JP5953239B2 - 過給機用のコンプレッサハウジング及びその製造方法 - Google Patents
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Description
コンプレッサハウジングには、コンプレッサとスロットルバルブとの間での吸気脈動を抑制するためのエアバイパスバルブを搭載する仕様のものがある(特許文献1等参照)。
そこで、コンプレッサハウジング91の吸気側の一部を、図18に示すごとく、本体ピース93から分割して形成した分割ピース94とすることが提案されている(特許文献2等参照)。特許文献2の発明においては、分割ピース94に設けられたねじ穴941を介して、分割ピース94を本体ピース93にねじ止めして組み付けることにより、バイパス部916を有するコンプレッサハウジング91を、生産性が良く、安価なダイキャストで製造することを可能とすることが提案されている。
上記スクロ−ル室に対して、上記吸気口が開口している吸気側の位置には、エアバイパスバルブを収容するためのバルブ収容部が形成されており、
該バルブ収容部は、上記スクロール室と連通すると共に上記吸気側に開口しており、
上記バルブ収容部と上記吸気口との間には、上記コンプレッサハウジングの内部において両者をつなぐバイパス部が形成されており、
上記コンプレッサハウジングは、本体ピースと、該本体ピースに取り付けられる分割ピースとを有し、
上記本体ピースは、上記バルブ収容部と上記吸気口を連通して上記吸気側が開口する溝部と、該溝部の開口側の周囲において上記分割ピースの外形に沿うように切り欠かれた切欠部とを有し、
上記バイパス部は、上記分割ピースが上記切欠部に圧入されて上記溝部の上記吸気側が覆われることにより形成されていることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジングにある(請求項1)。
上記バルブ収容部と上記吸気口と上記溝部と上記切欠部とを形成してなる上記本体ピースを作製する本体ピース作製工程と、
上記溝部の上記吸気側を覆う上記分割ピースを作製する分割ピース作製工程と、
上記切欠部に上記分割ピースを圧入して上記溝部の上記吸気側を覆う圧入工程と、
を含む過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法にある(請求項5)。
また、上記コンプレッサハウジングは、上記本体ピースと上記分割ピースとの他に、上記本体ピースに組み付けられる他のピースを備えていてもよい。
また、上記分割ピースは、その表裏方向においても対称な形状、すなわちコイン状とすることにより、表裏の向きも考慮することなく本体ピースに分割ピースを圧入できる。これにより、さらに作業効率を向上させることができる。
なお、上記分割ピースの端縁の外形加工は、例えば、切削、研削によって行うことができる。また、切削、研削の後に、端縁を研磨することがより好ましい。
なお、上記分割ピースの端縁の外形加工は、例えば、研削、切削によって行うことができる。また、研削、切削加工の後に、端縁を研磨することがより好ましい。
上記過給機用のコンプレッサハウジングの実施例について、図1〜図15を用いて説明する。
本例のコンプレッサハウジング1は、図1〜図3に示すごとく、インペラ5を収容可能に設けられていると共に、インペラ5に向けて空気を吸い込む吸気口11と、インペラ5の外周側において周方向に形成され、インペラ5から吐き出された空気を外部へ導くスクロール室12とを備えている。
バルブ収容部15は、スクロール室12と連通すると共に吸気側X1に開口している。
コンプレッサハウジング1は、本体ピースとしてのスクロールピース2と、スクロールピース2に取り付けられる分割ピース4とを有する。
図13〜図15に示すごとく、バイパス部16は、分割ピース4が切欠部27に圧入されて溝部26の吸気側X1が覆われることにより形成されている。
図13、図15に示すごとく、コンプレッサハウジング1は、スクロールピース2とシュラウドピース3と環状ピース30と分割ピース4とを組み合わせて構成されている。スクロールピース2、シュラウドピース3、及び環状ピース30は、すべてアルミニウム製のダイキャスト品により構成されている。分割ピース4は、アルミニウム製のプレス成形品である。
また、バルブ収容部15と吸気口11との間には、スクロールピース2の吸気側端面に開口するように、溝部26が形成されている。そして、溝部26は、バルブ収容部15と吸気口11とに連通している。
また、図1〜図3に示すごとく、エアバイパスバルブ6は、バルブ部61をバルブ収容部15内に収容した状態で、スクロールピース2のバルブ搭載部23にボルト152にて締結固定される。
本体ピース作製工程においては、図4〜図6に示すごとく、バルブ収容部15と吸気口11と溝部26と切欠部27とを形成してなるスクロールピース(本体ピース)2を作製する。分割ピース作製工程においては、図4に示すような、溝部26の吸気側を覆う分割ピース4を作製する。圧入工程においては、図7〜図10に示すごとく、切欠部27に分割ピース4を圧入して溝部26の吸気側X1を覆う。
すなわち、端縁加工工程においては、図11、図12に示すごとく、分割ピース4の吸気口11に面する端縁421を吸気口11の内面に沿うように外形加工し、分割ピース4のバルブ収容部15に面する端縁422をバルブ収容部15の内面に沿うように外形加工する。表面加工工程においては、図13、図14に示すごとく、分割ピース4の吸気側X1の表面が、分割ピース4の周囲におけるスクロールピース2の吸気側X1の表面に対して面一となるように、分割ピース4の表面を加工する。
また、分割ピース作製工程において作製する分割ピース4は、その厚さが切欠部27の深さよりも大きい。
そして、圧入に当たっては、分割ピース4を吸気側X1から押圧治具(図示略)によって押圧する。押圧治具は、分割ピース4の一方の面に当接する平坦な押圧面を有する。そして、この押圧面は分割ピース4よりも大きく、分割ピース4の全体を押圧できるようになっている。これは、圧入時に分割ピース4が変形することを防ぐためである。
なお、表面加工工程は、端縁加工工程の前に行うこともできる。
また、端縁加工工程、表面加工工程のそれぞれの後に、端縁或いは表面を研磨してもよい。
上記過給機用のコンプレッサハウジング1において、バイパス部16は、分割ピース4が切欠部27に圧入されて溝部26の吸気側X1が覆われることにより形成されている。それゆえ、コンプレッサハウジング1を製造するにあたって、ダイキャスト成形を用いることができる。すなわち、例えば、スクロールピース2をダイキャストにより成形し、スクロールピース2に分割ピース4を圧入することにより、バイパス部16を有するコンプレッサハウジング1を、生産性良く、低コストにて得ることができる。
また、分割ピース4は、その表裏方向においても対称な形状、すなわちコイン状であるため、表裏の向きも考慮することなくスクロールピース2に分割ピースを圧入できる。これにより、さらに作業効率を向上させることができる。
11 吸気口
12 スクロール室
15 バルブ収容部
16 バイパス部
2 スクロールピース(本体ピース)
26 溝部
27 切欠部
4 分割ピース
5 インペラ
6 エアバイパスバルブ
Claims (9)
- インペラを収容可能に設けられていると共に、上記インペラに向けて空気を吸い込む吸気口と、上記インペラの外周側において周方向に形成され、上記インペラから吐き出された空気を外部へ導くスクロール室とを備えた過給機用のコンプレッサハウジングにおいて、
上記スクロ−ル室に対して、上記吸気口が開口している吸気側の位置には、エアバイパスバルブを収容するためのバルブ収容部が形成されており、
該バルブ収容部は、上記スクロール室と連通すると共に上記吸気側に開口しており、
上記バルブ収容部と上記吸気口との間には、上記コンプレッサハウジングの内部において両者をつなぐバイパス部が形成されており、
上記コンプレッサハウジングは、本体ピースと、該本体ピースに取り付けられる分割ピースとを有し、
上記本体ピースは、上記バルブ収容部と上記吸気口を連通して上記吸気側が開口する溝部と、該溝部の開口側の周囲において上記分割ピースの外形に沿うように切り欠かれた切欠部とを有し、
上記バイパス部は、上記分割ピースが上記切欠部に圧入されて上記溝部の上記吸気側が覆われることにより形成されていることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。 - 請求項1に記載の過給機用のコンプレッサハウジングにおいて、上記分割ピースは、上記切欠部に圧入された複数の端縁の輪郭が一つの円周に沿った円弧形状であることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。
- 請求項1又は2に記載の過給機用のコンプレッサハウジングにおいて、上記分割ピースは、上記吸気口に面する端縁が上記吸気口の内面に沿う凹形状であり、上記バルブ収容部に面する端縁が上記バルブ収容部の内面に沿う凹形状であることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の過給機用のコンプレッサハウジングにおいて、上記切欠部に圧入された上記分割ピースの上記吸気側の表面は、上記分割ピースの周囲における上記本体ピースの上記吸気側の表面に対して面一となっていることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の過給機用のコンプレッサハウジングを製造する方法であって、
上記バルブ収容部と上記吸気口と上記溝部と上記切欠部とを形成してなる上記本体ピースを作製する本体ピース作製工程と、
上記溝部の上記吸気側を覆う上記分割ピースを作製する分割ピース作製工程と、
上記切欠部に上記分割ピースを圧入して上記溝部の上記吸気側を覆う圧入工程と、
を含む過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法。 - 請求項5に記載の過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法において、上記分割ピース作製工程では、上記分割ピースを円盤状に形成することを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法。
- 請求項5又は6に記載の過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法において、上記圧入工程の後に、上記分割ピースの上記吸気口に面する端縁を上記吸気口の内面に沿うように外形加工し、上記分割ピースの上記バルブ収容部に面する端縁を上記バルブ収容部の内面に沿うように外形加工する端縁加工工程をさらに含むことを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法。
- 請求項5〜7のいずれか1項に記載の過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法において、上記分割ピース作製工程では、上記分割ピースの厚さが上記切欠部の深さよりも大きくなるように上記分割ピースを形成することを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法。
- 請求項5〜8のいずれか1項に記載の過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法において、上記圧入工程の後に、上記分割ピースの上記吸気側の表面が、該分割ピースの周囲における上記本体ピースの上記吸気側の表面に対して面一となるように、上記分割ピースの表面を加工する表面加工工程をさらに含むことを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジングの製造方法。
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