JP5986448B2 - 硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明では、水処理用凝集剤として使用する硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムを「PAC」と称する。
例えば、塩化アルミニウムの正塩の溶液に炭酸ナトリウムを添加して塩基度を上げた後、硫酸根を添加してPACを製造する方法が知られている。また、上記方法で炭酸ナトリウムの添加前に硫酸根を添加する方法も知られている。さらに、上記塩化アルミニウムの正塩の溶液の替わりに塩基性塩化アルミニウム溶液を用いる方法も一般に知られている。
また、特許文献2には、1乃至2価酸のアルミニウム正塩または低塩基度の塩基性アルミニウム塩水溶液とアルミン酸ナトリウム等のアルカリ性物質の水溶液とをヒューガルポンプやラインミキサーなどの高速撹拌が可能な装置を用いて瞬間的に混合することによってPACを製造する方法が記載されている。
しかし、特許文献1及び2の方法は、高せん断力撹拌または高速撹拌できる特殊な装置の使用を必須とするため、そのような撹拌能力を有さない汎用的な装置にそれらの方法を適用することができないという問題があった。
特許文献3では、炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムを必須原料としたPACの製造方法が開示されている。具体的には、アルミン酸ナトリウムと炭酸ナトリウムとの混合液と塩基性塩化アルミニウム溶液とを同時添加して得られたアルミナゲルを脱塩し、該脱塩アルミナゲルを塩基性塩化アルミニウム溶液に溶解させた後、硫酸アルミニウムを添加することによるPACの製造方法である。
また、特許文献4に記載の方法では、アルミナゲル含有液のAl2O3濃度を低くしなければPACの製造が困難であるという問題があった。尚、その理由としては以下のことが推測される。即ち、特許文献4の実施例1〜8を例にとって説明すると、実施例1〜8ではポリ塩化アルミニウムと硫酸アルミニウムとの混合液を用いているが、該混合液(本発明の水溶性アルミニウム塩溶液に該当)のpHは4を下回るものであると見積もることができる。実施例1〜8では、そのような低pHの水溶性アルミニウム塩溶液に対しアルミン酸ナトリウムを滴下混合して徐々に中和しているために、アルミナゲル含有液のAl2O3濃度を低くしなければ溶解性の高いアルミナゲルが得られないのではないか、ということが推測される。
また、アルミナゲル含有液のAl2O3濃度が低いことの問題として、一般に市販されているAl2O3濃度のPAC(例えば、日本水道協会のPACのAl2O3濃度規格は10.0〜11.0質量%)を製造する場合、高塩基度のPACを製造することが困難となることがあった。
(1)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0〜0.4)及び硫酸アルミニウム溶液のうちの少なくとも1つからなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0〜2である。
(2)第1の工程で得られたアルミナゲル含有液と、塩基度が25〜65%である塩基性塩化アルミニウム溶液とを混合する第2の工程。
(3)第2の工程で得られた混合液中のアルミナゲルを溶解させる第3の工程。
(1a)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0)からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0である。
(1b)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0を超え0.4以下)からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え0.3以下である。
(1c)硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜6の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜90%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0.3を超え2以下である。
(1d)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0)及び硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え2以下である。
(1e)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0を超え0.4以下)及び硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え2以下である。
具体的には、例えば、第1の工程で使用する水溶性アルミニウム塩溶液として、硫酸根含有の塩基性塩化アルミニウム溶液または硫酸アルミニウム溶液を用いてもよいし、第2又は第3の工程中やその前後で硫酸根含有化合物を別途添加してもよく、さらには、第2の工程で使用する塩基度が25〜65%である塩基性塩化アルミニウム溶液として硫酸根を含有したものを用いてもよい。
また、本発明の製造方法は、炭酸塩を使用しないため低コストであり、脱塩工程が不要であるという長所を有する。
ここで説明する製法1は、本発明のPACの製造方法の一例である。
図1は、本製法1を説明するための工程図である。
(1)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0〜0.4)及び硫酸アルミニウム溶液のうちの少なくとも1つからなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0〜2である。
(2)第1の工程で得られたアルミナゲル含有液と、塩基度が25〜65%である塩基性塩化アルミニウム溶液(以下、塩基性塩化アルミニムウ溶液(2)又はBAC(2)とも称する)とを混合する第2の工程。
(3)第2の工程で得られた混合液中のアルミナゲルを溶解させる第3の工程。
以下、本製法1について、工程順に説明する。
まず、(1)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0〜0.4)及び硫酸アルミニウム溶液のうちの少なくとも1つからなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程を行う。以下、上記塩基性塩化アルミニウム溶液を、BAC(1)と称する。
上記BAC(1)の最も望ましい製造方法は、オートクレーブ法、即ち、水酸化アルミニウムに塩酸あるいは塩化アルミニウムを加えて140〜180℃で1〜8時間加熱し溶解する方法である。
BAC(1)の組成としては、Al2O3濃度が10〜20質量%が好例である。
上記モル比の上限を超えて硫酸根が含有されていると、溶解性の良いアルミナゲルが得られ難くなったり、ろ過性が低下したりすることがある。
また、上記硫酸根含有BAC(1)として、製品化された塩基度45〜65%のPACを用いてもよいが、SO4/Al2O3のモル比の範囲は0を超え0.4以下である。
上記組成のアルミン酸ナトリウム溶液であれば、上記水溶性アルミニウム塩溶液との反応によって生成するアルミナゲルが良好な溶解性を示す。
上記Na/Al2O3(モル比)は、2.2〜3.4であることがより好ましい。
ここで、水溶性アルミニウム塩溶液及びアルミン酸ナトリウム溶液の両溶液の添加方法は、混合液のpHが4〜11の範囲内に維持されるように添加することが極めて重要である。
上記混合液のpHが上記範囲を逸脱すると、後の工程でアルミナゲルを溶解した際に、溶解後の液に濁りが発生したり、未溶解残査が多量に発生したりする場合があり、さらには、製造したPACが保存安定性に劣るものとなることがある。
上記注入添加における添加速度については、上記両溶液の添加速度が速いと中和反応によって生成するアルミナゲルが高粘度化したり固化したりする。このような現象が生じると、後の工程における操作に支障をきたす場合がある。従って、低粘度のアルミナゲルが得られるように、撹拌装置、製造規模等の製造条件に応じて、上記両溶液の添加速度を適切に設定することが望ましい。
以上の操作により、アルミナゲル含有液を得ることができる。
本工程では、該液中に含有されるアルミナゲルの塩基度が70〜100%となり、アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比が0〜2となるように、上記両溶液、即ち水溶性アルミニウム塩溶液とアルミン酸ナトリウム溶液の添加量を適宜設定する。
上記アルミナゲルの塩基度が上記範囲内であれば、溶解性の高いゲルが得られる。これに対し、上記塩基度が70%を下回ると、アルミナゲル含有液の粘度が増大する傾向となり、場合によっては固化するため、操作性が悪くなる。一方、アルミナゲルの設計塩基度が100%を上回るようにした場合、ゲルの性状が不均一となる傾向があり、操作性が悪くなる。
尚、本発明において「アルミナゲルの塩基度」とは、アルミナゲル含有液中のAl、Cl、Na、SO4濃度を用いて算出した塩基度である。
上記Al2O3濃度が15質量%を超えると、アルミナゲル含有液の粘度が上昇するため、後の工程における操作性が悪くなる場合がある。一方、上記Al2O3濃度が3質量%を下回っても製造は容易であるが、貯蔵、輸送コストの点から最終製品濃度を高くするために、上記Al2O3濃度の下限値は3質量%であることが好ましく、さらには5.5質量%であることがより好ましい。
また、上記Na/Al2O3(モル比)が上記範囲内にあると、アルミナゲル含有液の取り扱いが容易となり、またアルミナゲルの溶解性が高くなる傾向があるため好ましい。
上記水溶性の硫酸根含有化合物は、操作性の観点から、溶液を用いることが好ましい。硫酸アルミニウム溶液を用いる場合は、例えば、上述したアルミナゲル含有液を調製する際に使用する硫酸アルミニウム溶液と同様のものを用いることができる。
尚、後の工程において水溶性の硫酸根含有化合物を用いる場合も、上記例記した水溶性の硫酸根含有化合物を用いることができる。
最終製品であるPAC中に硫酸根が含有されることによって、アルミニウムの重合がより促進され、良好な凝集性能を有するPACを得ることができる。
また、本工程で得られるアルミナゲル含有液は保存安定性が比較的高い傾向が認められるが、早期に使用することが好ましい。また、本発明の製造方法は、脱塩等を目的としたアルミナゲル含有液のろ過を必要とはしない。
本工程において、BAC(2)の添加量は、塩素量を目安にして、最終製品であるPAC中のCl/Al2O3(モル比)が1〜5程度となるような量とすることもできるが、基本的には最終製品であるPACが目的とする塩基度、Al2O3濃度及びSO4濃度に応じて適宜設定することが好ましい。
上記BAC(2)の組成としては、Al2O3濃度が10〜20質量%が好例である。
上記BAC(2)の硫酸根の含有量は、SO4/Al2O3(モル比)として0以上0.85未満であることが好ましい。
上記BAC(2)の液温については特に制限は無いが、後の工程のアルミナゲルの溶解時の液温以下であることが好ましい。
尚、本工程では、上記アルミナゲル含有液と上記BAC(2)との混合が完了した時点で、アルミナゲルの溶解も完了していることがあるが、この場合は、本工程と後述する第3の工程とが同時に行われたこととなり、このような態様も本発明の一例に含まれる。
即ち、上記アルミナゲル含有液と上記BAC(2)との混合時に、上記水溶性の硫酸根含有化合物を適宜添加してもよい。
上記アルミナゲルの溶解は、混合液の液温を20〜80℃の範囲内に設定して行うことが好ましい。
上記液温が80℃を超えると、最終製品であるPACの凝集性能と保存安定性が悪化する場合があり、一方、20℃未満では溶解時に増粘したり、アルミナゲルが充分に溶解しない場合がある。アルミナゲルの溶解が不十分である場合は上記液温の範囲内で適宜加熱すればよい。
上記液温は40〜80℃の範囲がより好ましい。
本工程において、アルミナゲルの溶解時間及び熟成時間は、アルミナゲルの溶解性、溶解時の液温、撹拌力等の条件に応じて適宜設定すればよく、溶解時の液温を高くする場合は、熟成時間を短くすることが好ましい。
一例として、液温を80℃に加熱してアルミナゲルを溶解させる場合、80℃に達してから加熱を終了するまでの時間は、熟成工程を含めてもおよそ0.5〜2時間とすることが好ましい。
上記水溶性の硫酸根含有化合物の添加は、任意のタイミングで行うことができる。即ち、上記水溶性の硫酸根含有化合物は、アルミナゲルの溶解前から溶解後、即ち、溶解前、溶解中及び溶解後のうちのいずれの段階においても添加することができる。
上記水溶性の硫酸根含有化合物を溶液で添加する場合、該溶液の温度は20〜80℃の範囲内であれば特に限定はない。
ここで、得られるPACの塩基度としては、45〜83.5%の範囲が好例である。
本製法1は、原料の配合比率を変化させるだけで、さまざまな塩基度のPACを簡便に製造できるという長所を有する。尚、凝集性能と保存安定性等の観点から、上記PACの塩基度の範囲としては、50〜80%であることがより好ましい。
尚、アルミナゲル含有液中の硫酸根の割合が多い場合、例えばSO4/Al2O3のモル比が0.3を超え2以下の場合は、得られるPACの塩基度を45〜60%の範囲とすることが好ましい。
ろ過方法については特に制限は無く、例えば、フィルタープレス、ヌッチェろ過等適宜選択すればよい。
また、上記PACは、熱風乾燥機、噴霧乾燥機等の乾燥機によって乾燥させることにより、粉末PACとすることもできる。
製法2〜6は、それぞれの第1の工程のみが上記製法1の第1の工程と異なっている。そのため、以下では重複した部分の説明は省略し、各製法の第1の工程のみを簡潔に説明する。
尚、製法2〜6によって得られるPACは、Al2O3濃度とSO4/Al2O3(モル比)の範囲については上記製法1と同様であるが、塩基度の範囲が各製法によって異なるので、PACについては塩基度の範囲について言及した。
本製法2の第1の工程(1a)は下記の通りである。
(1a)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0)からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0である。
本製法3の第1の工程(1b)は下記の通りである。
(1b)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0を超え0.4以下)からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え0.3以下である。
本製法4の第1の工程(1c)は下記の通りである。
(1c)硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜6の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜90%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0.3を超え2以下である。尚、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は、0.5〜2の範囲であることが好ましく、1.0〜1.8の範囲がより好ましい。
本製法5の第1の工程(1d)は下記の通りである。
(1d)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0)及び硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え2以下である。
本製法6の第1の工程(1e)は下記の通りである。
(1e)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0を超え0.4以下)及び硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、上記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、上記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え2以下である。
図2は、本製法7を説明するための工程図である。
本製法7は、上記製法1〜6の一部を改変した製法である。以下、上記製法1と比較しながら本製法7を説明する。
具体的には、図2に示すように、上記製法1の第2の工程を経て得られた混合液に、上記製法1の第一の工程と同様の方法を用いて調製したアルミナゲル含有液を混合する工程(第2′の工程)を行うことを上記製法1から改変した点とする方法であり、その要点は、アルミナゲル含有液を2回に分けて使用することにある。このような工程を経ることにより、アルミナゲルの溶解を促進することができる。
尚、その他の工程については上記製法1と同様である。従って、上記製法1と同様の組成、塩基度を有するPACを製造することができる。
本製法7では、まず、上記製法1の第1の工程と同様にしてアルミナゲル含有液を調製する(以下、アルミナゲル含有液(1)ともいう)。
次に、上記製法1の第2の工程と同様にして、上記アルミナゲル含有液(1)とBAC(2)とを混合して混合液(1)を得る。
そして、本製法7では、上記混合液(1)に、上記アルミナゲル含有液(2)を混合して混合液(2)を得る第2′の工程を行う。この第2′の工程を行うことが上記製法1と異なる点である。
尚、上記第2′の工程を行う際の温度は特に制限されず、各液の成り行き温度で行えば良い。
本製法7では、以上の工程を経ることにより、PAC(硫酸根含有ポリ塩化アルミニウム)を製造することができる。
尚、本製法7において、PACに硫酸根を含有させる方法は、上記製法1と同様である。即ち、水溶性アルミニウム塩溶液として硫酸根含有のものを用いてもよいし、BAC(2)に硫酸根を含有させてもよいし、更には、水溶性の硫酸根含有化合物を任意のタイミングで別途添加してもよい。
また、各実施例及び比較例において、各アルミン酸ナトリウム溶液のpHは概ね14であり、各BAC(1)のpHは、概ね2〜3の範囲内とした。尚、pHは、公知の方法により測定した。
また、実施例6と比較例5では、撹拌機として(株)エスエムテー製のPOWER HOMOGENIZER(PD−96)を用い、撹拌の回転速度は10000rpmとした。このとき上記同様に算出した速度勾配は1047sec−1であった。
実施例1〜4及び比較例1では、水溶性アルミニウム塩溶液として硫酸根不含BAC(1)を用い、アルミナゲルの塩基度を変動させた条件下において、硫酸根不含BAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液を同時に添加したときの混合液のpH範囲がPACの製造に及ぼす影響について評価した。
[1] 水の入った容器に、BAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液とを、それぞれローラーポンプ(アトー株式会社製 ペリスタポンプSJ−1211H)を用いて、緩速で同時に添加開始し同時に添加終了するように添加するとともに混合し、アルミナゲル含有液を調製した。このとき、上記両溶液の混合液のpH範囲は表1(b)欄に記載した通り、実施例1が4〜5、実施例2が4.5〜6、実施例3が6〜8、実施例4が9〜11、比較例1が3.5〜4であった。
各アルミナゲルの塩基度は、表1の(c)欄に記載した通り、実施例1が87.5%、実施例2が90%、実施例3が95%、実施例4が100%、比較例1が85%であった。
[3] 上記[2]で得られた液に、BAC(2)を添加して混合液を得た。その後、該混合液を加熱し、アルミナゲルを溶解させた(アルミナゲルの溶解条件は表1(d)欄参照)。
上記[1]〜[4]の工程を経ることにより、表1(f)欄記載の塩基度と組成を有するPACを得た。
また、比較例1では、アルミナゲル溶解後の液に濁りがあり、さらに未溶解残渣量を多量に含有(表1(e)欄参照)していたため、ろ過詰まりが生じろ過操作が困難であった。このため、工業的な製造には適さないことが明らかとなった。
その結果、表1(g)欄に示した通り、実施例1〜4のPACは保存安定性が高かったのに対し、比較例1のPACは保存安定性が低かった。
実施例5及び比較例2〜4では、水溶性アルミニウム塩溶液として硫酸根不含BAC(1)を用い、各アルミナゲルの塩基度を90%に設定した条件下において、BAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液の添加方法とpH変動との関係を評価した。
具体的には、表2に記載の原料及び製造条件を採用し、アルミナゲル含有液の調製方法を下記方法に変更した以外は、実施例1と同様の手順でPACを製造した。
BAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液との同時添加において、アルミン酸ナトリウム溶液をBAC(1)よりも早く添加終了するように設定した。具体的には、BAC(1)の添加時間の3分の2の時間でアルミン酸ナトリウム溶液を添加し終えた。
この場合、表2の(b)欄に示したように、両溶液の混合液のpH範囲は4.5〜11となった。得られたアルミナゲル含有液の性状は、低粘度のスラリー状であった。
BAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液との同時添加において、BAC(1)をアルミン酸ナトリウム溶液よりも早く添加終了するように設定した。具体的には、アルミン酸ナトリウム溶液の添加時間の6分の5の時間でBAC(1)を添加し終えた。
この場合、表2の(b)欄に示したように、両溶液の混合液のpH範囲は2〜4となった。得られたアルミナゲル含有液の性状は、流動性を失った状態(シャーベット状)であった。
アルミン酸ナトリウム溶液の一部を先に容器に添加しておき、そこへBAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液とを同時添加した。但し、両溶液は同時に添加終了するように設定した。具体的には、アルミン酸ナトリウム溶液の全添加量のうち6分の1の量を先に容器に添加した。
この場合、表2の(b)欄に示したように、両溶液の混合液のpH範囲は6〜13となった。得られたアルミナゲル含有液の性状はスラリー状であったが、アルミナゲルは後の溶解工程において溶解し難かった。
BAC(1)の一部を先に容器に添加しておき、そこへBAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液とを同時添加した。但し、両溶液は同時に添加終了するように設定した。具体的には、BAC(1)の全添加量のうち30分の1の量を先に容器に添加した。
この場合、表2の(b)欄に示したように、両溶液の混合液のpH範囲は2〜5となった。得られたアルミナゲル含有液の性状は、固形化したものであった。
また、比較例2〜4において、アルミナゲル溶解後の液は濁りがあり、さらに未溶解残渣量を多量に含有(表2(e)欄参照)していたため、ろ過詰まりが生じろ過操作が困難であった。このため、工業的な製造には適さないことが分かった。また、表2に示した通り、保存安定性にも劣ることが分かった。
これに対して、実施例5は問題なくPACを製造することができ、PACの保存安定性にも優れていた(表2(g)欄参照)。
水溶性アルミニウム塩溶液として硫酸根不含BAC(1)を用いた。
既に冒頭で説明した通り、撹拌速度を10000rpmとし、表3に記載の原料及び製造条件を採用し、下記の手順でPACを製造した。
水の入った容器に、無撹拌下でBAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液を添加した後、直ちに10000rpmで撹拌して、ほぼ瞬時に塩基度90%のアルミナゲルを含有したアルミナゲル含有液を得た。
次に、上記アルミナゲル含有液にBAC(2)を添加して混合液を得た。次いで、上記混合液を加熱してアルミナゲルを溶解させた後、硫酸アルミニウム溶液(2)を添加した。その後、実施例1と同様にしてろ過した後、調整水を添加して濃度調整を行った。
水の入った容器に、無撹拌下でBAC(1)とアルミン酸ナトリウム溶液を添加した後、直ちに10000rpmで撹拌して、ほぼ瞬時に塩基度59%のアルミナゲルを含有したアルミナゲル含有液を得た。
次に、上記アルミナゲル含有液を加熱してアルミナゲルを溶解させた後、硫酸アルミニウム溶液(2)を添加した。その後、実施例1と同様にしてろ過した後、調整水を添加して濃度調整を行った。
一方、比較例5は、濁りのある液となり、さらに未溶解残渣量を多量に含有(表3(e)欄参照)していたため、ろ過詰まりが生じろ過操作が困難であった。このため、工業的な製造には適さないことが明らかとなった。
実施例7〜12及び比較例6では、水溶性アルミニウム塩溶液として硫酸根不含BAC(1)を用い、表4に記載の原料及び製造条件を採用し、実施例1と同様の手順で各種塩基度のPACを製造した。
実施例7〜12のPACの塩基度は48.0〜77.9%であり、比較例6のPACの塩基度は47.0%であった(表4(f)欄参照)。尚、各アルミナゲルの塩基度は、実施例7〜12は85〜100%とし、比較例6は60%とした(表4(c)欄参照)。
表5に記載の原料及び製造条件を採用し、下記の手順でPACを製造した。尚、水溶性アルミニウム塩溶液として硫酸根不含BAC(1)を用い、各アルミナゲルの塩基度は95%とした。
実施例1と同様の手順でPACを製造した。即ち、アルミナゲルの溶解操作前に硫酸アルミニウム溶液(2)を添加した。
[1]実施例1と同様にしてアルミナゲル含有液を調製した。
[2]上記[1]で得られたアルミナゲル含有液にBAC(2)を添加し混合液を得た。
[3]上記[2]で得られた混合液を加熱し、アルミナゲルの溶解中に硫酸アルミニウム溶液(2)を添加した。
[4]上記[3]で得られた溶液を実施例1と同様にろ過した後、調整水を添加して濃度調整を行った。
[1]実施例1と同様にしてアルミナゲル含有液を調製した。
[2]上記[1]で得られたアルミナゲル含有液にBAC(2)を添加し混合液を得た。
[3]上記[2]で得られた混合液を加熱し、アルミナゲルの溶解後に硫酸アルミニウム溶液(2)を添加した。
[4]上記[3]で得られた溶液を実施例1と同様にろ過した後、調整水を添加して濃度調整を行った。
[1]実施例1と同様にしてアルミナゲル含有液を得た。
[2]上記[1]で得られたアルミナゲル含有液に、硫酸根を含有したBAC(2)を添加し混合液を得た。
[3]上記[2]で得られた混合液を加熱し、アルミナゲルを溶解させた。
[4]上記[3]で得られた溶液を実施例1と同様にろ過した後、調整水を添加して濃度調整を行った。
表6に記載の原料及び製造条件を採用し、下記の手順でPACを製造した。
このとき、アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は、実施例17が0.05、実施例18が0.11、実施例19が0.21、比較例7が0.25であった。
また、比較例7では、アルミナゲル溶解後の液に濁りがあり、さらに未溶解残渣量を多量に含有(表6(e)欄参照)していたため、ろ過詰まりが生じろ過操作が困難であった。以上より、比較例7の製造方法は、工業的な製造には適さないことが明らかとなった。
表7に記載の原料及び製造条件を採用し、実施例1と同様の手順でPACを製造した。但し、水溶性アルミニウム塩溶液として実施例1のBAC(1)に替えて表7に記載の硫酸アルミニウム溶液(1)を用いた。尚、比較例8では硫酸アルミニウム溶液(2)を添加しなかった。
一方、比較例8では、未溶解残渣を多量に含有(表7(e)欄参照)していたため、ろ過詰まりが生じろ過操作が困難であった。このため、工業的な製造には適さないことが分かった。
表8に記載の原料及び製造条件を採用し、実施例1と同様の手順でPACを製造した。但し、水溶性アルミニウム塩溶液として、実施例22〜23及び比較例9では硫酸根不含BAC(1)及び硫酸アルミニウム溶液(1)を用い、実施例24では硫酸根含有BAC(1)及び硫酸アルミニウム溶液(1)を用いた。
一方、比較例9では、未溶解残渣を多量に含有(表8(e)欄参照)していたため、ろ過詰まりが生じろ過操作が困難であった。このため、工業的な製造には適さないことが分かった。
水溶性アルミニウム塩溶液として硫酸根不含BAC(1)を用いた。
表9に記載の原料及び製造条件を採用し、下記の手順でPACを製造した。
[1]第一の容器において、実施例1の[1]の工程と同様にして、塩基度100%のアルミナゲルを含有したアルミナゲル含有液(1)を得た。但し、水、BAC(1)及びアルミン酸ナトリウム溶液の各原料の量は表9に記載の量の3分の2の量である。
[2]第二の容器において、実施例1の[1]の工程と同様にして、塩基度100%のアルミナゲルを含有したアルミナゲル含有液(2)を得た。但し、水、BAC(1)及びアルミン酸ナトリウム溶液の各原料の量は表9に記載の量の3分の1の量である。
[3]上記[1]で得られたアルミナゲル含有液に、硫酸根を含有したBAC(2)を添加し混合液を得た。
[4]上記[3]で得られた混合液を加熱し、アルミナゲルの溶解中に、上記[2]で得られたアルミナゲル含有液(2)をローラーポンプ(アトー株式会社製 ペリスタポンプSJ−1211H)で緩速添加し、混合液を得た。
[5]上記[4]の混合液中のアルミナゲルの溶解後に、実施例1と同様にろ過した後、調整水を添加して濃度調整を行った。
その結果、実施例25では、問題なくPACを製造することができた。また、得られたPACは保存安定性が高かった(表9(g)欄参照)。
各実施例で製造したPACについて、下記凝集試験1及び/又は2を行い、その凝集性能を評価した。また、凝集試験1及び2では、参考例として、塩基度50%、SO4/Al2O3(モル比)が0.3である市販の水道用PAC(多木化学株式会社製 PAC250A)を用いた。
供試水:上水試験方法(日本水道協会)に記載の濁度測定用標準カオリンを水道水に分散させた人工濁水を供試水として使用した。
供試水の性状は、濁度:10.5度、アルカリ度:32mg/L、pH:7.75、水温:15℃であった。
ジャーテストはジャーテスターと1Lビーカーを用いて実施した。
上記供試水1000mlに、PACをAl2O3として2.5mg/Lになるように加え、急速撹拌(120rpm×3分)、緩速撹拌(40rpm×10分)を行い、10分間静置後、上澄水100mlを採取し、処理水pH、濁度を測定した。結果を表10に示した。
供試水:加古川表流水を使用した。
供試水の性状は、濁度:5.7度、アルカリ度:35mg/L、pH:7.85、水温:16℃であった。
Claims (10)
- 下記(1)〜(3)の工程を包含することを特徴とする硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
(1)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0〜0.4)及び硫酸アルミニウム溶液のうちの少なくとも1つからなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、前記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、前記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0〜2である。
(2)第1の工程で得られたアルミナゲル含有液と、塩基度が25〜65%である塩基性塩化アルミニウム溶液とを混合する第2の工程。
(3)第2の工程で得られた混合液中のアルミナゲルを溶解させる第3の工程。
但し、第1の工程で調製されたアルミナゲル含有液中のSO 4 /Al 2 O 3 のモル比が0である場合、以下の(i)〜(iii)の方法のうちの少なくとも1つの方法を用いる。
(i)第1の工程において、調製されたアルミナゲル含有液に水溶性の硫酸根含有化合物を添加する方法。
(ii)第2又は第3の工程において、任意のタイミングで水溶性の硫酸根含有化合物を添加する方法。
(iii)第2の工程における塩基度が25〜65%である塩基性塩化アルミニウム溶液として、硫酸根を含有したものを用いる方法。 - 前記第1の工程として、下記(1a)の工程を行う請求項1に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
(1a)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0)からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、前記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、前記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0である。 - 前記第1の工程として、下記(1b)の工程を行う請求項1に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
(1b)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0を超え0.4以下)からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、前記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、前記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え0.3以下である。 - 前記第1の工程として、下記(1c)の工程を行う請求項1に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
(1c)硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜6の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、前記アルミナゲルの塩基度は70〜90%であり、前記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0.3を超え2以下である。 - 前記第1の工程として、下記(1d)の工程を行う請求項1に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
(1d)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0)及び硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、前記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、前記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え2以下である。 - 前記第1の工程として、下記(1e)の工程を行う請求項1に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
(1e)塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度35〜65%、SO4/Al2O3のモル比が0を超え0.4以下)及び硫酸アルミニウム溶液からなる水溶性アルミニウム塩溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液とを、両溶液の混合液のpHが4〜11の範囲内を維持するように添加し反応させて、アルミナゲル含有液を調製する第1の工程。
但し、前記アルミナゲルの塩基度は70〜100%であり、前記アルミナゲル含有液中のSO4/Al2O3のモル比は0を超え2以下である。 - 前記アルミナゲル含有液中のAl2O3濃度が3〜15質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
- 前記アルミナゲル含有液中のAl2O3濃度が5.5〜15質量%である請求項7に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
- 前記第2の工程を経て得られた混合液に、前記第1の工程と同様の方法を用いて別途調製したアルミナゲル含有液を混合する第2′の工程を更に包含する請求項1〜8のいずれか1項に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
- 前記第3の工程を行う際の液温が、20〜80℃である請求項1〜9のいずれか1項に記載の硫酸根含有ポリ塩化アルミニウムの製造方法。
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