JP5993698B2 - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を低減して排ガスを浄化する装置に関するものである。
従来、燃料と燃焼空気の混合物の内燃により作動するエンジンに富化空気を供給する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この富化空気の供給装置は、ケーシング、ケーシングに収容された非多孔質膜、ケーシング内の膜の一方の側にある未透過物用空洞室、及びケーシング内の膜の他方の側にある透過物空洞室を含む選択的ガス透過性膜ユニットと、膜間に未透過空洞室圧力から透過物空洞室圧力へ負の圧力勾配を生成するための圧力変化手段と、酸素富化空気又は窒素富化空気のいずれかをエンジンに導く供給選択バルブとからなる。そして、この装置の操作により大気からの空気を含まない混合物を提供する。なお、上記非多孔質膜は、酸素/窒素の選択性が重量比で少なくとも1.4であり、酸素透過率が50バーレルであり、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非晶質共重合体により形成され、非晶質共重合体のガラス遷移温度以下の温度にある。また未透過物用空洞室は、ケーシング内の膜の一方の側に入る大気の供給流から酸素をこの膜を通して選択的に透過させ、そこで生成した窒素富化空気流の未透過物用流源になる。更に透過物空洞室は、酸素富化空気の透過物流源であり、この透過物流原供給流れ比率が段カットを決定する。
このように構成された富化空気の供給装置の動作を説明する。富化空気をエンジンに供給するプロセスは、様々なエンジン性能パラメータの向上に使える。向上するのは、エンジン排ガス中の種々の窒素酸化物濃度の低減、エンジンパワーの増加、エンジンのリーンバーン限界の拡大、そしてコールドスタート排出の低減である。NOx排出低減は、窒素富化空気をエンジンに供給することに起因して起こり得る。またコールドスタート排出を低減させ、リーンバーン限界及びエンジン動力を向上させるには、エンジンへ供給する空気は、富化酸素であるべきである。この場合、単にバルブの位置を切り替えるだけで酸素富化空気供給に容易に変換できる。このように、バルブを操作するだけで簡単に、窒素富化未透過物成分の供給と酸素富化透過物成分の供給間で容易に切り替えられる。従って、この装置は、中央プロセッサユニットにプログラムされた判定基準に応じて富化酸素空気又は窒素富化空気のいずれかを必要とする最適のエンジン性能を得るのに使える。
例えば、エンジンが冷たい条件から始動する場合、酸素富化空気を供給してコールドスタート排出を最小限にすることが望ましい。中央プロセッサユニットは、低いエンジン温度を(例えば感知手段から)検出する。プログラムされたアルゴリズムは、スイッチ3方切替ベントバルブを廻し、未透過物成分をベント(発散、放出)し、3方切替供給バルブを廻して透過物成分を供給するように、プロセッサに指示する。プログラムは、シグナルをフローコントロールバルブに送り、最適のコールドスタート排出を達成するよう段カットを行う。感知手段によって検出されて、エンジンが安定状態の運転温度条件を達成したときに、NOx排出の低減が望ましくなることがある。プロセッサは、透過物成分がベント(発散、放出)されている間、未透過物成分をエンジンに供給するように、バルブの位置を切り替えるように装置に命令し得る。それ以降、プロセッサは、プログラムされたアルゴリズムに従って、NOx排出低減のための最適の段カットに到達するために、出力をフローコントロールバルブに送る。透過物と未透過物供給モードの間の切替に使う多くの基準は、プロセッサアルゴリズム中にプログラムできるようになっている。
特表2002−504643号公報(請求項17、段落[0043]、[0043]、[0054]、[0055]、図4)
しかし、上記従来の特許文献1に示された富化空気の供給装置では、選択的ガス透過性膜ユニットで分離された窒素富化空気に比較的多くの水分が含まれていると、この窒素富化空気をNOxの排出を低減するためにエンジンに供給したときに、エンジン内部に上記水分による腐食等が発生するおそれがあった。
本発明の第1の目的は、ドライヤで乾燥した空気を空気分離器で分離して得られた窒素富化ガスをEGR管に供給することにより、エンジンから排出される排ガス中のNOxを効率良く低減できるとともに、エンジン内部の腐食等を防止できる、排ガス浄化装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、排ガス中のNOの一部をオゾンと反応させて反応性の高いNO2にすることにより、排ガス温度が低いときであってもNOxを効率良く低減できる、排ガス浄化装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、空気分離器で分離された酸素富化ガス又は窒素富化ガスの一部を、パージ手段によりドライヤに供給し、このドライヤで分離された水蒸気(水分)とともに排出することにより、ドライヤを効率良く再生できる、排ガス浄化装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1及び図2に示すように、エンジン11の排気通路13と吸気通路12をエンジン11をバイパスして接続しエンジン11の排ガスの一部をEGRガスとして排気通路13から吸気通路12に還流するEGR管19と、EGR管19に設けられEGR管19を流れるEGRガスの流量を調整するEGRバルブ20とを備えた排ガス浄化装置において、空気を圧縮する空気用コンプレッサ23と、空気用コンプレッサ23により圧縮された空気に含まれる水分を捕集してこの空気を乾燥させるドライヤ24と、ドライヤ24により乾燥された空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離する空気分離器26と、空気分離器26で分離された窒素富化ガスをEGR管19に供給する窒素富化ガス供給手段36と、空気分離器26で分離された酸素富化ガスの一部を用いてドライヤ24内の水分を除去するパージ手段40を備えたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図4に示すように、空気分離器26が酸素富化膜26aを有し、酸素富化ガスはドライヤ24により乾燥された空気が酸素富化膜26aを通過することにより生成され、窒素富化ガスはドライヤ24により乾燥された空気が酸素富化膜26aを通過せずに素通りすることにより生成されることを特徴とする。
本発明の第1の観点の排ガス浄化装置では、空気用コンプレッサで圧縮した空気をドライヤで乾燥した後に、空気分離器で窒素富化ガス及び酸素富化ガスに分離し、この分離した窒素富化ガスをEGR管に供給するので、エンジンから排出される排ガス中のNOxを効率良く低減できる。また選択的ガス透過性膜ユニットで分離された窒素富化空気に比較的多くの水分が含まれていると、この窒素富化空気をNOxの排出を低減するためにエンジンに供給したときに、エンジン内部に上記水分による腐食等が発生するおそれがあった従来の富化空気の供給装置と比較して、本発明では、上述のように、空気用コンプレッサで圧縮した空気をドライヤで乾燥した後に、空気分離器で窒素富化ガス及び酸素富化ガスに分離し、この分離した窒素富化ガスをEGR管に供給するので、エンジン内部の腐食等を防止できる。
また、本発明の第1の観点の排ガス浄化装置では、空気分離器で分離された酸素富化ガス又は窒素富化ガスの一部が、パージ手段によりドライヤに供給され、このドライヤで分離された水蒸気(水分)とともに排出される。オゾン発生器を用いない場合、空気分離器で分離された不要な酸素富化ガスによりドライヤが再生される。一方、オゾン発生器を用いる場合、窒素富化ガスのうちEGR管に供給されない一部によりドライヤが再生される。この結果、ドライヤを効率良く再生できる。
本発明の第2の観点の排ガス浄化装置では、空気分離器を酸素富化膜により構成し、ドライヤにより乾燥された空気が酸素富化膜を通過することにより酸素富化ガスを生成し、ドライヤにより乾燥された空気が酸素富化膜を通過せずに素通りすることにより窒素富化ガスを生成するので、酸素富化膜により酸素富化ガス及び窒素富化ガスが確実に分離される。この結果、比較的簡易な構造の空気分離器で、この空気分離器の酸素富化膜により酸素富化ガス及び窒素富化ガスを効率良く生成できる。
本発明第1実施形態の排ガス浄化装置の構成図である。 その排ガス浄化装置に用いられる空気用コンプレッサ、ドライヤ、空気分離器等を収容したケースを破断した状態であって各部材の配管による接続状態を示す図である。 そのドライヤの水蒸気分離膜を構成する中空糸の要部拡大断面図である。 その空気分離器の酸素富化膜を構成する中空糸の要部拡大断面図である。 その空気分離器で分離された窒素富化ガスの流量の変化に対するEGRガス流量の低減率と水分量の低下率のそれぞれの変化を示す図である。 本発明第2実施形態の排ガス浄化装置の構成図である。 その排ガス浄化装置に用いられる空気用コンプレッサ、ドライヤ、空気分離器、オゾン発生器等を収容したケースを破断した状態であって各部材の配管による接続状態を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。(なお、以下に記載の「第2の実施の形態」は「参考の形態」である。)
<第1の実施の形態>
図1に示すように、ディーゼルエンジン11の吸気ポートには吸気マニホルド12aを介して吸気管12bが接続され、排気ポートには排気マニホルド13aを介して排気管13bが接続される。上記吸気マニホルド12a及び吸気管12bにより吸気通路12が構成され、排気マニホルド13a及び排気管13bにより排気通路13が構成される。吸気管12bには、ターボ過給機17のコンプレッサハウジング17aと、ターボ過給機17により圧縮された吸気を冷却するインタクーラ18とがそれぞれ設けられ、排気管13bにはターボ過給機17のタービンハウジング17bが設けられる。コンプレッサハウジング17aにはコンプレッサ回転翼(図示せず)が回転可能に収容され、タービンハウジング17bにはタービン回転翼(図示せず)が回転可能に収容される。コンプレッサ回転翼とタービン回転翼とはシャフト(図示せず)により連結され、エンジン11から排出される排ガスのエネルギによりタービン回転翼及びシャフトを介してコンプレッサ回転翼が回転し、このコンプレッサ回転翼の回転により吸気管内の吸入空気が圧縮されるように構成される。また排気マニホルド13aと吸気管12bとは、EGR管19によりエンジン11をバイパスして接続される。このEGR管19は排気マニホルド13aから分岐し、インタクーラ18より吸気下流側の吸気管12bに合流する。これによりEGR管19には、エンジン11の排ガスの一部をEGRガスとして排気マニホルド13aから吸気管12bに向って流れるようになっている。更にEGR管19には、排気マニホルド13aから吸気管12bに還流されるEGRガスの流量を調整するEGRバルブ20が設けられる。なお、図1中の符号21は、EGR管19を通るEGRガスを冷却するEGRクーラである。
上記EGR管19には、上記EGRガスに加えて、富化ガス生成装置22により生成された窒素濃度の高い窒素富化ガスが供給される。この富化ガス生成装置22は、大気中の空気を圧縮する空気用コンプレッサ23と、空気用コンプレッサ23により圧縮された空気に含まれる水分を捕集して空気を乾燥させるドライヤ24と、ドライヤ24により乾燥された空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離する空気分離器26とを有する。上記空気用コンプレッサ41は、この実施の形態では、直流電圧24Vのバッテリで駆動されるように構成される。なお、この実施の形態では、空気用コンプレッサを直流電圧24Vのバッテリで駆動したが、空気用コンプレッサを、エンジンのクランク軸で駆動したり、或いはハイブリッド車であれば直流電圧200〜300Vのバッテリで駆動してもよい。
上記ドライヤ24は、水蒸気(水分)を透過し易くかつ空気を透過し難い水蒸気分離膜24a(図3)と、この水蒸気分離膜24aを収容する筒状のハウジング24d(図2)とを有する。この水蒸気分離膜24aは、例えば膜厚100μm、外径500μm及び長さ450mmの芳香族ポリイミドの非対称性の中空糸24bを束ねて形成され、ハウジング24dにその長手方向に延びて収容される(図2)。上記中空糸24bは、中央に通孔24cが形成され、膜厚方向に非対称の粗密構造を有する。上記通孔24cの内径は例えば300μmに形成される。またハウジング24dの下面には、空気用コンプレッサ23により圧縮された空気を導入する空気導入口24eが形成され、ハウジング24dの上面には、ドライヤ24により乾燥された空気を排出する空気排出口24fが形成される。空気導入口24eは水蒸気分離膜24aの各中空糸24bの下端に接続され、空気排出口24fは水蒸気分離膜24aの各中空糸24bの上端に接続され、これにより空気導入口24e及び空気排出口24fは各中空糸24bの通孔24cに連通接続される(図2及び図3)。更にハウジング24dの側壁上部には、後述する窒素富化ガスをパージガスとして導入するパージガス導入口24gが形成され、ハウジング24dの側壁下部には、パージガスである窒素富化ガスを水蒸気(水分)とともに排出するパージガス排出口24hが形成される(図2)。そしてパージガス導入口24gから導入された窒素富化ガスは水蒸気分離膜24aの中空糸24bの外周面を通過してパージガス排出口24hから排出されるように構成される。
ここで、水蒸気分離膜24aの各中空糸24bの通孔24cを、水蒸気(水分)の含まれる空気が流れると、中空糸24bの膜の内面側及び外面側に存在する水蒸気分圧の差を駆動力として、通孔24cを流れる空気中の水蒸気が、水蒸気分圧の高い中空糸24bの膜の内面側から水蒸気分圧の低い中空糸24bの膜の外面側へ透過するため、中空糸24bの通孔24cを流れる空気中の水蒸気が減少し、乾燥した空気が空気排出口24fから排出されるようになっている(図3)。
一方、空気分離器26は、大気中の窒素ガスより酸素ガスを透過し易い性質を有する酸素富化膜26a(図4)と、この酸素富化膜26aを収容する筒状のハウジング26d(図2)とを有する。酸素富化膜26aは、ドライヤ24により乾燥された空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離するように構成される。具体的には、酸素富化膜26aは、窒素ガスと比較して酸素ガスを選択的に透過する高分子からなり中央に通孔26cが形成された中空糸26bを束ねて形成され(図4)、ハウジング26dにその長手方向に延びて収容される(図2)。また酸素富化膜26aを構成する中空糸26bは、酸素ガスと窒素ガスの分離度が大きいガラス状高分子により形成されることが好ましく、酸素ガスと窒素ガスの分離度が特に大きく、機械的強度、耐熱性及び耐久性などに優れるポリイミドにより形成されることが更に好ましい。また酸素富化膜26aを構成する中空糸26bの膜は、膜厚方向に密度が均一な均質膜であってもよく、或いは内径、外径及び密度の異なる複数の中空糸を嵌挿することにより膜厚方向に密度が不均一に形成された複合膜を用いてもよいが、膜厚方向に非対称の粗密構造を有することにより透過速度が大きい非対称膜を用いることが好ましい。更に中空糸26bの膜厚は10μm〜500μmの範囲に設定され、中空糸26bの外径は50μm〜2000μmの範囲に設定されることが好ましい。
酸素富化膜26aを収容するハウジング26dの上面には、ドライヤ24により乾燥された空気を導入する乾燥空気導入口26eが形成され、ハウジング26dの下面には、空気分離器26により分離された窒素富化ガスを排出する窒素富化ガス排出口26fが形成される(図2)。乾燥空気導入口26eは酸素富化膜26aの各中空糸26bの上端に接続され、窒素富化ガス排出口26fは酸素富化膜26aの各中空糸26bの下端に接続され、これにより乾燥空気導入口26e及び窒素富化ガス排出口26fは各中空糸26bの通孔26cに連通接続される。また酸素富化膜26aを収容するハウジング26dの側壁下部には、酸素富化ガスを排出する酸素富化ガス排出口26gが形成される。酸素富化膜26aの中空糸26bの膜を通過することにより、酸素濃度が高くなった酸素富化ガスは酸素富化ガス排出口26gから排出されるように構成される。
ここで、酸素富化膜26aにより酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離される原理を説明する。酸素富化膜26aの各中空糸26bの通孔26cを、乾燥した空気が流れると、中空糸26bの膜が熱振動して気体が通過する隙間が形成されるため、上記乾燥した空気中の酸素分子や窒素分子が上記隙間に取込まれる。このとき酸素富化膜26aの厚さは比較的薄く形成され、酸素分子が中空糸26bの膜を透過する速度は窒素分子が中空糸26bの膜を透過する速度より約2.5倍大きいため、酸素分子が分圧の高い中空糸26bの膜の内面側から分圧の低い中空糸26bの外面側に速やかに透過する。これにより中空糸26bの膜の外面側の酸素濃度が高くなり、中空糸26bの膜の内面側の酸素濃度が低くなる。この結果、酸素富化ガスは空気が酸素富化膜26aを通過することにより生成され、窒素富化ガスは空気が酸素富化膜26aを通過せずに素通りすることにより生成される。なお、上記熱振動により中空糸26bの膜に形成される隙間は5nm程度である。
一方、空気用コンプレッサ23の吐出口は第1供給管31によりドライヤ24の空気導入口24eに接続され、ドライヤ24の空気排出口24fは第2供給管32により空気分離器26の乾燥空気導入口26eに接続される(図1及び図2)。また空気分離器26の窒素富化ガス排出口26fは、第3供給管33により、EGRバルブ20と吸気管12bへの接続部との間のEGR管19に接続される。この第3供給管33には、窒素富化ガスを吸気管12bに供給する窒素富化ガス用コンプレッサ34と、吸気管12bへの窒素富化ガスの供給量を調整する窒素富化ガス流量調整弁35が設けられる。上記窒素富化ガス用コンプレッサ34は、この実施の形態では、直流電圧24Vのバッテリで駆動されるように構成される。上記第3供給管33、窒素富化ガス用コンプレッサ34及び及び窒素富化ガス流量調整弁35により窒素富化ガス供給手段36が構成される。また空気分離器26の酸素富化ガス排出口26gはパージ管37によりドライヤ24のパージガス導入口24gに接続され、ドライヤ24のパージガス排出口24hにはドレン管38の一端が接続され、パージ管37にはこのパージ管37を通過する酸素富化ガスの流量を調整するパージ流量調整弁39が設けられる。上記パージ管37、ドレン管38及びパージ流量調整弁39によりパージ手段40が構成される。上記ドレン管38の他端は、後述する選択還元型触媒43より排ガス下流側の排気管16bに接続される。更に第1供給管31には空気用コンプレッサ23で圧縮された空気を貯留するエアタンク41が設けられる。上記エアタンク41は、酸素富化ガス及び窒素富化ガスの流量を急激に変化させても、空気分離器26に十分な量の空気を供給するとともに、空気の圧力変動を緩和するために設けられる。なお、図2中の符号42は富化ガス生成装置22の各部材を収容する筐体である。
一方、排気管16bの途中には銀系触媒からなる選択還元型触媒43が設けられる(図1)。選択還元型触媒43は排気管16bより大径のケース44に収容される。選択還元型触媒43はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に銀ゼオライト又は銀アルミナをコーティングして構成される。具体的には、銀ゼオライトからなる選択還元型触媒43は、銀をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。また銀アルミナからなる選択還元型触媒43は、銀を担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。なお、この実施の形態では、選択還元型触媒として銀系触媒を用いたが、パラジウムを添加した銀系触媒を用いてもよい。即ち、パラジウム添加の銀系触媒からなる選択還元型触媒はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に、パラジウムを添加した銀ゼオライト又は銀アルミナをコーティングして構成される。具体的には、パラジウムを添加した銀ゼオライトからなる選択還元型触媒は、銀及びパラジウムをイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。またパラジウムを添加した銀アルミナからなる選択還元型触媒は、銀及びパラジウムを担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。選択還元型触媒としてパラジウムを添加した銀系触媒を用いることにより、パラジウムを添加しない銀系触媒を用いた場合より、排ガス温度の比較的低温時における排ガス中のNOxの低減性能を向上できる。
一方、選択還元型触媒43より排ガス上流側の排気管16bには、この排気管16bに還元剤45を噴射(供給)する還元剤供給手段46が接続される(図1)。還元剤供給手段46は、選択還元型触媒43より排ガス上流側の排気管16b内に臨む還元剤噴射ノズル47と、還元剤噴射ノズル47に先端が接続された還元剤供給管48と、この還元剤供給管48の基端に接続され還元剤45が貯留された還元剤タンク49と、この還元剤タンク49内の還元剤45を還元剤噴射ノズル47に圧送する還元剤ポンプ51と、還元剤噴射ノズル47から噴射される還元剤45の供給量(噴射量)を調整する還元剤供給量調整弁52とを有する。上記還元剤45としては、この実施の形態では、ディーゼルエンジン11の燃料である軽油が用いられる。これにより還元剤45を貯留する還元剤タンク49をエンジン11の燃料タンクと兼用できる。また上記還元剤ポンプ51は還元剤噴射ノズル47と還元剤タンク49との間の還元剤供給管46に設けられ、還元剤供給量調整弁52は還元剤噴射ノズル47と還元剤ポンプ51との間の還元剤供給管48に設けられる。更に還元剤供給量調整弁52は、還元剤供給管48に設けられ還元剤噴射ノズル47への還元剤45の供給圧力を調整する還元剤圧力調整弁53と、還元剤噴射ノズル47の基端に設けられ還元剤噴射ノズル47の基端を開閉する還元剤用開閉弁54とからなる。
還元剤圧力調整弁53は第1〜第3ポート53a〜53cを有する三方弁であり、第1ポート53aは還元剤ポンプ51の吐出口に接続され、第2ポート53bは還元剤用開閉弁54に接続され、第3ポート53cは戻り管56を介して還元剤タンク49に接続される(図1)。還元剤圧力調整弁53をオンすると、還元剤ポンプ51により圧送された還元剤45が第1ポート53aから還元剤圧力調整弁53に流入し、この還元剤圧力調整弁53で所定の圧力に調整された後、第2ポート53bから還元剤用開閉弁54に圧送される。また還元剤圧力調整弁53をオフすると、還元剤ポンプ51により圧送された還元剤45が第1ポート53aから還元剤圧力調整弁53に流入した後、第3ポート53cから戻り管56を通って還元剤タンク49に戻される。
一方、還元剤噴射ノズル47と選択還元型触媒43との間の排気管16bには、具体的には選択還元型触媒43より排ガス上流側のケース44には、選択還元型触媒43に流入する直前の排ガスの温度を検出する温度センサ57が設けられる(図1)。またターボ過給機17のタービンハウジング17bと還元剤噴射ノズル47との間の排気管16bには、排ガス中のNOxの濃度を検出するNOxセンサ58が設けられる。またインタクーラ18と吸気マニホルド12aへの接続部との間の吸気管12bには、吸気のターボ過給機17によるブースト圧を検出するブースト圧センサ59が設けられる。更に吸気管12bの空気取入口近傍には設けられたエアクリーナ61には、吸気管12bに流入する空気量(吸入空気量)を検出する吸入空気量センサ62が設けられる。温度センサ57、NOxセンサ58、ブースト圧センサ59及び吸入空気量センサ62の各検出出力はコントローラ63の制御入力に接続され、コントローラ63の制御出力はEGRバルブ20、空気用コンプレッサ23、窒素富化ガス用コンプレッサ34、窒素富化ガス流量調整弁35、パージ流量調整弁39、還元剤ポンプ51、還元剤圧力調整弁53及び還元剤開閉弁54にそれぞれ接続される。コントローラ63にはメモリ64が設けられる。このメモリ64には、選択還元型触媒43入口の排ガス温度、排ガス中のNOx濃度及び吸気管12bに流入する空気量に応じた、EGRバルブ20の開度、窒素富化ガス用コンプレッサ34の作動の有無、窒素富化ガス流量調整弁35の開度、還元剤ポンプ51の作動の有無、還元剤圧力調整弁53の作動の有無、還元剤用開閉弁54の単位時間当たりの開閉回数が予めマップとして記憶される。またメモリ64には、ターボ過給機17により過給された吸気のブースト圧に応じた、窒素富化ガス用コンプレッサ34の回転速度が予めマップとして記憶される。
このように構成された排ガス浄化装置の動作を説明する。エンジン11を始動すると、コントローラ63は、温度センサ57、NOxセンサ58、ブースト圧センサ59及び吸入空気量センサ62の各検出出力を取込み、これらの検出出力をメモリ64に記憶されたマップと比較して、EGRバルブ20を所定の開度で開き、富化ガス生成装置22の空気用コンプレッサ23を作動させ、パージ流量調製弁39を所定の開度で開き、窒素富化ガス用コンプレッサ34を所定の回転速度で作動させるとともに、窒素富化ガス流量調整弁35を所定の開度で開く。空気用コンプレッサ23が作動すると、大気中の空気が圧縮されてエアタンク41に貯留される。この空気はドライヤ24で水蒸気(水分)が除去されて乾燥し、この乾燥した空気は空気分離器26で酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスに分離される。空気分離器26で分離された窒素富化ガスは窒素富化ガス用コンプレッサ34により第3供給管33を通ってEGR管19に供給される。そして上記窒素富化ガスはEGR管19を流れる排ガスと混合されてEGRガスとなる。このEGRガスに含まれる酸素濃度及び水分量は極めて低いため、このEGRガスがエンジン11に供給されると、このエンジン11から排出される排ガス中のNOxを効率良く低減できる。また上記EGRガスに含まれる酸素濃度及び水分量は極めて低いため、EGRクーラ21の小型化を図ることができるとともに、エンジン11内部の腐食等を防止できる。例えば、EGR管19に排ガスの一部(EGRガス)を1200リットル/分(20リットル/秒)を流しているときに、窒素濃度99%の窒素富化ガスを第3供給管33からEGR管19に供給した場合における、EGRガス流量の低減率及び水分量の低下率の計算結果を図5に示す。図5から明らかなように、例えば100リットル/分の窒素富化ガスをEGR管19に供給すると、EGRガス流量を約13%低減でき、水分量が約21%低下する。このようにEGRガス流量の低減はEGRクーラ21の小型化に繋がり、水分量の低下は結露水の低下に繋がる。
一方、空気分離器26で分離された酸素富化ガスはパージ管37を通ってパージガス導入口24gからドライヤ24に供給される。この酸素富化ガスをドライヤ24に供給することにより、ドライヤ24で分離された水分であるドレン水が押出され、ドレン管38を通って選択還元型触媒43より排ガス下流側の排気管13b内に排出される。このようにEGRガスとして必要な窒素富化ガスを用いずに、EGRガスとして不要な酸素富化ガスを用いて、ドライヤ24が再生されるので、ドライヤ24を効率良く再生できる。また空気用コンプレッサ23により圧縮された空気を、ドライヤ24を再生するために直接用いずに済むので、空気用コンプレッサ23により圧縮された空気の消費量を抑制できる。この結果、空気用コンプレッサ23の吐出容量を低減できるので、空気用コンプレッサ23の小型化を図ることができる。なお、ドレン管38を通って選択還元型触媒43より排ガス下流側の排気管13b内に排出された酸素富化ガスは、比較的高温の排ガスにより酸化(燃焼)されるため、可燃性ガスではなくなる。
排ガス温度が比較的高くなると(例えば、180℃以上)になると、コントローラ63は、温度センサ57の検出出力に基づいて、還元剤供給手段46の還元剤ポンプ51を作動させ、還元剤圧力調整弁53をオンし、還元剤用開閉弁54を開閉させる。還元剤用開閉弁54を開閉させることにより、還元剤噴射ノズル47から還元剤45(燃料)が間欠的に噴射される。この還元剤噴射ノズル47から噴射されたミスト状の還元剤45が比較的高温の排ガスにより速やかにガス化して排ガスとともに選択還元型触媒43に流入すると、この選択還元型触媒43上で還元剤45により排ガス中のNOxが還元される、即ち選択還元型触媒43上で還元剤45が排ガス中のNOxと反応して、NOxが速やかに無害化される。この結果、排ガス中のNOxを更に低減できる。
<第2の実施の形態>
図6及び図7は本発明の第2の実施の形態を示す。図6及び図7において図1及び図2と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、NOxセンサ58と還元剤噴射ノズル47との間の排気管16bに、オゾン噴射ノズル81が設けられる。このオゾン噴射ノズル81は、富化ガス生成及びオゾン発生装置82に接続される。上記富化ガス生成及びオゾン発生装置82は、大気中の空気を圧縮する空気用コンプレッサ23と、この空気用コンプレッサ23により圧縮された空気を乾燥させるドライヤ24と、このドライヤ24により乾燥された空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離する空気分離器26と、この空気分離器26で分離された窒素富化ガスの一部をEGR管19に供給する窒素富化ガス供給手段36と、上記空気分離器26で分離された窒素富化ガスの残部を用いてドライヤ内の水分を除去するパージ手段83と、上記空気分離器26で分離された酸素富化ガス中の酸素をオゾン90に変換するオゾン発生器86と、このオゾン発生器86で発生したオゾン90をオゾン噴射ノズル81に供給するオゾン供給手段87とを有する。上記空気用コンプレッサ23、ドライヤ24、空気分離器26及び窒素富化ガス供給手段36は、第1の実施の形態の空気用コンプレッサ、ドライヤ、空気分離器及び窒素富化ガス供給手段とそれぞれ同一に構成される。
上記パージ手段83は、後述する第3供給管33から分岐してドライヤ24のパージガス導入口24gに接続されたパージ管84と、一端がドライヤ24のパージガス排出口24hに接続され他端が大気中に開放されたドレン管85と、パージ管84に設けられこのパージ管84を通過する窒素富化ガスの流量を調整するパージ流量調整弁39とからなる。またオゾン発生器86は、この実施の形態では、無声放電型のものが用いられる。具体的には、オゾン発生器86は、図示しないが所定の間隔をあけて互いに平行に配設されかつ一方若しくは双方が誘電体で覆われた一対の電極間に高周波高電圧を印加してプラズマ放電を発生させ、このプラズマ放電によりエアに含まれる酸素の一部をオゾン90に変換するように構成される。更にオゾン供給手段87は、基端がオゾン発生器86のオゾン排出口に接続され先端がオゾン噴射ノズル81に接続されたオゾン供給管88と、このオゾン供給管88に設けられた逆止弁89とからなる。この逆止弁89は、オゾン発生器86からオゾン噴射ノズル81にオゾン90が流れるのを許容し、オゾン噴射ノズル81からオゾン発生器86にオゾン90又は排ガスが流れるのを阻止するように構成される。
一方、空気用コンプレッサ23の吐出口は第1供給管31によりドライヤ24の空気導入口24eに接続され、ドライヤ24の空気排出口24fは第2供給管32により空気分離器26の乾燥空気導入口26eに接続される(図7)。また空気分離器26の窒素富化ガス排出口26fは、第3供給管33により、EGRバルブ20と吸気管12bへの接続部との間のEGR管19に接続される。また空気分離器26の酸素富化ガス排出口26gは第4供給管94によりオゾン発生器86の酸素富化ガス導入口86aに接続され、オゾン発生器86のオゾン排出口86bにはオゾン供給管88の基端が接続される。更に基端が第3供給管33の途中から分岐するパージ管84の先端がドライヤ24のパージガス導入口24gに接続され、ドライヤ24のパージガス排出口24hにはドレン管85の一端が接続される。なお、図7中の符号96は富化ガス生成及びオゾン発生装置82を収容する筐体であり、図7中の符号97,98はオゾン発生器86を冷却するファンである。また、空気用コンプレッサ23とドライヤ24との間の第1供給管31には、第1の実施の形態と同様に、エアタンク41が設けられる。
図6に戻って、温度センサ57、NOxセンサ58、ブースト圧センサ59及び吸入空気量センサ62の各検出出力はコントローラ63の制御入力に接続され、コントローラ63の制御出力はEGRバルブ20、空気用コンプレッサ23、窒素富化ガス用コンプレッサ34、窒素富化ガス流量調整弁35、パージ流量調整弁39、還元剤ポンプ51、還元剤圧力調整弁53、還元剤開閉弁54及びオゾン発生器86にそれぞれ接続される。コントローラ63にはメモリ64が設けられる。このメモリ64には、選択還元型触媒43入口の排ガス温度、排ガス中のNOx濃度及び吸気管に流入する空気量に応じた、EGRバルブ20の開度、窒素富化ガス用コンプレッサ34の作動の有無、窒素富化ガス流量調整弁35の開度、還元剤ポンプ51の作動の有無、還元剤圧力調整弁53の作動の有無、還元剤用開閉弁54の単位時間当たりの開閉回数、オゾン発生器86の作動の有無が予めマップとして記憶される。またメモリ64には、ターボ過給機17により過給された吸気のブースト圧に応じた、窒素富化ガス用コンプレッサ34の回転速度が予めマップとして記憶される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成された排ガス浄化装置の動作を説明する。エンジン11を始動すると、コントローラ63は、温度センサ57、NOxセンサ58、ブースト圧センサ59及び吸入空気量センサ62の各検出出力を取込み、これらの検出出力をメモリ64に記憶されたマップと比較して、EGRバルブ20を所定の開度で開き、富化ガス生成装置22の空気用コンプレッサ23を作動させ、パージ流量調製弁39を所定の開度で開き、窒素富化ガス用コンプレッサ34を所定の回転速度で作動させ、窒素富化ガス流量調整弁35を所定の開度で開くとともに、オゾン発生器を作動させる。空気用コンプレッサ23が作動すると、大気中の空気が圧縮されてエアタンク41に貯留される。この空気はドライヤ24で水蒸気(水分)が除去されて乾燥し、この乾燥した空気は空気分離器26で酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスに分離される。空気分離器26で分離された窒素富化ガスの一部は窒素富化ガス用コンプレッサ34により第3供給管33を通ってEGR管19に供給される。そして上記窒素富化ガスの一部はEGR管19を流れる排ガスと混合されてEGRガスとなる。このEGRガスに含まれる酸素濃度及び水分量は極めて低いため、このEGRガスがエンジン11に供給されると、このエンジン11から排出される排ガス中のNOxを効率良く低減できる。また上記EGRガスに含まれる酸素濃度及び水分量は極めて低いため、エンジン11内部の腐食等を防止できるとともに、EGRクーラ21の小型化を図ることができる。
空気分離器26で分離された窒素富化ガスの残部はパージ管84を通ってパージガス導入口24gからドライヤ24に供給される。この窒素富化ガスの残部をドライヤ24に供給することにより、ドライヤ24で分離された水分であるドレン水が押出され、ドレン管85を通って大気に排出される。このように窒素富化ガスのうちEGRガスとして用いられずに余った窒素富化ガスを用いて、ドライヤ24が再生されるので、ドライヤ24を効率良く再生できる。また空気用コンプレッサ23により圧縮された空気を、ドライヤ24を再生するために直接用いずに済むので、空気用コンプレッサ23により圧縮された空気の消費量を抑制できる。この結果、空気用コンプレッサ23の吐出容量を低減できるので、空気用コンプレッサ23の小型化を図ることができる。なお、ドレン管85を通った窒素富化ガスを直接大気に排出したのは、この窒素富化ガスは可燃性を有しないからである。
一方、空気分離器26で分離された酸素富化ガスはオゾン発生器86に供給され、酸素富化ガス中の酸素の一部がオゾン発生器86でオゾンに変換され、このオゾンはオゾン供給手段87のオゾン供給管88を通ってオゾン噴射ノズル81に供給される。このオゾン噴射ノズル81に供給されたオゾンはオゾン噴射ノズル81から排気管13bに噴射される。そして、このオゾンにより、排ガス中のNOの一部がNO2に次の式(1)に示すように酸化される。このNO2は、排ガス温度が200〜250℃の範囲内にあるとき、選択還元型触媒43において還元剤45(ガス化した燃料や、後述するアルデヒド又はアルコールのいずれか一方又は双方を含む含酸素系炭化水素からなる活性還元剤)との反応性が高くなる性質を有する。
3+NO → O2+NO2 ……(1)
また、還元剤ポンプ51が駆動され、還元剤圧力調整弁53がオンし、還元剤用開閉弁54が開閉されると、還元剤45が還元剤供給管48を通って排気管13bに間欠的に噴射される。この排気管13bに供給された還元剤45は、オゾン発生器86で発生しオゾン供給手段87により排気管13bに供給されたオゾンにより、アルデヒド又はアルコールのいずれか一方又は双方を含む含酸素系炭化水素からなる活性還元剤に部分酸化される。この活性還元剤は、排ガス温度が250〜500℃の範囲内にあるとき、選択還元型触媒43において排ガス中のNOx(NO及びNO2)をN2に還元するNOx還元剤としての反応性を高める機能を有する。ここで、アルデヒドとしては、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等が挙げられ、アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。なお、オゾン中の酸素原子は、反応性が高いため、軽油等の燃料と反応した場合に、炭化水素の部分酸化物(アルデヒド、アルコール等)等の含酸素系炭化水素を生成する。
排ガス温度が200〜250℃の範囲内にあるとき、コントローラ63は、空気用コンプレッサ23及びオゾン発生器86をそれぞれ制御して、比較的少量のオゾンを排気管13bに供給する。またコントローラ63は、還元剤用開閉弁54の開閉間隔又は開閉時間等を制御して、比較的少量の還元剤45を排気管13bに供給する。オゾンによりNOの一部がNO2に酸化されたNOxと、比較的少量のガス化した燃料と、オゾンにより部分酸化された比較的少量のアルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤とが、選択還元型触媒43に供給されると、NOx中のNO2が還元剤45(ガス化した燃料や、アルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤)と比較的活発に反応してN2に還元される。
排ガス温度が200〜250℃の範囲内において上昇すると、コントローラ63は、空気用コンプレッサ23及びオゾン発生器86をそれぞれ制御して、オゾンの排気管13bへの供給量を増大させる。またコントローラ63は、還元剤用開閉弁54の開閉間隔又は開閉時間等を制御して、還元剤45の排気管13bへの供給量を増大させる。オゾン供給量の増加により増量されたNO2を含むNOxと、比較的少量のガス化した燃料と、オゾン供給量の増加により増量されたアルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤とが、選択還元型触媒43に供給されると、NOx中のNO2が還元剤45(ガス化した燃料や、アルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤)と活発に反応してN2に還元され、排ガス温度の上昇に伴って、排ガス中のNOxの低減率が急激に向上する。
排ガス温度が250〜500℃の範囲内になると、コントローラ63は、空気用コンプレッサ23及びオゾン発生器86をそれぞれ制御して、オゾンの排気管13bへの供給量を排ガス温度200〜250℃の場合より若干減少させる。またコントローラ63は、還元剤用開閉弁54の開閉間隔又は開閉時間を制御して、還元剤45の排気管13bへの供給量を排ガス温度200〜250℃の場合と同程度とする(但し、排ガス流量に応じて変化させる。)。ここで、オゾンの排気管13bへの供給量を若干減少させるのは、排ガス温度が250〜500℃と高くなると、オゾンが熱分解し易くなるため、高温の排気管13bにオゾンを供給しても、オゾンにより排ガス中のNOの一部がNO2に酸化され難くなるとともに、オゾンにより還元剤45がアルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤に部分酸化され難くなるからである。オゾンによるNOの一部の酸化により得られるNO2を僅かに含むNOxと、僅かなアルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤と、オゾンによりアルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤に部分酸化されずにガス化した比較的多量の燃料とが、選択還元型触媒43に供給されると、NOx中のNO2が還元剤45(ガス化した燃料や、アルデヒド等の含酸素系炭化水素からなる活性還元剤)と反応してN2に還元されるけれども、排ガス温度の上昇に伴って、排ガス中のNOxの低減率が徐々に減少する。この結果、排ガス温度が200〜500℃の広い温度範囲にわたって排ガス中のNOxを比較的効率良く低減できる。
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、本発明の排ガス浄化装置をディーゼルエンジンに適用したが、本発明の排ガス浄化装置をガソリンエンジンに適用してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、本発明の排ガス浄化装置をターボ過給機付ディーゼルエンジンに適用したが、本発明の排ガス浄化装置を自然吸気型ディーゼルエンジン又は自然吸気型ガソリンエンジンに適用してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、EGR管により排気マニホルドと吸気管とを接続したが、EGR管により排気管と吸気管又は吸気マニホルドとを接続したり、或いはEGR管により排気マニホルドと吸気マニホルドとを接続してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、コンプレッサとドライヤとの間にエアタンクを設けたが、酸素富化ガス及び窒素富化ガスの流量が急激に変化しない場合には、エアタンクを設けなくてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態において、エアタンクとドライヤとの間にミストセパレータを設けてもよい。このミストセパレータにより空気に含まれる塵埃や水滴等が捕集される。また、上記第1及び第2の実施の形態では、還元剤圧力の調整を三方弁である還元剤圧力調整弁により行ったが、還元剤圧力調整弁を用いずに、還元剤用開閉弁の開閉時間の調整と還元剤ポンプの作動の有無により行ってもよい。また、上記第2の実施の形態では、オゾン噴射ノズルをNOxセンサと還元剤噴射ノズルとの間の排気管に設けたが、オゾン噴射ノズルを還元剤噴射ノズルと選択還元型触媒との間の排気管に設けてもよい。更に、上記第2の実施の形態では、オゾン発生器として無声放電型のものを用いたが、オゾン発生器として沿面放電型のもの、空気に紫外線を放射してオゾンを発生する方式のもの、水を電気分解してオゾンを発生する方式のもの等を用いてもよい。
更に、上記第1及び第2の実施の形態では、還元剤として軽油(燃料)を用いたが、還元剤として尿素水を用いてもよい。この場合、選択還元型触媒はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に、ゼオライト又はジルコニアをコーティングして構成される。ゼオライトとしては、銅ゼオライト、鉄ゼオライト、亜鉛ゼオライト、コバルトゼオライト等が挙げられる。銅ゼオライトからなる選択還元型触媒は、銅をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。また鉄ゼオライト、亜鉛ゼオライト又はコバルトゼオライトからなる選択還元型触媒は、鉄、亜鉛又はコバルトをイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にそれぞれコーティングして構成される。更にジルコニアからなる選択還元型触媒は、ジルコニアを担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。
11 ディーゼルエンジン(エンジン)
12 吸気通路
13 排気通路
19 EGR管
20 EGRバルブ
23 空気用コンプレッサ
24 ドライヤ
26 空気分離器
26a 酸素富化膜
36 窒素富化ガス供給手段
40,83 パージ手段
43 選択還元型触媒
45 還元剤
46 還元剤供給手段
47 還元剤噴射ノズル
81 オゾン噴射ノズル
86 オゾン発生器
87 オゾン供給手段
90 オゾン

Claims (2)

  1. エンジン(11)の排気通路(13)と吸気通路(12)を前記エンジン(11)をバイパスして接続し前記エンジン(11)の排ガスの一部をEGRガスとして前記排気通路(13)から前記吸気通路(12)に還流するEGR管(19)と、前記EGR管(19)に設けられ前記EGR管(19)を流れる前記EGRガスの流量を調整するEGRバルブ(20)とを備えた排ガス浄化装置において、
    空気を圧縮する空気用コンプレッサ(23)と、
    前記空気用コンプレッサ(23)により圧縮された空気に含まれる水分を捕集してこの空気を乾燥させるドライヤ(24)と、
    前記ドライヤ(24)により乾燥された空気を酸素濃度の高い酸素富化ガスと窒素濃度の高い窒素富化ガスとに分離する空気分離器(26)と、
    前記空気分離器(26)で分離された窒素富化ガスを前記EGR管(19)に供給する窒素富化ガス供給手段(36)と
    前記空気分離器(26)で分離された前記酸素富化ガスの一部を用いて前記ドライヤ(24)内の水分を除去するパージ手段(40,83)
    を備えた排ガス浄化装置。
  2. 前記空気分離器(26)が酸素富化膜(26a)を有し、前記酸素富化ガスは前記ドライヤ(24)により乾燥された空気が前記酸素富化膜(26a)を通過することにより生成され、前記窒素富化ガスは前記ドライヤ(24)により乾燥された空気が前記酸素富化膜(26a)を通過せずに素通りすることにより生成される請求項1記載の排ガス浄化装置。
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