比較的小さい非晶質軟磁性粉末(小径粉末)を混合し、大径粉末間の隙間に小径粉末を配置させることで粉末充填率を向上させるという試みがなされている。
特開2004−349585号公報 特開2009−054615号公報
大径粉末と小径粉末とを混合することで粉末充填率を向上させる場合、小径粉末の平均粒径をより小さくすることで効果を高めることができるように思われる。
しかしながら、非晶質軟磁性粉末を従来知られている製造方法(例えば水アトマイズ法)によって製造する場合、平均粒径の下限値は8μm程度である。風力分級機等を使用することによって、製造した非晶質軟磁性粉末から、より平均粒径の小さな粉末を得ることができるが、粒径が小さくなるに従って歩留りが低下する。このため、実際的に使用可能な程度の量を得ようとする場合、非晶質軟磁性粉末の平均粒径の下限値は4μm程度だった。
以上の理由により、従来の試みにおいて使用される小径粉末は、平均粒径が4μm以上のものに限定されていた。例えば、特許文献1の実施例において使用されている小径粉末の平均粒径は5μm以上である。特許文献2の実施例においては、より平均粒径が小さな小径粉末が使用されているものの、その平均粒径は4μmである。そして、平均粒径:4μmの小径粉末を使用した場合、粉末充填率はさほど向上せず、透磁率の向上も約4%に留まっている。
一方、出願人によって最近開発された製造方法を使用することで、平均一次粒子径が1μm程度以下の(平均粒径も1μm程度以下の)非晶質軟磁性微粉末を製造することが可能となった。大径粉末と非晶質軟磁性微粉末との好適な混合比率、非晶質軟磁性微粉末の好適な平均一次粒子径等を特定することができれば、圧粉磁心の透磁率を大きく向上させることが期待できる。
本発明は、平均粒径が比較的大きな非晶質軟磁性粉末と、平均一次粒子径が1μm程度以下の微小な非晶質軟磁性微粉末との混合粉末を材料とする、高い透磁率を有する圧粉磁心を提供することを目的とする。
本発明によれば、第1の圧粉磁心として、
非晶質軟磁性粉末に対して非晶質軟磁性微粉末を混合した混合粉末と、結合剤との混合物を圧縮成型してなる圧粉磁心であって、
前記非晶質軟磁性粉末は、非晶質相を主とし、平均粒径が8μm以上の粒子からなり、
前記非晶質軟磁性微粉末は、非晶質相を主とし、平均一次粒子径が0.1μm以上1.5μm以下の球状粒子からなり、
前記非晶質軟磁性粉末に対する前記非晶質軟磁性微粉末の混合比率が2重量%以上40重量%以下である
圧粉磁心が得られる。
また、本発明によれば、第2の圧粉磁心として、第1の圧粉磁心であって、
前記非晶質軟磁性微粉末の前記平均一次粒子径が0.1μm以上0.9μm以下である
圧粉磁心が得られる。
また、本発明によれば、第3の圧粉磁心として、第1又は第2の圧粉磁心であって、
前記非晶質軟磁性微粉末は、不可避不純物を除き、Fe100−a−b(a,bは25原子%≦a≦36原子%、1原子%≦b≦2.5原子%を満たす)で示される組成を有する
圧粉磁心が得られる。
また、本発明によれば、第4の圧粉磁心として、第1又は第2の圧粉磁心であって、
前記非晶質軟磁性微粉末は、不可避不純物を除き、Fe100−a−b−c(MはPt、Pd、Au、Agから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,cは25原子%≦a≦36原子%、1原子%≦b≦2.5原子%、0原子%≦c≦0.8原子%を満たす)で示される組成を有する
圧粉磁心が得られる。
また、本発明によれば、第5の圧粉磁心として、第1乃至第4の圧粉磁心であって、
前記非晶質軟磁性粉末は、不可避不純物を除き、(Fe100−aTM100−w−x−y−zSi(TMはCo、Niから選ばれる1種以上の元素であり、LはAl、V、Cr、Y、Zr、Mo、Nb、Ta、Wから選ばれる1種以上の元素であり、a,w,x,y,zは0≦a≦0.98原子%、2≦w≦16原子%、2≦x≦16原子%、0<y≦10原子%、0≦z≦8原子%を満たす)で示される組成を有する
圧粉磁心が得られる。
また、本発明によれば、第6の圧粉磁心として、第1乃至第5の圧粉磁心であって、
前記非晶質軟磁性粉末は、ガラス転移点を有する金属ガラスである
圧粉磁心が得られる。
また、本発明によれば、第7の圧粉磁心として、第1乃至第6の圧粉磁心であって、
前記非晶質軟磁性微粉末の少なくとも一部は、前記非晶質軟磁性粉末の粒子間に凝集している
圧粉磁心が得られる。
また、本発明によれば、第1乃至第7の圧粉磁心とコイルとを備えるインダクタが得られる。
本発明による圧粉磁心においては、非晶質軟磁性微粉末が非晶質軟磁性粉末粒子間に凝集し、凝集した非晶質軟磁性微粉末により磁気的結合作用が向上し、反磁界が低減する。この磁気的結合作用による透磁率向上効果と、粉末充填率の向上による透磁率向上効果により、圧粉磁心の透磁率が大きく向上する。
また、本発明による圧粉磁心を用いると、大電流を流した際における高いインダクタンスを有するインダクタを得ることができる。
本発明の実施例1〜7及び比較例1、2の圧粉磁心について、粉末充填率に対する透磁率の変化を示す図である。 本発明の実施例5、8〜13及び比較例1の圧粉磁心について、非晶質軟磁性微粉末の平均一次粒子径に対する透磁率の変化を示す図である。 本発明の実施例14〜20及び比較例1、3の圧粉磁心について、粉末充填率に対する透磁率の変化を示す図である。 本発明の実施例18、21〜26及び比較例1の圧粉磁心について、非晶質軟磁性微粉末の平均一次粒子径に対する透磁率の変化を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以降の説明において、圧粉磁心の磁心中における磁性粉末の充填率を、単に「粉末充填率」と記載する場合がある。
本発明による圧粉磁心は、下記の(1)〜(4)の工程によって製造することができる。
(1)平均粒径が比較的大きな非晶質軟磁性粉末を製造する。
(2)微小な平均一次粒子径を有する非晶質軟磁性微粉末を製造する。
(3)非晶質軟磁性粉末に対して非晶質軟磁性微粉末を混合して混合粉末を製造する。
(4)混合粉末と結合剤と混合して混合物を得て、混合物を圧縮成型する。
非晶質軟磁性粉末は硬度が高く(非晶質軟磁性微粉末についても同じ)、変形しづらいため、圧縮成型した際に非晶質軟磁性微粉末の粒子が非晶質軟磁性粉末の粒子間隙に入り込みやすい。従って、上記のように圧粉磁心を製造することで、非晶質軟磁性粉末間に非晶質軟磁性微粉末が凝集し、凝集した非晶質軟磁性微粉末間における磁気的結合作用が向上し、反磁界が低減する。また、非晶質軟磁性粉末間に非晶質軟磁性微粉末が凝集することで、圧粉磁心中の磁性粉末の充填率も向上する。以上の2つの効果により、圧粉磁心の透磁率を向上させることができる。
非晶質軟磁性粉末の平均粒径については特段の制約はないが、例えば従来知られている水アトマイズ法によって製造した平均粒径が8μm以上の非晶質軟磁性粉末を使用することができる。特許文献1には、大径粉末として平均粒径が35μm以上のものを使用したときに圧粉磁心の透磁率を効果的に向上できる旨が記載されているが、本発明においては、非晶質軟磁性粉末の平均粒径が35μm未満の場合であっても透磁率を効果的に向上することができる。なお、非晶質軟磁性粉末は非晶質単相に限らず、非晶質を主相とするものであればよい。
非晶質軟磁性微粉末の形状は球状であることが好ましい。球状粒子は、非晶質軟磁性粉末の粒子間隙で凝集しやすく、従って磁気的結合作用を得やすい。また、非晶質軟磁性微粉末は、平均一次粒子径:0.1μm〜1.5μmの粉末であることが好ましい。平均一次粒子径をこの範囲とすることによって、非晶質軟磁性粉末粒子間における非晶質軟磁性微粉末の凝集量が増加し、磁気的結合作用が強まるため、高い透磁率向上効果を得ることができる。逆に、平均一次粒子径を1.5μmよりも大きくすると、非晶質軟磁性粉末粒子間におけるギャップが増えるため、磁気的結合作用を十分に得ることができない。このため、透磁率向上に寄与するのは粉末充填率の向上のみとなり、透磁率を大幅に向上させることができない。なお、非晶質軟磁性微粉末の平均一次粒子径は0.1μm〜0.9μmであることがより好ましい。また、非晶質軟磁性微粉末は非晶質単相に限らず、非晶質を主相とするものであればよい。
非晶質軟磁性粉末に対する非晶質軟磁性微粉末の混合量は2重量%〜40重量%であることが好ましい。非晶質軟磁性微粉末の混合量が2重量%よりも少ない場合、非晶質軟磁性粉末間における凝集量が減少し、磁気的結合作用が弱まるため、透磁率の大幅な向上が得られなくなる。また、非晶質軟磁性微粉末の混合比率が所定比率よりも大きくなると、非晶質軟磁性微粉末の混合量が、非晶質軟磁性粉末間の間隙に充填可能な量を超え、粉末充填率が低下する。そして、非晶質軟磁性微粉末の量が40重量%よりも多い場合、粉末充填率の低下による透磁率の低下が、磁気的結合作用による透磁率の増加を上回るため、非晶質軟磁性粉末のみで圧粉磁心を製造した場合よりも透磁率が低くなってしまう。一方、非晶質軟磁性微粉末の量が40重量%以下の場合は、非晶質軟磁性粉末のみを材料として製造した圧粉磁心に比べて粉末充填率が低い場合であっても、磁気的結合作用による透磁率の増加により、透磁率は向上する。
以下に、本発明による圧粉磁心及びインダクタを製造する方法について詳細に説明する。
上述した非晶質軟磁性粉末は水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法などに代表されるアトマイズ法により製造することができる。非晶質軟磁性粉末の粒径が小さい方が、高周波域において急増する渦電流損失をより効果的に抑制することができる。従って、より小さな粉末を製造可能な水アトマイズ法、ディスクアトマイズ法によって製造することが好ましい。
アトマイズ法によって製造することで、平均一次粒子径:8μm以上の粒子からなり、非晶質相を主とする非晶質軟磁性粉末を得ることができる。
具体的には、アトマイズ法によって、不可避不純物を除き、下記の組成式で示される組成を有する非晶質軟磁性粉末を得ることができる。
(組成式)(Fe1-aTM100−w−x−y−zSi
ここで、TMはCo、Niから選ばれる1種以上の元素であり、LはAl、V、Cr、Y、Zr、Mo、Nb、Ta、Wから選ばれる1種以上の元素であり、a,w,x,y,zは0≦a≦0.98原子%、2≦w≦16原子%、2≦x≦16原子%、0<y≦10原子%、0≦z≦8原子%を満たす。
より具体的には、上記の組成比を満たす、Fe−P−B合金、Fe−P−B−Nb−Cr合金、Fe−Si−B合金、Fe−Si−B−P合金、Fe−Si−B−P−Cr合金又はFe−Si−B−P−C合金をアトマイズ法により粉末化することで、ガラス転移点を有する金属ガラス等からなる非晶質軟磁性粉末を得ることができる。ただし、アトマイズ法によって得られる非晶質軟磁性粉末はこれらに限定されるものではない。
一方、上述した非晶質軟磁性微粉末は、概略、第1の用意工程と、第1のpH調整工程と、第1の還元工程とからなる第1の液中還元法により製造することができる。第1の用意工程は、原料となる金属塩、錯化剤、分散剤およびP系還元剤を含む原料液を用意すると共に、B系還元剤を含む還元液を用意する工程である。第1のpH調整工程は、第1の用意工程において用意した原料液にpH調整剤を加えて所定のpHを有するように調整されたpH調整後液を得る工程である。第1の還元工程は、第1のpH調整工程において得たpH調整後液を撹拌しながら該pH調整後液に対して還元液を滴下することにより非晶質軟磁性微粉末を得る工程である。ここで、所定のpHとは、例えば、第1の還元工程における還元反応の開始に最適なpHである。
また、上述した非晶質軟磁性微粉末は、概略、第2の用意工程と、第2のpH調整工程と、第2の還元工程とからなる第2の液中還元法によっても製造することができる。第2の用意工程は、原料となる金属塩、錯化剤、析出核形成剤およびP系還元剤を含む原料液を用意すると共に、B系還元剤を含む還元液を用意する工程である。第2のpH調整工程は、第2の用意工程において用意した原料液にpH調整剤を加えて所定のpHを有するように調整されたpH調整後液を得る工程である。第2の還元工程は、第2のpH調整工程において得たpH調整後液を撹拌しながら該pH調整後液に対して還元液を滴下することにより非晶質軟磁性微粉末を得る工程である。ここで、所定のpHとは、例えば、第2の還元工程における還元反応の開始に最適なpHである。
詳しくは、第1及び第2の用意工程においては、原料となる金属塩、錯化剤、分散剤または析出核形成剤、およびP系還元剤をそれぞれ秤量し、蒸留水と共にビーカー等の耐薬品性容器に投入し、これを撹拌しながら溶解することで原料液を製造する。更に、B系還元剤を秤量し、蒸留水と共に別の耐薬品性容器に投入し、撹拌しながら溶解することで還元液を製造する。
原料として使用可能な金属塩は、Fe元素を含む塩である。具体的な金属塩としては、例えば、Fe元素を含有する塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、金属錯体などがあるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。
原料として使用可能な錯化剤としては、例えば、塩化アンモニウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸、酢酸ナトリウム、エチレングリコール、アンモニア水などがあるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。
原料として使用可能な分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドンがあるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。
原料として使用可能な析出核形成剤としては、例えば、テトラクロロ白金酸カリウム、塩化パラジウム、テトラクロロ金酸ナトリウム、塩化銀などがあるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。なお、析出核形成剤とは、還元剤により優先的に還元されることで微細粒子を形成し、非晶質軟磁性微粉末の析出核として作用する物質である。
原料として使用可能なP系還元剤としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸カルシウム、亜リン酸などがあるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。
一方、原料として使用可能なB系還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボランなどがあるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。
第1及び第2のpH調整工程においては、第1又は第2の用意工程において製造した原料液を耐薬品性容器内で撹拌しながらpH調整剤を投入することで、原料液を還元反応の開始に最適なpHに調整する。このpHの調整された原料液を以下においてはpH調整後液という。
pH調整剤として使用可能な物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などがあるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。
第1及び第2の還元工程においては、pH調整工程によって得たpH調整後液を撹拌しながら、その中に前述の用意工程において製造した還元液を滴下する。この還元工程によれば、pH調整後液に滴下した還元液の作用により、pH調整後液中に存在する金属イオンが還元され、同時にPイオン及びBイオンも還元されることで、これらの元素が共析し、球状粒子を形成する。
なお、還元反応を促進させるために、pH調整後液を撹拌する際に超音波を照射してもよい。
第1又は第2の液中還元法によって製造することで、平均一次粒子径:0.1μm〜1.5μmで、球状粒子からなり、非晶質相を主とする非晶質軟磁性微粉末を得ることができる。
具体的には、第1の液中還元法によれば、不可避不純物を除き、下記の組成式で示される組成を有する非晶質軟磁性微粉末を得ることができる。
(組成式)Fe100−a−b
ここで、a,bは25原子%≦a≦36原子%、1原子%≦b≦2.5原子%を満たす。
また、第2の液中還元法によれば、不可避不純物を除き、下記の組成式で示される組成を有する非晶質軟磁性微粉末を得ることができる。
(組成式)Fe100−a−b−c
ここで、MはPt、Pd、Au、Agから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,cは25原子%≦a≦36原子%、1原子%≦b≦2.5原子%、0原子%≦c≦0.8原子%を満たす。
アトマイズ法によって製造した非晶質軟磁性粉末に対して、第1又は第2の液中還元法によって製造した非晶質軟磁性微粉末を2重量%〜40重量%の比率で混合し、混合粉末を得る。
得られた混合粉末を結合剤と混合し、混合物(造粒粉)を得る。結合剤としては、熱硬化性樹脂が効果的であり、その樹脂の種類は圧粉磁心の用途や必要な耐熱性によって適宜選択することができる。好適に用いられる結合材の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂などが挙げられるが、同様な効果を奏するものであれば、これらに限定されるものではない。
この造粒粉を金型に充填し、圧縮成型することで、圧粉磁心を製造することができる。このとき、圧粉磁心における結合剤の含有量は、絶縁性確保の観点から2重量%以上であることが好ましい。また、圧粉磁心中の磁性粉末の充填率の低下に伴う透磁率の低下を避けるためには6重量%以下であることが好ましい。なお、圧縮成型時には適宜、ステアリン酸などの潤滑剤を添加しても良い。
圧縮成型により得られた圧粉磁心に対して、例えば150℃で1時間程度の樹脂硬化熱処理を行い、更に、例えば300〜400℃で1時間程度の歪取り熱処理を行うことにより、圧粉磁心が完成する。
更に、完成した圧粉磁心をコイルと組み合わせることで、インダクタを製造することができる。
次に、具体的な例を挙げ、本発明についてより詳しく説明する。
(実施例1)
まず、非晶質軟磁性粉末としてFe7512NbCr合金粉末を水アトマイズ法により作製した。得られたFe7512NbCr合金粉末の粒径をレーザー回折式粒度分布計で測定したところ、平均粒径D50=10.0μmの粉末であることが確認された。また、X線回折(XRD)による結晶構造評価を行ったところ、非晶質単相からなる粉末であることがわかった。
次に、非晶質軟磁性微粉末としてFe−B−P合金粉末を第1の液中還元法により作製した。
金属塩として塩化鉄(II)水和物を1.0mol/l(モル/リットル)、錯化剤として塩化アンモニウム及びクエン酸三ナトリウム水和物をそれぞれ1.5mol/l、0.8mol/l、分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を2.0×10−3mol/l、P系還元剤として次亜リン酸ナトリウム水和物を1.5mol/lの濃度となるようにそれぞれ秤量し、ガラス製容器内に蒸留水200mlと共に投入した。これを、室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで60〜120分間撹拌することで原料液を作製した。
また、B系還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを0.7mol/lの濃度となるように秤量し、原料液とは別のガラス製容器内に蒸留水150mlと共に投入し、これを室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで5〜10分間撹拌することで還元液を作製した。
次に、作製した原料液を室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで撹拌しながら、pH調整剤として30%水酸化ナトリウム水溶液を滴下することで、pH=10.0となるように調整し、pH調整後液とした。
次に、撹拌機により回転数:160〜300rpmで撹拌しているpH調整後液に対して、滴下装置を用いて滴下速度:200ml/hrで還元液の滴下を行った。ここで、滴下時においては超音波発生装置によりpH調整後液に対して超音波照射しながら還元液を滴下してもよい。pH調整後液に対して超音波照射しながら還元液を滴下すると、還元反応の促進を図ることができる。
pH調整後液に対する還元液の滴下終了後、pH調整後液表面からの泡の発生が落ち着いたことを確認してから、析出した粉末を液中から分離して水洗い及びアルコール洗浄した後、不活性雰囲気中で乾燥することでFe−B−P合金粉末を得た。
得られたFe−B−P合金粉末についてICP発光分析装置による組成分析を行ったところ、Fe65.532.61.9(組成比率は原子%による)であることが確認された。また、Fe65.532.61.9合金粉末の平均一次粒子径をSEM観察像より測定したところ、平均一次粒子径=0.5μmの球状粒子からなる粉末であることが確認された。また、X線回折(XRD)による結晶構造評価を行ったところ、非晶質単相からなる粉末であることがわかった。
続いて、得られたFe7512NbCr合金粉末に対して、Fe65.532.61.9合金粉末を重量比で2%混合して混合粉末を作製し、混合粉末に対して、樹脂成分で5.0重量%の割合となるようにフェノール樹脂を加えて混合した後、その混合物を金型に充填し、面圧:7.5ton/cmの圧力で圧縮成型することで、外形13mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉磁心を製造した。
更に、製造した圧粉磁心について150℃で1時間の樹脂硬化熱処理を行った後、350℃で1時間の歪取り熱処理を施すことで、実施例1の圧粉磁心を得た。
(比較例1)
続いて、Fe7512NbCr合金粉末のみを使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の圧粉磁心を得た。
実施例1の圧粉磁心について寸法および重量より密度を測定し、得られた密度より粉末充填率を計算したところ、71.2%であることがわかった。
次に、比較例1の圧粉磁心について同様に粉末充填率を計算したところ、71.0%であることがわかった。
次に、実施例1および比較例1の圧粉磁心に対して、それぞれ銅線を用いて10ターンの巻線を施したものについて、インピーダンスアナライザーを用いて1KHz以上1.8GHz以下の周波数範囲における透磁率を測定した。
まず、実施例1の圧粉磁心についての透磁率測定結果から、測定周波数=1MHzにおける透磁率は24.1であることがわかった。
これに対して、比較例1の圧粉磁心についての測定周波数=1MHzにおける透磁率は21.7であることがわかった。
実施例1の圧粉磁心の粉末充填率(71.2%)は、比較例1の圧粉磁心の粉末充填率(71.0%)と同程度であるが、実施例1の圧粉磁心の透磁率(24.1)は、比較例1の圧粉磁心の透磁率(21.7)に比べて11%以上向上している。このことから、Fe65.532.61.9がFe7512NbCr合金粉末粒子間に凝集したことで、粉末充填率の向上が殆どなくても、磁気的結合作用の向上による透磁率向上効果が得られたと言える。
(実施例1〜7、比較例1〜2)
次に、Fe7512NbCr合金粉末に対して、Fe65.532.61.9合金粉末の混合率を重量比で0%(比較例1)、2%(実施例1)5%(実施例2)、10%(実施例3)、15%(実施例4)、20%(実施例5)、30%(実施例6)、40%(実施例7)、50%(比較例2)の割合で混合して混合粉末を作製し、各混合粉末に対して、樹脂成分で5.0重量%の割合となるようにフェノール樹脂を加えて混合して混合物を得た後、その混合物を金型に充填し、面圧:7.5ton/cmの圧力で圧縮成型することで、外形13mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉磁心を製造した。
更に、製造した圧粉磁心について150℃で1時間の樹脂硬化熱処理を行った後、350℃で1時間の歪取り熱処理を施すことで、実施例1〜7、比較例1〜2の圧粉磁心を得た。
実施例1〜7、比較例1〜2の圧粉磁心について、寸法および重量より密度を測定し、得られた密度より粉末充填率を計算した。
次に、実施例1〜7、比較例1〜2の圧粉磁心に対して、それぞれ銅線を用いて10ターンの巻線を施したものについて、インピーダンスアナライザーを用いて1KHz以上1.8GHz以下の周波数範囲における透磁率を測定した。測定周波数=1MHにおける透磁率測定結果を表1に示す。
Figure 0005996160
実施例1〜7及び比較例1、2の圧粉磁心の粉末充填率に対する、測定周波数=1MHにおける透磁率の変化を図1に示す。
表1及び図1に示されるように、Fe7512NbCr合金粉末に対するFe65.532.61.9合金粉末の混合率が重量比で2重量%〜40重量%である実施例1〜7の全ての圧粉磁心において、Fe7512NbCr合金粉末のみで作製した比較例1の圧粉磁心の透磁率よりも高くなった。また、実施例6および実施例7の圧粉磁心では、粉末充填率がそれぞれ68.8%、66.7%と比較例1の71.0%よりも低くなったが、透磁率はそれぞれ26.3、24.5と比較例1の21.7よりも高くなった。これは、微小粒径のFe65.532.61.9合金粉末を多量に混合したことで圧粉磁心の粉末充填率は低下したものの、Fe7512NbCr合金粉末粒子間に凝集したFe65.532.61.9合金粉末の磁気的結合作用による透磁率向上効果のほうが上回ったためである。
一方、Fe7512NbCr合金粉末に対するFe65.532.61.9合金粉末の混合率が重量比で50重量%である比較例2の圧粉磁心では、粉末充填率が64.0%、透磁率が21.6と、比較例1の透磁率よりも低くなった。これは、Fe65.532.61.9合金粉末の混合量が過剰となり、磁気的交換結合作用による透磁率向上効果よりも粉末充填率の低下による透磁率低下が上回ったためである。
以上説明したように、非晶質軟磁性粉末に対して非晶質軟磁性微粉末を2〜40重量%混合することで、非晶質軟磁性粉末間に凝集した非晶質軟磁性微粉末によって磁気的交換結合作用が向上し、非晶質軟磁性粉末のみで作製した圧粉磁心よりも大幅に透磁率が向上した圧粉磁心及びこの圧粉磁心を用いたインダクタを得ることができる。
(実施例5、8〜13、比較例1)
次に、Fe7512NbCr合金粉末に対するFe65.532.61.9合金粉末の混合率を一定とし、混合するFe65.532.61.9合金粉末の平均一次粒子径を変化させた際の、圧粉磁心の透磁率変化を評価した。
レーザー回折式粒度分布計より測定した平均粒径D50=10.0μmのFe7512NbCr合金粉末に対して、第1の液中還元法により作製し、SEM像より求めた平均一次粒子径=0.1μm(実施例8)、0.3μm(実施例9)、0.5μm(実施例5)、0.7μm(実施例10)、0.8μm(実施例11)、1.0μm(実施例12)、1.5μm(実施例13)のFe65.532.61.9合金粉末を、それぞれ重量比で20%の割合で混合して混合粉末を作製し、各混合粉末に対して、樹脂成分で5.0重量%の割合となるようにフェノール樹脂を加えて混合した後、その混合物を金型に充填し、面圧:7.5ton/cmの圧力で圧縮成型することで、外形13mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉磁心を製造した。
更に、製造した圧粉磁心について150℃で1時間の樹脂硬化熱処理を行った後、350℃で1時間の歪取り熱処理を施すことで、実施例8〜13の圧粉磁心を得た。
次に、実施例8〜13の圧粉磁心に対して、それぞれ銅線を用いて10ターンの巻線を施したものについて、インピーダンスアナライザーを用いて1KHz以上1.8GHz以下の周波数範囲における透磁率を測定した。測定周波数=1MHにおける透磁率測定結果を表2に示す。
Figure 0005996160
実施例5、8〜13及び比較例1の圧粉磁心についての、非晶質軟磁性微粉末の平均一次粒子径に対する測定周波数=1MHにおける透磁率の変化を図2に示す。
表2及び図2に示されるように、実施例5、8〜13の圧粉磁心における透磁率は23.4から27.5の範囲となり、Fe7512NbCr合金粉末のみで作製した比較例1の圧粉磁心における21.7に対して高い透磁率が得られることがわかった。特に、平均一次粒子径が0.1μm〜0.8μmの範囲のFe65.532.61.9合金粉末を混合することで、透磁率は25.1から27.5と比較例1の圧粉磁心に対して特に高い透磁率が得られることがわかった。
(実施例9、14〜21、比較例3)
続いて、実施例9、実施例14〜21として、Fe7512NbCr合金粉末に対して種々の組成および粒径を有するFe−B−P合金粉末を重量比で20%混合したことを除き、実施例1と同様の方法で圧粉磁心を製造し、透磁率を測定した。また、比較例3として、Fe7512NbCr合金粉末に対して平均一次粒子径=1.1μmのカルボニル鉄粉末を重量比で20%混合したことを除き、実施例1と同様の方法で圧粉磁心を製造し、透磁率を測定した。実施例9、実施例14〜21及び比較例3の、測定周波数=1MHにおける透磁率測定結果を表3に示す。
Figure 0005996160
表3から分かるように、実施例9、14〜21で表される非晶質軟磁性微粉末の組成は、Bの含有量であるaの値が24.9原子%から36.0原子%、Pの含有量であるbの値は0.9原子%から2.5原子%の範囲となり、本発明に係る圧粉磁心の材料として使用する非晶質軟磁性微粉末のFe100−a−b(ここで、a、bは25原子%≦a≦36原子%、1原子%≦b≦2.5原子%を満たす)の条件を満たしている。このように、第1の液中還元法によって得られた非晶質軟磁性微粉末のうち、上記組成式を満たす非晶質軟磁性微粉末は、平均一次粒子径が0.09μmから1.50μmの範囲の粒子である。また、Fe7512NbCr合金粉末とFe−B−P合金粉末の混合粉末から得られる圧粉磁心の透磁率は23.5〜27.3の範囲となり、いずれも比較例3で示したFe7512NbCr合金粉末とカルボニル鉄粉末の混合粉末から得られる圧粉磁心の透磁率よりも大きな値となることが確認された。
以上説明したように、非晶質軟磁性粉末に対して、平均一次粒子径が0.1μm〜1.5μmの球状粒子からなる非晶質軟磁性微粉末を混合することで、非晶質軟磁性粉末間に凝集した非晶質軟磁性微粉末によって磁気的交換結合作用が向上し、非晶質軟磁性粉末のみで作製した圧粉磁心よりも大幅に透磁率が向上した圧粉磁心及びこの圧粉磁心を用いたインダクタを得ることができる。特に、平均一次粒子径が0.1μm〜0.9μmの範囲の非晶質軟磁性微粉末を混合することで、より高い透磁率向上効果を得ることができる。
(実施例22〜28、比較例1、4)
続いて、混合する非晶質軟磁性微粉末をFe−B−P−Pt合金粉末とし、Fe−B−P−Pt合金粉末混合率に対する圧粉磁心の透磁率変化について評価した。
まず、非晶質軟磁性微粉末としてFe−B−P−Pt合金粉末を第2の液中還元法により作製した。
金属塩として塩化鉄(II)水和物を1.0mol/l(モル/リットル)、錯化剤として塩化アンモニウム及びクエン酸三ナトリウム水和物をそれぞれ1.5mol/l、0.8mol/l、析出核形成剤としてテトラクロロ白金酸カリウムを5.0×10−4mol/l、P系還元剤として次亜リン酸ナトリウム水和物を1.5mol/lの濃度となるようにそれぞれ秤量し、ガラス製容器内に蒸留水200mlと共に投入した。これを、室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで60〜120分間撹拌することで原料液を作製した。
また、B系還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを0.7mol/lの濃度となるように秤量し、原料液とは別のガラス製容器内に蒸留水150mlと共に投入し、これを室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで5〜10分間撹拌することで還元液を作製した。
次に、作製した原料液を室温において撹拌機により回転数:160〜300rpmで撹拌しながら、pH調整剤として30%水酸化ナトリウム水溶液を滴下することで、pH=10.0となるように調整し、pH調整後液とした。
次に、撹拌機により回転数:160〜300rpmで撹拌しているpH調整後液に対して、滴下装置を用いて滴下速度:200ml/hrで還元液の滴下を行った。ここで、滴下時においては超音波発生装置によりpH調整後液に対して超音波照射しながら還元液を滴下してもよい。pH調整後液に対して超音波照射しながら還元液を滴下すると、還元反応の促進を図ることができる。
pH調整後液に対する還元液の滴下終了後、pH調整後液表面からの泡の発生が落ち着いたことを確認してから、析出した粉末を液中から分離して水洗い及びアルコール洗浄した後、不活性雰囲気中で乾燥することでFe−B−P−Pt合金粉末を得た。
得られたFe−B−P−Pt合金粉末についてICP発光分析装置による組成分析を行ったところ、Fe65.033.01.9Pt0.1(組成比率は原子%による)であることが確認された。得られたFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の平均一次粒子径をSEM観察像より測定したところ、平均一次粒子径=0.30μmの粉末であることが確認された。また、X線回折(XRD)による結晶構造評価を行ったところ、非晶質単相からなる粉末であることがわかった。
Fe7512NbCr合金粉末に対して、Fe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の混合率を重量比で0%(比較例1)、2%(実施例22)、5%(実施例23)、10%(実施例24)、15%(実施例25)、20%(実施例26)、30%(実施例27)、40%(実施例28)、50%(比較例4)の割合で混合して混合粉末を作製し、各混合粉末に対して、樹脂成分で5.0重量%の割合となるようにフェノール樹脂を加えて混合して混合物を得た後、その混合物を金型に充填し、面圧:7.5ton/cmの圧力で圧縮成型することで、外形13mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉磁心を製造した。
更に、製造した圧粉磁心について150℃で1時間の樹脂硬化熱処理を行った後、350℃で1時間の歪取り熱処理を施すことで、実施例22〜28、比較例1、4の圧粉磁心を得た。
実施例22〜28、比較例4の圧粉磁心について、寸法および重量より密度を測定し、得られた密度より粉末充填率を計算した。
次に、実施例22〜28、比較例4の圧粉磁心に対して、それぞれ銅線を用いて10ターンの巻線を施したものについて、インピーダンスアナライザーを用いて1KHz以上1.8GHz以下の周波数範囲における透磁率を測定した。測定周波数=1MHにおける透磁率測定結果を表4に示す。
Figure 0005996160
実施例22〜28、比較例1、4の圧粉磁心の粉末充填率に対する、測定周波数=1MHにおける透磁率の変化を図3に示す。
表4及び図3に示されるように、Fe7512NbCr合金粉末に対するFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の混合率が重量比で2重量%〜40重量%である実施例22〜28の全ての圧粉磁心において、Fe7512NbCr合金粉末のみで作製した比較例1の圧粉磁心の透磁率よりも高くなった。また、実施例27および実施例28の圧粉磁心では、粉末充填率がそれぞれ69.0%、67.1%と比較例1の71.0%を大きく下回ったが、透磁率はそれぞれ26.8、25.0と比較例1の21.7よりも高くなった。これは、微小粒径のFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末を多量に混合したことで圧粉磁心の粉末充填率は低下したものの、Fe7512NbCr合金粉末粒子間に凝集したFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の磁気的結合作用による透磁率向上効果のほうが上回ったためである。
一方、Fe7512NbCr合金粉末に対するFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の混合率が重量比で50重量%である比較例4の圧粉磁心では、粉末充填率が64.5%、透磁率が21.4と、比較例1の圧粉磁心における透磁率よりも低くなった。これは、Fe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の混合量が過剰となり、磁気的交換結合作用による透磁率向上効果よりも粉末充填率の低下による透磁率低下が上回ったためである。
以上説明したように、非晶質軟磁性粉末に対して非晶質軟磁性微粉末を2〜40重量%混合することで、非晶質軟磁性粉末間に凝集した非晶質軟磁性微粉末によって磁気的交換結合作用が向上することで、非晶質軟磁性粉末のみで作製した圧粉磁心よりも大幅に透磁率が向上した圧粉磁心及びこの圧粉磁心を用いたインダクタを得ることができる。
(実施例26、29〜34、比較例1)
次に、Fe7512NbCr合金粉末に対するFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の混合率を一定とし、混合するFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の平均一次粒子径を変化させた際の、圧粉磁心の透磁率変化を評価した。
レーザー回折式粒度分布計より測定した平均粒径D50=10.0μmのFe7512NbCr合金粉末に対して、第2の液中還元法により作製し、SEM像より求めた平均一次粒子径=0.1μm(実施例29)、0.3μm(実施例26)、0.5μm(実施例30)、0.7μm(実施例31)、0.8μm(実施例32)、1.0μm(実施例33)、1.5μm(実施例34)のFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末を、それぞれ重量比で20%の割合で混合して混合粉末を作製し、各混合粉末に対して、樹脂成分で5.0重量%の割合となるようにフェノール樹脂を加えて混合した後、その混合物を金型に充填し、面圧:7.5ton/cmの圧力で圧縮成型することで、外形13mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉磁心を製造した。
更に、製造した圧粉磁心について150℃で1時間の樹脂硬化熱処理を行った後、350℃で1時間の歪取り熱処理を施すことで、実施例26、29〜34の圧粉磁心を得た。
次に、実施例26、29〜34の圧粉磁心に対して、それぞれ銅線を用いて10ターンの巻線を施したものについて、インピーダンスアナライザーを用いて1KHz以上1.8GHz以下の周波数範囲における透磁率を測定した。測定周波数=1MHにおける透磁率測定結果を表5に示す。
Figure 0005996160
実施例26、29〜34、比較例1の圧粉磁心におけるFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末の平均一次粒子径に対する、測定周波数=1MHzにおける透磁率の変化を図4に示す。
表5及び図4に示されるように、実施例26、29〜34の圧粉磁心における透磁率は23.8から27.8の範囲となり、Fe7512NbCr合金粉末のみで作製した比較例1の圧粉磁心における21.7に対して高い透磁率が得られることがわかった。特に、平均一次粒子径が0.1μm〜0.8μmの範囲のFe65.033.01.9Pt0.1合金粉末を混合することで、透磁率は25.5から27.8と比較例1の圧粉磁心に対して特に高い透磁率が得られることがわかった。
(実施例26、35〜42、比較例3)
続いて、実施例35〜42として、Fe7512NbCr合金粉末に対して種々の組成および粒径を有するFe−B−P−Pt合金粉末を重量比で20%混合したことを除き、実施例22と同様の方法で圧粉磁心を製造し、透磁率を測定した。実施例26、実施例35〜42及び比較例3の、測定周波数=1MHにおける透磁率測定結果を表6に示す。
Figure 0005996160
表6から分かるように、実施例26、35〜42で表される非晶質軟磁性微粉末の組成は、Bの含有量であるaの値が25.0原子%から36.1原子%、Pの含有量であるbの値は1.0原子%から2.5原子%の範囲、M元素の含有量であるcの値は0.1原子%から0.8原子%の範囲となり、本発明に係る圧粉磁心の材料として使用する非晶質軟磁性微粉末のFe100−a−b(ここで、MはPt、Pd、Au、Agから選ばれる1種類以上の元素であり、a、b、cは25原子%≦a≦36原子%、1原子%≦b≦2.5原子%、0原子%≦c≦0.8原子%を満たす)の条件を満たしている。このように、本発明の製造方法によって得られた非晶質軟磁性微粉末のうち、上記組成式を満たす非晶質軟磁性微粉末は、平均一次粒子径が0.10μmから1.51μmの範囲の粒子である。また、Fe7512NbCr合金粉末とFe−B−P−M合金粉末の混合粉末から得られる圧粉磁心の透磁率は23.6〜27.8の範囲となり、いずれも比較例3で示したFe7512NbCr合金粉末とカルボニル鉄粉末の混合粉末から得られる圧粉磁心の透磁率よりも大きな値となることが確認された。
以上説明したように、非晶質軟磁性粉末に対して、平均一次粒子径が0.1μm〜1.5μmの球状粒子からなる非晶質軟磁性微粉末を混合することで、非晶質軟磁性粉末間に凝集した非晶質軟磁性微粉末によって磁気的交換結合作用が向上し、非晶質軟磁性粉末のみで作製した圧粉磁心よりも大幅に透磁率が向上した複合型圧粉磁心やこれを用いたインダクタを得ることができる。特に、平均一次粒子径が0.1μm〜0.9μmの範囲の非晶質軟磁性粉末を添加することで、より高い透磁率向上効果を得ることができる。
以上、本発明について実施例等を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれらに限定されるわけではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で部材や構成の変更があっても、本発明に含まれる。即ち、当事者であれば、当然なしうるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれることは勿論である。
本発明の圧粉磁心は、大電流化への対応を必要とされている電子機器の電源部品用インダクタに用いることができる。

Claims (6)

  1. 非晶質軟磁性粉末と、非晶質軟磁性微粉末と、結合剤との混合物からなる圧粉磁心であって、
    前記非晶質軟磁性粉末は、非晶質相を主とし、平均粒径が8μm以上の粒子からなり、
    前記非晶質軟磁性微粉末は、非晶質相を主とし、平均一次粒子径が0.1μm以上1.5μm以下の球状粒子からなり、
    前記非晶質軟磁性粉末に対する前記非晶質軟磁性微粉末の混合比率が2重量%以上40重量%以下であって、
    前記非晶質軟磁性微粉末は、不可避不純物を除き、Fe100−a−b−c(MはPt、Pd、Au、Agから選ばれる1種以上の元素であり、a,b,cは25原子%≦a≦36原子%、1原子%≦b≦2.5原子%、0原子%<c≦0.8原子%を満たす)で示される組成を有する
    圧粉磁心。
  2. 請求項1記載の圧粉磁心であって、
    前記非晶質軟磁性微粉末の前記平均一次粒子径が0.1μm以上0.9μm以下である
    圧粉磁心。
  3. 請求項1又は請求項2記載の圧粉磁心であって、
    前記非晶質軟磁性粉末は、不可避不純物を除き、(Fe1-aTM100−w−x−y−zSi(TMはCo、Niから選ばれる1種以上の元素であり、LはAl、V、Cr、Y、Zr、Mo、Nb、Ta、Wから選ばれる1種以上の元素であり、a,w,x,y,zは0≦a≦0.98原子%、2≦w≦16原子%、2≦x≦16原子%、0<y≦10原子%、0≦z≦8原子%を満たす)で示される組成を有する
    圧粉磁心。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧粉磁心であって、
    前記非晶質軟磁性微粉末は、ガラス転移点を有する金属ガラスである
    圧粉磁心。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧粉磁心であって、
    前記非晶質軟磁性微粉末の少なくとも一部は、前記非晶質軟磁性粉末の粒子間に凝集している
    圧粉磁心。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の圧粉磁心とコイルとを備えるインダクタ。
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