JP5969264B2 - 紙幣還流装置 - Google Patents
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Description
図8(a)及び(b)は夫々従来の紙幣還流装置の入金時ポジション、及び出金時ポジションを示す正面説明図であり、図9はこの紙幣還流装置の入金時の構成を示す斜視図である。また、図10(a)及び(b)は入金時におけるシワ伸ばしローラの役割を説明するための側面図、及び出金時における問題点を説明する正面図である。
紙幣還流装置200は、紙幣収納部201と、紙幣収納部と搬送経路との間で紙幣を双方向へ移動させる正逆転可能な給紙ローラ群250と、給紙ローラ群250を構成する各ローラの回転軸の両端部を支持する2つの軸支持部材260(一方は図示を省略)と、給紙ローラ群を駆動するモータ、ギヤ群等の図示しない駆動機構と、図示しない制御手段と、を備える。
紙幣収納部201は、上面に収納紙幣Pを積載し、且つ上下動可能なバックアッププレート202と、バックアッププレート202上に収納紙幣Pを押し込むために上下動可能であり、且つ紙幣通過用の開口を有した押し込み部材210と、押し込み部材を昇降させる図示しないモータ、プーリ、ベルト等からなる昇降機構と、バックアッププレート202の上方に位置し押し込み部材210の上下動に際して紙幣通過用の開口内を相対的に進退すると共に紙幣の搬送をガイドする紙幣ガイド部材220と、バックアッププレートを上昇方向へ付勢する弾性部材225と、を備える。
給紙ローラ群250は、バックアッププレート202上の紙幣上面に接して出金方向へ回転することにより最上部の紙幣を出金する繰出しローラ251と、分離ローラ対(フリクションローラ252a、ストップローラ252b)252等を備える。
図8(a)に示した入金時ポジションでは、押し込み部材210が下降してバックアッププレート202上の紙幣束Pの最上面に接してこれを押し下げることにより、押し込み部材上に投入紙幣P1の収容空間を形成する。この状態で繰出しローラ251とフリクションローラ252aを矢印で示した入金方向へ回転させることにより上記収容空間内に投入紙幣P1を収容する。続いて押し込み部材210だけを上昇させることにより、投入紙幣P1は押し込み部材に設けた紙幣通過用の開口内を相対的に通過してバックアッププレート上に堆積した紙幣束P上に移載される。
図8(a)に示した入金時ポジションから(b)に示した出金時ポジションに移行させる場合には、押し込み部材210を(b)中に示した上昇位置に移動させることによりバックアッププレート上の紙幣束Pの最上面を繰出しローラ251と接触させる。この状態で繰出しローラ251及びフリクションローラ252aを矢印で示した繰出し方向へ回転させることにより最上部の紙幣が紙幣収納部201から外部に繰り出される。この際、重送防止手段としてのストップローラ252bは回転を停止するか、或いは矢印で示した戻し方向へ回転することにより、重送されてきた二枚の紙幣のうちの下側を紙幣収納部201側に戻す。
図8(a)に示した入金時には、図10(a)に示したように紙幣Pの幅方向中央部の上下両面がフリクションローラ252aとストップローラ252bとによってニップされる一方で、紙幣の幅方向両端部近傍の下面は各シワ伸ばしローラ260によって上方に押し上げられる。このため、分離ローラ対252のニップ部を通過する際に紙幣Pには図示したように略W字状、或いはV字状に変形させられる。
紙幣収納部内で収納不良が発生すると、釣銭として払出しする際に、出金できないエラーが発生する。
これに対して、腰の弱い紙幣であっても、ストップローラの両側に設けた一対のシワ伸ばしローラ260の直径を拡大することによって紙幣の幅方向両端部を大きく押し上げることにより、W字状等のクセを強く形成して折れにくい形状に姿勢矯正を受けながら紙幣収納部内に搬送されることとなり、収納不良を防止することができる。
出金時には最上部の紙幣はバックアッププレート202と紙幣ガイド部材220との間挟圧されて平坦状に形状が保持されており、幅方向に湾曲変形していない状態でシワ伸ばしローラに押し付けられる。このため、紙幣はシワ伸ばしローラを通過することができずに長手方向に変形し易くなり、出金不良となり易い。
特に、バックアッププレート上の紙幣を出金する際には、入金時におけるフォーミングと同様の形状(例えば、W字状)に変形しない限り、紙幣先端が繰出しローラ251に到達することができなくなるが、変形し難い腰の強い紙幣(官封券等)を出金する場合にはシワ伸ばしローラによる変形が行われにくいため、出金不良となり易い。シワ伸ばしローラの直径が大きい場合にはこのような不具合が顕著となる。
逆に、腰の弱い紙幣を出金する場合にはシワ伸ばしローラによってフォーミングされ易いため、紙幣先端が繰出しローラに到達し易くなり、出金不良が発生しにくくなる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、紙幣収納部の出入り口に分離ローラ対を備え、且つ分離ローラ対を構成するストップローラの両側方にシワ伸ばしローラを備えた紙幣還流装置において、入金時には挫屈、折れの発生を効果的に防止しつつ、腰の強い紙幣を紙幣収納部から出金する際にはシワ伸ばしローラが出金の障害となることを防止する技術を提供することを目的としている。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係わる紙幣還流装置の要部の概略構成を示す斜視図(スイーパ、その他の部品を省略)、及び要部正面図であり、図2(a)(b)及び(c)、図3(a)及び(b)、図4(a)及び(b)、図5(a)及び(b)、図6(a)及び(b)は同紙幣還流装置の入金手順を説明する図であり、図7(a)(b)及び(c)は同紙幣還流装置の出金手順を説明する図である。
紙幣還流装置1は、紙幣取扱装置に設けた図示しない紙幣入金部から投入された紙幣を収納方向と出金方向の双方向へ搬送可能な搬送経路と連通し、該搬送経路を搬送されてきた紙幣を収納(入金)したり該搬送経路へ繰出す手段である。本装置において、紙幣は、長手方向一端縁を先頭として長手方向に沿って搬送される。
紙幣還流装置1は、搬送されてきた紙幣を上下方向へ積層した状態で収納する紙幣収納部2と、紙幣収納部と搬送経路との間で紙幣を出金方向、及び入金方向へ双方向移動させる給紙ローラ群30と、スイーパ35と、給紙ローラ群30、その他の可動部を駆動するモータ、ギヤ群等の図示しない駆動機構と、駆動機構を制御する制御手段と、を備える。
紙幣収納部2の出入り口には図示しない通紙センサが配置され、紙幣を送出する際に送出を完了したか否かを検知する。通紙センサからの検知信号に基づいて制御手段が所定のタイミングで給紙ローラ群30、バックアッププレート3、押し込み部材10、紙幣ガイド部材20等を駆動する。
本実施形態では、各押し込み部材10を細幅帯状の板材から構成し、これらを所定の間隔を隔てて並行に対向配置させている。各押し込み部材10の上下動に伴って開口10a内を紙幣ガイド部材20が相対的に上下方向へ通過移動できるようになっている。
シワ伸ばしローラ40は、回転軸(回転中心)34aによりストップローラ34とは相対回転可能に軸支されると共に、ストップローラの回転に連れ周りするように構成されている。また、各シワ伸ばしローラ40は円盤状ではなく、各シワ伸ばしローラの外周縁は、入金時に分離ローラ対32のニップ部の高さ位置よりも上方に突出する大径縁部41と、出金時に大径縁部の突出時の高さよりも下方に退避する小径縁部43と、を有した不定形である。換言すれば、シワ伸ばしローラ40の小径縁部43の回転中心34aからの距離L2は、大径縁部41の回転中心34aからの距離L1よりも短く設定されている。
換言すれば、回転軸34aから大径縁部41までの距離L1は、ストップローラ34の半径(回転軸からニップ部までの距離)rよりも大きく、回転軸から小径縁部43までの距離L2は、前記距離L1よりも小さく設定されている(図1(b))。
更に、入金時にストップローラの回転軸34aが入金方向に回転(高速回転)する際には大径縁部41をニップ部側に突出させた突出位置にて停止させるように各シワ伸ばしローラ40を保持する入金時ストッパ機構50と、出金時に回転軸34aが停止するか、又は入金方向に低速で回転する際には出金する紙幣に押圧されて小径縁部43をニップ部側に位置させることにより紙幣の出金を妨げない状態で停止させる出金時ストッパ機構55と、を備える。
出金時にはシワ伸ばしローラ40は、繰出しローラ31によって繰り出されて来る紙幣に押圧されることにより入金方向とは逆方向に回転し、出金時ストッパ機構55によって回転を阻止されるまで逆回転する。しわ伸ばしローラが停止した際には、小径縁部43がニップ部と対応する位置に達しており、この位置で保持される。この位置では、小径縁部43は出金する紙幣の通過を妨げることがない。
ストップローラ34の回転軸34a上には、スイーパ35が固定されている。スイーパ35は、回転軸34aに固定される中心部材と、中心部材から放射状に突設された薄板状の弾性羽根と、を備えている。
図示しない前記昇降機構によって押し込み部材10の高さ位置とバックアッププレート3の高さ位置を変化させ、その結果として繰出しローラ31と紙幣上面との接触圧力を調整することにより、繰出し時における繰出しローラ31と紙幣最上面との間の分離圧力を変化させることができる。
続いて図4、図5に示したように、押し込み部材10を上昇させることにより、バックアッププレート3が図示しない弾性部材の付勢力によって上昇し、投入紙幣の中央部上面が紙幣ガイド部材20により抑えられた状態となり、投入紙幣P1は押し込み部材に設けた紙幣通過用の開口10a内を相対的に通過してバックアッププレート上に堆積した紙幣束P上に移載される。各押し込み部材10が投入紙幣P1の両端部を越えて上昇してから、再び下降することにより投入紙幣の両端部を既堆積紙幣P上に押さえ込む(図6)。
図7に示した出金時ポジションでは、押し込み部材10を繰出しローラ31の最下部(ニップ部)よりも上方に位置させることによりバックアッププレート上の紙幣束Pの最上面の紙幣が適切な圧力で繰出しローラ31と接するように弾性部材の付勢力が設定されている。更に、バックアッププレート3上の積載紙幣枚数が減少するのに応じて弾性部材によってバックアッププレートが押し上げられ分離圧力を調整する。この状態で繰出しローラ31及びフリクションローラ33を矢印で示した繰出し方向へ回転させることにより最上部の紙幣が紙幣収納部2から外部に繰り出される。この際、重送防止手段としてのストップローラ34は回転を停止するか、或いは矢印で示した戻し方向へ回転することにより、重送されてきた二枚の紙幣のうちの下側紙幣を紙幣収納部2側に戻す。
出金時ストッパ機構55は、シワ伸ばしローラ40の一側面の他の部位から突設した第2の突起56と、この突起56を係止可能な位置に配置された紙幣ガイド(固定部)60と、から構成されており、図2(a)に示すように第2の突起56が回転途中で紙幣ガイド60の他の部位と接することにより、それ以上シワ伸ばしローラ40が出金方向(時計回り方向)へ回転しないように規制する。この状態では、小径縁部43が分離ローラ対のニップ部と対応する位置にあり、図7(c)に示したようにシワ伸ばしローラの外周縁がニップ部から上側に大きく突出していないため、出金される紙幣に対する干渉が皆無、又は少なくなり、腰の強い紙幣であってもスムーズに搬送経路へ向けて出金させることができる。
なお、図示したシワ伸ばしローラ40の形状は一例に過ぎず、大径縁部41と、小径縁部43と、入金時ストッパ機構50と、出金時ストッパ機構55と、を備えた構成であれば、何れも本発明中に含まれるものである。
Claims (2)
- 搬送経路を長手方向に沿って搬送されてきた紙幣を収納する一方で収納されている紙幣を該搬送経路へ出金する紙幣還流装置であって、
前記搬送経路を搬送されてきた前記紙幣を収納する紙幣収納部と、該紙幣収納部と前記搬送経路との間で紙幣を入金方向及び出金方向へ双方向移動させる給紙ローラ群と、を備え、
前記紙幣収納部は、前記搬送経路を搬送されてきた前記紙幣を上下方向へ積層すると共に、上向きに弾性付勢されたバックアッププレートと、該バックアッププレート上に昇降して該バックアッププレート上の堆積紙幣の幅方向両端部側の上面を夫々抑える一対の押し込み部材と、該一対の押し込み部材間の開口内を相対的に昇降する紙幣ガイド部材と、を備え、
前記給紙ローラ群には、前記紙幣収納部の出入り口に上下位置関係で配置され、且つ互いの外周面間でニップ部を形成する正逆回転自在なフリクションローラ、及び出金方向に回転しない重送防止ローラと、該重送防止ローラと一体の回転軸によって連れ周り可能な状態で相対回転可能に軸支されると共に、該重送防止ローラの軸方向外側に夫々配置された一対のシワ伸ばしローラと、を含み、
前記各シワ伸ばしローラの外周縁は、前記重送防止ローラの回転軸中心からの距離L1が前記重送防止ローラの半径よりも大きい大径縁部と、前記回転軸中心からの距離が前記距離L1よりも短い距離L2である小径縁部と、を有し、
入金時に前記重送防止ローラの回転軸が入金方向に回転する際に、前記大径縁部が前記ニップを越えた状態で停止するように前記各シワ伸ばしローラを停止させる入金時ストッパ機構と、出金時に前記回転軸が停止するか又は入金方向に低速で回転する際に、前記小径縁部が前記ニップ部側にあって紙幣の出金を妨げないように前記各シワ伸ばしローラを停止させる出金時ストッパ機構と、を備えたことを特徴とする紙幣還流装置。 - 前記シワ伸ばしローラの小径縁部は、前記紙幣収納部から前記搬送経路に紙幣が出金される際に前記ニップ部と同等の高さ位置か、該ニップ部よりも下方か、或いは該ニップ部よりも上方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の紙幣還流装置。
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