JP5975128B2 - 基板処理装置、基板処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、処理ガスをプラズマ化して基板にエッチングを行うエッチング方法、エッチング装置及び前記エッチング方法に用いるリング部材に関する。
半導体装置の多層配線構造を形成する工程において、例えばSi(シリコン)からなる半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)上に形成された各種の膜に、溝やビアホールからなるダマシン構造の凹部を形成するプラズマエッチング処理を行う場合がある。
上記のプラズマエッチング処理を行う装置は、前記ウエハを載置する載置台と、当該載置台に載置されたウエハの外周に設けられたフォーカスリングと、を備えている。このフォーカスリングは、前記ウエハ表面上でプラズマを均一性高く分布させるために設けられるものである。そして、そのようにプラズマ分布の高い均一性を得るためには、当該フォーカスリングの電気伝導率などの電気的特性が、ウエハの電気伝導率などの電気的特性に近似するように構成することが有効であると考えられていた。従って、前記フォーカスリングは、前記ウエハを構成する材質と同じSiにより均一に構成される場合があった。
ところで、前記ウエハ表面に露出する被エッチング膜の材質としては様々である。そして、この被エッチング膜を構成する材質と、フォーカスリングを構成する材質とが異なる場合、材質毎にプラズマの活性種の反応度が異なるため、ウエハとフォーカスリングとの境界付近では、ウエハの径方向内側に対してプラズマに含まれる活性種の分布が不均一になる。その結果として、ウエハの外縁部におけるエッチングレートが、ウエハの中央部におけるエッチングレートに対して増大したり、減少してしまうことを本発明者は突き止めた。
特許文献1及び2においてはフォーカスリングを備えたプラズマエッチング装置について記載されているが、上記の問題について解決する手段については記載されていない。
特開2006−140423 特開2008−78208
本発明は、上述の事情に基づいてなされたものであり、その課題は、処理ガスをプラズマ化して基板上の被エッチング膜をドライエッチングするにあたり、基板に対して均一性高くエッチング処理を行うことができる技術を提供することである。
本発明の基板処理装置は、基板上の被エッチング膜を真空雰囲気にてドライエッチングする基板処理装置において、
第1の処理容器を備えるエッチングモジュールと、
第2の処理容器を備える成膜モジュールと、
前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間に介在すると共に前記第1の処理容器及び第2の処理容器に対して区画される搬送室と、
を備え、
前記エッチングモジュールは、
前記第1の処理容器内にて前記基板を載置する第1の載置台と、前記第1の処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理ガスをプラズマ化して前記基板上の被エッチング膜をエッチングするためのプラズマ形成部と、前記エッチングを行うために第1の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第1の排気路と、を備え、
前記基板処理装置は、
前記エッチングモジュールと前記成膜モジュールとの間で搬送され、前記第1の載置台上の前記基板を囲むように当該第1の載置台に配置されるリング部材を備え、
前記成膜モジュールは、
前記第2の処理容器内にて前記リング部材を載置する第2の載置台と、前記エッチングモジュールでのエッチング時に、前記基板と前記リング部材との境界付近と前記基板の中央部側とで前記プラズマにより生成した活性種の分布の偏りを抑え、前記基板の面内において均一性の高いエッチング処理を行うために、前記被エッチング膜をエッチングするときの前記リング部材の表面が前記被エッチング膜の主成分と同じ主成分からなる材質となるように、前記リング部材の表面に成膜ガスを供給して成膜する成膜機構と、前記成膜ガスによる成膜を行うために第2の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第2の排気路と、
を備え、
前記搬送室は、
前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間で前記リング部材を搬送し、且つ当該搬送室から前記第1の処理容器に基板を搬入する搬送機構を備え、
前記成膜モジュールにおいて前記リング部材に前記成膜ガスを供給して成膜する成膜ステップと、前記搬送機構によって前記成膜ガスにより成膜された前記リング部材を前記第2の処理容器から前記第1の処理容器に搬送して前記第1の載置台上に配置するステップと、前記第1の処理容器内に前記基板を搬入して前記第1の載置台に載置するステップと、前記第1の処理容器内に前記処理ガスを導入して当該処理ガスをプラズマ化し、前記処理ガスのプラズマにより前記被エッチング膜をエッチングするステップと、を実行するように制御信号の出力を行う制御部が設けられることを特徴とする
本発明の基板処理方法は、基板上の被エッチング膜を真空雰囲気にてドライエッチングする基板処理装置であって、
第1の処理容器を備えるエッチングモジュールと、
第2の処理容器を備える成膜モジュールと、
前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間に介在すると共に前記第1の処理容器及び第2の処理容器に対して区画される搬送室と、
を備え、
前記エッチングモジュールは、
前記第1の処理容器内にて前記基板を載置する第1の載置台と、前記第1の処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理ガスをプラズマ化して前記基板上の被エッチング膜をエッチングするためのプラズマ形成部と、前記エッチングを行うために第1の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第1の排気路と、を備え、
前記基板処理装置は、
前記エッチングモジュールと前記成膜モジュールとの間で搬送され、前記第1の載置台上の前記基板を囲むように当該第1の載置台に配置されるリング部材を備え、
前記成膜モジュールは、
前記第2の処理容器内にて前記リング部材を載置する第2の載置台と、前記エッチングモジュールでのエッチング時に、前記基板と前記リング部材との境界付近と前記基板の中央部側とで前記プラズマにより生成した活性種の分布の偏りを抑え、前記基板の面内において均一性の高いエッチング処理を行うために、前記被エッチング膜をエッチングするときの前記リング部材の表面が前記被エッチング膜の主成分と同じ主成分からなる材質となるように、前記リング部材の表面に成膜ガスを供給して成膜する成膜機構と、前記成膜ガスによる成膜を行うために第2の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第2の排気路と、
を備え、
前記搬送室は、
前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間で前記リング部材を搬送し、且つ当該搬送室から前記第1の処理容器に基板を搬入する搬送機構を備える基板処理装置を用いた基板処理方法において、
前記第2の処理容器内を前記第2の排気路を介して真空引きし、前記成膜モジュールにおいて前記リング部材に前記成膜ガスを供給して成膜する工程と、
前記搬送機構によって前記成膜ガスにより成膜された前記リング部材を前記第2の処理容器から前記第1の処理容器に搬送して前記第1の載置台上に配置する工程と、
前記第1の処理容器内に前記基板を搬入して前記第1の載置台に載置する工程と、
前記第1の処理容器内を前記第1の排気路を介して真空引きし、前記第1の処理容器内に前記処理ガスを導入して当該処理ガスをプラズマ化し、前記処理ガスのプラズマにより前記被エッチング膜をエッチングする工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、基板を囲むためのリング部材に成膜ガスを供給し、リング部材の表面の主成分を基板の被エッチング膜の主成分と同じ材質としてから、処理ガスをプラズマ化して当該基板の被エッチング膜をエッチングしている。それによって、基板の中央部と基板の外縁部との間におけるプラズマの活性種の分布の偏りが抑えられ、基板に対して均一性高くエッチング処理を行うことができる。

本発明に係るプラズマエッチング装置の縦断側面図である。 前記プラズマエッチング装置でエッチングされるウエハ表面の縦断側面図である。 前記プラズマエッチング装置での処理手順を示す工程図である。 前記プラズマエッチング装置での処理手順を示す工程図である。 ウエハW及びフォーカスリングがエッチングされる様子を示す説明図である。 本発明に係る半導体製造装置の平面図である。 前記半導体製造装置に設けられる載置台の縦断側面図である。 前記載置台と搬送手段との間でウエハが受け渡される様子を示す説明図である。 前記半導体製造装置に設けられるフォーカスリング待機モジュールの縦断側面図である。 フォーカスリングの他の構成例を示す縦断側面図である。 シミュレーションの結果を示す説明図である。 シミュレーションの結果を示す説明図である。 シミュレーションの結果を示す説明図である。 シミュレーションの結果を示す説明図である。
(第1の実施形態)
本発明に係るプラズマエッチング装置1について以下に説明する。このプラズマエッチング装置1は、マグネトロン方式の反応性イオンエッチング装置である。図中1は例えばアルミニウムなどの導電性部材からなる気密な処理容器であり、この処理容器10は接地されている。また当該処理容器10には、エッチングを行うための処理ガスを導入するためのガス供給部であるガスシャワーヘッドを兼ねた上部電極2と下部電極を兼ねた載置台3とが互いに対向するようにして設けられている。載置台3には基板であり、シリコンからなるウエハWが載置される。
また処理容器10の底部には排気管11が接続されており、この排気管11には真空排気手段例えばターボ分子ポンプやドライポンプなどの真空ポンプ12が接続されている。更に処理容器10の側壁には、開閉自在なゲートバルブ13を備えた、ウエハWを搬入又は搬出するための開口部13aが設けられている。
前記上部電極2の下面側には、ガス供給路21例えば配管とバッファ室21aを介して連通する多数のガス吐出口22が穿設されており、前記載置台3上に載置されたウエハWに向かって所定の処理ガスを吐出可能なように構成されている。前記ガス供給路21は、その基端側がガス供給系23に接続されている。ガス供給系23は、後述するフォーカスリング4の表面に各種の膜を成膜するための成膜用の処理ガスの供給源と、ウエハWに対してエッチングを行うためのエッチング用の処理ガスの供給源と、を備えている。各ガス供給源から供給される処理ガスについては、後に詳しく述べる。ガス供給系23は、バルブや流量調整部などの供給制御機器などを備えており、各処理ガスを処理容器10内に供給することができる。
また、上部電極2には、整合器25を介して高周波電力を供給するための高周波電源部26が接続されている。なお、上部電極2は処理容器10の側壁部分とは、絶縁部材27により絶縁されている。
前記載置台3は、導電性部材例えばアルミニウムなどから構成された本体部分30と、この本体部分30の上に設けられた静電チャック31とを備えている。この静電チャック31の内部には例えば箔状の電極31aが設けられており、この電極31aにはスイッチ32を介して直流電源33が接続され、直流電圧(チャック電圧)を印加することで静電力によりウエハWが静電チャック31の表面に静電吸着されることとなる。本体部分30内には図示していないが温調を行うための温調手段が設けられており、この温調手段の温調作用とプラズマからの熱とによりウエハWが予め設定した温度に維持されることになる。
また、静電チャック31の表面には、載置台3とウエハWとの間に形成されたわずかな隙間の伝熱効率を高めるための伝熱用ガス例えばヘリウムガス(He)をウエハWの裏面に向かって噴射し、中央部から外に伝熱用ガスを広げるための多数の吐出口34が穿設されている。これら吐出口34は載置台3内を通過する伝熱用ガス供給路35を介して伝熱用ガス供給部36に連通している。また前記載置台3には、整合器37を介してバイアス用の電力を印加する高周波電源部38が接続されている。なお、載置台3の内部には、図示しない搬送アームに対してウエハWの受け渡しを行うことが可能な図示しない昇降ピンが設けられている。
また静電チャック31の周囲には、当該静電チャック31に吸着保持されたウエハWの周囲を囲むようにSiにより構成されたフォーカスリング4が設けられている。載置台3の本体部分30の上部には、組み立て体のネジなどを保護するための絶縁性の保護リング39が設けられており、フォーカスリング4はこの保護リング39及び本体部分30に跨ってこれらの上に設けられていると共に、内縁に段部が形成されていて、載置台3よりも外側に突出しているウエハ周縁部位の下側に食い込んだ形状に構成されている。
処理容器10の内壁には、反応生成物が当該内壁面に付着するのを防止するためにデポシールドなどと呼ばれている例えば石英などからなる保護筒51が設けられ、また載置台3の側面にも反応生成物の付着を防止するカバー体52が設けられている。53はバッフル板であり、真空排気の均一化を図るものである。更に処理容器2の外周側には、処理雰囲気に所定の磁場を形成するために例えば多数の永久磁石をリング状に配列してなるからなる磁石部54、55が上下に設けられている。
プラズマエッチング装置1は、各部の動作を制御する制御部50を備えている。制御部50は例えば図示しないCPUとプログラムとを備えたコンピュータからなり、プログラムにはプラズマエッチング装置1によってウエハWへのエッチング処理を行うのに必要な動作、例えばガス供給系23からの各ガスの供給、高周波電源部25、38からの電力供給に係る制御等についてのステップ(命令)群が組まれている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
上述のプラズマエッチング装置1の作用について説明する。ここではシリコン膜が形成されたウエハWが搬入され、このシリコン膜のエッチングが行われた後、例えば有機膜が形成されたウエハWが搬入され、前記有機膜がエッチングされるプロセスについて示す。説明の便宜上、前記シリコン膜がエッチングされるウエハWをW1として示し、前記有機膜がエッチングされるウエハWをW2として表示する。
図2(a)、(b)にウエハW1、W2夫々の表面の縦断側面を示す。ウエハW1ではシリコン膜61の上方にシリコン酸化膜62と、SiN(窒化シリコン)膜63とが下側からこの順番で積層されている。この酸化膜62とSiN膜63とには、凸部64と溝状の開口部65とが形成されている。このプラズマエッチング装置1では、シリコン酸化膜62とSiN膜63とをハードマスクとして、シリコン膜61をエッチングし、素子分離用の酸化膜を埋め込むためのパターンを形成する。
ウエハW2では、SiO膜71、炭素からなる有機膜72、SiO2膜73及び炭素からなるフォトレジスト(PR)膜74が下からこの順に積層されている。フォトレジスト膜74には、パターン75が形成されており、SiO膜73はパターン75に沿ってエッチングされている。このプラズマエッチング装置1では、有機膜72及びフォトレジスト膜74をエッチング(アッシング)して、有機膜72にマスクパターンを形成する。このマスクパターンはSiO膜71をエッチングし、コンタクトホールなどを形成するためのパターンである。
図3及び図4は、載置台3及びフォーカスリング4の表面が変化する様子を示した説明図であり、図5は、プラズマによりウエハW1、W2及びフォーカスリング4がエッチングされる様子を示す説明図である。これらの図3〜図5も適宜参照しながら説明する。先ず、図1のゲートバルブ13を開放し、ウエハW1を図示しない搬送アームにより処理容器10内に搬入する。そして、図示しない昇降ピンの動作により載置台3の表面にウエハW1を載置し、静電チャック31に電圧を印加してウエハW1を静電吸着した後、伝熱用ガスであるHeガスをウエハW1の裏面側に供給する。
ゲートバルブ13を閉じ、処理容器10内を所定の圧力に維持しながら、エッチング用の処理ガスとして例えばCFガス、COガス、Oガス及びArガスを供給する。処理容器10内に供給された各処理ガスは、ウエハW1の表面に沿って径方向外方に向かって流れ、載置台3の周囲から排気される。しかる後、高周波電源部26オンにして上部電極2及び下部電極である載置台3との間に高周波電圧を印加して、各処理ガスをプラズマ化させる(図3(a))。さらに、高周波電源部38をオンにしてバイアス用の電圧がウエハW1に印加されることで、生成したプラズマP1中の活性種66がウエハW1に高い垂直性をもって衝突する(図5(a))。
ここで、ウエハW1の表面に露出している被エッチング膜61と、ウエハW1の周囲のフォーカスリング4の表面とが同じSiにより構成されている。従って、図5(a)に示すようにプラズマP1の活性種66はウエハW1と同様にフォーカスリング4の表面をエッチングする。その結果、背景技術の項目で説明したような、フォーカスリング4とウエハW1との境界付近における活性種66の分布の偏りが抑えられる。従って、この活性種66によりウエハW1の表面全体で均一性高く、シリコン膜61のエッチングが進行する。
その後、高周波電源部25、38がオフになり、各エッチングガスの供給が停止する。ゲートバルブ13を開放し、搬送アームが処理容器10内に進入して、昇降ピンによりウエハW1が搬送アームに受け渡される。そして、搬送アームがウエハW1を保持した状態で処理容器10内から退去した後、成膜時に載置台3を保護するためのダミーウエハAが搬送アームにより載置台3上に載置される。その後、ゲートバルブ13が閉じられ、処理容器10内を所定の圧力例えば50mTorrに維持しながら、成膜用の処理ガスとしてArガス、CxHyガス(x,yは自然数)、Oガスで処理容器10内に供給する。
続いて、高周波電源部25をオンにして、上部電極2に例えば1000Wで電力を供給し、プラズマ化すると共に高周波電源部38をオンにしてバイアス用の電圧を載置台3に印加する(図3(b))。プラズマPの活性種が載置台3のフォーカスリング4に堆積し、図4(a)に示すように、ダミーウエハA及びフォーカスリング4が有機(CxHyOz)膜60に覆われる。(x、y、zは自然数)
高周波電源部25、38が各々オンになってから例えば180秒後にこれら高周波電源部25、38を各々オフにして、Arガス、CxHyガス(x,yは自然数)、Oガスの供給が停止する。そして、ウエハW1と同様にダミーウエハAを処理容器10から搬出する。続いて、ウエハW1と同様にウエハW2が処理容器10内に搬入されて、載置台3に載置される。その後、エッチング用の処理ガスとして例えばArガス、Oガス及びCOガスを処理容器10内に供給し、ウエハW1を処理した時と同様の手順でこれらの処理ガスをプラズマ化させる。
ここで、ウエハW2の表面に露出している被エッチング膜72、74と、フォーカスリング4の表面とが同じ炭素からなる材質により構成されている。従って、生成したプラズマP2の活性種であるOラジカル76が、ウエハW2の被エッチング膜であるフォトレジスト膜74及び有機膜72と同様にフォーカスリング4表面に形成された有機膜60をエッチングする。その結果として、フォーカスリング4とウエハW2との境界付近におけるOラジカル76の分布の偏りが抑えられ、このOラジカル76によりウエハW2の表面全体で均一性高く、有機膜72及びフォトレジスト膜74のエッチングが進行する(図5(b))。その後、高周波電源部25、38を各々オフにし、エッチングガスの供給を停止して、ウエハW1と同様にウエハW2を処理容器10から搬出する。
ウエハW2の処理後、さらにウエハW(説明の便宜上ウエハW3とする)の処理を行う場合は、ウエハW3の処理容器10内への搬入前に当該ウエハW3の被エッチング膜に応じて、成膜用の処理ガスを供給する。そして、ウエハW2を処理する場合と同様に前記処理ガスをプラズマ化して、フォーカスリング4の表面に成膜を行う。このフォーカスリング4に形成される膜の主成分は、被エッチング膜を構成する膜の主成分と同じである。その後、前記ウエハW3を処理容器10内に搬入して、ウエハW2を処理する場合と同様にプラズマエッチング処理を行う。
続いて、上記のように良好なプラズマの活性種分布を得るために、フォーカスリング4表面に成膜する膜の材質を、処理されるウエハWの前記被エッチング膜毎に説明する。また、各被エッチング膜をエッチングするエッチングガスの例も示す。なお、図1では一部のガスの記載を省略しているが、ガス供給系23は下記の各ケースで、成膜用の処理ガス(成膜ガス)及びエッチング用の処理ガス(エッチングガス)として説明する各ガスを含んでおり、ウエハWの被エッチング膜に応じて、処理容器10内にエッチングガス及び成膜ガスを供給することができる。
ケースA:有機膜が被エッチング膜である場合
この有機膜とは炭素を主成分とし、副成分として水素、酸素、フッ素等の元素を含む膜である。そして、フォーカスリング4に形成する膜としては、被エッチング膜と同様に炭素を主成分とする有機膜であればよく、上記の例で挙げたCxHyOz膜の他に、例えばCxHyであってもよい。CxHy膜を形成するためには、CHガス及びHガスを含む混合ガス、あるいはCガス及びHガスを含む混合ガスが供給される。また、CxHyOz膜を形成するためには、CHガス、Hガス及びOガスを含む混合ガスを供給してもよいし、CH及びHOを含む混合ガスを供給してもよい。このケースAでは、エッチングガスとして、酸素を含んだO系のガスが用いられる。
ケースB:Si膜が被エッチング膜である場合
この場合は上記の例のようにフォーカスリング4の表面がSiにより構成される。従って、例えば上記のように膜が形成されず、むき出しの状態のフォーカスリング4が用いられる。また、Siを主成分とし、副成分としてNを含む例えばSiNをフォーカスリング4に形成してもよい。このケースBでは、エッチングガスとして、例えばフルオロカーボン(CF)系ガスが用いられる。
ケースC:SiO膜が被エッチング膜である場合
フォーカスリング4に形成する膜は、例えばSiOにより構成される。このSiO膜を形成するためには、TEOS(テトラエトキシシラン)を供給する。また、このケースCではケースBと同様、フォーカスリング4の表面をSiにより構成してもよく、従ってウエハW1のSi膜61をエッチングした場合と同様、むき出しのフォーカスリング4を用いてもよい。また、Siを主成分とし、副成分としてNを含む例えばSiNをフォーカスリング4に形成してもよい。このケースCでは、エッチングガスとして、例えば前記CF系ガスが用いられる。
ケースD:SiN膜が被エッチング膜である場合
フォーカスリング4に形成する膜は、例えばSiNにより構成される。このSiN膜を形成するためには、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)ガス及びHN(ヒドラゾ酸)ガスからなる混合ガスを供給してもよいし、SiH(モノシラン)ガス及びN(窒素)ガスからなる混合ガスを供給してもよい。また、SiHガス及びNH(アンモニア)ガスからなる混合ガスを供給してもよい。また、ケースB、Cと同様、フォーカスリング4の表面をSiにより構成してもよく、従ってケースB、Cと同様にむき出しのフォーカスリング4を用いてもよい。また、Siを主成分とし、副成分としてOを含む例えばSiOをフォーカスリング4に形成してもよい。このケースDでは、エッチングガスとして、例えば前記CF系ガスが用いられる。
ケースE:Al(アルミニウム)膜が被エッチング膜である場合
フォーカスリング4に形成する膜は、例えばAlにより構成される。Al膜を形成するためには、DMAH(ジメチルアルミニウムハイドライド)ガスあるいはTMA(トリメチルアルミニウム)ガスが用いられる。また、Alを主成分とし、副成分としてNを含む例えばAlN(窒化アルミニウム)をフォーカスリング4に形成してもよい。このケースEでは、エッチングガスとして、Cl(塩素)系ガスやBr(臭素)系ガスが用いられる。
ケースF:Cu(銅)膜が被エッチング膜である場合
フォーカスリング4に形成する膜は、例えばCuにより構成される。エッチングガスとしては、Cl(塩素)系ガスやBr(臭素)系ガスが用いられる。Cu膜を形成するためには、Cu(hfac)TMVSガスが用いられる。また、Cuを主成分とし、副成分としてOを含む例えばCuO(酸化銅)をフォーカスリング4に形成してもよい。このケースFでは、エッチングガスとして、Cl系ガスやBr系ガスが用いられる。
この第1の実施形態のプラズマエッチング装置1によれば、ウエハWの被エッチング膜と主成分が同じ膜をフォーカスリング4の表面に成膜することができる。従って、前記被エッチング膜をエッチングする際に、当該被エッチング膜とフォーカスリング4の表面とで同様にプラズマの活性種が反応する。その結果として、ウエハWとフォーカスリング4との境界付近と、ウエハWの中央部側とで前記活性種の分布の偏りが抑えられるので、ウエハWの面内全体で均一性高いエッチング処理を行うことができる。
ところで、フォーカスリング4としては、アルミナやセラミックスにより構成してもよいが、背景技術の項目で説明したようにウエハWと同じ電気的特性を有するSiにより構成した方が、ウエハWの周囲の電界を均一性高く制御でき、より確実にプラズマの分布の偏りを防ぐために好ましい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、フォーカスリング4への成膜処理と、ウエハWへのプラズマエッチング処理とを同じ処理容器内で行っているが、これらを別々の処理容器で行ってもよい。このように前記成膜と前記エッチングとを別々に行う半導体製造装置8の構成について図6を参照しながら説明する。半導体製造装置8は、半導体装置製造用の基板であるウエハWのロード、アンロードを行うローダモジュールを構成する第1の搬送室81と、ロードロック室82、83と、真空搬送室モジュールである第2の搬送室84と、を備えている。第1の搬送室81の正面には複数のウエハWを収納するキャリアCが載置される載置台85が設けられている。
第1の搬送室81の正面壁には、前記キャリアCが接続されてキャリアCの蓋と一緒に開閉されるゲートドアGTが設けられている。そして第2の搬送室84には、プラズマエッチングモジュール91、91、フォーカスリング成膜モジュール92及びフォーカスリング待機モジュール93が気密に接続されている。
第1の搬送室81の側面には、ウエハWの向きを調整するためのアライメント室94が設けられている。ロードロック室82、83には、図示しない真空ポンプとリーク弁とが設けられており、大気雰囲気と真空雰囲気とを切り替えられるように構成されている。つまり、第1の搬送室81及び第2の搬送室84の雰囲気がそれぞれ大気雰囲気及び真空雰囲気に保たれているため、ロードロック室82、83は、夫々の搬送室間において、ウエハWを搬送する時に雰囲気を調整する役割を有する。
図中Gは、ロードロック室82、83と第1の搬送室81または第2の搬送室84との間、あるいは第2の搬送室84と各モジュールとの間を仕切るゲートバルブ(仕切り弁)である。通常、ゲートバルブGは閉じられており、各室間及び各モジュールと第2の搬送室84との間でウエハWを搬送するときに開かれる。
第1の搬送室81及び第2の搬送室84には、それぞれ第1の搬送手段86及び第2の搬送手段87が設けられている。第1の搬送手段86は、キャリアCとロードロック室82,83との間及び第1の搬送室81とアライメント室94との間でウエハWの受け渡しを行うための多関節の搬送アームである。第2の搬送手段87は、多関節の搬送アームである。この第2の搬送手段87は、ロードロック室82,83と、各モジュールとの間でウエハWの受け渡しを行うと共に各モジュール間でフォーカスリング4の受け渡しを行う役割を有している。
半導体製造装置8は、上述の制御部50と同様に構成される制御部80を備えており、制御部80は、ウエハWのプラズマエッチング処理及び搬送を行うと共にフォーカスリング4の搬送を行うことができるように、半導体製造装置8の各部の動作を制御する。
この半導体製造装置8において、ウエハWはキャリアC→第1の搬送室81→アライメント室2→第1の搬送室81→ロードロック室82→第2の搬送室84→プラズマエッチングモジュール91の順で搬送され、プラズマエッチング処理を受ける。その後、ウエハWは、プラズマエッチングモジュール91から第2の搬送室84→ロードロック室83→第1の搬送室81の順で搬送され、キャリアCに戻される。
続いて、プラズマエッチングモジュール91について説明する。このプラズマエッチングモジュール91は、プラズマエッチング装置1と略同様に構成されており、以下にプラズマエッチング装置1との差異点を中心に図7を用いて説明する。プラズマエッチングモジュール91の載置台3の本体部分30にはリング状の静電チャック101が設けられている。この静電チャック101の内部には例えば電極102が設けられており、この電極102にはスイッチ103を介して直流電源104が接続されている。そして、直流電圧(チャック電圧)を電極102に印加することで、静電力によりフォーカスリング4が静電チャック101の表面に静電吸着されて、固定される
また、静電チャック101を厚さ方向に貫通するように例えば3本の昇降ピン105が設けられており(図では2本のみ示している)、昇降機構106により昇降ピン105が静電チャック101表面に突出する。スイッチ103がオフになり、静電チャック101による吸着力が無くなった状態で、図8に示すように昇降ピン105が上昇し、フォーカスリング4を持ち上げる。そして、第2の搬送手段87がこのように持ち上がったフォーカスリング4を受け取り、他のモジュールに搬送することができる。
このプラズマエッチングモジュール91は、プラズマエッチング装置1と同様に処理容器10内に各種のエッチングガスを供給するガス供給系を備えており、第1の実施形態と同様にウエハWにプラズマエッチング処理を行うことができる。
フォーカスリング成膜モジュール92は、プラズマエッチングモジュール91と同様に構成されており、フォーカスリング4が載置台3から着脱自在に構成されている。また、フォーカスリング成膜モジュール92は、プラズマエッチング装置1と同様に処理容器10内に各種の成膜ガスを供給するガス供給系を備えている。フォーカスリング4が載置台3の静電チャック101に吸着された状態で、第1の実施形態と同様に成膜ガスが供給されると共に成膜ガスがプラズマ化され、フォーカスリング4への成膜処理が行われる。
図9にはフォーカスリング待機モジュール93の縦断側面図を示している。このフォーカスリング待機モジュール93にはフォーカスリング4を載置する複数の棚94が設けられている。棚94にはフォーカスリング4を支持する例えば3本の支持ピン95が設けられている。フォーカスリング待機モジュール93内に進入した第2の搬送手段87が昇降することにより、棚94に設けられた支持ピン95と、第2の搬送手段87との間でフォーカスリング4が受け渡される。
例えば成膜される膜に応じて、フォーカスリング4が載置される棚94が予め決められており、各フォーカスリング4には予め各種の膜が成膜され、その膜に対応する棚94に載置されて待機する。そして、ウエハWが第2の搬送室84に搬入される前に、当該ウエハWの被エッチング膜に応じた膜が成膜されたフォーカスリング4が、フォーカスリング待機モジュール83から第2の搬送手段87により取り出される。然る後、第2の搬送手段87が、このフォーカスリング4をプラズマエッチングモジュール91に搬入し、当該フォーカスリング4が載置台3に取り付けられる。
そして、半導体製造装置8に搬入されるウエハWのロットが切り替わり、被エッチング膜の材質が変わると、プラズマエッチングモジュール91のフォーカスリング4は、載置台3から第2の搬送手段87に受け渡され、前記棚94に戻される。そして、第2の搬送手段87は、後続のウエハWの被エッチング膜に応じて、棚94から他のフォーカスリング4を前記載置台3に搬送し、このフォーカスリング4が前記載置台3に取り付けられる。
この第2の実施形態においても、フォーカスリング4にウエハWの被エッチング膜と主成分が同じ膜を形成してエッチング処理を行うので、第1の実施形態と同様に均一性高くウエハWにエッチング処理を行うことができる。
上記の第1及び第2の実施形態において、フォーカスリング4に処理ガスを用いて成膜する代わりに、図10(a)に示すようにフォーカスリング4の表面にフィルム111を貼付してもよい。このフィルム111の材質としては、被エッチング膜に応じて、上記のケースA〜Fで説明した各材質が用いられる。また、処理ガスによりSiO2膜を成膜する代わりにこのようなフィルム111を用いる場合、当該フィルム111は、例えばMSQ(メチルシスセスキオキサン)により構成されてもよい。また、SiN膜を成膜する代わりにフィルム111を用いる場合、当該フィルム111は例えばHMDSにより構成される。CHxOy膜を成膜する代わりにフィルム111を用いる場合、当該フィルム111は、例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)やSILK(ポリアリレンハイドロカーボン)により構成してもよい。
また、フォーカスリング4に成膜する代わりに、例えば図10(b)に示すように、フォーカスリング4の内側に被エッチング膜と主成分が同一であるリング部材112を設けてもよい。このような場合もリング部材112によりウエハの周端付近でのプラズマ活性種の反応が制御されると共に、フォーカスリング4によりウエハW周囲の電界が制御されるので、ウエハWの面内で均一性高くプラズマの活性種を分布させることができる。
ウエハWを処理する場合について説明してきたが、本発明は例えばフラットパネルのような矩形の基板を処理する場合にも適用することができる。つまり、被エッチング膜の主成分と同じ主成分により構成されるリング部材は丸形であっても角形であってもよい。従って、基板の周りに上記の各種の成膜ガスを供給して当該基板を囲むように成膜される部材や上記フィルム111は、円形であっても角形であってもよい。また、上記のようにフォーカスリング4とは別体のリング部材112を設ける場合、当該リング部材112は円形であることに限られず、角形であってもよい。
(評価試験)
続いて、発明者が本発明の知見を得るに至ったシミュレーションによる実験について説明する。このシミュレーションでは、上述の第1の実施形態で示したプラズマエッチング装置と略同様の装置を設定した。この装置の載置台3には被エッチング膜として有機膜である(CH)nが形成されたウエハWが載置されているものとして設定した。前記ウエハWの直径は300mmである。そして、上部電極2からはOガス、COガス、Arガスが夫々60sccm、100sccm、450sccmで供給されるものとして設定した。排気されることにより得られる処理容器10内の圧力は2.0Paとした。
有機膜に対するエッチングではO(酸素)ラジカルの寄与が大きいので、フォーカスリング4表面のOラジカルに対する反応度γを変化させて、処理容器11内のOラジカルの濃度分布及び流れ(フラックス)を調べ、さらに反応度γ毎にウエハWの面内におけるエッチングレートを調べた。この反応度γが0の場合は、フォーカスリング4の表面とOラジカルとが全く反応せず、反応度γが1に近づくほどOラジカルがウエハWと同様にフォーカスリング4の表面と反応する。
図11(a)、(b)は反応度γが夫々0、0.25であるときのOラジカルの分布を等濃度線で示している。各実験において、Oラジカルは0.50×10−5mol/m3〜1.69×10−5mol/m3の範囲で分布している。図中Oラジカルの濃度が、1.35×10−5mol/m3以上である領域R1は網目により示しており、1.35×10−5mol/m3より低く、1.24×10−5mol/m3以上である領域R2には多数の点を付して示している。Oラジカルの濃度が1.24×10−5mol/m3より低く、1.02×10−5mol/m3以上である領域R3にも多数の点を付して示しているが、R2よりも点の密度を小さくして示している。Oラジカルの濃度が、Oラジカルの濃度が1.02×10−5mol/m3より低く、0.90×10−5mol/m3以上である領域R4には斜線を付して示しており、0.90×10−5mol/m3より低い領域R5には斜線や点を付していない。図12(a)、(b)は反応度γが夫々0.5、1であるときのOラジカルの濃度分布を図11と同様に示している。
このシミュレーションでは、処理容器内の各部におけるフラックスを算出している。このフラックスは、Oラジカルの単位面積、時間あたりの移動量であり、単位はmol/m・秒である。この算出されたフラックスを、図11、図12では矢印で表示しており、矢印の向きがOラジカルの流れる方向を示している。ただし、これらの図11、図12では図示の便宜上、実際に得られたシミュレーション結果よりも、矢印の数は少なく表示している。γ=0、γ=0.25、γ=0.5のときのウエハW付近の前記矢印について、図13(a)、(b)、(c)に夫々より明確に表示している。この図13で矢印の長さは、前記Oラジカルフラックス値の各点での大小を示しており、長いほどOラジカルの移動量が大きい。
図11〜図13に示されるようにγ=0の場合には、ウエハWの外縁部にOラジカルが流れこんでおり、ウエハWの中央部と外縁部とでOラジカルの濃度分布が異なっている。しかしγ=0.25、0.5及び1の場合にはフォーカスリング4へのOラジカルの流れ込みが増える代わりにウエハWの外縁部へのOラジカルの流れ込みが抑えられる。そして、ウエハWの中央部と外縁部とでOラジカルの濃度分布の均一性が高くなっている。
図14は、シミュレーションにより得られた、反応度γ毎のウエハWのエッチングレートを示すグラフである。グラフの縦軸はエッチングレート(nm/分)を示し、横軸はウエハWの中心からの距離を示している。このグラフより、フォーカスリング4でのOラジカルによる反応度が、ウエハWでのOラジカルによる反応度に近いほど、ウエハW面内におけるエッチングレートの均一性が高くなることが分かる。図11〜図14に示したシミュレーションの結果から、本発明者は、被エッチング膜と主成分が同一であるリング部材をウエハWの周囲に配置することで、ウエハW面内のエッチングレートを改善することに思い至った。
W 半導体ウエハ
1 プラズマエッチング装置
10 処理容器
2 上部電極
23 ガス供給系
26 高周波電源部
3 載置台
38 高周波電源部
4 フォーカスリング
50 制御部
8 半導体製造装置
80 制御部
91 プラズマエッチングモジュール
92 フォーカスリング成膜モジュール

Claims (6)

  1. 基板上の被エッチング膜を真空雰囲気にてドライエッチングする基板処理装置において、
    第1の処理容器を備えるエッチングモジュールと、
    第2の処理容器を備える成膜モジュールと、
    前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間に介在すると共に前記第1の処理容器及び第2の処理容器に対して区画される搬送室と、
    を備え、
    前記エッチングモジュールは、
    前記第1の処理容器内にて前記基板を載置する第1の載置台と、前記第1の処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理ガスをプラズマ化して前記基板上の被エッチング膜をエッチングするためのプラズマ形成部と、前記エッチングを行うために第1の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第1の排気路と、を備え、
    前記基板処理装置は、
    前記エッチングモジュールと前記成膜モジュールとの間で搬送され、前記第1の載置台上の前記基板を囲むように当該第1の載置台に配置されるリング部材を備え、
    前記成膜モジュールは、
    前記第2の処理容器内にて前記リング部材を載置する第2の載置台と、前記エッチングモジュールでのエッチング時に、前記基板と前記リング部材との境界付近と前記基板の中央部側とで前記プラズマにより生成した活性種の分布の偏りを抑え、前記基板の面内において均一性の高いエッチング処理を行うために、前記被エッチング膜をエッチングするときの前記リング部材の表面が前記被エッチング膜の主成分と同じ主成分からなる材質となるように、前記リング部材の表面に成膜ガスを供給して成膜する成膜機構と、前記成膜ガスによる成膜を行うために第2の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第2の排気路と、
    を備え、
    前記搬送室は、
    前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間で前記リング部材を搬送し、且つ当該搬送室から前記第1の処理容器に基板を搬入する搬送機構を備え、
    前記成膜モジュールにおいて前記リング部材に前記成膜ガスを供給して成膜する成膜ステップと、前記搬送機構によって前記成膜ガスにより成膜された前記リング部材を前記第2の処理容器から前記第1の処理容器に搬送して前記第1の載置台上に配置するステップと、前記第1の処理容器内に前記基板を搬入して前記第1の載置台に載置するステップと、前記第1の処理容器内に前記処理ガスを導入して当該処理ガスをプラズマ化し、前記処理ガスのプラズマにより前記被エッチング膜をエッチングするステップと、を実行するように制御信号の出力を行う制御部が設けられることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記搬送室には、前記搬送機構により前記リング部材が受け渡され、前記成膜モジュールにて成膜処理が行われて前記エッチングモジュールに搬送される前の前記リング部材が待機する待機室が接続されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記制御部は、前記搬送機構によりダミー基板を前記第2の処理容器内に搬送するステップを実行するように制御信号の出力を行い、
    前記成膜ステップは、前記ダミー基板が前記第2の載置台に載置されると共に、当該ダミー基板を囲むように当該第2の載置台に前記リング部材が配置された状態で行われることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記第1の載置台の周縁部及び前記第2の載置台の周縁部には、前記リング部材を当該第1の載置台、当該第2の載置台に対して各々着脱するための静電チャックが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  5. 前記被エッチング膜が有機膜の場合、前記リング部材の表面に形成する膜は有機膜であり、前記被エッチング膜がSi膜、SiO2膜又はSiN膜の場合、前記リング部材の表面に形成する膜はSi又はSiNであり、前記被エッチング膜がAl膜又はCu膜の場合、前記リング部材の表面に形成する膜はAl膜又はCu膜であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  6. 基板上の被エッチング膜を真空雰囲気にてドライエッチングする基板処理装置であって、
    第1の処理容器を備えるエッチングモジュールと、
    第2の処理容器を備える成膜モジュールと、
    前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間に介在すると共に前記第1の処理容器及び第2の処理容器に対して区画される搬送室と、
    を備え、
    前記エッチングモジュールは、
    前記第1の処理容器内にて前記基板を載置する第1の載置台と、前記第1の処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理ガスをプラズマ化して前記基板上の被エッチング膜をエッチングするためのプラズマ形成部と、前記エッチングを行うために第1の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第1の排気路と、を備え、
    前記基板処理装置は、
    前記エッチングモジュールと前記成膜モジュールとの間で搬送され、前記第1の載置台上の前記基板を囲むように当該第1の載置台に配置されるリング部材を備え、
    前記成膜モジュールは、
    前記第2の処理容器内にて前記リング部材を載置する第2の載置台と、前記エッチングモジュールでのエッチング時に、前記基板と前記リング部材との境界付近と前記基板の中央部側とで前記プラズマにより生成した活性種の分布の偏りを抑え、前記基板の面内において均一性の高いエッチング処理を行うために、前記被エッチング膜をエッチングするときの前記リング部材の表面が前記被エッチング膜の主成分と同じ主成分からなる材質となるように、前記リング部材の表面に成膜ガスを供給して成膜する成膜機構と、前記成膜ガスによる成膜を行うために第2の処理容器内を真空引きして真空雰囲気を形成するための第2の排気路と、
    を備え、
    前記搬送室は、
    前記第1の処理容器と前記第2の処理容器との間で前記リング部材を搬送し、且つ当該搬送室から前記第1の処理容器に基板を搬入する搬送機構を備える基板処理装置を用いた基板処理方法において、
    前記第2の処理容器内を前記第2の排気路を介して真空引きし、前記成膜モジュールにおいて前記リング部材に前記成膜ガスを供給して成膜する工程と、
    前記搬送機構によって前記成膜ガスにより成膜された前記リング部材を前記第2の処理容器から前記第1の処理容器に搬送して前記第1の載置台上に配置する工程と、
    前記第1の処理容器内に前記基板を搬入して前記第1の載置台に載置する工程と、
    前記第1の処理容器内を前記第1の排気路を介して真空引きし、前記第1の処理容器内に前記処理ガスを導入して当該処理ガスをプラズマ化し、前記処理ガスのプラズマにより前記被エッチング膜をエッチングする工程と、
    を備えることを特徴とする基板処理方法。
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