第1の発明は、洗濯機に電源が投入されることで、洗濯条件および設定ボタンを表示する液晶パネルと、前記液晶パネルに重ねて配置し透明電極を裏面に有する透明板を有し、前記透明板を指で触れることで操作を行うタッチパネル表示部とを備え、前記タッチパネル表示部は洗濯時の運転時間を設定する運転時間設定画面を有し、運転時間設定画面において、所定の間隔で運転時間を増加させることが可能な増加用時間変更ボタンと、所定の間隔で運転時間を減少させることが可能な減少用時間変更ボタンと、使用者が位置を変更させることで運転時間を設定可能なスライドボタンを有することにより、運転時間を設定する際に運転時間設定画面にて、大幅な時間変更はスライドボタンで、細かい時間設定は時間変更ボタンで設定できるように構成したので、直感的な操作が可能となり、操作性が大きく向上する。
第2の発明は、特に、第1の発明において、洗濯機本体から報知するスピーカを備え、運転時間を長くする時と短くする時とで音を変更するようにしたことにより、明確な操作感覚が得られるようになる。また、画面を確認しなくてもスピーカの音で操作状態がわかるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における洗濯機の縦断面図、図2は本発明の実施の形態1における洗濯機の全体斜視図を示すものである。
図1、図2において、洗濯機の本体12内に、水槽13が宙吊り状態に配設され、水槽13内に有底円筒形に形成された回転ドラム14がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させてかつ回転自在に配設されている。
水槽13の正面側には回転ドラム14の開口端に通じる衣類出入口15が形成され、本体12の前面を構成する前部枠体16の前部に形成された上向き傾斜面に設けられた投入開口部17を開閉する扉18を開くことにより、衣類出入口15を通じて回転ドラム14内の洗濯物を出し入れすることができる。
扉18が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業が腰を屈めずに実施でき、水平横向きに設けた開口部から洗濯物を出し入れするドラム式洗濯機に比べて、作業性が良くなっている。
回転ドラム14の周面に水槽13内に通じる多数の透孔19が形成され、水槽13の背面側に取り付けられたモータ20によって正転及び逆転方向に回転駆動される。前記水槽13には、注水管路21及び排水管路22が配管接続され、注水弁23および排水弁24の制御によって水槽13内への注水及び排水がなされる。
前部枠体16の上部には操作表示パネル25が配置され、その下部には洗剤投入ケース26が前方に引き出し可能となるように前部枠体16に配置されている。使用者は運転に先立ち洗剤を洗剤投入ケース26に入れ、必要に応じて操作表示パネル25を操作することにより、希望する運転内容を設定したり、運転スタート、一時停止を行い、運転の進行状態を認識することができる。
扉18を開いて回転ドラム14内に洗濯物を投入して運転を開始すると、注水弁23が開き、洗剤投入ケース26内に水が注水され、その中に投入されていた洗剤を水で流しながら、注水管路21を介して水槽13内に所定量の注水がなされる。
所定水位に到達すると、モータ20により回転ドラム14が回転駆動されて洗濯行程が開始される。洗濯行程の洗濯物は、回転ドラム14の回転により回転方向に持ち上げられ落下する撹拌動作が繰り返され洗濯がなされる。
所要の洗濯時間の後、排水弁24が開き、汚れた洗濯液は排水管路22から排出され、回転ドラム14を高速回転させる脱水動作により、洗濯物に含まれた洗濯液を脱水する。
その後、排水弁24が閉じられ、水槽13内に注水管路21から注水を行い、すすぎ行程が実施される。このすすぎ行程においても、洗濯物には回転ドラム14の回転により撹拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実施される。
図3は本発明の実施の形態1における洗濯機の操作表示部の平面図、図4(a)は図3におけるA−A断面図、図4(b)は図3におけるD−D断面図、図5は図3におけるB−B断面図、図6は図3におけるC−C断面図示すものである。
図3、図4、図5、図6において、操作表示パネル25は、前部枠体16の上方と天板27との間に配置されている。透明樹脂部28の表面は、透明樹脂部28にインサート成形されたPETフィルムからなるパネルシート29で覆われている。パネルシート29は、着色、印刷が施された化粧面を成し、透明樹脂部28およびパネルシート29には、その中央に略矩形形状を成す開口部30が設けられている。
この開口部30は透明樹脂もフィルムも無い領域であり、その裏面には透明ガラスからなる透明板31が弾性体32を介して操作表示パネル25に取付けられており、弾性体32は透明板31の外周部を挟持し、透明樹脂部28における開口部30の周囲と透明板31との間で、弾性体32を押圧しながら固定している。
この透明板31の裏面には、透明電極33をOCAと呼ばれる透明両面テープ37で接着することで、タッチパネル表示部38を形成する。従って、タッチパネル表示部38は透明で透光性を有する。
また、タッチパネル表示部38の裏面下側には、液晶パネル34が液晶取付台35に取付けられており、さらに、この液晶取付台35の液晶パネル34取付面と反対側には、透明電極33や液晶パネル34を制御するメイン制御基板36が取付けられる。
このように、透明板31、透明両面テープ37、透明電極33、液晶パネル34、メイン制御基板36の順で積み重ねられており、操作表示パネル25の表側からは、タッチパネル表示部38を形成する透明板31、透明両面テープ37、透明電極33を介して、液晶パネル34に表示される絵柄や文字を視認することができる。なお、液晶パネル34の裏面側すなわちタッチパネル表示部38と反対側に、面状に構成された照明装置を配置し、液晶パネル34に照射することで、液晶パネル34に表示される絵柄や文字の視認性を一層高めることもできる。
メイン制御基板36には、タッチパネル表示部38へ信号を入出力することで人がタッチ操作したかどうかを判定し、マイコン39に判定信号を伝達させるタッチパネル専用IC40を実装している。
透明板31の裏側には、液晶パネル34やメイン制御基板36などの電装部品があり防水が必要となる。そこで略矩形形状の透明板31の外周部を枠形状の弾性体32で覆い、この弾性体32を介して略矩形形状の開口部30の裏面に取り付けている。
開口部30の上辺41および下辺42の周囲において、透明板31の表面側、裏面側、端面側の3方向を弾性体32で挟持し、この透明板31を挟持した弾性体32を、操作表示パネル25と液晶取付台35との間に圧接することで、防水性を確保する。
また、開口部30の左辺43および右辺44の周囲において、透明板31の裏面側、端面側の2方向を弾性体32に当接させ、この弾性体32と透明板31とを、操作表示パネル25と液晶取付台35との間に圧接することで、防水性を確保する。
なお、ここでは、開口部30の左辺43および右辺44の周囲における防水構造と、開口部30の上辺41および下辺42の周囲における防水構造とは異なる構成を例示したが、開口部30の左辺43および右辺44の周囲における防水構造を、開口部30の上辺41および下辺42の周囲における防水構造と同様の構成にしても良好な効果が得られる。
操作表示パネル25の裏面において、開口部30の4隅にはボス45を設け、液晶取付台35、および裏面カバー46がビス47で締結される。裏面カバー46は、メイン制御基板36を裏面から覆う樹脂部材から成っているものである。
ビス締結状態では、弾性体32が液晶取付台35に押圧され、弾性体32が透明板31および操作表示パネル25と密着するので、開口部30周囲の防水性が確保される。よって使用者が誤って開口部30に水や液体洗剤をこぼしたりしても、内部にある液晶パネル34やメイン制御基板36といった電装部品に水が付着することが無く、部品の信頼性が確保され、故障や誤動作などが防止される。
また、透明板31は、弾性体32を介して開口部30の裏面に取り付けられるので、外部から加わる衝撃を緩和し、衝撃によってガラスが破損することを防止できる。透明板31には、例えば使用者が何かを落とした時や、製品が包装状態で使用者宅に届けられる物流の途中で、積荷状態から落下したり転倒したりされた時に衝撃力が加わる。その際、透明板31の外周に弾性体32を配置させることで衝撃を緩和する構造となり、外部から衝撃が加わっても破損を防止することができる。
操作表示パネル25には、タッチパネル表示部38から、分離、独立させたスタートボタン54、電源入りボタン52、電源切りボタン53、戻るボタン55を設けている。
スタートボタン54は、洗濯機の運転コース等の各種設定を終えた後、使用者が洗濯機の動作の開始を指示するものである。電源入りボタン52および電源切りボタン53は、使用者が洗濯機の電源を入り切りするものである。戻るボタン55は、使用者がタッチパネル表示部38にて操作する際に、ひとつ手前の表示画面に戻す指示をするためのものである。
スタートボタン54、電源入りボタン52、電源切りボタン53、戻るボタン55は、それぞれタッチパネル表示部38から分離、独立し、操作表示パネル25内に設けられている。
スタートボタン54、電源入りボタン52、電源切りボタン53、戻るボタン55といった押圧操作ボタン部は、それぞれ同様に構成されている。スイッチ49を積載したサブ制御基板50が裏面カバー46に固定されることにより操作表示パネル25の内部に設けられ、また、スイッチ49を押圧操作する操作部材51が、操作表示パネル25外部から押圧できるように操作表示パネル25にはボタン開口部80が設けられ、ボタン開口部80は、操作表示パネル25の表面に一体形成したパネルシート29により塞がれている。これにより、ボタン開口部80から水が内部に侵入するのを防止する。
このように、操作部材51は操作表示パネル25と裏面カバー46の間に保持されるように設けられており、押圧操作ボタン部48には透明樹脂部28が無く、パネルシート29のみが存在し、使用者はパネルシート29を押圧することでパネルシート29を変形させ、操作部材51を介してスイッチ49を押圧する。
これにより、使用者は、軽い操作力でスイッチ49を操作でき、押圧操作するとスイッチ49の入力信号がサブ制御基板50からメイン制御基板36のマイコン39へ伝達される。
また、パネルシート29により、押圧操作ボタン部48から操作表示パネル25内部への水の侵入は防止され、防水性が確保される。すなわち、タッチパネル表示部38から、分離、独立させたスタートボタン54、電源入りボタン52、電源切りボタン53、戻るボタン55は、それぞれ防水性が確保される。
操作表示パネル25の裏面側には、スピーカ71を設けている。スピーカ71は、タッチパネル表示部38を操作する際に、その操作に応じて音を発生させる。また、スピーカ71は、音色、音程、音量等を変更する機能を有しており、タッチパネル表示部38を操作する際に、その操作に応じて発生する音を変更する。
なお、スピーカ71がメロディを構成する音を発生するようにして、タッチパネル表示部38を操作する際に、その操作に応じて発生するメロディを変更するようにしてもよい。
図7(a)〜(f)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の操作表示部の液晶パネルに表示される表示内容を例示する図である。
図3、図7を用いて洗濯機の運転動作を説明する。
図7(a)〜(f)は液晶パネル34に表示される表示内容を、透明電極33及び透明両面テープ37及び透明板31をそれぞれ透過して視認できる画面を示しており、使用者は透明板31の上を指でタッチ操作することで画面の切替や設定内容の変更等を行なう。このように、液晶パネル34にはタッチ式の設定ボタンが表示される。
使用者はまず、操作表示パネル25にある電源入りボタン52を押すことで、洗濯機本体に電源を供給すると、液晶パネル34が点灯し、図7(a)が表示される。
ここで、電源入りボタン52をタッチパネル表示部38から分離、独立して単独ボタンとしたのは、操作性と安全性を確保するためである。
仮に、電源入りボタンをタッチパネル表示部38に設けた場合、電源入りボタンを操作するまでは、タッチパネル表示部38に通電が行われず、タッチパネル表示部38には電源入りボタンを含め何も表示されないことになる。従って、電源入りボタンをタッチパネル表示部38と分離、独立して設けることで、操作性を確保することができる。
また、後述するように、タッチパネル表示部38における入力操作は、使用者の指先による静電容量の変化を検知することで行うため、完全に誤動作を防止することが難しく、仮に、電源入りボタンをタッチパネル表示部38に設けた場合に、水や洗剤が画面上の電源入りボタン(図示せず)の上に付着してしまうと、それを使用者が操作したものとして誤検知し、誤動作して洗濯機の電源が入ってしまうことが考えられる。
このような誤動作が生じると、不用意に電源が入ってしまい、運転が開始されることも想定され、安全性の確保が難しくなる。しかしながら、電源入りボタン52をタッチパネル表示部38から分離、独立して設けたので、このような誤動作を防止することができ、安全性が向上する。
図7(a)は電源投入後の第1画面であり、その画面上には洗濯乾燥の切替を行なう洗濯タッチボタン56a、洗濯〜乾燥タッチボタン56b、乾燥タッチボタン56cが洗濯乾燥モードを選択する設定ボタンとして配置されている。
また、それぞれの洗濯乾燥モードにおけるコースで、特に使用者が良く使用すると考えられるおまかせタッチボタン57aを画面略中央に、わたし流タッチボタン57bを画面略左側に、それ以外のコースをまとめた他コースタッチボタン57cを画面略右側に、合計3個のタッチボタンを配置している。
また、画面下には使用者にとって有益な情報となりうる内容をまとめたメニュータッチボタン58を設定ボタンとして配置する。
図7(a)において、使用者は洗濯乾燥モードを選択したのち、コースを設定する。本実施例では洗濯タッチボタン56aをタッチ操作した後、おまかせタッチボタン57aをタッチ操作したことで、図7(b)の表示に切り替わる操作例で説明する。
図7(b)は、図7(a)においておまかせタッチボタン57aをタッチ操作した際に画面遷移する第2画面であり、画面上下方向における略中央には、各工程時間を示すタッチボタンが設定ボタンとして配置され、画面左側から順に、洗い時間を示す洗いタッチボタン59a、すすぎ回数を示すすすぎタッチボタン59b、脱水時間を示す脱水タッチボタン59cを配置する。
また、画面下には運転におけるその他の詳細設定内容を示すタッチボタンが配置され、水位の設定方法を示す水位タッチボタン60a、風呂水を使用するかどうかの風呂水タッチボタン60b、予約運転を行うかどうかの予約タッチボタン60cが設定ボタンとして配置される。
本実施例では使用者が洗いの時間を変更するという想定で、洗いタッチボタン59aをタッチ操作することで図7(c)の第3画面に示す運転時間設定画面72に切り替わる操作例で説明する。
図7(c)は、図7(b)において洗いタッチボタン59aをタッチ操作した際に画面遷移する第3画面であり、運転時間設定画面72が表示される。
運転時間設定画面72の画面略中央の少し上方には、運転時間表示61dのように設定された運転時間が表示される。
また、運転時間設定画面72の画面略中央の少し下方には、スライドボタン61aが配置され、スライドボタン61aは、使用者がタッチしながらタッチパネル表示部38上で左右に動かすことができる。
スライドボタン61aを左方向へ移動すると、移動量に応じて設定時間が減少し、運転時間表示61dにその内容が反映されて表示される。例えば、スライドボタン61aを左端へ移動すれば、運転時間表示61dは、0分や0時間といったように設定可能な最小時間となる。
また、スライドボタン61aを右方向へ移動すると、移動量に応じて設定時間が増加し、運転時間表示61dにその内容が反映されて表示される。例えば、スライドボタン61aを右端へ移動すれば、運転時間表示61dは、30分や24時間といったように設定可能な最大時間となる。
このように、スライドボタン61aを操作することで、運転時間を大幅に変更することができる。例えば、洗いや脱水の場合に設定可能な時間は0分から30分、予約運転時間の場合に設定可能な時間は0時間から24時間の間で、大きく変更できる。
運転時間設定画面72の画面略左端には、減少用時間変更ボタン61bが配置され、減少用時間変更ボタン61bを1回押す毎に、設定時間は1分間減少し、運転時間表示61dにその内容が反映されて表示される。例えば、減少用時間変更ボタン61bを3回押すと、設定時間は3分間減少し、運転時間表示61dは3分間減少した時間が表示される。
運転時間設定画面72の画面略右端には、増加用時間変更ボタン61cが配置され、増加用時間変更ボタン61cを1回押す毎に、設定時間は1分間増加し、運転時間表示61dにその内容が反映されて表示される。例えば、増加用時間変更ボタン61cを3回押すと、設定時間は3分間増加し、運転時間表示61dは3分間増加した時間が表示される。
なお、減少用時間変更ボタン61bおよび増加用時間変更ボタン61cを使用すると、例えば、洗いや脱水の場合に設定可能な時間は0分から30分、予約運転時間の場合に設定可能な時間は0時間から24時間の間で変更できるが、設定可能な時間が0分から30分の場合には1分単位で、設定可能な時間が0時間から24時間の場合には1時間単位で変更することができる。
このように、減少用時間変更ボタン61bおよび増加用時間変更ボタン61cは、設定時間を微調整する際に有用である。
使用者は、まずスライドボタン61aを使用して設定時間を大きく変更しておき、次に、減少用時間変更ボタン61bおよび増加用時間変更ボタン61cを使用して設定時間を微調整する。このようにすることにより、運転時間の設定が容易となる。また、直感的な操作が可能となって、操作性が大きく向上する。
運転時間の設定が終わると、運転時間設定画面72の画面略中央の下方に配置した決定タッチボタン62を押すことで、変更した運転時間の決定を指示する。
また、増加用時間変更ボタン61cおよび減少用時間変更ボタン61bを操作すると、スピーカ71が音を発生する。使用者が、増加用時間変更ボタン61cを複数回にわたって操作し、運転時間を1分ずつ増加させると、増加用時間変更ボタン61cを1回押す毎に、スピーカ71が音を発生する。
また、同様に使用者が、減少用時間変更ボタン61bを複数回にわたって操作し、運転時間を1分ずつ減少させると、減少用時間変更ボタン61bを1回押す毎に、スピーカ71が音を発生する。
このとき、増加用時間変更ボタン61cを操作した時と、減少用時間変更ボタン61bを操作した時とでは、スピーカ71の出力音は異なるようにしている。
これにより、使用者が、増加用時間変更ボタン61cまたは減少用時間変更ボタン61bのいずれのボタンを操作しているかが聴覚によっても認識できる。例えば、増加用時間変更ボタン61cを1回押す毎に「ピッ」と鳴り、減少用時間変更ボタン61bを1回押す毎に「プッ」と鳴るようにしておく。
このように、タッチパネル表示部38を操作する際に、操作に応じてスピーカから音が出力され、操作の種類に応じて出力音が異なるので、使用者が視覚、触覚、聴覚を使いながら操作し、明確な操作感覚が得られるようになり、操作性が大きく向上する。
また、スピーカ71の出力音により、画面を見なくても、運転時間を増加させているか、減少させているかが分かるようになる。
決定タッチボタン62を押すことで変更した設定時間、例えば洗い時間を確定させる。決定タッチボタン62を押すと、再び図7(b)の第2画面に画面遷移する。ただし、図7(b)における第2画面では、洗いタッチボタン59aの洗い時間の表示内容が、変更した内容に表示される。
図7(d)は、図7(a)の他コースタッチボタン57cをタッチ操作した際に画面遷移する第4画面であり、画面には第1画面に表示された、わたし流、おまかせ以外のコースとして使用可能な、ナイトタッチボタン63a、おうちクリーニングタッチボタン63b、高洗浄消臭タッチボタン63c、毛布タッチボタン63d、念入り仕上げタッチボタン63e、槽洗浄タッチボタン63fを設定ボタンとして配置する。使用者は、各タッチボタンを押すことでコースの選択を行い、また各タッチボタンを押すことで、再び図7(b)の第2画面に画面遷移する。
図7(e)は、図7(a)におけるメニュータッチボタン58をタッチ操作した際に画面遷移する第5画面である。図7(e)に示すように、画面には、取扱説明書の内容を一部抜粋して使用者に使い方を説明するタッチボタンが設けられ、操作の方法を説明する操作簡単ガイドタッチボタン64a、コースの説明を行うコース説明タッチボタン64b、洗濯機のメンテナンスの方法を説明するお手入れの仕方タッチボタン64cが設定ボタンとして配置される。また、一度設定すると基本変更しないような設定内容をまとめた設定変更タッチボタン64dを配置する。
ここで、操作表示パネル25にある戻るボタン55を押すことで、現在表示されている画面から一つ前の操作画面に表示画面を戻すことができる。戻るボタン55をタッチパネル表示部38から分離、独立して単独ボタンとしたのは、使用者が操作に迷ったり、表示内容を変更したい場合に、即座に戻るボタン55を操作できるようにすることで、操作性が向上する。
仮に、戻るボタンをタッチパネル表示部38に設けた場合、図7(a)〜図7(e)における全ての画面内に戻るタッチボタン(図示せず)を表示する必要が生じ、画面表示が煩雑になり、視認性、操作性が低下してしまう。しかしながら、戻るボタン55をタッチパネル表示部38から分離、独立して設けたので、このような視認性、操作性の低下を防止することができるようになる。
図7(a)〜図7(e)に示す第1画面〜第5画面において、運転内容の設定が終了したとき、使用者は操作表示パネル25に設けたスタートボタン54を押すことで運転を開始する。このとき、図7(f)に示す、運転状況を表示する運転表示画面である第6画面に画面遷移する。
なお、運転途中に運転を一時停止したいときはスタートボタン54を押し、再開させたいときは再びスタートボタン54を押すことで、運転の一時停止と再開ができる。
ここで、スタートボタン54をタッチパネル表示部38から分離、独立して単独ボタンとしたのは、操作性の向上と安全性を確保するためである。
仮に、スタートボタンをタッチパネル表示部38に設けた場合、図7(a)〜図7(e)のいずれかの画面内にスタートタッチボタン(図示せず)を表示する必要が生じ、画面表示が煩雑になり、視認性、操作性が低下してしまう。しかしながら、スタートボタン54をタッチパネル表示部38から分離、独立して設けたので、このような視認性、操作性の低下を防止することができ、操作性が向上するようになる。
また、後述するように、タッチパネル表示部38における入力操作は、使用者の指先による静電容量の変化を検知することで行うため、完全に誤動作を防止することが難しく、仮に、スタートボタンをタッチパネル表示部38に設けた場合に、水や洗剤が画面上のスタートボタン(図示せず)の上に付着してしまうと、それを使用者が操作したものとして誤検知し、誤動作してしまうことが考えられる。
このような誤動作が生じると、不用意に運転が開始され、安全性の確保が難しくなる。しかしながら、スタートボタン54をタッチパネル表示部38から分離、独立して設けたので、このような誤動作を防止することができ、安全性が向上する。
また、操作表示パネル25に設けた電源切りボタン53を押すことで、どのタイミングでも洗濯機の電源を確実に切ることができる。
ここで、電源切りボタン53をタッチパネル表示部38から分離、独立して単独ボタンとしたのは、操作性の向上と安全性の確保、および運転を正常に終了させるためである。
仮に、電源切りボタンをタッチパネル表示部38に設けた場合、どのタイミングでも洗濯機の電源を確実に切ることができるようにするためには、図7(a)〜図7(e)の全ての画面内に電源切りボタン(図示せず)を表示する必要が生じ、画面表示が煩雑になり、視認性、操作性が低下してしまう。しかしながら、電源切りボタン53をタッチパネル表示部38から分離、独立して設けたので、このような視認性、操作性の低下を防止することができる。また使用者が不安全な運転状況に気付いた際に、即座に電源切り動作を行うことが可能となり安全性が確保できる。
また、後述するように、タッチパネル表示部38における入力操作は、使用者の指先による静電容量の変化を検知することで行うため、完全に誤動作を防止することが難しく、仮に、電源切りボタンをタッチパネル表示部38に設けた場合に、水や洗剤が画面上の電源切りボタン(図示せず)の上に付着してしまうと、それを使用者が操作したものとして誤検知し、誤動作してしまうことが考えられる。
このような誤動作が生じると、設定された一連の運転が終了する前に、不用意に運転が停止してしまうことになる。しかしながら、電源切りボタン53をタッチパネル表示部38から分離、独立して設けたので、このような誤動作を防止することができ、確実に運転が行われるようになる。
図8は、本発明の実施の形態1における洗濯機のタッチパネル表示部38の回路図、図9は、本発明の実施の形態1における洗濯機の操作表示部のタッチパネル表示部の側断面図を示すものである。
図8において、ガラス基材65上にITOと呼ばれる導電性の高い酸化インジウムスズを蒸着成膜させ、エッチング処理することで透明電極33を形成する。透明電極33にはマトリックス状にX電極66を縦方向に約5〜6mmの間隔で数10本形成し、またY電極67を横方向に約5〜6mmの間隔で数10本形成する。X電極66とY電極は67は電気的にタッチパネル専用IC40に接続され、タッチパネル専用IC40は配線部68を介してマイコン39と電気接続している。
図9において、透明電極33の裏面にはITOを蒸着成膜したシールド電極69を形成している。このシールド電極69はFPC配線70を介してメイン制御基板36のGNDラインと接続することで電源ノイズ耐性を上げ、下方に配置する液晶パネル34からのスイッチングノイズ等によるタッチパネル表示部38の誤動作を防止する。
透明電極33は、透明両面テープ37により透明板31に接着固定している。
ここで、静電容量の変化は指が触る物質の誘電率によって決まり、誘電率が大きいほど静電容量の変化が大きくなって感度を高く設定できる。なお感度が高いとは、指で押された位置を正確に早く認識でき、例えば水滴が付着したことを指が触れた状態であるといった誤検知や、外部ノイズの影響による誤検知を生じにくいことをいう。例えば、ガラスの誘電率は9程度、ABS樹脂やPET樹脂は3程度であり、また、静電容量の変化は厚みに反比例するので、指で触る部分の材質がガラス板だと、ABS樹脂やPET樹脂に比べて3倍の厚みがあっても、感度が同等にできる。
なお、本実施例では透明電極をガラス基材としたが、PETのような樹脂シートで構成しても同様な効果が得られる。また、コストを下げるために透明電極の片側にX電極、Y電極を形成したが透明電極の両面にそれぞれX電極、Y電極を分けて形成しても同等の性能が得られるものである。
図8、図9を用いて簡単にタッチ操作時の検知メカニズムを説明する。
透明電極33上に形成されているX電極とY電極間には非常に小さい静電容量成分(約2〜3PF程度)が存在し、タッチパネル専用IC40からはX電極66に対して常にある周期で電圧を繰り返して印加している。
Y電極67は、X電極66から印加され静電容量成分を通過した電圧が常に出力され、タッチパネル専用IC40に電圧信号を返すことで、常にタッチパネル表示部38に存在する静電容量成分での電圧変化をモニタリングする。
人が透明板31を触ると、人の指から透明板31、透明両面テープ37、透明電極33の間で電気的に繋がり、人の持つ静電容量成分(一般的には100〜150PF程度)に電気が流れ、結果的にタッチパネル専用IC40で検出するタッチパネル表示部38に存在する静電容量成分の電圧が大きく変化する。この変化によってタッチ操作したことをタッチパネル専用IC40は確定させ、確定信号をマイコン39に伝える。
図10は、本発明の実施の形態1における洗濯機のタッチパネル表示部38のタッチ検知時の検知状況を示す図、図11は、本発明の実施の形態1における洗濯機のタッチパネル表示部38のタッチ検知時の検知状況を示す簡略図である。
図10は、タッチパネル専用IC40で検出したタッチ信号をパソコン(図示せず)上で確認できるように表示したデータである。図10において、X軸方向は透明板31の長辺側を示し、Z軸方向は透明板31の短辺側を示し、Y軸方向はタッチ操作されたときのタッチ感度を示し、Y軸方向の上にいけばいくほどタッチ操作したときの感度が高いことを示したものである。
一般的にはタッチパネル専用IC40のなかでタッチ操作を判定する閾値Sを設定し、タッチ信号の高さHが閾値Sを越えるか否かでタッチ操作の有無を確定させる。
図11において、図11(c)が指が透明板31に触れた場合、即ち指で透明板31をタッチ操作した場合の感度高さを例示し、図11(a)は水が透明板31に付着した際の感度高さを例示し、図11(b)は液体洗剤が透明板31に付着した際の感度高さを例示したものである。
図11(a)〜(c)からすると、感度高さに対して導電性の低い水の感度高さHaは閾値S以下であるが、導電性の高い液体洗剤の感度高さHbであれば閾値S以上となってしまい、誤検知が生じ誤動作してしまう可能性があることがわかる。
このような問題を解決するために、例えば、閾値Sを液体洗剤の感度高さHb以上に設定する場合、閾値Sをあまり高く上げすぎてしまうと、指でタッチ操作した場合の感度高さHcと閾値Sとの差が小さくなり、指によるタッチ操作時の応答性や検知精度が悪くなって、操作性の低下や誤検知が生じる可能性がある。
図11(c)は指によるタッチ操作によるタッチ感度の高さの例を示したが、指が透明板31に接する面積が、静電容量に影響を与えるため、指の大きさやタッチしたときの瞬間的なタッチ面積によりタッチ感度の高さHcが変化し、このことが応答性や検知精度の低下につながる。
このような誤検知を防止するために、閾値Sの設定以外にもタッチ面積やタッチ時間などを計測することで指以外ものを排除したりすることを行うが、完全に誤検知しないようにすることは難しい。
しかしながら、前述のように、スタートボタン54、電源入りボタン52、電源切りボタン53、戻るボタン55は、タッチパネル表示部38から、分離、独立させたことにより、運転開始、電源入り、電源切り、表示画面を一つ前に戻す機能については、誤検知がなくなり、操作性と安全性を確保することができるようになる。
このように、液晶パネルに表示されたスイッチの絵柄を透明板を介して直接触ることで洗濯機の設定をすることができるタッチパネル表示部を設け、タッチパネル表示部は操作部と表示部とを重ね合わせて一体的に構成することにより、直感的な操作を可能とし、使い勝手を向上させ、スイッチの絵柄の大きさ等を設定内容により変更することで、視認性を高めユニバーサルデザイン性を向上することができる。
このように、タッチパネル表示部の操作部と表示部とを重ね合わせて一体的に構成し、運転時間を設定する際に運転時間設定画面にて、大幅な時間変更をスライドボタンで、細かい時間設定を時間変更ボタンで設定できるように構成したので、直感的な操作が可能となり、操作性が大きく向上する。