JP5965258B2 - エレクトロクロミック素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロクロミック特性を呈するエレクトロクロミック薄膜を有するエレクトロクロミック素子及びその製造方法に関する。
エレクトロクロミック特性は、電気エネルギを印加することにより可逆的な光学特性変化を起こす特性であり、一般的には、流される電流の変化により引き起こされる電気化学的な酸化還元反応によって、物質の色調や色彩が可逆的変化する特性を示している。これを利用したエレクトロクロミック・スマートウィンドは、電気的に窓ガラスの透過率を変化させることができるため、高い省エネルギ効果が得られる。
エレクトロクロミック物質としては、遷移金属酸化物が使われている。例えば、還元着色型の酸化タングステンや酸化モリブデンは、酸化状態で無色透明であるが、還元されると青色に着色する。また、酸化着色型の水酸化ニッケルや水酸化コバルトは、還元状態で黄色がかった透明であるが、酸化されると濃い褐色に着色する。
近年、水酸化コバルトを用いた酸化着色型のエレクトロクロミック素子の調光ガラスやディスプレイへの応用が期待されている。本願発明者等は、水酸化コバルトを用いてエレクトロクロミック薄膜を形成する際、基板温度を低温にすることで、エレクトロクロミック特性を改善した薄膜の作製方法を提案している(非特許文献1)。
Kyoung Moo Lee, Yoshio Abe, Midori Kawamura, and Kyung Ho Kim, "Effects of Substrate Temperature on Electrochromic Properties of Cobalt Oxide and Oxyhydroxide Thin Films Prepared by Reactive Sputtering Using O2 and H2O Gases" Jpn. J. Appl. Phys., vol. 51 (2012), 045501
しかしながら、非特許文献1に記載の方法で作製した水酸化コバルト薄膜は、エレクトロクロミック特性の改善はされているが、酸化還元反応を繰り返すと、色変化をほとんど示さなくなってしまい、サイクル耐久性が低いという問題点があった。また、脱色時の透過率が低いという問題点も有している。
従って本発明の目的は、脱色時の透過率が高く、かつ着脱色を繰り返した時のサイクル耐久性が向上したエレクトロクロミック素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、対向する一対の基板上に互いに対向して設けられた一対の透明電極層と、一対の透明電極層に挟まれた電解質層及びエレクトロクロミック層を有し、一対の透明電極層間に印加される電圧によって光の透過率が変化するエレクトロクロミック素子においてエレクトロクロミック層は、水酸化物と水和酸化物との複合薄膜であるエレクトロクロミック素子が提供される。
エレクトロクロミック層は、水酸化物と水和酸化物との複合薄膜を用いることで、優れたエレクトロクロミック特性を示し、脱色時(還元状態)の透過率が高く、かつ着脱色を繰り返した時のサイクル耐久性を向上したエレクトロクロミック素子を得ることができる。
水酸化物は、水酸化コバルト又は水酸化ニッケルであることが好ましい。これにより、優れたエレクトロクロミック特性を得ることができる。なお、ここで水酸化コバルトとは、コバルトの価数が3価の水酸化コバルト(CoOOH)であり、酸化コバルト(Co)とCoOOHとの混合物、および2価の水酸化コバルト(Co(OH))とCoOOHとの混合物を含むものである。また、水酸化ニッケルとは、ニッケルの価数が3価の水酸化ニッケル(NiOOH)であり、酸化ニッケル(NiO)とNiOOHとの混合物、および2価の水酸化ニッケル(Ni(OH))とNiOOHとの混合物を含むものである。
水和酸化物は、水和酸化ニオブ、又は水和酸化ジルコニウム、又は水和酸化タンタルであることが好ましい。これらの水和酸化物は透明であるので、水酸化コバルトと複合化することで、脱色時(還元状態)の透過率を向上することができる。また、水和酸化物は、プロトン伝導性を示すので、水酸化コバルトの優れたエレクトロクロミック特性を阻害しない。さらに、水和酸化物は、水酸化コバルトに比べ、電解質水溶液中での化学的安定性が優れているため、着脱色を繰り返した時のサイクル耐久性を改善することができる。なお、ここで水和酸化ニオブはNb・nHO、水和酸化ジルコニウムはZrO・nHO、水和酸化タンタルはTa・nHOであり、水和した水分子の数nは、0.2から6程度である。
エレクトロクロミック層は、水酸化コバルトと水和酸化ニオブとの複合薄膜であり、ニオブ濃度は、43at.%以下であることが好ましい。これにより、着脱色を繰り返した場合でも、高い透過率を維持することができ、かつ高いサイクル耐久性を得ることが可能である。
エレクトロクロミック層は、水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜であり、ジルコニウム濃度は、37at.%以下であることが好ましい。これにより、着脱色を繰り返した場合でも、高い透過率を維持することができ、かつ高いサイクル耐久性を得ることが可能である。
エレクトロクロミック層は、水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜であり、ジルコニウム濃度は、22at.%以下であることが好ましい。これにより、着脱色を繰り返した場合でも、高い透過率を維持することができ、かつ高いサイクル耐久性を得ることが可能である。
複合薄膜は、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより形成されていることが好ましい。これにより、エレクトロクロミック特性を改善でき、かつ大面積のエレクトロクロミック薄膜を作製することができ、大きいサイズのエレクトロクロミック素子を得られる。
本発明によれば、エレクトロクロミック素子の製造方法は、第1の透明基板の表面に第1の透明電極を形成する第1の透明電極形成工程と、形成された第1の透明電極の表面に薄膜によるエレクトロクロミック層を形成するエレクトロクロミック層形成工程と、第2の透明基板の表面に第2の透明電極を形成する第2の透明電極形成工程と、形成された第2の透明電極の表面に対極膜を形成する対極膜形成工程と、表面に第1の透明電極及びエレクトロクロミック薄膜とが形成された第1の透明基板と、表面に第2の透明電極及び対極膜が形成された第2の透明基板とを、電解質層を介在させて積層する組み立て工程とを備え、エレクトロクロミック層形成工程では、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより水酸化物と水和酸化物との複合薄膜を形成する。
これにより、脱色時(還元状態)の透過率を向上すると共に、サイクル耐久性を改善したエレクトロクロミック素子を得ることができる。
エレクトロクロミック層形成工程では、第1のターゲット金属の表面に、所定面積を有する複数の第2のターゲット金属のチップを設けた複合ターゲットを用いることが好ましい。これにより、大面積のエレクトロクロミック薄膜を作製することでき、かつ均一な複合膜を形成することができる。
本発明によれば、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより水酸化物と水和酸化物との複合薄膜を形成することで、優れたエレクトロクロミック特性を示し、脱色時(還元状態)の透過率が高く、かつ着脱色を繰り返した時のサイクル耐久性を向上したエレクトロクロミック素子を得ることができる。
また、水酸化物には、水酸化コバルト又は水酸化ニッケルを用い、水和酸化物には、水和酸化ニオブ、又は水和酸化ジルコニウム、又は水和酸化タンタルを用いることで、脱色時(還元状態)の透過率がより高く、かつ着脱色を繰り返した時のサイクル耐久性を著しく改善することができる。
本発明によれば、エレクトロクロミック層形成工程では、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより水酸化物と水和酸化物との複合薄膜を形成することで、脱色時(還元状態)の透過率を向上すると共に、サイクル耐久性を改善したエレクトロクロミック素子を得ることができる。また、本発明の方法を用いて大面積の均一なエレクトロクロミック薄膜を容易に作製することができるため、スマートウィンドに要求される大面積なエレクトロクロミック素子を作製することが可能となる。
本発明に係るエレクトロクロミック素子の構成を概略的に示す断面図である。 図1に示すエレクトロクロミック素子の製造方法を概略的に示すフローチャートである。 エレクトロクロミック薄膜の形成方法を概略的に示すフローチャートである。 複合ターゲットの構成を概略的に示す平面図である。 Nbチップ数とエレクトロクロミック薄膜中Nb濃度の関係を示す図である。 Nb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜のX線回折パターンを示す図である。 Nb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜の赤外吸収スペクトルを示す図である。 Nb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過スペクトルを示す図である。 Nb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過率変化のサイクル依存性を示す図である。 Zrチップ数とエレクトロクロミック薄膜中Zr濃度の関係を示す図である。 Zr濃度を変えて作製したCo−Zr複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過スペクトルを示す図である。 Zr濃度を変えて作製したCo−Zr複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過率変化のサイクル依存性を示す図である。 Zr濃度を変えて作製したNi−Zr複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過スペクトルを示す図である。 Zr濃度を変えて作製したNi−Zr複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過率変化のサイクル依存性を示す図である。 Zr濃度を変えて作製したNi−Zr複合エレクトロクロミック薄膜の弱酸性水溶液電解質中における透過率変化のサイクル依存性を示す図である。
図1は本発明の第1の実施形態におけるエレクトロクロミック素子の構成を概略的に示しており、図2は図1に示すエレクトロクロミック素子の製造方法の主な工程を示しており、図3はエレクトロクロミック薄膜の形成方法の主な工程を示しており、図4はエレクトロクロミック薄膜の形成時に用いた複合ターゲットの構成を示しており、図5はNbチップ数とエレクトロクロミック薄膜中Nb濃度の関係を示しており、図6はNb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜のX線回折パターンを示しており、図7はNb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜の赤外吸収スペクトルを示しており、図8はNb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過スペクトルを示しており、図9はNb濃度を変えて作製したCo−Nb複合エレクトロクロミック薄膜のアルカリ性水溶液電解質中における透過率変化のサイクル依存性を示している。
図1に示すように、エレクトロクロミック素子100は、第1の透明基板10と、第1の透明電極20と、エレクトロクロミック薄膜30と、電解質層40と、対極膜50と、第2の透明電極60と、第2の透明基板70とがこの順序で積層されている積層構造を備えている。
第1の透明基板10は、所定寸法に加工した透明ガラス基板又は樹脂製透明シートである。
第1の透明電極20は、第1の透明基板10の表面上に形成されたものであり、液晶ディスプレイや太陽電池の場合と同様に、5〜10%のスズを添加した酸化インジウム(ITO)、又はフッ素やアンチモンを添加した酸化スズの薄膜が使われる。膜厚は、100〜200nm程度である。
エレクトロクロミック薄膜30は、第1の透明電極20の表面に形成された水酸化コバルト(CoOOH)と水和酸化ニオブ(Nb・nHO)との複合薄膜である。膜厚は、例えば100nm〜1μm程度である。このエレクトロクロミック薄膜30において、ニオブ濃度(Nb/(Co+Nb))は、43at.%以下である。
電解質層40は、水溶液電解質であり、本実施形態においては、0.1〜1mol/L程度の濃度の水酸化カリウムの水溶液を用いた。なお、有機材料のプロピレンカーボネートに0.1〜1mol/L程度の過塩素酸リチウムを添加したリチウム系電解質を用いてもよい。また、高分子電解質や、プロトン伝導性の水和酸化物などの固体電解質を用いてもよい。イオン伝導性の点では、水溶液電解質が最も伝導率が高いので、高速応答に向いている。電解質層の厚さは、薄膜の固体電解質であれば1μm程度であり、液体電解質であれば数10μmから数mm程度まで使用可能である。
対極膜50は、酸化セリウム(CeO)から形成されている。膜厚は、100nm〜1μm程度である。この実施形態において、対極膜50は、スパッタリング法を用いて形成された膜厚100nmの酸化セリウム膜である。
第2の透明電極60は、第2の透明基板70の表面に形成されたものであり、上述した第1の透明電極20と同様な構成を有する。また、第2の透明基板70は、第1の透明基板等同じ、透明ガラス基板又は樹脂製透明シートである。
本実施形態におけるエレクトロクロミック素子100の製造工程について説明する。図2に示すように、エレクトロクロミック素子100を製造する場合は、まず、用意した第1の透明基板10の表面に、スパッタリング法を用いて膜厚200nmのITO透明電極膜である第1の透明電極20を積層する(ステップS11)。ここで、第1の透明基板10には透明ガラス基板を用いた。
次いで、形成された第1の透明電極20の表面に、スパッタリング法を用いてエレクトロクロミック薄膜30として膜厚100nmの水酸化コバルトと水和酸化ニオブの複合膜を積層する(ステップS12)。ここで、水酸化コバルトと水和酸化ニオブの複合膜の形成方法は、図3に示す手順で行う。図3に示すように、エレクトロクロミック薄膜の形成には、水蒸気(HO)を反応ガスとして用いた反応性スパッタリングの手法を用いた。まず、RFマグネトロンスパッタリング装置の成膜処理チャンバ内の基板ホルダに透明電極を積層したガラス基板を設置する(ステップS1)。次に、予め作製したコバルト(第1のターゲット金属)とニオブ(第2のターゲット金属)の複合金属ターゲットを成膜処理チャンバ内のカソードに設置する(ステップS2)。コバルトとニオブの複合金属ターゲットは、図4に示すように、直径50mmの円板状コバルトターゲットに複数の正方形(10mm×10mm)のNbチップを設けたものである。図4において、4つのNbチップの場合を示している。次に、反応ガスとして水蒸気(HO)を成膜処理チャンバ内に流通させる(ステップS3)。この状態で高周波電力を印加し、反応性スパッタリングにより基板上に水酸化コバルトと水和酸化ニオブの複合膜を成膜する(ステップS4)。ここで、例えば、基板の温度を、10℃に保ち、水蒸気ガスの供給量を0.3cc/min、水蒸気ガス圧力を50mTorr、RFパワーを50Wとして、基板上に水酸化コバルトと水和酸化ニオブとの複合膜を成膜する。
一方、第2の透明基板70の表面に、スパッタリング法を用いて、膜厚200nmのITO透明電極膜である第2の透明電極60を積層する(ステップS13)。ここで、第2の透明基板70には透明ガラス基板を用いた。
次いで、形成された第2の透明電極60の表面に、スパッタリング法を用いて膜厚100nmの酸化セリウム(CeO)の対極膜50を積層する(ステップS14)。
次いで、例えば、第1の透明基板10のエレクトロクロミック薄膜30が形成された面の外周にスペーサ40aを形成する(ステップS15)。
次いで、第1の透明電極20とエレクトロクロミック薄膜30とが形成された第1の透明基板10と、第2の透明電極60と対極膜50とが形成された第2の透明基板70とを、スペーサ40aを挟んで張り合わせる(ステップS16)。
次いで、スペーサ40aにより形成された隙間に0.1 mol/Lの濃度のKOHアルカリ性水溶液電解質(pH=13)を注入する(ステップS17)。これにより、ガラス基板/ITO膜/複合膜/電解質層/対極膜/ITO膜/ガラス基板の積層構造が形成される。最後に、電解質が漏れないように電解質の注入口を封止する(ステップS18)。これにより、エレクトロクロミック素子100が完成する。
上記方法で作製したエレクトロクロミック薄膜30に対して、ニオブによるエレクトロクロミック薄膜の性能への影響について検討した。
直径50mmの円板状コバルトターゲットのみの場合と、直径50mmの円板状コバルトターゲットに複数の正方形(10mm×10mm)のNbチップを2、4、6枚配置した複合ターゲットを用いて作製したエレクトロクロミック薄膜中のニオブ濃度を蛍光X線分析により調べた結果、図5に示すように、Nbチップ数の増加と共に、エレクトロクロミック薄膜中のニオブ濃度が増加する。この結果に基づいて、Nbチップ数を選択することで、エレクトロクロミック薄膜中のニオブ濃度をコントロールすることができる。
また、ニオブ濃度を0at.%、6at.%、17at.%、43at.%にした水酸化コバルトと水和酸化ニオブの複合膜の試料の構造をX線回折法により測定した。図6に示すように、全ての試料で明瞭な回折ピークは認められず、アモルファスに近い構造であることが分かった。なお、図6の測定に用いた試料はシリコン基板の上に作製したものであり、回折角が33°付近に認められるシャープな回折ピークは、基板に用いたシリコンの回折ピークである。
また、ニオブ濃度を0at.%、6at.%、17at.%、43at.%にした水酸化コバルトと水和酸化ニオブの複合膜の試料に対して、赤外分光法で吸収スペクトを測定した。図7に示すように、ニオブ濃度が低い試料では、660cm−1と570cm−1付近にCo−O結合に対応するピークが認められるが、ニオブ濃度の増加と共に、このピーク強度は低下した。これに対し、3300cm−1付近に現れる水素結合したOH基によるブロードな吸収ピークは、ニオブ濃度によらず、全ての試料で認められ、水酸化物及び水和酸化物の形成が確認できる。なお、赤外分光の測定には、赤外線の吸収が少ないシリコン基板の上に作製した試料を用いた。
また、ニオブ濃度を0at.%、6at.%、17at.%、43at.%にした水酸化コバルトと水和酸化ニオブの複合膜の試料を0.1MのKOHアルカリ性水溶液電解質中で5分間、脱色(−0.44V vs.Ag/AgClを印加)と着色(+0.56V vs.Ag/AgClを印加)した後の透過スペクトルを測定した。図8に示すように、ニオブ濃度が17at.%の試料が、波長600nmにおける透過率の変化幅が35%と最も大きく、ニオブ濃度を43at.%まで増加させても無添加のコバルト水酸化物薄膜と同程度の透過率変化を示すことが分かった。また、ニオブ濃度が0at.%の試料に比べ、ニオブを添加した試料は、脱色時の透過率が高く、透明に近いことを示している。
さらに、ニオブ濃度を0at.%、6at.%、17at.%、43at.%にした水酸化コバルトと水和酸化ニオブの複合膜の試料に対して、0.1MのKOHアルカリ性水溶液電解質中、走査電位幅が−0.44〜+0.56V vs.Ag/AgClで電位走査速度が20mV/s(1サイクルが100秒)の条件で、サイクリックボルタンメトリを100サイクル繰り返した時の透過率変化を測定した。図9に示すように、ニオブ濃度が0at.%の試料では、100サイクル後の透過率変化幅は、初期の透過率変化幅の65%と大きく低下することが分かった。しかし、ニオブ濃度が17at.%の試料では、100サイクル後も初期の透過率変化幅の95%を維持しており、サイクル耐久性が高いことが確認できる。なお、ニオブ濃度が43at.%の試料では、透過率の変化幅が小さくなっている。これは、ニオブ濃度の増加と共に、着脱色の応答速度が遅くなったためで、電位走査速度を遅くすることで透過率の変化幅を広げることができる。
上述したように、エレクトロクロミック素子100は、水酸化コバルトと水和酸化ニオブとの複合薄膜からなるエレクトロクロミック薄膜30を備えている。また、エレクトロクロミック薄膜形成工程では、コバルトとニオブの複合金属ターゲットを用いて、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより水酸化コバルトと水和酸化ニオブとの複合薄膜を形成する。
これにより、優れたエレクトロクロミック特性を示し、脱色時(還元状態)の透過率が高く、かつ着脱色を繰り返した時のサイクル耐久性を向上したエレクトロクロミック素子を得ることができる。
また、水酸化物には、水酸化コバルトを用い、水和酸化物には、水和酸化ニオブを用いることで、脱色時の透過率がより高く、かつ着脱色を繰り返した時のサイクル耐久性を著しく改善することができる。
また、エレクトロクロミック層は、水酸化コバルトと水和酸化ニオブとの複合薄膜であり、ニオブ濃度は、43at.%以下、好ましくは、6at.%〜17at.%である。これにより、着脱色を繰り返した場合でも、高い透過率を維持することができ、かつ高いサイクル耐久性を得ることができる。
以下、本発明の第2の実施形態におけるエレクトロクロミック素子200について説明する。
エレクトロクロミック素子200は、第1の透明基板10と、第1の透明電極20と、エレクトロクロミック薄膜30Aと、電解質層40と、対極膜50と、第2の透明電極60と、第2の透明基板70とを順次積層した積層構造を備えている。
エレクトロクロミック素子200において、第1の透明基板10、第1の透明電極20、電解質層40、対極膜50と、第2の透明電極60、及び第2の透明基板70の材料の構成は、図1に示す構成と同様であり、従って詳細な説明は省略する。
エレクトロクロミック薄膜30Aは、第1の透明電極20の表面に形成された水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜である。膜厚は、例えば100nm〜1μm程度である。このエレクトロクロミック薄膜30Aにおいて、ジルコニウム濃度(Zr/(Co+Zr))は、37at.%以下である。
また、エレクトロクロミック素子200の製造方法においては、第1の透明電極20の表面に、エレクトロクロミック薄膜30Aとしての水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜を形成する以外、上述した第1の実施形態と同様である。
水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜の形成方法は、水蒸気(HO)を反応ガスとして用いた反応スパッタリングの手法を用いた(図3参照)。まず、RFマグネトロンスパッタリング装置の成膜処理チャンバ内の基板ホルダに透明電極を積層したガラス基板を設置する(ステップS1)。次に、予め作製したコバルト(第1のターゲット金属)とジルコニウム(第2のターゲット金属)の複合金属ターゲットを成膜処理チャンバ内のカソードに設置する(ステップS2)。コバルトとジルコニウムの複合金属ターゲットは、図4に示すように、直径50mmの円板状コバルトターゲットに複数の正方形(10mm×10mm)のZrチップを設けたものである。次に、反応ガスとして水蒸気(HO)を成膜処理チャンバ内に流通させる(ステップS3)。この状態で高周波電力を印加し、反応性スパッタリングにより基板上に水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムの複合膜を成膜する(ステップS4)。ここで、例えば、基板の温度を、10℃に保ち、水蒸気ガスの供給量を0.3cc/min、水蒸気ガス圧力を50mTorr、RFパワーを50Wとして、基板上に水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムの複合膜を成膜する。
上記方法で作製したエレクトロクロミック薄膜に対して、ジルコニウムによるエレクトロクロミック薄膜の性能への影響について検討した。図10はZrチップ数とエレクトロクロミック薄膜中Zr濃度の関係を示しており、図11はZr濃度を変えて作製したCo−Zr複合エレクトロクロミック薄膜の透過スペクトルを示しており、図12はZr濃度を変えて作製したCo−Zr複合エレクトロクロミック薄膜の透過率変化のサイクル依存性を示している。
直径50mmの円板状コバルトターゲットのみの場合と、直径50mmの円板状コバルトに複数の正方形(10mm×10mm)のZrチップを2、4、6枚配置した複合ターゲットを用いて作製したエレクトロクロミック薄膜中のジルコニウム濃度を蛍光X線分析により調べた結果、図10に示すように、Zrチップ数の増加と共に、エレクトロクロミック薄膜中のZr濃度が増加する。この結果に基づいて、Zrチップ数を選択することで、エレクトロクロミック薄膜中のジルコニウム濃度をコントロールすることができる。
また、ジルコニウム濃度を13at.%、37at.%、74at.%にした水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムの複合膜の試料を0.1MのKOHアルカリ性水溶液電解質中で5分間、脱色(−0.44V vs.Ag/AgClを印加)と着色(+0.56V vs.Ag/AgClを印加)した後の透過スペクトルを測定した。図11(a)に示すように、ジルコニウム濃度を13at.%の試料が、波長600nmにおける透過率の変化幅が20%と最も大きいことが分かった。また、図11(c)に示すように、ジルコニウム濃度を74at.%まで増加させた場合には、透過率変化幅が大きく減少し、エレクトロクロミック素子の電極材料としては、不適当である。
また、ジルコニウム濃度を13at.%、37at.%、74at.%にした水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムの複合膜の試料に対して、走査電位幅が−0.44〜+0.56V vs.Ag/AgClで電位走査速度が20mV/s(1サイクルが100秒)の条件で、サイクリックボルタンメトリを100サイクル繰り返した時の透過率変化を測定した。図12(a)に示すように、ジルコニウム濃度が13at.%の試料では、100サイクル後も透過率変化幅の大きな減少がなく、サイクル耐久性が高いことが確認できる。
上述したように、エレクトロクロミック素子200は、水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜からなるエレクトロクロミック薄膜30Aを備えている。また、エレクトロクロミック薄膜形成工程では、コバルトとジルコニウムの複合金属ターゲットを用いて、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜を形成する。これにより、本実施形態は、上述した第1の実施形態と同様な効果が得られる。
以下、本発明の第3の実施形態におけるエレクトロクロミック素子300について説明する。
エレクトロクロミック素子300は、第1の透明基板10と、第1の透明電極20と、エレクトロクロミック薄膜30Bと、電解質層40と、対極膜50と、第2の透明電極60と、第2の透明基板70とを順次積層した積層構造を備えている。
エレクトロクロミック素子300において、第1の透明基板10、第1の透明電極20、電解質層40、対極膜50と、第2の透明電極60、及び第2の透明基板70の材料の構成は、図1の実施形態の場合と同様であり、従って詳細な説明は省略する。
エレクトロクロミック薄膜30Bは、第1の透明電極20の表面に形成されたニッケル水酸化物とジルコニウム水和酸化物との複合薄膜である。膜厚は、例えば100nm〜1μm程度である。このエレクトロクロミック薄膜30Aにおいて、ジルコニウム濃度(Zr/(Ni+Zr))は、22at.%以下である。
また、エレクトロクロミック素子300の製造方法においては、第1の透明電極20の表面に、エレクトロクロミック薄膜30Bとしての水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜を形成する以外、上述した第1の実施形態と同様であり、従って詳細な説明は省略する。
上記方法で作製したエレクトロクロミック薄膜に対して、ジルコニウムによるエレクトロクロミック薄膜の性能への影響について検討した。図13はZr濃度を変えて作製したNi−Zr複合エレクトロクロミック薄膜の透過スペクトルを示しており、図14はZr濃度を変えて作製したNi−Zr複合エレクトロクロミック薄膜の透過率変化のサイクル依存性を示している。
ジルコニウム濃度を0at.%、11at.%、22at.%、63at.%にした水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムの複合膜の試料を0.5MのKOHアルカリ性水溶液電解質中で5分間、脱色(−0.44V vs.Ag/AgClを印加)と着色(+0.56V vs.Ag/AgClを印加)した後の透過スペクトルを測定した。図13に示すように、ジルコニウム濃度が11at.%の試料が、波長600nmにおける透過率の変化幅が70%と最も大きいことが分かった。また、ジルコニウム濃度を22at.%まで増加させても、着脱色時間が十分長ければ、0at.%の試料と同程度の透過率変化幅が得られる。一方、ジルコニウム濃度を63at.%まで増加させた場合には、透過率変化幅が大きく減少し、エレクトロクロミック素子の電極材料としては、不適当である。
また、ジルコニウム濃度を0at.%、11at.%、22at.%、63at.%にした水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムの複合膜の試料に対して、走査電位幅が−0.44〜+0.56V vs.Ag/AgClで電位走査速度が20mV/s(1サイクルが100秒)の条件で、サイクリックボルタンメトリを100サイクル繰り返した時の透過率変化を測定した。図14に示すように、ジルコニウム濃度が0at.%及び11at.%の試料では、100サイクル後も透過率変化幅の減少が認められず、サイクル耐久性が高いことが確認できる。
上述したように、エレクトロクロミック素子300は、水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜からなるエレクトロクロミック薄膜30Bを備えている。また、エレクトロクロミック薄膜形成工程では、ニッケルとジルコニウムの複合金属ターゲットを用いて、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜を形成する。これにより、本実施形態は、上述した第1の実施形態と同様な効果が得られる。
通常、エレクトロクロミック素子の構造は、ガラス基板/透明電極(ITO膜)/エレクトロクロミック薄膜/電解質層/対極膜/透明電極(ITO膜)/ガラス基板の積層構造となっている。エレクトロクロミック薄膜の材料は、酸化還元反応により色変化をする材料であり、酸化タングステンのように還元状態で着色する材料、あるいは水酸化コバルトや水酸化ニッケルのように酸化状態で着色する材料が用いられる。対極膜の材料は、エレクトロクロミック電極と逆の酸化還元反応を行い、イオンの貯蔵・放出の働きをする。対極膜の材料としては、酸化セリウムのように酸化還元反応によりほとんど色変化せず、透明な材料を用いる場合と、エレクトロクロミック薄膜の材料と逆の酸化還元状態で着色するエレクトロクロミック材料を用いる場合がある。例えば、エレクトロクロミック薄膜の材料に還元着色型の酸化タングステン、対極膜の材料に酸化着色型の水酸化ニッケルを用いれば、エレクトロクロミック薄膜の材料と対極膜の材料が同時に相補的に着脱色するため、高い着色効率を得ることができる。この構造の素子を相補型エレクトロクロミック素子という。ただし、酸化タングステンは、酸性水溶液中では安定なエレクトロクロミック特性を示すが、アルカリ性水溶液中では容易に溶解する。これに対し、水酸化ニッケルや水酸化コバルトは、アルカリ性水溶液中では、安定なエレクトロクロミック特性を示すが、強酸性水溶液中では、容易に溶解する。このため、エレクトロクロミック薄膜の材料に酸化タングステン、対極膜の材料に水酸化ニッケルを用いた相補型エレクトロクロミック素子を実現するためには、中性又は弱酸性水溶液を使う必要がある。
そこで、相補型エレクトロクロミック素子への応用の可能性を調べるため、1 mMのHSO+1MのKCl弱酸性水溶液電解質中で、水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムの複合膜の着脱色サイクル試験を行った。その結果、図15に示すように、無添加の水酸化ニッケル薄膜は、100サイクルほどで溶解し、透過率変化を示さなくなるのに対し、ジルコニウムを11at.%添加した複合膜は、800サイクル後も透過率変化を示すことがわかる。この結果より、水酸化物と水和酸化物の複合酸化物は、アルカリ性水溶液電解質だけではなく、弱酸性水溶液電解質中でのサイクル耐久性改善にも大きな効果があることが確認できる。
なお、上述した実施形態のエレクトロクロミック素子100において、水和酸化物は、水和酸化ニオブであり、エレクトロクロミック素子200及び300において、水和酸化物は、水和酸化ジルコニウムであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、水和酸化物として水和酸化タンタルにしてもよい。
また、上述した実施形態のエレクトロクロミック素子100及び200において、複合ターゲットは、直径50mmの円板状コバルトターゲットに複数の10mm×10mmの正方形のNbチップを形成したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、2種類以上の金属を合金化した合金ターゲットを用いても、同様にエレクトロクロミック薄膜を作製することができる。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明のエレクトロクロミック素子は、調光ガラス、自動車用防眩ミラー、電子ペーパに利用できる。
10 第1の透明基板
20 第1の透明電極
30、30A、30B エレクトロクロミック薄膜
40 電解質層
40a スペーサ
50 対極膜
60 第2の透明電極
70 第2の透明基板
100、200、300 エレクトロクロミック素子

Claims (8)

  1. 対向する一対の基板上に互いに対向して設けられた一対の透明電極層と、前記一対の透明電極層に挟まれた電解質層及びエレクトロクロミック層とを有し、前記一対の透明電極層間に印加される電圧によって光の透過率が変化するエレクトロクロミック素子において、
    前記エレクトロクロミック層は、水酸化物と水和酸化物との複合薄膜であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 前記水酸化物は、水酸化コバルト又は水酸化ニッケルであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記水和酸化物は、水和酸化ニオブ、水和酸化ジルコニウム又は水和酸化タンタルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 前記エレクトロクロミック層は、水酸化コバルトと水和酸化ニオブとの複合薄膜であり、ニオブ濃度は、43at.%以下であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  5. 前記エレクトロクロミック層は、水酸化コバルトと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜であり、ジルコニウム濃度は、37at.%以下であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  6. 前記エレクトロクロミック層は、水酸化ニッケルと水和酸化ジルコニウムとの複合薄膜であり、ジルコニウム濃度は、22at.%以下であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  7. 第1の透明基板の表面に第1の透明電極を形成する第1の透明電極形成工程と、
    該形成された第1の透明電極の表面に薄膜によるエレクトロクロミック層を形成するエレクトロクロミック層形成工程と、
    第2の透明基板の表面に第2の透明電極を形成する第2の透明電極形成工程と、
    該形成された第2の透明電極の表面に対極膜を形成する対極膜形成工程と、
    表面に第1の透明電極及びエレクトロクロミック層が形成された第1の透明基板と、表面に第2の透明電極及び対極膜が形成された第2の透明基板とを、電解質層を介在させて積層する組み立て工程とを備え、
    前記エレクトロクロミック層形成工程では、水蒸気を用いた反応性スパッタリングにより水酸化物と水和酸化物との複合薄膜を形成することを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
  8. 前記エレクトロクロミック層形成工程では、第1のターゲット金属の表面に、所定面積を有する複数の第2のターゲット金属のチップを設けた複合ターゲットを用いたことを特徴とする請求項に記載のエレクトロクロミック素子の製造方法。
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