JP5981071B1 - 走査型内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、日本国特開2014−145942号公報の従来例は、一端が揺動可能に支持された揺動部を有する光ファイバと、前記揺動部を駆動信号に基づいて振動させる振動駆動手段と、前記振動駆動手段に送信する前記駆動信号の周波数を変更する変更手段と、前記揺動部近傍の温度を検出する温度センサとを備え、前記温度センサが検出した温度に基づいて、前記駆動信号の周波数を変更する走査型内視鏡装置を開示し、外部環境の変化に対して画角の変動を抑制することができるようにしている。そして、例えば通常の温度環境から例えば高温の温度環境に変化して、揺動部の振幅の低下により画角が狭小化した場合、温度センサによる検出温度に基づいて画角が変動することを抑制することができるようにしている。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、アクチュエータの異常状態を簡単に検出し、異常状態の走査型内視鏡が検査に使用されることを防止できる走査型内視鏡装置を提供することを目的とする。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態の走査型内視鏡装置1は、走査型光プローブを形成する走査型内視鏡2と、走査型内視鏡2が着脱自在に接続される本体装置(又は走査型内視鏡制御装置)3と、本体装置3に接続される表示装置としてのモニタ4と、を有する。
走査型内視鏡2は、被検体5の体内又は体腔内に挿入可能な細長の形状及び可撓性を備える挿入部6を有し、挿入部6の基端(後端)には、走査型内視鏡2を本体装置3のコネクタ受け8に着脱自在に接続するためのコネクタ7が設けられている。
また、挿入部6は、硬質の先端部11と、その後端からコネクタ7に延びる、可撓性を有する可撓管部12と、を有する。なお、先端部11と可撓管部12との間に、湾曲自在の湾曲部を設け、可撓管部12とコネクタ7との間に湾曲部を湾曲する操作ノブ等を設けた操作部を設けるようにしても良い。
挿入部6内には、照明光を導光する導光部を形成する光ファイバ15が挿通され、この光ファイバ15の基端(後端)は、コネクタ7において本体装置3内部の光ファイバ15bと接続される。そして、本体装置3内部の光源部を形成する光源ユニット31で発生した照明光が光ファイバ15bを経て光ファイバ15の基端に入射される。光ファイバ15により導光された照明光は、光ファイバ15の出射端となる先端面から、該先端面に対向して円筒部材13の先端に取り付けられた集光する照明レンズ16を経て、被検体5内の観察対象となる検査部位に向けて照明光が出射される。
円筒部材13の内側には、光ファイバ15の先端側を、該光ファイバ15の長手方向(図1ではZ軸方向)と直交する方向に揺動する如くに走査する走査部(又は走査ユニット)14を構成するアクチュエータ17が配置されている。なお、走査部14は、光ファイバ15を保持したアクチュエータ17により形成される。
このアクチュエータ17は、その基端が保持部材19により保持され、この保持部材19の円板状の外周面は円筒部材13の内面に固定されている。光ファイバ15とアクチュエータ17は、接合部材又は支持部材としてのフェルール20(図2参照)により接合されている。
図2は図1のA−A線断面によりアクチュエータ17の周辺部の構成を示す。図2に示すように(円筒部材13における)中心軸Oに沿って配置される断面が正方形の直方体形状の硬質の接合部材としてのフェルール20は、例えば、ジルコニア(セラミック)またはニッケル等により形成されている。
フェルール20は、中心軸Oに沿って光ファイバ15が固定され、Z軸と直交するY軸方向(紙面の上下又は垂直方向)の両側面と、X軸方向(紙面の左右又は水平方向)の両側面とにアクチュエータ17を形成するアクチュエータ素子17a、17bと17c、17dが取り付けられている。
また、この保持部材19は、円筒部材13の基端の内面に嵌合して接着剤等により固定されている。
図3は、アクチュエータ素子17a,17bと17c,17dとに印加される駆動信号の電圧波形を示し、光ファイバ15の先端は図4に示すように渦巻き形状の経路(又は軌跡)を描く。図3に示すようにX軸方向とY軸方向への駆動信号の位相は90°ずれた状態でアクチュエータ素子17a,17bと17c,17dに印加され、電圧を時間と共に少しずつ変化させることにより、光ファイバ15の先端は円形から渦巻き形状の軌跡を描くようになる。なお、本実施形態においては、直交する2つの方向に揺動(振動)させるために、それぞれ対となるアクチュエータ素子17a,17bとアクチュエータ素子17c,17dを用いてアクチュエータ17を形成しているが、それぞれ1つのアクチュエータ素子(例えば17aと17c)にした場合にも適用できる。
リング状に配置された受光用光ファイバ23は、可撓性を有する外装部材24により覆われ、保護されている。
また、各走査型内視鏡2には、アクチュエータ17により、光ファイバ15の先端を渦巻き形状の所定の走査パターンに沿って駆動させるための駆動データ及び駆動した場合の照射位置(走査位置又は走査スポット位置)に対応する座標位置データ等の情報を格納したメモリ25を有する。このメモリ25に格納された情報は、コネクタ7の接点、信号線を経て本体装置3内部のコントローラ34に入力される。コントローラ34は、入力された上記情報を例えばメモリ35に格納し、メモリ35に格納した情報を参照して、光源ユニット31や駆動ユニット32を制御する。
つまり、メモリ25における一部の記憶エリアは、(正常な動作状態において予め取得した)共振周波数の情報を格納する周波数情報格納部25aを形成する。後述するように共振周波数の情報は、判定モードの動作を行う際に参照され、走査型内視鏡2(に搭載されたアクチュエータ17を含む走査部14)が異常か否かを判定する場合に利用される。また、このメモリ25は、先端部11が変形する等して先端部11内に設けられている走査部14の特性等が変化して正常な動作状態から異常な動作状態になったことを共振周波数の変化に基づいて判定するための閾値の情報を格納している。つまり、このメモリ25は、異常判定用の閾値の情報を格納する閾値格納部(又は閾値情報格納部)25bの機能を有する。
また、閾値情報格納部25bは、2つの共振周波数frv,frhに対して、それぞれ低い周波数側にずれた場合の異常判定用の閾値と、高い周波数側にずれた場合の異常判定用の閾値と、を格納する。
なお、アクチュエータ素子17a,17bと17c、17dは特性が揃ったものが使用されるために共振周波数frvとfrhは、許容される小さな周波数差の範囲内でほぼ同じ周波数となる。その周波数差を無視できる場合には、例えば2つの共振周波数frv、frhの平均値となる1つの共振周波数fr(=(frv+frh)/2)を格納したり、1つの共振周波数frを用いて異常か否かの判定を行うようにしても良い。また、異常判定用の閾値に関しても、2つの共振周波数frv,frhに対して共通の異常判定用の閾値を用いるようにしても良い。
本実施形態においては、入力部36には検査部位を観察するための通常の観察画像としての内視鏡画像を取得する観察モードと、走査型内視鏡2が正常か異常かの判定を行う判定モードとを切り替えるモード切替を行うモード切替スイッチ36aと、観察モード中において観察モードと判定モードとを交互に行うように指示操作する交代動作モードスイッチ36bとが設けてあり、これらスイッチ36a,36bの指示信号はコントローラ34(内の駆動制御部34b等)に入力される。切替スイッチ36aは、走査型内視鏡2により被検体5の観察画像を得る観察モードと、走査型内視鏡2の異常を判定する判定モードとを切り換えるモード切り替え部の機能を持つ。この場合、指示信号を発生する切替スイッチ36aの他に、該指示信号に応じて観察モードと、判定モードとを切り換える制御動作を行うコントローラ34を含めたものが、モード切り替え部の機能を持つと定義しても良い。
また、入力部36には、交代動作モードスイッチ36bにより交代動作モードにおける(交互に)動作する判定モードに対して、周波数を変化させる場合の周波数変化範囲や、対応する判定処理に関する閾値のパラメータを選択するパラメータ選択スイッチ36cが設けてある。
例えば、予め設定されたデフォルトの設定においては、初期状態に行う判定モードの場合と同じ周波数変化範囲を短時間に掃引する信号を発生させるような掃引パラメータが設定されており、この場合には、初期状態の場合と同じ閾値のパラメータが採用される。このデフォルトの設定においては、初期状態の場合のようにより長い時間をかけて精度の高い判定結果を得る程には及ばないが、短時間で異常か否かを判定することができるようになる。
この場合には、周波数情報格納部25aに格納されている共振周波数を含むその近傍の周波数範囲の信号を発生するようにパラメータが設定される。
また、このパラメータの設定に対応して、正常な状態から、異常な状態に至る途中の変化状態を判定するための閾値のパラメータが設定される。
この場合には、アクチュエータ17の特性が正常な状態から逸脱した特性に変化したか否かの判定を行う。
光源ユニット31は、赤色の波長帯域の光(R光とも言う)を発生するR光源31aと、緑色の波長帯域の光(G光とも言う)を発生するG光源31bと、青色の波長帯域の光(B光とも言う)を発生するB光源31cと、R光、G光及びB光を合波(混合)する合波器31dと、を有する。観察モードの場合には、光源ユニット31は、以下のように発光のON/OFFが行われるが、判定モードに設定された場合には常時OFF(発光しない状態)に設定される。
R光源31a、G光源31b及びB光源31bに対する発光制御を行う発光制御部34aは、発光させた場合のR光、G光、B光(の照明光)を、光ファイバ15の出射端からさらに照明レンズ16を経て、観察部位側に出射させるため、照明光の出射を制御する出射制御部の機能を持つ。
コントローラ34の発光制御部34aは、R光源31a、G光源31b及びB光源31bに対して同時にパルス的に発光させる制御信号を送り、R光源31a、G光源31b及びB光源31bは同時にR光、G光、B光を発生し、合波器31dへ出射する。
合波器31dは、R光源31aからのR光と、光源31bからのG光と、光源31cからのB光と、を合波して光ファイバ15bの光入射面に供給し、光ファイバ15bは、合波されたR光、G光、B光を照明光として光ファイバ15に供給する。発光制御部34aは、上記のように判定モードの場合には、光源ユニット31が発光しない又は照明光を出射しないように制御する。
なお、本実施形態においては、以下に説明するように、判定モードの場合には、上下方向に振動(揺動)させるアクチュエータ素子17a,17bと、左右方向に振動(揺動)させるアクチュエータ素子17c,17dとの一方に対して異常を判定するための駆動信号(判定用信号と言う)を印加し、一方の判定用信号の印加による異常を判定するための判定用信号の印加が終了した後に他方のアクチュエータ素子に対する異常を判定するための判定用信号の印加が行われる。
位相シフト回路42aは、入力されたデジタルの交流信号と90°の位相差を持つデジタルの交流信号を生成し、スイッチ回路43aの接点cに出力する。スイッチ回路43aの接点aとON/OFFする接点bと、接点cとON/OFFする接点dは、信号発生器32aにおける第1、第2の出力端となり、図2のD/A変換器32b、32cの入力端にそれぞれ接続されている。
一方、可変周波数の信号発生回路41bで発生される周波数が変化するデジタルの交流信号は、切替スイッチ回路42bの共通接点aに入力される。共通接点aと選択的にONする接点b,cは、それぞれ第1、第2の出力端に接続される。なお、接点dは、いずれにも接続されていない接点である。
また、駆動制御部34bは、判定モードの場合には、スイッチ回路43aと切替スイッチ回路42bとを実線で示すように切り替える。但し、駆動制御部34bは、切替スイッチ回路42bに対しては、共通接点aが接点bとcとを交互にONするように切り替える。
また、判定モードの場合には、駆動制御部34b内のスイープ制御部(又はスイープ制御回路)34cは、可変周波数の信号発生回路41bが、周波数が変化する交流信号を、下限の周波数fminから少しずつ高くするようにして上限の周波数fmaxまで変化させて発生するように制御する。図6のG1は、可変周波数の信号発生回路41bが発生する時間的に変化する交流信号の周波数変化の様子を示す。この信号発生回路41bは、所定の時間(図6のG1ではtstからtenまでの時間Ts)かけて、交流信号を周波数fminからfmaxまでを掃引する。なお、図6のG1に示す段階的な周波数変化量の値をより小さくし、連続的な変化に近い特性に設定しても良い。また、図5に示すようにアンプ32d,32eの出力信号は、電流計測部34e(を形成する電流計測回路34ea,34eb)を経た後、駆動線18a、18bを介してアクチュエータ素子17a,17bと、17c,17dとに印加される。電流計測回路34ea,34ebは、それぞれ駆動線18a、18bを介してアクチュエータ素子17a,17bと、17c,17dとにそれぞれ流れる電流を計測する。なお、観察モードにおいては、電流計測を行わないので、図示しない切替回路等を設けて、判定モードの動作を行う場合のみ、電流計測部34e(の電流計測回路34ea,34eb)が図5のように駆動線18a、18bの途中に介挿する構成にしても良い。また、2つの電流計測回路34ea,34ebを用いる場合に限定されるものでなく、例えば1つの電流計測回路を設け、判定モードの場合において、実際に電流を計測する駆動線の途中に、その電流計測回路を介挿するような構成にしても良い。
また、共振周波数frhに対しても、共振周波数frvとほぼ同様の関係を満たすように設定すれば良い。また、上記の周波数fmin〜fmax(換言するとfrv−Δ1〜frv+Δ2)は、異常判定用の下限側周波数と上限側周波数とを含むように設定される。
図6のG1に模式的に示す例では、共振周波数frvから下限の周波数fminに至る途中に異常判定用の下限側のずれ量Δsが(閾値として)設定されている例を示しているが、共振周波数frvから上限の周波数fmaxに至る途中においても異常判定用の上限側のずれ量(図示せず)も同様に設定される。
また、共振周波数frhに関しても同様に下限側のずれ量、上限側のずれ量が同様に設定される。
一方、判定モードの場合においては、信号発生器32aの可変周波数の信号発生回路41bは、周波数が変化するデジタルの交流信号をD/A変換器32bと32cとに順次出力する。D/A変換器32bに入力されたデジタルの交流信号はD/A変換器32bによりアナログの交流信号に変換され、更にアンプ32dにより増幅されて判定用信号となり、駆動線18aを介してアクチュエータ素子17a,17bに印加される。
なお、判定モードの場合においては、駆動制御部34bは、例えばアンプ32d,32eのゲインを制御し、判定用信号の交流電圧(振幅)を、観察モードの場合よるも小さくする。つまり、判定モードの場合においては、駆動制御部34bは、アンプ32d,32eから出力する判定用信号の交流電圧(振幅)を、観察モードの場合よるも小さくするように制御する。
上記可変周波数の信号発生回路41bは、アクチュエータ17に対して、異なる周波数の複数の信号を順次印加する印加部(又は印加回路)を構成する。
観察モードの場合においては、アンプ32d及び32eから出力される駆動信号は、上述したように図3に示した波形となる。
分波器33aは、ダイクロイックミラー等を有し、受光用光ファイバ23bの光出射端面から出射された戻り光をR(赤)、G(緑)及びB(青)の色成分毎の光に分離して検出器33b、33c及び33dへ出射する。
検出器33b、33c及び33dは、フォトダイオード等の光検出器により構成され、分波器33aから出力されるR光の強度、G光の強度、及びB光の強度をそれぞれ検出し、当該検出したR光、G光及びB光の強度にそれぞれ応じたアナログのR,G,B検出信号を生成し、A/D変換器33e、33f、及び33gへ出力する。
A/D変換器33e、33f、及び33gは、検出器33b、33c及び33dからそれぞれ出力されたアナログのR、G及びB検出信号を、それぞれデジタルのR、G及びB検出信号に変換してコントローラ34内の画像生成部41dへ出力する。画像生成部41dは、検出信号から、走査位置に対応した観察画像の画像信号を生成し、モニタ4に出力し、モニタ4は観察画像を表示する。
また、本実施形態においては、判定モードの場合において、アクチュエータ17a,17bと17c、17dとに印加される判定用信号を監視する信号監視部(又は信号監視回路)を形成する電流計測部(又は電流計測回路)34eを有する。
電流計測部34eは、可変周波数の信号発生回路41bが周波数を変化させた交流信号を発生し、アンプ32dにより増幅した判定用信号を、駆動線18aを介してアクチュエータ素子17a,17bに印加する場合には、アンプ32dとアクチュエータ素子17a,17bとを接続する駆動線18aに流れる電流を計測する。
同様に、電流計測部34eは、可変周波数の信号発生回路41bが周波数を変化させた交流信号を発生し、アンプ32eにより増幅した判定用信号を、駆動線18bを介してアクチュエータ素子17c,17dに印加する場合には、アンプ32eとアクチュエータ素子17c,17dとを接続する駆動線18bに流れる電流を計測する。
この共振状態においては、(光ファイバ15を含む)アクチュエータ素子17a,17bは、判定用信号に対する(電気的)負荷の(電気的)インピーダンスが最も小さくなる状態となる。
図6のG2に示すように正常な動作状態においては、電流が最も大きくなる電流値Imvの場合の周波数は、周波数情報格納部25aに格納された共振周波数frv(図6のG1のfrv)と殆ど一致する。これに対して、図6のG3に示すように異常な動作状態においては、電流が最も大きくなる電流値Imvの場合の周波数は、周波数情報格納部25aに格納された共振周波数frvから異常判定用の下限側閾値Δ1、上限側の閾値Δ2以上にずれた周波数となる。図6のG1においては、異常判定用の閾値として、共振周波数frvからの下限側のずれ量Δsで示しているが、異常判定用の閾値を、以下に説明するように共振周波数frvとの周波数比で設定するようにしても良い。
電流計測部34eにより取得された周波数fmv,fmhの情報は、コントローラ34内の周波数比演算部(又は周波数比演算回路)34fに送られ、周波数比演算部34fは、周波数情報格納部25aに格納された共振周波数frv,frhの情報との比を算出する演算を行い、演算結果を判定部(又は判定回路)34gに送る。
判定部34gは、共振周波数frv,frhに対する取得された周波数fmv,fmhの周波数比fmv/frv,fmh/frhが異常判定用の閾値以内の値か否かにより正常か異常かの判定を行い、判定結果を画像生成部(又は画像生成回路)34dと駆動制御部34bとに送る。画像生成部34dは、判定結果の情報を画像信号に重畳し、モニタ4に出力する。モニタ4は、正常な判定結果の場合には、正常又は異常なし等と表示し、一方異常の判定結果の場合には、異常又は異常のため正常な走査型内視鏡に交換して下さい等と表示する。また、駆動制御部34bは、正常な判定結果を受けた場合には、判定モードの動作を終了し、観察モードの動作を行うように切り替える。
また、この場合、コントローラ34は、本体装置3に接続された走査型内視鏡2のメモリ25から、以後の動作に必要な情報を読み出し、メモリ35等に格納する処理を行う。なお、このような処理を行うことなく、メモリ25に格納された情報が必要な時に、メモリ25からその情報を読み出すようにしても良い。
本実施形態においては、初期設定のパラメータとして、判定モードを最初に行うように設定されているものとして説明する。この場合には、最初のステップS1においてコントローラ34は、判定モードの動作を開始するように制御する。なお、図10は判定モードが開始した時間tonから判定モードが終了した時間teや、判定モード後に交代動作モードが開始する様子を示す。
判定モードで起動(判定モードの動作が開始)すると、ステップS2に示すように発光制御部34aは、光源ユニット31の発光動作を停止する。
この場合、駆動制御部34bは、判定用信号を出力するアンプ32dのゲインを小さくし、判定用信号の振幅を観察モードの場合の駆動信号の振幅よりも小さくなるように制御する。つまり、駆動制御部34bは、小振幅の判定用信号を、その周波数を変えてアクチュエータ素子17a,17bに駆動線18aを介して印加するように制御する。
なお、図7においてはアクチュエータ素子17a,17bをAT素子17a,17bと略記(アクチュエータ素子17c,17dに関しても同様に略記)する。ステップS3に示すように小振幅の判定用信号を、その周波数を変えてアクチュエータ素子17a,17bに印加した場合、ステップS4に示すように電流計測部34eは駆動線18aに流れる電流を計測する。
そして、ステップS5に示すように電流計測部34eは、駆動線18aに流れる最大の電流値Imvの場合の判定用信号の周波数fmvを取得する。電流計測部34eは、取得した周波数fmvを周波数比演算部34fに送る。なお、図7に示す動作においては、小振幅の判定用信号を、一方のアクチュエータ素子17a,17cと、他方のアクチュエータ素子17b,17dとに(時間的に)順次印加して、最大の電流値Imv,Imhを順次取得するが、後述するように、小振幅の判定用信号を、両方のアクチュエータ素子17a,17cと、17b,17dとに同時に印加し、同時に最大の電流値Imv,Imhを順次取得することができるようにしても良い。
次のステップS7において電流計測部34eは、ステップS4の場合とほぼ同様に、駆動線18bに流れる電流を計測する。
次のステップS8において電流計測部34eは、ステップS5の場合とほぼ同様に、駆動線18bに流れる最大の電流値Imhの場合の判定用信号の周波数fmhを取得する。電流計測部34eは、取得した周波数fmhを周波数比演算部34fに送る。
次のステップS9に示すように周波数比演算部34fは、周波数比fmv/frvとfmh/frhとを算出する。周波数比演算部34fは、算出した周波数比fmv/frvとfmh/frhとを判定部34gに送る。
次のステップS10に示すように判定部34gは、周波数比fmv/frvとfmh/frhが閾値以内か否かを判定する。
ステップS10の判定処理において両周波数比fmv/frvとfmh/frhが共に閾値以内となる判定結果の場合には、判定部34gは正常と判定し、次のステップS11に示すようには画像生成部34dは、正常の判定結果の情報をモニタ4に出力する。そして、モニタ4は、正常と表示する。また、判定部34gは、正常の判定結果の情報を駆動制御部34bにも送る。
次のステップS12に示すようには駆動制御部34bは、判定モードを終了し、観察モードが起動するように制御する。
図8は、観察モードが起動(開始)した場合の処理内容の代表例を示す。
観察モードが開始すると最初のステップS21において駆動制御部34bは、信号発生器32aが所定の周波数の交流信号を出力するように制御する。そして、アンプ32d,32eから出力される所定の周波数を有する、図3に示した駆動信号が、駆動線18a,18bを経てアクチュエータ素子17a,17bと17c、17dとに印加される。
この場合、受光用光ファイバ23は、被検体5側に照射された照明光に反射光を受光し、検出ユニット33に出力する。
そして、ステップS23に示すように検出ユニット33は、入力された反射光を光電変換した検出信号を取得し、画像生成部34dに出力する。
ステップS24において画像生成部34dは、渦巻き状に走査した場合に、検出ユニット33が取得した検出信号と、メモリ35に格納された照射位置の情報とから観察画像の画像信号を生成し、モニタ4に出力する。そして、モニタ4は、観察画像を表示する。
ステップS25において駆動制御部34bは、交代動作モードスイッチ36bによる操作を監視し、ONされたか否かを判定し、ONされていない場合には、ステップS21の処理に戻り、観察モードの処理を繰り返し行う。一方、ONされた場合には、次のステップS26に示すようにコントローラ34は、観察モードと判定モードの動作を、例えば1フレーム周期で交互に行う交代動作モード(又は交互動作モード)を開始するように制御する。
なお、術者は、挿入部6の先端部11を細くて屈曲しているような管腔部位を遅い速度で通すような場合において、先端部11が変形する可能性があるような場合においては、交代動作モードスイッチ36bをONするようにしても良い。
交代動作モードが開始すると、ステップS27において観察モードと判定モードとを1フレーム期間毎に交互に行う動作が繰り返される。
次のステップS30においてコントローラ34は、入力部36から検査終了の指示操作が行われたか否かを判定し、終了の指示操作が行われない場合には、観察モードの動作を続行する。これに対して、入力部36から検査終了の指示操作が行われた場合には、図8の処理を終了する。
次に図9を参照して交代動作モードの動作を説明する。
交代動作モードが開始すると(開始の時間を図9ではtorで示す)コントローラ34は、例えば最初の1番目の1フレーム期間T1においては観察モードで動作するように制御し、次の2番目の1フレーム期間T2においては判定モードで動作するように制御する。また、3番目の1フレーム期間T3においては観察モード、次の4番目の1フレーム期間T4においては判定モードで動作するように制御する。なお、いずれのフレーム期間Ti(i:自然数)も、その値はTに等しい。
また、本実施形態においては、偶数のフレーム期間Ti(i=2n)の判定モードにおいては、直交する2つの方向に揺動(振動)させるアクチュエータ素子17a,17bと17c,17dとを交互に駆動するようにしている。
例えば、第2のフレーム期間T2においては、コントローラ34(の駆動制御部34b)は、判定用信号をアクチュエータ素子17a,17bに印加するように制御する。そして、その場合、電流計測部34eは、最大の電流値Imvの場合の周波数fmvを検出し、周波数比演算部34fは、周波数比fmv/frvを算出し、さらに判定部34gは、周波数比fmv/frvを閾値と比較して判定を行う。
デフォルトの設定の場合には、次のステップS43において周波数比fmv/frvが2つの閾値Rth1,Rth2以内となるか否かを判定する。つまり、判定部34gは、算出された周波数比fmv/frvが、Rth1≦fmv/frv≦Rth2を満たすか否かを判定する。
この条件を満たす判定結果の場合には、ステップS44に示すように判定部34gは、正常と判定する。判定部34gは、判定結果を画像生成部34dに送る。画像生成部34dは、正常な判定結果を表示する信号をモニタ4に送り、ステップS45に示すようにモニタ4は正常な旨を表示する。
一方、ステップS42の判定処理において、デフォルトの設定でない場合には、ステップS48に示すように判定部34gは、図7のステップS10の閾値Rth1,Rth2よりも1に近い値の閾値Rth11(>Rth1),Rth21(<Rth2)を用いて、判定を行う。なお、閾値情報格納部25bは、これらの閾値Rth11,Rth21を格納している。
そして、算出された周波数比fmv/frvが、Rth11≦fmv/frv≦Rth21の条件を満たす判定結果の場合には、判定部34gは、ステップS44に示す処理に移る。
これに対して、ステップS48の条件を満たさない場合、つまり、Rth11>fmv/frv又はfmv/frv>Rth21の判定結果の場合には、ステップS49に示すように判定部34gは、アクチュエータ17a,17bの特性が変化して、正常な特性から逸脱した特性の状態であると判定する。
また、第4の1フレーム期間T4においても、(上述した24の1フレーム期間T2の場合とは)揺動する方向が異なるが、ほぼ同様の動作となる。つまり、上記のアクチュエータ素子17a,17bをアクチュエータ素子17c,17dに置換し、周波数fmv、共振周波数frvをそれぞれ周波数fmh、共振周波数frhに置換したものと殆ど同じ動作となる。
なお、観察モードでの動作は、図8における観察モードの場合の動作(ステップS21−24)における1フレーム期間の動作と同じとなる。但し、観察モードで取得した観察画像を、次の判定モードの1フレーム期間、フレームメモリに保持して、モニタ4に表示する。
従って本実施形態によれば、電源を投入して走査型内視鏡2を用いて内視鏡検査を行う時間前(図9の観察モードの開始の時間te前)に、一度判定モードでアクチュエータ17が異常状態(故障状態)か否かを判定する(そして、判定結果を告知する)ので、異常状態(故障状態)のままで検査を行うことを未然に防止できる。
また、本実施形態によれば、内視鏡検査の使用中においても、観察画像を取得しながら、異常状態又は異常状態に至る前の正常な状態から逸脱した状態を判定することができる。
なお、判定モードの場合、図7に示すように可変周波数の信号発生回路41bは、時間的に垂直方向と水平方向とに小振幅の判定用信号を順次発生し、それぞれ電流を計測して最大電流値Imv,Imhとなる周波数を順次取得する動作となるが、同時に小振幅の判定用信号を発生し、同時に最大電流値Imv,Imhとなる周波数を取得するようにしても良い。
この場合には、図7におけるステップS3〜S8の直列的な処理はS3〜S5とS6〜S8とが並列に行う処理となる。つまり、ステップS3とS6とが並列的に同時に行われ、次に、ステップS4とS7とが並列的に同時に行われ、次に、ステップS5とS8とが並列的に同時に行われる。このようにすると、判定モードの処理時間を短縮することができる。
なお、上述した実施形態においては、信号監視部を電流計測部34eにより構成したが、電圧を監視又は計測する電圧計測部(又は電圧計測回路)により構成しても良い。例えば駆動線18a,18bの途中に抵抗値が小さい基準の抵抗値(R1,R2とする)をそれぞれ設け、抵抗値R1,R2の両端の電圧を電圧計測部で計測し、最大の電圧値となる周波数fmv′、fmh′を取得する。これらの周波数fmv′、fmh′は、最大の電流値Imv,Imhの場合の周波数fmv、fmhに対応する。このため、周波数fmv′、fmh′の取得後の処理は、周波数fmv、fmhの取得後の処理と同様となる。このような構成にした場合、第1の実施形態と同じ効果を有する。
また、図1におけるコントローラ34内の構成は、1つの構成例を示すものであり、図1に示す構成例に限定されるものでない。例えば、判定部34gが周波数比演算部34fの機能を備える構成であっても良い。
また、判定部34gは、周波数比を用いて異常か否か等を判定する場合に限定されるものでなく、図6において上述したように、例えば取得された周波数fmvと、該周波数に対応する(共振周波数情報格納部25bに格納された)共振周波数frvからの周波数ずれ量Δs等と比較して異常か否かを判定するようにしても良い。また、取得された周波数fmhに関しても同様に共振周波数frhからの周波数ずれ量等と比較して異常か否かを判定するようにしても良い。また、上述したように2つの共振周波数frv,frhの値が等しいと近似できるような場合には、1つ又は共通の共振周波数を用いて、異常か否か等を判定するようにしても良い。
Claims (12)
- 被検体を照明する照明光を導光し出射端から出射する導光部と、
前記照明光が前記被検体上を走査するように、印加される信号の電圧に応じて前記導光部の出射端を揺動するアクチュエータと、を有する走査型内視鏡と、
前記アクチュエータに印加される前記信号の周波数の情報として、前記導光部の出射端を共振状態で揺動させる際の共振周波数の情報を予め格納する格納部と、
前記アクチュエータに異なる周波数を有する複数の信号を順次印加する印加部と、
前記アクチュエータに順次印加される前記複数の信号を監視する信号監視部と、
前記信号監視部により監視された前記複数の信号における前記アクチュエータを負荷とした場合のインピーダンスが最も小さくなる場合の信号が有する周波数の情報と、前記格納部に格納された前記共振周波数の情報とを比較し、前記走査型内視鏡が異常か否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする走査型内視鏡装置。 - さらに、前記走査型内視鏡により前記被検体の観察画像を得る観察モードと、前記走査型内視鏡の異常を判定する判定モードとを切り換えるモード切り替え部を有し、
前記モード切り替え部により前記判定モードに切り換えられた際に、前記印加部は前記観察モードの場合において前記アクチュエータに所定の周波数の信号を印加する場合よりも振幅が小さく、異なる周波数の前記複数の信号を順次前記アクチュエータに印加することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。 - さらに、前記走査型内視鏡により前記アクチュエータに所定の周波数の信号を印加して前記被検体の観察画像を得る観察モードと、前記アクチュエータに異なる周波数の前記複数の信号を順次印加して、前記判定部により前記走査型内視鏡の異常を判定する判定モードとを交互に切り替える切り替え部を有することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
- 前記導光部へ供給される照明光を発生する光源部と、
前記照明光の出射を制御する出射制御部と、を有し、
前記出射制御部は、前記判定部において前記走査型内視鏡が異常であると判定された場合に前記照明光を前記被検体に照射しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。 - 前記信号監視部は、前記アクチュエータを負荷として前記複数の信号を順次印加した場合の前記インピーダンスが最も小さくなる場合の信号を監視する場合、前記アクチュエータに接続された駆動線を介して前記信号がアクチュエータに流れる電流を計測し、前記電流が最も大きくなる場合の信号を、前記インピーダンスが最も小さくなる場合の信号として検出する電流計測部により構成されることを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
- 前記アクチュエータは、前記導光部の出射端を直交する2つの方向にそれぞれ揺動させる第1及び第2のアクチュエータ素子を有し、
前記信号監視部は、前記判定モードにおいては、前記印加部により前記第1のアクチュエータ素子に順次印加される前記複数の信号を監視した後、前記印加部により前記第2のアクチュエータ素子に順次印加される前記複数の信号を監視することを特徴とする請求項2に記載の走査型内視鏡装置。 - 前記導光部へ供給される照明光を発生する光源部と、
前記照明光の出射を制御する出射制御部と、を有し、
前記出射制御部は、前記判定モードにおいては、前記照明光の出射を停止するように制御することを特徴とする請求項2に記載の走査型内視鏡装置。 - 前記判定部は、前記インピーダンスが最も小さくなる場合の前記周波数をfmとし、前記共振周波数をfrとした場合、周波数比fm/frが1より小さい値として予め設定された第1の閾値th1より低い場合、又は、1より大きい値として予め設定された第2の閾値th2より高い場合は、前記走査型内視鏡が異常と判定し、
前記周波数比fm/frが、前記第1の閾値th1と前記第2の閾値th2との間となる場合は、前記走査型内視鏡が異常でないと判定することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。 - 前記アクチュエータは、前記導光部の出射端を直交する2つの方向にそれぞれ揺動させる2つのアクチュエータ素子を有し、
前記観察モードと前記判定モードとを交互に行う切替モードに切り替えられた場合、
前記観察モードの1フレーム期間の次の1フレーム期間においては、前記2つのアクチュエータ素子の一方を用いて判定モードの動作を行い、次の観察モードの1フレーム期間の後の1フレーム期間においては前記2つのアクチュエータ素子の他方を用いて判定モードの動作を行うように前記2つアクチュエータ素子を交互に用いて前記走査型内視鏡が異常か否かの判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の走査型内視鏡装置。 - 前記判定部は、前記判定モードにおいて、前記インピーダンスが最も小さくなる場合の前記周波数をfmとし、前記共振周波数をfrとして場合周波数比fm/frが1より小さい値として予め設定された第1の閾値th1より低い場合、又は、1より大きい値として予め設定された第2の閾値th2より高い場合は、前記走査型内視鏡が異常と判定し、
前記周波数比fm/frが、前記第1の閾値th1と前記第2の閾値th2との間となる場合は、前記走査型内視鏡が異常でないと判定することを特徴とする請求項3に記載の走査型内視鏡装置。 - 更に、前記格納部は、前記第1の閾値th1と1との間に設定された第3の閾値th3と、1と前記第2の閾値th2との間に設定された第4の閾値th4とを格納し、
前記判定部は、前記判定モードにおいて、前記周波数fmが、前記第3の閾値th3より低くなった場合、又は前記第4の閾値th4より大きくなった場合には、前記走査型内視鏡が正常な状態から逸脱したと判定することを特徴とする請求項10に記載の走査型内視鏡装置。 - 前記信号監視部は、前記アクチュエータに順次印加される前記複数の信号に対応する電流値を計測し、
前記判定部は、前記複数の信号における前記電流値が最も大きくなる場合の信号が有する周波数の情報と、前記共振周波数の情報とを比較し、前記走査型内視鏡が異常か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
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