この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置の冷媒回路図である。
この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置の制御ブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を表す図である。
この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態2に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を表す図である。
この発明の実施の形態2に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態2に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置の冷媒回路図である。
この発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置の制御ブロック図である。
この発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を表す図である。
この発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置の冷媒回路の構成を示す図である。
この発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置の冷媒回路図である。
この発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置の制御ブロック図である。
この発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を表す図である。
この発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る冷凍空調装置の好適な実施の形態について図を参照して説明する。なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されることはない。
実施の形態1.
図1〜5は本発明を実施するための実施の形態1における冷凍空調装置を示す図であり、図1は実施の形態1に係る冷凍空調装置の冷媒回路の構成を示すもの、図2は実施の形態1に係る冷凍空調装置の制御構成を示すもの、図3は実施の形態1に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を示すもの、図4、5は実施の形態1に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。なお、本形態では、本発明を空冷式インバータ二段冷凍空調装置に適用した場合について説明する。
図1〜3に基づいて、実施の形態1に係る冷凍空調装置の構成について説明する。
図1、2に示すように、実施の形態1に係る冷凍空調装置1は、冷凍機2と外部コントローラ3(図1には図示せず)を備え、冷凍機2は、圧縮機4と、油分離器5と、凝縮器6と、中間冷却器7と、主膨張弁8と、ユニットクーラ9と、それぞれを順次環状接続する主流配管10と、油分離器5の出口からバイパスしユニットクーラ9へ連絡するホットガスバイパス配管11と、圧縮機4および凝縮器6などの動作を制御する制御部12(図1には図示せず)とを備えている。
圧縮機4は、圧縮機4を駆動させる圧縮機モータ(図示せず)を備え、主流配管10から流入される冷媒を高温高圧の状態にまで圧縮し高温高圧な冷媒ガスにするインバータ駆動二段圧縮機であり、圧縮機容量調整手段である圧縮機駆動用インバータ13(図1には図示せず)および、圧縮機モータの電流値を検出する圧縮機電流検出手段14が接続されている。また、圧縮機4の出口側の主流配管10には、圧縮機4から吐出される冷媒ガスの圧力を検出する高圧圧力検出手段15および圧縮機4から吐出される冷媒ガスの温度を検出する吐出ガス温度検出手段16が設けられている。
また、圧縮機4のモータ室(図示せず)には、中間冷却器7と主膨張弁8とを接続する主流配管10からバイパスされモータ冷却用膨張弁17を有する、モータ冷却用配管18が接続されている。モータ冷却用配管18は、自身の配管内を流れる冷媒をモータ冷却用膨張弁17を介して減圧膨張させ、比較的低温の冷媒二相流にして流し、圧縮機4のモータ巻線(図示せず)を冷却している。
油分離器5は、圧縮機4にて圧縮された冷媒ガスを冷媒ガスと冷凍機油とに分離する装置であり、油分離器5の底部には、油冷却器19を介して圧縮機4と接続する油戻し配管20が接続されている。
油冷却器19は冷凍機油を冷却する装置であり、油戻し配管20および油冷却用配管21に接続されている。油冷却用配管21は、中間冷却器7と主膨張弁8を接続する主流配管10からバイパスし油冷却用膨張弁22を介して圧縮機4の中間室(図示せず)に接続された配管であり、油冷却用配管21内を流れる比較的低温な冷媒二相流と油戻し配管20内を流れる冷凍機油と熱交換させることで、冷凍機油を冷却させている。
凝縮器6は、凝縮器冷却手段であり凝縮器6本体に外気を送風する凝縮器ファン23および凝縮器ファン駆動用インバータ24(図1には図示せず)が設けられ、主流配管10から凝縮器6本体に流入される高温高圧の冷媒ガスを凝縮器ファン23から供給される空気と熱交換させ放熱させることで凝縮させ冷媒液にする熱交換器である。
中間冷却器7は、主流配管10から流入される冷媒液を過冷却状態まで冷却させる装置であり、主流配管10と中間冷却用配管25に接続されている。中間冷却用配管25は、中間冷却器7と主膨張弁8を接続する主流配管10からバイパスし中間冷却用膨張弁26を介して圧縮機4の中間室(図示せず)に接続された配管であり、中間冷却用配管25内を流れる比較的低温な冷媒二相流と主流配管10を流れる冷媒液と熱交換させることで、冷媒液を冷却している。
ユニットクーラ9は、冷凍庫27内に備えられ、主流配管10から流入される主膨張弁8により減圧膨張され比較的低温になった冷媒二相流を被冷却物である庫内空気と熱交換させ、庫内空気を冷媒二相流に吸熱させることで庫内を冷却させる蒸発器(熱交換器)である。このとき、熱交換された冷媒液は蒸発して冷媒ガスとなって主流配管10を介して圧縮機4に流れ、冷凍サイクル運転が完了する。また、ユニットクーラ9の出口側の主流配管10には、ユニットクーラ9から吐出される冷媒ガスの温度を検出するユニットクーラ出口ガス温度検出手段28が設けられている。
ホットガスバイパス配管11は、油分離器5と空冷凝縮器6とを接続する主流配管10からバイパスし主膨張弁8とユニットクーラ9とを接続する主流配管10に接続されたバイパス配管であり、油分離器5から排出される高温高圧な冷媒ガスの熱をユニットクーラ9にて放熱することで、ユニットクーラ9の表面に成長した霜の融解をおこなう。放熱された冷媒ガスは圧縮機4へ吸込まれ、デフロストサイクルが完結する。
また、ホットガスバイパス配管11は、ホットガスバイパス配管11内を流れる高温高圧な冷媒ガスの流入を制御するホットガス電磁弁29を備えており、ホットガス電磁弁29の開閉によってユニットクーラ9への冷媒ガスの流入が制御される。ホットガス電磁弁29は、冷却運転時は閉弁され、ホットガス電磁弁29を流れる冷媒ガスはゼロであり、油分離器5からの冷媒ガスがホットガスバイパス配管11を経由してユニットクーラ9へ流れることはない。
制御部12は、冷凍機2の冷却負荷、温度、圧力、外気温度等に応じて圧縮機4の運転状態をフィードバック制御しており、また、圧縮機電流検出手段14、高圧圧力検出手段15、吐出ガス温度検出手段16で測定された検出結果に応じて圧縮機4への過負荷が回避されるよう圧縮機4の回転数及び凝縮器ファン23の回転数を制御している。
外部コントローラ3は、冷凍機2の制御部12に接続され、圧縮機4の運転時間の測定をおこなうとともに、ユニットクーラ出口ガス温度検出手段28により検出された冷媒ガスの温度を検知し、圧縮機4の積算運転時間や冷媒ガスの温度に応じて制御部12にデフロスト運転の開始/終了の指令を出す装置である。
次に、図1に基づいて、実施の形態1に係る冷凍空調装置の冷却運転時の動作について説明する。
冷凍空調装置1のユニットクーラ9は、冷凍庫27に備えられ、冷却運転を開始すると、主流配管10を流れる冷媒が、圧縮機4によって高温高圧の状態まで圧縮され、高温高圧な冷媒ガスとなる。その後、油分離器5に流入し、圧縮機4にて圧縮された冷媒ガスを冷媒ガスと冷凍機油とに分離する。分離された冷媒ガスは凝縮器6に流入し、放熱されることで凝縮され冷媒液となる。
凝縮器6にて冷媒液となった冷媒は、中間冷却器7で冷却された後、主膨張弁8を通って比較的低温な冷媒二相流となり、ユニットクーラ9に流入する。ユニットクーラ9に流入した冷媒二相流は、庫内空気から吸熱し蒸発して冷媒ガスとなる。ここで、低温低圧の冷媒液が庫内空気から吸熱することで庫内空気が冷却され、冷凍庫27内が冷却される。
その後、ユニットクーラ9にて蒸発し冷媒ガスとなった冷媒は、主流配管10を通って圧縮機4へ流入し、冷凍サイクル運転を繰返す。
次に、図1〜5に基づいて、実施の形態1に係る冷凍空調装置のデフロスト運転時の動作について説明する。
はじめにデフロスト運転時の、圧縮機4の負荷判定及び圧縮機4の負荷制御動作について説明する。
制御部12は、圧縮機4および凝縮器ファン23に対して、あらかじめ、圧縮機4にかかる負荷の程度に応じた、ホットガス生成動作を複数定めている。
圧縮機4の負荷の程度に応じて定められた圧縮機4のホットガス生成動作は、圧縮機回転数増速動作、圧縮機回転数増速禁止動作、圧縮機回転数減速動作の3種類である。圧縮機4の負荷の程度に応じて定められた凝縮器ファン23のホットガス生成動作は、凝縮器ファン回転数減速動作、凝縮器ファン回転数減速禁止動作、凝縮器ファン回転数増速動作の3種類である。
制御部12は、圧縮機電流検出手段14、高圧圧力検出手段15、吐出ガス温度検出手段16によって検出された値に基づいて圧縮機4の負荷状態を判断し、判断された負荷状態に合わせて、圧縮機4の負荷の程度に応じてあらかじめ定めた圧縮機4および凝縮器ファン23のホットガス生成動作を組み合わせて動作させる。制御部12による圧縮機4の負荷判定方法の詳細について以下に説明する。
制御部12は、圧縮機電流検出手段14、高圧圧力検出手段15、吐出ガス温度検出手段16によって検出された値に基づいて圧縮機4の負荷状態を判断し、圧縮機の負荷判定をおこなっている。
図3に示すように、圧縮機4の負荷状態は、圧縮機電流検出手段14、高圧圧力検出手段15、吐出ガス温度検出手段16にあらかじめ設定された5つの負荷判定値(第1〜5所定値)によって6つに区分され、負荷検出手段による検出値が第1所定値未満の場合は軽負荷状態、第1所定値以上第2所定値未満の場合は小負荷状態、第2所定値以上第3所定値未満の場合は中負荷状態、第3所定値以上第4所定値未満の場合は大負荷状態、第4所定値以上第5所定値未満の場合は重負荷状態、第5所定値以上の場合は過負荷状態に区分される。
ここで、過負荷状態とは圧縮機4に損傷をあたえるおそれのある許容限界値に近い負荷がかかっている状態であり、小負荷状態、中負荷状態、大負荷状態、重負荷状態とは、過負荷状態になる前の許容範囲内の負荷がかかっている状態である。また、各負荷判定値の大小関係は、第1所定値<第2所定値<第3所定値<第4所定値<第5所定値となる関係である。
制御部12は検出した負荷検出結果に基づいて圧縮機4の負荷状態を判断し、判断された負荷状態に合わせて、圧縮機4の負荷の程度に応じてあらかじめ定めた圧縮機4および凝縮器ファン23のホットガス生成動作を組み合わせて動作させる。
圧縮機4が軽負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の減速動作及び圧縮機回転数の増速動作を組み合わせ、圧縮機4の能力制限をおこなわず最大限の除霜能力がでるよう動作させる。
圧縮機4が小負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の減速禁止動作及び圧縮機回転数の増速動作を組み合わせ、中負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速動作及び圧縮機回転数の増速動作を組み合わせ、大負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速動作及び圧縮機回転数の増速禁止動作を組み合わせ、圧縮機4の負荷の程度を抑制させる負荷制御動作をおこなって圧縮機4の負荷の程度を抑制させつつデフロストを継続させる。
圧縮機4が重負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速動作及び圧縮機回転数の減速動作を組み合わせ、圧縮機4の過負荷を回避させる負荷制御動作を最大限におこなって圧縮機4の過負荷を回避させる。
圧縮機4が過負荷状態の場合は、冷凍機2の運転を保護動作によって非常停止させ凝縮器ファン及び圧縮機の強制停止をおこなわせる。
圧縮機4の負荷状態を判断する5つの負荷判定値(第1〜5所定値)は、圧縮機電流検出手段14、高圧圧力検出手段15、吐出ガス温度検出手段16ごとに定められ、例えば、吐出ガス温度検出手段16においては、R404A冷媒を用いた場合、第1所定値は78℃、第2所定値は82℃、第3所定値は86℃、第4所定値は90℃、第5所定値は100℃である。
また、圧縮機4の負荷状態の判断は、圧縮機電流検出手段14、高圧圧力検出手段15、吐出ガス温度検出手段16で検出された各々の負荷検出結果が該当する負荷状態のうち、圧縮機4への負荷の程度が最も高い負荷状態を現在の負荷状態として判断される。
次に、図4、5のフローチャートに基づいて本実施の形態1に係る冷凍空調装置1のデフロスト運転動作について詳細に説明する。
なお、以下に説明するデフロスト運転動作は、圧縮機4から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第5所定値未満の、異常高圧圧力ではない場合の動作である。圧縮機4から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第5所定値以上の値に達した場合の動作は、圧縮機4から吐出される冷媒ガスの温度や圧縮機モータの電流値が第5所定値以上の値に達した場合とは異なり、高圧遮断装置(図示せず)によって機械的に圧縮機4との接点を切断し圧縮機4の運転を非常停止させることでデフロスト運転が中止される動作であり、制御部12による制御動作が行われることはない。
冷凍空調装置1の冷却運転開始から圧縮機4の積算運転時間が所定時間を経過すると、外部コントローラ3はデフロスト運転を開始するよう制御部12に指示を出す。ここでいう所定時間とは、冷却運転の継続によりユニットクーラ9に着霜が発生したと判断される時間であり、あらかじめ設定された時間である。
図4に示すように、制御部12は外部コントローラ3よりデフロスト運転開始の指示を受けると、圧縮機電流検出手段14によって検出された電流値(Pi)および吐出ガス温度検出手段16によって検出された温度値(Pt)と圧縮機4の負荷状態を判断する第5所定値とを比較する(ステップS1)。
その結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)のうち少なくともひとつが第5所定値以上の場合は、圧縮機4を過負荷状態と判断し、保護動作をおこなって冷凍空調装置1の運転を非常停止させてデフロスト運転を中止させ(ステップS2)、圧縮機4および凝縮器ファンの動作を停止させる(ステップS3)。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)の両方が第5所定値未満の場合、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)および高圧圧力検出手段15によって検出された電圧値(Pp)と第1所定値との比較をおこなう(ステップS4)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第1所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第1所定値未満の場合は軽負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン23および圧縮機4に凝縮器ファン回転数の減速及び圧縮機回転数の増速をおこなう指示を出す(ステップS5)。
これにより、圧縮機が軽負荷状態のときは圧縮機回転数の増速および凝縮器ファン回転数を減速させることで、圧縮機の能力制限をおこなわず高圧圧力を最大限に上昇させ高温多量のホットガスを効率よく生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第1所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第2所定値との比較をおこなう。(ステップS6)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第2所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第1所定値以上第2所定値未満の場合は小負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン23および圧縮機4に凝縮器ファン回転数の減速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の増速の何れかの動作のみ可能)及び圧縮機回転数の増速をおこなう指示を出す(ステップS7)。
これにより、圧縮機が小負荷状態のときは圧縮機回転数を増速させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、凝縮器ファン回転数を制限し高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第2所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第3所定値との比較をおこなう。(ステップS8)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第3所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第2所定値以上第3所定値未満の場合は中負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機回転数の増速をおこなう指示を出す(ステップS9)。
これにより、圧縮機が中負荷状態のときは、圧縮機回転数を増速させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、凝縮器ファン回転数を増速させより効率よく高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第3所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第4所定値との比較をおこなう。(ステップS10)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第4所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第3所定値以上第4所定値未満の場合は大負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機回転数の増速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の減速の何れかの動作のみ可能)をおこなう指示を出す(ステップS11)。
これにより、圧縮機が大負荷状態のときは凝縮器ファン回転数を増速させ高圧上昇を抑制しつつ、圧縮機回転数の増速を禁止させさらに高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第4所定値以上第5所定値未満の場合は重負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機回転数の減速をおこなう(ステップS12)。
これにより、圧縮機が重負荷状態のときは凝縮器ファン回転数を増速させ高圧上昇を抑制しつつ圧縮機回転数を減速させ高圧上昇をさらに抑制することで、最も効率よく圧縮機への過負荷を回避させることができる。
その後、図5に示すように、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力になったか否かを判断し(ステップS13)、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力のいずれかになった場合、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁する指示を出す(ステップS15)。なお、ここでいう所望の温度、所望の圧力とは、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させるのに適した温度、圧力のことをさす。
また、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達していない場合には、デフロスト開始から所定時間(T)経過したか否かを判断し(ステップS14)、所定時間(T)を経過した場合は、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁させる指示を出す(ステップS15)。これは、所望の温度もしくは圧力に到達していない場合でも所定時間経過すればホットガス電磁弁を開き、ユニットクーラ9表面に成長した霜を少しでも融解させるためである。
また、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達しておらずデフロスト開始からの経過時間が所定時間(T)を経過していない場合は、所定時間(T)が経過するまで圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達したか否かの判断を何度も繰返す。
ホットガス電磁弁29が開弁されると、高温高圧になった冷媒ガスがホットガスバイパス配管11を通ってユニットクーラ9へ流入し、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させる。
その後、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入は、制御部12が外部コントローラ3からのデフロスト完了信号を受信するまで続き(ステップS16)、デフロスト完了信号が受信されない場合は、圧縮機4の負荷状態の悪化を避けるため、ステップS1へ戻り、引き続き負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)に基づいた圧縮機4の負荷状態を判断し、負荷状態ごとに異なった制御を行う。
そして、制御部12が外部コントローラ3からの信号を受信した場合、デフロスト運転を終了させ(ステップS17)、ホットガス電磁弁29を閉弁し(ステップS18)、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入を止め、凝縮器ファン23及び圧縮機4の回転を停止させる(ステップS19)。
なお、ここでいうデフロスト完了信号とは、ユニットクーラ9から吐出された冷媒ガスの温度が所定時間の間所定温度に達した場合に外部コントローラ3から発信される信号のことをさし、所定温度とは、デフロストの継続によりユニットクーラ9の着霜が解消したと判断される温度で、あらかじめ設定された温度のことをさす。
以上のように、圧縮機の負荷制御動作として、凝縮器ファンと圧縮機による回転数の増減速のみならず、増速禁止、減速禁止といった制限動作を設け、圧縮機への負荷の程度に応じた負荷制御動作を凝縮器ファンおよび圧縮機においてでそれぞれ複数階層設定し、凝縮器ファンと圧縮機とで異なる階層の負荷制御動作を組み合わせることにより、負荷制御動作をより多くの階層に細分化させ、圧縮機の負荷の程度に応じたより細かい制御をおこなうことができるので、除霜能力の極端な低下を抑制するとともに、デフロスト運転制御による回転数制御と回避制御による回転数制御の競合に伴うハンチングを防止することができる。
よって、本実施の形態によれば、回転数制御の競合に伴うハンチングおよび圧縮機の過負荷を回避できると共に、除霜能力を極端に低減させずにデフロストを短時間で完了させることのできる冷凍空調装置及びその制御装置を提供することができる。
実施の形態2
なお、実施の形態1では圧縮機の負荷を判定する負荷判定値を5つ設け6種類の負荷状態に応じた負荷制御動作をおこなう例を挙げたが、これに限らず、記憶装置(メモリ)の容量に合わせて負荷判定値の個数を変動させ負荷状態の種類を変更させても同様の効果が得られる。
図6〜8は実施の形態2を示す図であり、図6は実施の形態2に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を示すもの、図7、8は実施の形態2に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、圧縮機の負荷を判定する負荷判定値を5つから4つに減らした点および、それに伴い負荷制御動作を変更した点である。その他の構成については実施の形態1と同一または同等であり、図1,2を用いる。なお、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態2では、負荷検出手段による検出値が第6所定値未満の場合は圧縮機4の軽負荷状態、第6所定値以上第7所定値未満の場合は圧縮機4の小負荷状態、第7所定値以上第8所定値未満の場合は圧縮機4の中負荷状態、第8所定値以上第9所定値未満の場合は圧縮機4の大負荷状態、第9所定値以上の場合は圧縮機4の過負荷状態の5つに区分される。
ここで、過負荷状態とは圧縮機4に損傷をあたえるおそれのある許容限界値に近い負荷がかかっている状態であり、小負荷状態、中負荷状態、大負荷状態とは、過負荷状態になる前の許容内の負荷がかかっている状態である。また、各負荷判定値の大小関係は、第6所定値<第7所定値<第8所定値<第9所定値となる関係である。
制御部12は、圧縮機4が軽負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の減速及び圧縮機回転数の増速、圧縮機4が小負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の減速禁止及び圧縮機回転数の増速禁止、圧縮機4が中負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機回転数の増速禁止、圧縮機4が大負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機回転数の減速をおこない、圧縮機4が過負荷状態の場合は、制御部12による保護動作をおこない、冷凍空調装置1の運転を停止させる。
次に、図7、8のフローチャートに基づいて本実施の形態2に係る冷凍空調装置1のデフロスト運転動作について詳細に説明する。
なお、以下に説明するデフロスト運転動作は、圧縮機4から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第9所定値未満の、異常高圧圧力ではない場合の動作である。圧縮機4から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第9所定値以上の値に達した場合の動作は、圧縮機4から吐出される冷媒ガスの温度や圧縮機モータの電流値が第9所定値以上の値に達した場合とは異なり、高圧遮断装置(図示せず)によって機械的に圧縮機4との接点を切断し圧縮機4の運転を非常停止させることでデフロスト運転が中止される動作であり、制御部12による制御動作が行われることはない。
冷凍空調装置1の冷却運転開始から圧縮機4の積算運転時間が所定時間を経過すると、外部コントローラ3はデフロスト運転を開始するよう制御部12に指示を出す。ここでいう所定時間とは、冷却運転の継続によりユニットクーラ9に着霜が発生したと判断される、あらかじめ設定された時間である。
図7に示すように、制御部12は外部コントローラ3よりデフロスト運転開始の指示を受けると、圧縮機電流検出手段14によって検出された電流値(Pi)、および吐出ガス温度検出手段16によって検出された温度値(Pt)と圧縮機4の負荷状態を判断する第9所定値とを比較する(ステップS21)。
その結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)のうち少なくともひとつが第9所定値以上の場合は、圧縮機4を過負荷状態と判断し、保護動作をおこなって冷凍空調装置1の運転を非常停止させてデフロスト運転を中止させ(ステップS22)、圧縮機4および凝縮器ファンの動作を停止させる(ステップS23)。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)の両方が第9所定値未満の場合、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)および高圧圧力検出手段15によって検出された電圧値(Pp)と第6所定値との比較をおこなう(ステップS24)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第6所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第6所定値未満の場合は軽負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の減速及び圧縮機回転数の増速をおこなう指示を出す(ステップS25)。
これにより、圧縮機が軽負荷状態のときは圧縮機回転数の増速および凝縮器ファン回転数を減速させることで、圧縮機の能力制限をおこなわず高圧圧力を最大限に上昇させ高温多量のホットガスを効率よく生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第6所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第7所定値との比較をおこなう。(ステップS26)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第7所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第6所定値以上第7所定値未満の場合は小負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の減速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の増速の何れかの動作のみ可能)及び圧縮機回転数の増速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の減速の何れかの動作のみ可能)をおこなう指示を出す(ステップS27)。
これにより、圧縮機が小負荷状態のときは圧縮機回転数を増速させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、凝縮器ファン回転数を制限し高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第7所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第8所定値との比較をおこなう(ステップS28)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第8所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第7所定値以上第8所定値未満の場合は中負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機回転数の増速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の減速の何れかの動作のみ可能)をおこなう指示を出す(ステップS29)。
これにより、圧縮機が中負荷状態のときは、圧縮機回転数を増速させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、凝縮器ファン回転数を増速させより効率よく高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第8所定値以上第9所定値未満の場合は大負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機回転数の減速をおこなう(ステップS30)。
これにより、圧縮機が大負荷状態のときは凝縮器ファン回転数を増速させ高圧上昇を抑制しつつ、圧縮機回転数を減速させさらに高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
その後、図8に示すように、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力になったか否かを判断し(ステップS31)、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力のいずれかになった場合、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁する指示を出す(ステップS33)。なお、ここでいう所望の温度、所望の圧力とは、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させるのに適した温度、圧力のことをさす。
また、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達していない場合には、デフロスト開始から所定時間(T)経過したか否かを判断し(ステップS32)、所定時間(T)を経過した場合は、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁させる指示を出す(ステップS33)。これは、所望の温度もしくは圧力に到達していない場合でも所定時間経過すればホットガス電磁弁を開き、ユニットクーラ9表面に成長した霜を少しでも融解させるためである。
また、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達しておらずデフロスト開始からの経過時間が所定時間(T)経過していない場合は、所定時間(T)が経過するまで圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達したか否かの判断を何度も繰返す。
ホットガス電磁弁29が開弁されると、高温高圧になった冷媒ガスがホットガスバイパス配管11を通ってユニットクーラ9へ流入し、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させる。
その後、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入は、制御部12が外部コントローラ3からのデフロスト完了信号を受信するまで続き(ステップS34)、デフロスト完了信号が検知されない場合は、圧縮機4の負荷状態の悪化を避けるため、ステップS21へ戻り、引き続き負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)に基づいた圧縮機4の負荷状態を判断し、負荷状態ごとに異なった制御を行う。
そして、制御部12が外部コントローラ3からのデフロスト完了信号を受信した場合、デフロスト運転を終了させ(ステップS35)、ホットガス電磁弁29を閉弁し(ステップS36)、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入を止め、凝縮器ファン23及び圧縮機4の回転を停止させる(ステップS37)。
なお、ここでいうデフロスト完了信号とは、ユニットクーラ9から吐出された冷媒ガスの温度が所定時間の間所定温度に達した場合に外部コントローラ3から発信される信号のことをさし、所定温度とは、デフロストの継続によりユニットクーラ9の着霜が解消したと判断される温度で、あらかじめ設定された温度のことをさす。
以上のように、本実施の形態によれば、負荷判定値を5つから4つへ減じたことで、所定値の設定が容易となるだけでなく、マイコン基板等に搭載される記憶装置(メモリ)の消費量を抑制できる効果を奏する。
また、実施の形態1と同様に、圧縮機への負荷の程度に応じた凝縮器ファンと圧縮機の負荷制御動作を、回転数の増減速のみならず、回転数の増速禁止、減速禁止といった制限動作を加えて、それぞれ複数階層設定するとともに、それを圧縮機の負荷の程度に応じて、凝縮器ファンと圧縮機とで異なる階層の負荷制御動作を組み合わせることにより、圧縮機の負荷の程度に応じた細かい制御をおこなうことができ、回転数制御の競合に伴うハンチングおよび圧縮機の過負荷を回避できると共に、除霜能力を極端に低減させずにデフロストを短時間で完了させることのできる冷凍空調装置及びその制御装置を提供することができる。
実施の形態3
なお、実施の形態1ではインバータ駆動二段圧縮機を備えた冷凍空調装置に本発明を適用させた例を挙げたが、これに限らず、機械式容量制御手段を内蔵する一定速圧縮機を備えた冷凍空調装置に本発明を適用させても同様の効果が得られる。
図9〜13は実施の形態3を示す図であり、図9は実施の形態3に係る冷凍空調装置の冷媒回路の構成を示すもの、図10は実施の形態3に係る冷凍空調装置の制御構成を示すもの、図11は実施の形態3に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を示すもの、図12、13は実施の形態3に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この実施の形態3が実施の形態1と異なるのは、圧縮機がインバータ駆動二段圧縮機ではなく、機械式容量制御手段を内蔵する一定速圧縮機である点である。その他の構成については実施の形態1と同一または同等である。なお、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すように、制御部12は、圧縮機30が軽負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の減速及び圧縮機容量の増大、圧縮機30が小負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の減速禁止及び圧縮機容量の増大、圧縮機30が中負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機容量の増大をおこなう。
また、圧縮機30が大負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機容量の増大禁止、圧縮機30が重負荷状態の場合は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機容量の減少をおこない、圧縮機30が過負荷状態の場合は、制御部12による保護動作をおこない、冷凍空調装置1の運転を停止させる。
次に、図12、13に基づいてのフローチャートに基づいて本実施の形態3に係る冷凍空調装置1のデフロスト運転時の動作について詳細に説明する。
なお、以下に説明するデフロスト運転動作は、圧縮機30から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第5所定値未満の、異常高圧圧力ではない場合の動作である。圧縮機30から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第5所定値以上の値に達した場合の動作は、圧縮機30から吐出される冷媒ガスの温度や圧縮機モータの電流値が第5所定値以上の値に達した場合とは異なり、高圧遮断装置(図示せず)によって機械的に圧縮機30との接点を切断し圧縮機30の運転を非常停止させることでデフロスト運転が中止され、制御部12による制御動作は行われない。
冷凍空調装置1の冷却運転開始から圧縮機30の積算運転時間が所定時間を経過すると、外部コントローラ3はデフロスト運転を開始するよう制御部12に指示を出す。ここでいう所定時間とは、冷却運転の継続によりユニットクーラ9に着霜が発生したと判断される、あらかじめ設定された時間である。
図12に示すように、制御部12は外部コントローラ3よりデフロスト運転開始の指示を受けると、圧縮機電流検出手段14によって検出された電流値(Pi)、および吐出ガス温度検出手段16によって検出された温度値(Pt)と圧縮機30の負荷状態を判断する第5所定値とを比較する(ステップS41)。
その結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)のうち少なくともひとつが第5所定値以上の場合は、圧縮機30を過負荷状態と判断し、保護動作をおこなって冷凍空調装置1の運転を非常停止させてデフロスト運転を中止させ(ステップS42)、圧縮機30および凝縮器ファンの動作を停止させる(ステップS43)。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)の両方が第5所定値未満の場合、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)および高圧圧力検出手段15によって検出された電圧値(Pp)と第1所定値との比較をおこなう(ステップS44)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第1所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第1所定値未満の場合は軽負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の減速及び圧縮機容量の増大をおこなう指示を出す(ステップS45)。
これにより、圧縮機が軽負荷状態のときは圧縮機容量の増大および凝縮器ファン回転数を減速させることで、圧縮機の過負荷を回避させることなく高圧圧力を最大限に上昇させ高温多量のホットガスを効率よく生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第1所定値以上の場合は、圧縮機30の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第2所定値との比較をおこなう。(ステップS46)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第2所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第1所定値以上第2所定値未満の場合は小負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の減速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の増速の何れかの動作のみ可能)及び圧縮機容量の増大をおこなう指示を出す(ステップS47)。
これにより、圧縮機が小負荷状態のときは圧縮機容量を増大させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、凝縮器ファン回転数を制限し高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第2所定値以上の場合は、圧縮機30の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第3所定値との比較をおこなう。(ステップS48)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第3所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第2所定値以上第3所定値未満の場合は中負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機容量の増大をおこなう指示を出す(ステップS49)。
これにより、圧縮機が中負荷状態のときは、圧縮機容量を増大させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、凝縮器ファン回転数を増速させより効率よく高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第3所定値以上の場合は、圧縮機30の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第4所定値との比較をおこなう(ステップS50)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第4所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第3所定値以上第4所定値未満の場合は大負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機容量の増大禁止(現状容量数維持もしくは、容量の減少の何れかの動作のみ可能)をおこなう指示を出す(ステップS51)。
これにより、圧縮機が大負荷状態のときは凝縮器ファン回転数を増速させ高圧上昇を抑制しつつ、圧縮機容量の増大を禁止させさらに高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第4所定値以上第5所定値未満の場合は重負荷状態と判断し、制御部12は凝縮器ファン回転数の増速及び圧縮機容量の減少をおこなう(ステップS52)。
これにより、圧縮機が重負荷状態のときは凝縮器ファン回転数を増速させ高圧上昇を抑制しつつ圧縮機容量を減少させ高圧上昇をさらに抑制することで、最も効率よく圧縮機への過負荷を回避させることができる。
その後、図13に示すように、圧縮機30から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力になったか否かを判断し(ステップS53)、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力のいずれかになった場合、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁する指示を出す(ステップS55)。なお、ここでいう所望の温度、所望の圧力とは、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させるのに適した温度、圧力のことをさす。
また、圧縮機30から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達していない場合には、デフロスト開始から所定時間(T)経過したか否かを判断し(ステップS54)、所定時間(T)を経過した場合は、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁させる指示を出す(ステップS55)。これは、所望の温度もしくは圧力に到達していない場合でも所定時間経過すればホットガス電磁弁を開き、ユニットクーラ9表面に成長した霜を少しでも融解させるためである。
また、圧縮機30から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達しておらずデフロスト開始からの経過時間が所定時間(T)経過していない場合は、所定時間(T)が経過するまで圧縮機30から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達したか否かの判断を何度も繰返す。
ホットガス電磁弁29が開弁されると、高温高圧になった冷媒ガスがホットガスバイパス配管11を通ってユニットクーラ9へ流入し、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させる。
その後、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入は、制御部12が外部コントローラ3からのデフロスト完了信号を受信するまで続き(ステップS56)、デフロスト完了信号が検知されない場合は、圧縮機48の負荷状態の悪化を避けるため、ステップS41へ戻り、引き続き負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)に基づいた圧縮機30の負荷状態を判断し、負荷状態ごとに異なった制御を行う。
そして、制御部12が外部コントローラ3からのデフロスト完了信号を受信した場合、デフロスト運転を終了させ(ステップS57)、ホットガス電磁弁29を閉弁し(ステップS58)、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入を止め、凝縮器ファン23及び圧縮機30の回転を停止させる(ステップS59)。
なお、ここでいうデフロスト完了信号は、ユニットクーラ9から吐出された冷媒ガスの温度が所定時間の間、所定温度に達した場合に発信される信号のことをさし、所定温度とは、デフロストの継続によりユニットクーラ9の着霜が解消したと判断される、あらかじめ設定された温度のことをさす。
以上のように、本実施の形態によれば、冷凍空調装置の圧縮機が機械式容量制御手段を内蔵する一定速圧縮機であっても、実施の形態1、2と同様に、圧縮機動作において現在の容量を維持させる増大禁止動作、凝縮器ファンの動作において現状回転数を維持させる減速禁止動作を含む、圧縮機への負荷の程度に応じた負荷制御動作を、それぞれ複数階層設定するとともに、凝縮器ファンと圧縮機とで異なる階層の負荷制御動作を組み合わせることにより、圧縮機の負荷の程度に応じた細かい制御をおこなうことができ、圧縮機容量制御の競合に伴うハンチングおよび圧縮機の過負荷を回避できると共に、除霜能力を極端に低減させずにデフロストを短時間で完了させることのできる冷凍空調装置及びその制御装置を提供することができる。
実施の形態4
なお、実施の形態1では空冷式インバータ冷凍空調装置に本発明を適用させた例を挙げたが、これに限らず、水冷式インバータ冷凍空調装置に本発明を適用させた場合についても同様の効果が得られる。
図14〜18は実施の形態4を示す図であり、図14は実施の形態4に係る冷凍空調装置の冷媒回路の構成を示すもの、図15は実施の形態4に係る冷凍空調装置の制御構成を示すもの、図16は実施の形態4に係る冷凍空調装置の圧縮機の負荷判定値と圧縮機の負荷制御動作の関係を示すもの、図17、18は実施の形態4に係る冷凍空調装置のデフロスト運転動作を示すフローチャートである。
この実施の形態4が実施の形態1と異なるのは、実施の形態1の冷凍空調装置が空冷式インバータ機であるのに対して、実施の形態4の冷凍空調装置が水冷式インバータ機である点ある。その他の構成については実施の形態1と同一または同等である。なお、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図14に示すように、実施の形態4に係る冷凍空調装置1は、冷凍機2と外部コントローラ3(図14には図示せず)を備え、冷凍機2は、圧縮機4と、油分離器5と、水冷凝縮器31と、中間冷却器7と、主膨張弁8と、ユニットクーラ9と、それぞれを順次環状接続する主流配管10と、油分離器5の出口からバイパスしユニットクーラ9へ連絡するホットガスバイパス配管11と、圧縮機4および水冷凝縮器31などの動作を制御する制御部12(図14には図示せず)を備えている。
油分離器5は、圧縮機4にて圧縮された冷媒ガスを冷媒ガスと冷凍機油とに分離する装置であり、油分離器5の底部には、油冷却器19を介して圧縮機4と接続する油戻し配管20が接続されている。
油冷却器19は、冷凍機油を冷却する装置であり、主流配管10および油冷却用冷却水配管32に接続され、油冷却用冷却水配管32内を流れる冷却水と油戻し配管20内を流れる冷凍機油と熱交換させることで、冷凍機油を冷却させている。油冷却用冷却水配管32は、市水や工業用水の管路もしくは、別設備の冷却水配管に接続され、冷却水を流す配管である。油冷却用冷却水配管32内を流動する冷却水の流量は流量調整弁(図示せず)にて調整されている。
水冷凝縮器31は凝縮器用冷却水配管33を備え、水冷凝縮器31本体に流入される高温高圧の冷媒ガスを、凝縮器用冷却水配管33を流れる冷却水と熱交換させ放熱されることで凝縮させ冷媒液にする熱交換器である。凝縮器用冷却水配管33にはインバータによって駆動される冷却水ポンプ34が接続され、凝縮器用冷却水配管33内の冷却水を流動させている。
制御部12は、冷凍機2の冷却負荷、温度、圧力、外気温度等に応じて圧縮機4の運転状態をフィードバック制御しており、また、圧縮機電流検出手段14、高圧圧力検出手段15、吐出ガス温度検出手段16で測定された検出結果に応じて圧縮機4への過負荷が回避されるよう圧縮機4の回転数及び冷却水ポンプ34の回転数を制御している。
制御部12は検出した負荷検出結果に基づいて、圧縮機4の負荷の程度を制御する負荷制御動作をおこない、図16に示すように、圧縮機4が軽負荷状態の場合は冷却水ポンプ回転数の減速及び圧縮機回転数の増速、圧縮機4が小負荷状態の場合は冷却水ポンプ回転数の減速禁止及び圧縮機回転数の増速、圧縮機4が中負荷状態の場合は冷却水ポンプ回転数の増速及び圧縮機回転数の増速をおこなう。
また、圧縮機4が大負荷状態の場合は冷却水ポンプ回転数の増速及び圧縮機回転数の増速禁止、圧縮機4が重負荷状態の場合は冷却水ポンプ回転数の増速及び圧縮機回転数の減速をおこない、圧縮機4が過負荷状態の場合は、制御部12による保護動作をおこない、冷凍空調装置1の運転を停止させる。
また、外部コントローラ3は、冷凍機2の制御部12に接続され、圧縮機4の運転時間の測定をおこなうとともに、圧縮機4の積算運転時間や制御部12で測定された冷凍機2の冷媒温度に応じて制御部12にデフロスト運転の開始/終了の指令を出す装置である。
次に、図14に基づいて、実施の形態4に係る冷凍空調装置の冷却運転時の動作について説明する。
冷凍空調装置1は、冷却運転を開始すると、主流配管10を流れる冷媒が、圧縮機4によって高温高圧の状態まで圧縮され、高温高圧な冷媒ガスとなる。その後、油分離器5に流入し、圧縮機4にて圧縮された冷媒ガスを冷媒ガスと冷凍機油とに分離する。分離された冷媒ガスは水冷凝縮器31に流入し、放熱されることで凝縮させ冷媒液となる。
水冷凝縮器31にて冷媒液となった冷媒は、中間冷却器7で冷却された後、主膨張弁8を通って低温低圧な冷媒二相流となり、ユニットクーラ9に流入する。ユニットクーラ9に流入した冷媒二相流は、庫内空気から吸熱し蒸発して冷媒ガスとなる。ここで、低温低圧の冷媒液が庫内空気から吸熱することで庫内空気が冷却され、庫内が冷却される。
その後、ユニットクーラ9にて蒸発し冷媒ガスとなった冷媒は、主流配管10を通って圧縮機4へ流入し、冷凍サイクル運転を繰返す。
次に、図17、18のフローチャートに基づいて本実施の形態4に係る冷凍空調装置1のデフロスト運転動作について詳細に説明する。
なお、以下に説明するデフロスト運転動作は、圧縮機4から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第5所定値未満の、異常高圧圧力ではない場合の動作である。圧縮機4から吐出される冷媒ガスの高圧圧力が第5所定値以上の値に達した場合の動作は、圧縮機4から吐出される冷媒ガスの温度や圧縮機モータの電流値が第5所定値以上の値に達した場合とは異なり、高圧遮断装置(図示せず)によって機械的に圧縮機4との接点を切断し圧縮機4の運転を非常停止させることでデフロスト運転が中止され、制御部12による制御動作は行われない。
冷凍空調装置1の冷却運転開始から圧縮機4の積算運転時間が所定時間を経過すると、外部コントローラ3はデフロスト運転を開始するよう制御部12に指示を出す。ここでいう所定時間とは、冷却運転の継続によりユニットクーラ9に着霜が発生したと予想される時間であり、あらかじめ設定された時間である。
図17に示すように、制御部12は外部コントローラ3よりデフロスト運転開始の指示を受けると、圧縮機電流検出手段14によって検出された電流値(Pi)、および吐出ガス温度検出手段16によって検出された温度値(Pt)と圧縮機4の負荷状態を判断する第5所定値とを比較する(ステップS61)。
その結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)のうち少なくともひとつが第5所定値以上の場合は、圧縮機4を過負荷状態と判断し、保護動作をおこなって冷凍空調装置1の運転を非常停止させてデフロスト運転を中止させ(ステップS62)、圧縮機4および冷却水ポンプ34の動作を停止させる(ステップS63)。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)の両方が第5所定値未満の場合、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt)および高圧圧力検出手段15によって検出された電圧値(Pp)と第1所定値との比較をおこなう(ステップS64)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第1所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第1所定値未満の場合は軽負荷状態と判断し、外部コントローラ3は制御部12へ冷却水ポンプ回転数の減速及び圧縮機回転数の増速をおこなう指示を出す(ステップS65)。
これにより、圧縮機が軽負荷状態のときは圧縮機回転数の増速および冷却水ポンプ回転数を減速させることで、圧縮機の能力制限をおこなわず高圧圧力を最大限に上昇させ高温多量のホットガスを効率よく生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第1所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第2所定値との比較をおこなう。(ステップS66)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第2所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第1所定値以上第2所定値未満の場合は小負荷状態と判断し、制御部12は冷却水ポンプ回転数の減速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の増速の何れかの動作のみ可能)及び圧縮機回転数の増速をおこなう指示を出す(ステップS67)。
これにより、圧縮機が小負荷状態のときは圧縮機回転数を増速させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、冷却水ポンプ回転数を制限し高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第2所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第3所定値との比較をおこなう。(ステップS68)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第3所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第2所定値以上第3所定値未満の場合は中負荷状態と判断し、制御部12は冷却水ポンプ回転数の増速及び圧縮機回転数の増速をおこなう指示を出す(ステップS69)。
これにより、圧縮機が中負荷状態のときは、圧縮機回転数を増速させ高圧圧力を上昇させてホットガスの温度と吐出量を高くしつつ、冷却水ポンプ回転数を増速させより効率よく高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつも高温多量のホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第3所定値以上の場合は、圧縮機4の負荷状態を正確に判定するため続けて負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第4所定値との比較をおこなう(ステップS70)。
負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)と第4所定値とを比較した結果、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のすべてが第3所定値以上第4所定値未満の場合は大負荷状態と判断し、制御部12は冷却水ポンプ回転数の増速及び圧縮機回転数の増速禁止(現状回転数維持もしくは、回転数の減速の何れかの動作のみ可能)をおこなう指示を出す(ステップS71)。
これにより、圧縮機が大負荷状態のときは冷却水ポンプ回転数を増速させ高圧上昇を抑制しつつ、圧縮機回転数の増速を禁止させさらに高圧上昇を抑制することで、過負荷を回避しつつホットガスを生成できデフロストを短時間で完了させることが出来る。
また、負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)のうち少なくともひとつが第4所定値以上第5所定値未満の場合は重負荷状態と判断し、制御部12は冷却水ポンプ回転数の増速及び圧縮機回転数の減速をおこなう(ステップS72)。
これにより、圧縮機が重負荷状態のときは冷却水ポンプ回転数を増速させ高圧上昇を抑制しつつ圧縮機回転数を減速させ高圧上昇をさらに抑制することで、最も効率よく圧縮機への過負荷を回避させることができる。
その後、図18に示すように、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力になったか否かを判断し(ステップS73)、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力のいずれかになった場合、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁する指示を出す(ステップS75)。なお、ここでいう所望の温度、所望の圧力とは、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させるのに適した温度、圧力のことをさす。
また、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達していない場合には、デフロスト開始から所定時間(T)経過したか否かを判断し(ステップS74)、所定時間(T)を経過した場合は、制御部12はホットガス電磁弁29を開弁させる指示を出す(ステップS75)。これは、所望の温度もしくは圧力に到達していない場合でも所定時間経過すればホットガス電磁弁を開き、ユニットクーラ9表面に成長した霜を少しでも融解させるためである。
また、圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達しておらずデフロスト開始からの経過時間が所定時間(T)経過していない場合は、所定時間(T)が経過するまで圧縮機4から吐出される冷媒ガスが所望の温度もしくは所望の圧力に到達したか否かの判断を何度も繰返す。
ホットガス電磁弁29が開弁されると、高温高圧になった冷媒ガスがホットガスバイパス配管11を通ってユニットクーラ9へ流入し、ユニットクーラ9表面に成長した霜を効率よく融解させる。
その後、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入は、制御部12が外部コントローラ3からのデフロスト完了信号を受信するまで続き(ステップS76)、デフロスト完了信号が検知されない場合は、圧縮機4の負荷状態の悪化を避けるため、ステップS61へ戻り、引き続き負荷検出手段による検出値(Pi、Pt、Pp)に基づいた圧縮機4の負荷状態を判断し、負荷状態ごとに異なった制御を行う。
そして、制御部12が外部コントローラ3からのデフロスト完了信号を受信した場合、デフロスト運転を終了させ(ステップS77)、ホットガス電磁弁29を閉弁し(ステップS78)、高温高圧になった冷媒ガスのユニットクーラ9への流入を止め、冷却水ポンプ34及び圧縮機4の回転を停止させる(ステップS79)。
なお、ここでいうデフロスト完了信号とは、ユニットクーラ9から吐出された冷媒ガスの温度が所定時間の間所定温度に達した場合に外部コントローラ3から発信される信号のことをさし、所定温度とは、デフロストの継続によりユニットクーラ9の着霜が解消したと判断される温度で、あらかじめ設定された温度のことをさす。
以上のように、本実施の形態によれば、水冷式インバータ冷凍空調装置であっても、
実施の形態1〜3と同様に、圧縮機動作において現状回転数を維持させる増大禁止動作、凝縮器用冷却水ポンプの動作において現状回転数を維持させる減速禁止動作を含む、圧縮機への負荷の程度に応じた負荷制御動作を、それぞれ複数階層設定するとともに、凝縮器用冷却水ポンプと圧縮機とで異なる階層の負荷制御動作を組み合わせることにより、圧縮機の負荷の程度に応じた細かい制御をおこなうことができ、回転数制御の競合に伴うハンチングおよび圧縮機の過負荷を回避できると共に、除霜能力を極端に低減させずにデフロストを短時間で完了させることのできる冷凍空調装置及びその制御装置を提供することができる。
なお、本実施の形態の高圧圧力検出手段15において設定された第1〜5負荷判定値の値は、実施の形態1の高圧圧力検出手段15において設定された第1〜5負荷判定値の値よりも若干小さな値である。
また、本実施の形態では、凝縮能力調整手段として冷却水ポンプのインバータ制御を挙げたが、流量調整弁による高圧制御としてもよい。その場合は、凝縮器用冷却水配管に流量調整弁をもうけ、流量調整弁の開度を制御することで凝縮器を流れる冷却水流量を調整し、高圧を制御する構成にすることで本実施の形態と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態1〜4では圧縮機の負荷判定手段として、圧縮機電流検出手段、高圧圧力検出手段、吐出ガス温度検出手段を例として挙げたが、これに限らず、圧縮機モータの巻線温度を使用してもよく、また、実施の形態1〜4では庫内を冷却させる装置としてユニットクーラを例に挙げたが、クーラ種はこれに限らず、他の形式の蒸発器(例えば、フィンコイルユニット)でもよい。
さらに、本実施の形態1〜4において、凝縮器の能力を調整する手段として凝縮器を冷却させる冷却ファンや冷却水ポンプを用いたが、凝縮圧力調整弁を併用してもよい。すなわち、冬期や寒冷地のように外気温度が低く高圧圧力が上昇しにくい状況において、高圧を所定値未満に低下させないために、凝縮器内へ冷媒液を滞留させて伝熱面積を減じることで効果的に高圧を回復させることができる。
また、実施の形態1〜4において、デフロスト運転を開始する条件として、冷却運転開始からの圧縮機4の積算運転時間により判定する方法を挙げたが、これに限らず、あらかじめ設定された所定の時刻により判定する方法、もしくは庫内温度検出手段35及びユニットクーラ入口温度検出手段(図示せず)を用いて庫内温度とユニットクーラ入口温度の所定温度差の継続時間により判定する方法や、着霜状態を検知するセンサをユニットクーラに設け該センサで直接着霜を検知することにより判定する方法を用いてもよい。
また、実施の形態1〜4において、デフロスト運転を終了させる条件として、冷媒温度によって発信されるデフロスト信号によって判定する方法を挙げたが、これに限らず、ホットガス除霜時間(ホットガス電磁弁の開弁継続時間)があらかじめ設定された所定の時間に到達したことによって判定する方法としてもよい。尚、ホットガス除霜時間は客先にて変更可能な設定値である。
また、実施の形態1〜4では冷凍空調装置への適用を例として挙げたが、これに限らず、冷房時と暖房時とで凝縮器と蒸発器の役割が切替るヒートポンプ式冷凍空調装置に適用してもよいし、凝縮器へ散水し高効率運転を行うタイプの冷凍空調装置に適用してもよく、庫内温度を調整し冷蔵状態で使用しても同様の効果を得ることができる。
但し、ヒートポンプ式冷凍空調装置においては、暖房時は室外機に対するデフロストを行うことになるため、本形態の説明で述べた「蒸発器」は室外機のことを意味し、「凝縮器」は室内機を意味する点が異なる。また、散水タイプの冷凍空調装置に本発明を適用する場合は、ホットガスデフロスト中の高圧低下を防止するために、凝縮器への散水を停止しておく必要がある。
また、実施の形態1〜2、4では、インバータ駆動二段圧縮機を搭載する冷凍空調装置の例を挙げたが、これに限らず、インバータ駆動単段圧縮機を搭載する場合に対しても同様に適用でき、圧縮機の圧縮形式(スクリュー、スクロール等)に適用しても同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態1〜4において説明した動作は、デフロスト運転中に圧縮機の過負荷を回避するための動作だが、デフロスト運転中に限らず、通常の冷却運転時の圧縮機の過負荷を回避するための動作として同様に、負荷検出手段の検出結果に応じて圧縮機の制御動作および凝縮器冷却手段の制御動作をそれぞれ複数定め、負荷制御動作を複数の階層に細分化させ、圧縮機の負荷に応じて、圧縮機および凝縮器冷却手段を動作させることで、通常の冷却運転時でも圧縮機の過負荷を回避しながら、一定以上の冷却能力を維持した状態を安定して継続させることができる。