JP5957968B2 - 電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
これらの中でも、前記(3)積層型は、特に高感度化に有利であり、加えて、高感度化や高耐久化に対する設計上の自由度が高いこともあり、現在、有機感光体の多くは、この層構成が採用されている。
また、前記提案の電子写真感光体は、クリーニング性に劣るという問題もある。トナーに外添される外添剤は、画像形成時に該トナーから脱離乃至分離し、電子写真感光体表面に付着する。前記外添剤の粒径は、非常に小さいため、従来のクリーニングブレードではクリーニングが困難であり、前記電子写真感光体表面に残留してしまうという問題がある。更に、前記電子写真感光体表面に残留した外添剤は、前記クリーニングブレードの圧力と摩擦熱によって、該電子写真感光体表面に更なる付着が発生するという問題もある。
特に、前記電子写真感光体に表面保護層を設けた場合、該電子写真感光体の磨耗量が減少することによって、外添剤の除去がより困難になったため、前記表面保護層に付着した外添剤を起点として、繰り返しの使用時に新たな外添剤やトナーが該表面保護層上に徐々に付着していき、付着物が画像に現れる異常画像の発生につながるという問題がある。
しかし、これらの提案の方法では、短期的には高い効果が得られているものの、長期に渡り繰返し使用を実施した際の耐摩耗性とクリーニング性との両立については十分満足できる特性は得られていなかった。
10×d2 ≧ d1 ≧ 6×d2 (式1)
本発明の電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)は、導電性基体上に、感光層と、表面保護層とを有してなる電子写真感光体であり、必要に応じて、更にその他の層を有する。
前記表面保護層は、少なくとも2種の平均粒径の異なる金属酸化物粒子と、分散剤と、を少なくとも含有し、更に必要に応じて、重合性化合物、電荷輸送性化合物、重合開始剤等のその他の成分を含有する。
前記金属酸化物粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
10×d2 ≧ d1 ≧ 6×d2 (式1)
9.7×d2 ≧ d1 ≧ 7.5×d2 (式2)
従来、表面保護層中の金属酸化物粒子を同時に分散した場合、図1に示すように、表面保護層23a中に、最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子20a及び最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子21aがそれぞれ均一に分散されるので、表面保護層23aの表面(感光体表面)には、最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子20aに由来する凹凸部分が主に感光体最表面に露出される形態をとりやすかった。良好なクリーニング性を得るためには、最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子21aを感光体最表面に設けて微細な凹凸を形成することが非常に有効であるため、図1に示すような従来の形態では、クリーニング性が不十分であった。
なお、図1及び図2において、符号11は、感光層を示す。
また、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子及び前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子以外の平均粒径を有するその他の金属酸化物粒子の材料も、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子及び/又は前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の種類と同じであっていてもよく、異なっていてもよい。
具体的には、前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の含有量100質量部に対して、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の含有量が、10質量部〜100質量部が好ましく、20質量部〜90質量部がより好ましく、40質量部〜60質量部が特に好ましい。前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の含有量が、10質量部未満であると、耐摩耗性が悪化することがあり、100質量部を超えると、クリーニング性が悪化することがある。
前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子としては、前記例示したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化チタン、酸化アルミニウム等の粒子を用いることが、磨耗特性に優れた特性を示すことから好ましく、高硬度のルチル型酸化チタン、α型酸化アルミニウム、アナタース型酸価チタン等の粒子を用いることが好ましく、高硬度のルチル型酸化チタン、α型酸化アルミニウム等の粒子を用いることがより好ましく、耐久性の点でα型酸化アルミニウム粒子が特に好ましい。
なお、本発明において、前記1次平均粒径は、以下のように算出される。最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の長軸と短軸とを走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて30,000倍以上で観察し、前記長軸と前記短軸との平均値を算出する。前記長軸と前記短軸との平均値(二軸平均径)を、10個の最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子についてそれぞれ算出し、これを平均した値が、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の前記1次平均粒径である。
また、本発明においては、複数の金属酸化物を混合した形態で、粒子径を求めることも可能であり、粒子径や形状により判別することができる。また、エネルギー分散型X線分析により、金属酸化物の種類からも種類の違いを判別することが可能であり、更に表面保護層の断面をエネルギー分散型X線分析することにより、被覆層内部の金属酸化物や被覆層を確認することで、粒子径を求めることもできる。
前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面が表面処理されてなる表面処理金属酸化物粒子である。
これらの中でも、前記表面処理剤としては、シランカップリング剤が好ましく、分子構造中にアクリル基、メタクリル基、及びアミノ基のいずれかを有するシランカップリング剤がより好ましく、アクリル基及びメタクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤が特に好ましい。前記分子構造中にアクリル基やメタクリル基を有するシランカップリング剤により表面処理された表面処理金属酸化物粒子は、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子に配位しやすくなる点で有利である。
なお、本発明において、前記1次平均粒径は、以下のように算出される。最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の長軸と短軸とを走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて30,000倍以上で観察し、前記長軸と前記短軸との平均値(二軸平均径)を算出する。前記長軸と前記短軸との平均値を、10個の最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子についてそれぞれ算出し、これを平均した値が、前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の前記1次平均粒径である。
また、本発明においては、複数の金属酸化物を混合した形態で、粒子径を求めることも可能であり、粒子径や形状により判別することができる。また、エネルギー分散型X線分析により、金属酸化物の種類からも種類の違いを判別することが可能であり、更に表面保護層の断面をエネルギー分散型X線分析することにより、被覆層内部の金属酸化物や被覆層を確認することで、粒子径を求めることもできる。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子に吸着されやすい分散剤が好ましく、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子に吸着されやすく、かつ前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の周囲に配位しやすい分散剤がより好ましい。
なお、前記酸価は、JIS K0070の方法に基づき測定することができる。
なお、前記アミン価は、JIS K7237の方法に基づき測定することができる。
前記表面保護層中の前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性化合物、電荷輸送性化合物、重合開始剤、低分子化合物、レベリング剤などが挙げられる。
前記表面保護層は、重合性化合物を重合することにより形成されることが好ましい。
前記重合性化合物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記3官能以上の重合性化合物を重合することで、3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度かつ高弾性な表面保護層が得られ、高い耐磨耗性、耐傷性が得られる点で有利である。
前記表面保護層の形成においては、前記重合性化合物に加え、電荷輸送性化合物を含有することも可能である。前記電荷輸送性化合物としては、重合性官能基を有するものであってもよく、有しないものであってもよいが、機械的耐久性の観点から、重合性官能基を有するものが好ましく使用できる。
前記表面保護層は、硬化反応を効率よく進行させるために重合開始剤を含有することが好ましい。
前記重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。
また、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物等のその他の光重合開始剤も使用できる。
前記光重合促進効果を有する化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記表面保護層は、必要により適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及び/又はレベリング剤を含有してもよい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記低分子化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記重合性化合物100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.1質量部〜20質量部がより好ましい。
また、前記レベリング剤含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記重合性化合物100質量部に対して、0.001質量部〜5質量部が好ましい。
前記表面保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで、例えば、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子と、前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子(表面処理金属酸化物粒子)と、前記分散剤と、必要に応じて、前記分散剤を用いずに粉砕及び/又は分散したその他の金属酸化物粒子、前記表面処理されていないその他の金属酸化物粒子、溶媒等のその他の成分とを適宜混合して表面保護層用組成物を調製し、これを前記感光層上に塗設する方法などが挙げられる。
前記表面保護層用組成物の混合順序としては、特に制限はなく、全ての成分を同時に混合してもよく、各成分を順次混合してもよいが、前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子を前記分散剤と共に粉砕及び/又は分散した分散物と、前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子(表面処理金属酸化物粒子)と、必要に応じて、前記その他の成分とを混合する方法が好ましい。
即ち、前記表面保護層は、少なくとも前記最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子と分散剤とを少なくとも含む金属酸化物粒子分散物と、前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子が表面処理されてなる表面処理金属酸化物粒子と、を用いて形成されてなることが好ましい。
前記外部エネルギーとしては、特に制限はなく、重合性化合物及び重合性開始剤の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、熱エネルギー、光エネルギー、電子線等の放射線エネルギーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記外部エネルギーとしては、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱エネルギー、光のエネルギーが好ましい。
前記熱エネルギーを加えた場合の加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃以下が好ましい。前記加熱温度が、100℃未満であると、反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しないことがあり、170℃を超えると、硬化反応が不均一に進行し、表面保護層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生することがある。
硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
前記光エネルギーの照射光量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50mW/cm2〜1,000mW/cm2が好ましい。前記光エネルギーの照射光量が50mW/cm2未満であると、硬化反応に時間を要することがある。一方、前記光エネルギーの照射光量が1,000mW/cm2を超えると、強いと反応の進行が不均一となり、前記表面保護層の表面に局部的な皺が発生することや、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずることなどがある。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれ(層剥がれ)の原因となる。
前記導電性基体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好ましい。
このような導電性基体の材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属や、酸化スズ、酸化インジウム等の酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。
前記感光層は、単層型感光層であってもよく、積層型感光層であってもよいが、積層型感光層であることが好ましく、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順で積層させた機能分離型の積層型感光層が特に好ましい。
前記電荷発生層は、積層型感光層の一部を形成する層であり、露光によって電荷を発生する機能を有する。前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を主成分として含有し、必要に応じて、更にバインダー樹脂等のその他の成分を含有する。
前記電荷発生物質としては、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子又はハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが好ましく用いられる。
これらの中でも、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料などは、電荷発生の量子効率が軒並み高く特に好適に使用される。
前記電荷発生層中の前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリビニルブチラールが好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及び/又はレベリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記低分子化合物及び/又は前記レベリング剤を併用すると、感度劣化をきたケースが多い。このため、これらの使用量は、概して少ない方が好ましい。
前記電荷発生層に含まれる前記低分子化合物の含有量としては、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。
また、前記電荷発生層に含まれる前記レベリング剤の含有量としては、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部が好ましい。
前記電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前記電荷輸送層は、前記電荷発生層で生成した電荷を注入し、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を有する積層型感光層の一部を形成する層である。
前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質及びこれを結着するバインダー樹脂を主成分として含有し、必要に応じて、更その他の成分を含有する。
前記電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
前記電荷輸送層中の前記バインダー樹脂としては、高分子化合物が好ましく、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートが、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多い点で好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤等の低分子化合物及び/又はレベリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記低分子化合物及び/又は前記レベリング剤を併用すると、感度劣化をきたケースが多い。このため、これらの使用量は、概して少ない方が好ましい。
前記電荷輸送層に含まれる前記低分子化合物の含有量としては、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。
また、前記電荷輸送層に含まれる前記レベリング剤の含有量としては、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部が好ましい。
前記電荷輸送層は、前記電荷輸送物質と、前記バインダー樹脂とを主成分とする混合物乃至共重合体を、適当な溶剤に溶解乃至分散し、電荷輸送層塗設液を調製し、この電荷輸送層塗設液を塗設し、乾燥することにより形成することができる。
本発明の前記感光体は、前記電荷輸送層の上層には、前記表面保護層が積層されているため、前記電荷輸送層の厚みは、実使用上の層削れを考慮した電荷輸送層の厚層化の設計が不要であり、薄層化も可能である点で有利である。
前記感光体における前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層などが挙げられる。
本発明の前記感光体には、前記導電性基体と前記感光層との間に適宜下引き層を設けることもできる。
下引き層の材料としては、一般に樹脂を主成分とするものが用いられるが、これらの樹脂は、その上に前記感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが好ましい。
図5は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す断面模式図である。前記感光体は、導電性基体13上に感光層11が形成され、最表面に耐磨耗性に優れた表面保護層12が形成されてなる。感光層11は、電荷発生層112、電荷輸送層113の機能分離型積層構造を有し、更に更に下引き層111を有する。表面保護層12は、電荷輸送物質を含有してもよい。
本発明の前記電子写真感光体は、耐久性に優れ、かつ、トナーから脱離乃至分離した外添剤の付着を抑制でき、繰り返し使用した場合であっても、良好な解像度の高画像品質が長期に渡り維持できるため、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される画像形成装置に用いる電子写真感光体として好適に利用される。
本発明の画像形成装置は、本発明の前記電子写真感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段と、を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。なお、前記帯電手段と、前記露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
前記静電潜像形成手段は、前記電子写真感光体上に静電潜像を形成する手段である。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体(感光体)を用いる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記帯電手段により、前記感光体の表面に電圧を印加することに該感光体を帯電させることができる。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を有するそれ自体公知の接触帯電手段、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電手段などが挙げられる。
前記帯電手段として前記磁気ブラシを用いる場合、該磁気ブラシとしては、例えば、Zn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を帯電手段として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって形成される。
また、前記帯電手段として前記ブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物粒子により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電手段とする。
前記帯電手段は、前記感光体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって前記感光体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電手段が、前記感光体にギャップテープを有し非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって前記感光体を帯電するものも好ましい。
前記露光手段により、前記感光体の表面を像様に露光することができる。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系などが挙げられる。なお、本発明においては、前記感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する手段である。
前記現像手段は、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
近年、高画質化を達成するため、小粒径で球形に近い形状のトナーが用いられているが、トナークリーニングが困難になることから、例えば、シリカのような外添剤をトナー表面に設けることによってトナー表面に凹凸を設け、クリーニング性の向上や感光体とトナー間又は、中間転写ベルトとトナー間の接触面積を低減させ、付着力低減効果を図っている。
更にトナー間の付着力を低減し、流動性や帯電特性の向上を図ることができる。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段である。
前記転写手段としては、コロナ放電によるコロナ転写手段、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
前記転写手段としては、可視像を中間記録媒体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有することが好ましい。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記クリーニング手段は、前記感光体上に残留するトナーや外添剤を除去する手段である。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記クリーニングブラシは、クリーニングブレードに対し感光体の回転方向下流側に有するものである。また、前記クリーニングブレード及び前記クリーニングブラシに加えて、更に別のクリーニング手段を併用することも可能であり、前記別のクリーニング手段としては、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記定着手段は、記録媒体に転写された可視像を定着させる手段である。前記転写手段を用いた転写は、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共に、あるいはこれに代えて、例えば、公知の光定着手段を用いてもよい。
前記除電手段は、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う手段である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段は、前記クリーニング手段により除去したトナーを前記現像手段にリサイクルさせる手段である。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各手段を制御する手段である。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
感光体(電子写真感光体)1を平均的に帯電させる帯電手段として、帯電ローラ3が用いられる。その他の帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
前記画像形成装置は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱可能としたものであってもよい。
本発明の画像形成装置は、特定の金属酸化物粒子を含有する表面保護層を設け、耐久性に優れた感光体を有することで、トナーから脱離乃至分離した外添剤の感光体上への付着を抑制することでき、繰り返し使用した場合であっても、良好な解像度の高画像品質が長期に渡り維持できるため、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機などに好適に利用可能である。
本発明の前記電子写真感光体(感光体)は、プロセスカートリッジにも好適に適用でき、本発明の前記電子写真感光体を適用したプロセスカートリッジも、本発明の範囲内に含み得る。
前記プロセスカートリッジは、前記感光体と、前記クリーニング手段とを少なくとも一体に具備し、画像形成装置本体に着脱可能なカートリッジである。
プロセスカートリッジ105は、感光体(感光ドラム)101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段(クリーニングブラシ)107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、図示しない露光手段により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は、転写手段106により、図示しない記録媒体に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体101表面は、クリーニングブレード108、及びクリーニングブラシ107によりクリーニングされ、更に図示しない除電手段により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
金属酸化物粒子の長軸と短軸を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い30,000倍以上で観察し、該金属酸化物粒子の長軸と短軸との平均値した。前記長軸と前記短軸との平均値を、10個の前記金属酸化物粒子についてそれぞれ算出し、これを平均した値を、前記金属酸化物粒子の1次平均粒径とした。
<表面保護層用分散液A1の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A1を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・10質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.1質量部
(商品名:BYK−P 105、低分子量不飽和ポリカルボン酸のポリマー、酸価:365mg KOH/g、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A2の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A2を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.3μmのα型酸化アルミニウム粒子 ・・・10質量部
(商品名:スミコランダム(登録商標)AA−03、住友化学工業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.1質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A3の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A3を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.3μmのα型酸化アルミニウム粒子 ・・・10質量部
(商品名:スミコランダム(登録商標)AA−03、住友化学工業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.1質量部(溶媒を除いた固形成分:0.052質量部)
(商品名:BYK−220S、低分子量不飽和ポリカルボン酸ポリエステルとポリシロキサン共重合物の溶液、酸価:100mg KOH/g、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A4の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A4を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.3μmのα型酸化アルミニウム粒子 ・・・10質量部
(商品名:スミコランダム(登録商標)AA−03、住友化学工業株式会社製)
・変性アクリル系ブロック型分散剤 ・・・0.1質量部
(商品名:Disperbyk−2000、アミン価:4mg KOH/g、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A5の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A5を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.18μmのアナタース型酸化チタン粒子 ・・・10質量部
(商品名:JA−1、テイカ株式会社社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.1質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A6の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A6を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.4μmのシリカ粒子 ・・・10質量部
(商品名:球状シリカSciqas、堺化学工業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.1質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A7の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A7を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・2質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.02質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・6質量部
<表面保護層用分散液A8の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A8を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・8質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.08質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・24質量部
<表面保護層用分散液A9の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A9を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・12質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.12質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・36質量部
<表面保護層用分散液A10の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A10を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・20質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.2質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・60質量部
<表面保護層用分散液A11の調製>
下記組成の表面保護層用分散液11を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・30質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.3質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・90質量部
<表面保護層用分散液A12の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A12を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・10質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A13の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A13を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・5質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・平均粒径70nmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・5質量部
(商品名:PT−401M、ルチル化率:46.7%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.1質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A14の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A14を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・10質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.01質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面保護層用分散液A15の調製>
下記組成の表面保護層用分散液A15を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
[組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・10質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.6質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
<表面処理金属酸化物粒子1の作製>
下記組成で、金属酸化物粒子、表面処理剤、及び溶媒を用い、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行った後、溶媒を加熱乾燥により除去し、表面処理金属酸化物粒子1を作製した。
[組成]
・平均粒径31nmのγ型酸化アルミニウム粒子 ・・・20質量部
(商品名:NanoTek(登録商標) Powder、シーアイ化成株式会社製)
・アクリル基を有するシランカップリング剤 ・・・1質量部
(アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、東京化成工業株式会社製)
・メタノール ・・・180質量部
・水 ・・・20質量部
<表面処理金属酸化物粒子2の作製>
下記組成で、金属酸化物粒子、表面処理剤、及び溶媒を用い、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行った後、溶媒を加熱乾燥により除去し、表面処理金属酸化物粒子2を作製した。
[組成]
・平均粒径40nmの酸化亜鉛粒子 ・・・20質量部
(商品名:Pazet GK−40、ハクスイテック株式会社製)
・アクリル基を有するシランカップリング剤 ・・・1質量部
(アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、東京化成工業株式会社製)
・メタノール ・・・180質量部
・水 ・・・20質量部
<表面処理金属酸化物粒子3の作製>
下記組成で、金属酸化物粒子、表面処理剤、及び溶媒を用い、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行った後、溶媒を加熱乾燥により除去し、表面処理金属酸化物粒子3を作製した。
[組成]
・平均粒径30nmの酸化スズ粒子 ・・・20質量部
(商品名:S−2000、三菱マテリアル電子化成株式会社製)
・アクリル基を有するシランカップリング剤 ・・・1質量部
(アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、東京化成工業株式会社製)
・メタノール ・・・180質量部
・水 ・・・20質量部
<表面処理金属酸化物粒子4の作製>
下記組成で、金属酸化物粒子、表面処理剤、及び溶媒を用い、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行った後、溶媒を加熱乾燥により除去し、表面処理金属酸化物粒子4を作製した。
[組成]
・平均粒径35nmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・20質量部
(商品名:MT−500B、テイカ株式会社製)
・アクリル基を有するシランカップリング剤 ・・・1質量部
(アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、東京化成工業株式会社製)
・メタノール ・・・180質量部
・水 ・・・20質量部
<表面処理金属酸化物粒子5の作製>
下記組成で、金属酸化物粒子、表面処理剤、及び溶媒を用い、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行った後、溶媒を加熱乾燥により除去し、表面処理金属酸化物粒子5を作製した。
[組成]
・平均粒径31nmのγ型酸化アルミニウム粒子 ・・・20質量部
(商品名:NanoTek(登録商標) Powder、シーアイ化成株式会社製)
・メタクリル基を有するシランカップリング剤 ・・・1質量部
(メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、東京化成工業株式会社製)
・メタノール ・・・180質量部
・水 ・・・20質量部
<表面処理金属酸化物粒子6の作製>
下記組成で、金属酸化物粒子、表面処理剤、及び溶媒を用い、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行った後、溶媒を加熱乾燥により除去し、表面処理金属酸化物粒子6を作製した。
[組成]
・平均粒径31nmのγ型酸化アルミニウム粒子 ・・・20質量部
(商品名:NanoTek(登録商標) Powder、シーアイ化成株式会社製)
・アミノ基を有するシランカップリング剤 ・・・1質量部
(3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン株式会社製)
・メタノール ・・・180質量部
・水 ・・・20質量部
<表面処理金属酸化物粒子7の作製>
下記組成で、金属酸化物粒子、表面処理剤、及び溶媒を用い、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行った後、溶媒を加熱乾燥により除去し、表面処理金属酸化物粒子7を作製した。
[組成]
・平均粒径70nmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・20質量部
(商品名:PT−401M、ルチル化率:46.7%、石原産業株式会社製)
・アクリル基を有するシランカップリング剤 ・・・1質量部
(アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、東京化成工業株式会社製)
・メタノール ・・・180質量部
・水 ・・・20質量部
<表面保護層用分散液B1〜B7の調製>
表面処理金属酸化物粒子1〜7を用いて、下記表3に示す組成の表面保護層用分散液B1〜B7を、それぞれ直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い調製した。
<表面保護層用分散液B8の調製>
下記組成の表面保護層用分散液B8を、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い作製した。
[組成]
・表面未処理の平均粒径31nmのγ型酸化アルミニウム粒子 ・・・20質量部
(商品名:NanoTek(登録商標) Powder、シーアイ化成株式会社製)
・メチルエチルケトン ・・・180質量部
<表面保護層塗工液1〜26の調製>
下記表5〜7に示す組成の表面保護層塗工液1〜26を、それぞれ1時間混合攪拌して作製した。
下記組成の表面保護層用分散液Cを、直径1mmジルコニアメディアを用いて24時間ボールミル分散を行い作製した後、下記表8に示す組成の表面保護層塗工液27を、1時間混合攪拌して作製した。
[表面保護層用分散液Cの組成]
・平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子 ・・・10質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・製造例16で作製した表面処理金属酸化物粒子1(平均粒径31nmのγ型酸化アルミニウム粒子) ・・・20質量部
・ポリカルボン酸ポリマー型分散剤 ・・・0.1質量部
(商品名:BYK−P 105、ビックケミー社製)
・メチルエチルケトン ・・・180質量部
・シクロヘキサノン ・・・30質量部
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(3官能のラジカル重合性化合物、東京化成株式会社製)
・KAYARAD NPGDA(商品名):2官能のラジカル重合性化合物(日本化薬株式会社製)
・イルガキュア184(商品名):1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
<電子写真感光体1の作製>
<<下引き層の作製>>
アルミニウムシリンダ上に、下記組成の下引き層塗工液を調製し、これを浸漬塗工によって塗布し、乾燥して、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
[組成]
・アルキッド樹脂 ・・・6質量部
(商品名:ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)
・メラミン樹脂 ・・・4質量部
(商品名:スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)
・酸化チタン ・・・40質量部
(商品名:CR−EL、ルチル化率:99.1%、石原産業株式会社製)
・メチルエチルケトン ・・・50質量部
前記下引き層上に、下記組成の電荷発生層塗工液を調製し、これを浸漬塗工によって塗布し、乾燥して、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
[組成]
・下記構造式(1)で表されるビスアゾ顔料 ・・・2.5質量部
・シクロヘキサノン ・・・200質量部
・メチルエチルケトン ・・・80質量部
なお、前記構造式(1)で表されるビスアゾ顔料は、特開平3−230168号公報を参照して合成した。
前記電荷発生層上に、下記組成の電荷輸送層塗工液を調製し、これを浸漬塗工によって塗布し、乾燥して、厚み23μmの電荷輸送層を形成した。
[組成]
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート ・・・10質量部
(商品名:パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・下記構造式(2)で表される電荷輸送物質 ・・・7質量部
・テトラヒドロフラン ・・・100質量部
・シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 ・・・1質量部
(商品名:KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)
次に、前記電荷輸送層上に、表面保護層塗工液1を用いてスプレー塗工し、メタルハライドランプの照射強度500mW/cm2、照射時間20秒間の条件で光照射を行い、更に130℃で30分間乾燥し、厚み1.5μmの表面保護層を形成した。以上により、電子写真感光体1を作製した。
実施例1において、表面保護層の形成時の表面保護層塗工液1を、下記表9に示す表面保護層塗工液2〜27に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2〜21及び比較例1〜6の電子写真感光体2〜27を作製した。
実施例1において、表面保護層の形成時の表面保護層の厚みを1.5μmから、0.2μmに変えたこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例22の電子写真感光体28を作製した。
実施例1において、表面保護層の形成時の表面保護層の厚みを1.5μmから、4.0μmに変えたこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例23の電子写真感光体29を作製した。
電子写真感光体1〜29を、それぞれ表面粗さ測定機(サーフコム1400D、株式会社東京精密製)を用いて、表面粗さの規格JIS B 0601:2001に基づき10点平均粗さRz及び凹凸平均間隔を測定した。測定結果を表10〜11に示す。
電子写真感光体1〜29を、デジタル複写機(imagio MP9001、株式会社リコー製)にそれぞれ装着し、現像剤(imagio Pトナー タイプ7、株式会社リコー製)を用い、連続10万枚の繰返し試験を行った後、耐久性の評価として、繰り返し使用後の画像評価を下記評価基準に基づき評価した。試験結果を表10〜11に記す。
[評価基準]
A:良好
B:僅かにハーフトーン部に白抜けが見られるが、問題ないレベル
C:僅かにハーフトーン部に黒スジが見られるが、問題ないレベル
D:僅かにハーフトーン部に濃度低下が見られるが、問題ないレベル
E:ハーフトーン部に全面白抜けが発生
「金属酸化物微粒子A」は、表面保護層用分散液A1〜A15のいずれかに含まれる金属酸化物微粒子を表す。
「金属酸化物微粒子B」は、表面保護層用分散液B1〜B8のいずれかに含まれる金属酸化物微粒子を表す。「表面処理剤」における、「アクリル基」は「アクリル基を有するシランカップリング剤」を、「メタクリル基」は「メタクリル基を有するシランカップリング剤」を、「アミノ基」は「アミノ基のいずれかを有するシランカップリング剤」をそれぞれ表す。
「金属酸化物微粒子A」の「含有量」は、金属酸化物微粒子B100質量部に対する、金属酸化物微粒子Aの含有量(質量部)を表す。
「表面保護層用分散液A中の分散剤」の「種類」は、表面保護層用分散液A1〜A15のいずれかに含まれる分散剤の種類を表し、「ポリカルボン酸」は「ポリカルボン酸ポリマー型」、「変性アクリル系」は「変性アクリル系ブロック型」をそれぞれ表す。また、「表面保護層用分散液A中の分散剤」の「含有量」は、表面保護層用分散液A1〜A15のいずれかに含まれる最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子100質量部に対する分散剤の含有量(質量部)を表す。
3 帯電ローラ(帯電手段)
5 露光手段
6 現像ユニット(現像手段)
10 転写チャージャ(転写手段)
11 感光層
12 表面保護層
13 導電性基体
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード(クリーニング手段)
20b 最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子
21b 最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子
23b 表面保護層
101 感光ドラム
102 帯電手段
104 現像手段
106 転写手段
107 クリーニングブラシ(クリーニング手段)
108 クリーニングブレード(クリーニング手段)
Claims (9)
- 導電性基体上に、感光層と、表面保護層とを有してなる電子写真感光体であって、
前記表面保護層が、少なくとも2種の平均粒径の異なる金属酸化物粒子と、分散剤と、を含有し、前記少なくとも2種の平均粒径の異なる金属酸化物粒子のうち、最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子が、表面処理されてなる表面処理金属酸化物粒子であり、
かつ、前記少なくとも2種の平均粒径の異なる金属酸化物粒子のうち最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の平均粒径d1(μm)と、前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の平均粒径d2(μm)との関係が、下記式1を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
10×d2 ≧ d1 ≧ 6×d2 (式1) - 最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の平均粒径d1(μm)と、前記最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の平均粒径d2(μm)との関係が、下記式2を満たす請求項1に記載の電子写真感光体。
9.7×d2 ≧ d1 ≧ 7.5×d2 (式2) - 分散剤が、ポリカルボン酸ポリマーを含む分散剤であり、表面処理金属酸化物粒子が、アクリル基及びメタクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤で表面処理されてなる請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子が、酸化チタン粒子及び酸化アルミニウム粒子の少なくともいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子が、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子、及び酸化アルミニウム粒子の少なくともいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の含有量が、最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の含有量より多い請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子の含有量が、最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子の100質量部に対して、10質量部〜100質量部である請求項6に記載の電子写真感光体。
- 表面保護層が、最も平均粒径の大きい金属酸化物粒子と分散剤とを少なくとも含む金属酸化物粒子分散物と、最も平均粒径の小さい金属酸化物粒子が表面処理されてなる表面処理金属酸化物粒子と、を用いて形成されてなる請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1から8のいずれかに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
露光によって静電潜像を形成する露光手段と、
トナーによって現像しトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を転写する転写手段と、
前記電子写真感光体表面をクリーニングするクリーニング手段と、
を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
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