JP5972001B2 - 多角形状の床化粧板および多角形状の床化粧板の連結方法 - Google Patents
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本発明の他の目的は、低コストで空白の領域を減らすことができる多角形状の床化粧板および多角形状の床化粧板の連結方法を提供することである。
第1の発明に係る多角形状の床化粧板は、床等の上に化粧床を敷設する多角形状の床化粧板であって、床化粧板は、所定位置で分割可能であり、第1係止部と、隣接する床化粧板に設けられた第1係止部に対向する位置に嵌合可能な第2係止部と、所定位置の近傍に設けられ、かつ隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部または第2係止部に嵌合可能な第3係止部と、を含むものである。
なお、第3係止部は、隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部と第2係止部とのいずれとも嵌合可能であってもよい。
施工性、生産性、経済性、汎用性、取扱性、メンテナンス性などを考慮すれば、方形状であるものが好ましく、正方形状であるものがさらに好ましい。
第2の発明に係る多角形状の床化粧板は、第1の発明に係る多角形状の床化粧板において、第3係止部は、隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部または第2係止部との離間防止手段を有するものである。
離間防止手段とは、第3係止部と、隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部または第2係止部との離間が防止されるために設けられた構成であれば特に限定されるものでなく、第3係止部に突起部が設けられていても、第3係止部の先端がL字状、J字状、逆T字状に変形されたものであってもよく、Oリング、ホースバンド、クリップ、テープ、ボルトおよびナット、スナップピン、またはスナップボタンなどにより離間が防止される構成であってもよい。
ここで、離間防止手段とは、第3係止部と、隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部と第2係止部のいずれとも離間が防止されるために設けられた構成であってもよい。
なお、「離間(する)」とは、通常の使用状態、すなわち、通常想定し得る、人または物の載荷重、人の歩行荷重、または3輪車あるいは乳母車等の通過荷重によって、床化粧板同士、若しくは床化粧板と所定位置で分割された床化粧板との連結が自然に外れることをいう。
第3の発明に係る多角形状の床化粧板は、第1の発明または第2の発明に係る多角形状の床化粧板において、所定位置は、床化粧板に設けられた表面材と、当該表面材に隣接する表面材との間に形成される目地部である。
第4の発明に係る多角形状の床化粧板は、第1の発明から第4の発明に係る多角形状の床化粧板のいずれか1つにおいて、所定位置に薄肉部が形成されている。
第5の発明に係る多角形状の床化粧板は、第1の発明から第4の発明に係る多角形状の床化粧板のいずれか1つにおいて、所定位置で床化粧材の厚み方向に連通部が形成されている。
第6の発明に係る多角形状の床化粧板は、方形状からなり、第1の発明から第5の発明に係る多角形状の床化粧板のいずれか1つにおいて、第1係止部が多角形状の外周の隣接する二辺に配置され、第2係止部が多角形状の外周の残りの隣接する二辺に配置されたものである。
第7の発明に係る多角形状の床化粧板は、第1の発明から第5の発明に係る多角形状の床化粧板のいずれか1つにおいて、第1係止部および第2係止部は、多角形状の外周の各辺に交互に配置され、かつ一辺の所定場所に第1係止部および第2係止部の少なくとも一方が配置された場合に、隣接する床化粧板の一辺の対向する辺の所定場所に第1係止部および第2係止部の他方が配置されたものである。
第8の発明に係る多角形状の床化粧板の連結方法は、床等の上に化粧床を敷設する多角形状の床化粧板の連結方法であって、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の多角形状の床化粧板を所定位置でさらに細分化された多角形状の片に分割する分割ステップと、第3係止部を、隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部または第2係止部に嵌合する嵌合ステップとを、含むものである。
なお、第3係止部を、隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部と第2係止部とのいずれとも嵌合する嵌合ステップであってもよい。
多角形状の床化粧板は、第1係止部と、第2係止部との嵌合は、互いに床化粧板の厚み方向に対して挿抜可能な形状である。この場合、第1係止部と、第2係止部との嵌合は、互いに床化粧板の厚み方向に対して挿抜可能な形状であるので、敷設後に、一の床化粧板のみを取り外したり、敷設し直したりすることができる。
多角形状の床化粧板は、第1係止部および第2係止部の嵌合は、互いの嵌合面外にクリアランスを設けたものである。この場合、床化粧板の嵌合面と異なる面にクリアランスを設けたので、床化粧板の嵌合を確実にしつつ、かつ床化粧板の材質による熱伸縮変化を該クリアランスで吸収することができる。その結果、耐候性を高めることができる。
多角形状の床化粧板は、第1係止部は、複数個からなり、かつ所定の間隔で配設され、第3係止部は、複数個からなり、かつ所定の間隔で配設され、隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部と第3係止部との嵌合は、互いの嵌合面外にクリアランスを設けたものである。この場合、多角形状の床化粧板が分割され、分割された所定位置の近傍に第3係止部が形成されているので、該第1係止部が該第3係止部と嵌合する。それにより、多角形状の床化粧板に分割された床化粧板を連結することができる。
さらに、該第1係止部と該第3係止部との嵌合面と異なる面にクリアランスを設けたので、該第1係止部と該第3係止部との嵌合を確実にしつつ、かつ該第1係止部と該第3係止部の材質による熱伸縮変化を該クリアランスで吸収することができる。その結果、床化粧板の耐久性を高めることができるとともに、床化粧板を敷設する床等の不陸を吸収することができる。
第3係止部と、第1係止部または第2係止部との嵌合は、互いに床化粧板の厚み方向に対して挿抜可能な形状であるので、敷設後に、一の床化粧板のみを取り外したり、敷設し直したりすることができる。なお、第1係止部または第2係止部とは、第1係止部と第2係止部の両方の場合を含む。
また、一の床化粧板を敷設するには、狭い領域、若しくは出隅または入隅を有する領域であっても、分割して細分化された床化粧板を敷設することができる。さらに、該細分化された床化粧板の第3係止部が隣接された他の床化粧板の第1係止部または第2係止部のいずれかに嵌合して連結させることができる。その結果、床化粧板の敷設時に高い自由度を持つ多角形状の床化粧板の連結方法を提供することができる。
また、一の床化粧板を敷設するには、狭い領域であっても、分割して細分化された床化粧板を連結して敷設することができる。さらに、該細分化された床化粧板の第3係止部が隣接された他の床化粧板の第1係止部または第2係止部のいずれかに嵌合して連結させることができる。その結果、床化粧板の敷設時に高い自由度を持つ多角形状の床化粧板の連結方法を提供することができる。すなわち、低コストで空白の領域を減らすことができる。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る床化粧板100の一例を示す模式的平面図を示す。
図1に示すように、床化粧板100は、縦300mm×横300mmの方形状からなる。また、床化粧板100は、主に複数の表面材200および樹脂マット300からなる。表面材200は、主にプラスチック、ラバー、磁器タイル、天然木、天然石およびこれらの複合材料等からなる。樹脂マット300は、耐水性、耐久性および耐荷重性を有する樹脂からなり、裏面側に静電気を抑制するカーボン束(図示せず)が設けられている。表面材200は、樹脂マット300に接着材等により接着固定される。本実施の形態においては、1個の樹脂マット300に対して、縦横3個ずつ、計9個の表面材200が接着固定されている。なお、後述するように、一の表面材200と隣接する表面材200との間には、間隙(目地部)が設けられている。ここで、表面材200は、樹脂マット300と同質の樹脂からなってもよく、表面材200と樹脂マット300とが一体に成形されてもよい。以下、樹脂マット300について詳細に説明を行う。
図2から図4は、樹脂マット300の一例を示す模式図である。図2は模式的正面を示し、図3は模式的側面を示し、図4は模式的裏面を示す。
本実施の形態においては、薄肉部311が平面保持部310の裏面側に設けられているが、平面保持部310の表面側に設けられてもよく、裏面側と表面側の両方に設けられていてもよい。
また、本実施の形態においては、薄肉部311が一の表面材200と隣接する表面材200との間に設けられる目地部に、所定の間隔で縦横2本ずつ互いに直交して設けられる。また、薄肉部311(すなわち目地部)の一部には、一の表面材200と隣接する表面材200との間に設けられる目地部の幅より大きな幅を有するスリット313が設けられる。
当該スリット313により、床化粧板100の目地部に溜まる雨水、塵芥等を容易に排出することができるという効果がある。
また、薄肉部311(すなわち目地部)の表面側を、スリット313に向って下り勾配となるように傾斜させてもよく、床化粧板100または平板保持部310の外周方向に向かって下り勾配となるように傾斜させて設けてもよい。
こうすることで、床化粧板100の目地部に溜まる雨水、塵芥等をさらに効果的に排出することができる。
次に、床化粧板100の連結方法について説明を行う。
図5は床化粧板100の連結方法の一例を示す模式図であり、図6は床化粧板100の複数の脚部320および複数の嵌合部330の接続状態の一例を示す模式的断面図である。
次いで、床化粧板100の分割方法および連結方法について説明を行う。
図7は床化粧板100の分割方法の一例を示す模式図であり、図8は図7で分割して細分化された細分床化粧板110,120の連結方法の一例を示す模式図であり、図9は床化粧板100の複数のリブ部340および複数の嵌合部330の接続状態の一例を示す模式的断面図である。
図7および図8に示すように、細分床化粧板110のリブ部340と細分床化粧板120の嵌合部330とが連結して敷設される。この場合、細分床化粧板110のリブ部340が、複数の嵌合部330に挿入され、連結される。
図10は第2の実施の形態に係る縦300mm×横300mmの方形の床化粧板100aの一例を示す模式的斜視図を示す。以下、第2の実施の形態に係る床化粧板100aが第1の実施の形態に係る床化粧板100と異なる点について説明する。
第1の実施の形態の床化粧板100においては、9個(縦3個×横3個)に細分化できるように、薄肉部311が形成されていたが、第2の実施の形態においては、4個(縦2個×横2個)に細分化できるように、薄肉部311aが一の表面材200と隣接する表面材200との間に設けられる目地部に、所定の間隔で縦横1本ずつ互いに直交して設けられる。また、図示省略したが、薄肉部311aには、スリット313と同様のスリットが設けられている。
図14に示すように、複数の脚部320aは、一対のL字リブ321a,322aからなる。L字リブ321a,322aは、床化粧板100aの各辺から外方(矢印T1)へ延在し、L字状の先端部323a,324aが互いに水平外側へ開くように屈曲して延在する。先端部323a,324aは、テーパー面325a,326aが形成される。当該テーパー面325a,326aの詳細については後述する。
また、図14に示すように、複数の嵌合部330aは、脚部320aと嵌合可能な形状であり、水平断面は鍵付きの略コ字状333aに形成される。具体的に、複数の嵌合部330aは、略コ字状の両内側にリブ331a,332aが形成されている。
次に、図15は、嵌合部330aに脚部320aが挿入される状態を示す模式的斜視図である。
なお、上記の容易に取り外すことができる、の意味は、清掃またはメンテナンスなどにより、所定位置で床化粧板100aを取り外す必要が特段発生した場合に容易に取り外すことができることを意味し、通常想定し得る、人または物の載荷重、人の歩行荷重、または3輪車あるいは乳母車等の通過荷重によって外れない(離間しない)ことを意味する。
次に、図16は、リブ部340aに隣接する床化粧板の対向する位置の脚部320aが挿入される状態を示す模式的斜視図である。第1の実施の形態に示したように、図16においても、床化粧板100aが薄肉部311aにおいて分離された状態で考える。
リブ部340aに隣接する床化粧板の対向する位置の脚部320aが挿入される場合、嵌合部330aと隣接する床化粧板の対向する位置の脚部320aとの嵌合状態と異なり、脚部320aの先端部323a,324aを抱え込む状態ではなく、先端部323a,324aと脚部327aとの間がスリット341aに矢印T3の方向で挿入される。なお、脚部320aおよびリブ部340aの間に“カチッ”と感を発生させるリブを新たに設けてもよい。
図17は、リブ部340aおよび脚部320aとのクリアランスの一例を示す模式図である。
図17に示すように、リブ部340aおよび脚部320aの嵌め合い面には、クリアランスCLがわずかしか設けられておらず、嵌め合い面ではない面にクリアランスCLが設けられている。
以上のように、本発明に係る方形状の床化粧板100,100aの連結方法および方形状の床化粧板100,100aにおいては、床化粧板100,100aの敷設時に、一の床化粧板100,100aを薄肉部311,311aで分割し、該分割して細分化された細分床化粧板110,120をそれぞれ連結して敷設することができる。また、細分化された細分床化粧板110,120を隣接された他の床化粧板100,100aに嵌合して敷設することができる。
その結果、低コストで床化粧板100,100aの敷設時に高い自由度を持つ方形状の床化粧板100,100aの連結方法を提供することができる。
また、方形状の床化粧板100の隣接する二辺に脚部320が設けられ、残りの隣接する二辺に嵌合部330が設けられており、方形状の床化粧板100aの四辺に、複数の脚部320aおよび複数の嵌合部330aが交互に設けられており、隣接する床化粧板100aの対向する位置に、複数の脚部320aおよび複数の嵌合部330aにそれぞれ嵌合する複数の嵌合部330aおよび複数の脚部320aが交互に設けられているので、一の床化粧板100,100aの脚部320,320aに隣接する床化粧板の嵌合部330,330aを嵌合させて隣接する床化粧板100同士,100a同士を連結して敷設することができる。
脚部320およびリブ部340には、それぞれ離間防止部である突起部321および341が設けられているので、脚部320およびリブ部340のいずれも嵌合部330に嵌合された際、容易に外れないようにすることができる。
さらに、脚部320aおよび嵌合部330aは、互いに床化粧板100aの厚み方向に対して挿抜可能な形状であるので、複数の床化粧板100aを敷設した後に、一の床化粧板100aのみを取り外したり、敷設し直したりすることができる。
また、脚部320と隣接する床化粧板100の対向する嵌合部330との嵌合、脚部320aと隣接する床化粧板100aの対向する嵌合部330aとの嵌合、嵌合部330と隣接する床化粧板100の対向するリブ部340との嵌合、および脚部320aと隣接する床化粧板100aの対向するリブ部340aの嵌合は、互いの嵌合面外にクリアランスCLが設けられているので、床化粧板100,100aの嵌合を確実にしつつ、かつ床化粧板100,100aの材質による熱伸縮変化を該クリアランスCLで吸収することができる。その結果、床化粧板の耐久性を高めることができる。また、上記クリアランスCLを設けたことにより、床化粧板を敷設する床等の不陸を吸収することができる。
また、方形状の床化粧板100,100aの薄肉部311,311aの近傍にリブ部340,340aが形成されているので、床化粧板100,100aを薄肉部311,311aで分割した際に、リブ部340と隣接する床化粧板100の対向する位置の嵌合部330、およびリブ部340aと、隣接する床化粧板100aの対向する位置の脚部320aとを、それぞれ嵌合させることができる。それにより、薄肉部311,311aで分割された細分床化粧板110,120を隣接する床化粧板100,100aにそれぞれ連結することができる。
また、方形状の床化粧板100,100aによれば、分割して細分化することができるので、例えば、出隅または入隅を有するL字コーナー形状、階段形状、または凹凸形状などの敷設面に対応させて、自由に床化粧材100,100aを敷設することができる。その結果、敷設時に高い自由度を持つ方形状の床化粧板100,100aを提供することができる。
110,120 細分床化粧板
200,200a 表面材
300,300a 樹脂マット
310 平板保持部
311,311a 薄肉部
320,320a 脚部
330,330a 嵌合部
Claims (6)
- 床等の上に化粧床を敷設する多角形状の床化粧板であって、
前記床化粧板は、所定位置で分割可能であり、
第1係止部と、
隣接する床化粧板に設けられた第1係止部に対向する位置に嵌合可能な第2係止部と、
前記所定位置の近傍に設けられ、かつ隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部または第2係止部に嵌合可能な第3係止部と、を含み、
前記所定位置は、前記床化粧板に設けられた表面材と、前記表面材に隣接する表面材との間に形成される目地部であり、
前記第1係止部および前記第2係止部は、
前記多角形状の外周の各辺に交互に配置され、
一辺の所定場所に前記第1係止部および前記第2係止部の少なくとも一方が配置された場合に、前記一辺に対向する辺の所定場所に前記第1係止部および前記第2係止部の他方が配置され、
前記第1係止部および前記第2係止部の嵌合と、前記第1係止部および前記第3係止部の嵌合とは、互いに前記床化粧板の厚み方向に対して挿抜可能な形状で、互いの嵌合面外にクリアランスを設け、
前記第1係止部は、一対のL字リブからなり、かつ前記一対のL字リブの先端部が互いに水平外側へ開くように形成され、
前記第2係止部は、コ字状からなり、かつ前記コ字状の両内側にリブが形成された、多角形状の床化粧板。 - 前記第3係止部は、前記隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部または第2係止部との嵌合時における、前記第1係止部または前記第2係止部との離間防止手段を有する、請求項1記載の多角形状の床化粧板。
- 前記所定位置に薄肉部が形成されている、請求項1または2記載の多角形状の床化粧板。
- 前記所定位置で前記床化粧材の厚み方向に連通部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多角形状の床化粧板。
- 前記多角形状の床化粧材は方形状からなり、前記第1係止部が前記方形状の外周の隣接する二辺に配置され、前記第2係止部が前記多角形状の外周の残りの隣接する二辺に配置されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の多角形状の床化粧板。
- 床等の上に化粧床を敷設する多角形状の床化粧板の連結方法であって、
前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の床化粧板をさらに所定位置で細分化された多角形状の片に分割する分割ステップと、
前記第3係止部を、前記隣接する床化粧板の対向する位置の第1係止部または第2係止部に嵌合する嵌合ステップと、を含む、多角形状の床化粧板の連結方法。
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