JP5971479B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動パワーステアリング制御装置に係わり、特に、ステアリングホイールと転舵輪とを連結するコラムシャフトにアシストトルクを付与するモータを、運転者によるステアリングホイールの操舵に応じて制御する電動パワーステアリング制御装置に関する。
従来より、自動車運転時の運転者の負荷低減ひいては予防安全性の向上のため、ステアリングホイールの操舵をアシストするパワーステアリング装置が知られている。特に近年では、燃費向上の観点から、ステアリングホイールの操舵をモータによりアシストする電動パワーステアリング装置が使用されるようになっている。
電動パワーステアリング装置のモータを制御する電動パワーステアリング制御装置は、運転者によるステアリングホイールの操舵トルクを、ステアリングホイールとタイヤとの間に設けられたトルクセンサにより検出し、この操舵トルクに基づいてモータへの制御量を決定する(アシスト制御)。
このようにトルクセンサの検出値に基づいてフィードバック制御を行う場合、トルクセンサの検出値の振動やモータ制御タイミングの遅延に起因して、自励振動や共振が発生する可能性がある。従って、これらの自励振動や共振を抑制するために、安定化制御を行う必要がある。
そこで、電動パワーステアリング制御装置は、ステアリングホイールに対する操作状態や車両の走行状態に基づき、アシスト制御のための制御量を決定すると共に、振動の低減や共振の防止を行う安定化制御のための制御量を別途決定し、これらの制御量を合算してモータに出力する。
例えば、特許文献1には、ハンドルに加えられるトルクの測定値に応じて、所定の初期アシストトルク及び所定のアシストゲインを推定し、共振周波数における位相をずらして最終アシストトルクを設定することにより、系全体の共振を抑える自動車の電動パワーステアリングシステムが開示されている。
また、特許文献2には、モータ回転数に応じてフィードフォワード制御及びフィードバック制御のパラメータを変更することにより、ステアリングの保舵時における振動や騒音を低減するようにした電動パワーステアリング装置が開示されている。
特表2009−053734号公報 特開2008−184060号公報
しかしながら、上述した特許文献1の電動パワーステアリングシステムにおいては、電動パワーステアリングを構成する各部品の寸法公差や組立公差が考慮されていないため、共振周波数における位相をずらしても系全体の共振を十分に抑制できない可能性がある。
また、上述した特許文献2の電動パワーステアリング装置においては、様々な運転状況に適応した制御を行うためには、各運転状況毎に制御を構築しなければならず、制御系が複雑化する可能性がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、構成部品の製造公差や運転状況の変化に影響を受けることなく、運転者にとって不快感の少ない良好な操作フィーリングを実現することができる電動パワーステアリング制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の電動パワーステアリング制御装置は、ステアリングホイールと転舵輪とを連結するコラムシャフトにアシストトルクを付与するモータを、運転者によるステアリングホイールの操舵に応じて制御する、電動パワーステアリング制御装置において、ステアリングホイールの操舵に基づく第1の制御量をモータに出力するアシスト制御手段と、コラムシャフトに発生する角速度及びコラムシャフトに作用するトルクを検出し、これらの角速度及びトルクのそれぞれの時間変動幅を減少させるように第2の制御量をモータに出力する安定化制御手段と、を有し、安定化制御手段は、ステアリングホイールに対する操舵トルクを検出し、この操舵トルク及びコラムシャフトに発生する角速度の位相に応じて、角速度を減少させるように、又は操舵トルクを減少させるように、第2の制御量をモータに出力することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、安定化制御手段が出力した第2の制御量に応じたモータの動作より、コラムシャフトに発生する角速度及びコラムシャフトに作用するトルクのそれぞれの時間変動が抑制されるので、コラムシャフトの弾性振動やノイズによる高周波振動、あるいは路面からの反力に起因する振動やタイヤと路面との摩擦振動等、電動パワーステアリング装置に発生する種々の振動の低減を図ることができ、ステアリングホイールから運転者に伝わる振動を低減することができる。
また、安定化制御手段は、操舵トルク及びコラムシャフトに発生する角速度の位相に応じて、操舵トルク又はコラムシャフトに発生する角速度のうち、振動の山又は谷の近傍にある方の振動を低減するように第2の制御量を決定するので、電動パワーステアリング装置に発生する種々の振動を一層効果的に低減することができる。
また、本発明において、好ましくは、安定化制御手段は、モータの角度を検出し、このモータの角度の時間微分値から運転者の操舵による操舵成分を除去した値に粘性を付与するように、第2の制御量をモータに出力する。
このように構成された本発明においては、安定化制御手段は、モータ角速度には、コラムシャフトのねじれによって発生するトルクの振動、あるいは路面からの反力に起因する振動やタイヤと路面との摩擦振動等が含まれていることを利用して、モータ角速度から操舵成分を除去して粘性を付与するという簡易な演算により第2の制御量を決定するので、電動パワーステアリング装置に発生する種々の振動を簡易に低減することができる。
本発明による電動パワーステアリング制御装置によれば、構成部品の製造公差や運転状況の変化に影響を受けることなく、運転者にとって不快感の少ない良好な操作フィーリングを実現することができる。
本発明の実施形態による電動パワーステアリング制御装置が制御する電動パワーステアリング装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態による電動パワーステアリング制御装置が制御する電動パワーステアリング装置の力学モデルを示す概略図である。 本発明の電動パワーステアリング制御装置の安定化制御部による制御が行われない場合における、トルクセンサによる検出値とモータ角センサの検出値から算出したコラムシャフトの角速度との関係を示す線図であり、図3(a)は横軸にトルク、縦軸に時間をとったトルクの時間変動を示す線図、図3(b)は横軸に時間、縦軸に角速度をとった角速度の時間変動を示す線図、図3(c)は横軸にトルク、縦軸に角速度をとった平面上にトルク及び角速度の時間変動をプロットした線図である。 本発明の電動パワーステアリング制御装置の安定化制御部による制御が行われる場合における、トルクセンサによる検出値とモータ角センサの検出値から算出したコラムシャフトの角速度との関係を示す線図であり、図4(a)は横軸にトルク、縦軸に時間をとったトルクの時間変動を示す線図、図4(b)は横軸に時間、縦軸に角速度をとった角速度の時間変動を示す線図、図4(c)は横軸にトルク、縦軸に角速度をとった平面上にトルク及び角速度の時間変動をプロットした線図である。 本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング制御装置の制御系を示すブロック線図である。 図5においてブロック線図により示した第1実施形態の電動パワーステアリング制御装置による電動パワーステアリング制御処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態のアシスト制御部による基本アシストトルク演算のフローチャートである。 第1実施形態の安定化制御部による、モータ角速度変動抑制トルク演算のフローチャートである。 本発明の電動パワーステアリング制御装置における、運転者の意図に対応する角速度とモータ角速度変動との関係を示す線図である。 第1実施形態の安定化制御部による、角速度差抑制トルク演算のフローチャートである。 図10の角速度差抑制トルク演算において入力される操舵角速度とモータ角速度との関係を示す線図である。 本発明の電動パワーステアリング制御装置における、操舵角速度とモータ角速度との角速度差と、この角速度差の時間微分値との関係を示す線図である。 本発明の第2実施形態による電動パワーステアリング制御装置の制御系を示すブロック線図である。 図13においてブロック線図により示した第2実施形態の電動パワーステアリング制御装置による電動パワーステアリング制御処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の安定化制御部による、モータ角速度及び操舵トルク変動抑制トルク演算のフローチャートである。 第2実施形態の安定化制御部がモータトルク指令の演算に使用するゲインを決定する際の基準を示した線図であり、横軸に操舵トルク、縦軸にモータ角速度をとった平面上に操舵トルク及びモータ角速度の時間変動をプロットした線図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による電動パワーステアリング制御装置を説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態による電動パワーステアリング制御装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による電動パワーステアリング制御装置が制御する電動パワーステアリング装置を示す概略斜視図である。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2を有する。ステアリングホイール2は、コラムシャフト4の上端に連結されており、ステアリングホイール2を操作する操舵力がコラムシャフト4に伝達されるようになっている。コラムシャフト4の下端には、リンク機構を介してタイロッド6が連結されており、タイロッド6の両端にタイヤ8(転舵輪)が取り付けられている。
コラムシャフト4には、減速機構を介してモータ10が連結されている。このモータ10は、コラムシャフト4にアシストトルクを付与する。
ステアリングホイール2には、ステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ12が設けられている。コラムシャフト4には、コラムシャフト4に作用している操舵トルクを検出するトルクセンサ14が設けられている。モータ10には、モータ10の回転角を検出するモータ角センサ16が設けられている。これらの操舵角センサ12、トルクセンサ14、及びモータ角センサ16から出力される信号は、電動パワーステアリング制御装置18に入力される。電動パワーステアリング制御装置18は、操舵角センサ12、トルクセンサ14、及びモータ角センサ16から入力される信号に基づき、モータ10を制御する。この電動パワーステアリング制御装置18は、ステアリングホイール2の操舵に基づく第1の制御量をモータ10に出力するアシスト制御部と、振動の低減やステアリングフィールの向上のための第2の制御量をモータ10に出力する安定化制御部とを有する。
次に、図2により、本実施形態の電動パワーステアリング制御装置18による制御の基本的な概念を説明する。図2は、本発明の実施形態による電動パワーステアリング制御装置18が制御する電動パワーステアリング装置1の力学モデルを示す概略図である。
図2に示すように、コラムシャフト4には、ステアリングホイール2から正入力が加えられる。この正入力は、ステアリングホイール2に対する運転者の操舵力である。また、コラムシャフト4には、タイヤ8からタイロッド6及びリンク機構を介して逆入力が加えられる。この逆入力には、路面からの反力やタイヤ8と路面との摩擦振動が含まれる。
トルクセンサ14は、トルクセンサ14を構成するトーションバーのねじれ量を電動パワーステアリング制御装置18に出力する。このトーションバーのねじれ量は、コラムシャフト4に作用する操舵トルクに比例している。
電動パワーステアリング制御装置18のアシスト制御部20は、アシストマップを参照し、トルクセンサ14から入力されたねじれ量に対応する制御量を決定する。
さらに、電動パワーステアリング制御装置18の安定化制御部22は、操舵角センサ12、トルクセンサ14、及びモータ角センサ16から入力される信号に基づき、振動の低減やステアリングフィールの向上のための制御量を決定する。
電動パワーステアリング制御装置18は、アシスト制御部20が決定した制御量と安定化制御部22が決定した制御量とを加算してモータ10に出力する。
モータ10は、入力された制御量に応じたトルクをコラムシャフト4に付与する。これにより、振動の低減やステアリングフィールの向上を実現しつつ、ステアリングホイール2に対する運転者の操舵力に応じたアシストトルクがコラムシャフト4に付与される。
次に、図3及び図4により、安定化制御部22による振動の低減及びステアリングフィールの向上の概念を説明する。
図3は、本発明の電動パワーステアリング制御装置18の安定化制御部22による制御が行われない場合における、トルクセンサ14による検出値(トルク)とモータ角センサ16の検出値から算出したコラムシャフト4の角速度との関係を示す線図であり、図3(a)は横軸にトルク、縦軸に時間をとったトルクの時間変動を示す線図、図3(b)は横軸に時間、縦軸に角速度をとった角速度の時間変動を示す線図、図3(c)は横軸にトルク、縦軸に角速度をとった平面上にトルク及び角速度の時間変動をプロットした線図である。図4は、本発明の電動パワーステアリング制御装置18の安定化制御部22による制御が行われる場合における、トルクセンサ14による検出値(トルク)とモータ角センサ16の検出値から算出したコラムシャフト4の角速度との関係を示す線図であり、図4(a)は横軸にトルク、縦軸に時間をとったトルクの時間変動を示す線図、図4(b)は横軸に時間、縦軸に角速度をとった角速度の時間変動を示す線図、図4(c)は横軸にトルク、縦軸に角速度をとった平面上にトルク及び角速度の時間変動をプロットした線図である。
本発明の電動パワーステアリング制御装置18の安定化制御部22による制御が行われない場合、図3(a)に示すように、トルクセンサ14による検出値は、トルクセンサ14を構成するトーションバーの弾性振動やノイズによる高周波振動を含んでおり、その時間変動を示す波形は複雑な形状になっている。また、図3(b)に示すように、モータ角センサ16の検出値から算出したコラムシャフト4の角速度は、コラムシャフト4のねじれによって発生するトルクの振動、あるいは路面からの反力に起因する振動やタイヤ8と路面との摩擦振動を含んでおり、その時間変動を示す波形は複雑な形状になっている。
その結果、図3(c)に示すように、横軸にトルク、縦軸に角速度をとった平面において、トルク及び角速度の時間変動を表すプロットはいびつな円形を描くようになる。さらに、共振が発生した場合には、トルク及び角速度の時間変動を表すプロットは半径を徐々に拡大する渦巻形状を描く。これらの場合、運転者には大きな振動が伝わり、操作フィーリングも不快なものとなる。
これに対し、本発明の電動パワーステアリング制御装置18の安定化制御部22は、図4(a)及び図4(b)に示すように、トルクセンサ14による検出値の時間変動を示す波形およびモータ角センサ16の検出値から算出したコラムシャフト4の角速度の時間変動を示す波形がそれぞれ滑らかな形状を描くように制御を行う。
即ち、安定化制御部22は、図4(c)に示すように、横軸にトルク、縦軸に角速度をとった平面において、トルク及び角速度の時間変動を表すプロットが、真円又は縦軸若しくは横軸に沿った楕円のリミットサイクルを描くように制御を行う。これにより、良好な操作フィーリングが得られるようになる。
さらに、安定化制御部22は、トルクセンサ14による検出値の時間変動幅及びモータ角センサ16の検出値から算出したコラムシャフト4の角速度の時間変動幅を減少させるように制御を行う。即ち、安定化制御部22は、図4(c)に示したリミットサイクルの半径を縮小させるように制御を行う。これにより、運転者に伝わる振動が抑制される。
次に、図5乃至図12により、本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング制御装置18の制御内容を説明する。
図5は、本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング制御装置18の制御系を示すブロック線図である。図6は、図5においてブロック線図により示した第1実施形態の電動パワーステアリング制御装置18による電動パワーステアリング制御処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、電動パワーステアリング制御装置18による制御は、アシスト制御部20による基本アシストトルク演算と、安定化制御部22によるモータ角速度変動抑制トルク演算と、安定化制御部22による角速度差抑制トルク演算とに大別される。電動パワーステアリング制御装置18は、これらの各演算によって得られた制御量を加算してモータ10に出力する。
即ち、図6に示すように、電動パワーステアリング装置1の制御が開始されると、ステップS1において、アシスト制御部20は基本アシストトルク演算を実行する。また、ステップS2において、安定化制御部22はモータ角速度変動抑制トルク演算を実行する。さらに、ステップS3において、安定化制御部22は角速度差抑制トルク演算を実行する。これらのステップS1、S2及びS3は並行して実行される。
ステップS1、S2及びS3の後、ステップS4に進み、電動パワーステアリング制御装置18は、ステップS1、S2及びS3によって得られた制御量を加算することにより、最終的なモータトルク指令を演算し、モータ10に出力する。
ステップS4の後、電動パワーステアリング制御装置18は、電動パワーステアリング制御処理を終了する。
次に、アシスト制御部20による基本アシストトルク演算の内容を詳細に説明する。
図7は、第1実施形態のアシスト制御部20による基本アシストトルク演算のフローチャートである。
基本アシストトルク演算が開始されると、ステップS11において、アシスト制御部20は、トルクセンサ14によって検出された操舵トルクを読み込む。
次に、ステップS12において、アシスト制御部20は、図5に示すようにアシストマップを参照する。続いて、ステップS13において、アシスト制御部20は、ステップS12において参照したアシストマップに基づき、ステップS11において読み込んだ操舵トルクに対応するアシストトルクを演算する。これにより、運転者によるステアリングホイール2の操舵に基づくアシストトルクが演算される。
ステップS13の後、アシスト制御部20は基本アシストトルク演算を終了する。
次に、安定化制御部22によるモータ角速度変動抑制トルク演算の内容を詳細に説明する。
図8は、第1実施形態の安定化制御部22による、モータ角速度変動抑制トルク演算のフローチャートである。モータ角速度変動抑制トルク演算が開始されると、ステップS21において、安定化制御部22は、モータ角センサ16によって検出されたモータ角を読み込む。
次に、ステップS22において、安定化制御部22は、図5に示すように、ステップS21において読み込んだモータ角に減速機構の減速比を乗算し、乗算結果を時間微分することにより、モータ10の回転に対応するコラムシャフト4の角速度(以下、「モータ角速度」という)を算出する。
続いて、ステップS23において、安定化制御部22は、ステップS22において算出したモータ角速度から計測ノイズによる周波数成分を除去する。具体的には、図5に示すように、安定化制御部22はステップS22において算出したモータ角速度をローパスフィルタLPF1に入力し、計測ノイズによる周波数成分を除去する。このローパスフィルタLPF1は、50Hz以下の周波数の信号を通過させることにより、それ以上の周波数の信号を計測ノイズとして除去する。
また、ステップS24において、安定化制御部22は、ステップS22において算出したモータ角速度から、運転者の操舵による周波数成分を抽出する。具体的には、図5に示すように、安定化制御部22はステップS22において算出したモータ角速度をローパスフィルタLPF2に入力し、運転者の操舵による周波数成分を抽出する。このローパスフィルタLPF2は、5Hz以下の周波数の信号を通過させることにより、運転者の操舵による周波数成分を抽出する。
次に、ステップS25において、安定化制御部22は、運転者の意図(即ちステアリングホイール2の操舵)に対応する角速度を中心値とするモータ角速度の変動(以下、「モータ角速度変動」という)を算出する。具体的には、図5に示すように、安定化制御部22はステップS23において計測ノイズによる周波数成分を除去したモータ角速度から、ステップS24において抽出した運転者の操舵による周波数成分を減算することにより、モータ角速度変動を算出する。
次に、ステップS26において、安定化制御部22は、ステップS25において算出したモータ角速度変動に粘性を付与する(Gain1)ことにより、モータ角速度変動を抑制するためのモータトルク指令を演算する。
ステップS26の後、安定化制御部22はモータ角速度変動抑制トルク演算を終了する。
図9は、本発明の電動パワーステアリング制御装置18における、運転者の意図に対応する角速度とモータ角速度変動との関係を示す線図である。この図9において、横軸は時間を示し、縦軸はモータ角速度を示す。
図9に示すように、ステップS23において計測ノイズによる周波数成分を除去したモータ角速度は、運転者の意図に対応する角速度(図9における破線)を中心値とし、さらに、コラムシャフト4のねじれによって発生するトルクの振動、あるいは路面からの反力に起因する振動やタイヤ8と路面との摩擦振動による高周波の振動を含みながら変動する(図9における実線)。上述したモータ角速度変動抑制トルク演算のステップS25において、安定化制御部22が、計測ノイズによる周波数成分を除去したモータ角速度から、運転者の操舵による周波数成分を減算することにより、運転者の意図に対応する角速度を基準とするモータ角速度の変動、即ちモータ角速度変動が抽出される。安定化制御部22は、このように抽出したモータ角速度変動を粘性減衰させるように、即ち、図9に示すようにモータ角速度変動の振幅を矢印の方向に減衰させることによって、コラムシャフト4に発生する角速度及びコラムシャフト4に作用するトルクのそれぞれの時間変動幅を減少させるように、モータトルク指令を演算する。
次に、安定化制御部22による角速度差抑制トルク演算の内容を詳細に説明する。
図10は、第1実施形態の安定化制御部22による、角速度差抑制トルク演算のフローチャートである。
角速度差抑制トルク演算が開始されると、ステップS31において、安定化制御部22は、操舵角センサ12によって検出された操舵角を読み込む。
次に、ステップS32において、安定化制御部22は、図5に示すように、ステップS31において読み込んだ操舵角を時間微分することにより、操舵角速度を算出する。
この操舵角速度は、コラムシャフト4に発生するねじれ角の時間微分値と、モータ角速度との和として表すことができる。さらに、コラムシャフト4に発生するねじれ角は、ステアリングホイール2に対する操舵トルクに所定の係数を乗じた値として算出することができる。従って、安定化制御部22が操舵角速度を算出することは、モータ角速度及び操舵トルクを検出することに相当する。
続いて、ステップS33において、安定化制御部22は、ステップS32において算出した操舵角速度から計測ノイズによる周波数成分を除去する。具体的には、図5に示すように、安定化制御部22はステップS32において算出した操舵角速度をローパスフィルタLPF3bに入力し、計測ノイズによる周波数成分を除去する。このローパスフィルタLPF3bは、50Hz以下の周波数の信号を通過させることにより、それ以上の周波数の信号を計測ノイズとして除去する。
また、ステップS34において、安定化制御部22は、図8に示したモータ角速度変動抑制トルク演算のステップS22において算出したモータ角速度を読み出し、このモータ角速度から計測ノイズによる周波数成分を除去する。具体的には、図5に示すように、安定化制御部22はステップS22において算出したモータ角速度をローパスフィルタLPF3aに入力し、計測ノイズによる周波数成分を除去する。
次に、ステップS35において、安定化制御部22は、ステップS34において計測ノイズによる周波数成分を除去したモータ角速度から、ステップS33において計測ノイズによる周波数成分を除去した操舵角速度を減算した差分値を算出する。そして、算出した差分値と、ステップS32において算出した操舵角速度とに基づき、モータトルク指令の演算に使用するゲイン(Gain2)の決定を行う。
図11は、図10の角速度差抑制トルク演算において入力される操舵角速度とモータ角速度との関係を示す線図である。この図11においては、横軸が操舵角速度を示し、縦軸がモータ角速度を示している。安定化制御部22は、これらの操舵角速度とモータ角速度とを一致させるように、即ちモータ角速度から操舵角速度を減算した差分値が0になるようにモータ10を制御する。
上述したように、操舵角速度は、操舵トルクに所定の係数を乗じた値の時間微分値と、モータ角速度との和として表される。即ち、モータ角速度から操舵角速度を減算した差分値を0にすることは、操舵トルクの時間微分値を0にすること相当する。従って、安定化制御部22は、操舵トルクの時間微分値を0にするようにモータ10を制御することになる。
これにより、ステアリングホイール2とモータ10との間のコラムシャフト4のねじれの変動(即ちコラムシャフト4に作用するトルクの変動)が減少する。その結果、図4(c)に示したように、横軸にトルク、縦軸に角速度をとった平面において、トルク及び角速度の時間変動を表すプロットが、滑らかなリミットサイクルを描くようになる。
正のモータ角速度が正の操舵角速度より大きい場合、又は負のモータ角速度が負の操舵角速度より小さい場合において、操舵角速度とモータ角速度とを一致させるようにモータ10を制御すると、ステアリングホイール2の操舵方向とは逆方向のトルクをモータ10に発生させることになり、運転者に違和感を感じさせる可能性がある。従って、正のモータ角速度を正の操舵角速度以下にするように、又は負のモータ角速度を負の操舵角速度以上にするように、モータ10を制御することが望ましい。
そこで、安定化制御部22は、ステップS35において、ステップS32で算出した操舵角速度が正の場合には、ステップS33においてモータ角速度から操舵角速度を減算した差分値を0以下の所定の範囲内(本実施形態においては−p以上且つ0以下の範囲内。図11において斜線により示す範囲内)にするようにゲインを設定する。安定化制御部22は、モータ角速度から操舵角速度を減算した差分値がこの所定の範囲内にある場合に、操舵角速度とモータ角速度とが一致しているものとする。
一方、ステップS35において、ステップS32で算出した操舵角速度が負の場合には、ステップS33においてモータ角速度から操舵角速度を減算した差分値を0以上の所定の範囲内(本実施形態においては0以上且つp以下の範囲内。図11において斜線により示す範囲内)とするようにゲインを設定する。安定化制御部22は、モータ角速度から操舵角速度を減算した差分値がこの所定の範囲内にある場合に、操舵角速度とモータ角速度とが一致しているものとする。
安定化制御部22は、操舵角速度とモータ角速度とを一致させるように、即ち操舵角速度とモータ角速度とを図11において斜線により示した範囲内に制御するように、ゲインを設定する。しかしながら、ゲインの値を固定値とすると、操舵角速度とモータ角速度との角速度差が大きいほどモータへの制御量が過剰に大きくなり、不要な振動や違和感を発生させる可能性がある。
そこで、安定化制御部22は、操舵角速度とモータ角速度との差が大きいほど、操舵角速度とモータ角速度との差を0にするまでに要する時間が長くなるように、ゲインを決定する。
図12は、本発明の電動パワーステアリング制御装置18における、操舵角速度とモータ角速度との角速度差と、この角速度差の時間微分値(以下、「収束速度」という)との関係を示す線図である。図12において点線により示す円弧は、ゲインの値が固定値である場合における角速度差と収束速度との関係を、初期の角速度差がV1、2、3、及びV4である場合のそれぞれについて表している。
図12に示すように、安定化制御部22は、収束速度を所定値VL以下に保持するように、且つ、最終的に角速度差が0となる時に収束速度が0になるように、ゲインの値を初期値から徐々に減少させる。これにより、操舵角速度とモータ角速度との差が大きいほど、操舵角速度とモータ角速度との差を0にするまでに要する時間が長くなる。
ステップS35において、上述したようにゲインを決定した後、ステップS36に進み、安定化制御部22は、ステップS35において決定したゲイン(Gain2)を使用してモータトルク指令を演算する。
ステップS36の後、安定化制御部22は角速度差抑制トルク演算を終了する。
次に、図13乃至図16により、本発明の第2実施形態による電動パワーステアリング制御装置18の制御内容を説明する。
図13は、本発明の第2実施形態による電動パワーステアリング制御装置18の制御系を示すブロック線図である。図14は、図13においてブロック線図により示した第2実施形態の電動パワーステアリング制御装置18による電動パワーステアリング制御処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示すように、電動パワーステアリング制御装置18による制御は、アシスト制御部20による基本アシストトルク演算と、安定化制御部22によるモータ角速度及び操舵トルク変動抑制トルク演算と、安定化制御部22による角速度差抑制トルク演算とに大別される。電動パワーステアリング制御装置18は、これらの各演算によって得られた制御量を加算してモータ10に出力する。
即ち、図14に示すように、電動パワーステアリング装置1の制御が開始されると、ステップS41において、アシスト制御部20は基本アシストトルク演算を実行する。また、ステップS42において、安定化制御部22はモータ角速度及び操舵トルク変動抑制トルク演算を実行する。さらに、ステップS43において、安定化制御部22は角速度差抑制トルク演算を実行する。これらのステップS41、S42及びS43は並行して実行される。
ステップS41、S42及びS43の後、ステップS44に進み、電動パワーステアリング制御装置18は、ステップS41、S42及びS43によって得られた制御量を加算することにより、最終的なモータトルク指令を演算し、モータ10に出力する。
ステップS44の後、電動パワーステアリング制御装置18は、電動パワーステアリング制御処理を終了する。
次に、安定化制御部22によるモータ角速度及び操舵トルク変動抑制トルク演算の内容を詳細に説明する。
図15は、第2実施形態の安定化制御部22による、モータ角速度及び操舵トルク変動抑制トルク演算のフローチャートである。モータ角速度変動抑制トルク演算が開始されると、ステップS51において、安定化制御部22は、トルクセンサ14によって検出された操舵トルクを読み込む。
次にステップS52において、安定化制御部22は、モータ角センサ16によって検出されたモータ角を読み込む。
次に、ステップS53において、安定化制御部22は、図13に示すように、ステップS52において読み込んだモータ角に減速機構の減速比を乗算し、乗算結果を時間微分することにより、モータ10の回転に対応するコラムシャフト4の角速度(以下、「モータ角速度」という)を算出する。
続いて、ステップS54において、安定化制御部22は、ステップS51において読み込んだ操舵トルクから計測ノイズによる周波数成分を除去する。具体的には、図13に示すように、安定化制御部22はステップS51において読み込んだ操舵トルクをローパスフィルタLPF4に入力し、計測ノイズによる周波数成分を除去する。このローパスフィルタLPF4は、50Hz以下の周波数の信号を通過させることにより、それ以上の周波数の信号を計測ノイズとして除去する。
また、ステップS54において、安定化制御部22は、ステップS53において算出したモータ角速度から計測ノイズによる周波数成分を除去する。具体的には、図13に示すように、安定化制御部22はステップS53において算出したモータ角速度をローパスフィルタLPF5に入力し、計測ノイズによる周波数成分を除去する。このローパスフィルタLPF5は、50Hz以下の周波数の信号を通過させることにより、それ以上の周波数の信号を計測ノイズとして除去する。
次に、ステップS55において、安定化制御部22は、ステップS54において計測ノイズによる周波数成分を除去した操舵トルクとモータ角速度とに基づき、横軸に操舵トルク、縦軸にモータ角速度をとった平面における、操舵トルク及びモータ角速度の時間変動を表すリミットサイクルの半径Rlを演算する。リミットサイクルの半径Rlは、式Rl=√{(操舵トルク)2+(モータ角速度)2}により算出される。
次に、ステップS56において、安定化制御部22は、ステップS54において計測ノイズによる周波数成分を除去した操舵トルクとモータ角速度とに基づき、横軸に操舵トルク、縦軸にモータ角速度をとった平面における、操舵トルク及びモータ角速度の時間変動を表すプロットと横軸とが成す角(以下、「位相角」という)θを演算する。位相角θは、式θ=Atan{(モータ角速度)/(操舵トルク)}により算出される。
次に、ステップS57において、安定化制御部22は、ステップS56において演算した位相角θに基づき、モータトルク指令の演算に使用するゲイン(Gain1)の決定を行う。
図16は、第2実施形態の安定化制御部22がモータトルク指令の演算に使用するゲインを決定する際の基準を示した線図であり、横軸に操舵トルク、縦軸にモータ角速度をとった平面上に操舵トルク及びモータ角速度の時間変動をプロットした線図である。
安定化制御部22は、位相角θが、0≦θ<π/4、3π/4≦θ<5π/4、又は7π/4≦θ<2πの範囲内にある場合には、操舵トルクが振動の山又は谷の近傍にあることから、モータ10が発生させるトルクを抑制するようにゲインを決定する。また、安定化制御部22は、位相角θが、π/4≦θ<3π/4、又は5π/4≦θ<7π/4の範囲内にある場合には、モータ角速度が振動の山又は谷の近傍にあることから、モータ角速度を抑制するようにゲインを決定する。
次に、ステップS57において、上述したようにゲインを決定した後、ステップS58に進み、安定化制御部22は、ステップS57において決定したゲイン(Gain1)を使用してモータトルク指令を演算する。
ステップS58の後、安定化制御部22はモータ角速度及び操舵トルク変動抑制トルク演算を終了する。
なお、第2実施形態のアシスト制御部20による基本アシストトルク演算及び安定化制御部22による角速度差抑制トルク演算の内容は、第1実施形態のアシスト制御部20による基本アシストトルク演算及び安定化制御部22による角速度差抑制トルク演算の内容と同様であるので、説明を省略する。
次に、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。
上述した実施形態においては、コラムシャフト4に作用する操舵トルクをトルクセンサ14により直接的に検出し、コラムシャフト4の角速度をモータ角センサ16の検出値から算出するが、他の手段や方法により、コラムシャフト4に作用する操舵トルクやコラムシャフト4の角速度を直接的に又は間接的に検出するようにしてもよい。例えば、コラムシャフト4に連結されるステアリング機構のピニオンギアに作用するトルクや角速度に基づき、コラムシャフト4に作用するトルクや角速度を間接的に算出してもよい。
また、上述した実施形態においては、モータ10がアシストトルクを直接的にコラムシャフト4に付与するが、コラムシャフト4に連結されるステアリング機構のピニオンギア等の他の構成部品を介して間接的にアシストトルクをコラムシャフト4に付与するようにしてもよい。
次に、上述した本発明の実施形態及び本発明の実施形態の変形例による電動パワーステアリング制御装置18の効果を説明する。
まず、電動パワーステアリング制御装置18の安定化制御部22は、コラムシャフト4に発生する角速度及びコラムシャフト4に作用するトルクを検出し、これらの角速度及びトルクのそれぞれの時間変動幅を減少させるようにモータトルク指令をモータ10に出力するので、安定化制御部22が出力したモータトルク指令に応じたモータ10の動作より、コラムシャフト4に発生する角速度及びコラムシャフト4に作用するトルクのそれぞれの時間変動が抑制される。その結果、トルクセンサ14を構成するトーションバーの弾性振動やノイズによる高周波振動、あるいは路面からの反力に起因する振動やタイヤ8と路面との摩擦振動等、電動パワーステアリング装置1に発生する種々の振動の低減を図ることができ、ステアリングホイール2から運転者に伝わる振動を低減することができる。
特に、安定化制御部22は、モータ10の角度を検出し、このモータ10の角度の時間微分値(モータ角速度)から運転者の操舵による操舵成分を除去した値に粘性を付与するようにモータトルク指令をモータ10に出力する。即ち、安定化制御部22は、モータ角速度には、コラムシャフト4のねじれによって発生するトルクの振動、あるいは路面からの反力に起因する振動やタイヤ8と路面との摩擦振動等が含まれていることを利用して、モータ角速度から操舵成分を除去して粘性を付与するという簡易な演算によりモータトルク指令を決定するので、電動パワーステアリング装置1に発生する種々の振動を簡易に低減することができる。
また、安定化制御部22は、ステアリングホイール2に対する操舵トルクを検出し、この操舵トルク及びコラムシャフト4に発生する角速度の位相に応じて、角速度を減少させるように、又は操舵トルクを減少させるように、モータトルク指令をモータ10に出力する。即ち、安定化制御部22は、操舵トルク及びコラムシャフト4に発生する角速度の位相に応じて、操舵トルク又はコラムシャフト4に発生する角速度のうち振動の山又は谷の近傍にある方の振動を低減するようにモータトルク指令を決定するので、電動パワーステアリング装置1に発生する種々の振動を一層効果的に低減することができる。
また、安定化制御部22は、運転者によるステアリングホイール2の操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度とを検出し、操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度とを一致させるようにモータトルク指令をモータ10に出力するので、安定化制御部22が出力したモータトルク指令に応じたモータ10の動作により、操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度との角速度差が抑制される。その結果、ステアリングホイール2の動作とコラムシャフト4の動作とを一致させることができ、電動パワーステアリング装置1に発生する種々の振動から運転者が感じる操作フィーリングを良好なものとすることができる。
また、安定化制御部22は、ステアリングホイール2に対する操舵トルクを検出し、この操舵トルクの時間微分値を0にするようにモータトルク指令をモータ10に出力する。これにより、操舵トルクの時間微分値が0になるようにモータ10が動作し、その結果操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度との角速度差が抑制されるので、ステアリングホイール2とモータ10との間のコラムシャフト4のねじれの変動を減少させることができ、運転者が感じる操作フィーリングを良好なものとすることができる。
また、安定化制御部22は、操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度との差が大きいほど、操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度との差を0にするまでに要する時間が長くなるように、モータトルク指令を決定する。これにより、安定化制御部22は、操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度との差を緩やかに減少させるので、不要な振動や違和感の発生を抑制し、且つ、振動が収まるまでの時間を早めることができる。
また、安定化制御部22は、操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度との差の時間微分値を所定値以下に保持するように、モータトルク指令を決定する。これにより、安定化制御部22は、操舵角速度とコラムシャフト4に発生する角速度との差を緩やかに減少させるので、不要な振動や違和感の発生を抑制し、且つ、振動が収まるまでの時間を早めることができる。
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
4 コラムシャフト
6 タイロッド
8 タイヤ
10 モータ
12 操舵角センサ
14 トルクセンサ
16 モータ角センサ
18 電動パワーステアリング制御装置
20 アシスト制御部
22 安定化制御部

Claims (2)

  1. ステアリングホイールと転舵輪とを連結するコラムシャフトにアシストトルクを付与するモータを、運転者による上記ステアリングホイールの操舵に応じて制御する、電動パワーステアリング制御装置において、
    上記ステアリングホイールの操舵に基づく第1の制御量を上記モータに出力するアシスト制御手段と、
    上記コラムシャフトに発生する角速度及び上記コラムシャフトに作用するトルクを検出し、これらの角速度及びトルクのそれぞれの時間変動幅を減少させるように第2の制御量を上記モータに出力する安定化制御手段と、を有し、
    上記安定化制御手段は、上記ステアリングホイールに対する操舵トルクを検出し、この操舵トルク及び上記コラムシャフトに発生する角速度の位相に応じて、上記角速度を減少させるように、又は上記操舵トルクを減少させるように、上記第2の制御量を上記モータに出力することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 上記安定化制御手段は、上記モータの角度を検出し、このモータの角度の時間微分値から運転者の操舵による操舵成分を除去した値に粘性を付与するように、上記第2の制御量を上記モータに出力する、請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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