JP5953628B2 - 脱進機、及び機械式時計 - Google Patents

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Description

この発明は、脱進機、及び機械式時計に関するものである。
従来から、機械式時計の歩度を維持するための脱進機としてデテント脱進機が知られている。この種の脱進機は、がんぎ車と、回転軸であるてん真を中心に自由振動するてんぷと、デテントレバーとを備えている。てんぷは、がんぎ車の歯部と接触可能な振り石、及びデテントレバーに取り付けられている片作動ばねと接触可能な外し石と、ひげぜんまいとを有している。デテントレバーは、がんぎ車に対して接離可能に設けられている。また、デテントレバーには、がんぎ車の歯部と接触可能な止め石が設けられている。
このような構成のもと、てんぷの自由振動により外し石が一方向に向かって回転すると、デテントレバーが押圧される。すると、がんぎ車の歯部に接触していた止め石が歯部から離脱し、がんぎ車とデテントレバーとの係合が解除され、がんぎ車が1歯分回転する。
がんぎ車が1歯分回転する間に、デテントレバーが原位置に戻り、がんぎ車の歯部に止め石が再び接触する。すなわち、がんぎ車とデテントレバーとが係合し、がんぎ車の回転が停止する。
一方、てんぷの自由振動により外し石が逆転し、他方向に向かって回転する場合、デテントレバーは停止したままの状態を保つように構成されている。この動作が繰り返し行われることにより、機械式時計の輪列が一定速度で駆動する(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、デテント脱進機は、例えば、海洋クロノメータのような大型の時計において、高精度な歩度を維持することができるという点では優れているが、衝撃に弱いところがある。すなわち、デテント脱進機に衝撃が加わると、てんぷが通常の振り角を超えて回転し、一度の回転でがんぎ車とデテントレバーとの係合を2度解除し、がんぎ車が2歯分回転してしまう虞がある。このため、例えば、腕時計等の携帯用時計にデテント脱進機を採用しにくく、デテント脱進機の耐衝撃性を高めるためのさまざまな技術が提案されている。
例えば、てんぷに固定されたフィンガーと、このフィンガーがその間を通過する2本のコラムと、ひげぜんまいの最外郭巻回に取り付けられた停止アームとを備えた技術が開示されている。そして、コラムは、てんぷを支持するブリッジに取り付けられ、停止アームは、コラムとフィンガーとの間に挿入され、てんぷが通常の振り角以上の角度で回転するのを阻止するように構成されている。また、停止アームは、ひげぜんまいの最外郭巻回にフックされたクランプである(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1によれば、ひげぜんまいが所定以上緩むと、停止アームがフィンガーに当接し、その後停止アームがコラムに当接するので、てんぷが通常の振り角を超えてしまうのを防止できる。
また、例えば、てん真が、かなを備えており、このかなは、回転方向に関わらず、てんぷが正規の振り角を越えて回転するのを阻止する回転阻止手段と噛合っている技術が開示されている。回転阻止手段は、かなと噛合う歯車を有しており、てんぷが通常の振り角以上の角度で回転すると、回転阻止手段が停止部材に当接するように構成されている。これにより、てんぷが通常の振り角を超えてしまうのを防止できる(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−105986号公報 特開2007−171176号公報
ジョージ・ダニエル著、「The Practical Watch Escapement」、Premier Print Limited、1994年(第1版発行)、第39〜47頁
しかしながら、上述の特許文献1にあっては、ひげぜんまいが所定以上緩むと、停止アームがフィンガーに当接し、その後停止アームがコラムに当接するようになっているので、てんぷの一方の回転方向のみしか規制できないという課題がある。すなわち、ひげぜんまいが巻き縮まる方向のてんぷの振り角を規制することが困難であるという課題がある。
また、上述の特許文献2にあっては、組み立ての際、かなと、これに噛合う回転阻止手段との位置決めを高精度に行わないと、てんぷの回転方向によって振り角の規制角度が変化してしまう。このため、かなと回転阻止手段との位置決めを高精度に行うために、組み立て作業が煩雑になるという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、容易、且つ確実にてんぷの回転方向に関わらずてんぷが通常の振り角を超えてしまうことを防止できると共に、てんぷの回転方向によって規制角度が変化してしまうことを防止できる脱進機、及び機械式時計を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る脱進機は、地板に回転可能に支持されているてん真と、このてん真を中心に一定の振り角で正回転、及び逆回転するてんぷとを有する脱進機において、前記てん真、及び前記地板の何れか一方に規制レバーを設け、他方に、前記規制レバーの動きを規制して前記てんぷが前記振り角を越えて回転することを防止する規制部を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、このてん真が通常の振り角を超えてしまうことを防止できる。
本発明に係る脱進機は、前記てん真を中心に回転可能に前記規制レバーを設ける一方、前記地板に前記規制部を設け、前記てんぷは、このてんぷの回転と一体となって回転可能に設けられ、且つ前記規制レバーに対して接離可能な移動ピンを備え、前記規制レバーは、前記てんぷの正回転とともに前記移動ピンに当接されて正回転し、前記てんぷの一方の振り角に達した時に前記規制部によって正回転を停止し、前記てんぷの逆回転によって再び前記移動ピンに当接されて逆回転し、前記てんぷの他方の振り角に達した時に前記規制部によって逆回転を停止することを特徴とする。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。また、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、てん真の振り角を一定にすることができる。
本発明に係る脱進機は、前記てん真を中心に回転可能に前記規制レバーを設け前記規制レバーから前記地板に向かって立設された補レバーをし、前記てんぷは、このてんぷの回転と一体となって回転可能に設けられ、且つ前記規制レバーに対して接離可能な移動ピンを備え、前記規制部は、前記地板に形成され、前記補レバーを受け入れ可能な凹部、及び開口部の何れか一方であることを特徴とする。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。また、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、てん真の振り角を一定にすることができる。
本発明に係る脱進機は、がんぎ車と、このがんぎ車に対して接離可能に支持されている作動レバーとを有し、前記てん真に、前記がんぎ車に対して接離可能な振り石と、前記作動レバーに対して接離可能な外し石とを設け、この外し石を、前記移動ピンとして機能させたことを特徴とする。
このように構成することで、部品点数を減少させ、簡易な構造でてん真の回転方向に関わらずてん真が通常の振り角を超えてしまうことを防止でき、且つ容易にてん真の回転方向によって規制角度が変化してしまうことを防止できる。
本発明に係る脱進機は、前記てん真から径方向外側に向かって突出するように前記規制レバーを設け前記規制レバーから前記地板に向かって立設された補レバーをし、記補レバーを前記規制レバーの長手方向に沿ってスライド移動可能に設け、前記規制部は、前記地板に形成され、前記補レバーを受け入れ可能な凹部、及び開口部の何れか一方であることを特徴とする。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。とりわけ、てん真の一方向側の振り角を360°まで広げることができ、且つてん真の一方向側の振り角が360°を超えてしまうことを防止できる。
本発明に係る脱進機は、前記地板に立設された規制レバーと、前記規制レバーから前記てん真に向かって立設された補レバーとを有し記補レバーを前記規制レバーの長手方向に沿ってスライド移動可能に設け、前記てん真に規制部を設け、この規制部は、前記てん真の外周面に形成された螺旋状の溝であり、前記溝に前記補レバーの先端が、前記溝上をスライド移動可能に挿入されていることを特徴とする。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。とりわけ、てん真の一方向側の振り角を360°まで広げることができ、且つてん真の一方向側の振り角が360°を超えてしまうことを防止できる。
本発明に係る機械式時計は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の脱進機と、動力源を構成するぜんまいと、このぜんまいが巻き戻されるときの回転力により回転する表輪列とを備え、この表輪列の回転を前記脱進機により制御することを特徴とする。
このように構成することで、てん真の回転方向に関わらずてん真が通常の振り角を超えてしまうことを防止でき、且つ容易にてん真の回転方向によって規制角度が変化してしまうことを防止できる機械式時計を提供できる。
本発明によれば、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、このてん真が通常の振り角を超えてしまうことを防止できる。また、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、てん真の振り角を一定にすることができる。
本発明の実施形態における機械式時計のムーブメントを裏蓋側からみた平面図である。 本発明の第1実施形態におけるデテント脱進機の斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構の斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構の動作説明図であって、(a)〜(h)は、大つば、及び規制レバーの挙動を示す。 本発明の第2実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構の斜視図である。 本発明の第2実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構の平面図である。 本発明の第3実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構の斜視図である。 本発明の第3実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構の平面図である。 本発明の第4実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構の斜視図である。
(第1実施形態)
(機械式時計)
次に、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、機械式時計100のムーブメント101を裏蓋側からみた平面図である。
同図に示すように、機械式時計100は、ムーブメント101を備えている。ムーブメント101は、このムーブメント101の基板を構成する地板102を有している。地板102には巻真案内孔103が形成されており、ここに巻真104が回転可能に組み込まれている。
また、ムーブメント101の裏側(図1における紙面奥側)には、おしどり、かんぬき、及びかんぬき押さえを含む切換装置(不図示)が配置されている。この切換装置により、巻真104の軸方向の位置が決定するようになっている。
一方、ムーブメント101の表側(図1における紙面手前側)には、表輪列105を構成する四番車106、三番車107、二番車108、及び香箱車110が配置されていると共に、表輪列105の回転を制御するデテント脱進機1が配置されている。
香箱車110は、ぜんまい111を有しており、巻真104を回転させると不図示のつづみ車が回転し、さらにきち車、丸穴車、および角穴車(何れも不図示)を介してぜんまい111が巻き上げられるようになっている。そして、ぜんまい111が巻き戻される際の回転力により香箱車110が回転し、さらに二番車108が回転するように構成されている。
二番車108は、香箱車110の不図示の香箱歯車に噛合う二番かなと、二番歯車(何れも不図示)とを有している。二番車108が回転すると、三番車107が回転するように構成されている。
三番車107は、二番車108の二番歯車に噛合う三番かなと、三番歯車(何れも不図示)とを有している。三番車107が回転すると、四番車106が回転するように構成されている。
四番車106は、三番車107の三番歯車に噛合う四番かなと、四番歯車(何れも不図示)とを有している。四番車106が回転することによりデテント脱進機1が駆動する。このデテント脱進機1が駆動することにより、四番車106が1分間に1回転するように制御されると共に、二番車108が1時間に1回転するように制御される。
(デテント脱進機)
図2は、デテント脱進機1の斜視図である。
同図に示すように、デテント脱進機1は、四番車106が回転することにより回転するがんぎ車2と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な止め石6を有するデテント7と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な振り石3、及びデテント7と接触可能な外し石4を有するてんぷ5と、このてんぷ5の過度な回転を防止するためのてんぷ過度回転防止機構50を備えている。
がんぎ車2は四番車106に噛合される不図示のがんぎかなを有しており、地板102(図1参照)と輪列受(不図示)によって回転可能に枢支されている。すなわち、輪列受にがんぎかなの上軸部が回転可能に支持されると共に、地板102にがんぎかなの下軸部が回転可能に支持される。また、がんぎ車2の歯部2aは、がんぎ車2の外周部に複数(例えば、この第1実施形態では15個)形成されている。
てんぷ5は、回転軸であるてん真9を中心にして自由振動するものであって、てん真9の他に、てん真9と同心円上に配置されたてん輪10と、てん真9に圧入固定されている略円板状の大つば11と、不図示のひげぜんまいとを有している。そして、不図示のてんぷ受けにてん真9の上軸部が回転可能に支持されると共に、地板102にてん真9の下軸部が回転可能に支持されることにより、地板102、及び不図示のてんぷ受けにてんぷ5が回転可能に枢支される。
また、大つば11に、振り石3と外し石4とが設けられている。振り石3は、この断面形状が大つば11の径方向に沿って長くなるように直方体状に形成されている。
外し石4は、てん真9の軸方向に沿って長くなるように直方体状に形成されており、デテント7に設けられている後述の片作動ばね24、及びてんぷ過度回転防止機構50に設けられている後述の規制レバー51と接触可能になっている。外し石4によってデテント7や規制レバー51が動作する。
(デテント)
デテント7は、地板102に不図示のワッシャを介して固定されている円板状のデテント固定部21と、デテント固定部21に復帰ばね22を介して支持されている作動レバー23と、外し石4と接触可能な片作動ばね24とが一体成形されたものである。
ここで、一体成形を行う方法として、例えば、電鋳加工によりデテント7を形成したり、フォトリソグラフィーのような光学的な手法を取り入れたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスやDRIE、MIMによりデテント7を形成したりすることが可能である。
デテント固定部21の径方向中央には、このデテント固定部21を地板102に固定するために用いられるボルトを挿通可能なボルト挿通孔25、及び不図示の固定ピンを挿通可能なピン挿通孔26a,26bが形成されている。
また、デテント固定部21の外周部には、てんぷ5側に凹部27が形成され、ここに復帰ばね22が、ほぼてん真9の軸心に向かって延出するように設けられている。復帰ばね22は、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましい。
復帰ばね22の先端に設けられている作動レバー23は、復帰ばね22の延出方向に沿うように延出形成された直方体状のアーム部28と、このアーム部28の先端側に配置され、アーム部28よりも幅広の止め石取付部29と、止め石取付部29よりも先端側に配置され、アーム部28よりも細い直方体状の先端部30とが一体成形されたものである。
止め石取付部29には、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な止め石6が設けられている。止め石6は、この断面形状が作動レバー23の先端部30に向かうに従って漸次幅広となるように略台形状に形成されている。そして、止め石6の下面が、がんぎ車2の歯部2aと接触する接触面6aに設定されている。
また、先端部30のがんぎ車2側には、片作動ばね24の先端が当接されている。片作動ばね24も復帰ばね22と同様に、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましい。
片作動ばね24は、平面視略6字状に形成されたものであって、作動レバー23の基端部、つまり、アーム部28の基端部から延出する円弧部31と、円弧部31の先端から作動レバー23の先端部30に向かって延出する直線部32とにより構成されている。
円弧部31は、アーム部28の基端部からがんぎ車2とは反対側に向かって延出し、この後、デテント固定部21の周囲の約3/4を取り囲むように円弧状に形成されている。
一方、直線部32は、作動レバー23に対する接離方向に沿って弾性変形するように形成されており、直線部32の先端が作動レバー23の先端部30に対して、当接・離間するようになっている。また、直線部32は、この先端が作動レバー23の先端部30から僅かに突出するように延出形成されている。この突出した部位に、てんぷ5の外し石4が接触するようになっている。
このように構成されたデテント7の作動レバー23は、復帰ばね22の基端を中心にしてがんぎ車2に対して接離可能に動作する。すなわち、復帰ばね22が基端を中心にしてしなるように弾性変形することにより、作動レバー23ががんぎ車2に対して接離方向に沿って変位する。
復帰ばね22は、作動レバー23を原位置(図2の位置)に復帰するように付勢している。一方、片作動ばね24は、この片作動ばね24の先端が常に作動レバー23の先端部30と当接可能な程度のばね力に設定されている。
片作動ばね24の先端に接触可能な外し石4は、この断面形状が台形状となるように大つば11の径方向外側に向かうに従って先細りになっている。すなわち、外し石4は、大つば11の中心側に存在する底辺4aと、底辺4aから径方向に沿って延びる長側辺4bと、底辺4aから径方向に沿って延び、長側辺4bよりも径方向への延出長さが短い短側辺4cと、底辺4aとは反対側に存在し、長側辺4bと短側辺4cとに跨る上辺4dとを有している。
そして、外し石4は、てんぷ5の自由振動時における先端の軌跡が作動レバー23に接触不能な位置となるように、かつ片作動ばね24の先端に接触可能な位置となるように配置される。このように外し石4やデテント7を構成することにより、てんぷ5の自由振動に伴って作動レバー23をがんぎ車2から離反させたり、接近させたりすることができる(詳細は後述する)。
ここで、図1に示すように、地板102には、作動レバー23のがんぎ車2に接近する方向に向かう変位を規制するストッパ40が設けられている。ストッパ40は、ストッパアーム41とストッパアーム41の先端に立設されたストッパピン42とを有している。そして、ストッパアーム41の基端側が、固定ピン43を介して地板102に固定されている。
ストッパピン42は、作動レバー23のアーム部28に、がんぎ車2側から当接するようになっている。これにより、作動レバー23のがんぎ車2に接近する方向に向かう変位が規制される。
(てんぷ過度回転防止機構)
図3は、てんぷ過度回転防止機構50の斜視図である。
同図に示すように、てん真9の下軸部には大つば11よりも下端側に、段差により縮径された縮径部9aが形成されている。この縮径部9aに、てんぷ過度回転防止機構50を構成する規制レバー51が設けられている。規制レバー51は、縮径部9aに回転可能に挿入され、縮径部9aに対して回転可能な平面視略円形状の本体部52と、本体部52の一側から径方向外側に向かって延出するアーム部53とが一体成形されたものである。
本体部52の径方向中央には、てん真9の縮径部9aを挿通可能な挿通孔52aが形成されている。また、縮径部9aには、規制レバー51を挿入した後から、規制レバー51よりも地板102側に止め輪54が圧入固定されている。この止め輪54と縮径部9aの段差部9bとにより規制レバー51の軸方向への移動が規制される。
ここで、止め輪54と段差部9bとの幅は、規制レバー51の本体部52の厚さよりも若干大きくなるように設定されており、てん真9の縮径部9aに対して本体部52がスムーズに回転するようになっている。
また、大つば11に設けられている外し石4の長さは、この先端部が規制レバー51のアーム部53に接触可能な長さに設定されている。
さらに、地板102には、アーム部53の先端部の回転軌跡上に対応する位置に、規制ピン55が立設されている。この規制ピン55も、てんぷ過度回転防止機構50を構成するものであって、その長さL1は、アーム部53が接触可能、且つデテント7との接触を回避可能な長さに設定されている。
(てんぷ過度回転防止機構の動作)
次に、図4に基づいて、てんぷ過度回転防止機構50の動作について説明する。
図4は、てんぷ過度回転防止機構50の動作説明図であって、(a)〜(h)は、大つば11、及び規制レバー51の挙動を示す。
まず、てんぷ5が自由振動することにより、大つば11が矢印CCW方向(図4における反時計回り方向)に向かって回転する場合について説明する。
尚、大つば11は、てん真9に圧入固定されているので、大つば11とてん真9は一体となって回転するが、以下の説明においては、大つば11の挙動についてのみ説明し、てん真9の挙動についての説明は省略する。
ここで、図2、図4(a)に示すように、がんぎ車2の歯部2aと作動レバー23に設けられている止め石6の接触面6aとが接触し、両者2,6が係合した状態になっているとき、がんぎ車2が停止した状態になっている。そして、大つば11の外し石4と規制レバー51のアーム部53とが離間した状態になっている。さらに、地板102から立設する規制ピン55の外し石4が回転してくる方向とは反対側の側面(図4における規制ピン55の右側の側面)に、アーム部53の先端側が当接した状態になっている。この状態が大つば11(てんぷ5)の自由振動における回転中心位置となる(以下、この位置を死点という)。
この死点から、大つば11が矢印CCW方向に向かって回転すると、図4(b)に示すように、外し石4の長側辺4bがアーム部53の基端側に当接する。そして、外し石4がアーム部53を押しながら大つば11が矢印CCW方向に向かって回転する。すなわち、大つば11と規制レバー51とが同期しながら矢印CCW方向に向かって回転する。
図4(a)の状態から大つば11が約360°回転すると、図4(c)に示すように、アーム部53の先端側が規制ピン55に当接する。より具体的には、規制ピン55の外し石4側の側面(図4における規制ピン55の左側の側面)にアーム部53の先端側が当接する。これにより、大つば11の矢印CCW方向に向かう回転が規制される。
ここで、てんぷ5に設けられている不図示のひげぜんまいが所定量巻き上げられ、又は所定量巻き戻されることにより、ひげぜんまいの復元力とてんぷ5の回転力とが逆転する。このため、図4(d)に示すように、大つば11の回転方向が矢印CW方向(図4における時計回り方向)に転じ、アーム部53から外し石4が離間する。このとき、規制レバー51の本体部52は、てん真9の縮径部9aに対してスムーズに回転可能に設けられているので、規制レバー51は、このアーム部53の先端部が規制ピン55に当接したままの状態をほぼ維持する。
さらに、大つば11が矢印CW方向に向かって回転し続けると、図4(e)に示すように、外し石4の底辺4aと短側辺4cとの稜線部がアーム部53の基端側に当接する。このとき、外し石4が回転してくる方向とは反対側の側面(図4における規制ピン55の左側の側面)にアーム部53の先端側が当接した状態となる。このため、図4(f)に示すように、大つば11は、外し石4がアーム部53を押した状態で矢印CW方向に向かって回転し続ける。すなわち、大つば11と規制レバー51とが同期しながら矢印CW方向に向かって回転する。
図4(e)の状態から大つば11が約360°回転すると、図4(g)に示すように、アーム部53の先端側が規制ピン55に当接する。より具体的には、規制ピン55の外し石4側の側面(図4における規制ピン55の右側の側面)にアーム部53の先端側が当接する。これにより、大つば11の矢印CW方向に向かう回転が規制される。
そして、図4(h)に示すように、再び大つば11の回転方向が矢印CCW方向に転じ、図4(a)の死点に戻る。これを繰り返すことにより、てんぷ5、てん真9、及び大つば11は、それぞれ一方向への振り角が360°よりも小さくなるように抑えられた状態で自由振動する。
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、てん真9に回転自在に支持されている規制レバー51と、この規制レバー51の回転角度を規制する規制ピン55とを備え、外し石4を利用して大つば11と規制レバー51とを同期させて回転させるように構成されたてんぷ過度回転防止機構50を設けることにより、大つば11(てん真9)が図4における矢印CCW方向、及び矢印CW方向の何れか一方向に360°以上回転してしまうことを防止できる。また、大つば11の回転方向に関わらず、大つば11の振り角の規制角度を一定にすることができる。
さらに、大つば11と規制レバー51との回転を同期させる手段として、外し石4を利用しているので、規制レバー51を回転させるための部品を別途設ける必要が無く、部品点数の増大を抑制して簡素、且つ安価なてんぷ過度回転防止機構50を提供できる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図1を援用し、図5、図6に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一の態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図5は、この第2実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構250の斜視図、図6は、この第2実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構250の平面図である。
図1、図5、図6に示すように、この第2実施形態において、機械式時計100は、地板102を有するムーブメント101を備えている点、ムーブメント101の表側(図1における紙面手前側)には、表輪列105を構成する四番車106、三番車107、二番車108、及び香箱車110が配置されていると共に、表輪列105の回転を制御するデテント脱進機1が配置されている点、デテント脱進機1は、四番車106が回転することにより回転するがんぎ車2と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な止め石6を有するデテント7と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な振り石3、及びデテント7と接触可能な外し石4を有するてんぷ5と、このてんぷ5の過度な回転を防止するためのてんぷ過度回転防止機構250を備えている点等の基本的構成は、前述した第1実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
(てんぷ過度回転防止機構)
ここで、この第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態のてんぷ過度回転防止機構50と第2実施形態のてんぷ過度回転防止機構250との構造が異なる点にある(以下の実施形態についても同様)。
より具体的には、図5、図6に示すように、てん真9の縮径部9aには、てんぷ過度回転防止機構250を構成する規制レバー251が設けられている。規制レバー251は、縮径部9aに回転可能に挿入され、縮径部9aに対して回転可能な平面視略円形状の本体部252と、本体部252の一側から径方向外側に向かって延出するアーム部253とが一体成形されたものである。
また、縮径部9aには、規制レバー251を挿入した後から、規制レバー251よりも地板102側に止め輪54が圧入固定されている。この止め輪54と縮径部9aの段差部9bとにより規制レバー251の軸方向への移動が規制される。
尚、止め輪54と段差部9bとの幅は、規制レバー251の本体部252の厚さよりも若干大きくなるように設定されており、てん真9の縮径部9aに対して本体部252がスムーズに回転するようになっている点は、前述の第1実施形態と同様である。
さらに、大つば11に設けられている外し石4の長さは、この先端部がアーム部253に接触可能な長さに設定されている。
ここで、アーム部253の先端には、環状の取付部260が一体成形されている。取付部260は、この開口部260aの軸方向がてん真9の軸方向と同一方向になるように形成されている。取付部260の開口部260aには、略円柱状の補レバー261の基端が圧入固定されている。補レバー261は、てん真9の軸方向に沿って、取付部260から地板102に至るまで延出されている。
一方、地板102には、補レバー261の先端を受け入れ可能な溝262が形成されている。この溝262は、補レバー261の回転軌跡上に対応するように、平面視略C字状に形成されており、溝262上を補レバー261がスライド移動できるようになっている。
ここで、溝262が環状に形成されておらず、平面視略C字状に形成されている一方、この溝262上を補レバー261がスライド移動するように構成されているので、規制レバー251の一方向の回転が360°以上回転しないように規制される。すなわち、溝262は、規制レバー251の回転角度を規制する役割を有している。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
尚、上述の第2実施形態では、地板102に補レバー261の先端を受け入れ可能な溝262を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、溝262に代わって地板102を厚さ方向に貫通するように、スリット263(図5、図6参照)を形成してもよい。
また、上述の第1実施形態、及び第2実施形態では、てん真9の縮径部9aに、規制レバー51,251がスムーズに回転するように設けられている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、規制レバー51,251の本体部52,252に若干摺動抵抗が付与された状態であってもよい。このとき、摺動抵抗の大きさは、大つば11と規制レバー51,251とが同期しながら回転するのを阻害しない程度の大きさに設定されていればよい。
(第3実施形態)
(てんぷ過度回転防止機構)
次に、この発明の第3実施形態を図7、図8に基づいて説明する。
図7は、この第3実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構350の斜視図、図8は、この第3実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構350の平面図である。
図7、図8に示すように、てんぷ過度回転防止機構350は、てん真9の縮径部9aに設けられた規制レバー351を有している。規制レバー351は、縮径部9aに相対回転不能に固定された平面視略円形状の本体部352と、本体部352の一側から径方向外側に向かって延出するアーム部353とが一体成形されたものである。
ここで、前述の第1実施形態の規制レバー51と、この第3実施形態の規制レバー351との相違点は、第1実施形態の規制レバー51の本体部52が縮径部9aに回転可能に設けられているのに対し、第3実施形態の規制レバー351の本体部352が縮径部9a相対回転不能に固定されている点にある。このため、第3実施形態では、規制レバー351の軸方向への移動を規制するための止め輪54(図3参照)が設けられていない。
尚、大つば11に設けられている外し石4の長さが、この先端部がアーム部353に接触可能な長さに設定されている点は、前述の第1実施形態と同様である。
また、アーム部353には、この長手方向全体に渡って平面視略長円形状の長孔353aが形成されている。また、長孔353aは、てん真9の軸方向両端側が開口するように形成されており、長孔353aに、補レバー361が長孔353a内をスライド移動自在に挿通されている。
補レバー361は、頭部361aと、この頭部361aより縮径形成されたシャフト361bとが一体成形されたものである。シャフト361bの軸径は、アーム部353に形勢されている長孔353aの短手方向の幅と略同一に設定されている。
そして、補レバー361のシャフト361bを、アーム部353の地板102とは反対側から長孔353aに挿入するようになっている。シャフト361bのアーム部353よりも地板102側には、止め輪354が圧入固定されている。これにより、補レバー361の軸方向への移動が規制され、且つ補レバー361が長孔353a内をスライド移動することができるようになる。
また、補レバー361のシャフト361bは、アーム部353から地板102に至るまで延出するように形成されている。一方、地板102には、補レバー361のシャフト361bの先端を受け入れ可能な溝362が形成されている。
このような構成のもと、大つば11と一体となって規制レバー351が回転すると、補レバー361が、規制レバー351のアーム部353に形成されている長孔353a内をスライド移動しながら溝362に沿って移動する。そして、溝362の端末部に補レバー361が到達すると、補レバー361の移動が規制される。
ここで、図8に詳示するように、溝362は、大つば11が死点(図4(a)参照)にあるときの補レバー361の位置(図8の補レバー361の位置)を中心にして、矢印CW方向、及び矢印CCW方向にそれぞれ360°規制レバー351が回転可能なように螺旋状に形成されている。また、溝362は、この両端末部が、てん真9の径方向において、ラップする位置となるように形成されている。
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、溝362を螺旋状に形成することにより、溝362の両端末部の位置を、てん真9の径方向において、ラップする位置に設定することができる。このため、大つば11が一方向に向かって丁度360°回転した位置で、大つば11の振り角を規制することができる。つまり、大つば11の振り角の規制角度の範囲を、デテント7を誤動作させないぎりぎりの範囲に設定することが可能になる。
尚、上述の第3実施形態では、地板102に補レバー361のシャフト361bの先端を受け入れ可能な溝362を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、溝362に代わって地板102を厚さ方向に貫通するように、スリット363(図7、図8参照)を形成してもよい。
(第4実施形態)
(てんぷ過度回転防止機構)
次に、この発明の第4実施形態を図9に基づいて説明する。
図9は、この第4実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構450の斜視図である。
同図に示すように、てんぷ過度回転防止機構450は、てん真9の外周面に形成された螺旋状の溝462を有している。より詳述すると、溝462は、てん真9の大つば11よりも上端側(図9における上側)に、てん真9を約2周する程度に螺旋状に形成されている。
一方、地板102には、板状の支柱463がてん真9の軸方向に沿うように、且つてん真9に形成されている溝462に対応する位置に至るまで延出するように、立設されている。また、支柱463の先端には、丸面取り部464が形成されている。さらに、支柱463は、厚さ方向がてん真9の径方向に沿うように配置されており、てん真9の溝462に対応する位置に、支柱463の厚さ方向に貫通する平面視略長円形状の長孔463aが形成されている。
この長孔463aには、規制ピン465が長孔463a内をスライド移動自在に挿通されている。規制ピン465は、頭部465aと、この頭部465aより縮径形成されたシャフト465bとが一体成形されたものである。シャフト465bの軸径は、支柱463の長孔463aの短手方向の幅と略同一に設定されている。
そして、規制ピン465のシャフト465bを、支柱463のてん真9とは反対側から長孔463aに挿入するようになっている。シャフト465bの支柱463よりもてん真9側には、略円筒状のブロック466が圧入固定されている。これにより、規制ピン465における支柱463の厚さ方向への移動が規制され、且つ規制ピン465が長孔463a内をスライド移動することができるようになる。
ここで、てん真9に形成されている溝462の幅は、規制ピン465のシャフト465bの先端を受け入れ可能、且つ溝462内をシャフト465bの先端がスライド移動可能な幅に設定されている。
このような構成のもと、てん真9が回転すると、規制ピン465が支柱463に形成されている長孔463a内をスライド移動しながら溝462に沿って移動する。そして、溝462の端末部に規制ピン465のシャフト465bが到達すると、てん真9の回転が規制される。
ここで、溝462は、てん真9を約2周する程度に螺旋状に形成されているが、これは、大つば11が死点(図4(a)参照)にあるときの規制ピン465のシャフト465bの位置を中心にして、矢印CW方向、及び矢印CCW方向にそれぞれ360°てん真9が回転可能なように形成されているからである。また、溝462は、この両端末部が、てん真9の軸方向において、ラップする位置となるように形成されている。
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、てん真9に形成された螺旋状の溝462を利用し、てん真9の振り角を規制するので、前述の第3実施形態と同様に、一方向に向かって丁度360°回転した位置で、てん真9の振り角を規制することができる。つまり、てん真9の振り角の規制角度の範囲を、デテント7を誤動作させないぎりぎりの範囲に設定することが可能になる。また、てん真9に溝462を形成する分、てん真9の重量を減少でき、てんぷ5全体の軽量化を図ることができる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、デテント脱進機1を備えた機械式時計100について説明し、デテント脱進機1にてんぷ過度回転防止機構50,250,350,450を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、てんぷ過度回転防止機構50,250,350,450を、さまざまな脱進機に適用することが可能である。
1 デテント脱進機
3 振り石
4 外し石
5 てんぷ
7 デテント
9 てん真
11 大つば
23 作動レバー
24 片作動ばね
51,251,351 規制レバー
55 規制ピン(規制部)
100 機械式時計
102 地板
105 表輪列
111 ぜんまい
261,361 補レバー
262,362 溝(凹部)
263,363 スリット(開口部)
353a,463a 長孔
462 溝
463 支柱(規制レバー)
465 規制ピン(補レバー)

Claims (7)

  1. 地板に回転可能に支持されているてん真と、
    このてん真を中心に一定の振り角で正回転、及び逆回転するてんぷとを有する脱進機において、
    前記てん真、及び前記地板の何れか一方に規制レバーを設け、他方に、前記規制レバーの動きを規制して前記てんぷが前記振り角を越えて回転することを防止する規制部を設けたことを特徴とする脱進機。
  2. 前記てん真を中心に回転可能に前記規制レバーを設ける一方、前記地板に前記規制部を設け、
    前記てんぷは、このてんぷの回転と一体となって回転可能に設けられ、且つ前記規制レバーに対して接離可能な移動ピンを備え、
    前記規制レバーは、前記てんぷの正回転と共に前記移動ピンに当接されて正回転し、前記てんぷの一方の振り角に達した時に前記規制部によって正回転を停止し、前記てんぷの逆回転によって再び前記移動ピンに当接されて逆回転し、前記てんぷの他方の振り角に達した時に前記規制部によって逆回転を停止することを特徴とする請求項1に記載の脱進機。
  3. 前記てん真を中心に回転可能に前記規制レバーを設け
    前記規制レバーから前記地板に向かって立設された補レバーをし、
    前記てんぷは、このてんぷの回転と一体となって回転可能に設けられ、且つ前記規制レバーに対して接離可能な移動ピンを備え、
    前記規制部は、前記地板に形成され、前記補レバーを受け入れ可能な凹部、及び開口部の何れか一方であることを特徴とする請求項2に記載の脱進機。
  4. がんぎ車と、このがんぎ車に対して接離可能に支持されている作動レバーとを有し、
    前記てん真に、前記がんぎ車に対して接離可能な振り石と、前記作動レバーに対して接離可能な外し石とを設け、
    この外し石を、前記移動ピンとして機能させたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の脱進機。
  5. 前記てん真から径方向外側に向かって突出するように前記規制レバーを設け
    前記規制レバーから前記地板に向かって立設された補レバーをし、
    記補レバーを前記規制レバーの長手方向に沿ってスライド移動可能に設け、
    前記規制部は、前記地板に形成され、前記補レバーを受け入れ可能な凹部、及び開口部の何れか一方であることを特徴とする請求項1に記載の脱進機。
  6. 前記地板に立設された規制レバーと、
    前記規制レバーから前記てん真に向かって立設された補レバーとを有し
    記補レバーを前記規制レバーの長手方向に沿ってスライド移動可能に設け、
    前記てん真に規制部を設け、
    この規制部は、前記てん真の外周面に形成された螺旋状の溝であり、
    前記溝に前記補レバーの先端が、前記溝上をスライド移動可能に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の脱進機。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の脱進機と、
    動力源を構成するぜんまいと、
    このぜんまいが巻き戻されるときの回転力により回転する表輪列とを備え、
    この表輪列の回転を前記脱進機により制御することを特徴とする機械式時計。
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