JP5976575B2 - 低屈折率膜形成用硬化性組成物、光学部材セットの製造方法及び硬化性組成物の製造方法 - Google Patents

低屈折率膜形成用硬化性組成物、光学部材セットの製造方法及び硬化性組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低屈折率膜形成用硬化性組成物、光学部材セットの製造方法及び硬化性組成物の製造方法に関する。
昨今、光学デバイスの種類は多岐にわたり、その多くは光学機構の表面に反射防止性の低屈折率膜を形成した構造を有する。光学機構としては、表面形状が平坦なものに限らず、液晶用バックライトの輝度向上レンズや拡散レンズ、ビデオプロジェクションテレビのスクリーンに用いられるフレネルレンズやレンチキュラーレンズ、またはマイクロレンズなどが挙げられる。こうしたデバイスでは主に樹脂材料により微細構造をなすことで所望の幾何光学的な性能を得ている。このデバイスにおいてさらに反射防止性を付与するために、これらの微細構造体表面に適合したかたちで低屈折率膜が形成されることがある。
なかでも、固体撮像素子に用いられるマイクロレンズユニットの素材や構造等に関する研究開発は精力的に進められている(例えば特許文献1〜3参照)。その背景には、固体撮像素子の微細化が進むとともに、効率的な集光を実現するための高性能化が求められていることが挙げられる。特に近年では高画素化に伴い1画素のサイズが極めて小さくなっている。また、1回の製造でより多くのデバイスを作成するため、使用されるウエハーサイズも大きくなっている。こうした背景を受け、マイクロレンズユニットの製造品質及び製品品質の向上は一層重要性を増している。
特開2006−186295号公報 特開2006−98985号公報 特開2007−119744号公報
ところで、先に述べた反射防止性の低屈折率膜においては、その膜に求められる機能から、反射が最小となりイメージセンサー部分の透過光の透過率が最大となるような光学特性を有することが理想である。つまり、低屈折率膜は、組み合わされる高屈折率膜との関係を考慮し、可視光領域で該高屈折率膜と同等の屈折率分布を有することが好ましい。しかし従来の低屈折率膜形成に用いられる硬化性組成物は、高屈折率膜形成に用いられる硬化組成物に比べ、屈折率の波長による差(分布)が小さいため、単にこの硬化性組成物を適用したのでは可視光領域全域で理想的な屈折率分布を持たせることが困難であることが分かってきた。
本発明は、固体撮像素子等の光学部材に適用される高屈折率膜に適合し、光学性能の向上に広く貢献する所望の光学特性を有する低屈折率膜の光学特性を実現する低屈折率膜形成用硬化性組成物、これにより形成される低屈折率膜を具備する光学部材セットの製造方法及び硬化性組成物の製造方法の提供を目的とする。
上記の課題に対して、本発明者は、特定の光学特性(アッベ数および屈折率)を有する低屈折率材料に対して、特定の光学特性(アッベ数および屈折率)を有する高屈折率材料を混合することにより、低屈折率で高いアッベ数を有する低屈折率膜とすることができることを見いだした。この特定の屈折率とアッベ数とを有する新規な低屈折率膜は、上記の要望に応え高屈折率膜と組み合わせて良好な光学性能を発揮することを確認した。本発明はこの知見に基づき完成されたものであり、上記の課題は以下の手段により解決された。
〕アッベ数40〜80、屈折率1.2〜1.4を示す低屈折率材料およびアッベ数5〜40、屈折率1.6〜2を示す高屈折率材料を含む低屈折率膜形成用硬化性組成物であって、低屈折率材料がシロキサン樹脂を含み、低屈折率膜形成用硬化性組成物中に、シロキサン樹脂を15〜40質量%含有する低屈折率膜形成用硬化性組成物。
〕低屈折率材料が、中空粒子または非中空粒子を含む〔〕に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
〕高屈折率材料が、チタニアまたはジルコニアを含む〔〕または〔〕に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
〕さらに、分散剤、界面活性剤、重合性化合物およびその重合物のうち少なくとも1つを含む〔〕〜〔〕のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
〕水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有するグラフト共重合体または下記式(1)で表される高分子化合物分散剤を含有する〔〕〜〔〕のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
Figure 0005976575
式(1)中、Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合又は2価の連結基を表す。Aは酸基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA及びRは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。mは8以下の正の数、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
〕グラフト共重合体のグラフト鎖のポリマー構造が、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造またはポリエーテル構造である〔〕に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
〕グラフト共重合体が、ポリ(炭素数1〜5のアルキレン鎖を含むアルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の、塩基性窒素原子を有する繰り返し単位であって、pKa14以下の官能基を有する部分構造を有する繰り返し単位と原子数40〜10,000の側鎖を有する〔〕に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
〕グラフト共重合体が、下記式(I−1)で表される繰り返し単位及び式(I−2)で表される繰り返し単位、又は、式(I−1)で表される繰り返し単位及び式(I−2a)で表される繰り返し単位を含む〔〕または〔〕に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
Figure 0005976575
式中、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。R及びRはRと同義の基である。Lは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、またはこれらの組合せに係る連結基を表し、L はCR CR とNとともに環構造形成する構造部位を表す。XはpKa14以下の官能基を有する基を表し、Yは原子数40〜10,000の側鎖を表す。
〕式(1)で表される高分子化合物が、下記式(2)で表される〔〕に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
Figure 0005976575
式(2)中、Aは、式(1)におけるAと同義である。RおよびRは各々独立に単結合または2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。Pは、式(1)におけるPと同義である。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
10〕フッ素系界面活性剤とノニオン系界面活性剤を含有する〔〕〜〔〕のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
11〕下記式(a)〜(f)のいずれかで表される重合性化合物を含有する〔〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
Figure 0005976575
12〕重合開始剤としてオキシム化合物を含有する〔〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
13〕第1の光学部材と、これに被覆された第2の光学部材とを有してなる光学部材セットの製造方法であって、
〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物を準備する工程、
硬化性組成物を第2の光学部材上に塗布する工程、
硬化性組成物を硬化させて低屈折率膜である第1の光学部材を形成する工程を含む、光学部材セットの製造方法。
14〕第1の組成物と第2の組成物を混合して調製する硬化性組成物の製造方法であって、
硬化性組成物が低屈折率膜を形成するための硬化性組成物であり、
第1の組成物が、アッベ数40〜80、屈折率1.2〜1.4を示す低屈折率材料を含み、第2の組成物が、アッベ数5〜40、屈折率1.6〜2を示す高屈折率材料を含み、かつ、
低屈折率材料が、シロキサン樹脂を含み、硬化性組成物中に、シロキサン樹脂を15〜40質量%含有する硬化性組成物の製造方法。
本明細書を通じて屈折率及びアッベ数は特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
本発明の硬化性組成物で得られる低屈折率膜は、固体撮像素子等の光学部材に適用される高屈折率膜に適合する光学特性を有し、製品における光学性能の向上に広く貢献する。
本発明における硬化性組成物は、低屈折率膜としたときに所望の屈折率と良好な屈折率の波長分布とを実現し、さらに安定性と良好な塗布性を有する。その硬化膜は光透過性を有し、製品に組み込まれて優れた光学性能を発揮する。
上記の優れた性質を有する低屈折率膜を用いて作製した光学部材及びこれを用いた固体撮像素子は、広い波長領域で反射光を好適に抑制・防止した優れた光学性能を発揮する。
また、本発明の製造方法によれば、上記の優れた性能を発揮する硬化性組成物、低屈折率膜、光学部材及び固体撮像素子を好適に製造することができる。
本発明の好ましい実施形態である低屈折率膜形成用硬化性組成物で得られる低屈折率膜(以下、本発明の低屈折率膜と称す)は、特定のアッベ数と屈折率とを有する。そして、特定の低屈折率材料と高屈折率材料とを採用した低屈折率膜形成用硬化性組成物(以下、単に硬化性組成物とも称す)から形成され、可視領域での反射防止能の波長依存性が少ないという利点を有する。この低屈折率膜を光学部材として利用した光学部材セットの好ましい実施態様の一例にはマイクロレンズユニットが挙げられる。これは特定の低屈折率材料と高屈折率材料とを含有してなる低屈折率膜(第1の光学部材)と、これに被覆された複数のマイクロレンズ体(第2の光学部材)とを具備するものである。
本発明においては、上記特定の低屈折率材料と高屈折率材料とを低屈折率膜をなす材料として採用したことにより上記の光学特性等を同時に実現した。
以下、本発明について、その好ましい実施形態に係る硬化性組成物および低屈折率膜における特定の低屈折率材料と高屈折率材料とを中心に説明する。なお、光学部材セットについてはマイクロレンズユニットを例に、第1の光学部材については低屈折率膜を例に、第2の光学部材についてはマイクロレンズ体を例に説明する。
<硬化性組成物>
本実施形態において硬化性組成物は、低屈折率材料と高屈折率材料とを含有する。低屈折率材料および高屈折率材料の組成物中の含有率は個々の材料の説明とともに以下に記載しているが、全体として規定すると、低屈折率材料が組成物の固形分中、40〜99質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましい。高屈折率材料については、1〜60質量%であることが好ましく、5〜55質量%であることがより好ましい。両者の配合比としていうと、低屈折率材料100質量部に対して、高屈折率材料を1〜45質量部とすることが好ましく、5〜35質量部とすることがより好ましい。両材料を上記の含有率(配合比)とすることで、所望の屈折率とその分布をより効果的に調整して得られるため好ましい。
本発明の硬化性組成物は定法により製造すればよいが、前記低屈折率材料を含む第1の組成物と、高屈折率材料を第2の組成物とを混合して好適に調製することができる。
なお、本発明では、低屈折率材料がシロキサン樹脂を含み、低屈折率膜形成用硬化性組成物中に、該シロキサン樹脂を15〜40質量%含有する。
<低屈折率材料>
低屈折率材料の屈折率は1.45以下であることが好ましく、1.43以下であることがより好ましく、1.41以下であることが更に好ましく、1.40以下であることがさらに好ましく、1.39以下であることがさらに好ましく、1.37以下であることがさらに好ましく、1.35以下であることが特に好ましい。下限値は特にないが、1.2以上であることが実際的である。低屈折率材料の構成成分として特定の樹脂を選択することにより、所望の光学特性を実現し、さらに画素間のバラツキが小さくなり好ましい。あるいは、組成物に含有させる成分として中空粒子もしくは非中空粒子を用いることが好ましい。なお、低屈折率材料とは、低屈折率膜をなすための構成成分(通常固形分)を指す。その同定は、特に断らない限り、後記実施例で採用した溶媒および測定方法により測定した屈折率により評価する。ただし、原料液の溶解・分散性を考慮して溶媒は適宜常用されているものに変更してもよい。このことは、高屈折率材料についても同様である。なお、低屈折率材料は1つの成分で上記屈折率を満たしていてもよいし、2つ以上の成分が組み合わされて上記屈折率を満たしていてもよい。このことは、次に述べるアッベ数についても同様であり、また高屈折率材料についても同様である。
低屈折率材料のアッベ数は40以上であることが好ましく、45以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましく、53以上であることがさらに好ましく、55以上であることが特に好ましい。上限については、90以下であることが好ましく、85以下であることがより好ましく、80以下であることがさらに好ましく、75以下であることが特に好ましい。低屈折率材料のアッベ数をこの範囲に設定することで、後記高屈折率材料と組み合わせて膜としたときに、良好な光学特性を発揮するものとできる。
アッベ数の同定は、特に断らない限り、後記実施例で採用した溶媒および測定方法により測定した屈折率により評価する。
ただし、本発明では、低屈折率材料の屈折率は1.2〜1.4であり、アッベ数は40〜80である。
<シロキサン樹脂組成物>
シロキサン樹脂は後述するアルコキシシラン原料を用いて、加水分解反応および縮合反応を介して得ることができる。より具体的には、該化合物は、アルキルトリアルコキシシランの一部または全部のアルコキシ基が加水分解してシラノール基に変換し、生成したシラノール基の少なくとも一部が縮合してSi−O−Si結合を形成したものということができる。シロキサン樹脂はかご型、はしご型、又はランダム型等のいずれのシルセスキオキサン構造を有するシロキサン樹脂であってもよい。なお、前記「かご型」、「はしご型」、及び「ランダム型」は、例えばシルセスキオキサン材料の化学と応用展開(シーエムシー出版)等に記載されている構造を参照することができる。
(シルセスキオキサン構造)
本実施形態のシロキサン樹脂は下記式(1)で表されるシルセスキオキサン構造を有することが好ましい。
−(RSiO3/2− 式(1)
(上記式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは20〜1000の整数を表す。)
上記Rが示すアルキル基は上記炭素数の範囲であれば特に制限されないが、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。中でもメチル基、エチル基が好ましく、最も好ましいのはメチル基である。また、Rが示すアルキル基は置換基を有さないアルキル基でも置換基を有するアルキル基でもよいが、置換基を有さないアルキル基であることが好ましい。
が示すアルキル基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、及びエチレン性不飽和結合を有する基ではないことが好ましく、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、などが挙げられる。
本発明においては、特に断らない限り、シロキサン結合で主鎖が構成される含ケイ素ポリマーをポリシロキサンないしシロキサン樹脂と呼ぶ。ケイ素には4つの結合手があるため、ポリシロキサンの基本構成単位は、メチル基やフェニル基に代表される有機基がケイ素原子1個につき何個あるかで分類され、下記に示すように4つに分けることができる。下式においてRは有機基である。
Figure 0005976575
本発明において、シルセスキオキサンとは、特に断らない限り、基本構成単位がT単位であるポリシロキサンの総称を意味する。シルセスキオキサン中のケイ素は3個の酸素と結合し、酸素は2個のケイ素と結合しているため、その理論組成はRSiO3/2となる(2分の3を示すラテン語は「セスキ(SESQUI)」である。)。本実施形態においては、上記T単位の式においてRが上記Rであり、このシルセスキオキサン構造部位が上記特定の含有率で含まれていることが好ましい。
本実施形態のシロキサン樹脂は、硬化膜に含まれるシロキサン樹脂全体の65質量%以上100質量%以下、即ち低屈折率膜形成用樹脂組成物(硬化性組成物)に含まれるシロキサン樹脂全体の65質量%以上100質量%以下が上記のシルセスキオキサン構造で構成される。この割合は80質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、実質的に100質量%であることがもっとも好ましい(ただし、100質量%の場合でも、不可避不純物など、所望の効果を損ねない範囲で他の成分が含まれていても良い。)。なお、本実施形態のシロキサン樹脂は、特定のポリシルセスキオキサン構造を1種単独で含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。
本実施形態のシロキサン樹脂は、アルキルトリアルコキシシランを加水分解縮合して得られる加水分解縮合物であることが好ましい。
(アルキルトリアルコキシシラン)
本実施形態において加水分解縮合物を製造するために、出発原料として、アルキルトリアルコキシシランを含むアルコキシシラン原料を使用することができる。なお、アルコキシシラン原料とは、アルコキシシラン(アルコキシ基を有するケイ素化合物)から構成される出発原料を意図する。原料としてアルキルトリアルコキシシランを使用することにより、得られる加水分解縮合物の構造がよりフレキシブルとなり、さらに有機成分の存在により基板に対する濡れ性を高めることができる。
アルキルトリアルコキシシランとは、ケイ素原子に一つのアルキル基と3つのアルコキシ基が結合する有機ケイ素化合物であり、下記の式(2)で表すことができる。
式(2):RSi(OR
(Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rはアルキル基を表す。)
アルキルトリアルコキシシランのアルキル基(式(2)中のR)は炭素数1〜3の範囲であれば特に制限されないが、メチル基又はエチル基が好ましく、最も好ましいのはメチル基である。
アルキルトリアルコキシシランのアルコキシ基は特に制限されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。より具体的に、式(2)中のRとしては、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。なかでも、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜4がより好ましい。特に、加水分解速度の制御が容易である点から、式(2)中のRがエチル基である、エトキシ基が好ましい。
アルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、などが挙げられる。なかでも、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシランが好適に用いられ、メチルトリエトキシシランが最も好ましく用いられる。なお、アルキルトリアルコキシシランとしては、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコキシシラン原料の65質量%以上がアルキルトリアルコキシシランであることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。含有量がその範囲内にあることにより、得られる加水分解縮合物の構造のフレキシビリティ性および被加工物に対する濡れ性が担保され好ましい。
(テトラアルコキシシラン)
アルコキシシラン原料としては上記のトリアルコキシシラン以外に、他のアルコキシシランを使用することができ、なかでもテトラアルコキシシランが好ましい。テトラアルコキシシランを含むことにより、加水分解縮合物中の架橋密度が増加し、硬膜して得られる皮膜の電気的絶縁性、耐現像性、耐熱性がより向上する点で好ましい。
テトラアルコキシシランとは、ケイ素原子に4つのアルコキシ基が結合する有機ケイ素化合物であり、下記の式(3)で表すことができる。
式(3):Si(OR
(Rは、それぞれ独立にアルキル基を表す。)
テトラアルコキシシランのアルコキシ基は特に制限されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。より具体的には、式(3)中のRとしては、炭素数1〜
20の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。なかでも、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜4がより好ましい。特に、加水分解速度の制御が容易である点から、式(3)中のRがエチル基である、エトキシ基が好ましい。
テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシランなどが挙げられる。なかでも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好適に用いられる。
なお、テトラアルコキシシランとしては、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコキシシラン原料中におけるテトラアルコキシシランの含有量は特に制限されないが、35質量%以下が好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、テトラアルコキシシランの添加効果を得る場合には、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。
なお、本明細書において化合物の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、錯体、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の形態で修飾された誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基を含む)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
(シロキサン樹脂の製造)
本実施形態の低屈折率膜形成用樹脂組成物(硬化性組成物)中に含まれるシロキサン樹脂は、上述したアルコキシシラン原料を用いて、加水分解反応および縮合反応を介して得ることができる。
加水分解反応および縮合反応としては公知の方法を使用することができ、必要に応じて、酸または塩基などの触媒を使用してもよい。触媒としてはpHを変更させるものであれば特に制限がなく、具体的には、酸(有機酸、無機酸)としては、例えば硝酸、シュウ酸、酢酸、蟻酸、塩酸など、アルカリとしては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、エチレンジアミンなどが挙げられる。使用する量は、シロキサン樹脂が所定の分子量を満たせば、特に限定されない。
加水分解反応および縮合反応の反応系には、必要に応じて、溶媒を加えてもよい。溶媒としては加水分解反応および縮合反応が実施できれば特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトンなどのケトン類などが挙げられる。なかでも、ここでは、後述するシロキサン樹脂を含有させる溶媒とは異なる溶媒を適用することが好ましく、炭素数1〜5のアルコール化合物又は炭素数2〜6のエーテル化合物を用いることがより好ましい。
加水分解反応および縮合反応の条件(温度、時間、溶媒量)は使用される材料の種類に応じて、適宜最適な条件が選択される。
本実施形態で使用されるシロキサン樹脂の重量平均分子量は、1,000〜50,000である。なかでも、2,000〜45,000が好ましく、2,500〜25,000がより好ましく、3,000〜25,000が特に好ましい。
なお、重量平均分子量は、公知のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて測定し、標準ポリスチレンに換算したときの値である。特に断らない限り、GPC測定においては、カラムとしてWaters2695およびShodex製GPCカラムKF−805L(カラム3本を直結)を使用し、カラム温度40℃、試料濃度0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液を50μl注入し、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流量でフローさせ、RI検出装置(Waters2414)およびUV検出装置(Waters2996)にて試料ピークを検出することで行った。
本実施形態の組成物(低屈折率膜形成用硬化性組成物)中における上記シロキサン樹脂の含有量は、全組成物質量に対して、5質量%超50質量%以下であることが好ましくなかでも、10〜45質量%がより好ましく、15〜40質量%が特に好ましい。
このため、本発明では、低屈折率膜形成用硬化性組成物中に、シロキサン樹脂を15〜40質量%含有する。
(界面活性剤)
本実施形態の低屈折率膜形成用樹脂組成物(硬化性組成物)は、塗布性をより向上させる観点から、ポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤を含有することが好ましい。ポリオキシアルキレン構造とは、アルキレン基と二価の酸素原子が隣接して存在している構造のことをいい、具体的にはエチレンオキサイド(EO)構造、プロピレンオキサイド(PO)構造などが挙げられる。ポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤としては、該ポリオキシアルキレン構造を有する限りにおいてフッ素系界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。これらの中でもノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が好ましく、ノニオン界面活性剤、及びアニオン界面活性剤が更に好ましく、アニオン界面活性剤が最も好ましい。
本実施形態の低屈折率膜形成用樹脂組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同S−141、同S−145、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、ジェムコ(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王(株)製のエマルゲン 404等)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、青木油脂工業(株)製のELEBASE BUB−3等が挙げられる。
アニオン界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)、クラリアントジャパン(株)製のEMULSOGEN COL−020、EMULSOGEN COA−070、EMULSOGEN COL−080、第一工業製薬(株)製のプライサーフ A208B等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」、GELEST製「DBE−224」、「DBE−621」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
また、本実施形態の好ましいポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤としては、下記式(4)で表される界面活性剤が挙げられる。
式(4):RO(RO)
(上記式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子、カルボキシル基、又は−POを表す。mは1〜8の整数を表す。)
より具体的には、式(4)中のRとしては、直鎖状または分岐状のアルキル基であってよい。なかでも、炭素数5〜20が好ましく、炭素数12〜18がより好ましい。式(4)中のRとしては、直鎖状または分岐状のアルキレンン基であってよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基などが挙げられる。中でもエチレン基、イソプロピレン基(隣接するO原子とエチレンオキサイド構造、又はプロピレンオキサイド構造を形成する基)が好ましい。式(4)中のRとしては、水素原子、又はカルボキシル基が好ましく、カルボキシル基が最も好ましい。
界面活性剤の添加量は、特に限定されないが、その下限値としては、前述の硬化性樹脂100質量部に対し1質量部以上の範囲で添加されるのが好ましく、1.5質量部以上であることがより好ましく、7.5質量部以上が最も好ましい。上限値も特に限定されないが、30質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物においては、上記のポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤とともに、あるいはこれとは別に、その他の界面活性剤を用いてもよい。当該界面活性剤としては、常用されているものを用いることができるが、中でもシリコーン系界面活性剤を用いることが好ましい。好ましいシリコーン系界面活性剤としては、有機基を側鎖または末端、もしくは側鎖と末端に導入したポリシロキサン型界面活性剤が挙げられる。側鎖基としては、アミノ基、エポキシ基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシル基、水素基、ポリエーテル基、アラルキル基、フロロアルキル基、フェニル基、末端基としては、アミノ基、エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、ポリエーテル基、メルカプト基、カルボキシル基、フェノール基、シラノール基、ジオール基などが挙げられる。
あるいは、上記のポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤とともに、特定炭素数のアルキルアルコキシシラン化合物(以下、「アルコキシシラン化合物α」と称する。)を含有させることも好ましく、上記のポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤とシリコーン系界面活性剤とアルコキシシラン化合物αとの3種の界面活性剤を併用してもよい。このアルコキシシラン化合物αとしては、炭素数4〜12(より好ましくは炭素数6〜10)のアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を適用することが好ましい。これを一般式で表すと、下記式(5)で表される化合物であることが好ましい。
式(5):Si(OR51n−4(R52
ここで、R51は前記Rと同義の基である。R52は炭素数4〜12のアルキル基であることが好ましく、炭素数6〜10のアルキル基であることがより好ましい。nは1〜3の整数である。
ポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤と併用する界面活性剤の配合量は任意に調整すればよいが、例えば、ポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤100質量部に対して、併用する界面活性剤を0.01〜100質量部で用いることが好ましく、1〜100質量部で用いることがより好ましく、10〜100質量部で用いることがより好ましい。
(中空粒子・非中空粒子)
前記硬化性組成物ないしそれを硬化した硬化膜は、中空粒子を含むことが好ましい。中空粒子としては、中空構造はもちろん多孔質の微粒子を使用してもよい。中空粒子は、内部に空洞を有する構造のものであり、外郭に包囲された空洞を有する粒子を指し、多孔質粒子は、多数の空洞を有する多孔質の粒子を指す。以下、中空粒子又は多孔質粒子を、適宜「特定粒子」と称する。特定粒子は、有機粒子であっても、無機粒子であってもよい。
特定粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。特定粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
特定粒子の中でも、屈折率を低下しやすい観点から、中空粒子であることがより好ましい。例えば、中空粒子をシリカで構成した場合には、中空シリカ粒子は、屈折率の低い空気(屈折率=1.0)を有しているため、その屈折率は、通常のシリカ(屈折率=1.6)と比較して著しく低くなる。
中空粒子の製造方法としては、例えば特開2001−233611号公報に記載されている方法を適用できる。また、多孔質粒子の製造方法は、例えば特開2003−327424号、同2003−335515号、同2003−226516号、同2003−238140号等の各公報に記載されている方法を適用できる。
特定粒子は、平均一次粒子径が1nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。
ここでの特定粒子の平均一次粒子径は、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均一次粒子径とする。本明細書における平均一次粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出する。
特定粒子の屈折率は、1.10〜1.40が好ましく、更に好ましくは、1.15〜1.35、最も好ましくは1.15〜1.30である。
本明細書において屈折率は粒子全体として屈折率を表し、粒子が中空粒子である場合、中空粒子を形成している外殻のみの屈折率を表すものではない。粒子が多孔質粒子である場合、多孔質粒子の屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定することができる(測定温度25℃,波長633nm)。
特定粒子は、低屈折率化の観点からは、中空又は多孔質の無機粒子が好ましい。無機の低屈折率粒子としては、フッ化マグネシウムやシリカの粒子が挙げられ、低屈折率性、分散安定性、コストの観点から、シリカ粒子であることがより好ましい。
これらの無機粒子の平均一次粒子径は、1nm〜100nmであることが好ましく、1nm〜60nmであることがより好ましい。
無機粒子は、必要な空隙率を満たす限りにおいて、結晶系は、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよく、また単分散粒子でも、所定の粒子径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球形状が最も好ましいが、数珠状、長径と短径の比が1以上の形状、あるいは不定形状であってもよい。
無機粒子の比表面積は、10m/g〜2000m/gであることが好ましく、20m/g〜1800m/gであることがさらに好ましく、50m/g〜1500m/gであることが最も好ましい。
無機粒子は、硬化性組成物中での、分散安定化を図るために、あるいは、バインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていてもよい。カップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。なかでも、シランカップリング処理が特に有効である。
すなわち、無機粒子がシリカ粒子であり、カップリング剤がシラン化合物である場合、シラン化合物とシラノール基との反応により、オルガノシリル基(モノオルガノシリル、ジオルガノシリル、トリオルガノシリル基)がシリカ粒子の表面に結合するものである。表面処理されたシリカ粒子がその表面に有する有機基としては、飽和又は不飽和の炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基などが挙げられる。
上記カップリング剤は、無機粒子の表面処理剤として低屈折率膜用塗布液の調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられても、塗布液調製時にさらに添加剤として添加してもよい。
無機粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
特定粒子のより好適な態様はシリカ粒子である。
シリカからなる特定粒子としては市販されているものを好ましく用いることができる。
例えば、日揮触媒化成(株)製スルーリアシリーズ(中空粒子、イソプロパノール(IPA)分散、4−メチル−2−ペンタノン(MIBK)分散など。例えばスルーリア2320など。)、OSCALシリーズ、日産化学(株)製スノーテックスシリーズ(多孔質粒子、IPA分散、エチレングリコール分散、メチルエチルケトン(MEK)分散、ジメチルアセトアミド分散、MIBK分散、プロピレングリコールモノメチルアセテート分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メタノール分散、酢酸エチル分散、酢酸ブチル分散、キシレン−n−ブタノール分散、トルエン分散など。例えばMIBK−SD−L、MIBK−STなど。)、日鉄鉱業(株)製シリナックス(多孔質粒子)、扶桑化学工業(株)製PLシリーズ(多孔質粒子、IPA分散、トルエン分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メチルエチルケトン分散など。例えばPL−1−IPA、PL−2L−PGMEなど。)、EVONIK社製アエロジルシリーズ(多孔質粒子、プロピレングリコールアセテート分散、エチレングリコール分散、MIBK分散など)などのシリカ粒子を用いることができる。
シリカ粒子を、シリカ粒子と粒子分散剤(粒子分散剤の詳細は後述する)とを含有する分散液として添加する場合、シリカ粒子のシリカ分散液中の含有量は、10質量%〜50質量%が好ましく、15質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜30質量%がさらに好ましい。
硬化性組成物(低屈折率膜形成用硬化性組成物)中の全固形分に対する特定粒子の含有量は、5質量%〜95質量%であることが好ましく、10質量%〜90質量%であることがより好ましく、20質量%〜80質量%であることが更に好ましい。
硬化性組成物を用いて膜を形成する場合、特定粒子の塗設量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、より好ましくは5mg/m〜80mg/m、更に好ましくは10mg/m〜60mg/mである。1mg/m以上であることによって、低屈折率化の効果や耐擦傷性の改良効果を確実に得ることができるとともに、100mg/m以下であることによって、硬化膜の表面に微細な凹凸ができて積分反射率が悪化することを抑制できる。
(フッ素系樹脂)
前記硬化性組成物ないしそれを硬化した硬化膜は、フッ素系樹脂を含むことが好ましい。例えば特開2004−21036号公報に記載のフッ素系のシロキサンポリマーが挙げられる。
フッ素系樹脂とは、物質分子中にフッ素を含有する樹脂であり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド/エチレン共重合体などが挙げられる。
中でもポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体が好ましく、更にはポリテトラフルオロエチレンが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体も好ましく用いられる。
また、アモルファスフッ素樹脂も好ましく用いられ、市販品としてはCYTOP(旭硝子製)などが挙げられる。ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂分子量は10万〜1000万の範囲のものが好ましく、とくに10万〜100万の範囲のものがより好ましく、押出成形性と難燃性にとくに効果がある。ポリテトラフルオロエチレンの市販品としては、三井・デュポンフロロケミカル(株)製の“テフロン(登録商標)”6−J、“テフロン(登録商標)”6C−J、“テフロン(登録商標)”62−J、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製の“フルオン”CD1やCD076などが市販されている。また、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の市販品としては、三菱レイヨン(株)から、“メタブレン(登録商標)”Aシリーズとして市販され、“メタブレン(登録商標)”A−3000、“メタブレン(登録商標)”A−3800などが市販されている。
さらに、フッ素樹脂としては、アモルファスフッ素樹脂、パーフルオロアルキル基含有アクリレートまたはメタクリレートを含有する共重合オリゴマー、フッ素系コーティング剤、フッ素系界面活性剤、電子線または紫外線硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤、熱硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤なども好ましい。パーフルオロアルキル基含有アクリレートまたはメタクリレートを含有する共重合オリゴマーの他の共重合成分としては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートが好ましい。
以下に具体的な例を示す。アモルファスフッ素樹脂としては、旭硝子社製ルミフロン、同サイトップ(CYTOP)などが挙げられる。パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートとを主成分とする共重合オリゴマーとしては、日本油脂社製モディパーFシリーズ、ダイキン工業社製ユニダイン、大日本インキ化学工業社製メガファックF470シリーズ、同F480シリーズ、同F110シリーズなどが挙げられ、共重合はブロック共重合がより好ましい。フッ素系コーティング剤としては、住友3M社製EGC1700が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、大日本インキ化学工業製メガファックF114、同F410シリーズ、同440シリーズ、同450、同490シリーズなどが挙げられる。電子線または紫外線硬化成分を含有するフッ素系表面処理剤としては、オムノヴァ・ソリューション社製ポリフォックスPF−3320、ユニマテック社製ケミノックスFAMAC−8、住友3M社製EGC1720などが挙げられる。熱硬化成分を含んだフッ素系表面処理剤としては、住友3M社製EGC1720、大日本インキ化学工業社製NH−10、NH−15などが挙げられる。
フッ素樹脂は、複数種の含フッ素化合物の混合であってもよい。
フッ素系樹脂の添加量は、特に限定されないが、前記シロキサン樹脂と同様の観点から、低屈折率膜形成用硬化性組成物中で前記シロキサン樹脂と同様の含有率の範囲であることが好ましい。
(硬化剤)
本実施形態の低屈折率膜形成用樹脂組成物は、さらに硬化剤を含有しても良い。硬化剤としては、Al、Mg、Mn、Ti、Cu、Co、Zn、Hf及びZrよりなる硬化剤が好ましく、これらを併用することもできる。
これらの硬化剤は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステルなどを用いることができる。
金属基キレート化合物の好ましい具体的な例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物、エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)等のマグネシウムキレート化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)、マンガンアセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナート、銅アセチルアセトナート、チタンアセチルアセトナート、チタンオキシアセチルアセトナートが挙げられる。これらのうち、好ましくは、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトナートであり、保存安定性、入手容易さを考慮すると、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
硬化剤の総含有量は、シロキサン樹脂の全含有量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部〜10質量部であり、更に好ましくは、0.01質量部〜5質量部であり、特に好ましくは0.01質量部〜0.5質量部である。
<溶媒>
本実施形態の低屈折率膜形成用樹脂組成物(硬化性組成物)は、一般には、有機溶剤を用いて構成することができる。有機溶剤は、各成分の溶解性や低屈折率膜形成用樹脂組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はないが、特に、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。また、本実施形態における低屈折率膜形成用樹脂組成物を調製する際には、2種類の有機溶剤を含んでもよい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートである。
本発明の硬化性組成物において、適用される溶媒は、組成物の全量中、50〜99.9質量%であることが好ましく、60〜95質量%であることがより好ましい。当該化合物の量が上記下限値以上の場合、塗布性が良好となり好ましい。上記上限値以下の場合も同様に塗布性が良好となり好ましい。
なお、本発明の硬化性組成物の溶媒は、前記のもの以外に後記高屈折率材料を含む分散組成物の溶媒であってもよく、あるいはこれらの混合溶媒であってもよい。
(粘度)
本実施形態の低屈折率膜形成用樹脂組成物は、厚みのある良好な透過膜を形成する観点から、その粘度が調節されていることが好ましい。具体的な粘度の範囲は特に限定されないが、1〜20cPであることが好ましく、2〜15cPであることがより好ましく、4〜6cPであることが特に好ましい。本明細書における粘度の値は、特に断らない限り、後記の測定方法によるものとする。
・測定方法
E型粘度計「TV−20形粘度計・コーンプレートタイプ TVE−20L」(東機産業製)を用いて、室温(約25℃)で測定する。サンプリングは100秒ごとに5回粘度を測定した値の平均とする。
なお、本発明において組成物とは、2以上の成分が特定の組成で実質的に均一に存在していることを言う。ここで実質的に均一とは発明の作用効果を奏する範囲で各成分が偏在していていもよいことを意味する。また、組成物とは上記の定義を満たす限り形態は特に限定されず、流動性の液体やペーストに限定されず、複数の成分からなる固体や粉末等も含む意味である。さらに、沈降物があるような場合でも、攪拌により所定時間分散状態を保つようなものも組成物に含む意味である。
<高屈折率材料>
本実施形態の硬化性組成物は、高屈折率材料を含有する。高屈折率材料が呈する屈折率は1.45超であることが好ましく、1.46以上であることがより好ましく、1.50以上であることがさらに好ましく、1.55以上であることがさらに好ましく、1.6以上であることがさらに好ましく、1.7以上であることがさらに好ましく、1.8以上であることがさらに好ましく、1.85以上であることが特に好ましい。上限値としては、2以下であることが好ましく、1.97以下であることがより好ましく、1.95以下であることがさらに好ましく、1.93以下であることが特に好ましい。
低屈折率材料と高屈折率材料との屈折率との差は特に限定されないが、0.3〜0.75であることが好ましく、0.35〜0.7であることがより好ましい。
高屈折率材料のアッベ数は5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましく、12以上であることが特に好ましい。上限については、40以下であることが好ましく、35以下であることがより好ましく、30以下であることがさらに好ましく、25以下であることがさらに好ましく、20以下であることが特に好ましい。高屈折率材料のアッベ数をこの範囲に設定することで、前記低屈折率材料と組み合わせて膜としたときに、良好な光学特性を発揮するものとできる。
アッベ数の同定は、特に断らない限り、後記実施例で採用した溶媒および測定方法により測定した屈折率により評価する。
ただし、本発明では、高屈折率材料の屈折率は1.6〜2であり、アッベ数は5〜40である。
以下、本実施形態における高屈折率材料の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本発明においては、後記実施形態の樹脂組成物のほか、市販の硬化性樹脂を好適に用いることができる。以下にその商品名(製品番号)を列記しておく。
(1)超高屈折率、高耐熱コーティング材料:UR−108、UR−202、UR−501、HR−102(日産化学工業社製)
(2)厚膜用高屈折率コーティング材料:UR−108、UR−204、HR−201(日産化学工業社製)
(3)チオエポキシ樹脂LPH1101(三菱ガス化学社製)
(4)エピスルフィド樹脂MR−174(三井化学社製)
(5)チオウレタン樹脂MR−7(三井化学社製)
本実施形態において高屈折率材料を含む組成物としては以下説明する分散組成物I、IIまたはIIIから選択される少なくとも一つの分散組成物から形成されることが好ましい。
(分散組成物I)
分散組成物Iとは、一次粒子径が1nm〜100nmである金属酸化物粒子(A)と、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有するグラフト共重合体(B)と、溶媒(C)とを含有する分散組成物であって、金属酸化物粒子(A)の含有量が分散組成物の全固形分に対して50質量%以上90質量以下である分散組成物を指す。
(A)金属酸化物粒子
金属酸化物粒子としては、屈折率の高い無機粒子であり、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)又はマグネシウム(Mg)の酸化物粒子が挙げられ、二酸化チタン(TiO)粒子、二酸化ジルコニウム(ZrO)粒子又は二酸化珪素(SiO)粒子であることが好ましく、中でも二酸化チタン粒子(以下、単に「二酸化チタン」ということもある)であることがより好ましい。
無色又は透明な二酸化チタン粒子としては、化学式TiOで表すことができ、純度が70%以上であることが好ましく、純度80%以上であることがより好ましく、純度85%以上であることが更に好ましい。式Ti2n−1(nは2〜4の数を表す。)で表される低次酸化チタン、酸窒化チタン等は30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。
金属酸化物粒子は、一次粒子径が1nm〜100nmであれば特に制限はなく、例えば、市販の金属酸化物粒子から適宜選択して用いることができる。金属酸化物粒子の一次粒子径は1nm〜80nmであることが好ましく、1nm〜50nmであることが特に好ましい。金属酸化物粒子の一次粒子径が100nmを超えると屈折率及び透過率が低下することがある。また1nm未満の場合には、凝集により分散性や分散安定性が低下する場合がある。
また金属酸化物粒子の一次粒子径は、金属酸化物粒子の平均粒子径として得られる。金属酸化物粒子の平均粒子径は、金属酸化物粒子を含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。
ここでの平均粒子径の測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた数平均粒子径のこととする。以下の実施例においても同様である。
金属酸化物粒子の屈折率としては特に制限はないが、高屈折率を得る観点から、1.75〜2.70であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましい。この屈折率の測定方法は前記中空粒子と同じである。
また金属酸化物粒子の比表面積は、10m/g〜400m/gであることが好ましく、20m/g〜200m/gであることが更に好ましく、30m/g〜150m/gであることが最も好ましい。
また金属酸化物粒子の形状には特に制限はない。例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることができる。
金属酸化物粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。中でもシランカップリング剤が好ましい。
表面処理は、1種単独の表面処理剤でも、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。
また金属酸化物粒子の表面が、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により覆われていることもまた好ましい。これにより、より耐候性が向上する。
金属酸化物粒子としては、市販されているものを好ましく用いることができる。
二酸化チタン粒子の市販物としては、例えば石原産業(株)製TTOシリーズ(TTO−51(A)、TTO−51(C)など)、TTO−S、Vシリーズ(TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−V−3など)、テイカ(株)製MTシリーズ(MT−01、MT−05など)などを挙げることができる。
二酸化ジルコニウム粒子の市販物としては、例えば、UEP(第一稀元素化学工業(株)製)、PCS(日本電工(株)製)、JS−01、JS−03、JS−04(日本電工(株)製)、UEP−100(第一稀元素化学工業(株)製)などを挙げることができる。
二酸化珪素粒子の市販物としては、例えば、OG502−31クラリアント社(Clariant Co.)製などを挙げることができる。
金属酸化物粒子は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本実施形態の分散組成物(I)を構成する際、非常に高い屈折率を得るべく、組成物中の金属酸化物粒子の含有量は、分散安定性の観点から、分散組成物全固形分に対して10〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、更に好ましくは12〜40質量%であり、特に好ましくは15〜35質量%である。一方、特に、高屈折率のマイクロレンズ用としては、分散組成物の全固形分に対して50質量%〜90質量%であり、より好ましくは52質量%〜85質量%であり、最も好ましくは55質量%〜80質量%である。
(B)グラフト共重合体
本実施形態の分散組成物は、グラフト共重合体(以下、「特定樹脂」ともいう)を含むものである。本実施形態のグラフト共重合体は、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有している。この場合のグラフト鎖とは、共重合体の主鎖の根元(主鎖から枝分かれしている基において主鎖に結合する原子)から、主鎖から枝分かれしている基の末端までを示す。分散組成物において、この特定樹脂は、金属酸化物粒子に分散性を付与する分散樹脂であり、グラフト鎖による溶媒との親和性を有するために、金属酸化物粒子の分散性、及び、経時後の分散安定性に優れる。また、分散組成物としたとき、グラフト鎖と溶媒とが良好な相互作用を示すことにより、塗布膜における膜厚の均一性が悪化することが抑制されるものと考えられる。
(B)グラフト共重合体としては、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40〜10000であることが好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が100〜500であることがより好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が150〜260であることが更に好ましい。この数が少なすぎると、グラフト鎖が短いため、立体反発効果が小さくなり分散性や分散安定性が低下する場合がある。一方、多すぎるとグラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が10000を超えると、グラフト鎖が長くなりすぎ、金属酸化物粒子への吸着力が低下して分散性や分散安定性が低下する場合がある。
なお、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数とは、主鎖を構成する高分子鎖に結合している根元の原子から、主鎖から枝分かれしている枝ポリマーの末端までに含まれる水素原子以外の原子の数である。またグラフト共重合体にグラフト鎖が2種以上含まれる場合、少なくとも1種のグラフト鎖の水素原子を除いた原子数が上記要件を満たしていればよい。
グラフト鎖のポリマー構造としては、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造、ポリエーテル構造などを用いることができるが、グラフト鎖と溶媒との相互作用性を向上させ、それにより分散性や分散安定性を高めるために、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリエーテル構造を有するグラフト鎖であることが好ましく、ポリエステル構造、ポリエーテル構造を有することがより好ましい。
グラフト共重合体は、上記グラフト鎖を有する構造単位(繰り返し単位)を有することが好ましく、例えば、ポリマー構造をグラフト鎖として有するマクロモノマーを、常法に基づいて重合させることにより得ることができ、このようなマクロモノマーの構造としては、ポリマー主鎖部と反応可能な置換基を有し、かつ要件を満たすグラフト鎖を有していれば、特に限定されないが、好ましくは、反応性二重結合性基を有するマクロモノマーを好適に使用することができる。
特定樹脂の合成に好適に用いられる市販マクロモノマーとしては、AA−6(東亞合成社製)、AA−10(東亞合成社製)、AB−6(東亞合成社製)、AS−6(東亞合成社製)、AN−6(東亞合成社製)、AW−6(東亞合成社製)、AA−714(東亞合成社製)、AY−707(東亞合成社製)、AY−714(東亞合成社製)、AK−5(東亞合成社製)、AK−30(東亞合成社製)、AK−32(東亞合成社製)、ブレンマーPP−100(日油社製)、ブレンマーPP−500(日油社製)、ブレンマーPP−800(日油社製)、ブレンマーPP−1000(日油社製)、ブレンマー55−PET−800(日油社製)、ブレンマーPME−4000(日油社製)、ブレンマーPSE−400(日油社製)、ブレンマーPSE−1300(日油社製)、ブレンマー43PAPE−600B(日油社製)、などが挙げられる。この中でも、好ましくは、AA−6(東亞合成社製)、AA−10(東亞合成社製)、AB−6(東亞合成社製)、AS−6(東亞合成社製)、AN−6(東亞合成社製)、ブレンマーPME−4000(日油社製)などが挙げられる。
本実施形態に使用される特定樹脂は、上記グラフト鎖を有する構造単位として、少なくとも下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことが好ましく、少なくとも、下記式(1A)、下記式(2A)、下記式(3)、及び、下記式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことがより好ましい。
Figure 0005976575
式(1)〜式(4)において、X、X、X、X、及び、Xはそれぞれ独立に水素原子或いは1価の有機基を表す。合成上の制約の観点から、好ましくは水素原子、或いは炭素数1〜12のアルキル基であり、水素原子或いはメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)〜式(4)において、W、W、W、及び、Wはそれぞれ独立に酸素原子或いはNHを表し、特に酸素原子が好ましい。
式(3)中、Rは、分岐若しくは直鎖のアルキレン基(炭素数は1〜10が好ましく、2又は3であることがより好ましい)を表し、分散安定性の観点から、−CH−CH(CH)−で表される基、又は、−CH(CH)−CH−で表される基が好ましい。
また、式(3)中のRとしては特定樹脂中に構造の異なるRを2種以上混合して用いても良い。
式(1)〜式(4)において、Y、Y、Y、及び、Yはそれぞれ独立に2価の連結基であり、特に構造上制約されない。具体的には、下記の(Y−1)〜(Y−21)の連結基などが挙げられる。下記構造でA、Bはそれぞれ、式(1)〜式(4)における左末端基、右末端基との結合を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)、(Y−13)であることがより好ましい。
Figure 0005976575
式(1)〜式(4)において、Z、Z、Z、及び、Zは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基であり、置換基の構造は特に限定されないが、具体的には、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、或いはヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、或いはヘテロアリールチオエーテル基、アミノ基などが挙げられる。この中でも、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を有することが好ましく、Z〜Zで表される1価の置換基としては、各々独立に炭素数5〜24のアルキル基又は炭素数5〜24のアルコキシ基が好ましく、その中でも、特に各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基を有するアルコキシ基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。また、Zで表される1価の置換基としては、炭素数5〜24のアルキル基が好ましく、その中でも、各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基が好ましい。
式(1)〜式(4)において、n、m、p、及び、qはそれぞれ1〜500の整数である。
式(1)及び式(2)において、j及びkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。
式(1)及び式(2)におけるj及びkは、分散安定性の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。
式(4)中、Rは水素原子又は1価の有機基を表し、特に構造上限定はされないが、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基である。該Rがアルキル基である場合、該アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
また、式(4)中のRとしては特定樹脂中に構造の異なるRを2種以上混合して用いても良い。
前記式(1)で表される構造単位としては、分散安定性の観点から、下記式(1A)又は(2A)で表される構造単位であることがより好ましい。
Figure 0005976575
式(1A)中、X、Y、Z及びnは、式(1)におけるX、Y、Z及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(2A)中、X、Y、Z及びmは、式(2)におけるX、Y、Z及びmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
特定樹脂としては、前記式(1A)で表される構造単位を有するものであることが更に好ましい。
特定樹脂において、上記グラフト鎖を有する構造単位(繰り返し単位)は、質量換算で、特定樹脂の総質量に対し10%〜75%の範囲で含むことが好ましく、12%〜50%の範囲で含むことがより好ましく、15%〜40%の範囲で含むことが特に好ましい。この範囲内であると金属酸化物粒子の分散性や分散安定性が高く、分散組成物を用いた形成した塗布膜における膜厚の均一性が更に良好になる。また、特定樹脂としては、2種以上の構造が異なるグラフト共重合体の組み合わせであってもよい。
また、特定樹脂は、酸基を有する構造単位(繰り返し単位)を、特定樹脂の総質量に対し25質量%以上90質量%以下で有する重合体であることが好ましい。酸基を有する構造単位の含有量は、特定樹脂の総質量に対し50質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上75質量%以下であることが最も好ましい。酸基を有する構造単位の含有量が、特定樹脂の総質量に対し25質量未満であると、特定樹脂の金属酸化物粒子への吸着性が不十分となって分散安定性が悪くなる。
酸基を有する構造単位の含有量が、特定樹脂の総質量に対し90質量%超過であると、上記グラフト鎖の特定樹脂への導入量が不十分となって分散安定性が悪くなり、同様に、ウエハーの中心部と周辺部での膜厚差が小さい膜を形成しにくくなる。
また、酸基を有する構造単位の含有量が上記範囲内であることにより、特定樹脂の酸価を下記の好ましい範囲内に好適に調整できる。
また、酸基は、グラフト鎖以外に金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基としても機能し得る。
前記酸基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられ、金属酸化物粒子への吸着力と、分散性・分散安定性の観点から、カルボン酸基、スルホン酸基、及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
更に、酸基構造は、樹脂構造の主鎖より5原子分以上離れている構造が好ましい。更に酸基としては、芳香環に結合したカルボン酸が最も好ましい。
前記酸基としては、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記特定樹脂の酸価は、70mgKOH/g以上350mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは80mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲、更に好ましくは100mgKOH/g以上250mgKOH/g以下の範囲である。酸価を上記範囲とすることにより、分散組成物が大サイズ(例えば12インチ)のウエハーに塗布された場合でも、ウエハーの中心部と周辺部での膜厚差が小さい膜をより確実に得ることができる。
特定樹脂の酸価は、例えば、特定樹脂中における酸基の平均含有量から算出することができる。また、特定樹脂を構成する酸基を含有するモノマー単位の含有量を変化させることで所望の酸価を有する樹脂を得ることができる。
特定樹脂は、上記グラフト鎖及び酸基以外の、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位(繰り返し単位)を更に有していても良い。このような、その他の金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位は、特に構造上限定されないが、例えば、塩基性基を有する構造単位、配位性基を有する構造単位、反応性を有する基を有する構造単位などが挙げられる。
前記塩基性基としては、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、N原子を含むヘテロ環、アミド基などが挙げられる。特に好ましいものは、金属酸化物粒子への吸着力が良好で、かつ、分散性・分散安定性が高い第3級アミノ基である。前記塩基性基としては、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定樹脂は、塩基性基を有する構造単位(繰り返し単位)を含有してもしなくても良いが、含有する場合、塩基性基を有する構造単位の含有量は、特定樹脂の総質量に対し0.1質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは、0.1質量%以上30質量%以下である。
前記配位性基、反応性を有する基としては、例えば、アセチルアセトキシ基、トリアルコキシシリル基、イソシアネート基、酸無水物残基、酸塩化物残基などが挙げられる。特に好ましいものは、金属酸化物粒子への吸着力が良好で、分散性・分散安定性が高いアセチルアセトキシ基である。前記配位性基、反応性を有する基としては、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定樹脂は、配位性基又は反応性を有する基を有する構造単位(繰り返し単位)を含有してもしなくても良いが、含有する場合、配位性基又は反応性を有する基を有する構造単位の含有量は、特定樹脂の総質量に対し0.1質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは、0.1質量%以上30質量%以下である。
また、特定樹脂は、上記グラフト鎖を有する構造単位及び上記酸基を有する構造単位とは異なる、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位として、下記式(i)〜(iii)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位の少なくとも1種を有していても良い。
Figure 0005976575
上記式(i)〜(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、又は炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
、R、及びRは、より好ましくは水素原子、又は炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子又はメチル基である。R、及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
Lは、単結合又は2価の連結基である。2価の連結基としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、置換アリーレン基)、2価の複素環基及びそれらと酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR31−、ここでR31は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)又はカルボニル基(−CO−)との組み合わせ等が挙げられる。
前記2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。前記脂肪族基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。
脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15が更に好ましく、6〜10が最も好ましい。また、前記芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
前記2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
Lは、単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造であることがより好ましい。また、Lはオキシアルキレン構造を2以上繰り返して含むポリオキシアルキレン構造を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン構造としてはポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。
上記式(i)〜(iii)中、Zは、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を表し、上記した酸基、塩基性基、又は反応性を有する基であることが好ましく、カルボン酸基、又は第三級アミノ基であることがより好ましく、カルボン酸基であることが更に好ましい。また、Yは、メチン基又は窒素原子を表す。
上記式(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、Z、又は−L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるものと同義である。R、R、及びRとしては、水素原子、又は炭素数が1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記式(i)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
また、上記式(ii)で表される単量体として、Rが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがカルボン酸基であって、Yがメチン基である化合物が好ましい。また、上記式(iii)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
式(i)〜(iii)で表される代表的な化合物の例としては、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とテトラヒドロキシフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物と無水トリメリット酸の反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を有する化合物とピロメリット酸無水物との反応物、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸、ビニルフェノール、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミドなどが挙げられる。
更に、金属酸化物粒子の分散組成物に含まれる前記特定樹脂は、諸性能を向上する目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、前記グラフト鎖を有する構造単位、前記酸基を有する構造単位、及び、これらの構造単位とは異なる、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位に加えて、更に種々の機能を有する他の構造単位、例えば、分散物に用いられる分散媒との親和性を有する官能基、などを有する構造単位を共重合成分に由来する構造単位として含むことができる。
特定樹脂に共重合可能な共重合成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類などから選ばれるラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(具体的には、例えば、ベンジルアクリレート、4−ビフェニルアクリレート、ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、4−t−ブチルフェニルアクリレート、4−クロロフェニルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、4−シアノベンジルアクリレート、シアノメチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、オクチルアクリレート、フェネチルアクリレート、フェニルアクリレート、プロピルアクリレート、トリルアクリレート、アミルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパギルアクリレートなど)、
アルキルメタクリレート(該アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましい)等のメタクリル酸エステル類(例えば、ベンジルメタクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、4−t−ブチルフェニルメタクリレート、4−クロロフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、シアノメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、プロピルメタクリレート、トリルメタクリレート、アミルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパギルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノメタクリレートなど)、
スチレン、アルキルスチレン等のスチレン類(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロへキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えばクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらラジカル重合性化合物のうち、好適に使用されるのは、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン類である。
これらのラジカル重合性化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。特定樹脂は、上記のラジカル重合性化合物を含有してもしなくても良いが、含有する場合、これらのラジカル重合性化合物に対応する構造単位の含有量は、特定樹脂の総質量に対し0.1質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは、0.1質量%以上30質量%以下である。特定樹脂は、従来公知の方法により合成することができる。
前記特定樹脂の具体例としては、以下の例示化合物1〜32が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。下記例示化合物中、各構造単位に併記される数値(主鎖繰り返し単位に併記される数値)は、当該構造単位の含有量〔質量%:(wt%)と記載〕を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、当該繰り返し部位の繰り返し数を示す。
Figure 0005976575
Figure 0005976575
Figure 0005976575
Figure 0005976575
Figure 0005976575
Figure 0005976575
Figure 0005976575
Figure 0005976575
Figure 0005976575
特定樹脂の重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、5,000以上300,000以下であることが好ましく、7,000以上100,000以下であることがより好ましく、10,000以上50,000以下であることが特に好ましい。
分散組成物(I)において、特定樹脂は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散組成物(I)の全固形分に対する特定樹脂の含有量は、分散性、分散安定性の観点から、10〜50質量%の範囲が好ましく、11〜40質量%の範囲がより好ましく、12〜30質量%の範囲が更に好ましい。
−その他の分散樹脂−
分散組成物(I)には、金属酸化物粒子の分散性を調整する等の目的で、上記特定樹脂以外の分散樹脂(以下、「その他の分散樹脂」と称する場合がある)が含有されていてもよい。
本発明に用いることができるその他の分散樹脂としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
その他の分散樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
その他の分散樹脂の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファィンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらのその他の樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
分散組成物(I)はその他の分散樹脂を含有してもしなくても良いが、含有する場合、分散組成物(I)の全固形分に対するその他の分散樹脂の含有量は、1〜20質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
(C)溶媒
分散組成物(I)は溶媒を含むが、該溶媒は種々の有機溶剤を用いて構成することができる。
ここで使用できる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの有機溶剤は、単独あるいは混合して使用することができる。分散組成物(I)における固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
本実施形態の分散性組成物(I)は、重合性化合物(D)と、重合開始剤とを含み、必要に応じてその他の成分を含むことによって構成されることが好ましい。
(D)重合性化合物
(D)重合性化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合、エポキシ基、オキセタニル基などの重合性基を有する付加重合性化合物であり、重合性基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体などの多量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物;更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
重合性化合物の第一の好ましい形態は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(重合性モノマー)または重合性基を有するオリゴマー(重合性オリゴマー)(以下、重合性モノマーと重合性オリゴマーを合わせて「重合性モノマー等」ということがある。)を含む態様である。
また、前記重合性モノマー等は、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシポリマーと(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性モノマー等として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルドポリマーも使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
また、特開平10−62986号公報において式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性モノマーとして用いることができる。
本発明で用いる重合性モノマーは、さらに、下記式(MO−1)〜(MO−6)で表される重合性モノマーであることが好ましい。
Figure 0005976575
(式中、nは、それぞれ、0〜14であり、mは、それぞれ、1〜8である。一分子内に複数存在するR、TおよびZは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。Rのうち少なくとも1つは、重合性基である。)
nは0〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
mは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
Rは、
Figure 0005976575
が好ましく、
Figure 0005976575
がより好ましい。
上記式(MO−1)〜(MO−6)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
中でも、重合性モノマー等としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造や、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としては M−460;東亜合成製)が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
例えば、RP−1040(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。
重合性モノマー等としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良い。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、アロニックスシリーズのM−305、M−510、M−520などが挙げられる。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸価が上記範囲に入るように調製することが必須である。
また、重合性モノマー等として、カプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましい。
カプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン変性構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(1)で表されるカプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体が好ましい。
Figure 0005976575
(式中、6個のRは全てが下記式(2)で表される基であるか、または6個のRのうち1〜5個が下記式(2)で表される基であり、残余が下記式(3)で表される基である。)
Figure 0005976575
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは1または2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。)
Figure 0005976575
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(1)〜(3)においてm=1、式(2)で表される基の数=2、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明における重合性モノマー等としては、下記式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
Figure 0005976575
前記式(i)及び(ii)中、Eは、各々独立に、−((CH)yCHO)−、又は−((CHCH(CH)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
前記式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
前記式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、式(i)又は式(ii)中の−((CHCHO)−又は−((CHCH(CH)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
前記式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
前記式(i)又は(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
Figure 0005976575
Figure 0005976575
式(i)、(ii)で表される重合性モノマー等の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、重合性モノマー等としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性モノマー等として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性モノマー類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性モノマー等の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
重合性モノマー等としては、同一分子内に2個以上のメルカプト(SH)基を有する多官能チオール化合物も好適である。特に、下記式(I)で表すものが好ましい。
Figure 0005976575
(式中、Rはアルキル基、Rは炭素以外の原子を含んでもよいn価の脂肪族基、RはHではないアルキル基、nは2〜4を表す。)
上記式(I)で表される多官能チオール化合物を具体的に例示するならば、下記の構造式を有する1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン〔式(II)〕、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジアン−2,4,6(1H,3H5H)−トリオン〔式(III)〕、及びペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)〔式(IV)〕等が挙げられる。これらの多官能チオールは1種または複数組み合わせて使用することが可能である。
Figure 0005976575
本発明では、重合性モノマー等として、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する重合性モノマーまたはオリゴマーを用いることも好ましい。
<<C:エポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物>>
本発明の第三の好ましい態様は、重合性化合物として、エポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物を用いてもよい。エポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物としては、具体的には側鎖にエポキシ基を有するポリマー、および分子内に2個以上のエポキシ基を有する重合性モノマーまたはオリゴマーがあり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらの化合物は、市販品を用いてもよいし、ポリマーの側鎖へエポキシ基を導入することによっても得られる。
市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65、(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)、デナコール EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、JER1031S(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
側鎖にオキセタニル基を有するポリマー、および上述の分子内に2個以上のオキセタニル基を有する重合性モノマーまたはオリゴマーの具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
ポリマー側鎖へ導入して合成する場合、導入反応は、例えばトリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルフォスフィン等を触媒として有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数〜数十時間反応させることにより行える。脂環式エポキシ不飽和化合物の導入量は得られるポリマーの酸価が5〜200KOH・mg/gを満たす範囲になるように制御すると好ましい。また、分子量は重量平均で500〜5000000、更には1000〜500000の範囲が好ましい。
エポキシ不飽和化合物としてはグリシジル(メタ)アクリレートやアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基としてグリシジル基を有するものも使用可能であるが、好ましいものは脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物である。このようなものとしては例えば以下の化合物を例示することができる。
Figure 0005976575
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(V)で表され、水酸基を有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
下記式(V)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。
C=CRCOOCHCH(R)OH 式(V)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られたたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載されている光硬化性モノマー及びオリゴマーも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、硬化性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物、エポキシ系化合物、オキセタン系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、重合開始剤、金属酸化物粒子等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の他の成分の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
高屈折率層形成用硬化性組成物の全固形分に対して、(D)重合性化合物の含有量は、1質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、3質量%〜40質量%の範囲であることがより好ましく、5質量%〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。
この範囲内であると、屈折率を低下させることなく、硬化性が良好で好ましい。
(E)重合開始剤
(E)重合開始剤は、(D)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、45℃までは安定であるが高温加熱時の重合開始能が良好であることが好ましい。
また、前記重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより
好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
また、重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
(E)重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
これらの具体例として、特開2010−106268号公報段落[0135](対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の[0163])以降の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nmまたは405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。
また、アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819、ダロキュア4265、DAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
(E)重合開始剤としては、硬化性、経時安定性、後加熱時に着色が起こりにくいという観点から、オキシム化合物が好ましい。
オキシム化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、Journal of Applied Polymer Science(2012年)pp.725−731、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報および米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物、などを用いてもよい。
さらに、特開2007−231000号公報、及び、特開2007−322744号公報に記載される環状オキシム化合物も好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985号公報、特開2010−185072号公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469号公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
他にも、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
Figure 0005976575
式(OX)中、R及びBは後記式(OX−1)と同義である。Aは式(OX−1)の−A−SArまたはアルキル基であることが好ましい。アルキル基は、炭素数1〜12が好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜3であることが特に好ましい。
Figure 0005976575
式(OX−1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
前記式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
前記一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
前記式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基を表す。これらの基は、連結基を介してメチレン基に結合していてもよく、その連結基としては、単結合、カルボニル基、後記置換基Y、アルキル基、またはそれらの組合せが挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
なかでも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、及び、nは、それぞれ、後述する式(OX−2)におけるY、X、及び、nと同義であり、好ましい例も同様である。
オキシム開始剤としては、特開2012−208494号公報段落0513(対応する米国特許出願公開第2012/235099号明細書の[0632])以降の式(OX−1)、(OX−2)または(OX−3)で表される化合物の説明を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
以下好適に用いられるオキシム化合物の具体例(PIox−1)〜(PIox−13)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005976575
オキシム化合物は、熱により分解し重合を開始、促進する熱重合開始剤としての機能を有する。特に、式(a)で表されるオキシム化合物は後加熱での着色が少なく、硬化性も良好である。
また、オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有することが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることがより好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
また、オキシム化合物としては、IRGACURE OXE01、及び、IRGACURE OXE02などの市販品(いずれも、BASF社製)も好適に使用できる。
(E)重合開始剤としては、硬化性の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
(E)重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、硬化性組成物の全固形分に対し0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上8質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。この範囲で、良好な硬化性が得られる。
更に、必要に応じて、以下に詳述する任意成分を更に含有してもよい。
[重合禁止剤]
製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な重合を阻止するために、重合禁止剤を添加することが好ましい。
重合禁止剤としては、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、及びカチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、FeCl、CuCl等の遷移金属化合物類が挙げられる。重合禁止剤としては、具体的には、特開2010−106268号公報段落0260〜0280(対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の[0284]〜[0296])の説明を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
重合禁止剤の好ましい添加量としては、(E)重合開始剤100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、更に0.01質量部以上8質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5質量部以下の範囲にあることが最も好ましい。
上記範囲とすることで、非画像部における硬化反応抑制及び画像部における硬化反応促進が充分おこなわれ、画像形成性及び感度が良好となる。
[バインダーポリマー]
本実施形態の分散組成物は、更にバインダーポリマーを含むことが好ましい。
前記バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
バインダーポリマーとして、共重合体を用いる場合、共重合させる化合物として、先にあげたモノマー以外の他のモノマーを用いることもできる。他のモノマーの例としては、下記(1)〜(12)の化合物が挙げられる。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビニルメタクリレート、2−フェニルビニルメタクリレート、1−プロペニルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特開2002−309057号、特開2002−311569号等の各公報に記載の化合物を挙げる事ができる。
前記バインダーポリマーには、下記式(ED)で表される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなる繰り返し単位を含むことも好ましい。
Figure 0005976575
(式(ED)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)
これにより、本実施形態の高屈折率層形成用硬化性組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。前記エーテルダイマーを示す前記式(ED)中、R及びRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、直鎖状又は分岐状のアルキル基;アリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;アルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
エーテルダイマーの具体例としては、特開2012−208494号の段落[0565](対応する米国特許出願公開第2012/235099号明細書の[0694])に記載のエーテルダイマーの具体例が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
エーテルダイマーの具体例としては、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみ使用してもよいし、2種以上使用してもよい。また、前記式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他のモノマーを共重合させてもよい。
エーテルダイマーと共に共重合しうるその他の単量体としては、例えば、酸基を導入するための単量体、ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体、エポキシ基を導入するための単量体、及び、これら以外の他の共重合可能な単量体が挙げられる。このような単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
酸基を導入するための単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられる。これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、酸基を導入するための単量体は、重合後に酸基を付与しうる単量体であってもよく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する単量体、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有する単量体等が挙げられる。ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を用いる場合、重合後に酸基を付与しうる単量体を用いる場合、重合後に酸基を付与する処理を行う必要がある。重合後に酸基を付与する処理は、単量体の種類によって異なり、例えば、次の処理が挙げられる。水酸基を有する単量体を用いる場合であれば、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させる処理が挙げられる。エポキシ基を有する単量体を用いる場合であれば、例えば、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加させか、又は、例えば(メタ)アクリル酸のような酸を付加させた後に生じた水酸基に、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させる処理が挙げられる。イソシアネート基を有する単量体を用いる場合であれば、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させる処理が挙げられる。
式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、酸基を導入するための単量体を含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、5〜70質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体としては、例えば、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー;等が挙げられる。ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を用いる場合、重合後にラジカル重合性二重結合を付与するための処理を行う必要がある。重合後にラジカル重合性二重結合を付与するための処理は、用いるラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマーの種類によって異なり、例えば、次の処理が挙げられる。(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマーを用いる場合であれば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させる処理が挙げられる。無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマーを用いる場合であれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させる処理が挙げられる。グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマーを用いる場合であれば、(メタ)アクリル酸等の酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させる処理が挙げられる。
式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、5〜70質量量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
エポキシ基を導入するための単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、エポキシ基を導入するための単量体を含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、5〜70質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
他の共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。
式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、他の共重合可能な単量体を含む場合、その含有割合は特に制限されないが、95質量%以下が好ましく、85質量%以下であるのがより好ましい。
式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、着色感放射線性組成物の粘度、及び該組成物により形成される塗膜の耐熱性の観点から、好ましくは2000〜200000、より好ましくは5000〜100000であり、更に好ましくは5000〜20000である。
また、式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が酸基を有する場合には、酸価が、好ましくは30〜500mgKOH/g、より好ましくは50〜400mgKOH/gであるのがよい。
式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体は、少なくとも、エーテルダイマーを必須とする前記の単量体を重合することにより、容易に得ることができる。このとき、重合と同時にエーテルダイマーの環化反応が進行してテトラヒドロピラン環構造が形成される。
式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の合成に適用される重合方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。詳細には、例えば、特開204−300204号公報に記載されるポリマー(a)の合成方法に準じて、式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体を合成することができる
以下、式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記に示す例示化合物の組成比はモル%である。
Figure 0005976575
Figure 0005976575
本発明では特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(以下「DM」と称する)、ベンジルメタクリレート(以下「BzMA」と称する)、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と称する)、メタクリル酸(以下「MAA」と称する)、グリシジルメタクリレート(以下「GMA」と称する)を共重合させた重合体が好ましい。特に、DM:BzMA:MMA:MAA:GMAのモル比が5〜15:40〜50:5〜15:5〜15:20〜30であることが好ましい。本発明で用いる共重合体を構成する成分の95質量%以上がこれらの成分であることが好ましい。また、かかる重合体の重量平均分子量は9000〜20000であることが好ましい。
本発明で用いる重合体は、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10であることが好ましく、2000〜1×10であることがより好ましく、5000〜5×10であることがさらに好ましい。
これらの中で、側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。上述のポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーP ACA230AA等のサイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。
また、特公平7−12004号公報、特公平7−120041号公報、特公平7−120042号公報、特公平8−12424号公報、特開昭63−287944号公報、特開昭63−287947号公報、特開平1−271741号公報等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーや、特開2002−107918号公報に記載される酸基と二重結合を側鎖に有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、膜強度の点で有利である。
また、欧州特許第993966号、欧州特許第1204000号、特開2001−318463号公報等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーも、膜強度に優れており、好適である。
更にこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
バインダーポリマーの重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)としては、好ましくは5,000以上であり、更に好ましくは1万以上30万以下の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1,000以上であり、更に好ましくは2,000以上25万以下の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1以上10以下の範囲である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
バインダーポリマーの含有量は、全固形分に対して、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、4質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
[界面活性剤]
本実施形態の分散組成物(I)は各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。特にフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。界面活性剤の具体例としては、低屈折率膜形成用樹脂組成物で説明してものと同様のものが使用でき、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、溶解性も良好である。
分散組成物での界面活性剤の添加量は、硬化性組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
[その他の添加剤]
更に、分散組成物に対しては、可塑剤や感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、バインダーポリマーを使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
[紫外線吸収剤]
本実施形態の分散組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、共役ジエン系化合物である下記式(I)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0005976575
前記式(I)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表し、RとRとは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはない。前記式(I)において、R及びRは、電子求引基を表す。ここで電子求引基は、ハメットの置換基定数σp値(以下、単に「σp値」という。)が、0.20以上1.0以下の電子求引性基である。好ましくは、σp値が0.30以上0.8以下の電子求引性基である。
前記式(I)で示される紫外線吸収剤の置換基の説明は、WO2009/123109号公報段落0024〜0033(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の[0040]〜[0057])の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。前記式(I)で表される化合物の好ましい具体例は、WO2009/123109号公報段落0034〜0039(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の[0060])の例示化合物(1)〜(14)の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本実施形態の分散組成物(I)での紫外線吸収剤の含有量は、全固形分に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましく、0.1質量%〜3質量%が特に好ましい。
また、高屈折率材料を含む組成物としては以下説明する分散組成物IIであってもよい。
分散組成物IIとは、一次粒子径が1nm〜100nmである金属酸化物粒子(A)と、特定分散樹脂(B)と、溶媒(C)とを含有する分散組成物を指す。ここで、特定分散樹脂(B)以外の他の成分は前記分散組成物Iと同様である。
・特定分散樹脂(B)
高屈折率粒子分散用分散剤として、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むオリゴイミン系分散剤を用いることが好ましい。オリゴイミン系分散剤としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造Xを有する繰り返し単位と、原子数40〜10,000の側鎖Yを含む側鎖とを有し、かつ主鎖及び側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する分散樹脂(以下、適宜「特定分散樹脂(B)」と称する。)が好ましい。ここで、塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。
特定樹脂(B)としては、前記部分構造X等と対をなす部分構造Wを有していてもよく、部分構造WはpK14以下の窒素原子を有する構造部であることが好ましく、pK10以下の窒素原子を有する構造を含有することがより好ましい。塩基強度pKとは、水温25℃でのpKをいい、塩基の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、塩基性度定数と同義である。塩基強度pKと、後述の酸強度pKとは、pK=14−pKの関係にある。なお、部分構造Xと部分構造Wとが対になって塩構造を形成しているときには、それぞれが解離した構造を想定し、そこにプロトン(H)ないし水酸化物イオン(OH)がイオン結合した化合物として、そのpKaおよびpKbを評価する。部分構造Xについては、さらにその詳細を後記にて説明する。
部分構造Xについてその好ましい範囲の詳細は後述する部分構造Xと同義である。また、前記側鎖Yについても、同様に、その好ましい範囲の詳細は後述する側鎖Yと同義である。上記Wは、側鎖Yの連結部が解離しイオン結合性の部位となった構造であることが好ましい。
特定分散樹脂(B)の一例としては、下記式[B]で表される樹脂が挙げられる。
Figure 0005976575
上記式中、x、y、及びzはそれぞれ繰り返し単位の重合モル比を示し、xは5〜50、yは5〜60、zは10〜90であることが好ましい。lはポリエステル鎖の連結数を示し、原子数40〜10,000の側鎖を形成し得る整数であり、lは、5〜100,000が好ましく、20〜20,000がより好ましく、40〜2,000であることがさらに好ましい。式中のxで共重合比が規定される繰り返し単位が部分構造Xであり、式中のzで共重合比が規定される繰り返し単位が部分構造Yである。
特定分散樹脂(B)は、(i)ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の、塩基性窒素原子を有する繰り返し単位であって、前記塩基性窒素原子に結合し、かつpKa14以下の官能基を有する部分構造Xを有する繰り返し単位(i)と、原子数40〜10,000の側鎖Yを含む側鎖(ii)と、を有する分散樹脂(以下、適宜、「特定分散樹脂(B1)」と称する)であることが特に好ましい。
特定分散樹脂(B1)は、前記繰り返し単位(i)を有する。これにより、粒子表面へ分散樹脂の吸着力が向上し、且つ粒子間の相互作用が低減できる。ポリ(低級アルキレンイミン)は鎖状であっても網目状であってもよい。ここで、低級アルキレンイミンとは、炭素数1〜5のアルキレン鎖を含むアルキレンイミンを意味する。前記繰り返し単位(i)は、特定分散樹脂における主鎖部を形成することが好ましい。該主鎖部の数平均分子量、すなわち、特定分散樹脂(B1)から前記側鎖Y部分を含む側鎖を除いた部分の数平均分子量は、100〜10,000が好ましく、200〜5,000がさらに好ましく、300〜2,000が最も好ましい。主鎖部の数平均分子量は、GPC法によるポリスチレン換算値により測定することができる。
特定分散樹脂(B1)としては、下記式(I−1)で表される繰り返し単位及び式(I−2)で表される繰り返し単位、又は、式(I−1)で表される繰り返し単位及び式(I−2a)で表される繰り返し単位を含む分散樹脂であることが好ましい。
Figure 0005976575
及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。
及びRはRと同義の基である。
Lは単結合、アルキレン基(炭素数1〜6が好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜6が好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜24が好ましい)、ヘテロアリーレン基(炭素数1〜6が好ましい)、イミノ基(炭素数0〜6が好ましい)、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、またはこれらの組合せに係る連結基である。なかでも、単結合もしくは−CR−NR−(イミノ基がXもしくはYの方になる)であることが好ましい。ここで、Rは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)を表す。Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
はCRCRとNとともに環構造形成する構造部位であり、CRCRの炭素原子と合わせて炭素数3〜7の非芳香族複素環を形成する構造部位であることが好ましい。さらに好ましくはCRCRの炭素原子及びN(窒素原子)を合わせて5〜7員の非芳香族複素環を形成する構造部位であり、より好ましくは5員の非芳香族複素環を形成する構造部位であり、ピロリジンを形成する構造部位であることが特に好ましい。ただし、当該構造部位はさらにアルキル基等の置換基を有していてもよい。
XはpKa14以下の官能基を有する基を表す。
Yは原子数40〜10,000の側鎖を表す。
特定分散樹脂(B1)は、さらに式(I−3)、式(I−4)、または式(I−5)で表される繰り返し単位を共重合成分として有することが好ましい。特定分散樹脂(B1)が、このような繰り返し単位を含むことで、分散性能を更に向上させることができる。
Figure 0005976575
、R、R、R、L、La、及びaは式(I−1)、(I−2)、(I−2a)における規定と同義である。
Yaはアニオン基を有する原子数40〜10,000の側鎖を表す。式(I−3)で表される繰り返し単位は、主鎖部に一級又は二級アミノ基を有する樹脂に、アミンと反応して塩を形成する基を有するオリゴマー又はポリマーを添加して反応させることで形成することが可能である。Yaは後記式(III−2)であることが好ましい。
式(I−1)〜式(I−5)において、R及びRは特に水素原子であることが好ましい。aは2であることが原料入手の観点から好ましい。
特定分散樹脂(B1)は、さらに一級又は三級のアミノ基を含有する低級アルキレンイミンを繰り返し単位として含んでいてもよい。なお、そのような低級アルキレンイミン繰り返し単位における窒素原子には、さらに、前記X、Y又はYaで示される基が結合していてもよい。このような主鎖構造に、Xで示される基が結合した繰り返し単位とYが結合した繰り返し単位の双方を含む樹脂もまた、特定分散樹脂(B1)に包含される。
式(I−1)で表される繰り返し単位は、保存安定性・現像性の観点から、特定分散樹脂(B1)に含まれる全繰り返し単位中、1〜80モル%含有することが好ましく、3〜50モル%含有することが最も好ましい。式(I−2)で表される繰り返し単位は、保存安定性の観点から、特定分散樹脂(B1)に含まれる全繰り返し単位中、10〜90モル%含有されることが好ましく、30〜70モル%含有されることが最も好ましい。分散安定性及び親疎水性のバランスの観点からは、繰り返し単位(I−1)及び繰り返し単位(I−2)の含有比〔(I−1):(I−2)〕は、モル比で10:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1:1〜1:10の範囲であることがより好ましい。所望により併用される式(I−3)で表される繰り返し単位は、特定分散樹脂(B1)に含まれる全繰り返し単位中、効果の観点からは、0.5〜20モル%含有されることが好ましく、1〜10モル%含有されることが最も好ましい。なお、ポリマー鎖Yaがイオン的に結合していることは、赤外分光法や塩基滴定により確認できる。
なお、上記式(I−2)の共重合比に関する説明は、式(I−2a)、式(I−4)、式(I−5)で表される繰り返し単位についても同義であり、両者を含むときにはその総量を意味する。
・部分構造X
上記各式中の部分構造Xは、水温25℃でのpKaが14以下の官能基を有する。ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。「pKa14以下の官能基」は、物性がこの条件を満たすものであれば、その構造などは特に限定されず、公知の官能基でpKaが上記範囲を満たすものが挙げられるが、特にpKaが12以下である官能基が好ましく、pKaが11以下である官能基が特に好ましい。下限値は特にないが、−5以上であることが実際的である。部分構造Xとして具体的には、例えば、カルボン酸基(pKa:3〜5程度)、スルホン酸(pKa:−3〜−2程度)、−COCHCO−(pKa:8〜10程度)、−COCHCN(pKa:8〜11程度)、−CONHCO−、フェノール性水酸基、−RCHOH又は−(RCHOH(Rはペルフルオロアルキレン基もしくはペルフルオロアルキル基を表す。pKa:9〜11程度)、スルホンアミド基(pKa:9〜11程度)等が挙げられ、特にカルボン酸基(pKa:3〜5程度)、スルホン酸基(pKa:−3〜−2程度)、−COCHCO−(pKa:8〜10程度)が好ましい。
部分構造Xが有する官能基のpKaが14以下であることにより、高屈折粒子との相互作用を達成することができる。部分構造Xは、前記塩基性窒素原子を有する繰り返し単位における塩基性窒素原子に直接結合することが好ましい。部分構造Xは、共有結合のみならず、イオン結合して塩を形成する態様で連結していてもよい。部分構造Xとしては、特に、下記式(V−1)、式(V−2)又は式(V−3)で表される構造を有するものが好ましい。
Figure 0005976575
Uは単結合又は2価の連結基を表す。
d及びeは、それぞれ独立して0又は1を表す。
Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。
Uで表される2価の連結基としては、例えば、アルキレン(より具体的には、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHMe−(Meはメチル基)、−(CH−、−CHCH(n−C1021)−等)、酸素を含有するアルキレン(より具体的には、例えば、−CHOCH−、−CHCHOCHCH−等)、アリーレン基、アルキレンオキシ等が挙げられるが、特に炭素数1〜30のアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜20のアルキレン又は炭素数6〜15のアリーレン基が最も好ましい。
また、生産性の観点から、dは1が好ましく、また、eは0が好ましい。
Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。Qにおけるアシル基としては、炭素数1〜30のアシル基が好ましく、特にアセチルが好ましい。Qにおけるアルコキシカルボニル基としては、Qは、特にアシル基が好ましく、アセチル基が製造のし易さ、原料(Xの前駆体X)の入手性の観点から好ましい。
部分構造Xは、塩基性窒素原子を有する繰り返し単位における該塩基性窒素原子と結合していることが好ましい。これにより、二酸化チタン粒子の分散性・分散安定性が飛躍的に向上する。部分構造Xは溶剤溶解性をも付与し、経時における樹脂の析出を抑え、これにより分散安定性に寄与すると考えられる。さらに、部分構造Xは、pKa14以下の官能基を含むものであるため、アルカリ可溶性基としても機能する。それにより、現像性が向上し、分散性・分散安定性・現像性の両立が可能になると考えられる。
部分構造XにおけるpKa14以下の官能基の含有量は特に制限がないが、特定分散樹脂(B1)1gに対し、0.01〜5mmolであることが好ましく、0.05〜1mmolであることが特に好ましい。また、酸価の観点からは、特定分散樹脂(B1)の酸価が5〜50mgKOH/g程度となる量、含まれることが、現像性の観点から好ましい。
・側鎖Y
Yとしては、特定分散樹脂(B1)の主鎖部と連結できるポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の公知のポリマー鎖が挙げられる。Yにおける特定分散樹脂(B1)との結合部位は、側鎖Yの末端であることが好ましい。
Yは、ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を有する繰り返し単位の前記窒素原子と結合していることが好ましい。ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の塩基性窒素原子を有する繰り返し単位などの主鎖部とYとの結合様式は、共有結合、イオン結合、又は、共有結合及びイオン結合の混合である。Yと前記主鎖部の結合様式の比率は、共有結合:イオン結合=100:0〜0:100であるが、95:5〜5:95が好ましく、90:10〜10:90が特に好ましい。
Yは、前記塩基性窒素原子を有する繰り返し単位の前記窒素原子とアミド結合、又はカルボン酸塩としてイオン結合していることが好ましい。
前記側鎖Yの原子数としては、分散性・分散安定性・現像性の観点から、50〜5,000であることが好ましく、60〜3,000であることがより好ましい。
また、Yの数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算値により測定することができる。このとき、Yは樹脂に組み込む前の状態でその分子量を測定することが実際的である。Yの数平均分子量は、特に1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000が分散性・分散安定性・現像性の観点から最も好ましい。Yの分子量は、Yの原料となる高分子化合物から特定することができ、その測定方法は後記GPCによる測定条件に順ずるものとする。
Yで示される側鎖構造は、主鎖連鎖に対し、樹脂1分子中に、2つ以上連結していることが好ましく、5つ以上連結していることが特に好ましい。
特に、Yは式(III−1)で表される構造を有するものが好ましい。
Figure 0005976575
式(III−1)中、Zはポリエステル鎖を部分構造として有するポリマー又はオリゴマーであり、HO−CO−Zで表される遊離のカルボン酸を有するポリエステルからカルボキシル基を除いた残基を表す。特定分散樹脂(B1)が式(I−3)〜(I−5)で表される繰り返し単位を含有する場合、Yaが式(III−2)であることが好ましい。
Figure 0005976575
式(III−2)中、Zは式(III−1)におけるZと同義である。上記部分構造Yは、片末端にカルボキシル基を有するポリエステルは、カルボン酸とラクトンの重縮合、ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、二価アルコールと二価カルボン酸(もしくは環状酸無水物)の重縮合などにより得ることができる。
Zは好ましくは、−(LnB−Zであることが好ましい。
は、水素原子又は1価の有機基を表す。Zが有機基であるとき、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30)、アリール基、複素環基などが好ましい。Zはさらに置換基を有していてもよく、当該置換基としては、炭素数6〜24のアリール基、炭素数3〜24の複素環基が挙げられる。
は、アルキレン基(炭素数1〜6が好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜6が好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜24が好ましい)、ヘテロアリーレン基(炭素数1〜6が好ましい)、イミノ基(炭素数0〜6が好ましい)、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、またはこれらの組合せに係る連結基である。なかでも、アルキレン基(炭素数1〜6が好ましい)、エーテル基、カルボニル基、またはこれらの組合せに係る連結基であることが好ましい。アルキレン基は分岐でも直鎖であってもよい。アルキレン基は置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、アルキル基(好ましい炭素数1〜6)、アシル基(好ましい炭素数2〜6)、アルコキシ基(好ましい炭素数1〜6)、またはアルコキシカルボニル基(好ましい炭素数2〜8)である。nBは5〜100,000の整数である。nB個のLはそれぞれ異なる構造であってもよい。
特定分散樹脂(B)の具体的態様を、樹脂が有する繰り返し単位の具体的構造とその組合せにより以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(また、特開2010−6932号公報段落0075以降の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。)。下記式中、k、l、m、及びnはそれぞれ繰り返し単位の重合モル比を示し、kは1〜80、lは10〜90、mは0〜80、nは0〜70であり、且つk+l+m+n=100である。k、l、mで定義されるもの、k、lのみで定義されるものは、それぞれ、k+l+m=100、k+l=100を意味する。p及びqはポリエステル鎖の連結数を示し、それぞれ独立に5〜100,000を表す。Rは水素原子又はアルコキシカルボニル基を表す。
Figure 0005976575
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特定分散樹脂(B1)を合成するには、(1)一級又は二級アミノ基を有する樹脂と、部分構造Xの前駆体x、及びYの前駆体yとを反応させる方法、(2)部分構造Xに対応する構造を含有するモノマーとYを含有するマクロモノマーとの重合による方法などにより製造することが可能である。まず、一級又は二級アミノ基を主鎖に有する樹脂を合成し、その後、該樹脂に、Xの前駆体x及びYの先駆体yを反応させて、主鎖に存在する窒素原子に高分子反応により導入することで製造することが好ましい。当該製造方法の詳細は、特開2009−203462等を参照することができる。
前記特定分散樹脂Bの分子量としては、重量平均分子量で、3,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜55,000重量平均分子量が前記範囲内であると、ポリマーの末端に導入された複数の前記吸着部位の効果が十分に発揮され、二酸化チタン粒子表面への吸着性に優れた性能を発揮し得る。なお、本明細書において、GPCは、特に断らない限り、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムをTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製)として測定した。キャリアは適宜選定すればよいが、溶解可能であるかぎり、テトラヒドロフランを用いる。
本発明の感光性組成物において、高屈折率粒子用分散剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の分散組成物(II)において、特定樹脂は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散組成物(II)の全固形分に対する特定樹脂の含有量は、分散性、分散安定性の観点から、10〜50質量%の範囲が好ましく、11〜40質量%の範囲がより好ましく、12〜30質量%の範囲がさらに好ましい。
さらに、高屈折率材料は以下説明する分散組成物IIIであってもよい。
<分散組成物III>
分散組成物IIIとは、一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子(A)と、下記式(1)で表される高分子化合物分散剤(B)と、溶媒(C)とを含有する分散組成物を指す。ここで、下記式(1)で表される高分子化合物(B)以外の他の成分は前記分散組成物IおよびIIと同様である。
Figure 0005976575
上記式(1)中、 Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合又は2価の連結基を表す。Aは酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA及びRは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。 mは8以下の正の数、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。 Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
本発明における分散組成物において、高分子化合物(B)が有する、上記置換基Aは金属酸化物粒子(A)と相互作用することができるので、高分子化合物(B)はn個(1〜9個)の置換基Aを有することにより金属酸化物粒子(A)と強固に相互作用することができる。また、高分子化合物(B)がm個有するポリマー鎖Pは立体反発基として機能することができ、m個有することにより良好な立体反発力を発揮して金属酸化物粒子を均一に分散することができる。さらに、高分子化合物(B)は分子構造的に、従来のグラフトランダム構造の分散剤で生じ得た粒子間架橋による粒子の凝集などの弊害が生じることもないものと推定される。
<(A)一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子> 本発明における金属酸化物粒子(A)としては、前記分散組成物Iと同じものが使用できる。 本発明の分散組成物(又は後述する硬化性組成物)における金属酸化物粒子の含有量としては、高屈折率を得る観点から、分散組成物全固形分に対して65質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。 含有量の上限としては特に制限はないが、分散組成物全固形分に対して90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
<(B)前記式(1)で表される高分子化合物> 以下、前記式(1)における各基について詳細に説明する。 前記Aは金属酸化物粒子(A)に対する吸着能を有する官能基、又は複素環構造のような金属酸化物粒子(A)に対する吸着能を有し得る構造を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。 なお、以下、この金属酸化物粒子(A)に対する吸着能を有する部位(上記官能基及び構造)を、適宜、「吸着部位」と総称して、説明する。
前記吸着部位は、1つのAの中に、少なくとも1個含まれていればよく、2個以上を含んでいてもよい。 1つのAの中に、2個以上の吸着部位が含まれる態様としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜10であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜10であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜10であることが好ましく、例えば、フェニレン基)等を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の置換基Aを形成する態様等が挙げられ、鎖状飽和炭化水素基を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の置換基Aを形成する態様が好ましい。 なお、吸着部位自体が1価の置換基を構成する場合には、吸着部位そのものがAで表される1価の置換基であってもよい。 まず、前記Aを構成する吸着部位について以下に説明する。
前記「酸基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基が更に好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
前記「ウレア基」として、例えば、−NR15CONR1617(ここで、R15、R16、及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15CONHR17(ここで、R15及びR17は各々独立に、水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17(ここで、R17は水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
前記「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR2223(ここで、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。
前記「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。 前記「塩基性窒素原子を有する基」として、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、及びR10は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基(好ましい炭素数は1〜5)、炭素数6以上のアリール基(好ましい炭素数は6〜30)、炭素数7以上のアラルキル基(好ましい炭素数は7〜30)を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
Figure 0005976575
式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基(好ましい炭素数は1〜5)、炭素数6以上のアリール基(好ましい炭素数は6〜30)、炭素数7以上のアラルキル基(好ましい炭素数は7〜30)を表す。 式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基(好ましい炭素数は1〜5)、炭素数6以上のアリール基(好ましい炭素数は6〜30)、炭素数7以上のアラルキル基(好ましい炭素数は7〜30)を表す。
前記置換基Aで示されるアルキル基としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、炭素数1〜40のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜30のアルキル基であることがより好ましく、炭素数10〜18のアルキル基であることが更に好ましい。 前記置換基Aで示されるアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。 前記「アルキレンオキシ鎖を有する基」としては、末端がアルキルオキシ基又は水酸基を形成していることが好ましく、炭素数1〜20のアルキルオキシ基を形成していることがより好ましい。また、アルキレンオキシ鎖としては、少なくとも1つのアルキレンオキシ基を有する限り特に制限はないが、炭素数1〜6のアルキレンオキシ基からなるであることが好ましい。アルキレンオキシ基としては、例えば、−CHCHO−、−CHCHCHO−等が挙げられる。 前記「アルキルオキシカルボニル基」及び「アルキルアミノカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましい。 前記「カルボン酸塩基」としては、カルボン酸のアンモニウム塩からなる基などが挙げられる。 前記「スルホンアミド基」としては、窒素原子に結合する水素原子がアルキル基(メチル基等)、アシル基(アセチル基、トリフルオロアセチル基など)等で置換されていてもよい。
前記「複素環構造」としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンが好ましい例として挙げられる。 前記「イミド基」としては、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド等が挙げられる。
なお、前記「複素環構造」及び「イミド基」は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、炭素数1から20までのアルコキシ基、ハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
前記「アルコキシシリル基」としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基のいずれでもよいが、トリアルコキシシリル基であることが好ましく、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。 前記「エポキシ基」としては、置換又は無置換のオキシラニル基(エチレンオキシド基)が挙げられる。
特に、Aは、pKa5以上の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましく、pKa5〜14の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましい。 ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。 上記pKa5以上の官能基としては、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、ウレア基、ウレタン基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、水酸基、複素環基等が挙げられる。 pKa5以上の官能基として具体的には、例えば、フェノール基(pKa 8〜10程度)、アルキル基(pKa 46〜53程度)、アリール基(pKa 40〜43程度)、ウレア基(pKa 12〜14程度)、ウレタン基(pKa 11〜13程度)、配位性酸素原子としての−COCHCO−(pKa 8〜10程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)、水酸基(pKa 15〜17程度
)、複素環基(pKa 12〜30程度)等が挙げられる。 上記の中では、前記Aとして、酸基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、水酸基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基及び配位性酸素原子を有する基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましい。
前記式(1)中、Rは単結合あるいは2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。 Rで表される2価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
としては、単結合、又は、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基が好ましい。 Rとしては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜20であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基)、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、窒素原子、及びカルボニル基よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基がより好ましく、鎖状飽和炭化水素基、環状飽和炭化水素基、芳香族基、チオエーテル結合、エステル結合、エーテル結合、及びアミド結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基が更に好ましく、鎖状飽和炭化水素基、チオエーテル結合、エステル結合、エーテル結合、及びアミド結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基が特に好ましい。
上記のうち、Rで表される2価の連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、炭素数1から6までのアルコキシ基、ハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
前記式(1)中、Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。 前記Rで表される(m+n)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
で表される(m+n)価の連結基は下記式のいずれかで表される基であることが好ましい。
Figure 0005976575
上記式中、 Lは3価の基を表す。Tは単結合又は2価の連結基を表し、3個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。 Lは4価の基を表す。Tは単結合又は2価の連結基を表し、4個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。 Lは5価の基を表す。Tは単結合又は2価の連結基を表し、5個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。 Lは6価の基を表す。Tは単結合又は2価の連結基を表し、6個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。 前記Rで表される(m+n)価の連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 0005976575
Figure 0005976575
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましい(m+n)価の連結基は下記(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、(17)の基である。
前記式(1)中、mは8以下の正の数を表す。mとしては、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。 また、前記式(1)中、nは1〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
前記式(1)中、Pはポリマー鎖を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。 ポリマーの中でも、ポリマー鎖を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。 ポリマー鎖Pが有し得るビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマーとしては、それぞれ、下記式(L)、(M)、(N)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0005976575
上記式中、
は水素原子或いは1価の有機基を表す。合成上の制約の観点から、好ましくは水素原子、或いは炭素数1〜12のアルキル基であり、水素原子或いはメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
10は水素原子又は1価の有機基を表し、特に構造上限定はされないが、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基である。該R10がアルキル基である場合、該アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。式(L)中に構造の異なるR10を2種以上有していても良い。
11及びR12は、分岐若しくは直鎖のアルキレン基(炭素数は1〜10が好ましく、2〜8であることがより好ましく、3〜6であることが更に好ましい。)を表す。各式中に構造の異なるR11又はR12を2種以上有していても良い。
k1、k2、k3は、それぞれ独立に、5〜140の数を表す。
ポリマー鎖Pが少なくとも1種の繰り返し単位を含有することが好ましい。 ポリマー鎖Pにおける、前記少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し数kが、立体反発力を発揮し分散安定性を向上する観点から、5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましい。 また、高分子化合物(B)の嵩張りを抑え、硬化膜(透明膜)中に金属酸化物粒子(A)を密に存在させ、高屈折率を達成する観点から、前記少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し単位数kは、140以下であることが好ましく、130以下であることがより好ましく、60以下であることが更に好ましい。
なお、前記ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。 前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、酸基を有するビニルモノマー、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、酸基を有するビニルモノマーであることがより好ましく、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類であることが更に好ましい。 これらのビニルモノマーの好ましい例としては、特開2007−277514号公報段落0089〜0094、0096及び0097(対応する米国特許出願公開第2010/233595号明細書においては段落0105〜0117、及び0119〜0120)に記載のビニルモノマーが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
前記式(1)で表される高分子化合物(B)の中でも、下記式(2)で表される高分子化合物が好ましい。
Figure 0005976575
前記式(2)において、Aは、前記式(1)における前記Aと同義であり、好ましい態様も同様である。
前記式(2)において、R、Rは各々独立に単結合あるいは2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。 R、Rで表される2価の連結基としては、前記式(1)のRで表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。 なかでも、R、Rで表される2価の連結基としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜20であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基)、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、窒素原子、及びカルボニル基よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基が好ましく、鎖状飽和炭化水素基、環状飽和炭化水素基、芳香族基、エステル結合、エーテル結合、及びアミド結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基がより好ましく、鎖状飽和炭化水素基、エステル結合、エーテル結合、及びアミド結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基が更に好ましい。
前記式(2)において、Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。 前記Rで表される(m+n)価の連結基としては、無置換でも置換基を更に有していてもよく、前記式(1)のRで表される(m+n)価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。 前記式(2)中、m、nは、それぞれ、前記式(1)におけるm、nと同義であり、好ましい態様も同様である。 また、式(2)中のPは、前記式(1)におけるPと同義であり、好ましい態様も同様である。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。 前記式(2)で表される高分子化合物のうち、以下に示すR、R、R、P、m、及びnを全て満たすものが最も好ましい。 R:前記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17) R:単結合、又は、鎖状飽和炭化水素基、環状飽和炭化水素基、芳香族基、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、窒素原子、及びカルボニル基よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基 R:単結合、エチレン基、プロピレン基、下記基(a)、又は下記基(b) なお、下記基中、R12は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
Figure 0005976575
:ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー及びこれらの変性物 m:1〜3 n:3〜6
前記式(1)又は(2)で表される高分子化合物(B)の中でも、分散安定性、塗布面状等の観点から下記式(5)で表される高分子化合物がより好ましい。
Figure 0005976575
上記式(5)中、 Rは、(m+n1+n2)価の連結基を表し、R〜Rは各々独立に単結合又は2価の連結基を表す。 Aは酸基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。Aは、Aとは異なる1価の置換基を表す。n1個のA及びRは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。n2個のA及びRは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。 mは前記式(1)におけるmと同義であり、好ましい態様も同様である。 n1は1〜8を表し、n2は1〜8を表し、m+n1+n2は3〜10を満たす。 Pは前記式(2)におけるPと同義であり、好ましい態様も同様である。m個のP及びRは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。 Rについての(m+n1+n2)価の連結基としては、前記式(1)のR又は前記式(2)のRで表される(m+n)価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。 R〜Rについての2価の連結基としては、前記式(2)のR、Rで表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。 上記置換基Aが有し得る酸基の具体例、好ましい例としては、前記式(1)における酸基について前述した具体例、好ましい例と同様のものが挙げられる。 上記置換基AがpKaが5より小さい酸基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが更に好ましく、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが特に好ましく、カルボン酸基が最も好ましい。 Aとは異なる1価の置換基Aの具体例、好ましい例としては、前記式(1)におけるAについて前述した具体例、好ましい例のうちの酸基以外の基と同様のものが挙げられる。なかでも、上記置換基AはpKa5以上の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましく、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、ウレア基、ウレタン基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、水酸基及び複素環基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが更に好ましく、アルキル基、アリール基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基又はウレタン基であることが特に好ましい。
前記置換基Aと置換基Aとの組合せとしては、前記置換基AがpKaが5より小さい官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であり、かつ前記置換基AがpKa5以上の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましい。 前記置換基Aが、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であり、かつ前記置換基Aが配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、ウレア基、ウレタン基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、水酸基及び複素環基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましい。 前記置換基Aが、カルボン酸基を有する1価の置換基であり、かつ前記置換基Aが、アルキル基、アリール基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基又はウレタン基であることが更に好ましい。 後述の金属酸化物粒子(A)(なかでも特に二酸化チタン粒子)と、置換基Aのアルキル基との吸着が良好である観点から、前記置換基Aがカルボン酸基であり、かつ前記置換基Aがアルキル基であることが特に好ましい。 二酸化チタン粒子と置換基Aのアルキル基との吸着が良好であるのは、二酸化チタン粒子がステアリン酸で表面処理されている場合など、そのステアリン酸のアルキル基と置換基Aのアルキル基とが相互作用するためと推測される。 高分子化合物(B)の分子量としては、重量平均分子量で、1000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、3000〜20000が特に好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、ポリマーの末端に導入された複数の前記吸着部位の効果が十分に発揮され、金属酸化物微粒子表面への吸着性に優れた性能を発揮し得る。
(高分子化合物(B)の合成方法) 前記式(1)又は(2)で表される高分子化合物は、特に制限されないが、特開2007−277514号公報段落0114〜0140及び0266〜0348に記載の合成方法に準じて合成することができる。 本発明の分散組成物において、高分子化合物(B)は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。 本発明の分散組成物(又は後述する硬化性組成物)の全固形分に対する高分子化合物(B)の含有量は、分散安定性及び高屈折率の
観点から、5〜40質量%の範囲が好ましく、10〜35質量%の範囲がより好ましく、12〜30質量%の範囲が更に好ましい。
−その他の分散樹脂− 本発明の分散組成物には、金属酸化物粒子の分散性を調整する等の目的で、上記特定樹脂以外の分散樹脂(以下、「その他の分散樹脂」と称する場合がある)が含有されていてもよい。 本発明に用いることができるその他の分散樹脂としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。 その他の分散樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。 その他の分散樹脂は、金属酸化物粒子の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、金属酸化物粒子表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。 一方で、その他の分散樹脂は、金属酸化物粒子表面を改質することで、分散樹脂の吸着を促進させる効果を有する。
その他の分散樹脂の具体例としては、BYK Chemie社製「DISPERBYK101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110、180(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファィンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。 また、その他の分散樹脂として、特開2012−208494号公報段落0562(対応する米国特許出願公開第2012/235099号明細書の[0692])以降の式(ED)で表される化合物(エーテルダイマーと称することもある)を必須の単量体成分として重合してなるポリマーも挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。 エーテルダイマーの具体例としては、特開2012−208494号公報段落0565(対応する米国特許出願公開第2012/235099号明細書の[0694])のエーテルダイマーの記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。 式(ED)で表される化合物を必須の単量体成分として重合してなるポリマーの具体例としては、バインダーポリマーの項で後述する式(ED)で表される化合物を必須の単量体成分として重合してなるポリマーの具体例と同様のものが挙げられる。 これらのその他の樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の分散組成物の全固形分に対する高分子化合物(分散樹脂)(B)の含有量は、分散性、高屈折率及び塗布面状の観点から、5〜40質量%の範囲が好ましく、10〜35質量%の範囲がより好ましく、12〜30質量%の範囲が更に好ましい。
<(C)溶媒>
本発明の分散組成物は溶媒を含むが、該溶媒は種々の有機溶剤を用いて構成することができる。
ここで使用できる有機溶剤としては、前記分散組成物IおよびIIと同様のものを用いることができ、好適な範囲も同様である。
本発明の分散組成物の製造方法としては、特に制限はなく通常用いられる分散組成物の製造方法を適用することができる。例えば、金属酸化物粒子(A)、高分子化合物(B)、及び溶媒(C)を混合し、循環型分散装置(ビーズミル)等を用いて分散処理することで製造することができる。
本実施形態の硬化性組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタで濾過することが好ましい。従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜2.5μm程度、さらに好ましくは0.01〜1.5μm程度である。この範囲とすることにより、溶解した顔料等に混入しており、後工程において均一及び平滑な硬化性組成物の調製を阻害する、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせても良い。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は1回目のフィルタリングの孔径より2回目以降の孔径が大きい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。第2のフィルタの孔径は、0.5〜7.0μm程度が適しており、好ましくは2.5〜7.0μm程度、さらに好ましくは4.5〜6.0μm程度である。この範囲とすることにより、混合液に含有されている成分粒子を残存させたまま、混合液に混入しており、後工程でおいて均一及び平滑な硬化性組成物の調製を阻害する異物を除去することができる。
例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタリングを行ってもよい。
<低屈折率膜>
本発明における光透過性硬化膜は、前記特定の低屈折率材料と高屈折率材料とを溶媒に含有させた硬化性組成物により形成することができる。
本発明に係る低屈折率膜は、優れた低屈折率性を示す。具体的には、低屈折率膜の屈折率は、1.5以下であり、1.46以下であることがより好ましく、1.43以下であることが更に好ましく、1.42以下であることが特に好ましい。下限値としては、1.3以上であり、1.32以上であることが特に好ましい。上記範囲内であると、後述する反射防止膜として有用である。前記反射防止膜は、これが付与形成される光学部材(例えば光学レンズ体など)の屈折率より低いことが好ましい。これにより、効果的な反射防止効果が得られる。
本発明に係る低屈折率膜のアッベ数は、5以上であり、10以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、17以上であることがさらに好ましく、20以上であることが特に好ましい。上限は、40以下であり、38以下であることが好ましく、35以下であることがより好ましく、33以下であることが特に好ましい。膜のアッベ数をこの範囲とすることで、汎用されている高屈折率膜(マイクロレンズ等)との適合性がよく、可視光領域の広い範囲で均一な反射防止効果が得られ
低屈折率膜の厚さは特に制限されないが、0.025μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.075μm以上であることがより好ましい。厚さの上限は、3μm以下であることが好ましく、2.5μm以下であることがより好ましい。
高屈折率膜の厚さは特に制限されないが、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがより好ましい。厚さの上限は、6μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましい。なお、レンズ体としたときの特に好ましい範囲は後述する。
前記硬化膜を低屈折率膜として用いる際、膜厚をこの範囲とすることで、マイクロレンズユニットとしての耐久性に優れ、後述の固体撮像素子として用いた際もカバーガラスとの密着性に優れるため好ましい。特に厚塗りにする場合には1.0μm超であってもよい。ここで言う膜厚とは、レンズ体の最長点の高さからの厚みをさす。
<光学部材セット>
本発明の好ましい実施形態に係る光学部材セットの一例として、異なる第1の光学部材および第2の光学部材を組み合わせた構造体があげられる。
以下、光学部材セットについてマイクロレンズユニットを例に、第1の光学部材については光透過性硬化膜を例に、第2の光学部材についてはマイクロレンズ体を例に説明する。
マイクロレンズユニットは、固体撮像素子に組み込まれ、マイクロレンズ体とこれを被覆する光透過性硬化膜とを有する。なお、マイクロレンズ体の語は、マイクロレンズアレイの意味を含み、単にレンズ体(lens member、lens members)と総称して言うことがある。マイクロレンズアレイがマイクロレンズ体として用いられる場合、マイクロレンズ体同士の間隙である溝部は光透過性硬化膜に隙間なく埋め込まれ、空隙(ボイド)等が全く発生していないことが理想的である。このような態様では、マイクロレンズユニットは該ユニットを通過する光にボイド由来のノイズを発生させることがなく、良好な品質性能を奏する。
<第1の光学部材>
本実施形態に係る第1の光学部材の一例として、光透過性硬化膜がある。光透過性硬化膜は、前記硬化性組成物の硬化膜で構成される。
<第2の光学部材>
本実施形態に係る第2の光学部材の一例として、マイクロレンズ体がある。マイクロレンズ体の形状としては特に限定されないが、凸レンズが好ましく用いられる。本発明において凸レンズとは、特に断らない限り、平凸レンズ、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ等を含み、少なくとも一方向に膨出した部位を有するレンズを指す。具体的な凸レンズの形状としては多面体状、球面状、及び非球面状(自由曲面で形成される球面収差のない形状)などが挙げられる。前記多面体の形状には、正多面体状、半正多面体状、円柱状、及びシリンドリカル形状などがあげられる。また、集光効果があればフレネルレンズ等も本発明における凸レンズに含まれる。
本発明において高屈折率膜(レンズ体)は、高屈折率性を示す材料で作られていることが好ましい。具体的には、高屈折率膜の屈折率は、1.7以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましい。上限は、2以下であることが好ましく、1.95以下であることがより好ましい。屈折率がこの範囲であると、前述の反射防止膜(低屈折率膜)と組み合わせて用いられた際に、品質性能の良いレンズユニットを得ることができる。
本発明に係る低屈折率膜と組み合わせる相性の観点では、さらに高屈折率膜のアッベ数が、5以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、10以上であることが特に好ましい。上限は、90以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましく、70以下であることがさらに好ましく、50以下であることがさらに好ましく、40以下であることが特に好ましい。
本実施形態のように、マイクロレンズ体がマイクロレンズアレイとして用いられる形態としては、その膨出方向を実質的に同一方向にむけて配列されるのが好ましい。ここで配列とは2つ以上が所定の間隔で並んで設置されたことをいい、その間隔は均一であっても、異なっていてもよい。好ましくは、1つの平面状に二次元配列されていることであり、等間隔で二次元配列されていることがより好ましい。また、レンズ間の間隔(レンズの中心間の距離)としては通常100〜1,000nmの範囲であり、緻密に配列する場合には100〜400nmであることがより好ましい。レンズ間には凹部が形成されていることが殆どであり、その形状としては、膨出した凸レンズの形状により定まる。断面において弓形(円弧と弦とで定義される面)の凸レンズであれば、V字の2つの線が逆円弧で構成された断面を持つ凹部が形成されることとなる。
レンズ体の高さ(厚さ)は特に限定されないが、200〜1000nmであることが実際的である。レンズ体の幅は特に限定されないが、下のカラーフィルターサイズに対し、70〜80%あることが実際的である(例えば、カラーフィルターサイズが1400nmの場合、980〜1190nmとなる。)。ここで言うレンズ体の高さとは、レンズ体の最長点の高さをさす。
なお、レンズ体が凸レンズであるときその曲率半径は、所望の効果を奏する範囲内であれば特に限定されない。
<光学部材セットの製造方法>
本発明において光学部材セットの実施態様としては特に制限はなく、用途、目的に応じて適宜選択することができる。具体的な態様として下記があげられるが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。なお、本明細書で「被覆」というときには、対象物に直接当接して被覆する場合のみならず、他の層を介して被覆することを包含するものとする。
第一の態様:第2の光学部材が第1の光学部材で直接被覆されてなる態様
第二の態様:第2の光学部材がオーバーコート層で被覆されてなり、更に第1の光学部材で被覆されてなる態様
第三の態様:第2の光学部材と半導体受光ユニットの間に第1の光学部材の層が形成される態様
上記の中でも、第一の態様が好ましい。以下、第一の態様についてその製造方法を詳しく説明する。
(組成物の塗布)
本実施形態の硬化性組成物は、反射防止膜や低屈折率膜の形成材料として用いることが好ましい。硬化膜を形成するためにレンズ体等の被加工物に塗布する方法は特に限定されないが、適宜の公知の塗布方法を適用することができる。例えば、スピンコート法、ディップコート法、ローラーブレード法、スプレー法などを適用することができる。必要に応じて、塗布された塗膜には加熱処理などを施し、塗膜中に含まれる溶媒を除去することが好ましい。
塗布量としては、硬化後の膜厚として好ましくは3μm以下となる条件であり、より好ましくは2.5μm以下となる条件であり、さらに好ましくは2μm以下となる条件である。下限値は特に限定されないが、0.1μm以上となる条件が好ましく、0.2μm以上となる条件がより好ましく、0.5μm以上となる条件が特に好ましい。被加工物が例えば固体撮像素子において凸レンズを多数配列した凹凸形状である場合、そのトレンチ状部分の間隙幅(V字状溝ならその中腹の幅)はおよそ100〜300nmであることが典型的である。
(硬化膜の形成)
光透過性硬化膜形成用樹脂組成物を被加工物上に適用し、その後に、溶媒除去して硬化膜を形成することが好ましい。そのために、塗布後の塗膜を好ましくは60〜200℃、より好ましくは100〜150℃の条件下に、好ましくは1〜10分、より好ましくは1〜5分静置することにより行う。なお、該溶媒除去は、異なる条件で2回以上にわたって実施してもよい。
本実施形態において、上記塗布された光透過性硬化膜形成用樹脂組成物は、加熱し、さらに硬化を促進させることが好ましい。このようにすることで、より安定な形態を実現し、耐現像性を高めることができる。その加熱温度は塗膜が硬化すれば特に制限されないが、通常、150〜400℃であることが好ましい。なかでも、150〜280℃が好ましく、150〜240℃がより好ましい。上記加熱条件であれば、塗膜が十分に硬化し、優れた膜とすることができる。加熱時間としては特に制限されないが、1〜60分であることが好ましく、1〜30分であることがより好ましい。加熱の方法としては特に制限されず、ホットプレート、オーブン、ファーネス等による加熱を適用することができる。
加熱の際の雰囲気としては特に制限されず、不活性雰囲気、酸化性雰囲気などを適用することができる。不活性雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスにより実現できる。酸化性雰囲気は、これら不活性ガスと酸化性ガスの混合ガスにより実現することができる他、空気を利用してもよい。酸化性ガスとしては、例えば、酸素、一酸化炭素、二窒化酸素などを挙げることができる。加熱工程は、加圧下、常圧下、減圧下または真空中のいずれの圧力でも実施することができる。
上記加熱処理により得られる硬化膜は、主に有機酸化ケイ素(SiOC)により構成されている。これにより、必要により、例えば微細パターンであっても、被加工物や硬化膜を精度良くエッチング加工することができ、微小な固体撮像素子の製造工程にも好適に対応することができる。
(反射防止膜)
上述した本発明に係る組成物を用いて得られる硬化膜の好適な使用態様として、反射防止膜が挙げられる。特に、固体撮像素子等を用いた光学デバイス、例えば、イメージセンサー用マイクロレンズ、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスなど用の反射防止膜として好適である。反射防止膜として使用した場合の反射率は低いほど好ましい。具体的には、400〜700nmの波長領域での鏡面平均反射率が3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。なお、反射率は小さければ小さいほど好ましく、最も好ましくは0である。
反射防止膜のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。なお、反射率は小さければ小さいほど好ましく、最も好ましくは実質的に0である。
<固体撮像素子>
本発明の好ましい実施形態に係る固体撮像素子は、半導体受光ユニット上にマイクロレンズユニットを有し、マイクロレンズ体とカラーフィルタが接するように組み込まれる。受光素子は光透過性硬化膜、レンズ体、及びカラーフィルタの順に通過する光を受光し、イメージセンサーとして機能する。具体的には、光透過性硬化膜が反射防止膜として機能し、レンズ体の集光効率を向上させ、レンズ体によって効率的に集められた光がカラーフィルタを介して受光素子に検知される。これらがRGBそれぞれに対応する光を検知する素子の全般に渡って機能するため、受光素子とレンズ体とが高密度に配列されている場合でも、極めて鮮明な画像を得ることができる。
マイクロレンズアレイを適用した固体撮像素子の例として、特開2007−119744号公報に記載のものが挙げられる。具体的には、半導体基板の表面に形成されたCCD領域や光電変換部の間に転送電極を有しており、その上には層間膜を介して遮光膜が形成されている。遮光膜の上には、BPSG(Boro−Phospho−Silicate
Glass)等による層間絶縁膜、パッシベーション膜及びアクリル系樹脂等による低屈折率の透明平坦化膜が積層され、その上に、R.G.B.が組み合わされたカラーフィルタが形成されている。さらに保護膜を介して、受光領域である光電変換部の上方に位置するようにマイクロレンズが多数配列して形成されてなる。
本発明の好ましい実施形態に係るマイクロレンズユニットは、下記の構成であることが好ましい。すなわち、前記マイクロレンズ体として複数の凸レンズが適用され、該複数の凸レンズはその膨出方向を実質的に同一方向にむけて配列されており、かつ該複数の凸レンズはその膨出方向から覆われて前記光透過性硬化膜により被覆されており、前記複数の凸レンズ間に形成された凹部には実質的に隙間無く前記光透過性硬化膜が充填されており、一方、該光透過性硬化膜において前記レンズ体の反対側は平坦面とされている。
本願明細書において、「実質的に同一方向」とは、膨出方向が完全に一致しなくても、所望の効果を奏する範囲内で、膨出方向に方向の不一致等のずれがあってもよいことを許容する趣旨である。一方、「実質的に隙間無く」とは、所望の効果を奏する範囲内で第一の光学部材と第2の光学部材との間に、微小な間隙があってもよいことを許容する趣旨である。
本発明においてマイクロレンズユニットは固体撮像素子用以外の他の用途にも好適に使用されうる。他の用途としては、例えば、各種のOA機器、液晶テレビ、携帯電話、プロジェクター等の液晶表示素子、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系等が挙げられ、これら種々の用途に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。なお、本実施例において「部」及び「%」とは特に断らない限りいずれも質量基準である。
<低屈折率材料>
(加水分解縮合物の合成)
組成物A02の調製例を代表例として示す。メチルトリエトキシシランを用いて、加水分解・縮合反応を行った。このときに用いた溶媒はエタノールである。得られた加水分解縮合物A−1は重量平均分子量約10,000であった。なお、上記重量平均分子量は先に説明の手順に沿ってGPCにより確認した。下記組成1の成分を攪拌機で混合して、組成物A02を調製した。その他の組成物は以下の表Aに示した量の成分を用いた以外A02と同様にして調製した。
(組成1)
加水分解縮合物(A−1) ・・・10部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(PGMEA)・・・72部
3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP) ・・・18部
EMULSOGEN−COL−020
(クラリアントジャパン製)・・・2部
スルーリア2320 ・・・25部
(組成物の塗布)
上記で得られた組成物A02を、シリコンウエハー上に塗布後、プリベーク(100℃2min)、ポストベーク(230℃10min)を実施して塗布膜を形成させた。
[屈折率評価]
得られた膜の屈折率をエリプソメータ(J.Aウーラム製VUV−vase[商品名])で測定した(波長633nm、測定温度25℃)。アッベ数は当該測定装置で同様に測定した屈折率の値から算出した。算出式は下記による。
Figure 0005976575
ただし
:フラウンホーファーのD線(589.3nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのF線(486.1nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのC線(656.3nm)に対する屈折率
Figure 0005976575
<表の注記>
配合量:質量部
(シロキサン樹脂原料)
MTES・・・メチルトリエトキシシラン
TEOS・・・テトラエトキシシラン
γ−GP−TMS:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
TFP−TMS:トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
TDFO−TMS:トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン
(界面活性剤)
EMUL−020・・・EMULSOGEN COL−020
(アニオン界面活性剤、クラリアント(株)製)
(フッ素樹脂)
CYTOP: 商品名・旭硝子製
(シリカ粒子)
スルーリア2320
・・・スルーリア2320: 日揮触媒化成社製の中空シリカの20質量%分散液
SD−L
・・・スノーテックス MIBK−SD−L: 日産化学社製の多孔質シリカの
30質量%分散
ST
・・・スノーテックス MIBK−ST: 日産化学社製の多孔質シリカの
20質量%分散液
PL−1
・・・PL−1−IPA: 扶桑化学社製の多孔質シリカの12.5質量%分散液
PL−2L
・・・PL−2L−PGME: 扶桑化学社製の多孔質シリカの20質量%分散液
<高屈折率材料>
[二酸化チタン分散液(分散組成物)の調製]
下記組成の混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、シンマルエンタープライゼス株式会社製NPMを用いて、以下のようにして分散処理を行い、分散組成物として二酸化チタン分散液を得た。
〜組成〜
・二酸化チタン(石原産業(株)製 TTO−51(C)) : 150.0部
・下記分散樹脂1(固形分20%PGMEA溶液) : 165.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 142.5部
Figure 0005976575
Figure 0005976575
また分散装置は以下の条件で運転した。
・ビーズ径:φ0.05mm
・ビーズ充填率:60体積%
・周速:10m/sec
・ポンプ供給量:30Kg/hour
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:1.0L
・分散処理する混合液量:10kg
分散開始後、30分間隔(1パスの時間)で平均粒子径の測定を行った。
平均粒子径は分散時間(パス回数)とともに減少していったが、次第にその変化量が少なくなっていった。分散時間を30分間延長したときの平均粒子径変化が5nm以下となった時点で分散を終了した。尚、この分散液中の二酸化チタン粒子の平均粒子径は40nmであった。
また得られた分散液に含まれる二酸化チタン粒子の平均粒径は40nmであった。
尚、本実施例における二酸化チタン等の平均粒子径は、二酸化チタンを含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。
この測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行った。
[高屈折率材料:二酸化チタン含有硬化性組成物B01の調製]
・上記で調製した二酸化チタン分散液(分散組成物) ・・・80.5部
・溶剤:プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート ・・・15部
・重合性化合物:KAYARAD DPHA
(日本化薬(株)製) ・・・3.6部
・重合開始剤:IRGACURE OXE 01(商品名)BASF社製
・・・0.10部
・ポリマー:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合比:80/20(wt%)、重量平均分子量:12,000)
(FFFC社製)・・・0.5部
・界面活性剤:メガファックF781(DIC(株)製)・・・0.30部
[硬化膜の形成]
前記二酸化チタン含有硬化性組成物をシリコンウエハー上に塗布後、プリベーク(100℃2min)、ポストベーク(230℃10min)を実施して硬化膜B−1を作成した。この塗膜を、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製エリプソメトリーを用いて屈折率を測定したところ、633nmでの屈折率は1.91であった。
使用する硬化性組成物中の素材比率を下記組成比に変更し、二酸化チタン含有硬化性組成物B−1と同様の工程により各種二酸化チタン含有硬化性組成物を調製した。なお、各硬化膜の屈折率測定結果も合わせて記す。
Figure 0005976575
<略称の意味>
配合量:質量部
157S65・・・JER157S65(ジャパンエポキシレジン(株)製)
JER−157S65:ジャパンエポキシレジン(株)製
ZrO:酸化ジルコニウム(日本電工(株)製 PCS)
上記試料B03については、前記B01組成物に対して、酸化チタンを酸化ジルコニウム(日本電工(株)製 PCS)に変えた以外同様にして調製したものを用いた。
<下地膜の作成>
二酸化チタン含有硬化性組成物(B01)をガラス基板上に塗布後、プリベーク(100℃2min)、ポストベーク(230℃10min)を実施して下地膜D−1を作成した。下地膜(高屈折率膜)は、屈折率1.91であり、アッベ数は13.6であった。下地膜の厚さは1.2μmであった。
<硬化性組成物の調整>
A02とB01を下記のように混合して硬化性組成物AB01を作成した。
・A02 ・・・80部
・B01 ・・・20部
その他の硬化性組成物は以下の表1に示した量の成分を用いた以外AB01と同様にして調製した。
<硬化膜の作成>
上記で調製した硬化性組成物AB01を下地膜D−1上に塗布後、プリベーク(100℃2min)、ポストベーク(230℃10min)を実施して反射防止性の低屈折率膜を形成した。低屈折率膜の厚さは0.1μmであった。
[反射率評価]
日立製作所製分光光度計U−4100を用いて測定した。基板の垂直方向に対して、5度方向に光を入射させ、膜から反射する光の強度を、下地膜を有する前記基板を置かないブランクの値と比較した。波長は450nm、550nm、650nmを使用した。結果を表1に示す。
Figure 0005976575
Figure 0005976575
試験No.:cで始まるものが比較例
Ac1は、A01の処方に対し、MTES80部およびTEOS20部を、MTES100部(表A)に変え、PL−1を無添加にした以外同様にして調製した。
比較例c12、c13は低屈折率材料と高屈折率材料とを混合せず、表中の低屈折率材料のみにより低屈折率膜を作製した例である。c14〜c16は、市販品を用いた例である。
MP1:旭硝子社製 サイトップ(商品名) [フッ素系樹脂]
MP2:JSR社製オプスターJN(商品名)
[フッ素系有機無機ハイブリット材料]
MP3:DIC社製ディフェンサOP(商品名)
[光学用UV硬化型樹脂]
B05は、超高屈折率 高耐熱コーティング材料 UR−202(日産化学工業社製)を用いた。
本発明における硬化性組成物により形成された低屈折率膜(実施例)は所望の屈折率とアッベ数とを実現し、広い可視光領域で良好な反射防止性を示した。この結果から、固体撮像素子等の光学部材として優れた光学性能を発揮することが分かる。
(実施例2)
(二酸化チタンレス高屈折率材料組成物)
屈折率(1.68)の層を形成するために、下記組成物を調製した。なお、下記組成物C01を用いる場合には、プリベーク(100℃2min)、ポストベーク(230℃10min)を実施して硬化膜を形成する。
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・15部
シクロヘキサノン ・・・30部
樹脂:日産化学工業社製超高屈折率コーティング材料UR202 ・・・32部
硬化促進剤:SB−A(三菱ガス化学) ・・・5部
エポキシ樹脂:157S65(三菱化学社製) ・・・17.5部
界面活性剤:メガファックF−781(DIC) ・・・0.5部
当該高屈折率材料C01を用いて、前記反射防止性の低屈折率膜を下表2のとおりに形成した。いずれの試験において、450〜650nmの範囲でばらつきのない良好な反射率が得られることを確認した。
Figure 0005976575
(実施例3)
試験体201の高屈折率材料C01のUR202を、チオエポキシ樹脂LPH1101(三菱ガス化学社製)に変えたこと以外は、試験体201と同様にして試験体301を得た。試験体301について、試験体101と同様に、450〜650nmの範囲の反射率を評価し、良好な結果であることを確認した。
(実施例4)
試験体201の高屈折率材料C01のUR202を、エピスルフィド樹脂MR−174(三井化学社製)に変えたこと以外は、試験体201と同様にして試験体401を得た。試験体401について、試験体101と同様に、450〜650nmの範囲の反射率を評価し、良好な結果であることを確認した。
(実施例5)
試験体201の高屈折率材料C01のUR202を、チオウレタン樹脂MR−7(三井化学社製)に変えたこと以外は、試験体201と同様にして試験体501を得た。試験体501について、試験体101と同様に、450〜650nmの範囲の反射率を評価し、良好な結果であることを確認した。
(実施例6)
高屈折率膜(下地膜)と低屈折率膜の厚さを下記のように変えた以外同様にして各波長の反射率の測定を行った。その結果、上記実施例1と同様に可視光領域で均一な反射防止性能が得られることを確認した。
――――――――――――――――――――
試験 高屈折率膜 低屈折率膜
――――――――――――――――――――
101 1.2μm 0.1μm
601 1.5μm 0.15μm
602 0.75μm 0.075μm
603 1.25μm 0.2μm
604 2.0μm 0.3μm
――――――――――――――――――――
高屈折率膜および低屈折率膜の厚さは、以下のようにして測定した。
得られた膜の厚さをエリプソメータ(J.Aウーラム製VUV−vase[商品名])で測定した。

Claims (14)

  1. アッベ数40〜80、屈折率1.2〜1.4を示す低屈折率材料およびアッベ数5〜40、屈折率1.6〜2を示す高屈折率材料を含む低屈折率膜形成用硬化性組成物であって、該低屈折率材料がシロキサン樹脂を含み、該低屈折率膜形成用硬化性組成物中に、該シロキサン樹脂を15〜40質量%含有する低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  2. 前記低屈折率材料が、中空粒子または非中空粒子を含む請求項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  3. 前記高屈折率材料が、チタニアまたはジルコニアを含む請求項またはに記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  4. さらに、分散剤、界面活性剤、重合性化合物およびその重合物のうち少なくとも1つを含む請求項のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  5. 水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有するグラフト共重合体または下記式(1)で表される高分子化合物分散剤を含有する請求項のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
    Figure 0005976575
    式(1)中、Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合又は2価の連結基を表す。Aは酸基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA及びRは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。mは8以下の正の数、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。Pはポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
  6. 前記グラフト共重合体のグラフト鎖のポリマー構造が、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造またはポリエーテル構造である請求項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  7. 前記グラフト共重合体が、ポリ(炭素数1〜5のアルキレン鎖を含むアルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の、塩基性窒素原子を有する繰り返し単位であって、pKa14以下の官能基を有する部分構造を有する繰り返し単位と原子数40〜10,000の側鎖を有する請求項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  8. 前記グラフト共重合体が、下記式(I−1)で表される繰り返し単位及び式(I−2)で表される繰り返し単位、又は、式(I−1)で表される繰り返し単位及び式(I−2a)で表される繰り返し単位を含む請求項またはに記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
    Figure 0005976575
    式中、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。R及びRはRと同義の基である。Lは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、またはこれらの組合せに係る連結基を表し、L はCR CR とNとともに環構造形成する構造部位を表す。XはpKa14以下の官能基を有する基を表し、Yは原子数40〜10,000の側鎖を表す。
  9. 前記式(1)で表される高分子化合物が、下記式(2)で表される請求項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
    Figure 0005976575
    式(2)中、Aは、前記式(1)における前記Aと同義である。RおよびRは各々独立に単結合または2価の連結基を表す。n個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。Pは、前記式(1)におけるPと同義である。m個のPは、同一であっても、異なっていてもよい。
  10. フッ素系界面活性剤とノニオン系界面活性剤を含有する請求項のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  11. 下記式(a)〜(f)のいずれかで表される重合性化合物を含有する請求項10のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
    Figure 0005976575
  12. 重合開始剤としてオキシム化合物を含有する請求項11のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物。
  13. 第1の光学部材と、これに被覆された第2の光学部材とを有してなる光学部材セットの製造方法であって、
    請求項12のいずれか1項に記載の低屈折率膜形成用硬化性組成物を準備する工程、
    該硬化性組成物を第2の光学部材上に塗布する工程、
    該硬化性組成物を硬化させて低屈折率膜である第1の光学部材を形成する工程を含む、光学部材セットの製造方法。
  14. 第1の組成物と第2の組成物を混合して調製する硬化性組成物の製造方法であって、
    該硬化性組成物が低屈折率膜を形成するための硬化性組成物であり、
    該第1の組成物が、アッベ数40〜80、屈折率1.2〜1.4を示す低屈折率材料を含み、該第2の組成物が、アッベ数5〜40、屈折率1.6〜2を示す高屈折率材料を含み、かつ、
    該低屈折率材料が、シロキサン樹脂を含み、該硬化性組成物中に、該シロキサン樹脂を15〜40質量%含有する硬化性組成物の製造方法。
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