JP5961097B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機用として好適な潤滑油組成物に関する。
近年、地球環境問題から自動車においても燃費向上が重要な課題となっており、多段式自動変速機(AT:Automatic Transmission)よりも効率の高い無段式自動変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)の装着比率が高まっている。CVTでは金属製のプッシュベルトタイプが主流であり、排気量が0.6Lから3.5Lまでの広範囲の車両に搭載されている。最近ではさらに高効率とされるチェーンタイプのCVTも搭載されている。これらのCVTでは、プーリーとベルトの間またはプーリーとチェーンの間の摩擦で動力が伝達されるため、この間のスリップを防止するために大きな力で押し付けられている。ベルトとプーリー間またはチェーンとプーリー間はCVT油で潤滑されるが、この間の押し付け力の低減が燃費向上に繋がるため、CVT油には高い金属間摩擦係数が必要とされる。また、さらに燃費を向上させるために、トルクコンバーター内蔵のロックアップクラッチをスリップ制御する機構が多く採用されている。そのため、多くのCVT油には湿式クラッチに対する摩擦特性が付与されている。しかし、CVT油の金属摩擦係数が高くなるに従い、しばしばプーリーとベルトの間、あるいはプーリーとチェーンの間における振動やノイズが問題となる。この問題を抑制するためにCVT油には、高い金属間摩擦係数と併せて金属間の摩擦係数−すべり速度特性(以下、「金属間μ−V特性」ともいう。)に優れることも望まれている。
例えば、特許文献1では、高塩基価と低塩基価のアルカリ土類金属塩を組み合わせ、イミド化合物とリン化合物を配合することにより金属間摩擦係数を上げ、湿式クラッチの摩擦特性を向上させることを提案している。特許文献2では、アルカリ土類金属塩、ホウ素含有コハク酸イミド、トリアゾール系化合物、(アルキル)アリールホスファイト、およびイミド系やアミン系の摩擦調整剤を配合することで、伝達トルク容量を上げ、さらに湿式クラッチの耐摩耗性と摩擦特性を向上させることを提案している。特許文献3では、リン化合物とコハク酸イミドによって金属間摩擦係数を高め、湿式クラッチの目詰まりを抑制することを提案している。特許文献4では、有機酸金属塩とリン化合物、コハク酸イミドを組み合わせて金属間摩擦係数を高め、湿式クラッチの目詰まりを抑制することを提案している。また、ノイズの抑制に関するものとしては特許文献5がある。具体的には、比較的低塩基価のアルカリ土類金属スルホネートと亜リン酸エステルを組み合わせ、サルコシン誘導体やカルボン酸とアミンの反応物生成物からなる摩擦調整剤を配合することでスクラッチノイズを抑制できるとしている。
特許第4377505号公報 特開2007−126543号公報 特開2010−189479号公報 特開2011−006705号公報 特許第4117043号公報
上述した特許文献1〜4に記載された技術は、何れも金属間摩擦係数と湿式クラッチの摩擦特性に関するものであり、プーリーとベルトの間、あるいはプーリーとチェーンの間における振動やノイズの抑制については考慮されていない。特許文献5の提案油でも、振動やノイズの抑制について必ずしも十分とはいえない。
また、現在では、より高い伝達トルク容量(金属間摩擦係数)が求められ、振動やノイズの防止性能との両立が望まれている。
本発明は、金属間摩擦係数が十分高く、さらに金属間摩擦による振動やノイズを抑制することができる潤滑油組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のような潤滑油組成物を提供するものである。(1)基油に、(a)塩基価が200mgKOH/g以上のアルカリ土類金属スルホネート、(b)硫黄含有リン化合物、および(c)脂肪族1級アミンを配合してなり、前記(a)成分の配合量が組成物全量基準におけるアルカリ土類金属換算量で150質量ppm以上900質量ppm以下であり、前記(c)成分の炭素数が14以下であり、配合量が組成物全量基準における窒素換算量で100質量ppm以上700質量ppm以下であり、無段式自動変速機用であることを特徴とする潤滑油組成物。
(2)上述の(1)に記載の潤滑油組成物において、前記(a)成分がカルシウムスルホネートおよびマグネシウムスルホネートから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする潤滑油組成物。
(3)上述の(1)または(2)に記載の潤滑油組成物において、前記(b)成分が硫黄含有亜リン酸エステルおよび硫黄含有リン酸エステルから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする潤滑油組成物。
(4)上述の(1)から(3)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、前記(c)成分がアルキルアミンおよびアルケニルアミンからから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする潤滑油組成物。
(5)上述の(から(4)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、前記無段式自動変速機が金属ベルトタイプまたはチェーンタイプであることを特徴とする潤滑油組成物。
(6)上述の(1)から(5)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、当該潤滑油組成物が脂肪族ジカルボン酸を含まないことを特徴とする潤滑油組成物。
本発明の潤滑油組成物によれば、金属ベルトCVTやチェーンCVTの伝達トルク容量(金属間摩擦係数)を高く保ち、振動やノイズに関わる金属間μ−V特性に優れる。
本発明の潤滑油組成物(以下、単に「本組成物」ともいう。)は、基油に、(a)アルカリ土類金属スルホネート、(b)硫黄含有リン化合物、および(c)脂肪族1級アミンを配合してなるものである。以下、詳細に説明する。
〔基油〕
本組成物における基油は、特に制限はなく、ATFや無段変速機(CVTF)として使用しうるものであれば、鉱油、合成油を問わず使用することができる。
鉱油としては、パラフィン基系鉱油、中間基系鉱油又はナフテン基系鉱油などが挙げられ、具体的には、軽質ニュートラル油、中質ニュートラル油、重質ニュートラル油、ブライトストックなどを挙げることができる。これらのうち、特にパラフィン基系鉱油が粘度−温度特性の点で好ましい。また、合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリオレフィン(α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体)など)、各種のエステル(例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステルなど)、各種エーテル(例えば、ポリフェニルエーテルなど)、ポリオキシアルキレングリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。これらのうち、特にポリオレフィン、ポリオールエステルが潤滑性の点で好ましい。
本発明においては、基油として、上記鉱油を一種類用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記合成油を一種類用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、鉱油一種類以上と合成油一種類以上とを組み合わせて用いてもよい。
〔(a)成分〕
本組成物における(a)成分は、過塩素酸法による塩基価が200mgKOH/g以上のアルカリ土類金属スルホネートであり、金属系清浄剤として機能するものである。その具体例としては、カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネート、およびバリウムスルホネートなどが挙げられる。発明の効果の観点より、特にカルシウムスルホネートやマグネシウムスルホネートが好ましい。
上記したアルカリ土類金属スルホネートは、塩基価が200mgKOH/g以上のものを単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。このアルカリ土類金属スルホネートは、アルカリ土類金属の水酸化、または炭酸塩で過塩基化されたものであり、過塩素酸法による塩基価を200mgKOH/g以上としたものである。
ただし、この(a)成分であるアルカリ土類金属スルホネートの塩基価が500mgKOH/gを超えると金属間μ−V特性を悪化させるおそれがある。それ故、(a)成分の塩基価は、200mgKOH/g以上500mgKOH/g以下であることが好ましく、250mgKOH/g以上450mgKOH/g以下であることがより好ましい。
なお、上記の(a)成分であるアルカリ土類金属スルホネートに、塩基価200mgKOH/g未満の低塩基価アルカリ土類金属スルホネートや低塩基価アルカリ土類金属サルシレート1種類以上を、金属間摩擦係数や金属間μ−V特性を著しく悪化させない範囲の配合量で併用することができる。
上記(a)成分の、本組成物における配合量は、組成物全量基準で150質量ppm以上900質量ppm以下である。
上記金属分が組成物全量基準で150質量ppmより少ないと、金属間摩擦係数を充分に高めることができず、本発明の課題を解決することができない。また、上記金属分が900質量ppmを超えると金属間μ−V特性を悪化させる。また、金属間摩擦係数をより高め、金属間μ−V特性をより向上させるためには、上記金属分を200質量ppm以上600質量ppm以下とすることが好ましく、300質量ppm以上500質量ppm以下とすることがより好ましい。
〔(b)成分〕
本組成物における(b)成分は、硫黄含有リン化合物である。特に下記一般式(1)、(2)に示すような分子中に硫黄を含む亜リン酸エステルまたはリン酸エステルが金属間摩擦係数の向上や金属間摩擦係数の向上や金属間μ−V特性向上の観点より好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
Figure 0005961097
Figure 0005961097
上記式(1)において、Rは独立に炭素数が6から20までの炭化水素基を示すが、具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、およびヘキサデシル基などのアルキル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロアルキル基、およびジメチルシクロアルキル基などのシクロアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、およびナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、メチルベンジル基、フェニルプロピル基、およびフェニルブチル基などのアリールアルキル基などを挙げることができる。
これらの中で金属間摩擦係数の向上や金属間μ−V特性の向上の観点より炭素数8から16までのアルキル基が好ましい。
上記式(1)において、mおよびnは、0、1、2のいずれかであるが同時に0となることはなく、金属間摩擦係数の向上や金属間μ−V特性の向上の観点よりm+nが2以下であることが好ましい。
上記式(1)において、RおよびRは独立に炭素数が1から6までのアルキレン基を示すが、金属間摩擦係数の向上や金属間μ−V特性の向上の観点より炭素数が1または2であることが好ましい。
上記式(1)の亜リン酸エステルとして具体的には、モノ(オクチルチオエチル)ホスファイト、モノ(ドデシルチオエチル)ホスファイト、モノ(ヘキサデシルチオエチル)ホスファイト、ジ(オクチルチオエチル)ホスファイト、ジ(ドデシルチオエチル)ホスファイト、ジ(ヘキサデシルチオエチル)ホスファイト、モノ(オクチルオキシエチルチオエチルホスファイト、モノ(ドデシルオキシエチルチオエチル)ホスファイト、モノ(ヘキサデシルオキシエチルチオエチル)ホスファイト、ジ(オクチルオキシエチルチオエチル)ホスファイト、ジ(ドデシルオキシエチルチオエチル)ホスファイト、およびジ(ヘキサデシルオキシエチルチオエチル)ホスファイトなどが挙げられる。
上記式(2)において、Rは炭素数が2から20までの炭化水素基を示すが、上記式(1)のRと同じものであることが金属間摩擦係数の向上や金属間μ−V特性の向上の観点より好ましい。
式(2)において、pは0から3までの整数を示すが、2か3であることが好ましく、3であることがさらに好ましい。
上記式(2)のリン酸エステルとして具体的には、トリブチルチオホスフェート、トリオクチルチオフェート、トリデシルチオフェート、トリドデシルチオホスフェート、トリヘキサデシルチオホスファート、トリオクタデシルチオホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリクレジルチオホスフェート、トリブチルフェニルチオホスフェート、トリヘキシルフェニルチオホスフェート、トリオクチルフェニルチオホスフェート、およびトリデシルフェニルチオホスフェートなどが挙げられる。
(b)成分の配合量については、少ないと金属間摩擦係数を十分に高めることができず、また良好な金属間μ−V特性を得られないことがある。それ故(b)成分の配合量は、組成物全量基準におけるリン換算量で100質量ppm以上であることが好ましい。一方、(b)成分の配合量が過多となるような配合では、金属間μ−V特性を悪化させるおそれがあることから、(b)成分の配合量は、リン換算量で600質量ppm以下が好ましい。また、金属面間摩擦係数をより高め、金属間μ−V特性をより向上させるには、(b)成分の配合量を、リン換算量で200質量ppm以上500質量ppm以下とすることがより好ましく、200質量ppm以上400質量ppm以下とすることがさらに好ましい。
なお、リン化合物として(b)成分の硫黄含有リン化合物に対し、硫黄を含有しないリン酸エステルや亜リン酸エステルあるいはこれらのアミン塩を、金属間摩擦係数あるいは金属間μ−V特性を著しく悪化させない範囲で組み合わせて使用してもよい。
〔(c)成分〕
本組成物における(c)成分は、脂肪族1級アミンであり、金属間μ−V特性の向上に有効である。特に、アルキルアミンおよびアルケニルアミンからから選ばれた少なくとも1種が好ましい。
ここで、(c)成分の炭素数が多すぎると、例えばアルキル基やアルケニル基が長すぎると金属間摩擦係数と金属間μ−V特性の双方を満足することは困難となる。それ故、(c)成分の炭素数は、14以下である。
一方、(c)成分の炭素数が少なすぎると、例えばアルキル基やアルケニル基が短すぎると金属間μ−V特性が悪化するおそれがあり、また基油に溶解しないことがある。したがって、(c)成分の炭素数は、6以上であることが好ましい。
(c)成分の炭素数は、より好ましくは8以上14以下の範囲であり、8以上12以下の範囲であるとさらに好ましい。
上述のアルキル基やアルケニル基は直鎖でもよいし、分岐があってもよいが、直鎖であることが金属間μ−V特性の向上の観点より好ましい。
上述のアルキルアミンやアルケニルアミンとして具体的には、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキセニルアミン、オクテニルアミン、デセニルアミン、ドデセニルアミン、およびテトラデセニルアミンなどが挙げられ、その他、ココナッツアミンのように天然素材を原料としたものであってもよい。
(c)成分の配合量については、少ないと充分な金属間μ−V特性が得られず、過多となる配合では、金属間摩擦係数が低くなってしまうことがあるため、配合量は組成物全量基準における窒素換算量で100質量ppm以上700質量ppmの範囲である。
さらに、金属間摩擦係数と金属間μ−V特性を良好なものとするには、(c)成分の配合量を窒素換算量で130質量ppm以上500質量ppm以下とすることが好ましく、200質量ppm以上400質量ppm以下とすることがさらに好ましい。
なお、金属間摩擦係数や金属μ−V特性を著しく悪化させない範囲で、2級または3級アミンや炭素数15以上の1級アミンを、(c)成分と組み合わせて使用してもよい。
上述した本組成物は、金属ベルトCVTやチェーンCVTの伝達トルク容量(金属間摩擦係数)を高く保ち、振動やノイズに関わる金属間μ−V特性に優れ、またこれらの特性を長期間維持できる。それ故、金属ベルトCVTやチェーンCVTを搭載する自動車において、乗り心地の向上とその維持および燃費改善に有効であり、CVT用潤滑油としての利用価値が高い。もちろん、本組成物は、多段式自動変速機用の潤滑油(ATF)としても好適であることはいうまでもない。
〔その他の添加剤〕
本組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに他の添加剤、例えば、酸化防止剤、粘度指数向上剤、無灰系分散剤、硫黄系極圧剤、銅不活性化剤、防錆剤、摩擦調整剤、および消泡剤などを配合してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、アミン系の酸化防止剤(ジフェニルアミン類、ナフチルアミン類)、フェノール系の酸化防止剤、硫黄系の酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の好ましい配合量は、0.05質量%以上、7質量%以下程度である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体など)などが挙げられる。粘度指数向上剤の好ましい配合量は、配合効果の点から、組成物全量基準で、0.5質量%以上、15質量%以下程度である。
無灰系分散剤としては、例えば、コハク酸イミド化合物、ホウ素系イミド化合物、酸アミド系化合物などが挙げられる。無灰系分散剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で、0.1質量%以上、20質量%以下程度である。
硫黄系極圧剤としては、例えば、チアジアゾール系化合物、ポリサルファイド系化合物、チオカーバメイト系化合物、硫化油脂系化合物、および硫化オレフィン系化合物などが挙げられる。これらの硫黄系化合物の中でも、金属の耐焼付き性および金属間の耐摩耗性の観点から、チアジアゾール系化合物、ポリサルファイド系化合物が好ましい。これらの硫黄系化合物は単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。硫黄系極圧剤の好ましい配合量は0.02質量%以上、2質量%以下程度である。
銅不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、ト
リアゾール、トリアゾール誘導体、イミダゾール、イミダゾール誘導体、チアジアゾール、およびチアジアゾール誘導体などが挙げられる。銅不活性化剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01質量%以上、5質量%以下程度である。
防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル、脂肪酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、酸化パラフィン、およびアルキルポリオキシエチレンエーテルなどが挙げられる。防錆剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01質量%以上、3質量%以下程度である。
摩擦調整剤としては、例えば、カルボン酸、カルボン酸エステル、油脂、カルボン酸アミド、およびサルコシン誘導体などが挙げられる。摩擦調整剤の好ましい配合量は0.01質量%以上、5質量%以下程度である。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系化合物、フッ化シリコーン系化合物、およびエステル系化合物などが挙げられる。消泡剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で、0.01質量%以上、5質量%以下程度である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各例における潤滑油組成物(試料油)の性能(金属間摩擦係数、金属間μ−V特性)は下記の方法で求めた。
(1)金属間摩擦係数
ASTM D2714に準拠したブロックオンリング試験機(ファレックス社製)を用いて評価した。金属間摩擦係数が高いほど、伝達トルク容量も大きくなる。評価条件は下記の通りである。
<ならし条件>
面圧 :0.8GPa
油温 :80℃
すべり速度:0.5m/s
時間 :30分
<測定条件>
面圧 :0.8GPa
油温 :80℃
すべり速度:0.2m/s
<試験片材質>
鋼−鋼
(2)金属間μ−V特性(μ比)
シリンダーオンブロック型往復動摩擦試験機(キャメロンプリント社製)を用いて評価した。μ比が小さい値であるほど、振動やノイズを生じにくい。評価条件は下記の通りである。
<ならし条件>
面圧 :0.8GPa
油温 :80℃
平均すべり速度:0.16m/s
時間 :10分
<測定条件>
面圧 :0.8GPa
油温 :80℃
平均すべり速度 :0.03m/s、0.1m/s
<試験片材質>
鋼−鋼(シリンダー:直径15mm、接触長さmm)
<μ比の算出法>
μ比=(0.03m/sにおける摩擦係数)/(0.1m/sにおける摩擦係数)
〔実施例1〜13、比較例1〜13〕
以下に示す潤滑油基油および各種添加剤を用い、表1、表2に示す配合組成にしたがって変速機用潤滑組成物(試料油)を調製した。試料油は前記した方法により各性能を評価した。結果を表1、表2に示す。
Figure 0005961097
Figure 0005961097
上記表1、表2で用いた基油および添加剤の詳細は、以下の通りである。
1)基油:パラフィン系鉱物油(40℃における動粘度:21mm/s、100℃における動粘度:4.5mm/s)
2)高塩基価Caスルホネート:塩基価300mgKOH/gのカルシウムスルホネート
3)高塩基価Mgスルホネート:塩基価400mgKOH/gのマグネシウムスルホネート
4)低塩基価Caスルホネート:塩基価10mgKOH/gのカルシウムスルホネート
5)硫黄含有リン化合物A :ジ(オクチルチオエチル)ホスファイト
6)硫黄含有リン化合物B :トリフェニルチオホスフェート
7)亜リン酸エステル :ジオレイルハイドロジェンホスファイト
8)中性リン酸エステル :トリクレジルホスフェート
9)その他添加剤 :酸化防止剤、粘度指数向上剤、無灰系分散剤、硫黄系極圧剤、銅不活性化剤、防錆剤、摩擦調整剤、および消泡剤
10)市販CVTF :SUBARU CVT C-30
11)市販ATF :VW ATF G052516A2
〔評価結果〕
表2における参考例1は市販CVTFであり、参考例2は市販ATFである。市販CVTFの金属間摩擦係数は高いが、μ比が大きいため不十分である。一方、市販ATFのμ比は小さく良好であるが、金属間摩擦係数が小さいため不十分である。それ故、求められる潤滑油組成物の性能としては、金属間摩擦係数が市販CVTFと同等かそれより高いことであり、μ比が市販ATFと同等かそれより低いことである。
表1、2に示すように、本発明の潤滑油組成物(実施例1〜13)は、基油に所定のアルカリ土類金属スルホネート、硫黄含有リン化合物および脂肪族1級アミンを配合してなるため、金属間摩擦係数が高く、金属間μ−V特性(μ比)に優れるものとなっている。
一方、比較例1〜10の潤滑油組成物は、金属間摩擦係数とμ比の何れかまたは双方の特性が不十分であった。例えば、比較例1,2では、アルキル基の炭素数が18の1級アミンを配合しているが、金属間摩擦係数とμ比の双方を満足することができない。比較例3では、3級アミンを大量に配合したが、μ比を改善する効果が見られなかった。比較例4では、(c)成分であるオクチルアミンの配合量が過多であるため金属間摩擦係数が下がってしまい、一方、比較例5のようにオクチルアミンの配合量が少ないとμ比が大きくなってしまった。比較例6では、Caスルホネートとして低塩基のもののみを配合したが、金属間摩擦係数とμ比の何れも不十分であった。比較例7では、(a)成分の高塩基価Caスルホネートの配合量が少ないため金属間摩擦係数を高くすることができず、一方、比較例8のように高塩基価Caスルホネートの配合量が過多であるとμ比が大きくなった。比較例9,10では、硫黄を含まないリン化合物を配合したが、金属間摩擦係数、μ比ともに満足できなかった。

Claims (6)

  1. 基油に、(a)塩基価が200mgKOH/g以上のアルカリ土類金属スルホネート、(b)硫黄含有リン化合物、および(c)脂肪族1級アミンを配合してなり、
    前記(a)成分の配合量が組成物全量基準におけるアルカリ土類金属換算量で150質量ppm以上900質量ppm以下であり、
    前記(c)成分の炭素数が14以下であり、配合量が組成物全量基準における窒素換算量で100質量ppm以上700質量ppm以下であり、
    無段式自動変速機用であ
    ことを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 請求項1に記載の潤滑油組成物において、
    前記(a)成分がカルシウムスルホネートおよびマグネシウムスルホネートから選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする潤滑油組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の潤滑油組成物において、
    前記(b)成分が硫黄含有亜リン酸エステルおよび硫黄含有リン酸エステルから選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする潤滑油組成物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
    前記(c)成分がアルキルアミンおよびアルケニルアミンからから選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする潤滑油組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
    前記無段式自動変速機が金属ベルトタイプまたはチェーンタイプである
    ことを特徴とする潤滑油組成物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
    当該潤滑油組成物が脂肪族ジカルボン酸を含まない
    ことを特徴とする潤滑油組成物。
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