JP5967294B2 - セメント原料用高炉水砕スラグおよびその選別方法 - Google Patents

セメント原料用高炉水砕スラグおよびその選別方法 Download PDF

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Description

本発明は、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグ(granulated blast furnace slag for cement raw material)、および、その選別方法に関する。
高炉水砕スラグは、鉄鋼製造過程で発生する副産物(by-product)であり、CaO、Al23、MgO、SiO2を主成分とし、セメント原料として広く利用されている。高炉水砕スラグを粉砕した高炉水砕スラグ微粉末(ground granulated blast furnace slag)は、普通ポルトランドセメント(ordinary portland cement)の混和材(mixture material)としても利用されているが、特に高炉セメント(portland blast furnace cement)の原料としての需要度が高い。ここで、高炉セメントとは、普通ポルトランドセメントと高炉水砕スラグ微粉末とを混合した混合セメント(blended cement)の一種であり、日本国内では、高炉水砕スラグ微粉末の含有量は40質量%程度が一般的である。本明細書では、高炉水砕スラグ微粉末の含有量が20質量%の場合など、幅広い混合比率の範囲のものも含めて、これらを全て、高炉セメント、普通ポルトランドセメントと高炉水砕スラグ微粉末との混合セメント、或いは、単に高炉水砕スラグ微粉末の混合セメントと称している。
セメントは、水和反応(hydration reaction)により水和生成物(hydration product)が生成して強度が向上していくが、水和反応が速すぎると、コンクリートなどのセメント硬化体(cement hardened body)がひび割れを起こすという問題がある。これは、水和反応が速すぎると、水和反応による単位時間あたりの発熱量(exotherm amount)が大きくなってコンクリート内部の温度が上昇するからである。特に体積の大きいコンクリートでは、体積あたりの放熱面積(heat dissipation area)が小さいので、コンクリート内部の温度上昇が大きくなりすぎ、コンクリートのひび割れが顕著となる。
そこで、大型コンクリート構造物には、普通ポルトランドセメントではなく、高炉セメントが広く用いられている。高炉セメントは、微粉砕した高炉水砕スラグをポルトランドセメントに混合して製造したセメントである。高炉セメントは、アルカリ刺激(alkaline stimulation)によって水硬性(hydraulicity)を発現する潜在水硬性(latent hydraulicity)を有する高炉水砕スラグ微粉末を多量に含むため、普通ポルトランドセメントに比べて水和反応が遅く、発熱量が少ない。すなわち、高炉セメントは、普通ポルトランドセメントよりも強度の発現が遅く、材齢(material age)が3日から7日の初期では普通ポルトランドセメントよりも強度が低い。また、材齢が7日の活性度が60〜80%程度であり、単位時間あたりの発熱量が小さい。更に、材齢が28日の強度は普通ポルトランドセメントとほぼ同等となり、高炉セメントの長期強度は普通ポルトランドをしのぐ場合もある。したがって、高炉セメントを利用することで、大型コンクリート構造物のひび割れを効果的に抑制することができる。ここで、高炉セメントの活性度とは、高炉セメントを用いたモルタル試料の圧縮強度を、高炉セメントの場合と同じ質量比率の普通ポルトランドセメントを用いたモルタル試料の圧縮強度を基準として、指標化したものである。
高炉水砕スラグの水和特性や強度発現特性は、その化学組成に左右される場合が多い。そこで、従来、日本国内では、セメント原料に供する高炉水砕スラグは、セメントの品質管理上その塩基度がある一定以上でなければならないとされており、セメント向け高炉水砕スラグの選別は、日本工業規格(JIS)に定められたスラグの塩基度[(CaO+Al23+MgO)/SiO2](以下、単に「塩基度」または「JIS塩基度」という)を指標として行われている。ここで、CaO、Al23、MgO、SiO2は高炉水砕スラグ中のそれぞれの酸化物の含有量(質量%)である。
例えば、特許文献1には、水砕スラグ製造設備(water granulation equipment)で製造中の高炉水砕スラグをサンプリングし、CaO、Al23、MgO、SiO2を定量分析し、塩基度等に基づき高炉水砕スラグの品質ランクを決定する技術が提案されている。また、特許文献2には、低発熱スラグセメントの原料として使用する高炉スラグ粉末(高炉水砕スラグと、高炉スラグを出発原料とするロックウ−ルもしくはロックウ−ル廃棄滓との混合体)の塩基度を1.4〜1.8に調整する技術が提案されている。
一方、高炉セメント原料としての高炉水砕スラグの品質を計る指標としては活性度指数が用いられており、高炉水砕スラグの水和特性や強度発現特性は、活性度指数により評価することができる。活性度指数とは、所定の比表面積(specific surface area)で高炉水砕スラグを粉砕した高炉水砕スラグ微粉末と普通ポルトランドセメントとを1:1(50%:50%(質量%比))で配合(混合)した高炉セメントの強度A(N/mm2)、および、普通ポルトランドセメントの強度B(N/mm2)を、モルタル試験によってそれぞれ測定し、その測定値に基づき下式で算出されるものである。
活性度指数(%)=(A/B)×100
ここで、高炉セメントの強度および普通ポルトランドセメントの強度とは、JIS A 6206に規定されているように、それぞれのセメントと細骨材(fine aggregate)と水とを所定の比率(セメント:細骨材:水=450g:1350g:225g)で混練(mix)したモルタルを、所定の形状に成形後、所定の養生(cure)を行った試料における圧縮強度(compressive strength)をいう。以下、「セメントの強度」と言及する場合は同様の意味であり、記載していない試験条件については、JIS A 6206に規定される高炉スラグ微粉末のモルタルによる活性度指数の試験方法に準拠するものとする。
活性度指数を測定するための日本における試験は、JIS A 6206に規定されているように、セメントの混練および養生の双方とも20℃の温度条件で実施されている。また、高炉セメントや普通ポルトランドセメントの強度試験も同じく20℃で混練および養生を行った後、曲げ強度や圧縮強度を測定している。なお、大型コンクリート構造物のひび割れを抑制する観点からは、通常、高炉セメントの材齢3〜7日の活性度を60〜80%程度、材齢28日の活性度を90〜110%程度とすることが好ましいとされている。
ここで、活性度指数は高炉水砕スラグの塩基度と密接な関係にあり、高炉水砕スラグの塩基度が高くなるほど、活性度指数も高くなる。したがって、従来、塩基度を指標として高炉セメント原料用高炉水砕スラグを選別する場合、事前に塩基度と活性度指数との相関関係を求め、指標となる塩基度の数値範囲を設定する。
具体的には、まず、所定の比表面積に粉砕した高炉水砕スラグ微粉末の活性度指数を、種々の化学組成を有する高炉水砕スラグについて測定し、高炉水砕スラグの塩基度と活性度指数との相関関係を求める。次いで、所望の活性度指数を得るための高炉水砕スラグ、すなわち高炉セメントの原料に適した高炉水砕スラグの塩基度の規格となる数値範囲を、上記相関関係に基づいて決定する。そして、このように決定された塩基度の規格を満足する高炉水砕スラグを、高炉セメント向け高炉水砕スラグとして選別する。
一方、特許文献3には、上記塩基度とは異なる指標を用いて高炉スラグの品質を評価する技術が提案されている。この技術は、高炉スラグ中のMnOおよびTiO2が活性度指数に大きく影響するという知見に基づくものであり、従来の塩基度に加えてMnO、TiO2の含有量を考慮した指標((CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−1.0×MnO)を用いて高炉スラグの品質を評価している。
特開平8−81243号公報 特開平10−87352号公報 特開2008−291301号公報
ここで、特許文献2にも記載されているように、高炉セメントの利点である低発熱性を活用するうえでは、水和反応速度および水和発熱速度(hydration exothermic rate)の低い高炉水砕スラグを原料として使用することが好ましい。
しかしながら、上記従来技術では、日本よりも気温の高い高温地域向けのセメント原料に適した高炉水砕スラグを選別することができない。したがって、従来技術によると、日本国内で所望の特性(強度特性、低発熱性)を示す高炉セメントは得られるものの、日本よりも気温の高い高温地域に属する国において必ずしも所望の特性を示す高炉セメントは得られない。
本発明は、上記の従来技術が抱える問題を有利に解決し、日本よりも高温の地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグ、およびその選別方法を提供することを目的とする。具体的には、年間平均気温が22℃以上である高温地域での使用に適するセメント原料用高炉水砕スラグであって、初期強度の増加速度が普通ポルトランドセメントよりも速くない高炉セメント、すなわち普通ポルトランドセメントと高炉水砕スラグ微粉末との混合セメントが得られるような、水和反応速度および水和発熱速度の低い高炉水砕スラグおよびその選別方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、まず、従来技術では年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料に適した高炉水砕スラグを選別することができない理由について検討した。その結果、従来技術では、活性度指数を測定するための試験を実施する際の温度が適切でないことが、主たる理由であることを突き止めた。
活性度指数(高炉水砕スラグ微粉末の強度特性)は、モルタル試料を混練および養生する温度に大いに依存する。特に、セメントの水和反応は、温度の影響を受けることが知られており、高温になるほど水和反応が速く進む。
ここで、日本における活性度指数を測定するための試験は、JIS A 6206に規定されるように、セメントの混練および養生の双方とも20℃の温度条件で実施されている。また、高炉セメントや普通ポルトランドセメントの強度試験も同じく20℃で混練および養生を行った後、曲げ強度や圧縮強度を測定している。そして、従来技術では、以上のように試験温度を20℃とした場合において得られた活性度指数に基づき、高炉水砕スラグの化学組成(或いは塩基度)と活性度指数との相関関係を求めている。
一方、日本よりも高温の地域に属する国においてセメントを使用する場合には、セメントの混練および養生を、日本での活性度指数を測定するための試験で規定されている温度(20℃)よりも高い温度で実施している。したがって、日本国内で所望の活性度指数(強度特性)を示す高炉水砕スラグであっても、日本よりも高温の地域に属する国においては、必ずしも所望の活性度指数(強度特性)は得られない。それゆえ、活性度指数を測定するための試験を実施する際の温度を20℃とする従来技術では、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料に適した高炉水砕スラグを選別することができないのである。つまり、一般の化学反応と同様に高炉水砕スラグ微粉末による水和硬化反応も高温ほど促進されるが、同様に普通ポルトランドセメントによる水和硬化反応も高温ほど促進されるので、両者の相対的関係により決まる活性度指数がどのような温度依存性を有するのかは明らかでなかった。
そこで、本発明者らは、まず、塩基度が1.86である高炉水砕スラグ微粉末を原料とした場合について、20℃よりも高い温度で試料を混練・養生して、混合セメント(高炉セメント)の強度特性を調査した。また、比較のために、高炉水砕スラグ微粉末を混合しない普通ポルトランドセメントについても、20℃よりも高い温度で混練・養生して強度特性を調査した。
なお、上記の塩基度1.86は、日本国内において高炉セメント原料として広く用いられている高炉水砕スラグ微粉末の塩基度の範囲に含まれる典型的な値である。そして、塩基度が1.86である高炉水砕スラグ微粉末を原料とし、20℃で混練・養生した場合の高炉セメントの強度は、高炉水砕スラグ微粉末の置換率(混合セメント中の配合の割合)によって異なるが、通常、材齢3〜7日で普通ポルトランドセメント(混合セメントに配合した普通ポルトランドセメントと同じもの、以下同様)の60〜80%程度、材齢28日で普通ポルトランドセメントの90〜110%程度、材齢91日で普通ポルトランドセメントの100〜120%程度(いずれも強度試験を20℃で実施した場合)となる。
調査の結果、混合セメント(高炉セメント)の強度は、養生温度が27℃程度になると、材齢3日で普通ポルトランドセメントとほぼ同等の強度発現を示すことが確認された。
また、普通ポルトランドセメントに、塩基度が1.86である高炉水砕スラグ微粉末を20質量%程度配合した混合セメントでは、材齢7日の初期材齢においても、混合しないセメント(普通ポルトランドセメント)よりも強度が高くなることが確認された。
初期強度が高いということは、水和反応が速く、発熱量が大きいということを意味し、体積の大きいコンクリートへ利用した場合、高炉水砕スラグの低発熱性という利点を活かせないことを意味する。すなわち、日本国内で高炉セメント用原料として適切であるとされる高塩基度の高炉水砕スラグを原料とした混合セメントを、東南アジアやアフリカ、中南米などの日本よりも気温が高い地域で混練・養生した場合には、高温雰囲気であることから水和反応が速く進行し、その反応による発熱量が多くなる。その結果、コンクリート内部の温度は高くなり、表面のひび割れが生じ易くなる。
これらの調査結果を踏まえ、本発明者らは更に検討を進め、高炉水砕スラグの化学組成と、各高炉水砕スラグを原料に用いた混合セメントを22℃以上の高温で混練・養生した場合における強度および活性度指数との関係を、調査・検討した。そして、日本よりも気温の高い地域、すなわち年間平均気温が22℃以上である高温地域において低発熱性の高炉セメントを製造し得る高炉水砕スラグの選別手段を模索した。
その結果、従来の塩基度に加えて、高炉水砕スラグ中のMnO、TiO2の含有量を考慮した指標を用い、「(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(但し、CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))」で算出される値が1.17以上1.35以下である化学組成を有する高炉水砕スラグを選別することにより、年間平均気温が22℃以上である高温地域において低発熱性であり、初期強度は低く長期強度の高い高炉セメント(混合セメント)が得られることを知見した。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2およびMnOの含有量(質量%)が下記の(1)式を満足する化学組成を有する、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグ。
1.17≦BM≦1.35・・・(1)
但し、(1)式において、BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))である。
[2]前記MnOの含有量が0.3質量%以上0.8質量%以下であり、前記TiO2の含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下である上記[1]に記載のセメント原料用高炉水砕スラグ。
[3]高炉水砕スラグの化学組成を分析し、CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2およびMnOの含有量(質量%)が下記の(1)式を満足し、前記MnOの含有量が0.3質量%以上0.8質量%以下であり、前記TiO2の含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下である化学組成を有する高炉水砕スラグを、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグとするセメント原料用高炉水砕スラグの選別方法。
1.17≦BM≦1.35・・・(1)
但し、(1)式において、BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))である。
本発明のセメント原料用高炉水砕スラグによれば、日本よりも気温が高い地域であっても、高炉水砕スラグの水和反応速度および水和発熱速度が低いという利点を活かすことができる。したがって、本発明によると、低発熱性であり、初期強度が低く、長期強度が高いという所望の特性を備えた高炉セメントやコンクリート等が得られる。また、本発明のセメント原料用高炉水砕スラグの選別方法によれば、日本よりも気温が高い地域向けの高炉セメント、高炉水砕スラグ微粉末、或いは高炉スラグ微粉末を含む混合セメントに使用することのできる高炉水砕スラグが得られる。
図1は、普通ポルトランドセメント(OPC)に高炉水砕スラグ微粉末(GGBFS)を混合した高炉セメント(混合セメント)について、27℃で混練・養生したモルタル試料における強度試験結果を示す図である。 図2は、混練・養生温度27℃における高炉水砕スラグの活性度指数と高炉水砕スラグの化学組成(BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO)との関係を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のセメント原料用高炉水砕スラグは、年間平均気温22℃以上の高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグであって、CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2およびMnOの含有量(質量%)が、下記の(1)式を満足する化学組成を有することを必須とする。
1.17≦BM≦1.35・・・(1)
但し、(1)式において、BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))である。
本発明においては、気温の高い地域の実情に応じて、適正な化学組成を有する高炉水砕スラグを選別して高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグとする。
具体的には、27℃で混練・養生した場合の混合セメント(普通ポルトランドセメントと高炉水砕スラグ微粉末とを質量比80:20で混合した高炉セメント)の強度が、27℃で混練・養生した場合の普通ポルトランドセメントの強度と比較した場合に、材齢7日の初期強度では普通ポルトランドセメントの80〜100%、材齢28日の強度では普通ポルトランドセメントの90〜105%、材齢91日の長期強度では普通ポルトランドセメントの100〜110%となる混合セメントが得られるような高炉水砕スラグを選別し、この高炉水砕スラグを高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグとする。このような特性を有する高炉水砕スラグを原料として用いれば、年間平均気温が22℃以上である高温地域において、低発熱性であり、初期強度が低く、長期強度が高いという所望の特性を備えた高炉セメントが得られる。配合する高炉水砕スラグ微粉末のブレーン値(Blaine value)は、通常の場合と同様に、3000〜4500cm2/g程度の範囲で、セメント製品の製造者の仕様に基づいて選定される。
本明細書では、普通ポルトランドセメントと高炉水砕スラグ微粉末とを80:20の質量比で混合した高炉セメントの場合を主として説明しているが、本発明のセメント原料用高炉水砕スラグが対象とする混合セメントの配合はこれには限定されない。例えば、高炉水砕スラグ微粉末を質量比で40〜50%或いはそれ以上に配合した場合は、高炉水砕スラグ微粉末の水和反応速度および水和発熱速度が低く、長期強度が高いという特徴がより一層顕著となる。したがって、普通ポルトランドセメントと高炉水砕スラグ微粉末との配合比率は、希望する強度特性に応じて適宜変更してもよく、更にフライアッシュなど他のセメント混和材を併用することも妨げない。本発明のセメント原料用高炉水砕スラグを用いれば、これらの何れの場合においても、高炉水砕スラグ微粉末の水和反応が、高温環境によって、初期に過度に進行することが防止される効果を有する。
高炉水砕スラグはCaO、Al23、MgO、SiO2を主成分として含有する。そして、先述のとおり、高炉セメントの活性度(強度特性)は、「(CaO+Al23+MgO)/SiO2」により算出される高炉水砕スラグの塩基度と密接な関係にあり、高炉水砕スラグの塩基度が高い値になるほど、とりわけ初期の活性度が増加する。そのため、塩基度の高い高炉水砕スラグを除外し、塩基度の低い高炉水砕スラグを選別することにより、初期強度が低く長期強度の高い高炉セメントが得られると推測することもできる。
しかし、高炉水砕スラグは上記主成分の他に原料鉱石や副原料由来のMnO、TiO2を不可避的不純物として含有し、これらの不純物も高炉セメントの強度特性(活性度)に多大な影響を与える。
なお、高炉水砕スラグ中の上記不純物の含有量は、通常、MnO;0.2〜0.6質量%程度、TiO2;0.5〜0.8質量%程度あり、これらの不純物の含有量が高くなると高炉セメントの活性度(強度特性)が低下する傾向にある。
そこで、本発明では、「(CaO+Al23+MgO)/SiO2」により算出される塩基度に加えて、MnO、TiO2の含有量を考慮した指標BM(BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO)を用い、高炉水砕スラグを選別することとした。
本発明者らが、種々の化学成分を有する高炉水砕スラグを原料に用いた混合セメントについて、27℃の温度で混練・養生した場合の混合セメントの強度特性を調査した結果、指標BM(BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(但し、CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))が1.35を超えると、日本よりも気温の高い年間平均気温22℃以上の地域において、高炉セメントの長期的な強度の向上が望めない場合があることが明らかになった。
一方、指標BMが1.17未満になると、日本よりも気温が高い年間平均気温22℃以上の地域といえども、混合セメントの初期強度や長期強度が大幅に低下する場合のあることが確認された。長期強度が極端に低い高炉セメントをコンクリート構造物に使用すると、構造物の耐久性が低下する等の問題が懸念される。
以上の理由により、本発明では、指標BM(BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(但し、CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))が1.17以上1.35以下となる化学組成を有する高炉水砕スラグを、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグとする。好ましくは、指標BMが1.20以上1.30以下となる高炉水砕スラグが好適である。
また、本発明の高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグは、MnOの含有量が0.3質量%以上0.8質量%以下であることが好ましく、且つ、TiO2の含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。
先述のとおり、高炉水砕スラグには、通常、原料鉱石や副原料由来のMnOやTiO2が不可避的に含まれている。これらのMnOやTiO2は、セメントの水和反応を抑制する効果、すなわち水和反応速度を遅らせる効果が大きい。そのため、MnOやTiO2の含有量が多い高炉水砕スラグを高炉セメントの原料とすると、日本では高炉セメントの初期強度の低下を招く場合がある。このような理由により、日本のセメント原料用高炉水砕スラグは、通常、MnOやTiO2の含有量が、それぞれ、MnO;0.6質量%以下、TiO2;0.8質量%以下に低減されている。
しかしながら、気温の高い地域ではセメントの水和反応が速く進行するので、セメントの初期強度は高くなり易い。したがって、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグの場合、高炉水砕スラグ中のMnOやTiO2は、寧ろ、高炉セメントの材齢初期の水和反応を抑制し、長期強度の向上に寄与する有効な成分である。また、これらの効果は、高炉水砕スラグのMnOやTiO2の含有量が日本のセメントでは利用できないと推察される程度に多くなるほど顕著になる。
以上の効果を得るためには、MnOおよびTiO2の含有量を、それぞれ、MnO;0.3質量%以上、TiO2;0.5質量%以上とすることが好ましい。但し、高炉水砕スラグのMnOやTiO2の含有量が、それぞれMnO;0.8質量%超、特に、1.0質量%超、TiO2;2.0質量%超と、過剰に多くなると、年間平均気温が22℃以上である高温地域であっても混合セメントの初期強度が著しく低下するおそれがある。
以上の理由により、本発明では、高炉水砕スラグのMnO含有量およびTiO2含有量を、MnO;0.3質量%以上0.8質量%以下、TiO2;0.5質量%以上2.0質量%以下とすることが好ましい。尚、MnOは1.0質量%以下であってもよい。また、MnO;0.4質量%以上0.6質量%以下、TiO2;0.5質量%以上1.2質量%以下とすることが、初期強度を適正な範囲として長期強度を向上するためには、より好ましい。尚、MnOは1.0質量%以下であっても、
以上のように、上記(1)式を満足する化学組成を有する高炉水砕スラグ、より好ましくは、上記(1)式を満足することに加えてMnO含有量が0.3質量%以上0.8質量%以下であり、TiO2含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下である化学組成を有する高炉水砕スラグによると、日本よりも高温の地域において低発熱性を示し、初期強度が比較的低く、長期強度の高い高炉セメントが得られる。したがって、上記の如き化学組成を有する高炉水砕スラグを選別することにより、年間平均気温が22℃以上である高温地域で使用されるセメント原料に適した高炉水砕スラグを選別することができる。
年間平均気温が22℃以上である高温地域は、地球全体では月間平均気温では15〜35℃程度の範囲にあり、混合セメントを使用するコンクリートはこの温度範囲において施工される可能性がある。上記説明では、27℃で混練、養生した場合の混合セメントの強度特性について説明したが、本発明の高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグを用いた混合セメントでは、15〜35℃の温度範囲において、普通ポルトランドセメントに対して、材齢7日以下の初期強度は同等以下であり、材齢91日以上の長期強度は同等以上となるという、所望の強度特性が実現可能であり、実用上もこの温度範囲において良好な強度特性が得られる。
微粉末製造工場で製造した高炉水砕スラグ微粉末(GGBFS)を用い、以下の手法にしたがって本発明の効果を確認した。
高炉からの出銑毎に発生する高炉水砕スラグを採取して化学成分によって品質管理し、表1に示す種々の化学成分の高炉水砕スラグを微粉末製造工場のミルで粉砕して高炉水砕スラグ微粉末とし、得られた高炉水砕スラグ微粉末のモルタルによる活性度指数を測定した。
Figure 0005967294
なお、採取した高炉水砕スラグは、以下の高炉操業条件および水砕条件により得られたものである。
銑鉄製造量;10000〜11000ton/day
スラグ比;290〜300kg/溶銑−ton
溶銑温度;1480〜1515℃
水砕処理時の水の温度;60〜80℃
(水砕処理時の水の質量)/(スラグの質量);10〜25
出銑毎に400〜500トン発生する高炉水砕スラグを、出銑毎に取り分けて管理し、高炉水砕スラグの微粉末製造工場へ運搬した。微粉末製造工場において、高炉水砕スラグを粉砕して高炉水砕スラグ微粉末を製造するに際しては、粉砕能力50ton/Hrの竪型ローラーミルを用いた。高炉水砕スラグ微粉末の目標ブレーン値は4200±100cm2/gとし、石膏は添加しなかった。なお、高炉水砕スラグ粉砕時の微粉末サンプルを、製品サイロに入る前の配管の途中に設けたサンプリング管から抜き出すことにより、活性度指数測定用の高炉水砕スラグ微粉末を採取した。
活性度指数の評価は、JIS A 6206(2008年)「コンクリート用高炉スラグ微粉末」の付属書に記載されている「高炉スラグ微粉末のモルタルによる活性度指数およびフロー値比の試験方法」に準拠して実施した。但し、JIS A 6206では20℃で混練、養生するが、本試験では27℃で混練、養生した。また、JIS A 6206では、試験モルタルのセメントの配合を質量比で「普通ポルトランドセメント:高炉水砕スラグ微粉末=50:50」とするが、本試験では「普通ポルトランドセメント:高炉水砕スラグ微粉末=80:20」とし、試験モルタルの混合セメント(高炉セメント)の配合量は、基準モルタルの普通ポルトランドセメント配合量と等しくした。その他のモルタルの配合、混練、成形、養生、圧縮強度の測定方法はJIS R 5201の規定に準拠した方法により実施した。なお、参考のために、本試験で使用した普通ポルトランドセメント(OPC)の化学成分を表1に示す。
これらの試験結果を、表2、図1および図2に示す。
Figure 0005967294
図1に、混合セメント(試験モルタル)および普通ポルトランドセメント(基準モルタル)の、27℃で混練、養生した試料における、材齢と圧縮強度との関係を示す。
指標BM(BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))が1.29である本発明例の高炉水砕スラグを原料とした混合セメントでは、材齢28日までは普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が低いが、材齢91日になると普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が高くなり、長期的な強度が向上している。また、指標BMが1.35である本発明例の高炉水砕スラグを原料とした混合セメントでは、材齢28日未満では普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が低いが、材齢28日になると普通ポルトランドセメント(OPC)と強度が同等、材齢91日になると普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が高くなり、やはり長期的な強度が向上している。
一方、指標BMが1.46である比較例の高炉水砕スラグを原料とした混合セメントでは、材齢28日までは普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が高いが、材齢91日になると、普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が低下し、長期的な強度の向上が見られなくなる。
図2に、高炉水砕スラグの指標BMと活性度指数との関係を示す。なお、ここでの活性度指数は、普通ポルトランドセメントと高炉水砕スラグ微粉末とを、質量比で80:20で混合した混合セメント(高炉セメント)を用いて作製した試験モルタルを27℃で混練、養生した試料の圧縮強度と、普通ポルトランドセメント(OPC)を用いて作製した基準モルタルを27℃で混練、養生した試料の圧縮強度との比の値(百分率)である。
本発明例、すなわち指標BMが1.17以上1.35以下である高炉水砕スラグを原料とした混合セメントは、材齢7日および材齢28日の活性度指数は約100%以下であるが、材齢91日では100%超となり、長期的には普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が高くなっている。
一方、比較例の指標BMが1.35を超える高炉水砕スラグを原料とした混合セメントでは、材齢7日および材齢28日の活性度指数が100%超であり、27℃で混練、養生した場合には初期強度が過剰に高くなっている。また、材齢91日では活性度指数が100%未満になり、27℃で混練、養生した場合には長期的には普通ポルトランドセメント(OPC)よりも強度が低下している。
更に、比較例の指標BMが1.14である高炉水砕スラグを原料とした混合セメントでは、材齢7日の活性度指数が80%未満、材齢28日の活性度指数が90%未満、材齢91日の活性度指数が100%未満と大幅に低下している。
上記のように、日本国内で通常セメント原料として使用する塩基度の高い高炉水砕スラグ(JIS塩基度;1.80〜1.90、指標BM;1.40〜1.60)は、東南アジア等の気温が高い地域での使用を想定すると、普通ポルトランドセメントよりも初期強度が高く、初期の発熱速度が大きくなるために、ひび割れが発生し易く、セメントの長期強度の低下原因となり、適していない。一方、高炉水砕スラグの指標BMが低すぎると、たとえ高温地域での使用を想定する場合であってもセメントの初期強度が不十分となる問題がある。すなわち、東南アジア等の日本よりも気温が高い地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグには、化学成分によって変動する指標BMに適正な範囲があることが理解できる。
また、高炉水砕スラグに不可避的不純物として含まれるMnOやTiO2の含有量が多くなると、日本国内でセメント原料として使用する場合、セメントの初期強度が大幅に低下し、問題となる。しかし、東南アジア等の高温地域でセメント原料として使用する場合には、前記不可避的不純物を高濃度で含む高炉水砕スラグであっても、それぞれの含有量がMnO;0.8質量%以下、TiO2;2.0質量%以下の範囲であり、且つ、指標BMが適正な範囲にあれば、活性度指数の低下は適正な範囲であり、セメントの初期強度の低下は問題とならないことが理解できる。さらに、JIS塩基度が日本国内向けのセメント原料用高炉水砕スラグと同程度でも、MnOやTiO2の含有量が多くて指標BMが適正な範囲にある場合には長期強度が向上しており、高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグの選定においても指標BMによる評価が有効であることが理解できる。
そして、これらの結果から、高炉水砕スラグの化学組成を分析し、指標BMが1.17以上1.35以下、MnOの含有量が0.3質量%以上0.8質量%以下、TiO2の含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下である化学組成を有する高炉水砕スラグを選別することにより、東南アジアのような年間平均気温22℃以上である高温地域向けのセメント原料に最適な高炉水砕スラグが得られることが理解できる。

Claims (3)

  1. CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2およびMnOの含有量(質量%)が下記の(1)式を満足する化学組成を有し、且つ、前記MnOの含有量が0.60質量%以上0.8質量%以下である、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグ。
    1.17≦BM≦1.35・・・(1)
    但し、(1)式において、BM=(CaO+Al23+MgO)/SiO2−0.13×TiO2−MnO(CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))である。
  2. 記TiO2の含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下である請求項1に記載のセメント原料用高炉水砕スラグ。
  3. 高炉水砕スラグの化学組成を分析し、CaO、Al23、MgO、SiO2、TiO2およびMnOの含有量(質量%)から算出される指標B M [B M =(CaO+Al 2 3 +MgO)/SiO 2 −0.13×TiO 2 −MnO(但し、CaO、Al 2 3 、MgO、SiO 2 、TiO 2 、MnOは高炉水砕スラグ中に含まれる各酸化物の含有量(質量%))]が1.17以上1.30以下であり、前記MnOの含有量が0.3質量%以上0.8質量%以下であり、前記TiO2の含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下である化学組成を有する高炉水砕スラグを、年間平均気温が22℃以上である高温地域向けのセメント原料用高炉水砕スラグとするセメント原料用高炉水砕スラグの選別方法。
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