JP5987152B2 - 成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化物粒子を含有する鋼からなる基材表面に硬質皮膜が蒸着されてなる成形品及びその製造方法に関する。
鋼からなる工具や金型等における耐食性や機械的特性を向上させる手段として、鋼の表面に硬質皮膜を形成する方法が知られている。この場合に用いられる硬質皮膜として、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物又はダイヤモンドライクカーボンからなる皮膜等が挙げられる。これらの硬質皮膜は、イオンプレーティング法やスパッタリング法等の物理的蒸着(PVD)法や化学的蒸着(CVD)法等により形成することができる。
ところで、高い硬度が要求される、冷間加工用工具鋼、冷間金型鋼等の鋼材は、炭素含有量が非常に多く、粒径の大きい一次炭化物粒子を含有する。鋼材中に炭化物粒子が分散していることにより、所定の硬度が得られる。しかしながら、このような炭化物粒子を含有する鋼からなる基材に硬質皮膜を形成した場合、基材の表面に露出した炭化物粒子により、硬質皮膜が剥離し易かった。また、硬質皮膜を形成することによって、ある程度耐食性が向上するものの、なお耐食性が不十分である場合があった。
これらの問題に対して、硬質皮膜と基材の密着性を向上させる方法がいくつか提案されている。特許文献1には、母材表面に平均径および平均深さがいずれも0.5〜8μmである凹部が多数形成されると共に、該母材表面に耐摩耗性硬質皮膜が被覆された硬質皮膜被覆材料が記載されている。当該材料は、表面に一次炭化物が存在する鉄鋼材料を母材として用いた場合であっても、前記硬質皮膜は、前記母材に対して、優れた密着性を有すると記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された硬質皮膜被覆材料は、硬質皮膜の密着性がなお不十分であったうえに、耐食性も不十分であった。
特許文献2には、ダイス鋼や高速度工具鋼などの、炭化物を有する鋼からなる工具母材表面に存在する炭化物を化学的溶液処理により溶出させて除去することにより、表面の炭化物成分の量を低下させた後、当該母材表面に硬質膜を被覆してなる硬質膜被覆工具が記載されている。当該硬質膜被覆工具に形成された硬質膜は、密着強度が格段に向上していると記載されている。しかしながら、当該硬質膜被覆工具は、耐食性が不十分であったうえに、硬質膜の密着性も不十分である場合があった。
ところで、鋼からなる基材表面に電子線やレーザーを照射することにより、表面改質を
行う方法が知られている。特許文献3には、鉄合金製機構部品をオーステナイト領域の温度に急速加熱した後、オーステナイト領域以下の温度まで急速冷却する加熱及び冷却工程を少なくとも3回以上繰り返す熱処理を施して焼き入れする鉄合金製機構部品の表面改質法が記載されている。ここで、前記熱処理の方法として、電子線焼入れによる方法が記載されている。特許文献3には、前記表面改質法によれば、マルテンサイト、炭化物、ベイナイト等の焼入れ組織を従来よりも微細化できると記載されている。そして、前記表面改質法によれば、部品の表面の硬度、耐疲労強度、耐摩耗性、耐食性が向上するとともに、靭性も保持されると記載されている。しかしながら、特許文献3には、鉄合金製機構部品表面に、硬質皮膜を蒸着することについて一切記載されていない。
特許文献4には、金型用合金工具鋼に対し、電子線を照射してごく微小な表層部分のみを瞬間的に溶融させた後に、急冷することにより、表面近傍に微細凝固組織を生成する工程と、窒化処理もしくは炭化物被覆処理により、表層下方に化合物を析出させる表面改質工程からなる金型用合金工具鋼の強化方法が記載されている。そして、表面改質をすべき領域に対する前処理として、予め当該領域に微細組織の化合物を生成することによって、熱間工具鋼からなる金型表面での摩耗損失や熱疲労によるき裂の生成が抑止され、寿命が向上すると記載されている。特許文献4には、前記方法により、冷間加工用工具鋼や高速度工具鋼における、欠けや摩耗の防止を図ることができると記載されている。しかしながら、特許文献4には、鋼の表面に硬質皮膜を形成することについて、一切記載されていない。
特許文献5には、電子線を金型材料の表面に照射する金型の表面処理方法が記載されている。当該表面処理方法によれば、金型表面の平滑性、耐食性、光沢性、及び、表面硬さが向上すると記載されている。さらに、特許文献5には、炭素鋼に電子線を照射して、当該炭素鋼の表面をマルテンサイト変態させることにより、当該表面を硬化させることができると記載されている。しかしながら、特許文献5には、金型表面に硬質皮膜を形成することについて、一切記載されていない。
特許文献6には、金属からなる被処理体に電子線を照射して、当該被処理体の表面の改質を行った後に、前記被処理体の表面にスパッタ粒子を堆積させ被覆処理を行う表面処理方法、及び、前記処理を行うことができる処理装置が記載されている。そして、電子線パルスにより、金属の表面を急速加熱冷却して清浄化、平滑化、鏡面化、アモルファス化すると記載されている。さらに、前記処理装置によれば、電子線照射された被処理体が外気に曝されることなく次の表面被覆処理が行われるので、付着力が強い良質な被膜が形成されると記載されている。しかしながら、特許文献6には、前記被処理体の種類について具体的に記載されていない。さらに、前記被処理体を被覆する皮膜として、チタン皮膜が記載されているのみである。
特開平8−74029号公報 特開2005−186227号公報 特開2007−231323号公報 特開2008−138223号公報 特開2004−1086号公報 特開2009−114482号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、炭化物粒子を含有する鋼からなる基材表面に硬質皮膜が蒸着されてなる成形品であって、前記基材と前記硬質皮膜の密着性が高く、優れた耐食性を有するとともに、所定の硬度を維持した成形品を提供することを目的とするものである。また、そのような成形品の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、基材表面に硬質皮膜が蒸着されてなる成形品であって、前記基材が、主相としてマルテンサイト相を含むマトリックス中に炭化物粒子が分散してなる基部と、オーステナイト相を含む表面改質層とを有し、前記基材が、炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる化学組成を有し、前記表面改質層の表面に前記炭化物粒子が露出しておらず、前記表面改質層の厚みが0.1〜10μmであり、前記硬質皮膜が、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種からなり、かつ前記硬質皮膜の厚みが0.1〜50μmである成形品を提供することによって解決される。
上記課題は、炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる基材表面に、電子線を照射した後に、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着する前記成形品の製造方法を提供することによっても解決される。
このとき、前記基材表面に電子線をパルス照射することが好適である。電子線が照射された前記基材の表面に、イオンプレーティング法又はスパッタリング法により、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着することも好適である。
冷間加工用工具である前記成形品が本発明の好適な実施態様である。冷間金型である前記成形品もまた本発明の好適な実施態様である。
本発明の成形品は、基材と硬質皮膜の密着性が高く、耐食性に優れるとともに、所定の硬度を有する。また、本発明の製造方法によれば、そのような成形品を簡便に製造できる。
実施例1及び2における、基材表面のX線回折パターンである。 実施例1における成形品断面の二次電子像である。 実施例1における成形品断面の組成像である。 実施例1における、スクラッチ試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真である。 実施例1における、ロックウェル圧痕試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真である。 実施例1、比較例1、参考例1及び2において、分極測定により得られた分極曲線である。 実施例1における、分極測定後の成形品表面の光学顕微鏡写真である。 実施例2における成形品断面の二次電子像である。 実施例2における成形品断面の組成像である。 実施例2における、ロックウェル圧痕試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真である。 比較例1における、ボンバード処理後の基材表面の電子顕微鏡写真である。 比較例1における、スクラッチ試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真である。 比較例1における、ロックウェル圧痕試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真である。 比較例1における、分極測定後の成形品表面の光学顕微鏡写真である。 参考例2における、分極測定後の基材表面の光学顕微鏡写真である。
本発明の成形品は、基材表面に硬質皮膜が蒸着されてなる成形品であって、前記基材が、主相としてマルテンサイト相を含むマトリックス中に炭化物粒子が分散してなる基部と、オーステナイト相を含む表面改質層とを有し、前記基部が、炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる化学組成を有し、前記表面改質層の表面に前記炭化物粒子が露出しておらず、前記表面改質層の厚みが0.1〜10μmであり、前記硬質皮膜が、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種からなり、かつ前記硬質皮膜の厚みが0.1〜50μmであるものである。
前記基材は、基部と基材表面の表面改質層とを有する。ここで基部とは、表面改質処理後の基材において、表面改質処理の影響を受けていない部分のことである。
前記基材における基部は、炭素を0.8〜3質量%含有する。炭素を含有することにより、熱処理後の成形品が所定の硬さを有するようになる。基部中の炭素の含有量が3質量%を超える場合には、熱処理後の成形品が脆くなる。炭素の含有量は、2質量%以下であることが好適である。一方、基部中の炭素の含有量が0.8質量%未満である場合には、熱処理後の成形品の硬さが低下する。
前記基部は、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有する。これらの化学成分は、得られる成形品の硬さや靭性を向上させる効果や、基材の焼入れ性を向上させる効果を有する。これらの元素は、マルテンサイト相に固溶した状態や、炭化物を形成した状態で基部中に存在する。クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンの合計含有量が1質量%未満の場合には、硬さや靭性を向上させる効果や、基材の焼入れ性を向上させる効果が得られない。前記合計含有量が6質量%以上であることが好適である。一方、前記合計含有量が20質量%を超える場合には、得られる成形品が脆くなる。
前記基部は、クロムを5〜15質量%含有することが好適である。クロムの含有量が15質量%を超える場合には、得られる成形品が脆くなるおそれがある。一方、クロムの含有量が5質量%未満の場合には、硬さや焼入れ性を向上させる効果が不十分になるおそれがある。
前記基部は、モリブデンを0.5〜3質量%含有することが好適である。モリブデンの含有量が3質量%を超える場合には、得られる成形品が脆くなるおそれがある。
前記基部は、バナジウムを0.1〜2質量%含有することが好適である。バナジウムの含有量が2質量%を超える場合には、得られる成形品が脆くなるおそれがある。
前記基部は、タングステンを2質量%以下含有することが好適である。タングステンの含有量が2質量%を超える場合には、得られる成形品が脆くなるおそれがある。
前記基部は、シリコンを0.1〜2質量%含有する。シリコンを含有することにより、得られる成形品の硬さが向上するとともに、基材の焼入れ性が向上する。シリコンの含有量が2質量%を超える場合には、得られる成形品の硬さが低下する。
前記基部は、マンガンを0.1〜2質量%含有する。マンガンを含有することにより、基材の硬さや焼入れ性が向上する。マンガンの含有量が2質量%を超える場合には、得られる成形品の硬さが低下する。
前記基部中の鉄の含有量は、通常、50質量%以上であり、70質量%以上であることが好適であり、80質量%以上であることがより好適である。
前記基部は、主相としてマルテンサイト相を含むマトリックス中に炭化物粒子が分散してなる。これにより得られる成形品の硬度が向上する。基部中のマトリックスは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、マルテンサイト相以外の相を含んでいても構わない。
前記マトリックスにおける相の種類は、X線回折法などにより分析される。このとき、マルテンサイト相を有する場合には、マルテンサイト結晶に由来する(110)面、(200)面等のピークが観察される。本発明においては、マトリックスを2θ−θ法により、2θが20°から80°まで測定した際に、マルテンサイト結晶に由来するピーク面積が、全結晶ピーク面積の50%以上である場合に、「主相としてマルテンサイト相を含むマトリックス」であると判断する。また、得られる成形品をより硬くするため、マトリックスを2θ−θ法により測定した際に、オーステナイト結晶に由来する(200)面のピーク面積に対する、マルテンサイト結晶に由来する(110)面のピーク面積の比[(110)面のピーク面積/(200)面のピーク面積]が7/3以上であることがより好適であり、9/1以上であることがさらに好適である。
前記基部において、マトリックス中に分散した炭化物粒子は、炭素と、クロム、モリブデン、バナジウム、タングステン及び鉄からなる群から選択される少なくとも一種とからなるものであり、好適には、M型炭化物を含むものである。ここで、Mは金属である。このような炭化物粒子がマトリックス中に析出していることにより、得られる成形品の硬さが向上する。
前記基部において、マトリックス中に分散した前記炭化物粒子の平均粒径が3〜50μmであることが好適である。炭化物粒子の平均粒径が50μmを超える場合には、得られる成形品が脆くなるうえに、耐食性が低下する。前記平均粒径は、30μm以下がより好適である。本発明において、炭化物粒子の平均粒径は、成形品断面の電子顕微鏡写真から求められる。炭化物粒子の平均粒径は、粒径が2μm以上の粒子の個数平均径とし、粒子径は、円相当径(粒子面積と同面積の円の直径)とする。
本発明においては、基材表面の、硬質皮膜が蒸着される部分に、表面改質層を形成する。当該表面改質層は、オーステナイト相を含むものである。オーステナイト相を含むことにより、表面改質層の表面に形成される硬質皮膜の密着性が向上するとともに、得られる成形品の耐食性が向上する。表面改質層中の相の種類は、上述した、マトリックスにおける相の種類の分析方法と同様の方法により分析することができる。ここで、オーステナイト相の有無は、オーステナイト結晶に由来する、(111)面、(200)面又は(220)面のピークにより判断する。硬質皮膜の密着性を向上させるため、表面改質層を2θ−θ法により、2θが20°から80°まで測定した際に、マルテンサイト結晶に由来するピーク面積が、全結晶ピーク面積の50%未満である必要がある。硬質皮膜の密着性をより向上させる観点からは、表面改質層を2θ−θ法により測定した際に、マルテンサイト結晶に由来する(110)面のピーク面積に対する、オーステナイト結晶に由来する(200)面のピーク面積の比[(200)面のピーク面積/(110)面のピーク面積]が5/5以上であることが好適であり、7/3以上であることがより好適であり、9/1以上であることがさらに好適である。
前記表面改質層の厚みが0.1〜10μmである必要がある。表面改質層の厚みが0.1μm未満である場合には、硬質皮膜の密着性が不十分になる。表面改質層の厚みは0.5μm以上であることが好適であり、1μm以上であることがより好適である。一方、表面改質層の厚みが10μmを超える場合には、生産性が低下する。
本発明の基材においては、表面改質層の表面に、上述した、「基部中の炭化物粒子」と同じ炭化物粒子が露出していない必要がある。これにより、表面改質層の表面に形成される硬質皮膜の密着性が向上するとともに、得られる成形品の耐食性が向上する。
上述のように、基材に表面改質層を設けたことが本発明の成形品の最大の特徴である。表面に前記炭化物粒子が露出しておらず、かつオーステナイト相を有する表面改質層は、蒸着により形成される硬質皮膜との密着性が高いうえに、得られる成形品の耐食性を向上させる。通常、冷間加工用工具鋼や冷間金型鋼などの高い硬度が要求される鋼材は、焼入れを行うことにより、金属組織をマルテンサイト変態させるとともに、炭化物粒子を析出させることにより、所定の硬度を得ている。これに対して、比較的柔らかいオーステナイト相を有する表面改質層を形成することにより、所定の硬度を維持しつつ、硬質皮膜の密着性と耐食性とを向上できたことは、驚くべきことである。
本発明の成形品において、前記表面改質層の表面に硬質皮膜が形成される。当該硬質皮膜は、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種からなり、蒸着法により形成される。
上述のように、前記表面改質層と前記硬質皮膜は優れた密着性を有する。さらに、前記硬質皮膜が形成された本発明の成形品表面は、高い硬度を有する。
前記硬質皮膜は、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種からなる。前記金属窒化物としては、CrN、CrAlN、TiN、TiAlN、ZrN、MoN、VN、AlN、WN、WAlN等が挙げられる。前記金属炭化物としては、CrC、TiC、SiC、WC等が挙げられる。前記金属酸化物としては、SiO、Al、Cr,ZrO、TiO,WO等が挙げられる。硬質皮膜は、金属窒化物、金属炭化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種からなるものであることが好適であり、金属窒化物からなるものであることがより好適である。
前記硬質皮膜の厚みは、0.1〜50μmである必要がある。厚みが50μmを超える場合には、生産性が低下する。硬質皮膜の厚みは、30μm以下であることが好適である。一方、厚みが0.1μm未満である場合には、得られる成形品表面の硬さが不十分になる。硬質皮膜の厚みは、0.2μm以上であることが好適である。
本発明の成形品は、炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる基材表面に、電子線を照射した後に、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着することにより製造することが好適である。
電子線照射に供する基材としては、上記した基部と同じ化学組成を有するものが用いられる。当該基材は、マルテンサイト相を有するマトリックス中に炭化物粒子が分散してなるものであることが好適である。すなわち、基部の金属組織として上述した、マルテンサイト相を有するマトリックス中に炭化物粒子が分散してなる金属組織を有する基材が好適である。このような金属組織は、上述した化学組成を有する鋼材を、通常用いられる方法により、焼入れ及び焼戻しを行うこと等により得られる。通常、焼入れ温度は750〜1200℃であり、焼戻し温度は150〜530℃である。
前記基材に電子線を照射することにより、基材に上述した表面改質層を形成する。上記化学組成を有する基材に電子線照射することにより、鋼の結晶構造が、マルテンサイト結晶からオーステナイト結晶に変化する。さらに、上述した炭化物粒子が基材表面に露出していた場合に、当該炭化物粒子が電子線照射により消滅する。こうして、前記表面改質層が形成される。
上記製造方法において、結晶構造をオーステナイト結晶に変化させ易くする観点からは、電子線を照射して、前記基材の表面部分を溶融させることが好適である。
基材に電子線照射するに際し、基材に電子線をパルス照射することが好適である。基材に電子線照射する際の条件は、形成する表面改質層の厚さ等により、適宜調整すればよい。通常、一回の照射当たりのエネルギー密度は、0.3〜50J/cmであり、パルス幅は、0.1〜50μsec.であり、パルス発射間隔は、0.5〜50sec.であり、パルス回数は、1〜100回である。
上記製造方法において、結晶構造をオーステナイト結晶に変化させ易くする観点からは、基材に電子線を照射した後に、当該基材を冷却することが好適である。基材の冷却方法としては、電子線を照射後、基材を大気に曝す方法等が挙げられる。
電子線照射によって、結晶構造がオーステナイト結晶に変化するとともに、炭化物粒子が消滅するメカニズムの詳細は不明であるが、以下のようなことが考えられる。
電子線照射により加熱される部分は、概ね、深さ10μmまでの表面近傍の部分である。このため、電子線照射を停止すると、加熱された部分は急激に冷却されると考えられる。このような急激な加熱と冷却を行うことが、結晶構造がオーステナイト結晶へ変化した一因であると考えられる。一方、基材表面に露出した炭化物粒子は、電子線照射により、基材内部(基部)に固溶したり、基材外に放出されたりした可能性がある。
電子線照射により形成された表面改質層の表面に硬質皮膜を蒸着する。本発明の製造方法において、蒸着方法は特に限定されず、一般的な硬質皮膜の蒸着方法を用いることができる。なかでも、物理的蒸着(PVD)法及び化学的蒸着(CVD)法が好適であり、前者がより好適である。物理的蒸着法としては、イオンプレーティング及びスパッタリング法が好適である。イオンプレーティング法としては、カソードアークイオンプレーティング法又はホローカソードイオンプレーティング法などが例示される。蒸着を行う際の条件は、蒸着する皮膜の種類などにより、適宜調整すればよい。基材に電子線を照射した後に、予め基材表面を洗浄してから、硬質皮膜を蒸着することが好ましい。基板を洗浄する方法としては、アルゴンボンバード処理等が挙げられる。
冷間加工用工具である成形品及び冷間金型である成形品が本発明の好適な実施態様である。本発明の成形品は、基材と硬質皮膜の密着性が高く、耐食性に優れるとともに、高い硬度を有する。したがって、前記冷間加工用工具及び前記冷間金型は優れた耐久性を有する。冷間加工用工具としては、切削工具、かみそり、やすり、剪断刀、ホブ、ゲージ等が挙げられる。冷間金型としては、プレス金型、打錠用金型、抜型、フォーミングロール等が挙げられる。また、機械部品である成形品も本発明の好適な実施態様である。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
[基材表面及び成形品断面の電子顕微鏡観察]
日本電子株式会社製X線マイクロアナライザー「JXA−8500FS」を用いて電子顕微鏡写真を撮影した。なお、断面測定用の試験片は、以下のとおり作製した。成形品をフェノール樹脂に包埋した後に、成形品表面に対して垂直方向に切断した。成形品の切断面をダイヤモンド砥粒による鏡面研磨を行い、測定用の試験片を得た。
[基材断面の元素分布測定]
日本電子株式会社製X線マイクロアナライザー「JXA−8500FS」を用いて、基材断面の元素分布を測定した。測定は、加速電圧15kV、試料照射電流1×10−8Aの条件で行った。測定用の試験片は、電子顕微鏡観察における断面測定用の試験片の作製方法と同様の方法により作製した。
[基材の結晶構造解析]
X線回折装置(株式会社リガク製「MultiFlex」)を用いて、基材表面の結晶構造解析を行った。測定は下記の条件にて実施した。
X線管球: CuKα
X線出力: 40kV−40mA
発散スリット: 1°
散乱スリット: 1°
受光スリット: 0.3mm
測定モード: 2θ−θスキャン
サンプリング幅: 0.020°
サンプリング速度: 2.000°/min
[分極測定]
solartron社製ポテンシオスタット「SI 1287」を用い、pH6.5の5重量%塩化ナトリウム水溶液中で分極曲線を得た。縦15mm、横15mmの試験片を用い、測定面積は10mm×10mmとした。参照電極には飽和カロメル電極(SCE)を、対極にはPt電極を用いた。測定中温度は20℃に保持し、等速電位走査による電流−電位曲線を測定した。電位走査速度は1mV/secとした。
[スクラッチ試験]
直径200μmのダイヤモンド圧子を用いて成形品表面を引っ掻いた。このとき、成形品表面に加える荷重を0Nから100Nまで徐々に増やした。硬質皮膜が剥離した時の荷重から硬質皮膜の密着性を評価した。
[ロックウェル圧痕試験]
直径200μmであるダイヤモンド圧子を、150kgfの荷重にて成形品に押込んだ後の圧痕を観察して、成形品表面の硬質皮膜の密着性を評価した。
実施例1
電子線照射に供する基材には、焼入れ、焼き戻しにより、硬さがHRC(ロックウェルCスケール)60に調質された、JIS G4404に規定された合金工具鋼であるSKD11の板材(縦1.2cm、横1.2cm、厚み5mm)であり、その表面が鏡面研磨されたものを用いた。当該基材の化学組成を表1に示す。電子線照射前の前記基材表面のマトリックスの部分の結晶構造解析を行った。このとき得られたX線回折パターンを図1に示す。電子線照射には、永田精機株式会社製電子線加工装置「CRS−SOLO」を用いた。前記基材を前記加工装置の処理室内にセットしてから処理室内を真空(0.05Pa)にした後、以下の条件で基材表面に電子線をパルス照射した。照射後すぐに処理室内に大気を導入して基材を冷却した。
一回の照射当たりのエネルギー密度:5.7J/cm
パルス幅:1μs
パルス発射間隔:20sec
パルス回数:10回
電子線照射後における基材表面のビッカース硬さは、押込み荷重25gで測定した場合には502であり、押込み荷重10gで測定した場合には389であった。電子線照射後における、基材表面の結晶構造解析を行った。このとき得られたX線回折パターンを図1に示す。
前記基材の電子線が照射された表面にCrNからなる硬質皮膜を形成した。硬質皮膜の形成には、日新電機株式会社製マルチアークPVD装置「M−500」を使用した。硬質皮膜は、カソードアークイオンプレーティング法により形成した。電子線照射された基材を前記装置にセットした。前処理として、当該基材の電子線照射された表面をアルゴンボンバード処理により洗浄した。このときの処理条件を表2に示す。洗浄後、表3に示す条件にてCrN皮膜の形成を行った。このとき、ターゲットとして、純度99.9%であるCrを用いた。
こうして得られた硬質皮膜が形成された成形品の表面のビッカース硬さは、押込み荷重25gで測定した場合1850であった。得られた成形品断面の電子顕微鏡観察及び元素分布測定、得られた成形品のスクラッチ試験及びロックウェル圧痕試験、並びに、得られた成形品の分極測定を行った。電子顕微鏡により撮影された成形品断面の二次電子像を図2に示し、組成像を図3に示す。スクラッチ試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真を図4に示し、ロックウェル圧痕試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真を図5に示す。成形品断面の電子顕微鏡写真から求めた表面改質層の厚みは3.7μmであり、硬質皮膜の厚みは3μmであり、基部中の炭化物粒子の平均粒径は8.8μmであった。なお、炭化物粒子の平均粒径は、円相当径が2μm以上である炭化物粒子10個の個数平均径である。ここで、炭化物粒子の粒径は、円相当径(粒子面積と同面積の円の直径)である。
成形品断面の元素分布測定を行った結果、図2及び3中の粒子から、C、Cr、Mo及びFeが検出され、これの粒子は炭化物粒子4であることが確認された。スクラッチ試験を行った結果、剥離臨界荷重(Lc−AE)は31.6Nであった。分極測定により得られた分極曲線を図6に示し、分極測定後の成形品表面の光学顕微鏡写真を図7に示す。
実施例2
基材に電子線を照射する際に、一回の照射当たりのエネルギー密度を表4に示すとおりに変えたこと以外は、実施例1と同様にして基材に電子線を照射した。電子線照射後における各基材表面のビッカース硬さを表4に示す。電子線照射後における、基材表面の結晶構造解析を行った。このとき得られた各基材のX線回折パターンを図1に示す。実施例1と同様にして、基材の電子線が照射された表面にCrNからなる硬質皮膜を形成した。
こうして得られた硬質皮膜が形成された成形品断面の電子顕微鏡観察及び成形品のロックウェル圧痕試験を行った。電子顕微鏡により撮影された成形品断面の二次電子像を図8に示し、組成像を図9に示す。基部中の炭化物粒子の分散状態は、実施例1における成形品の基部中の炭化物粒子の分散状態と同じであった。ロックウェル圧痕試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真を図10に示す。成形品断面の電子顕微鏡写真から求めた各成形品の表面改質層の厚み及び硬質皮膜の厚みを表4に示す。
比較例1
実施例1において使用したものと同じ、硬さがHRC60に調質され、表面が鏡面研磨されたSKD11からなる基材に実施例1と同様にしてボンバード処理を行い、当該処理後の基材表面の電子顕微鏡観察を行った。このときの電子顕微鏡写真を図11に示す。
電子線の照射を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、成形品を作製した。こうして得られた硬質皮膜が形成された成形品断面の電子顕微鏡観察、成形品のスクラッチ試験、成形品のロックウェル圧痕試験及び成形品の分極測定を行った。成形品断面の電子顕微鏡から求めた硬質皮膜の厚みは3μmであった。スクラッチ試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真を図12に示し、ロックウェル圧痕試験後の成形品表面の光学顕微鏡写真を図13に示す。スクラッチ試験を行った結果、剥離臨界荷重(Lc−AE)は13Nであった。分極測定により得られた分極曲線を図6に示し、分極測定後の成形品表面の光学顕微鏡写真を図14に示す。
参考例1
実施例1において使用したものと同じ、硬さがHRC60に調質され、表面が鏡面研磨されたSKD11からなる基材の分極測定を行った。このとき得られた分極曲線を図6に示す。
参考例2
実施例1と同様にして電子線照射まで行った基材の分極測定を行った。このとき得られた分極曲線を図6に示し、分極測定後の基材表面の光学顕微鏡写真を図15に示す。
図1に示されるように、電子線照射前の基材表面からは、マルテンサイト結晶に由来する(110)面及び(200)面のピークが確認された。また、実施例1及び2における、電子線照射後の各基材表面から、オーステナイト結晶に由来する(111)面、(200)面及び(220)面のピークが観察されたが、マルテンサイト結晶に由来するピークはほとんど確認されなかった。図2、3、8及び9に示されるように、実施例1及び2の成形品は、基部1の表面に表面改質層2が形成され、表面改質層2の表面に硬質皮膜3が形成されていることが分かる。ここで、炭化物粒子4は、基部1におけるマトリックス5中に分散しており、表面改質層2の表面には露出していないことが分かる。
スクラッチ試験及びロックウェル圧痕試験の結果から、実施例1及び2の成形品は、表面改質層を有さない成形品(比較例1)と比較して、基材と硬質皮膜の密着性が顕著に優れていることが分かる。
図6に示す分極曲線から、カソード分極での−0.6Vにおける電流密度に関して、硬質皮膜が形成されている実施例1の成形品は、表面改質層を有するが硬質皮膜を有さない成形品(参考例2)よりも、電流密度が一桁低いことが分かる。これは実施例1の成形品において、カソード反応が抑制されていることを示しており、表面に、腐食の原因となる局部電池が形成されにくいことを示している。浸漬電位に対しアノード側に関して、表面改質層及び硬質皮膜がいずれも形成されていない基材(参考例1)は、−0.25V付近で急激に電流密度が増大し、全面腐食を生じた。表面改質層を有するが硬質皮膜を有さない成形品(参考例2)では、急激な電流密度の増加は抑制されたが、掃引電圧の増加とともに徐々に増大した。このとき、図15に示されるように、分極測定後の成形品表面では、電子線照射により生じたクレータ内部で孔食が観察された。表面改質層を形成せずに硬質皮膜を形成した成形品(比較例1)も掃引電圧の増加とともに電流密度が増大した。このとき、図14に示されるように、ピンホールが起点となる基材の腐食であることが確認された。これらに対し、表面改質層及び硬質皮膜が共に形成された実施例1の成形品は、比較例1及び参考例2の各成形品と比較して、0.3Vにおける電流密度が顕著に低く、クレータやピンホールを起点とする腐食が生じなかった。これらのことから、表面改質層及び硬質皮膜をともに形成することにより、耐食性が飛躍的に向上したことが確認された。
1 基部
2 表面改質層
3 硬質皮膜
4 炭化物粒子
5 マトリックス

Claims (6)

  1. 基材表面に硬質皮膜が蒸着されてなる成形品であって、
    前記基材が、主相としてマルテンサイト相を含むマトリックス中に炭化物粒子が分散してなる基部と、オーステナイト相を含む表面改質層とを有し、
    前記基部が、炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる化学組成を有し、
    前記表面改質層の表面に前記炭化物粒子が露出しておらず、
    前記表面改質層の厚みが0.1〜10μmであり、
    前記硬質皮膜が、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種からなり、かつ
    前記硬質皮膜の厚みが0.1〜50μmであることを特徴とする成形品。
  2. 炭素を0.8〜3質量%含有し、クロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンからなる群から選択される少なくとも1種を1〜20質量%含有し、シリコンを0.1〜2質量%含有し、マンガンを0.1〜2質量%含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる基材表面に、電子線を照射した後に、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着することを特徴とする請求項1に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記基材表面に電子線をパルス照射する請求項2に記載の成形品の製造方法。
  4. 電子線が照射された前記基材の表面に、イオンプレーティング法又はスパッタリング法により、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物及びダイヤモンドライクカーボンからなる群から選択される少なくとも1種を蒸着する請求項2又は3に記載の成形品の製造方法。
  5. 冷間加工用工具である請求項1に記載の成形品。
  6. 冷間金型である請求項1に記載の成形品。
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