JP5953628B2 - 脱進機、及び機械式時計 - Google Patents
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Description
がんぎ車が1歯分回転する間に、デテントレバーが原位置に戻り、がんぎ車の歯部に止め石が再び接触する。すなわち、がんぎ車とデテントレバーとが係合し、がんぎ車の回転が停止する。
この特許文献1によれば、ひげぜんまいが所定以上緩むと、停止アームがフィンガーに当接し、その後停止アームがコラムに当接するので、てんぷが通常の振り角を超えてしまうのを防止できる。
また、上述の特許文献2にあっては、組み立ての際、かなと、これに噛合う回転阻止手段との位置決めを高精度に行わないと、てんぷの回転方向によって振り角の規制角度が変化してしまう。このため、かなと回転阻止手段との位置決めを高精度に行うために、組み立て作業が煩雑になるという課題がある。
このように構成することで、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、このてん真が通常の振り角を超えてしまうことを防止できる。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。また、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、てん真の振り角を一定にすることができる。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。また、てんぷのてん真の回転方向に関わらず、てん真の振り角を一定にすることができる。
このように構成することで、部品点数を減少させ、簡易な構造でてん真の回転方向に関わらずてん真が通常の振り角を超えてしまうことを防止でき、且つ容易にてん真の回転方向によって規制角度が変化してしまうことを防止できる。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。とりわけ、てん真の一方向側の振り角を360°まで広げることができ、且つてん真の一方向側の振り角が360°を超えてしまうことを防止できる。
このように構成することで、てん真が一方向、及び他方向に向かって所定の振り角以上回転してしまうことを防止できる。とりわけ、てん真の一方向側の振り角を360°まで広げることができ、且つてん真の一方向側の振り角が360°を超えてしまうことを防止できる。
このように構成することで、てん真の回転方向に関わらずてん真が通常の振り角を超えてしまうことを防止でき、且つ容易にてん真の回転方向によって規制角度が変化してしまうことを防止できる機械式時計を提供できる。
(機械式時計)
次に、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、機械式時計100のムーブメント101を裏蓋側からみた平面図である。
同図に示すように、機械式時計100は、ムーブメント101を備えている。ムーブメント101は、このムーブメント101の基板を構成する地板102を有している。地板102には巻真案内孔103が形成されており、ここに巻真104が回転可能に組み込まれている。
一方、ムーブメント101の表側(図1における紙面手前側)には、表輪列105を構成する四番車106、三番車107、二番車108、及び香箱車110が配置されていると共に、表輪列105の回転を制御するデテント脱進機1が配置されている。
二番車108は、香箱車110の不図示の香箱歯車に噛合う二番かなと、二番歯車(何れも不図示)とを有している。二番車108が回転すると、三番車107が回転するように構成されている。
四番車106は、三番車107の三番歯車に噛合う四番かなと、四番歯車(何れも不図示)とを有している。四番車106が回転することによりデテント脱進機1が駆動する。このデテント脱進機1が駆動することにより、四番車106が1分間に1回転するように制御されると共に、二番車108が1時間に1回転するように制御される。
図2は、デテント脱進機1の斜視図である。
同図に示すように、デテント脱進機1は、四番車106が回転することにより回転するがんぎ車2と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な止め石6を有するデテント7と、がんぎ車2の歯部2aと接触可能な振り石3、及びデテント7と接触可能な外し石4を有するてんぷ5と、このてんぷ5の過度な回転を防止するためのてんぷ過度回転防止機構50を備えている。
外し石4は、てん真9の軸方向に沿って長くなるように直方体状に形成されており、デテント7に設けられている後述の片作動ばね24、及びてんぷ過度回転防止機構50に設けられている後述の規制レバー51と接触可能になっている。外し石4によってデテント7や規制レバー51が動作する。
デテント7は、地板102に不図示のワッシャを介して固定されている円板状のデテント固定部21と、デテント固定部21に復帰ばね22を介して支持されている作動レバー23と、外し石4と接触可能な片作動ばね24とが一体成形されたものである。
ここで、一体成形を行う方法として、例えば、電鋳加工によりデテント7を形成したり、フォトリソグラフィーのような光学的な手法を取り入れたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスやDRIE、MIMによりデテント7を形成したりすることが可能である。
また、デテント固定部21の外周部には、てんぷ5側に凹部27が形成され、ここに復帰ばね22が、ほぼてん真9の軸心に向かって延出するように設けられている。復帰ばね22は、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましい。
片作動ばね24は、平面視略6字状に形成されたものであって、作動レバー23の基端部、つまり、アーム部28の基端部から延出する円弧部31と、円弧部31の先端から作動レバー23の先端部30に向かって延出する直線部32とにより構成されている。
一方、直線部32は、作動レバー23に対する接離方向に沿って弾性変形するように形成されており、直線部32の先端が作動レバー23の先端部30に対して、当接・離間するようになっている。また、直線部32は、この先端が作動レバー23の先端部30から僅かに突出するように延出形成されている。この突出した部位に、てんぷ5の外し石4が接触するようになっている。
復帰ばね22は、作動レバー23を原位置(図2の位置)に復帰するように付勢している。一方、片作動ばね24は、この片作動ばね24の先端が常に作動レバー23の先端部30と当接可能な程度のばね力に設定されている。
ストッパピン42は、作動レバー23のアーム部28に、がんぎ車2側から当接するようになっている。これにより、作動レバー23のがんぎ車2に接近する方向に向かう変位が規制される。
図3は、てんぷ過度回転防止機構50の斜視図である。
同図に示すように、てん真9の下軸部には大つば11よりも下端側に、段差により縮径された縮径部9aが形成されている。この縮径部9aに、てんぷ過度回転防止機構50を構成する規制レバー51が設けられている。規制レバー51は、縮径部9aに回転可能に挿入され、縮径部9aに対して回転可能な平面視略円形状の本体部52と、本体部52の一側から径方向外側に向かって延出するアーム部53とが一体成形されたものである。
また、大つば11に設けられている外し石4の長さは、この先端部が規制レバー51のアーム部53に接触可能な長さに設定されている。
次に、図4に基づいて、てんぷ過度回転防止機構50の動作について説明する。
図4は、てんぷ過度回転防止機構50の動作説明図であって、(a)〜(h)は、大つば11、及び規制レバー51の挙動を示す。
まず、てんぷ5が自由振動することにより、大つば11が矢印CCW方向(図4における反時計回り方向)に向かって回転する場合について説明する。
尚、大つば11は、てん真9に圧入固定されているので、大つば11とてん真9は一体となって回転するが、以下の説明においては、大つば11の挙動についてのみ説明し、てん真9の挙動についての説明は省略する。
したがって、上述の第1実施形態によれば、てん真9に回転自在に支持されている規制レバー51と、この規制レバー51の回転角度を規制する規制ピン55とを備え、外し石4を利用して大つば11と規制レバー51とを同期させて回転させるように構成されたてんぷ過度回転防止機構50を設けることにより、大つば11(てん真9)が図4における矢印CCW方向、及び矢印CW方向の何れか一方向に360°以上回転してしまうことを防止できる。また、大つば11の回転方向に関わらず、大つば11の振り角の規制角度を一定にすることができる。
次に、この発明の第2実施形態を図1を援用し、図5、図6に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一の態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図5は、この第2実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構250の斜視図、図6は、この第2実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構250の平面図である。
ここで、この第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態のてんぷ過度回転防止機構50と第2実施形態のてんぷ過度回転防止機構250との構造が異なる点にある(以下の実施形態についても同様)。
より具体的には、図5、図6に示すように、てん真9の縮径部9aには、てんぷ過度回転防止機構250を構成する規制レバー251が設けられている。規制レバー251は、縮径部9aに回転可能に挿入され、縮径部9aに対して回転可能な平面視略円形状の本体部252と、本体部252の一側から径方向外側に向かって延出するアーム部253とが一体成形されたものである。
尚、止め輪54と段差部9bとの幅は、規制レバー251の本体部252の厚さよりも若干大きくなるように設定されており、てん真9の縮径部9aに対して本体部252がスムーズに回転するようになっている点は、前述の第1実施形態と同様である。
ここで、アーム部253の先端には、環状の取付部260が一体成形されている。取付部260は、この開口部260aの軸方向がてん真9の軸方向と同一方向になるように形成されている。取付部260の開口部260aには、略円柱状の補レバー261の基端が圧入固定されている。補レバー261は、てん真9の軸方向に沿って、取付部260から地板102に至るまで延出されている。
ここで、溝262が環状に形成されておらず、平面視略C字状に形成されている一方、この溝262上を補レバー261がスライド移動するように構成されているので、規制レバー251の一方向の回転が360°以上回転しないように規制される。すなわち、溝262は、規制レバー251の回転角度を規制する役割を有している。
尚、上述の第2実施形態では、地板102に補レバー261の先端を受け入れ可能な溝262を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、溝262に代わって地板102を厚さ方向に貫通するように、スリット263(図5、図6参照)を形成してもよい。
(てんぷ過度回転防止機構)
次に、この発明の第3実施形態を図7、図8に基づいて説明する。
図7は、この第3実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構350の斜視図、図8は、この第3実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構350の平面図である。
図7、図8に示すように、てんぷ過度回転防止機構350は、てん真9の縮径部9aに設けられた規制レバー351を有している。規制レバー351は、縮径部9aに相対回転不能に固定された平面視略円形状の本体部352と、本体部352の一側から径方向外側に向かって延出するアーム部353とが一体成形されたものである。
尚、大つば11に設けられている外し石4の長さが、この先端部がアーム部353に接触可能な長さに設定されている点は、前述の第1実施形態と同様である。
補レバー361は、頭部361aと、この頭部361aより縮径形成されたシャフト361bとが一体成形されたものである。シャフト361bの軸径は、アーム部353に形勢されている長孔353aの短手方向の幅と略同一に設定されている。
また、補レバー361のシャフト361bは、アーム部353から地板102に至るまで延出するように形成されている。一方、地板102には、補レバー361のシャフト361bの先端を受け入れ可能な溝362が形成されている。
(てんぷ過度回転防止機構)
次に、この発明の第4実施形態を図9に基づいて説明する。
図9は、この第4実施形態におけるてんぷ過度回転防止機構450の斜視図である。
同図に示すように、てんぷ過度回転防止機構450は、てん真9の外周面に形成された螺旋状の溝462を有している。より詳述すると、溝462は、てん真9の大つば11よりも上端側(図9における上側)に、てん真9を約2周する程度に螺旋状に形成されている。
ここで、てん真9に形成されている溝462の幅は、規制ピン465のシャフト465bの先端を受け入れ可能、且つ溝462内をシャフト465bの先端がスライド移動可能な幅に設定されている。
例えば、上述の実施形態では、デテント脱進機1を備えた機械式時計100について説明し、デテント脱進機1にてんぷ過度回転防止機構50,250,350,450を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、てんぷ過度回転防止機構50,250,350,450を、さまざまな脱進機に適用することが可能である。
3 振り石
4 外し石
5 てんぷ
7 デテント
9 てん真
11 大つば
23 作動レバー
24 片作動ばね
51,251,351 規制レバー
55 規制ピン(規制部)
100 機械式時計
102 地板
105 表輪列
111 ぜんまい
261,361 補レバー
262,362 溝(凹部)
263,363 スリット(開口部)
353a,463a 長孔
462 溝
463 支柱(規制レバー)
465 規制ピン(補レバー)
Claims (7)
- 地板に回転可能に支持されているてん真と、
このてん真を中心に一定の振り角で正回転、及び逆回転するてんぷとを有する脱進機において、
前記てん真、及び前記地板の何れか一方に規制レバーを設け、他方に、前記規制レバーの動きを規制して前記てんぷが前記振り角を越えて回転することを防止する規制部を設けたことを特徴とする脱進機。 - 前記てん真を中心に回転可能に前記規制レバーを設ける一方、前記地板に前記規制部を設け、
前記てんぷは、このてんぷの回転と一体となって回転可能に設けられ、且つ前記規制レバーに対して接離可能な移動ピンを備え、
前記規制レバーは、前記てんぷの正回転と共に前記移動ピンに当接されて正回転し、前記てんぷの一方の振り角に達した時に前記規制部によって正回転を停止し、前記てんぷの逆回転によって再び前記移動ピンに当接されて逆回転し、前記てんぷの他方の振り角に達した時に前記規制部によって逆回転を停止することを特徴とする請求項1に記載の脱進機。 - 前記てん真を中心に回転可能に前記規制レバーを設け、
前記規制レバーから前記地板に向かって立設された補レバーを有し、
前記てんぷは、このてんぷの回転と一体となって回転可能に設けられ、且つ前記規制レバーに対して接離可能な移動ピンを備え、
前記規制部は、前記地板に形成され、前記補レバーを受け入れ可能な凹部、及び開口部の何れか一方であることを特徴とする請求項2に記載の脱進機。 - がんぎ車と、このがんぎ車に対して接離可能に支持されている作動レバーとを有し、
前記てん真に、前記がんぎ車に対して接離可能な振り石と、前記作動レバーに対して接離可能な外し石とを設け、
この外し石を、前記移動ピンとして機能させたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の脱進機。 - 前記てん真から径方向外側に向かって突出するように前記規制レバーを設け、
前記規制レバーから前記地板に向かって立設された補レバーを有し、
前記補レバーを前記規制レバーの長手方向に沿ってスライド移動可能に設け、
前記規制部は、前記地板に形成され、前記補レバーを受け入れ可能な凹部、及び開口部の何れか一方であることを特徴とする請求項1に記載の脱進機。 - 前記地板に立設された規制レバーと、
前記規制レバーから前記てん真に向かって立設された補レバーとを有し、
前記補レバーを前記規制レバーの長手方向に沿ってスライド移動可能に設け、
前記てん真に規制部を設け、
この規制部は、前記てん真の外周面に形成された螺旋状の溝であり、
前記溝に前記補レバーの先端が、前記溝上をスライド移動可能に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の脱進機。 - 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の脱進機と、
動力源を構成するぜんまいと、
このぜんまいが巻き戻されるときの回転力により回転する表輪列とを備え、
この表輪列の回転を前記脱進機により制御することを特徴とする機械式時計。
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JP2012033115A JP5953628B2 (ja) | 2012-02-17 | 2012-02-17 | 脱進機、及び機械式時計 |
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