JP5953993B2 - 隅肉溶接の溶接継手 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板の隅肉溶接によって形成される溶接継手に関し、特に自動車の足回り部品や建設機械,橋梁等に好適な疲労特性に優れた溶接継手に関するものである。
自動車の足回り部品や建設機械,橋梁等では、隅肉溶接が多用され、かつ高い疲労特性が要求される。そこで、溶接ビードを機械加工で滑らかに仕上げることによって、溶接継手に応力集中が起こるのを抑制して、疲労強度を高めている。しかし溶接ビードの機械加工には多大な労力を要するので、溶接ビードの機械加工を行なわずに溶接継手の疲労特性を向上する技術が種々検討されている。
隅肉溶接における溶接継手の疲労破壊は、図4に示すように、2枚の鋼板(すなわち主板1,上板2)のうちの主板1に矢印Aで示す反復応力が繰り返し作用することによって、主板1側の溶接ビード3の端部4(以下、溶接止端部という)から亀裂が発生し、さらに主板1の裏面方向へ亀裂が進行することによって、主板1が破断する現象である。したがって溶接継手の疲労破壊を抑止するためには、溶接止端部4から発生する亀裂を抑制する必要がある。
特許文献1には、溶接に先立って、主板1の表面の溶接止端部4が形成される位置を、予めSiを30質量%以上含有する物質で被覆した後に溶接を行なうことによって、溶接止端部4付近の溶融メタルにSiを供給して、ぬれ性を改善し、その結果、溶接止端部4の形状がなだらかな溶接ビード3を形成する技術が開示されている。溶接止端部4がなだらかに形成されると、応力集中を回避できるので、溶接継手の疲労特性を向上できる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、Siを30質量%以上含有する物質で予め主板1を被覆する必要があるので、その被覆作業に労力を要し、溶接の施工コストの上昇を招く。しかも溶接止端部4の位置は必ずしも一定ではないので、予め被覆したSiを30質量%以上含有する物質で被覆した位置とズレが生じて、溶接ビード3の全長にわたって溶接止端部4をなだらかに形成することは困難である。
また特許文献2には、隅肉溶接に用いる鋼板の成分と溶接用ワイヤの成分を規定することによって、溶接ビード3の形状を平滑にし、溶接継手の疲労特性を向上する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、鋼板の成分に応じて溶接用ワイヤを選択する必要があるので、溶接用ワイヤの在庫管理の負荷が増大する。
また、本発明者の研究によれば、Siを0.1質量%以下かつTiを0.05質量%以上含有する穴拡げ性や延性に優れた鋼板を溶接する際には、溶接用ワイヤの成分に関わらず、溶融メタルの表面張力が高くなる傾向がある。そのため、溶接止端部4がなだらかな溶接ビード3は形成されず、凸状の溶接ビード3が形成されるので、溶接止端部4に応力集中が起こりやすくなる。つまり、隅肉溶接における鋼板と溶接用ワイヤの組み合わせを選択するだけでは、あらゆる溶接継手の疲労特性を向上できるわけではない。
特開2006-305630号公報 特開2010-120022号公報
本発明は、隅肉溶接の溶接継手にて、主板に反復応力が繰り返し作用しても溶接止端部に応力が集中するのを防止することによって、優れた疲労特性を有する溶接継手を提供することを目的とする。
本発明者は、隅肉溶接した鋼板(すなわち主板)に反復応力が繰り返し作用しても応力集中を防止するために、溶接ビードに機械加工を施すことなく、主板と溶接ビードとの境界(すなわち溶接止端部)近辺をなだらかに形成する技術を検討した。そして、ろう付けで用いるろう材の、
(a)比較的低温で溶融するので鋼板の溶け込みが浅い、
(b)凝固した後の形状が平滑である、
(c)ヤング率が鋼材の1/2程度と低い
という長所に着目して、さらに詳細に研究した。その結果、溶接止端部の全長にわたってろう付けを施して、溶接止端部をろう付け部で被覆することによって、隅肉溶接の溶接継手の疲労特性を改善できることが分かった。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、2枚の鋼板を主板および上板として使用する隅肉溶接の溶接継手であって、主板の板厚をt(mm)とし、溶接継手の溶接止端部の全長を被覆するろう付け部を備え、ろう付け部がAl:90質量%以上、Si:1.5〜10.0質量%、Zn:0.5〜10.0質量%、またはCu:50質量%以上、Ni:40質量%未満、Si:0.03〜0.5質量%、Zn:1.5〜40質量%を含有し、ろう付け部の幅W(mm)および見掛け高さH(mm)が、下記の(1)、(2)式を満足する溶接継手である。
3mm≦W≦5t ・・・(1)
1.5mm≦2H≦W ・・・(2)
また、本発明の溶接継手では、鋼板がC:0.01〜0.30質量%,Si:0.10質量%以下,Mn:3.0質量%以下,P:0.05質量%以下,S:0.01質量%以下,Ti:0.05〜0.30質量%,Al:0.005〜0.30質量%,N:0.0005〜0.0045質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することが好ましい。さらに、上記した組成に加えて、Nb、V、Moのいずれか1種を0.02〜0.5質量%含有することが一層好ましい。
本発明によれば、隅肉溶接の溶接継手にて、主板に反復応力が繰り返し作用しても溶接止端部に応力が集中するのを防止することが可能であり、優れた疲労特性を有する溶接継手を得ることができる。
本発明の隅肉溶接の溶接継手の例を模式的に示す断面図である。 本発明の隅肉溶接の溶接継手の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の隅肉溶接の溶接継手の他の例を模式的に示す断面図である。 従来の隅肉溶接の溶接継手の例を模式的に示す断面図である。 疲労試験片の例を模式的に示す(a)側面図と(b)平面図である。
図1は、本発明の隅肉溶接の溶接継手の例を模式的に示す断面図である。図1に示すように2枚の鋼板(すなわち主板1,上板2)を重ね合わせて隅肉溶接を行ない、得られた溶接ビード3の溶接止端部4にろう付けを施すことによって、ろう材で形成されるろう付け部5で溶接止端部4を被覆する。
ろう材は、一般に使用されているAl系,Cu系,Ni系,Ag系,Pb系を用いることができる。ただし、Ni系ろう材は、融点が鋼板に近いので、施工が難しい。Ag系ろう材は高価である。Pb系ろう材は有害である。そのため、Al系ろう材またはCu系ろう材を使用することが好ましい。
Al系ろう材を使用する場合は、Alを90質量%以上含有するろう材を使用する。添加物の含有量が10質量%を超えてAl含有量が90質量%未満では、ろう材が脆くなり、ヤング率が高くなるので、主板1の変位によってヤング率に比例して生じる応力を軽減できず、疲労特性を向上する効果が得られない。一方、Al含有量が99.5質量%を超えると、粘性が高く、ろう付け部5の形状が凸となり、ろう付け端部への応力集中により疲労強度向上効果が得難くなる。そのため、90〜99.5質量%の範囲内がより好ましい。
Al系ろう材の他の成分はSi,Znである。Si含有量が1.5質量%未満では、粘性が高く、ろう付け部5の形状が凸となる。一方、10.0質量%を超えると、硬く脆い金属なる。したがって、Si含有量は1.5〜10.0質量%の範囲内とする。Zn含有量が0.5質量%未満では、粘性が高く、ろう付け部5の形状が凸となる。一方、10.0質量%を超えると、硬く脆い金属なる。したがって、Zn含有量は0.5〜10.0質量%の範囲内とする
Cu系ろう材を使用する場合は、Cuを50質量%以上含有するろう材を使用する。添加物の含有量が50質量%を超えてCu含有量が50質量%未満では、ろう材が脆くなり、ヤング率が高くなるので、主板1の変位によってヤング率に比例して生じる応力を軽減できず、疲労特性を向上する効果が得られない。一方、Cu含有量が99.5質量%を超えると、粘性が高く、ろう付け部5の形状が凸となる。そのため、50〜99.5質量%の範囲内がより好ましい。
Cu系ろう材の他の成分はNi,Si,Znである。Niは高価であるが、ろう材の強度の安定化と脆さの改善に効果がある。しかし、Ni含有量が40質量%を超えると、ろう材が硬くなり脆化する。したがってNi含有量は40質量%未満とする。Si含有量が0.03質量%未満では、粘性が高く、ろう付け部5の形状が凸となる。一方、0.5質量%を超えると、ろう材が硬くなり脆化する。したがって、Si含有量は0.03〜0.5質量%の範囲内とする。Zn含有量が1.5質量%未満では、粘性が高く、ろう付け部5の形状が凸となる。一方、40質量%を超えると、ろう材が硬くなり脆化する。したがって、Zn含有量は1.5〜40質量%の範囲内とする
本発明で使用するろう材は、融点が鋼板よりも低いので、主板1の溶け込みが浅く、凝固した後の形状が平滑になる。そのため、主板1とろう付け部5との境界、および溶接ビード3とろう付け部5との境界がなだらかに形成されるので、主板1に矢印Aで示す反復応力が繰り返し作用しても応力集中を防止することができる。
しかも、ろう材は、ヤング率が鋼板の1/2程度と低いので、主板1の変位によってヤング率に比例して生じる応力を軽減できる。
したがって、溶接止端部4をろう付け部5で被覆することによって、主板1の変位によって生じる応力を軽減し、かつ応力集中を防止することができる。
ただし、ろう付け部5が平滑にならず突起状に形成されると、応力集中は防止できない。つまり応力集中を防止する効果は、ろう付け部5の形状の影響を受ける。そこで、ろう付け部5と主板1との境界からろう付け部5と溶接ビード3との境界までの水平方向の距離(以下、ろう付け部の幅という)をW(mm)とし、ろう付け部5の最高位置から主板1の表面までの垂直方向の距離(以下、ろう付け部の見掛け高さという)をH(mm)として、ろう付け部5の幅Wと見掛け高さHの好適な範囲を規定する。なお、2枚の鋼板のうち主板1の板厚をt(mm)とする。
ろう付け部5の幅Wが3mm未満では、ろう付け部5が小さ過ぎるので、溶接止端部4を十分に被覆できない。一方、幅Wが5tを超えると、過大なろう付け部5が形成され、溶接ビード3全体を突起状に被覆することになるので、応力集中を防止できない。したがって、ろう付け部5の幅Wは3mm≦W≦5tを満足する必要がある。好ましくは5mm〜5tの範囲内である。
ろう付け部5の見掛け高さHが0.75mm未満では、ろう付け部5が低すぎるので、溶接止端部4を十分に被覆できない。一方、見掛け高さHがW/2を超えると、ろう付け部5が溶接ビード3全体を突起状に被覆することになるので、応力集中を防止できない。したがって、ろう付け部5の見掛け高さHは0.75mm〜W/2の範囲内、すなわち1.5mm≦2H≦Wを満足する必要がある。
ろう付けの施工条件は特に限定しない。ただし、シールドガスは不活性ガス(たとえばAr等)を使用し、電流は70〜130A,電圧は15〜17V,速度は5〜50mm/秒とすることが好ましい。
以上に説明した通り、本発明によれば、溶接止端部4をろう付け部5で被覆することによって、溶接ビード3に機械加工を施すことなく、溶接継手の疲労特性を向上できる。しかも、隅肉溶接に用いる鋼板と溶接用ワイヤの組み合わせに関わりなく、溶接継手の疲労特性を向上できる。したがって、既に説明したSi含有量が0.1質量%以下かつTi含有量が0.05質量%以上の穴拡げ性や延性に優れた鋼板の隅肉溶接であっても、溶接継手の疲労特性を向上できる。
このようなSiを0.1質量%以下,Tiを0.05質量%以上含有する鋼板は、粗大なSi化合物の生成が抑制されるとともに、微細なTi化合物が分散して析出するので、プレス成形における穴拡げ性や延性に優れている。ところが既に説明した通り、従来の隅肉溶接では、溶接継手の疲労特性が劣るという問題があった。そこで、本発明を適用して溶接継手の疲労特性を向上すれば、自動車の足回り部品や建設機械,橋梁等の分野で有用な鋼板として使用できる。
ただし溶接継手の疲労特性は、使用する鋼板の延性や成形性とも密接な関係にあり、鋼板の成分を以下の通り規定することによって、疲労特性を向上する効果が顕著に発揮される。
Cは、鋼板の強度を高めるために必須の元素である。この効果を得るためには、Cを0.01質量%以上含有する必要がある。一方、0.30質量%を超えると、常温で時効性を発現し、成形性が劣化する。したがって、Cは0.01〜0.30質量%の範囲内が好ましい。
Siは、溶融メタルのぬれ性を良好にする作用を有する元素である。しかしSi含有量が0.10質量%を超えると、粗大なSi化合物が生成され、微細なTi化合物の析出が抑制されるので、穴拡げ性や延性が劣化する。したがって、Siは0.10質量%以下が好ましい。一方、0.03質量%未満では、ろう材のぬれ性を良好にする効果が得られない。よって、より好ましくは0.03〜0.10質量%である。
Mnは、鋼板の強度を確保するために必要な元素である。しかしMn含有量が3.0質量%を超えると、偏析が起こり易くなり、鋼板の加工性が劣化する。したがって、Mnは3.0質量%以下が好ましい。一方、0.1質量%未満では、鋼板の強度を確保できない。よって、より好ましくは0.1〜3.0質量%である。
Pは、鋼板の延性を低下させる作用を有する元素であり、P含有量が0.05質量%を超えると、延性が大幅に低下する。したがって、Pは0.05質量%以下が好ましい。一方、0.0005質量%未満まで低減するためには、精錬に長時間を要するので、鋼板の製造コストの上昇を招く。よって、より好ましくは0.0005〜0.05質量%である。
Sは、Mnと反応してMnSを生成する。そのMnSは、プレス加工等において亀裂の起点となるので、Sを低減してMnSの生成を抑えることが望ましい。したがって、Sは0.01質量%以下が好ましい。一方、0.0005質量%未満まで低減するためには、精錬に長時間を要するので、鋼板の製造コストの上昇を招く。よって、より好ましくは0.0005〜0.01質量%である。
Tiは、微細なTi化合物を分散して析出することによって、鋼板の強度や穴拡げ性,延性を高める作用を有する元素である。また、溶融メタルの粘性と表面張力を高める作用も有しており、溶接ビードの疲労特性の向上に寄与する。Ti含有量が0.05質量%未満では、これらの効果が得られない。一方、0.30質量%を超えると、鋼板が脆くなり、穴拡げ性や延性が劣化する。したがって、Tiは0.05〜0.30質量%の範囲内が好ましい。
Alは、精錬における脱酸材として必要な元素である。この効果を得るためには、Alを0.005質量%以上含有する必要がある。一方、0.30質量%を超えると、Nと反応してAlNを析出して、溶接継手の疲労特性を低下させる。したがって、Alは0.005〜0.30質量%の範囲内が好ましい。
Nは、添加元素と結合して微細に分散することによって溶接継手の疲労特性を向上する作用を有する元素である。この効果を得るためには、Nを0.0005質量%以上含有する必要がある。一方、0.0045質量%を超えると、鋼板が脆くなり、穴拡げ性や延性が劣化する。したがって、Nは0.0005〜0.0045質量%の範囲内が好ましい。
Nb,V,Moは、溶接止端部の強度を高めることによって溶接継手の疲労特性を向上する作用を有する元素である。この効果を得るためには、Nb,V,Moのいずれか1種を0.02質量%以上含有する必要がある。一方、Nb,V,Moのいずれか1種が0.5質量%を超えると、鋼板が脆くなり、穴拡げ性や延性が劣化する。したがって、Nb,V,Moのいずれか1種が0.02〜0.5質量%の範囲内が好ましい。
鋼板の、上記した元素以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
ここでは図1を参照して隅肉溶接について説明したが、本発明は、図2に示す隅肉溶接にも問題なく適用できる。また図3に示すようなフレア溶接にも適用できる。
表1に示す7種類の熱延鋼板(板厚t=2.3mm)を用いて、図5(a)に示すように隅肉溶接を行ない、溶接ビート3を形成した。溶接は、シールドガスとしてArにCO2,O2を混合したガスを用いたMAG溶接とし、直径1.2mmの溶接用ワイヤを使用した。次いで、表2に示す6種類のろう材を用いて、ろう付けを行なうことによって、溶接ビード3の止端部にろう付け部5を形成した。ろう材の表2に示した成分以外は不純物である。ろう付けの施工条件は表3に示す通りである。
Figure 0005953993
Figure 0005953993
Figure 0005953993
これらの鋼板とろう材,ろう付け施工条件の組み合わせは、表4に示す通りである。得られた溶接継手のろう付け部5の幅Wと見掛け高さHを表4に併せて示す。表4中の試験番号4、6、7、9、11、12、14(発明例)は、ろう付け部の成分ならびに幅と見掛け高さが本発明の範囲を満足する例、試験番号16(比較例)は、ろう付け部の幅が本発明の範囲を外れる例、試験番号17(比較例)は、ろう付け部の幅と見掛け高さが本発明の範囲を外れる例である。
Figure 0005953993
さらに、後述する疲労試験に先立って、図5(a)に示すように、溶接ビード3とろう付け部5からなる溶接継手の裏側の補強溶接を行ない、補強溶接部6を形成した。補強溶接部6には、ろう付けを施していない。
次に、図5(b)に示すような形状の疲労試験片を切り出して、疲労試験(平面曲げ片振り,周波数20Hz,繰返し数1000万回)を行ない、疲労破壊が生じたときの応力(以下、破断応力という)を測定した。その結果を表4に示す。
表4から明らかなように、発明例では破断応力が250〜350MPaであったのに対して、比較例は200〜220MPaであった。つまり発明例は、比較例よりも、疲労特性が向上していることが確かめられた。
本発明によれば、隅肉溶接の溶接継手の疲労特性を向上できるので、産業上格段の効果を奏する。
1 主板
2 上板
3 溶接ビード
4 溶接止端部
5 ろう付け部
6 補強溶接部

Claims (3)

  1. 2枚の鋼板を主板および上板として使用する隅肉溶接の溶接継手であって、前記主板の板厚をt(mm)とし、前記溶接継手の溶接止端部の全長を被覆するろう付け部を備え、該ろう付け部がAl:90質量%以上、Si:1.5〜10.0質量%、Zn:0.5〜10.0質量%、またはCu:50質量%以上、Ni:40質量%未満、Si:0.03〜0.5質量%、Zn:1.5〜40質量%を含有し、前記ろう付け部の幅W(mm)および見掛け高さH(mm)が、下記の(1)、(2)式を満足することを特徴とする溶接継手。
    3mm≦W≦5t ・・・(1)
    1.5mm≦2H≦W ・・・(2)
  2. 前記鋼板が、C:0.01〜0.30質量%、Si:0.10質量%以下、Mn:3.0質量%以下、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、Ti:0.05〜0.30質量%、Al:0.005〜0.30質量%、N:0.0005〜0.0045質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1に記載の溶接継手。
  3. 前記鋼板が前記組成に加えてNb、V、Moのいずれか1種を0.02〜0.5質量%含有することを特徴とする請求項に記載の溶接継手。
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