以下、本発明の好ましい実施の形態を、フィルム被嵌装置の一つであるラベル装着システムを例に、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るラベル装着システムの要部を示す正面図である。図2は、ボトル検出センサの構成を示す斜視図である。図3は、ラベルを筒状に開口するための部材であるマンドレルの構成を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。図4は、ラベル装着システムにおけるショットローラの部分を拡大した図であり、図5は、ショットローラとマンドレルの部分を示す側面図である。
ラベル装着システム1は、多数のボトルタイプの容器B(以下、「ボトルB」という。)を水平方向に所定の間隔で搬送し、各ボトルBがその搬送経路の所定の位置(以下、この位置を「ラベル装着位置P2」という。)に搬送される毎に上方位置から筒状に開いたラベルLを下方向に飛ばして各ボトルBの胴部に被せるように装着するシステムである。ボトルBは、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂でできている。
ラベル装着システム1は、ボトルBを所定の間隔DB[mm]で搬送するボトル搬送部2と、ラベルLを供給するラベル供給部3と、ラベル供給部3から供給されるラベルLを筒状に開いて保持するラベル保持部4と、ラベル保持部4で筒状に開いたラベルLをそのラベルLの搬送方向に高速で送出してボトルBに被せるように装着するラベル装着部5とを含む。ラベル供給部3、ラベル保持部4及びラベル装着部5は、ラベル装着位置P2の上方位置に配設されている。
ボトル搬送部2は、多数のボトルBを立った状態で搬送するコンベアで構成されている。図1では、多数のボトルBは左側から右側に搬送され、各ボトルBがラベル装着位置P2を通過するときに上方から筒状に開口されたラベルLが打ち出されて各ボトルBの胴部に被せるように装着される。コンベアベルト2aのラベル装着位置P2よりも上流側にはスクリュー(図示省略)が設けられており、一列に隙間なく並んで搬送された多数のボトルBの間隔がこのスクリューにより所定のボトル間隔DB[mm]に設定される。
本実施形態では、ボトル搬送部2としてベルトコンベアを用いているが、ベルト以外の他のコンベアであってもよい。
また、図2に示すように、コンベアベルト2aの一方の側面(図2では手前側の側面)のラベル装着位置P1よりも上流側の所定の位置P3(ボトル検出位置P3)に光センサ6が設けられている。光センサ6は、反射型のフォトインターラプタによって構成され、ラベル装着位置P1に搬送されるボルトBを検出する。コンベアベルト2aの他方の側面には光センサ6(以下、「ボトル検出センサ6」という。)から射出された光を光ボトル検出センサ6側に反射する反射鏡6Aが設けられている。ボトル検出センサ6からは、発光部から射出し、反射鏡6Aで反射された光を受光部で受光した信号(例えば、ハイレベルの信号)が出力されるが、ボトル検出センサ6と反射鏡6Aの間をボトルBが通過すると、ボトル検出センサ6の射出光がそのボトルBによって遮光された信号(例えば、ローレベルの信号)が出力される。従って、ボトル検出センサ6の出力信号S6のレベルが反転する(例えば、ハイレベルからローレベルに反転する)ことによってラベル装着位置P1の直前に搬送されたボトルBが検出される。
本実施形態では、ボトルBの側面が球面のため、フォトインターラプタから射出した光のボトルBでの反射方向が不安定であるので、フォトインターラプタからの射出光を反射鏡6Aで反射させる構成を採っている。ボトルBの側面の形状が安定した光の反射方向を有している形状の場合は、反射鏡6Aを除去し、ボトルBでの反射光をフォトインターラプタで受光する構成にしてもよい。この場合は、ボトル検出センサ6の出力信号S6のレベルが反射鏡6Aを用いた場合とは逆になるので、ボトル検出センサ6の出力信号S6のレベルがローレベルからハイレベルに反転することによってボトルBが検出される。
ラベル供給部3は、薄肉のシュリンクフィルムからなり長手方向に所定ピッチで繰り返し同じ印刷が施され帯状に折り畳まれた筒状のラベル基材LMを基材ロールから繰り出し、張力機構で一定の張力を与えながら基材切断位置P1に搬送する基材搬送機構と、基材切断位置P1でラベル基材LMの所定のカット位置MCを切断して連続的にラベルLを生成する基材切断ユニットを備える。基材切断位置P1は、ラベル装着位置P1の上方の所定の高さ位置に設定されている。ラベル供給部3の基材ロールから張力機構を経て基材切断位置P1に至る基材搬送経路は、図15に示す従来の構成と同じであるので、図1では、その部分は省略し、基材切断位置P1の部分のみを記載している。
ラベル基材LMのシュリンクフィルムには、例えば、厚さ15〜40μmのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなる薄肉のシュリンクフィルムが用いられる。ラベル基材LMのカット位置MCは、シュリンクフィルムの長手方向に所定ピッチで繰り返し施されている同じ印刷の各境界部分に設けられている。
ラベル供給部3は、基材切断位置P1の上流側の所定の位置に配設された駆動ローラ31Aと従動ローラ31Bからなる基材搬送ユニット31と、基材切断位置P1に配設された可動刃32Aと固定刃32Bからなる基材切断ユニット32と、を備える。ラベル基材LMは、ラベル供給部3にセットされる際、駆動ローラ31Aと従動ローラ31Bで挟み込まれるようにセットされ、先頭のカット位置MCが基材切断位置P1に位置合わせされている。
基材搬送ユニット31の駆動ローラ31Aは、サーボモータ(図示省略。図12の基材搬送用モータM3参照)によってラベル基材LMを下方向に搬送するように所定の周期Tで間欠的に回転駆動される(図1では時計回りに回転駆動される)。この周期Tは、ボトル搬送部2が各ボトルBをラベル装着位置P2に搬送する周期TBと同一である。駆動ローラ31Aの1回当たりの回転量は、ラベル基材LMの次のカット位置MCを基材切断位置P1に搬送するまでの量(以下、ラベル基材LMの隣接するカット位置MCの間隔Dcを「ラベル長」という。)である。基材搬送ユニット31の従動ローラ31Bは駆動ローラ31Aに圧接されているので、駆動ローラ31Aの回転に伴い反時計回りに間欠的に回転する。駆動ローラ31A及び従動ローラ31Bの間欠的な回転動作により、ラベル基材LMは所定の周期Tでラベル長Dcずつ基材切断位置P1に搬送される。
基材切断ユニット32は、ギロチン方式によりラベル基材LMを切断する。基材切断ユニット32の可動刃32Aは、基材切断位置P1に水平方向に往復動可能に配設され、固定刃32Bは刃の先端を基材切断位置P1に位置合わせして垂直方向に固定されている。可動刃32Aは、基材搬送ユニット31によりラベル基材LMのカット位置MCが基材切断位置P1に搬送される毎に固定刃32B側に往復動してラベル基材LMを切断する。
ラベル保持部4は、シート状に折り畳まれたラベルLを筒状に開口する部材であるマンドレル41と、基材切断ユニット32によりラベル基材LMから切り離された各ラベルLをマンドレル41に被嵌させるための移送手段であるラベル移送ユニット42と、を備える。
マンドレル41は、図3に示すように、一方端側が錐状で他方端側がボトルBの胴径より僅かに大きい径を有する円筒状の棒部材で構成される。マンドレル41の錐状の部分は、ラベルLを筒状に開口するためのガイド機能を果たす開口ガイド部41Aであり、円筒状の部分はラベルLを断面円形の円筒に整形する機能を果たすラベル整形部41Bである。開口ガイド部41Aは、正面視で前後左右の4つの側面に先窄まりの傾斜を設けて四角錐状となっている。開口ガイド部41Aの先端部は、左右の傾斜面だけ傾斜角を大きくして楔形に整形されている。開口ガイド部41Aの先端を楔形にしているのは、基材搬送ユニット32によってシート状のラベル基材LMが搬送されたとき、ラベル基材LMの下端をマンドレル41の楔形部分に衝突させ、ラベル基材LMの下端を押し広げてマンドレル41の開口ガイド部41Aをラベル基材LMの中に嵌入させるためである。
ラベル整形部41Bの外周面には、ラベルLとの接触面積を少なくする(ラベルLとの摩擦力を小さくする)ために、多数の縦溝415が形成されている。ラベル整形部41Bの下端部の前後の側面には、任意の方向に自由回転可能な一対のボールローラ416が取り付けられている。ボールローラ416は、外表面の一部をラベル整形部25の側面から僅かに突出させた状態で取り付けられている。ボールローラ416は、ラベル装着部5の構成要素であるショットローラ51との間でラベルLを挟み込み、ショットローラ51が回転してラベルLをボトルBに打ち出す際にショットローラ51の回転に従動してラベルLを滑らかに打ち出す機能を果たす。
ラベル整形部41Bの下端部の左右の側面には、反射型のフォトインターラプタで構成される光センサ7からの射出光を反射する反射鏡417が取り付けられている。光センサ7は、ラベルLがマンドレル41のラベル整形部41Bに移送されたことを検出するセンサである。光センサ7(以下、「ラベル検出センサ7」という。)は、マンドレル41がラベル移送ユニット42に装着されたとき、当該マンドレル41の反射鏡417と略同一の高さ位置に光センサ7の受光部が当該反射鏡417に対向するように固定部材8に固着されている。
ラベル検出センサ7の発光部から反射鏡417に向けて射出された光は、反射鏡417で反射してラベル検出センサ7の受光部に入射する。ラベル検出センサ7から出力される信号は、ラベルLがマンドレル41のラベル整形部41Bに移送されていなければ、例えば、ハイレベルとなるが、ラベルLがマンドレル41のラベル整形部41Bに移送されると、当該ラベルLによって反射鏡417が遮光されるので、ローレベルとなる。従って、ラベル検出センサ7の出力信号のレベルが反転する(例えば、ハイレベルからローレベルに反転する)ことによってラベルLがマンドレル41のラベル整形部41Bに移送されたことが検出される。
マンドレル41は、ラベル移送ユニット42に着脱可能に装着されている。ラベル移送ユニット42には、図1に示すように、ラベル基材LMの下端がマンドレル41の楔形の部分で押し広げられて開口ガイド部41Aにラベル基材LMが被嵌された後、ラベル基材LMから切り離されラベルLをラベル整形部41Bに搬送するためのプーリが4対設けられている。4対のプーリ421,422,423,424は、マンドレル41を装着したときに開口ガイド部41Aの左右の側面がフィードベルト426を介して当接するように縦に並べて配置されており、プーリ421,422,423は、マンドレル41を着脱可能に装着する装着部材の機能も果たしている。
一番下の一対のプーリ421は、フィードベルト426を回転させるための駆動プーリであるが、他のプーリ422,423,424,425は、フィードベルト426の回転によって回転する従動プーリである。
マンドレル41の左右の側面には、図3(b)に示すように、傾斜面の下端から開口ガイド部41Aの下端にかけて3対のローラ413,412,411が所定の間隔を設けて回転可能に取り付けられている。6個のローラ413,412,411は、ローラ周面がマンドレル41の側面から僅かに露出するように設けられている。左右の側面のローラ312が設けられた部分には窪み414が形成されている。この窪み414は、マンドレル41を装着する際、ラベル移送ユニット42の一対の従動プーリ422を嵌まり込ませるための窪みである。
一対の窪み414に一対の従動プーリ422を嵌まり込ませるようにしてマンドレル41が装着されると、一対の従動プーリ422の下側の一対の駆動プーリ421がマンドレル41の一対のローラ411にそれぞれフィードベルト426を挟んで圧接され、上側の一対の従動プーリ423がマンドレル41の一対のローラ413にそれぞれフィードベルト426を挟んで圧接される。また、ラベル移送ユニット42の一対の従動プーリ424は、マンドレル41の上端部の楔形部分の左右の側面にそれぞれフィードベルト426を挟んで圧接される。これにより、マンドレル41は、ラベル移送ユニット42の一対の駆動ローラ421と二対の従動ローラ422,423により挟持させるようにして垂直に保持され、一対の駆動ローラ421と三対の従動ローラ422,423,424によって1対のフィードベルト426がそれぞれマンドレル41の開口ガイド部41Aの左右の側面に圧接される。
ラベル移送ユニット42は、フィードベルトによる同一構成の2つの移送機構42A,42Bで構成されている。一方の移送機構42Aは、ラベル装着位置P2を通る鉛直線Nに対して左側に配設され、他方の移送機構42Bは、同鉛直線Nに対して右側に配設されている(図1参照)。
移送機構42A,42Bは、上述した1個の駆動プーリ421、3個の従動プーリ422,423,424及びフィードベルト426と1個の従動プーリ425とで構成されている。移送機構42Aの駆動プーリ421と2つの従動プーリ424,425は三角形を描くように配置され、フィードベルト426は、駆動プーリ421と4つの従動プーリ422,423,424,425に掛け渡されている。移送機構42Bも移送機構42Aと同様に、駆動プーリ421と2つの従動プーリ424,425が三角形を描くように配置され、フィードベルト426が駆動プーリ421と4つの従動プーリ422,423,424,425に掛け渡されている。移送機構42Aの駆動プーリ421及び従動プーリ422,423,424,425と移送機構42Bの駆動プーリ421及び従動プーリ422,423,424,425は、鉛直線Nに対して対称位置に配置されている。
移送機構42Aの一列に並んだ駆動プーリ421と従動プーリ422,423は同一の支持部材に回転可能に支持されている。移送機構42Bの一列に並んだ駆動プーリ421と従動プーリ422,423も移送機構42Aと同様、同一の支持部材に回転可能に支持されている。移送機構42A,42Bの各駆動プーリ421は、サーボモータ(図示省略)によって駆動され、移送機構42Aのフィードベルト426と移送機構42Bのフィードベルト426は、ラベルLを上から下に搬送するように駆動される。すなわち、図1で、移送機構42Aのフィードベルト426は時計回りに回転され、移送機構42Bのフィードベルト426は反時計回りに回転される。
ラベル装着部5は、2個のショットローラ51と、各ショットローラ51がロータに固着された2つのサーボモータ52と、鉛直線Nに対するショットローラ51のローラ面の角度θを変更できるようにサーボモータ52を支持する支持プレート53とを含む構成である。サーボモータ52は、ショットローラ51の回転を制御する駆動源であり、図12のブロック図におけるラベルショット用モータM6に相当している。
図1では、マンドレル41の奥側に配置されるショットローラ51については、サーボモータ52のみが描かれ、そのサーボモータを取り付ける支持プレート53とその支持プレート53を固定する固定部材8は省略されているが、マンドレル41の手前側に描かれているショットローラ51、サーボモータ52、支持プレート53及び固定部材8と同様の構成であるので、ここでは、マンドレル41の手前側に描かれているショットローラ51乃至固定部材8について説明する。
ショットローラ51は、図4に示すにように、マンドレル41のラベル整形部41Bの直径よりも少し大きい直径を有するリング状のローラである。ショットローラ51は、サーボモータ52のロータの先端にローラ面がロータ軸と直交するように固着されている。サーボモータ52は、ショットローラ51がマンドレル41の前後の側面に設けられたボールローラ416に垂直に当接するように支持プレート53に取り付けられている。
支持プレート53におけるサーボモータ52の取付位置は、本体521がショットローラ51のボールローラ416への当接位置を中心に回転するように変更可能になっている。サーボモータ52の支持プレート53への取り付けは、支持プレート53に形成された2本の円弧状に湾曲した長孔531a,531bと、サーボモータ52の本体521の側面上部に所定の間隔を設けて突設された2つのピン521a,521bと、ピン521aにネジによって結合される固定レバー55とによって行われる。
長方形状の支持プレート53の先端には円弧状に湾曲したサーボモータ52の支持部53Aが延設され、その支持部53Aに2本の長孔531a,531bが形成されている。支持プレート53は、長方形状の本体部分を略水平にし、支持部53Aがマンドレル41のラベル整形部41Bを臨むように固定部材8に固定されている。
図1では、マンドレル41よりも外側(図1では手前側)に配置される一方の支持プレート53が支持部53Aを右向きにして固定部材8に固定され、これによりその支持部53Aに形成された2本の長孔531a,531bが手前側のボールローラ416を中心とした2つの同心円の円周上に位置するようになっている。一方、図1には描かされていないが、マンドレル41よりも内側(図1では奥側)に配置される他方の支持プレート53は支持部53Aを左向きにして固定部材8に固定され、これによりその支持部53Aに形成された2本の長孔531a,531bが奥側のボールローラ416(図1では見えていない)を中心とした2つの同心円の円周上に位置するようになっている。
支持部53Aに形成された長孔531aは、サーボモータ52の本体521を支持するための孔であり、長孔531bは、支持部53Aにおける本体521の支持点を長孔531aに沿って移動させる際のガイドをするための孔である。本体521に突設された2つのピン521a,521bの間隔は2本の長孔531a,531bの間隔と同じである。従って、サーボモータ52は、本体521に突設された2つのピン521aとピン521bをそれぞれ長孔531aと531bに嵌入し、ピン521aに固定レバー55を螺合してネジ締結することにより支持プレート53に固定される。
固定レバー55の締結力を緩めると、サーボモータ52は、長孔531aに沿って移動可能となる。ピン521b(以下、「ガイドピン521b」という。)が長孔531b(以下、「ガイド孔531b」という。)に嵌入しているので、固定レバー55の締結力を緩めてもサーボモータ52がピン521aを中心として回転することはない。サーボモータ52は、本体521の軸方向が長孔531aと略直交する姿勢を保持しながら当該長孔531aに沿って移動することができる。この移動は、サーボモータ52のロータの先端に固着されたショットローラ51をマンドレル41のボールローラ416に当接させた状態でローラ面を回転させる移動となる。
従って、固定レバー55を緩め、サーボモータ52を長孔531a,531bに沿って所望の位置に移動させた後、固定レバー55を締め付けることによりショットローラ51のローラ面の角度θを所定の角度範囲で所望の角度に設定することができる。
本実施形態では、ボールローラ416の位置と長孔531aの両端(若しくは長孔531bの両端)を挟む角度が凡そ60°となるように長孔531a,531bの長さを設定しているので(図4参照)、所定の角度範囲は凡そ60°である。サーボモータ52の取り付け位置を長孔531aの上端に設定すると、鉛直線Nに対するショットローラ51のローラ面の角度θは0°となり、サーボモータ52の取り付け位置を長孔531aの下端に設定すると、水平方向に対するショットローラ51のローラ面の角度θは反時計回りで60°となる。
支持プレート53にはサーボモータ52がマンドレル41と支持プレート53の間に配置されるように取りつけられる。図1では、マンドレル41の手前左側に描かれている支持プレート53には、サーボモータ52を当該支持プレート53の後側に配置し、ピン521aとガイドピン521bを当該支持プレート53の支持部531の後側から前側にそれぞれ支持部531の長孔531aとガイド孔531bに嵌入させた後ピン521aに固定レバー55をネジ締結して、サーボモータ52が取り付けられている。支持部53Aには、ガイド孔531bの外側に当該ガイド孔531bに沿って鉛直線Nに対するローラ面の角度θを示す目盛Mが刻印されている。
従って、作業者は、目盛Mを見ながらサーボモータ52の支持プレート53の支持部53Aへの取付位置を調節することによってショットローラ51のローラ面の鉛直線Nに対する傾斜角θを0°から60°の範囲で所望の角度に設定することができる。
2つのサーボモータ52は、ラベルLがマンドレル41のラベル整形部41Bに移送される毎に、それぞれ所定の回転速度で所定の回転数だけ間欠的に駆動される。この駆動は、2つのショットローラ51がラベル整形部41Bに移送されたラベルLをボトルBに装着するために下方向に打ち出す駆動である。ショットローラ51のローラ面の角度θが0°に設定されている場合は、当該ショットローラ51の回転トルクは鉛直方向の成分だけであるので、筒状のラベルLは周方向に回転することなく真下に打ち出される。ショットローラ51のローラ面の角度θが0°でない場合は、当該ショットローラ51の回転トルクは鉛直方向だけでなく水平方向の成分を含むので、筒状のラベルLは周方向に回転しながら真下に打ち出される。
ローラ面の角度θを小さくすると、ショットローラ51の回転トルクの水平成分/垂直成分の成分比は小さくなるから、筒状のラベルLの周方向の回転力を抑えて下方向への直進力を大きくすることができる。逆に、ローラ面の角度θを大きくすると、ショットローラ51の回転トルクの水平成分/垂直成分の成分比は大きくなるから、筒状のラベルLの下方向への直進力を抑えて周方向の回転力を大きくすることができる。
ショットローラ51の周速度をVS[mm/秒]とすると、筒状のラベルLにはショットローラ51から周速度VS×sin(θ)[mm/秒]の回転力が付与され、速度VS×cos(θ)[mm/秒]の直進力が付与される。筒状のラベルLは、周方向に適度の回転を与えていると、ボトルBに被せる際の直進方向におけるボトルBとの摩擦力を抑制することができる。このため、筒状に開いたラベルLに付与する送出力(ショットローラ51の回転トルクの鉛直成分)と周方向の回転力(ショットローラ51の回転トルクの水平成分)のバランスを調整できるようにするため、本実施形態では、上記のようにショットローラ51のローラ面の角度θを所定の角度範囲(60°)で調整できるようにしている。
ここで、図6と図7を用いて、ラベル装着システムのラベル装着動作の基本的なシーケンスについて説明する。図6は、ボトル検出センサ6及びラベル検出センサ7の出力信号S6,S7とショットローラ51、ラベル移送ユニット42及び基材搬送ユニット31の速度制御と基材切断ユニット32の駆動制御との関係を示すタイムチャートである。
ボトル搬送部2によってラベル装着位置P2に搬送されるボトルBがボトル検出センサ6で検出される直前(図6のタイミングt0の直前)では、2枚のラベルL1,L2(添え字は図7におけるラベルLの配列順を示す。)が図7(a)に示す位置関係でマンドレル41に被嵌された状態で停止している。先頭のラベルL1の停止位置は、その下端がラベル整形部41Bの下端にほぼ一致する位置であり、2番目のラベルL2は、その下端がラベルL1の上端に対して所定の間隔DL(以下、「ラベル間隔DL」という。)だけ上方に離れた位置である。
また、ラベル基材LMは、先端のカット位置MCが基材切断ユニット32によって切断された状態で停止している(図7(a)参照)。マンドレル41のラベル整形部41Bに被嵌されているラベルL2の上端と基材切断位置P1との間隔は略ラベル間隔DLである。従って、ラベルL2の上方にラベル間隔DLだけ離れて次のラベルL3がラベル基材LMに接続された状態で待機している。
ラベル整形部41Bの反射鏡417は、ラベルL1によって遮光されているので、ラベル検出センサ7の出力信号S7はローレベルになっている(図6のS7の波形参照)。ラベルL1は、先端部だけが一対のショットローラ51と一対のボールローラ416に挟まれた状態で停止しており、ラベルL2は、左右の側面が一対のフィードベルト426と開口ガイド部41Aの左右の側面に挟まれた状態で停止している。
タイミングt0でボトル検出センサ6の出力信号S6がハイレベルからローベルに反転し、ボトルBがラベル装着位置P2の直前に設定されているボトル検出位置P3(図2参照)に到達したことが検出されると、ショットローラ51、ラベル搬送ユニット42及び基材搬送ユニット31の間欠動作が同時に開始される。
図6に示すショットローラ51の速度制御Aは、ラベル装着位置P2を通過するボトルBに対してラベルL1を送出する(ボトルBにラベルL1を装着する)ための制御である。ショットローラ51は、サーボモータ52によって所定の周速度VSまで急加速された後、その周速度VSでラベルL1を回転させながら下方向に送出する。そして、ラベルL1の上端がショットローラ51とボールローラ416とのニップから外れた後に所定のタイミングt1で減速を開始してタイミングt2で停止する。タイミングt1ではラベルL1による反射鏡417の遮光が解除されるので、ラベル検出センサ7の出力信号S7はハイレベルに反転する(図6のt1におけるS7のレベル変化参照)。
図6に示すラベル搬送ユニット42の速度制御Bは、マンドレル41の開口ガイド部41Aに待機している次のラベルL2をラベル整形部41Bに移送するための制御である。また、基材搬送ユニット31の速度制御Cは、マンドレル41の開口ガイド部41Aに搬送するための制御である。すなわち、速度制御B,Cは、ラベルL2とラベル基材LMの先頭に位置しているラベルL3をそれぞれ図7(b)に示す位置に移送若しくは搬送する制御である。
ラベル基材LMをラベルL2とのラベル間隔DLを保持してマンドレル41の開口ガイド部41Aに搬送するために、ラベル搬送ユニット42と基材搬送ユニット31の制御は同期して行われ、ラベル搬送ユニット42のフィードベルト426の移動速度(ラベルLの移送速度)と基材搬送ユニット31の駆動ローラ31Aの周速度(ラベル基材LMの搬送速度)の速度制御B,Cには同一の速度プロファイルが設定されている。また、速度制御B,Cにおける移動速度Vb(速度プロファイルの最高速度(定速時の速度))は、移送開始後にラベルL2がラベルL1と干渉しないようにするため、ショットローラ51の速度制御Aにおける送出速度VS(速度プロファイルの最高速度(定速時の速度))よりも遅く設定されている。
ラベル移送ユニット42のフィードベルト426は、駆動プーリ421によって所定の移動度Vbまで加速された後、その移動速度VbでラベルL2を下方向に移送する。そして、ラベルL2の上端が駆動プーリ421とローラ411とのニップから外れた後に所定のタイミングt3で減速を開始してタイミングt4で停止する。基材搬送ユニット31の駆動ローラ31Aは、サーボモータによって所定の周速度Vbまで加速された後、その周速度Vbでラベル基材LMを下方向に移送し、タイミングt3で減速を開始してタイミングt4で停止する。
タイミングt0からタイミングt4までは、ラベルL2とラベル基材LMはラベル間隔DLを保持して下方向に移送若しくは搬送される。ラベル基材LMが下方向に搬送され、その先端がマンドレル41の楔形部分に衝突すると、ラベル基材LMの下端がその楔形部分で押し広げられ、ラベル基材LMの先端部分がマンドレル41の開口ガイド部41Aに被嵌される(図7(b)参照)。
そして、タイミングt4でラベル基材LMの搬送が停止すると、ラベル基材LMは、先頭のカット位置Mcが基材切断位置P1に設定された状態となる。この状態は、ラベル基材LMの先端からラベル長Dcの長さの部分が基材切断位置P1から下方向に繰り出され、先端側がマンドレル41の開口ガイド部41Aに被嵌された状態である。ラベルL2の停止位置は、ラベルL2の上端がラベル基材LMの下端からラベル間隔DLだけ離れた位置となるが、この位置は、図7(a)と図7(c)から分かるように、ラベルL2の下端がマンドレル41の下端から略ラベル間隔DLだけ上方にある位置である。
この状態では、ラベルL2の下端部は、一対のショットローラ51と一対のボールローラ416には挟まれておらず、ラベルL2の上端部がラベル移送ユニット42の一対のフィードベルト426とマンドレル41の開口ガイド部41Aの側面とに挟まれた状態となっている。マンドレル41の反射鏡417は、ラベルL2によって遮光されていないので、ラベル検出センサ7の出力信号S7のレベルは、ハイレベルが保持されている。
ラベルL2とラベル基材LMを図7(c)の状態で一旦停止させるのは、ラベル基材LMをカット位置Mcで切断するためである。タイミングt4でラベル基材LMが停止すると、所定のタイミングで基材切断ユニット32の可動刃32Aが往復動してラベル基材LMの切断処理が行われる(図6の切断制御Fと図7(d)参照)。
ラベル基材Mの切断処理が終了すると、タイミングt4から所定時間が経過したタイミングt5でショットローラ51の速度制御Dとラベル移送ユニット42の速度制御Eが行われる。ショットローラ51の速度制御Dは、図7(e)に示すように、ラベルL2の下端部を一対のショットローラ51と一対のボールローラ416で挟まれた状態にする制御であり、ラベル移送ユニット42の速度制御Eは、ラベル基材LMから切り離されたラベルL3をラベルL2に対してラベル間隔DLを保持してマンドレル41の開口ガイド部41Aに被嵌させる制御である。
速度制御Eでは、タイミングt5でフィードベルト426による移送が開始され、移送速度の加速中にラベルL2の上端がフィードベルト426から離れると、減速を開始する。一方、速度制御Dでは、タイミングt5でショットローラ51の駆動が開始されるが、ショットローラ51の送出速度の加速中にフィードベルト426から移送されたラベルL2の下端がショットローラ51とボールローラ416にニップされると、そのラベルL2を回転させながら所定の周速度VS’まで加速した後、その周速度VS’下方向に移動させる。そして、ラベル検出センサ7の出力信号S7のレベルがハイレベルからローベルに反転するタイミングt6で減速を開始してタイミングt7でラベルL2を停止させる。
図7(e)と図7(a)から分かるように、図7(e)の状態は、図7(a)のラベルL1,L2,L3の各停止位置にラベルL2,L3,L4を移動させた状態である。速度制御Dにおける移送速度VS’は、速度制御Aにおける送出速度VSの凡そ1/2である。また、マンドレル41のローラ面の角度θが60°に設定されている場合、速度制御Eにおける移送速度Vb’(速度プロファイルのピーク速度)は、移送速度VS’の凡そ1/2に設定される。
θ=60°の場合、ショットローラ51によるラベルLの下方向の搬送速度VnはVn=VS’×cos(60°)=VS’/2となるから、Vb’=VS’/2に設定することにより、ラベル移送ユニット42によるラベルL3の下方向の移送速度Vb’とショットローラ51によるラベルL3の下方向の移送速度Vnを略同一にし、ラベル間隔DLを保持してラベルL2,L3のマンドレル41における位置を図7(d)の状態から同図(e)の状態に移動させている。
図7(e)の状態は、図7(a)の状態に戻っているから、次のボトルBがボトル検出センサ6によって検出されると、上述したタイミングt0からタイミングt7までのショットローラ51、ラベル移送ユニット42及び基材搬送ユニット31の速度制御と基材切断ユニット32の切断制御のシーケンスが繰り返されることになる。ボルト搬送部2によるボトルBの搬送速度をVB[mm/秒]とすると、各ボトルBがラベル装着位置P1に搬送される周期TBは、TB=DB/VB[秒]であるから、上記のラベル装着のシーケンスは周期DB/VBで繰り返される。
ボトル搬送部2によりボトル間隔DBで搬送される多数のボトルBは、ラベル装着位置P2を通過する毎にラベル装着部5のショットローラ51によってラベルLの装着処理が行われる。マンドレル41のラベル整形部41Bで筒状に開口されたラベルLの直径RLは、ボトルBの断面で最も大きい断面の直径RBよりも大きく設定されているが、その差分ΔR=RL−RBは僅かである。このため、ボトルBがラベル装着位置P2を通過する際にショットローラ51によって送出されたラベルLは、ボトルBに被せられた後、当該ボトルBの胴部と擦れ合いながら直進し(下降し)、ボトルBにおける任意の高さ位置で停止する。
ボトルBにおけるラベルLの装着位置を、図8に示すように、ラベルLの下端のボトルBの底面(コンベアベルト2aの載置面Q)からの高さ位置H[mm]で定義すると、水平方向に移動しているボトルBに対してラベルLを垂直方向に送出して当該ボトルBに被せる処理を繰り返した場合、各処理でのボトルBとラベルLの間の摩擦抵抗は一定ではないから、各ボトルBのラベルLの装着位置Hは変動する。このため、ラベル装着位置P2の下流側にはポジショニング装置(図示省略)が設けられ、各ボトルBのラベルLの装着位置Hがポジショニング装置によって所定の位置HRに調整されるようになっている。
しかしながら、ポジショニング装置には調整可能なラベル装着範囲(0〜Hmax[mm])があり、Hmax≦Hのラベル装着済みボトルBは、ポジショニング装置では所定の位置HRに調整できず、熱収縮処理後に行われるラベル装着検査でラベル装着不良となって排出されることになる。
本実施形態に係るラベル装着システム1では、ラベル装着不良の数を可及的に低減するため、ラベル装着位置P2でボトルBにラベル装着処理が行われる毎に当該ボトルBに装着されたラベルの装着位置Hを検出し、その検出値Hがラベル装着範囲の上限値Hmax以上の場合はショットローラ51の速度制御Aにおける送出速度VSを変化させる制御を行うようにしている。ショットローラ51の送出速度VSの制御は、本実施形態に係るラベル装着システム1の特徴的な構成である。
ショットローラ51の送出速度VSを制御する制御系は、図9と図12に示すように、少なくとも2つの光センサ9,10と1つのライン状の光センサ11と、光センサ9,11の出力信号に基づいてサーボモータ52の回転速度(ショットローラ51の送出速度VS)を速くしたり、遅くしたりする制御をする制御部12とを含む。
ショットローラ51によって送出されたラベルLがボトルBの胴部に装着される態様として、コンベアベルト2aの載置面Qに到達する前に停止して装着される態様(ラベル装着態様(イ))とコンベアベルト2aの載置面Qに到達し、その載置面Qでバウンドした後に停止して装着される態様(ラベル装着態様(ロ))の2種類がある。光センサ9は、ショットローラ51によって送出されたラベルLがラベル装着態様(イ),(ロ)のいずれの態様で装着されたのかを判別するためのセンサである。光センサ11はボトルBのラベル装着位置Hがポジショニング装置の調整可能な変動範囲内であるか否かを判別するためのセンサである。
本実施形態に係るラベル装着システム1では、ラベルLがボトルBに装着されるラベル装着位置Hがラベル装着範囲(0〜Hmax)内となるように、ラベルLの送出速度VSが所定の速度に初期設定されている。ラベルLがラベル装着態様(イ)でボトルBに装着され、そのラベル装着位置Hがラベル装着範囲の上限値Hmax以上となる場合(ラベル装着不良となる場合)、ラベルLの送出速度VSは適切な送出速度よりも遅すぎると考えられる。逆に、ラベルLがラベル装着態様(ロ)でボトルBに装着され、そのラベル装着位置Hがラベル装着範囲の上限値Hmax以上となる場合、ラベルLの送出速度VSは適切な送出速度よりも速すぎると考えられる。
このため、制御部12は、光センサ9と光センサ11の出力信号に基づき、ラベル装着態様(イ)でラベル装着不良が生じたことを検出すると、ショットローラ51の速度制御Aにおける送出速度VSを予め設定された変化量ΔVだけ増大し、ラベル装着態様(ロ)でラベル装着不良が生じたことを検出すると、同送出速度VSを変化量ΔVだけ減少する処理を行う。送出速度VSの変化量ΔVは、任意の値を設定することができるが、例えば、送出速度VSの初期設定値の10%等の値が設定される。
制御部12は、ショットローラ51がラベルLを送出する毎に、光センサ9(以下、「ラベル装着態様検出センサ9」という。)によって各ラベルLのラベル装着態様を判別するとともに光センサ11(以下、「ラベル装着位置検出センサ11」という。)によって各ラベルLのラベル装着位置Hを検出し、その判別結果と検出結果に基づいてショットローラ51の速度制御Aにおける送出速度VSを変化させる処理を繰り返すが、各処理は、各ラベルLのボトルBへの装着動作に同期して行う必要がある。
光センサ10は、ショットローラ51によって送出されたラベルLのボトルBへの装着動作を検出するセンサである。制御部12は、光センサ10(以下、「ラベル装着動作検出センサ10」という。)の出力信号によって各ラベルLがボトルBへの装着動作中であることを検出し、この検出中に各ラベルLのラベル装着態様の判別とボトルBのラベル装着位置Hの検出の処理を行い、その処理結果に基づきショットローラ51の速度制御Aにおける送出速度VSを変化させる処理を行う。
ラベル装着態様検出センサ9は、ラベル検出センサ7と同様に反射型のフォトインターラプタで構成されている。ラベル装着態様検出センサ9は、図9に示すように、鉛直線Nより右側に所定の距離だけずれた線上のコンベアベルト2aの載置面Qから所定の高さHsの位置に設けられている。所定の距離は、ラベルLの幅WLの1/2よりも短い距離であり、所定の高さHsは、ラベル装着範囲の上限値Hmaxと略同一の高さである。ラベル装着態様検出センサ9の正面手前にはラベル装着態様検出センサ9からの射出光を反射する反射鏡が設けられているが、図9では描かれていない。
ラベル装着位置検出センサ11は、反射型のフォトインターラプタを複数個一列に配列した光センサで構成される。ラベル装着位置検出センサ11は、鉛直線Nに対してラベル装着態様検出センサ9よりも外側の所定の位置に縦向きに配設されている。ラベル装着位置検出センサ11の鉛直線Nからの配設位置もラベルLの幅WLの1/2よりも短い距離の位置である。また、ラベル装着位置検出センサ11の高さ位置は、縦に配列された最も下位のフォトインターラプタがラベル装着態様検出センサ9と略同一の高さとなる位置である。ラベル装着位置検出センサ11の正面手前にもラベル装着位置検出センサ11からの射出光を反射する反射鏡が設けられているが、図9では描かれていない。
ラベル装着動作検出センサ10は、ラベル装着態様検出センサ9と同一の反射型のフォトインターラプタで構成されている。ラベル装着動作検出センサ10は、ラベル装着位置検出センサ11の下側に近接させて配設されている。ラベル装着動作検出センサ10の正面手前にもラベル装着動作検出センサ10からの射出光を反射する反射鏡が設けられているが、図9では描かれていない。
図10は、ショットローラ51によって送出されたラベルLがボトルBに装着されるときのラベル装着態様検出センサ9とラベル装着動作検出センサ10の出力信号の波形の一例を示す図である。
図10(a)は、ラベルLがラベル装着態様(ロ)でボトルBに装着されて「ラベル装着不良」となる(H≧Hmaxとなる)場合のラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9の波形を示し、図10(b)は、ラベルLがラベル装着態様(イ)又はラベル装着態様(ロ)でボトルBに装着されて「ラベル装着良」となる(H<Hmaxとなる)場合のラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9の波形を示し、図10(c)は、ラベルLがラベル装着態様(イ)でボトルBに装着されて「ラベル装着不良」となる(H≧Hmaxとなる)場合のラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9の波形を示している。また、図10(d)は、図10(c)の場合に対応するラベル装着状態検出センサ10の出力信号S10の波形を示している。
図7の例を用いて、図10に示す各タイミングを説明すると、図10(a)〜図10(c)において、タイミングt0は、ショットローラ51の駆動が開始された(ラベルL1の送出が開始された)タイミングである。タイミングtCは、送出されたラベルL1が停止するタイミングである。ショットローラ51は、ボトル検出センサ6の出力信号S6によりボトルBが検出されると(図6のタイミングt0参照)、駆動が開始されるから、タイミングt0は、ボトル検出センサ6によるボトルBの検出周期TB=DB/VBと同一の周期で発生する。
また、タイミングtAは、送出されたラベルL1の下端がラベル装着態様検出センサ9の遮光を開始したタイミングであり、このタイミングtAでラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9はハイレベルからローレベルに反転する。タイミングtBは、送出されたラベルL1の上端がラベル装着態様検出センサ9を通過してラベル装着態様検出センサ9の遮光が解除されるタイミングであり、このタイミングtBでラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9はローレベルからハイレベルに反転する。
図10(b)の場合は、送出されたラベルL1の上端がラベル装着態様検出センサ9を通過した後H<Hmaxとなる位置に停止するので、ラベル装着態様検出センサ9の遮光が解除された状態が次のタイミングt0まで継続する。このため、出力信号S9のタイミングtBから次のタイミングt0までの期間はハイレベルとなっている。
図10(c)の場合は、コンベアベルト2aの載置面Qに到達したラベルL1が当該載置面Qでバウンドし、タイミングtBの直後にラベルL1の上端部がラベル装着態様検出センサ9を再び遮光するので、タイミングtAからタイミングtCまでの間にパルス状の信号SPが出力される。一方、図10(a)の場合は、送出されたラベルL1の上端がラベル装着態様検出センサ9を通過することがなく、図10(b)の場合は、送出されたラベルL1の上端がラベル装着態様検出センサ9を通過した後、ラベルLがコンベアベルト2aの載置面QでバウンドしてH<Hmaxとなる位置に停止するので、いずれの場合もタイミングtAからタイミングtCまでの間にパルス状の信号SPが出力されることはない。
タイミングtEは、ボトル搬送部2によるボトルBの水平移動によってラベル装着態様検出センサ9の射出光の遮光が解除されるタイミングであり、このタイミングtEでラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9はローレベルからハイレベルに反転する。タイミングtEの後は、次のラベルL2が送出され、そのラベルL2の下端がラベル装着態様検出センサ9の遮光を開始するまで(次のタイミングtAまで)、出力信号S9のハイレベルが継続される。
図10(d)において、タイミングtDは、送出されたラベルL1の下端がラベル装着動作検出センサ10の射出した光の遮光を開始したタイミングであり、このタイミングtDで出力信号S10はハイレベルからローレベルに反転する。タイミングtFは、ボトル搬送部2によるボトルBの水平移動によってラベル装着動作検出センサ10の射出光の遮光が解除されるタイミングであり、このタイミングtFで出力信号S10はローレベルからハイレベルに反転する。タイミングtFの後は、次のラベルL2が送出され、そのラベルL2の下端がラベル装着動作検出センサ10の遮光を開始するまで(次のタイミングtDまで)、出力信号S10のハイレベルが継続される。ラベル装着動作検出センサ10は、ラベル装着態様検出センサ9よりも僅かに低い位置に配設されているので、タイミングtD,tFはそれぞれ図10(c)のタイミングtA,tEより微小時間だけ遅れている。
制御部12は、出力信号S9がタイミングtAでハイレベルからローレベルに反転すると、所定の時間TGだけ出力信号S9のレベルを監視する。ローレベルが所定の時間TG以上継続する場合(図10(a)の場合)は、ラベルL1の送出速度VSは適切な速度範囲VAL〜VAH(ボトルBにおけるラベルL1のラベル装着位置H1をポジショニング装置のラベル装着範囲(0〜Hmax)内に制御可能な速度範囲)に対して遅すぎる場合である。所定の時間TGが経過するまでにパルス状の信号Spが出力される場合(図10(c)の場合)は、ラベルL1の送出速度VSは適切な速度範囲に対して速すぎる場合である。
制御部12は、ラベルLの送出速度VSが適切な速度範囲に対して遅すぎる又は速すぎる場合、ラベル装着位置検出センサ11によってラベルL1のラベル装着位置H1を検出し、その検出結果に基づいてレベルLの送出速度VSを2段階で速くしたり、遅くしたりする制御を行う。
図11は、ラベルLがボトルBに装着されたときのラベル装着位置検出センサ11の出力信号の波形の一例を示す図である。
図11の横軸は複数個のフォトインターラプタの配列方向を示し、「0」の位置がラベル装着位置検出センサ11の最も下位にあるフォトインタ―ラプタである。縦軸は各フォトインターラプタの出力レベルを示し、図11は、ラベルL1の上端がコンベアベルト2aの載置面から高さH1の位置で停止した場合の例を示している。
図11の例では、ラベル装着位置検出センサ11の下端から長さDS[mm]の部分までのフォトインターラプタがラベルL1によって遮光されているので、その部分の出力レベルはローレベルとなっている。ラベル装着位置検出センサ11の出力レベルが全てハイレベルの場合、ラベルL1の装着位置は、図9に示すように、ラベルLの下端がコンベアベルト2aの載置面Qに略一致した位置(H=0の位置)となるから、ラベル装着位置検出センサ11の出力レベルがローレベルとなっている部分の長さDSはラベルLの下端のコンベアベルト2aの載置面Qからの高さ位置Hに対応している。
制御部12は、ラベル装着位置検出センサ11の出力信号S11のローレベルとなっているフォトインターラプタによってラベルL1のラベル装着位置H1を検出する。
ラベルL1がラベル装着態様(イ)若しくはラベル装着態様(ロ)で送出された場合、ラベル装着位置H1は、適正な送出速度VSCに対する送出速度VSの速度差ΔVS=|VSC−VS|が大きいほど高くなる。従って、ラベル装着位置H1の検出値が大きいほど、送出速度VSの変化量ΔVを大きくして送出速度VSを早く適正速度VSCに修正する必要がある。
制御部12には、ラベル装着位置H1に基づいて送出速度VSの速度差ΔVSを2段階に評価するための閾値HTH[mm]が設定され、その閾値HTHを用いた速度差ΔVSの評価結果に対して送出速度VSを修正するための2種類の変化量ΔV1,ΔV2(ΔV2>ΔV1)が設定されている。制御部12は、ラベルL1のラベル装着位置H1を検出すると、その検出値を閾値HTHと比較し、H1<HTHであれば、ショットローラ51の送出速度VSを第1の変化量ΔV1で変化させ、HTH≦H1であれば、ショットローラ51の送出速度VSを第2の変化量ΔV2で変化させる。
すなわち、制御部12は、ラベルL1がラベル装着態様(イ)で送出され、ラベル装着位置H1の検出値がH1<HTHであれば、ショットローラ51の送出速度VSを(VS+ΔV1)に増大し、HTH≦H1であれば、同送出速度VSを(VS+ΔV2)に増大する。また、制御部12は、ラベルL1がラベル装着態様(ロ)で送出され、ラベル装着位置H1の検出値がH1<HTHであれば、ショットローラ51の送出速度VSを(VS−ΔV1)に減少し、HTH≦H1であれば、同送出速度VSを(VS−ΔV2)に減少する。制御部12は、ラベルL2,L3,…についても同様の速度制御を行い、ショットローラ51の速度制御Aにおける送出速度VSを適切な送出速度VSCに自動的に調整する。
次に、図12のブロック図を用いてラベル装着システム1の電気的な構成について説明する。図12において、図1〜図9に示す部材と同一の部材には同一の符号を付している。これらの部材については既に説明しているので、以下では、重複説明は省略し、補充的な説明だけをする。
制御部12は、ラベル装着システム1におけるラベルLの供給及び装着の動作を制御し、制御部13は、ラベル装着システム1におけるボトルBの搬送動作を制御する制御部である。制御部12,13は、それぞれCPU(Central Process Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータで構成されている。制御部12と制御部13は相互に接続され、両制御部12,13の間でボトル搬送動作とラベル装着動作に関するデータ及び制御信号等が相互に送受されるようになっている。
スクリュー2bは、コンベアベルト2a上に載置されて搬送される多数のボトルBにボトル間隔DBを設けるための部材である。スクリュー2bは、円筒状の棒部材の側面に凹溝が間隔DBで螺旋条に形成された部材である。コンベア用モータM1は、コンベアベルト2aに回転力を与えるモータであり、スクリュー用モータM2は、スクリュー2bに回転力を与えるモータである。コンベア用モータM1とスクリュー用モータM2には、インダクションモータが用いられている。インバータIV1は、コンベア用モータM1に交流電力を供給する電源であり、インバータIV2は、スクリュー用モータM2に交流電力を供給する電源である。コンベアベルト2a、スクリュー2b、コンベア用モータM1、スクリュー用モータM2及びインバータIV1,IV2は、ボトル搬送部2の構成要素である。
インバータIV1,IV2は、ラベル装着システム1におけるボトルBの搬送動作を制御する制御部13に接続されている。制御部13は、ROMに記憶されているボトル搬送制御プログラムに基づいてインバータIV1,IV2を介してコンベア用モータM1とスクリュー用モータM2とに供給する交流電力を制御し、これによりコンベアベルト2aとスクリュー2bの駆動開始/駆動停止や駆動中の回転速度を制御する。制御部13は、コンベアベルト2aによるボトルBの搬送速度とスクリュー2bによるボトルBの搬送速度が同一になるように制御する。コンベア用モータM1とスクリュー用モータM2の回転速度は変更可能で、制御部13は、両モータM1,M2の回転速度を連動して変化させることにより、ボトル搬送部2によるボトルBの搬送速度を変化させる。
基材搬送用モータM3は、駆動ローラ31Aに回転力を与えるモータであり、基材切断用モータM4は、可動刃32Aに駆動力を与えるモータである。また、ラベル移送用モータM5は、フィードベルト426に移動力を与えるモータであり、ラベルショット用モータM6は、ショットローラ51に回転力を与えるモータである。ラベルショット用モータM6は、上述したモータ51に相当するモータである。基材搬送用モータM3、基材切断用モータM4、ラベル移送用モータM5及びラベルショット用モータM6にはサーボモータが用いられている。4つのサーボアンプSA1〜SA4は、それぞれ基材搬送用モータM3、基材切断用モータM4、ラベル移送用モータM5、ラベルショット用モータM6の駆動を制御する制御器である。
駆動ローラ31A、可動刃32A、フィードベルト426、基材搬送用モータM3、基材切断用モータM4、ラベル移送用モータM5及びサーボアンプSA1〜SA3は、ラベル供給部3の構成要素である。ショットローラ51、ラベルショット用モータM6およびサーボアンプSA4は、ラベル装着部4の構成要素である。
基材搬送用モータM3、基材切断用モータM4、ラベル移送用モータM5及びラベルショット用モータM6は、それぞれサーボアンプSA1,SA2,SA3,SA4から出力される駆動信号によって回転動作を行う。4つのサーボアンプSA1〜SA4は、制御部12に接続されている。制御部12は、ROMに記憶されているラベル供給制御プログラムに基づいてサーボアンプSA1〜SA4からそれぞれ出力される駆動信号を制御し、これにより基材搬送用モータM3、基材切断用モータM4、ラベル移送用モータM5及びラベルショット用モータM6の駆動の駆動開始/駆動停止や駆動中の回転速度を制御する。
5つのセンサアンプCA1〜CA5は、それぞれボトル検出センサ6、ラベル検出センサ7、ラベル装着態様検出センサ9、ラベル装着動作検出センサ10及びベル装着位置検出センサ11の各出力信号S6,S7,S9,S10,S11のレベルを所定のレベルに増幅する増幅器である。5つのセンサアンプCA1〜CA5は、制御部12に接続されている。ボトル検出センサ6、ラベル検出センサ7、ラベル装着態様検出センサ9、ラベル装着動作検出センサ10及びベル装着位置検出センサ11の各出力信号S6,S7,S9,S10,S11は、それぞれセンサアンプCA1,CA2,CA3,CA4,CA5で所定のレベルに増幅された後、制御部12に入力される。
制御部12は、センサアンプCA1から入力される出力信号S6によってボトルBがラベル装着位置P1の直前に搬送されたことを検出し、センサアンプCA2から入力される出力信号S7によってラベルLがマンドレル41のラベル整形部41Bにセットされたことを検出する。また、制御部12は、センサアンプCA3から入力される出力信号S9によってショットローラ51によって送出されたラベルLの装着態様を判別し、センサアンプCA4から入力される出力信号S10によってラベルLの装着動作を検出し、センサアンプCA5から入力される出力信号S11によってボトルBにおけるラベルLのラベル装着位置Hを検出する。
操作表示装置14は、制御部12,13がボトル供給制御とラベル装着制御を行うために必要なデータをユーザが設定するための入力装置と運転中のラベル装着動作の状態を示すデータやユーザによって設定されたデータを表示するための表示装置が一体化された装置である。ラベル装着システム1の生産能力(1分間当たりのラベル装着処理数)、速度制御A,B,C,Dにおける速度VS,VS’,速度Vb,速度Vb’の初期値、閾値HTH、送出速度VSの変化量ΔV1,ΔV2等のデータがユーザによって操作表示装置14から設定される。また、ユーザは本運転中の送出速度VSの変化状態を操作表示装置14に表示させることができる。
次に、図13,図14に示すフローチャートを用いて、制御部12が行うショットローラ51の速度制御の処理手順について説明する。
図13,図14に示すフローチャートは、ラベル装着システム1を試運転させてボトルBの搬送準備とラベルの供給準備が終了した後に本運転を開始させたときの処理手順である。本運転開始時は、多数のボトルBがラベル装着部2によりボトル間隔DBでラベル装着位置P2に搬送可能な状態で停止しており、マンドレル41にはラベル整形部41BにラベルLがセットされた状態で停止している。制御部12には、速度制御A,B,C,Dにおける速度VS,VS’,速度Vb,速度Vb’の初期値が設定されている。
操作表示装置14から本運転の操作信号が入力されると、制御部13がインバータIN1,IV2に駆動制御信号を出力し、インバータIN1とインバータIV2からそれぞれコンベア用モータM1とスクリュー用モータM2に交流電力を出力させてコンベアベルト2aとスクリュー2bを所定の速度で駆動させる(S1)。これによりコンベアベルト2aが所定の搬送速度VBで多数のボトルBを搬送し、スクリュー2bがコンベアベルト2aで搬送される多数のボトルBに所定のボトル間隔DBを設定する。従って、多数のボトルBが周期TB=DB/VB[秒]でラベル装着位置P2に搬送される。
制御部12は、センサアンプCA1から入力されるボトル検出センサ6の出力信号S6がハイレベルからローレベルに反転すると(タイミングt0の検出。S2:YES)、サーボアンプSA4を介してラベルショット用モータM6(52)に駆動信号を出力し、ラベルショット用モータM6(52)によってショットローラ51を速度制御Aの速度プロファイルで回転駆動させる。これにより、マンドレル41のラベル整形部41BにセットされているラベルLがラベル装着位置P1に向けて送出される(S3)。
また、制御部12は、タイミングt0が検出されると(S2:YES)、サーボアンプSA3を介してラベル移送用モータM5に駆動信号を出力し、ラベル移送用モータM5によってフィードベルト426を速度制御Bの速度プロファイルで回転駆動させる。それと同時に、サーボアンプSA1を介して基材搬送用モータM3に駆動信号を出力し、基材搬送用モータM3によって駆動ローラ31Aを速度制御Cの速度プロファイルで回転駆動させる。これによりマンドレル41の開口ガイド部41Aに被嵌されているラベルLがラベル整形部41Bに移送されるとともに、ラベル基材LMが搬送され、その先端部が開口ガイド部41Aに被嵌される(S4)。
制御部12は、速度制御Cによるラベル基材LMの搬送が終了した後の所定のタイミングでサーボアンプSA2を介して基材切断用モータM4に駆動信号を出力し、基材切断用モータM4によって可動刃32Aを往復動させる。これによりラベル基材LMから先端のラベルLが切り離される(S5)。
制御部12は、ラベルLを送出した後、センサアンプCA3から入力されるラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9がハイレベルからローレベルに反転すると(タイミングtAの検出。S6:YES)、予め設定された時間TGの計時を開始し(S7)、時間TGの計時が終了するまでセンサアンプCA4から入力されるラベル装着動作検出センサ10の出力信号S10を監視する(S8,S9のループ)。
制御部12は、出力信号S10がハイレベルからローレベルに反転することなく時間TGの計時が終了すると(S9:YES)、エラーと判断してステップS2に戻る。一方、制御部12は、時間TGの計時が終了するまでに出力信号S10がハイレベルからローレベルに反転すると(タイミングtDの検出。S8:YES)、ラベル装着の態様を示すフラグFを「0」にリセットした後(S10)、時間TGの計時が終了するまでセンサアンプCA3から入力されるラベル装着態様検出センサ9の出力信号S9を監視する(S11,S12,S13のループ又はS11,S12,S14,S15のループ)。
フラグFは、送出されたラベルLがラベル装着態様(イ)とラベル装着態様(ロ)のいずれであるかを示す情報で、本実施形態ではF=0がラベル装着態様(イ)を示し、F=1がラベル装着態様(ロ)を示すように設定されている。F=0をラベル装着態様(ロ)に対応させ、F=1をラベル装着態様(イ)に対応させるようにしてもよい。
制御部12は、S11〜S13のループの監視処理で時間TGの計時が終了するまでに出力信号S9がローレベルからハイレベルに反転し(タイミングtBの検出。S11:YES)、そのハイレベルが時間TGの計時が終了するまで継続すると(S12:NO、S13:YES)、ラベルLの送出速度VSの修正は不要と判断し、ステップS2に戻る。
一方、制御部12は、S11,S12,S14,S15のループの監視処理で時間TGの計時が終了するまでに出力信号S9がローレベルからハイレベルに反転した後直ちにローレベルに反転すると(パルス状の信号SPの検出。S12:YES)、ラベルLの送出速度VSは速すぎると判断し、フラグFを「1」にセットする(S14)。
制御部12は、S11,S12,S14,S15のループの監視処理で時間TGの計時が終了すると(S15:YES)、ステップS16に移行し、センサアンプCA5から入力されるラベル装着位置検出センサ11の出力信号S11に基づいてラベルLのラベル装着位置H(=DS)を検出し、その検出値Hが所定の閾値HTH以上であるか否かを判別する(S17)。
制御部12は、HTH≦Hであれば(S17:YES)、フラグFの状態を判別し(S18)、F=1であれば(S18:YES)、速度制御Aの送出速度VSの現在値を予め設定された変化量ΔV2だけ減少させた後(S19)、ステップS2に戻る。この処理は、ラベルLがラベル装着態様(ロ)で送出され、その送出速度VSが適正な送出速度VSCよりも速すぎるためにベルトコンベア2aの載置面Qでバウンドして停止した高さ位置Hが閾値HTH以上であるケースであるので、2つの変化量ΔV1,ΔV2のうち、大きい方の変化量ΔV2でラベルLの送出速度VSを減少させる処理である。
制御部12は、ステップS18でF=0であれば(S18:NO)、速度制御Aの送出速度VSの現在値を予め設定された変化量ΔV2だけ増加させた後(S20)、ステップS2に戻る。この処理は、ラベルLがラベル装着態様(イ)で送出され、その送出速度VSが適正な送出速度VSCよりも遅すぎるためにベルトコンベア2aの載置面Qに到達する前に停止した高さ位置Hが閾値HTH以上であるケースであるので、大きい方の変化量ΔV2でラベルLの送出速度VSを増加させる処理である。
制御部12は、ステップS17でH<HTHであれば(S17:NO)、フラグFの状態を判別し(S21)、F=1であれば(S21:YES)、速度制御Aの送出速度VSの現在値を予め設定された変化量ΔV1だけ減少させた後(S22)、ステップS2に戻る。この処理は、ラベルLがラベル装着態様(ロ)で送出され、その送出速度VSが適正な送出速度VSCより速いがベルトコンベア2aの載置面Qでバウンドして停止した高さ位置Hが閾値HTHよりも小さいケースであるので、2つの変化量ΔV1,ΔV2のうち、小さい方の変化量ΔV1でラベルLの送出速度VSを減少させる処理である。
制御部12は、ステップS21でF=0であれば(S21:NO)、速度制御Aの送出速度VSの現在値を予め設定された変化量ΔV1だけ増加させた後(S23)、ステップS2に戻る。この処理は、ラベルLがラベル装着態様(イ)で送出され、その送出速度VSが適正な送出速度VSCよりも遅いがベルトコンベア2aの載置面Qに到達する前に停止した高さ位置Hが閾値HTHよりも小さいケースであるので、小さい方の変化量ΔV1でラベルLの送出速度VSを増加させる処理である。
なお、ステップS19〜S23では、速度制御Aの送出速度VSの修正に伴い、速度制御Bの移動速度Vbと速度制御Dの移送速度VS’も送出速度VSの修正値に応じた速度に修正される。
本実施形態に係るラベル装着システム1におけるショットローラ51の速度制御によれば、ボトルBに装着されるラベルLのラベル装着位置Hが閾値HTHよりも小さい場合、そのラベルLがラベル装着態様(イ)で送出され、ベルトコンベア2aの載置面QでバウンドすることなくボトルBに装着された場合はショットローラ51の送出速度VSを小さい変化量ΔV1で増加させ、そのラベルLがラベル装着態様(ロ)で送出され、ベルトコンベア2aの載置面Qでバウンドした後にボトルBに装着された場合はショットローラ51の送出速度VSを小さい変化量ΔV1で減少させるので、可及的迅速にショットローラ51の送出速度VSを適正な送出速度VSCに安定化させることができる。
また、ボトルBに装着されるラベルLのラベル装着位置Hが閾値HTH以上の場合、そのラベルLがラベル装着態様(イ)で送出され、ベルトコンベア2aの載置面QでバウンドすることなくボトルBに装着された場合はショットローラ51の送出速度VSを大きい変化量ΔV2で増加させ、そのラベルLがラベル装着態様(ロ)で送出され、ベルトコンベア2aの載置面Qでバウンドした後にボトルBに装着された場合はショットローラ51の送出速度VSを大きい変化量ΔV2で減少させるので、可及的迅速にショットローラ51の送出速度VSを適正な送出速度VSCに安定化させることができる。
従って、ボトルBに装着されたラベルLのラベル装着位置Hがラベル装着範囲(0〜Hmax)を超える現象が発生すると、ラベル装着位置Hがラベル装着範囲(0〜Hmax)内となるように、ラベルLの送出速度VSが所定の変化量ΔV1又はΔV2で修正されるので、可及的に少ないラベル装着不良数でショットローラ51の送出速度VSを適正な送出速度VSCに自動制御することができる。これにより、ラベル装着システム1のラベル装着処理の不良率と稼働率の低下を低減することができる。
なお、本実施形態では、ラベルショット用モータM6としてサーボモータを使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータ等、ショットローラ51の回転駆動を開始した後、極めて短時間で最終の被嵌速度に対応する回転速度まで増速させることができる種々の駆動手段を採用することができる。
また、本実施形態では、マンドレル41のラベル整形部41Bの下端位置にショットローラ51を配設しているが、ショットローラ51は、ラベル整形部41Bの任意の位置に配設することができる。
また、本実施形態では、ショットローラの送出速度VSの変化量をラベル装着位置Hに応じて2段階に変化させるようにしているが、その変化量は1種類だけでも良く、3段階以上であってもよい。また、ラベル装着位置検出手段により検出されたラベル装着位置Hに基づいて、ラベル装着手段のラベルの送出速度VSの修正の要否を判断する判断手段について、上記実施形態ではラベル装着位置Hの各検出値に逐次対応して送出速度VSを修正する例を示したが、本発明はこれに限らず、状態判断を適正に行うためにラベル装着位置Hの各検出値が所定数になった時点でその傾向に沿った送出速度VSに修正するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ショットローラ51のローラ面の傾斜角θを固定とし、その傾斜角θに対するショットローラの送出速度VSの変化量ΔV1,ΔV2を予め設定する場合について説明したが、ショットローラ51のローラ面の傾斜角θの調整範囲内の代表的な複数の角度についてショットローラの送出速度VSの変化量ΔV(θ)をそれぞれ設定しておき、作業者が傾斜角θを調整した場合は変化量ΔV(θ)もその調整値に対する変化量ΔV(θ)に変更設定するようにしてもよい。
この場合、作業者に操作表示装置14から変化量ΔV(θ)を直接入力させるようにしてもよく、作業者が操作表示装置14から傾斜角θを入力すると、その傾斜角θに対応する変化量ΔV(θ)をメモリから読み出して制御部12に自動的に設定するようにしてもよい。また、変化量ΔV(θ)が設定されていない傾斜角θについては、設定されている傾斜角θの変化量ΔV(θ)を用いて補間演算により変化量ΔV(θ)を算出して自動的に設定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ラベルショット用モータM6の取り付け位置(ショットローラ51のローラ面の傾斜角θ)を手動で変更するようにしているが、モータを駆動源として変更させるようにしてもよい。この場合は、作業者が操作表示装置14からボタン操作でモータを駆動させると、その駆動量に基づいてショットローラ51のローラ面の傾斜角θ(ラベルショット用モータM6の取り付け位置)を算出し、その傾斜角θに対応する変化量ΔV(θ)を自動的に設定するようにすればよい。
また、本実施形態では、長尺のラベル基材LMからラベルLを切り離して、ボトル容器Bの胴部に装着するラベル装着システム1について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、容器の口部に筒状のキャップシールを装着するキャップシール装着装置等、シート状に折り畳まれた筒状フィルムを開口しながら、容器に装着する種々の装置に適用することができる。