JP5994527B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、耐カットチッピング性能が改善される重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
従来、例えば、特許文献1に記載の重荷重用空気入りタイヤは、トレッド部を最表面側の耐摩耗性ゴム層からなるキャップトレッドゴムと、その内側の低発熱性ゴム層からなるアンダートレッドゴムとで構成するものである。また、この重荷重用空気入りタイヤは、トレッド部の両ショルダー端部に、最表面側ゴム層から内面側ゴム層に跨がり、かつタイヤ幅方向に延びるサイプをタイヤ周方向に所定の間隔をおいて形成したものである。
特開2010−23742号公報
重荷重用空気入りタイヤにおいて、耐偏摩耗性能の向上のためタイヤ周方向に延在する主溝の開口縁にサイプを設けることがある。しかし、上述した特許文献1に記載のトレッド部に低発熱性ゴム層(アンダートレッドゴム)を有する重荷重用空気入りタイヤでは、摩耗中期以降、サイプを起点としてカットチッピングが発生するおそれがある。アンダートレッドゴムは、カットチッピングに対して弱く、摩耗中期以降にアンダートレッドゴムが露出するような場合、サイプ端からカットチッピングが成長し易くなることが原因の1つであると考えられる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐カットチッピング性能を向上することのできる重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、タイヤ周方向に沿って延在する複数の主溝によりタイヤ周方向に延在する複数の陸部を有するトレッド面に配置されるキャップトレッドゴムと、前記キャップトレッドゴムのタイヤ径方向内側に設けられて前記主溝の側部の前記陸部にて前記主溝の溝底よりもタイヤ径方向外側に配置されるアンダートレッドゴムとでトレッド部が構成され、かつ前記主溝の溝壁および前記トレッド面に開口して前記主溝の側部の前記陸部で終端するサイプを有する重荷重用空気入りタイヤにおいて、前記サイプを前記キャップトレッドゴムの領域に設け、前記トレッド面からタイヤ径方向内側の前記主溝の溝深さDに対する前記サイプの溝深さdを0.5≦d/D≦1.0の範囲とし、かつ前記主溝の溝壁からの前記陸部側へのタイヤ幅方向の前記サイプの溝幅を前記トレッド面からタイヤ径方向内側に向けて漸次減少して形成することを特徴とする。
この重荷重用空気入りタイヤによれば、サイプの溝深さdを主溝の溝深さDの50[%]以上としたことで、摩耗中期以降、すなわち、トレッド面からタイヤ径方向内側に主溝の溝深さDの50[%]以上トレッド部が摩耗した場合であっても、サイプによる耐偏摩耗性能の向上効果を得ることができる。しかも、サイプをキャップトレッドゴムの領域に設けており、トレッド面からタイヤ径方向内側に向けてサイプの溝幅を漸次減少させたことで、サイプがアンダートレッドゴムから遠ざかるように配置されるため、摩耗中期以降にアンダートレッドゴムがトレッド部の表面に表出した場合であってもサイプを起点としたカットチッピングの発生を抑制することができる。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、前記サイプは、前記トレッド面での溝幅が2[mm]以上5[mm]以下に形成されることを特徴とする。
この重荷重用空気入りタイヤによれば、トレッド面でのサイプの溝幅は、サイプの最大溝幅であり、この溝幅を5[mm]以下とすることで、この寸法から溝幅を漸次減少することで、サイプをアンダートレッドゴムから確実に遠ざけることが可能となるため、耐カットチッピング性能の向上効果を顕著に得ることができる。また、トレッド面でのサイプの溝幅を2[mm]以上とすることで、サイプによる耐偏摩耗性能を顕著に得ることができる。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、前記サイプは、前記主溝の溝深さDの50[%]での溝幅が前記トレッド面での溝幅の60[%]以下に形成されることを特徴とする。
この重荷重用空気入りタイヤによれば、周方向主溝の溝深さDの50[%]以上トレッド部が摩耗した摩耗中期以降において、サイプの溝幅がトレッド面での溝幅の60[%]以下に漸次減少することから、サイプをアンダートレッドゴムから確実に遠ざけることが可能となるため、耐カットチッピング性能の向上効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、前記アンダートレッドゴムは、前記陸部において前記主溝の溝深さDの50[%]からタイヤ径方向内側の範囲に配置されることを特徴とする。
サイプによる耐偏摩耗性能を顕著に得るためにはサイプの溝幅を適宜設定することが望ましく、耐カットチッピング性能を得るためにはサイプの溝幅を減少させてサイプをアンダートレッドゴムから遠ざけることが望ましい。このため、アンダートレッドゴムを陸部において主溝の溝深さDの50[%]からタイヤ径方向内側に配置することにより、摩耗中期以前では、アンダートレッドゴムのトレッド部の表面への表出を抑えて、適宜な溝幅とされたサイプによる耐偏摩耗性を顕著に得るとともに、摩耗中期以降では、溝幅が減少されたサイプによる耐カットチッピング性能を顕著に得ることができる。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、前記キャップトレッドゴムの60℃における損失正接tanδCと、前記アンダートレッドゴムの60℃における損失正接tanδUとが、tanδU<tanδCの関係を満たすことを特徴とする。
この重荷重用空気入りタイヤによれば、トレッド部において、トレッド面をキャップトレッドゴムとし、キャップトレッドゴムのタイヤ径方向内側をアンダートレッドゴムとしたことによる、トレッド部の耐発熱性能や耐転がり抵抗性能を向上する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、タイヤ幅方向における前記サイプの終端と前記アンダートレッドゴムとの最短距離の位置において、当該最短距離が前記サイプの溝幅以上であることを特徴とする。
すなわち、サイプとアンダートレッドゴムとがタイヤ幅方向で最も近い位置において、その最短距離がサイプの溝幅以上であることが好ましい。この重荷重用空気入りタイヤによれば、サイプの溝幅以上サイプからアンダートレッドゴムが離れているため、耐カットチッピング性能の向上効果を顕著に得ることができる。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、耐カットチッピング性能を向上することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの平面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部拡大断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部拡大断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部拡大断面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部拡大断面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部拡大断面図である。 図7は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部拡大断面図である。 図8は、本発明の実施例に係る重荷重用空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの平面図であり、図2〜図7は、本実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部拡大断面図である。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、重荷重用空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周方向である。また、タイヤ赤道面CLとは、重荷重用空気入りタイヤ1の回転軸に直交するとともに、重荷重用空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって重荷重用空気入りタイヤ1の周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ1は、図1および図2に示すように、トレッド部2を有している。トレッド部2は、ゴム材からなり、重荷重用空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面がトレッド面2aとして重荷重用空気入りタイヤ1の輪郭となる。また、トレッド部2は、図2に示すように、トレッド面2aが耐摩耗性ゴム層からなるキャップトレッドゴムCと、そのタイヤ径方向内側の低発熱性ゴム層からなるアンダートレッドゴムUとで構成される。
そして、トレッド部2は、トレッド面2aに、タイヤ周方向に沿って延在する周方向主溝(主溝)3が、タイヤ幅方向で複数(図1では3本で示す)並設されている。そして、トレッド部2は、トレッド面2aに、複数の周方向主溝3により、タイヤ周方向に沿って延在するリブ状の陸部4が複数(図1では4本で示す)形成されている。
また、トレッド部2は、タイヤ周方向に対して交差する副溝5が設けられている。副溝5は、周方向主溝3よりも溝幅が狭く、かつ溝深さが浅く形成されている。本実施形態において、副溝5は、周方向主溝3の間の陸部4では、両端が各周方向主溝3に連通して設けられている。この周方向主溝3の間の陸部4に設けられた副溝5は、当該陸部4のタイヤ幅方向中央位置において、タイヤ周方向の両側に枝状に分岐して陸部4内で終端する枝溝5aを有している。さらに、副溝5は、タイヤ幅方向最外側の陸部4では、一端が周方向主溝3に連通し、他端が接地端Tを超えて陸部4のタイヤ幅方向外側面で開口して終端している。なお、副溝5の形態は、一例であり、上記構成に限られるものではない。
ここで、接地端Tとは、接地領域(重荷重用空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この重荷重用空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッド面2aが路面と接地する領域)のタイヤ幅方向の両最外端をいい、図1では、接地端Tをタイヤ周方向に連続して示している。
なお、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
図2に示すように、周方向主溝3は、トレッド部2のキャップトレッドゴムCに配置されている。また、図には明示しないが、副溝5もトレッド部2のキャップトレッドゴムCに配置されている。そして、アンダートレッドゴムUは、周方向主溝3の直下(タイヤ径方向内側)では、周方向主溝3の溝底3aよりもタイヤ径方向内側に配置され、陸部4では、周方向主溝3から離れつつ周方向主溝3の溝底3aよりもタイヤ径方向外側に***するように配置されている。なお、アンダートレッドゴムUは、周方向主溝3の直下(タイヤ径方向内側)では、周方向主溝3に対して最も近くに配置される。このようなアンダートレッドゴムUの配置は、タイヤの加硫成型時において、周方向主溝3をなす金型がアンダートレッドゴムUをタイヤ径方向内側に押し込むことで、陸部4側に流れることにより生ずる。
そして、キャップトレッドゴムCの領域において、周方向主溝3の溝壁3bに、サイプ6が設けられている。サイプ6は、周方向主溝3の溝壁3bおよびトレッド面に開口し、周方向主溝3の側部の陸部4で終端して設けられている。サイプ6は、図1に示すように、周方向主溝3の両側の溝壁3bに設けられている。サイプ6は、タイヤ周方向の溝厚さが1.0[mm]以下のものをいう。
このサイプ6は、図2に示すように、トレッド面からタイヤ径方向内側の周方向主溝3の溝深さDに対する溝深さdが、0.5≦d/D≦1.0の範囲を満たして設けられている。さらに、サイプ6は、周方向主溝3の溝壁3bから陸部4側に終端するタイヤ幅方向の溝幅Wが、トレッド面2aから周方向主溝3の溝底3a側へのタイヤ径方向内側に向けて漸次減少して形成されている。
サイプ6の溝幅Wが、トレッド面2aからタイヤ径方向内側に向けて漸次減少する形態は、例えば、図2および図3に示すように、溝幅Wが段階的(図2は2段階であり、図3は3段階)に減少する形態がある。その他、図4〜図6に示すように、無段階的に減少する形態もある。図4では、サイプ6のタイヤ幅方向の終端位置がタイヤ径方向で直線状に形成された形態を示し、図5では、サイプ6のタイヤ幅方向の終端位置がタイヤ径方向で陸部4側に膨らむように曲線状に形成された形態を示し、図6では、サイプ6のタイヤ幅方向の終端位置がタイヤ径方向で周方向主溝3の溝壁3b側に凹むように曲線状に形成された形態を示している。また、図7に示すように、トレッド面2aからタイヤ径方向内側の所定範囲で溝幅Wを一定とし、途中からタイヤ径方向内側に向けて溝幅Wが漸次無段階で減少する形態であってもよい。また、サイプ6は、図2および図3に示すように、周方向主溝3の溝底3aに最も近いタイヤ径方向内側の端部で所定の溝幅Wを残して形成されていてもよく、図4〜図7に示すように、溝幅Wが無となるように形成されていてもよい。
上述した重荷重用空気入りタイヤ1は、トレッド部2において、トレッド面2aを耐摩耗性ゴム層からなるキャップトレッドゴムCとし、キャップトレッドゴムCのタイヤ径方向内側を低発熱性ゴム層からなるアンダートレッドゴムUとしたことで、トレッド部2の耐発熱性能や耐転がり抵抗性能を向上することが可能になる。また、周方向主溝3の溝壁3bにサイプ6を設けたことで、トレッド部2の耐偏摩耗性能を向上することが可能になる。
このような重荷重用空気入りタイヤ1において、本実施形態では、サイプ6をキャップトレッドゴムCの領域に設け、トレッド面2aからタイヤ径方向内側の周方向主溝3の溝深さDに対するサイプ6の溝深さdを0.5≦d/D≦1.0の範囲とし、かつ周方向主溝3の溝壁3bからの陸部4側へのタイヤ幅方向のサイプ6の溝幅Wをトレッド面2aからタイヤ径方向内側に向けて漸次減少して形成している。
この重荷重用空気入りタイヤ1によれば、サイプ6の溝深さdを周方向主溝3の溝深さDの50[%]以上としたことで、摩耗中期以降、すなわち、トレッド面2aからタイヤ径方向内側に周方向主溝3の溝深さDの50[%]以上トレッド部2が摩耗した場合であっても、サイプ6による耐偏摩耗性能の向上効果を得ることが可能である。しかも、この重荷重用空気入りタイヤ1によれば、サイプ6をキャップトレッドゴムCの領域に設けており、トレッド面2aからタイヤ径方向内側に向けてサイプ6の溝幅Wを漸次減少させたことで、サイプ6がアンダートレッドゴムUから遠ざかるように配置されるため、摩耗中期以降にアンダートレッドゴムUがトレッド部2の表面に表出した場合であってもサイプ6を起点としたカットチッピングの発生を抑制することが可能になる。
なお、カットチッピングは、最も荷重を受けるタイヤのセンター領域(タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側にタイヤ赤道面CLと接地端Tとの間の距離の40[%]以上60[%]以下の範囲)で発生し易い傾向にある。このため、少なくともセンター領域の範囲(本実施形態では、中央の周方向主溝3の両溝壁、およびタイヤ幅方向両側の周方向主溝3のタイヤ幅方向内側の溝壁)で上述したサイプ6の構成とすれば耐カットチッピング性能の向上効果を得ることが可能である。
また、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ1では、図2に示すように、サイプ6は、トレッド面2aでの溝幅WAが2[mm]以上5[mm]以下に形成されることが好ましい。
この重荷重用空気入りタイヤ1によれば、トレッド面2aでのサイプ6の溝幅WAは、サイプ6の最大溝幅であり、この溝幅WAを5[mm]以下とすることで、この寸法から溝幅Wを漸次減少することで、サイプ6をアンダートレッドゴムUから確実に遠ざけることが可能となるため、耐カットチッピング性能の向上効果を顕著に得ることが可能である。また、トレッド面2aでのサイプ6の溝幅WAを2[mm]以上とすることで、サイプ6による耐偏摩耗性能を顕著に得ることが可能になる。なお、サイプ6による耐カットチッピング性能の向上効果および耐偏摩耗性能の向上効果を顕著に得るため、トレッド面2aでのサイプ6の溝幅WAは、2.5[mm]以上5[mm]以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ1は、図2に示すように、サイプ6は、周方向主溝3の溝深さDの50[%]での溝幅WBがトレッド面2aでの溝幅WAの60[%]以下に形成されることが好ましい。
この重荷重用空気入りタイヤ1によれば、周方向主溝3の溝深さDの50[%]以上トレッド部2が摩耗した摩耗中期以降において、サイプ6の溝幅Wがトレッド面2aでの溝幅WAの60[%]以下に漸次減少することから、サイプ6をアンダートレッドゴムUから確実に遠ざけることが可能となるため、耐カットチッピング性能の向上効果を顕著に得ることが可能である。
また、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ1は、図2に示すように、アンダートレッドゴムUは、陸部4において周方向主溝3の溝深さDの50[%]からタイヤ径方向内側の範囲に配置されることが好ましい。
サイプ6による耐偏摩耗性能を顕著に得るためにはサイプ6の溝幅Wを適宜設定することが望ましく、耐カットチッピング性能を得るためにはサイプ6の溝幅Wを減少させてサイプ6をアンダートレッドゴムUから遠ざけることが望ましい。このため、アンダートレッドゴムUを陸部4において周方向主溝3の溝深さDの50[%]からタイヤ径方向内側の範囲に配置することにより、摩耗中期以前では、アンダートレッドゴムUのトレッド部2の表面への表出を抑えて、適宜な溝幅Wとされたサイプ6による耐偏摩耗性を顕著に得るとともに、摩耗中期以降では、溝幅Wが減少されたサイプ6による耐カットチッピング性能を顕著に得ることが可能になる。
また、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ1は、キャップトレッドゴムCの60℃における損失正接tanδCと、アンダートレッドゴムUの60℃における損失正接tanδUとが、tanδU<tanδCの関係を満たすことが好ましい。
この重荷重用空気入りタイヤ1によれば、トレッド部2において、トレッド面2aを耐摩耗性ゴム層からなるキャップトレッドゴムCとし、キャップトレッドゴムCのタイヤ径方向内側を低発熱性ゴム層からなるアンダートレッドゴムUとしたことによる、トレッド部2の耐発熱性能や耐転がり抵抗性能を向上する効果を顕著に得ることが可能になる。
また、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ1は、図2に示すように、タイヤ幅方向におけるサイプ6の終端とアンダートレッドゴムUとの最短距離Hの位置において、当該最短距離Hがサイプ6の溝幅WC以上であることが好ましい。
すなわち、サイプ6とアンダートレッドゴムUとがタイヤ幅方向で最も近い位置において、その最短距離Hがサイプ6の溝幅WC以上であることが好ましい。この重荷重用空気入りタイヤ1によれば、サイプ6の溝幅WC以上サイプ6からアンダートレッドゴムUが離れているため、耐カットチッピング性能の向上効果を顕著に得ることが可能である。
図8は、本実施例に係る重荷重用空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。本実施例では、条件が異なる複数種類の重荷重用空気入りタイヤについて、耐カットチッピング性能および耐偏摩耗性能に関する性能試験が行われた。
この性能試験では、タイヤサイズ11R22.5 16の重荷重用空気入りタイヤを、正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、2−DD形式の試験車両に装着した。
耐カットチッピング性能の評価方法は、上記試験車両にて5万[km]走行後におけるトレッド部のカットチッピングの程度を外観の目視により判定した。そして、この判定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、指数が大きいほど、カットチッピングが減少し耐カットチッピング性能に優れていることを示している。
耐摩耗性能の評価方法は、上記試験車両にて平均速度60[km/h]で5万[km]走行後における陸部への偏摩耗の発生の有無を目視により判定した。
図8に示すように、従来例の重荷重用空気入りタイヤは、トレッド面からタイヤ径方向内側の主溝の溝深さDに対するサイプの溝深さdを0.5としているが、当該サイプの溝幅はトレッド面からタイヤ径方向内側に向けて均一に形成されている。比較例の重荷重用空気入りタイヤは、サイプの溝幅をトレッド面からタイヤ径方向内側に向けて漸次減少して形成しているが、トレッド面からタイヤ径方向内側の主溝の溝深さDに対するサイプの溝深さdを0.47としている。
一方、図8に示すように、実施例1〜実施例11の重荷重用空気入りタイヤは、トレッド面からタイヤ径方向内側の主溝の溝深さDに対するサイプの溝深さdを0.5以上1.0以下とし、かつ当該サイプの溝幅をトレッド面からタイヤ径方向内側に向けて漸次減少して形成している。実施例4〜実施例11の重荷重用空気入りタイヤは、トレッド面でのサイプの溝幅WAを5[mm]以下としている。実施例7〜実施例11の重荷重用空気入りタイヤは、主溝の溝深さDの50[%]でのサイプの溝幅WBをトレッド面での溝幅WAの60[%]以下に形成している。実施例11の重荷重用空気入りタイヤは、アンダートレッドゴムのサイプとの最短距離がサイプの溝幅以上である。
図8の試験結果に示すように、実施例1〜実施例11の重荷重用空気入りタイヤは、耐カットチッピング性能が改善され、耐偏摩耗性能が維持されていることが分かる。
1 重荷重用空気入りタイヤ
2 トレッド部
2a トレッド面
3 周方向主溝(主溝)
3a 溝底
3b 溝壁
4 陸部
6 サイプ
C キャップトレッドゴム
U アンダートレッドゴム

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に沿って延在する複数の主溝によりタイヤ周方向に延在する複数の陸部を有するトレッド面に配置されるキャップトレッドゴムと、前記キャップトレッドゴムのタイヤ径方向内側に設けられて前記主溝の側部の前記陸部にて前記主溝の溝底よりもタイヤ径方向外側に配置されるアンダートレッドゴムとでトレッド部が構成され、かつ前記主溝の溝壁および前記トレッド面に開口して前記主溝の側部の前記陸部で終端するサイプを有する重荷重用空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプを前記キャップトレッドゴムの領域に設け、前記トレッド面からタイヤ径方向内側の前記主溝の溝深さDに対する前記サイプの溝深さdを0.5≦d/D≦1.0の範囲とし、かつ前記主溝の溝壁からの前記陸部側へのタイヤ幅方向の前記サイプの溝幅を前記トレッド面からタイヤ径方向内側に向けて漸次減少して形成することを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記サイプは、前記トレッド面での溝幅が2[mm]以上5[mm]以下に形成されることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記サイプは、前記主溝の溝深さDの50[%]での溝幅が前記トレッド面での溝幅の60[%]以下に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記アンダートレッドゴムは、前記陸部において前記主溝の溝深さDの50[%]からタイヤ径方向内側の範囲に配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記キャップトレッドゴムの60℃における損失正接tanδCと、前記アンダートレッドゴムの60℃における損失正接tanδUとが、tanδU<tanδCの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  6. タイヤ幅方向における前記サイプの終端と前記アンダートレッドゴムとの最短距離の位置において、当該最短距離が前記サイプの溝幅以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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