JP5979997B2 - 磁心を備える装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁心を備える装置の製造方法に関する。
リアクトル用インダクタ、モータ用磁心等において、磁性体が利用されている。例えばモータ用磁心においては、コイルが磁性体(磁心)に捲回されて配設される。そして、当該コイルに電流が通流することで、磁性体に磁界が印加されるようになっている。
磁性体を利用した製品においては、高効率化の観点から、エネルギ損失の低減が望まれている。具体的には、特には、磁心損失の低減が望まれている。磁心損失を小さくすれば、発熱の小さい小型のインダクタ、モータ等が容易に作製可能になり、省エネルギ化への寄与が大きい。
磁心損失のうち、磁性材料特有の保磁力に起因するヒステリシス損失が着目されている。従って、保磁力はできるだけ小さいことが望まれている。具体的には、低保磁力であるとともに、飽和磁化が大きいことから、主に鉄系の非晶質箔を立体成型して用いる検討がなされている。具体的には、例えば特許文献1には、冷却ロールを用いた液体急冷工程を経て作製された、例えばアモルファス軟磁性合金薄帯や超微細結晶を有する鉄基軟磁性金属薄帯のような軟磁性金属薄帯の積層体からなる積層磁心が記載されている。
特開平7−106115号公報
磁性体の磁気特性としては、前記低保磁力に加え、磁性体が磁化し易いことが好ましい。即ち、小さな印加磁界により、磁化が大きく増加することが好ましい。これにより、磁性体に磁界を印加する際、小さな電流値で磁性体を飽和することができる。そのため、例えばモータ用途では、銅損(巻線の電気抵抗により消失するエネルギ)を低減させることができ、効率を向上させることができる。しかしながら、磁心の作製時に構造不均一性(歪と似ている)があると、飽和磁化に劣化が生じることがある。ここで、本発明者らの検討による、このような劣化の様子をグラフ化した。
図1は、本発明者らの検討により得られた、熱処理を行わずに作製された非晶質箔の試料についての磁気特性(印加した磁界の強さHに対する磁束密度B)を示す図である。図1(a)は、磁界が−3000A/m〜3000A/m付近のグラフ、図1(b)は、図1(a)における−200A/m〜200A/m付近を拡大したグラフである。
試料は、メルトスパン法により作製した。即ち、回転可能なロール(幅50mm)上に溶融した金属を噴射して冷却されることにより、ロール上に形成された非晶質箔体(軟磁性箔体;噴射した金属を含む)を用いた。そして、このロールから50mmの長さとなるように非晶質箔体を引き出して切断したものを試料とした。図1のグラフの結果を示した試料は、200A/mの磁界を印加して作製した。
グラフ中、「ロール方向」は、軟磁性箔体作製時のロールの回転方向である。即ち、円筒状ロールの周方向がロール方向に相当する。また、「幅方向」は、ロールの幅の方向を表している。また、「ロール方向」及び「幅方向」は、いずれも印加した磁界の方向を示す。また、磁束密度は、印加した磁界と同じ方向において検出されたものを示している。
ここで、本明細書において、飽和磁界Hkを、磁界印加時の磁界と磁束密度との関係を示す磁化曲線において、磁束密度の飽和値である飽和磁束密度の90%の磁束密度に対応する磁界と定義する。また、飽和磁界は小さいと、飽和特性が良好であると定義する。そうすると、図示のように、ロール方向の飽和磁界(780A/m)は、幅方向の飽和磁界(1050A/m)よりも小さかった。また、印加した磁界が小さい場合(図1(b)参照)、幅方向の磁束密度が低下し、正確な飽和磁界が測定されなかった。
この結果は、非晶質箔体の磁気異方性に基づくものと考えられる。従って、磁心の性能を向上させるためには、箔体の磁気異方性を考慮して作製することが好ましい。しかしながら、前記の特許文献1に記載の技術においては、このような磁気異方性が考慮されていない。また、作製された磁心を使用する際の磁界の印加方向も考慮されていない。そのため、磁気特性向上観点から、特許文献1に記載の技術においては、依然として向上の余地がある。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、磁気特性が従来よりも向上した磁心を備える装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下のようにすることにより前記課題を解決できることを見出した。即ち、本発明の要旨は、磁化容易軸を有する磁心と、当該磁心に対し、前記磁化容易軸の方向に磁界を印加するコイルとを備える装置の製造方法であって、回転可能なロール上に、溶融した金属が噴射されて冷却されることによって、前記金属を含む軟磁性箔体を作製し、当該軟磁性箔体を無磁界中で熱処理することで磁心を得る磁心作製工程と、得られた磁心に対し、前記ロールの回転方向に垂直な方向である幅方向に向いた前記磁化容易軸の方向に磁界を印加する前記コイルを配置するコイル配置工程と、を備えることを特徴とする、磁心を備える装置の製造方法に関する。
また、その他の解決手段は、後記する発明を実施するための形態において明らかにする。
本発明によれば、磁気特性が従来よりも向上した磁心を備える装置の製造方法を提供することができる。
熱処理を行わずに作製された非晶質箔の試料についての磁気特性を示す図である。 350℃、1時間窒素中で熱処理しながら磁界を印加して得られた非晶質箔体の磁化曲線である。 350℃、1時間窒素中で熱処理して得られた非晶質箔体の磁化曲線である。 350℃、1時間窒素中で熱処理して得られた非晶質箔体の磁化曲線である。 熱処理時間を変化させたときの飽和磁界の変化を示すグラフである。 熱処理温度に対する飽和磁界の変化を示すグラフである。 非晶質箔体のロール面の反対側の面の電子顕微鏡写真である。 熱処理時の磁界の印加有無による磁気異方性の変化を説明する図である。 実施例にて作製した捲回前の積層体を示す図である。 実施例にて作製した積層体及び試料の図である。 実施例にて用いた試験装置を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明するが、本実施形態は以下の内容に何ら制限されるものではない。
[1.本実施形態の磁心]
本実施形態の磁心は、回転可能なロール上に、溶融した金属が噴射されて冷却されることにより形成された、前記金属を含む軟磁性箔体を有している。そして、本実施形態の磁心は、前記軟磁性箔体作製時の前記ロールから引き出された、前記軟磁性箔体のロール方向に垂直な方向に磁界が印加されるものである。
本実施形態の磁心に含まれる軟磁性箔体は、所謂メルトスパン法により形成されるものである。即ち、回転している例えば金属製のロール上に、溶融した金属を噴射することにより、噴射された金属が冷却されて固化される。これにより、当該ロール表面に、噴射された金属を含む軟磁性箔体が形成される。
そして、このようにして形成された軟磁性箔体はロールから引き出され、箔状の軟磁性箔体が得られる。引き出された軟磁性箔体は例えば積層され、積層物が得られる。このとき、積層数は特に制限されず、磁心が備えられる機器等の大きさや性能等を考慮し、適宜決定すればよい。また、積層の形態も特に制限されるものではなく、例えば、捲回型、断面扇形、断面矩形型等、どのように積層されていてもよい。また、積層されていない軟磁性箔体が用いられてもよい。
積層物は熱処理され、これにより、磁心が作製される。熱処理は磁界中で行われてもよく、無磁界中で行われてもよい。磁界中で熱処理することにより、従来のものよりも良好な磁気特性(飽和磁界等)を得ることができる
ただし、詳細は[3.本実施形態の非晶質箔体]において後記するが、熱処理は無磁界中で行われることが好ましい。無磁界中で熱処理することにより、大型の磁界印加手段(例えば超電導マグネット)を設ける必要が無いため、作製コストを低減することができる。そのため、インダクタ、高効率モータ等を安価に実現し、使用資源や使用エネルギの削減を図ることができる。また、無磁界中で熱処理を行うことにより、磁界中で熱処理を行って得られた磁心よりもさらに良好な磁気特性(飽和磁界等)が得られる。さらには、作製される磁心の自己インダクタンスを大きくすることができる。
このようにして作製された磁心は、前記軟磁性箔体作製時の前記ロールから引き出された、前記軟磁性箔体のロール方向に垂直な方向に磁界が印加される。ここで、ロール方向とは、前記のように、軟磁性箔体作製時のロールの回転方向である。なお、ロール方向は、得られる軟磁性箔体表面に形成される縞模様の方向によっても判別可能である(詳細は[3.本実施形態の非晶質箔体]において後記する)。このような方向に磁界が印加されることにより、例えば低飽和磁界や低保磁力等、磁心の性能を良好なものとすることができる。
具体的には、例えば、本実施形態の磁心の飽和磁界の値は、通常は270A/m以下、好ましくは220A/m以下、より好ましくは210A/m以下、特に好ましくは200A/m以下である。飽和磁界の値がこの範囲にあることにより、より良好な性能を有する磁心とすることができる。飽和磁界の値は、後記する方法により測定可能である。
また、例えば、本実施形態の磁心の保磁力の値は、通常は50A/m以下、好ましくは45A/m以下、より好ましくは35A/m以下、特に好ましくは30A/m以下である。前記の飽和磁界に加え、保磁力の値がこの範囲にあることにより、特に良好な性能を有する磁心とすることができる。保磁力の値は、実施例に記載の方法により測定可能である。
以下、本実施形態の磁心を構成する軟磁性箔体について説明する。ただし、以下の説明においては、本実施形態の磁心を説明するために、はじめに、従来の磁心を構成する軟磁性箔体について、図2及び図3を参照しながら説明する。次いで、従来の磁心を構成する軟磁性箔体と比較しながら、本実施形態の磁心を構成する軟磁性箔体を、図4から図8を参照しながら説明する。
なお、以下の説明においては、軟磁性箔体の一例として非晶質箔体を挙げて説明している。ただし、軟磁性箔体としては非晶質箔体に限られず、金属ガラス箔体、微結晶箔体及びパーマロイ箔体も好適である。なお、非晶質箔体は、例えばFe86Si2B12である。また、金属ガラス箔体は、例えばFe73Al5Ga2P11C5B4である。さらに、微結晶箔体は、例えばFe86Si2B8P4である。そして、パーマロイ箔体は、例えばNi80Fe20である。
[2.従来の非晶質箔体]
本発明者らは、磁心の飽和磁化に影響を与えうる構造不均一性(図1を参照しながら説明した、歪に似た構造の不均一性)を解消するための検討を行った。その結果、非晶質箔体(例えば鉄を含む)の結晶化温度以下で熱処理を行うことにより、磁気特性が改善されることがわかった。特に、非晶質箔体の面内の一方向に磁界を印加しながら熱処理すると、磁界中での冷却過程において、原子同士(例えば鉄原子同士)の方向配列(ペアオーダリング)が固定される。そのため、磁界印加方向が磁化容易軸となる。一方で、この磁界印加方向に垂直な方向は磁化困難軸となる。
このように、例えばモータ、リアクトル等、数百Hz以下の低周波での使用時、磁化過程において主に磁壁移動する場合、磁性体が飽和しやすい磁化容易軸を使用方向とすることがよいことがわかった。即ち、作製時に印加した磁界と同方向に磁界が印加されるように使用することがよいことがわかった。
図2は、本発明者らの検討により得られた、350℃、1時間窒素中で熱処理しながら磁界を印加して得られた非晶質箔体(作製時の磁界の印加方向:ロール方向)の磁化曲線である。非晶質箔体の作製時、印加した磁界は8000A/m、印加の方向をロール方向とした。図2に示すように、ロール方向の飽和磁界(8.3A/m)は、幅方向の飽和磁界(48.1A/m)よりも良好であった。この場合においては、ロール方向が磁化容易軸となる。
さらに、図2の場合において、印加する磁界の方向を異なるものとした場合の結果を図3に示す。
図3は、本発明者らの検討により得られた、350℃、1時間窒素中で熱処理して得られた非晶質箔体(作製時の磁界の印加方向:幅方向)の磁化曲線である。磁界の印加方向以外の条件は、図2の場合と同様である。図3に示すように、幅方向の飽和磁界(3.2A/m)は、ロール方向の飽和磁界(73.1A/m)よりも良好であった。この場合においては、幅方向が磁化容易軸となる。
非晶質箔体等の非晶質材料は、結晶質材料とは異なり、数ナノメートルレベルでは原子間距離等の構造が3次元に等方である。そのため、磁界中での熱処理によるペアオーダリングは、どの方向にも均一に分布し、磁気異方性は面内自由に決定される。従って、どのような箔体の使用方向(即ち磁界印加方向)においても、磁気特性に差はないと考えられていた。一方で、従来、熱処理時には、磁性体の飽和磁界以上の磁界強度を印加していた。具体的には、箔体の作製時、数百A/m程度の磁界が印加されていた。この程度の強度であれば、生産設備等、大型空間に印加する磁界としても装置価格は生産に支障ない範囲である。
しかしながら、磁心は立体的な構造を有する。そのため、磁心に対して弱い磁界を印加しても、ベクトルで表した磁界印加方向に面した表面に、印加磁界を打ち消す磁極が生じて印加磁界を低減させることがある(反磁界)。そこで、これに打ち勝つため、さらに強い磁界を印加することで磁心内部が一様に磁化される。ただ、反磁界は磁心の飽和に伴って増加するため、理想的には磁性体の飽和磁化と同程度の磁界が必要である。即ち、例えば飽和磁化が1.5Tの非晶質磁心であれば、1.2MA/m以上の磁界を印加すればよい。
モータ用等の磁心はそれぞれ数cmから数十cmの体積がある。また、1台のモータには多数の磁心が必要になることがある等の理由により、多数の磁心を作製しなければならないことがある。そのため、作製のための加熱炉(電気炉等)が大型化することがある。このことを勘案すると、一度で熱処理可能な空間は、現実的には0.1m〜1m程度となる。そして、この空間において、1.2MA/m程度の磁界を印加するための例えば超電導マグネットにおいては、多大なコイル通電電力が必要となることがある。また、超電導マグネットを利用したとしても、漏洩しうる磁界の遮蔽体の大きさを考慮すると、装置全体が大型化し、磁心の作製コストが増加することになる。
そこで、例えば作製コストの観点から熱処理中に磁界を印加しない場合、本発明者らの検討によれば、熱処理前に存在した磁気異方性(ロール方向が磁化容易軸になっている)を打ち消す要因は無いと考えられる。即ち、無磁界中での熱処理によりロール方向に磁化が向き、ロール方向に磁界を印加しながら作製した場合と同じ状態となると考えられる。そこで、この点を踏まえ、本実施形態の磁心を構成する非晶質箔体について検討した。
[3.本実施形態の非晶質箔体]
次に、本実施形態の磁心を構成する非晶質箔体について説明する。
図4は、本発明者らの検討により得られた、350℃、1時間窒素中で熱処理して得られた非晶質箔体(磁界を印加せず)の磁化曲線である。熱処理中に磁界を印加しないこと以外は図2と同様の条件にて行って得られた磁化曲線である。図4に示すように、幅方向の飽和磁界(8.8A/m)は、ロール方向の飽和磁界(99.7A/m)よりも良好であった。
図4(無磁界中での熱処理)と図2(ロール方向に磁界を印加しながら熱処理)とを比較すると、磁化容易軸が磁界の有無により変化することがわかる。即ち、ロール方向に磁界を印加しながら熱処理した非晶質箔体(図2)においては、前記のように、ロール方向が磁化容易軸となる。一方で、無磁界中で熱処理を行った場合、図4に示すように、幅方向の飽和磁界の方が小さく(8.8A/m)、磁化容易軸は幅方向になっている。このように、無磁界中での熱処理により、磁化容易軸が回転することが示されている。
また、図4(無磁界中での熱処理)と前記の図3(幅方向に磁界を印加しながら熱処理)とを比較すると、図3に示した幅方向の飽和磁界(3.2A/m)と、図4に示す幅方向の飽和磁界(8.8A/m)とは、オーダー(桁)が一致している。従って、作製時に磁界を印加せずとも、箔体の幅方向を磁界の印加方向として使用することにより好適に使用可能となる。即ち、本実施形態の磁心は、非晶質箔体作製時のロールに対する、非晶質箔体のロール方向に垂直な方向に磁界が印加されるようになっている。これにより、作製時に磁界を印加する必要が無いため、製造装置の小型化や作製コストの低減が図られる。特に、熱処理中に磁界を印加する必要が無いため、バッチ式ではなく、例えばコンベア等のフローによって磁心を作製可能となる。
図5は、熱処理時間を変化させたときの飽和磁界の変化を示すグラフである。熱処理温度は350℃とし、熱処理は無磁界中にて行った。図5に示すように、幅方向及びロール方向のいずれにおいても、熱処理開始後10分間で飽和磁界は大幅に低下する。また、飽和磁界は、熱処理開始直後から開始後30分までは、幅方向の飽和磁界の方がロール方向の飽和磁界よりも大きいものになっている。そして、熱処理開始後30分でこの関係が逆転する。即ち、熱処理を30分で、磁化容易軸がロール方向から幅方向に変化することになる。そして、熱処理開始後30分以降においては、ロール方向の飽和磁界の方が、幅方向の飽和磁界よりも大きくなる。従って、熱処理は、350℃以上の温度で30分間以上行われることが好ましい。これにより、磁化容易軸をより確実に回転させることができる。
図6は、熱処理温度に対する飽和磁界の変化を示すグラフである。図6(a)は無磁界中で熱処理を行った場合のグラフ、図6(b)は8kA/mの磁界中で熱処理を行った場合のグラフである。グラフ中のプロットは実測値であり、実線は各温度における平均値である。
図6(a)に示すように、無磁界中で熱処理を行った場合、350℃及び370℃のいずれにおいても飽和磁界は小さく、ほぼ同じ飽和磁界の値であった。一方で、図6(b)に示すように、8kA/mの磁界中で熱処理を行った場合、350℃で飽和磁界が最小になったものの、この温度での飽和磁界の値は、330℃での飽和磁界、及び、370℃での飽和磁界と大きく異なっていた。これらの結果より、無磁界中で熱処理を行うことにより、熱処理時の温度に変化が生じた場合でも、作製される磁心の飽和磁界の値を安定させることができることがわかった。
磁化容易軸が回転する理由は以下と考えられる。熱処理前の磁化曲線(図1)において、磁化容易軸方向(ロール方向)の磁化曲線と、磁化困難軸方向(幅方向)の磁化曲線とは、同様の形状を有している。これは、磁気異方性が、磁化困難軸方向においてもある程度存在していることを示す。主な磁気異方性はロール方向であるが、もしこの異方性が応力起因であれば熱処理で消える可能性がある。幅方向への異方性は熱処理で消えないならば、これは形状異方性等、形に起因する可能性がある。
図7は、非晶質箔体のロール面の反対側(即ち外側)の面の電子顕微鏡写真である。図7(a)は50mm×50mmの写真、図7(b)は図7(a)のA部を抜き出した写真、図7(c)は図7(b)にて観察される縞模様をなぞった模式図である。図7に示すように、この面には、幅方向に幅が約1.5mm程度の縞模様が観察された。この理由は、本発明者らの検討によれば、メルトスパン法による非晶質箔体形成時の溶湯量変動によると考えられる。ただし、縞模様の部分においては、この部分で厚さが変化したか、冷却速度が変わって非晶質構造が変化して構造不均一となったと考えられる。
また、この縞模様は、メルトスパン法におけるロールの回転方向に垂直な方向に沿って形成される。即ち、ロールの幅方向に、縞模様が形成される。従って、磁心を構成する非晶質箔体表面を電子顕微鏡等により観察し、縞模様の方向により、印加される磁界の方向がロール方向であるのか幅方向であるのかを判別することができる。
図8は、熱処理時の磁界の印加有無による磁気異方性(磁化)の変化を説明する図である。図8(a)は磁界印加無しの場合、図8(b)は磁界印加有りの場合である。図中、太矢印はその部位での磁化方向を示している。
熱処理前には、応力不均一等の理由により、磁化方向は乱れている(この様子は図示していない)。しかしながら、図8(a)に示すように、無磁界中での熱処理により、乱れていた磁化方向が磁極を出さないように(各部位で磁化方向が一直線上に並ぶように)配列して安定化し、そのまま冷却される。これにより、幅方向に磁気異方性が生じることになる。即ち、前記したように、無磁界中での熱処理により、磁化容易軸方向が幅方向になる。
一方で、磁界中で熱処理を行う場合、磁化は8kA/mでは飽和し、全ての磁化方向が同一方向になる。そのため、図8(b)に示すように、図中の丸で囲まれた部分で構造が不均一になって磁極(反磁界)が生じ、特にこの部分で磁化が乱される。そして、冷却により、この乱れがそのまま残留するため、無磁界中で加熱した場合と比べて、飽和磁界が増加することになる。
以下、実施例を挙げて、本実施形態をより具体的に説明する。
〔実施例1及び比較例1〕
・実施例1
メルトスパン法により、厚さ25μm幅30mmの非晶質箔体ロール(鉄を含む)を調製した。そして、調製した非晶質箔体ロールから長さ1mを切り出した。これを12回繰り返し、得られた12枚の非晶質箔体1を図9(図示の簡略化のために一部省略)に示すように積層して積層体2を得た。そして、積層体2を捲回し、直径21mm、長さ35mmの空間を有する成形型(図示しない)に端部をそろえて圧入し、無磁界、窒素中、350℃で3時間熱処理した。
熱処理完了した試料をワニス含浸固定し、取り出した円形の端面(上下端面)をそれぞれ研削して非晶質材を露出させた。このようにして作製した試料3(図10;図示の簡略化のために一部省略)の高さ30mmの中央近傍に、図11に示すように厚さ0.1mmの絶縁紙/線径0.1mm導線10ターン/厚さ0.5mm絶縁紙を幅5mm以内となるように捲回し、更に試料3の両端部を補償ヨーク5,5で結ぶ試験装置10を作製した。試料3の近傍にはヨーク4が設けられ、ヨーク4には30Tの励磁コイルを捲回した。
図11に示す試験装置10において、試料3に捲回されているコイルに通電し、試料3に磁界を印加した。即ち、実施例1においては、非晶質箔体のロール方向に垂直な方向(即ち幅方向)に磁界が印加される。これにより、ヨーク4に捲回されているコイルに誘導電流が発生するため、この誘導電流値を図示しない電流計によって測定することにより磁化曲線を作成した。そして、飽和磁界及び保磁力を算出した。具体的には、飽和磁界は、前記した方法により、磁化曲線に基づいて算出した。また、保磁力は、磁化曲線に基づいて算出した。その結果、実施例1の飽和磁界は200A/m、保磁力は30A/mであった。
・比較例1
メルトスパン法により、厚さ25μm幅1mの非晶質箔体ロール(鉄を含む)を調製した。そして、調製した非晶質箔体ロールから長さ30mmを切り出した。この場合、非晶質箔体のロール方向に磁界が印加される。そして、実施例1と同様にして飽和磁界及び保磁力を算出した。その結果、比較例1の飽和磁界は500A/m、保磁力は50A/mであった。
・考察
実施例1の結果と比較例1の結果とを比較すると、飽和磁界及び保磁力のいずれも実施例1の結果の方が小さく、実施例1の方が良好な結果であった。また、結果は示さないが、本発明者らの検討によれば、ロール方向に垂直な方向に磁界を印加する場合、ロール方向と磁界の印加方向との為す角度が80°以上100°以下程度で特に良好な結果が得られることがわかった。
〔実施例2及び参考例3〕
・実施例2
前記した実施例1と同様の材料を用い、同様の方法により、無磁界中で熱処理を行った。そして、熱処理完了した試料について、実施例1と同様にして飽和磁界及び保磁力を算出した。その結果、実施例2の飽和磁界は210A/m、保磁力は25A/mであった。なお、この試料は前記した実施例1と同様の試料であるが、測定誤差を考慮すると、これらの飽和磁界及び保磁力の実験結果はほぼ同じであった。
参考例3
80kA/mの磁界中で熱処理を行ったこと以外は実施例2と同様にして飽和磁界及び保磁力を算出した。その結果、参考例3の飽和磁界は350A/m、保磁力は40A/mであった。
・考察
実施例2及び参考例3の飽和磁界及び保磁力は、前記した比較例1の飽和磁界及び保磁力よりも小さいものであった。即ち、実施例2及び参考例3は、比較例1よりも良好な結果を示した。従って、熱処理中の磁界の有無に関らず、良好な結果が得られることがわかった。
また、実施例2の結果と参考例3の結果とを比較すると、実施例2の飽和磁界及び保磁力の方が、参考例3の飽和磁界及び保磁力よりも小さくなった。従って、無磁界中での熱処理を行って作製した実施例2の方が、磁界中での熱処理を行って作製した参考例3よりも特に良好な結果を示した。これは非晶質箔体の飽和の差に加え、立体構造での端部の反磁界発生により磁心が十分飽和しなかったことによるものと考えられる。
〔実施例4〜6及び比較例2〜4〕
・実施例4〜6及び比較例2〜4
非晶質箔体の大きさを以下の表1に示す大きさにしたこと以外は実施例1と同様にして飽和磁界及び保磁力を算出した(実施例4〜6)。また、非晶質箔体の大きさを以下の表1に示す大きさにしたこと以外は比較例1と同様にして飽和磁界及び保磁力を算出した(比較例2〜4)。算出された飽和磁界及び保磁力を表1に示す。
・考察
表1に示すように、各組み合わせにおいても、実施例4〜6の飽和磁界及び保磁力の方が、比較例2〜4の飽和磁界及び保磁力よりも小さくなった。従って、試料の大きさによらず、実施例4〜6の方が比較例2〜4の方よりも良好な結果が得られた。
〔実施例7〜11及び比較例5〕
メルトスパン法により、厚さ25μm幅80mmの非晶質箔体ロール(鉄を含む)を調製した。そして、調製した非晶質箔体ロールから非晶質箔体を巻き出し、巻き出した箔体に対してパンチ抜きを行って、矩形状(幅80mm×使用方向50mm)の箔体を得た。
パンチ抜きは、ロール方向(巻き出した方向)に対する角度(0°≦角度≦90°)を変化させて、以下の表2に示す角度にて行った。そして、それぞれの角度について得られた箔体を、高さが32mmになるまで積層し、実施例1と同様にして飽和磁界及び保磁力を算出した。その結果を表2に示す。
表2の結果から、ロール方向に対する角度が大きければ大きいほど、飽和磁界及び保磁力が良好になることがわかった。実施例8(80°)と実施例9(75°)とは、角度が5°しか違わないにも関らず、飽和磁界が大きく異なっていた。また、実施例7(90°)と実施例8(80°)とは、角度が10°違うにも関らず、飽和磁界はほとんど変わらなかった。従って、この角度を80°以上とすることにより、特に良好な飽和磁界及び保磁力を得ることができる。
また、比較例5(0°)の飽和磁界及び保磁力と、実施例11(45°)の飽和磁界及び保磁力とは、比較的近い値であった。しかしながら、実施例11(45°)の飽和磁界及び保磁力と、実施例10(60°)の飽和磁界及び保磁力とは、他の場合と比べて大きく異なっていた。従って、この角度は、好ましくは45°以上、より好ましくは60°以上であることがわかった。
〔実施例12及び参考例13〕
・実施例12
メルトスパン法により、厚さ25μm幅30mmの非晶質箔体ロール(鉄を含む)を調製した。そして、調製した非晶質箔体ロールから長さ1mを切り出した。これを12回繰り返し、得られた箔体12枚を積層した。積層物を断面積415mm、長さ35mmの断面扇型形状を有する成形型に端部をそろえて圧入し、無磁界、窒素中で350℃3時間熱処理し、試料を作製した。また、同様にして、全12個の試料を作製した。作製した試料(コア)を用い、12極のアキシャルギャップモータを作製した。
参考例13
熱処理を80kA/mの磁界中で行ったこと以外は実施例12と同様にしてアキシャルギャップモータを作製した。
・考察
実施例12のアキシャルギャップモータと参考例13のアキシャルギャップモータとの効率を比較した。その結果、実施例12(無磁界中での熱処理)では定格動作時の効率が93.5%であり、参考例13(磁界中での熱処理)では定格動作時の効率が92.5%であった。この結果から、無磁界中で作製したコアを含むアキシャルギャップモータは高い効率を示すことがわかった。従って、本実施形態によれば、コア作製時に磁界を印加せずに、高効率なモータを作製できることがわかった。
1 非晶質箔体
2 積層体
3 試料
10 試験装置

Claims (4)

  1. 磁化容易軸を有する磁心と、当該磁心に対し、前記磁化容易軸の方向に磁界を印加するコイルとを備える装置の製造方法であって、
    回転可能なロール上に、溶融した金属が噴射されて冷却されることによって、前記金属を含む軟磁性箔体を作製し、当該軟磁性箔体を無磁界中で熱処理することで前記磁心を得る磁心作製工程と、
    当該磁心作製工程において得られた磁心に対し、前記ロールの回転方向に垂直な方向である幅方向に向いた前記磁化容易軸の方向に磁界を印加する前記コイルを配置するコイル配置工程と、を含むことを特徴とする、磁心を備える装置の製造方法。
  2. 磁界印加時の磁界と磁束密度との関係を示す磁化曲線において、磁束密度の飽和値である飽和磁束密度の90%の磁束密度に対応する磁界を飽和磁界と定義した場合、
    前記磁心の飽和磁界の値が270A/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載の磁心を備える装置の製造方法。
  3. 前記軟磁性箔体が、非晶質箔体、金属ガラス箔体、微結晶箔体及びパーマロイ箔体からなる群より選ばれる何れか1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁心を備える装置の製造方法。
  4. 前記熱処理は、350℃以上の温度で30分間以上行われることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の磁心を備える装置の製造方法。
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