JP5953226B2 - 閾値マトリクス作成装置、方法、プログラム及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数のドットを形成可能である画像形成装置に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクスを作成する閾値マトリクス作成装置、方法、プログラム及び画像形成装置に関する。
近時、インクジェット技術の飛躍的進歩に伴い、インクジェット方式の画像形成装置による高速・高画質を両立したカラー大判印刷が可能になりつつある。この装置は、特にサイン・ディスプレイ用途において幅広い分野で用いられ、例えば、店頭POP(Point Of Purchase)や壁面ポスター、屋外広告・看板等の印刷にも適用可能である。インクジェット方式では、記録媒体上に複数種のインク(例えばCMYKインク)の液滴を吐出して多数のドットを形成することで、印刷物を得ることができる。
そして、この記録方式のうち、所定方向に沿って配列された複数のノズルを備える記録ヘッド(以下、ラインヘッドともいう)を使用するシングルパス方式が特に注目されている。なぜならば、上記の所定方向に交差する搬送方向に沿って、記録媒体又はラインヘッドを1回だけ移動させることで画像を形成可能であり、サイン・ディスプレイ用途で要求される各種仕様(高速化・低電力化・高画質化)をすべて両立し得るからである。
一方、シングルパス方式では、何らかの変動要因により、各ノズルからの液滴の着弾位置が目標位置から主方向にずれる結果、記録媒体の搬送方向に延在する濃い又は淡い筋むら(以下、単に筋むらという)が発生し易いという課題があった。そこで、ラインヘッドに不良ノズルが存在し得る前提の下、画質の劣化を極力抑制するための画像補正技術が種々提案されている。
特許文献1及び2では、筋むらが発生したライン単位で閾値が補正された閾値マトリクスを用いて、ハーフトーン処理を施す方法及び装置が提案されている。より詳細には、濃い筋むらが発生するラインに対応する各閾値を相対的に大きくすると共に、淡い筋むらが発生するラインに対応する各閾値を相対的に小さくする旨が記載されている。
また、特許文献3では、複数のドットが形成される位置又はサイズの誤差の統計量から算出された評価値に基づいて、閾値マトリクスを決定する装置及び方法が提案されている。これにより、ドットの形成ばらつきに起因する画像への影響度を統計的且つ定量的に予測可能であり、閾値マトリクスを適切に決定することで筋むらに対する頑健性が高くなる旨が記載されている。
特開2008−080556号公報([0125]、[0126]、図13等) 特開2006−263983号公報([0106]〜[0109]、図18等) 国際公開第2012/114575号パンフレット([0027]等)
ところで、画像形成装置の種類によっては、同一の閾値マトリクスを使用した場合であっても、特定の階調レベルのフラットパターンにてアーチファクトが生じることがある。このとき、上記した閾値マトリクスに代替して、その画像形成装置の記録特性に適した閾値マトリクスを別途準備する必要がある。
これに対して、特許文献1及び2で提案された装置等では、アーチファクトの形状が複雑である場合、上記した補正の効果が十分に得られないことがあった。一方、特許文献3で提案された装置等を用いることで、閾値マトリクスのカスタマイズ(再作成)が実現可能であるともいえる。
しかし、特許文献3の記載によれば、閾値マトリクスを最初から作成することを前提としているため、その作成処理に多くの演算量・演算時間を必要とし、改良の余地が十分にあった。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、部分的な階調不良の発生を抑制する閾値マトリクスを簡便に且つ短時間で作成可能な閾値マトリクス作成装置、方法、プログラム及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る閾値マトリクス作成装置は、複数のドットを形成可能である画像形成装置に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクスを作成する装置であって、基準の閾値マトリクスである基準マトリクスを取得する基準マトリクス取得部と、前記基準マトリクス取得部により取得された前記基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する変更範囲指定部と、前記変更範囲指定部により指定された前記変更範囲の属否に応じて、前記基準マトリクスの行列要素を、閾値の変更対象である行列要素及び閾値の変更対象でない行列要素に分類する行列要素分類部と、前記変更対象でない行列要素の閾値をそれぞれ固定しつつ、前記変更対象である行列要素間における閾値の序列関係を変更することで、前記基準マトリクスと同じサイズである新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する閾値決定部とを備え、前記変更範囲の中間値に相当する中間階調レベルでのドットパターンである中間パターンを少なくとも1つ取得する中間パターン取得部を更に備え、前記変更範囲指定部は、前記基準マトリクスについて前記中間パターンと同じ階調レベルでハーフトーン処理したドットパターンと前記中間パターンとを比較して前記変更範囲が指定されることを特徴とする。
このように、基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する変更範囲指定部と、前記変更範囲に属さない行列要素の閾値をそれぞれ固定しつつ新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する閾値決定部とを設けたので、閾値を固定した行列要素についての演算量・演算時間を削減できる。換言すれば、階調不良が発生する特定の階調レベルを含むように変更範囲を指定し、その変更範囲内にて閾値の序列関係を適切に変更することで、部分的な階調不良の発生を抑制する閾値マトリクスを簡便に且つ短時間で作成できる。
また、前記新たな閾値マトリクスを用いた前記ハーフトーン処理により得られる前記ドットの配置を表すドットパターンを、階調レベル毎に確定するドットパターン確定部を更に備え、前記閾値決定部は、前記ドットパターン確定部により確定された各前記ドットパターンに基づいて、前記新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定することが好ましい。
また前記ドットパターン確定部は、前記中間パターン取得部により取得された前記中間パターンを、前記ドットパターンとして少なくとも1つ確定することが好ましい。
また前記ドットパターン確定部は、前記中間パターン取得部により取得された前記中間パターンを除外した上で各前記ドットパターンを確定することが好ましい。
また、前記ドットパターン確定部は、前記基準マトリクスと比べて前記ドットの分布特性が異なるように各前記ドットパターンを確定することが好ましい。
また、前記閾値決定部は、前記変更対象である行列要素間での閾値の配置を交換することで、前記新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定することが好ましい。
本発明に係る閾値マトリクス作成方法は、複数のドットを形成可能である画像形成装置に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクスを作成する方法であって、基準の閾値マトリクスである基準マトリクスを取得する取得ステップと、取得された前記基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する指定ステップと、指定された前記変更範囲の属否に応じて、前記基準マトリクスの行列要素を、閾値の変更対象である行列要素及び閾値の変更対象でない行列要素に分類する分類ステップと、前記変更対象でない行列要素の閾値をそれぞれ固定しつつ、前記変更対象である行列要素間における閾値の序列関係を変更することで、前記基準マトリクスと同じサイズである新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する決定ステップとをコンピュータに実行させ、前記指定ステップは、前記変更範囲の中間値に相当する中間階調レベルでのドットパターンである中間パターンを少なくとも1つ取得するステップと、前記基準マトリクスについて前記中間パターンと同じ階調レベルでハーフトーン処理したドットパターンと前記中間パターンとを比較して前記変更範囲が指定されるステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る閾値マトリクス作成プログラムは、複数のドットを形成可能である画像形成装置に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクスを作成するためのプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータに、基準の閾値マトリクスである基準マトリクスを取得する取得ステップと、取得された前記基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する指定ステップと、指定された前記変更範囲の属否に応じて、前記基準マトリクスの行列要素を、閾値の変更対象である行列要素及び閾値の変更対象でない行列要素に分類する分類ステップと、前記変更対象でない行列要素の閾値をそれぞれ固定しつつ、前記変更対象である行列要素間における閾値の序列関係を変更することで、前記基準マトリクスと同じサイズである新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する決定ステップとを実行させ、前記指定ステップは、前記変更範囲の中間値に相当する中間階調レベルでのドットパターンである中間パターンを少なくとも1つ取得するステップと、前記基準マトリクスについて前記中間パターンと同じ階調レベルでハーフトーン処理したドットパターンと前記中間パターンとを比較して前記変更範囲が指定されるステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記した閾値マトリクス作成方法を用いて作成された前記新たな閾値マトリクスを記憶するデータ記憶部と、複数のドットを記録媒体上に形成する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して前記記録媒体を相対移動させた状態下、各前記ドットを順次形成させるように前記記録ヘッドを制御信号に基づいて制御するヘッド駆動回路と、前記データ記憶部により記憶された前記新たな閾値マトリクスを用いた前記ハーフトーン処理を施すことで、入力された画像信号から前記ヘッド駆動回路に供される前記制御信号を生成する画像処理部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る閾値マトリクス作成装置、方法、プログラム及び画像形成装置によれば、基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定し、前記変更範囲に属さない行列要素の閾値をそれぞれ固定して新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定するようにしたので、閾値を固定した行列要素についての演算量・演算時間を削減できる。換言すれば、階調不良が発生する特定の階調レベルを含むように変更範囲を指定し、その変更範囲内にて閾値の序列関係を適切に変更することで、部分的な階調不良の発生を抑制する閾値マトリクスを簡便に且つ短時間で作成できる。
画像処理部及びその周辺の機能ブロック図である。 組織的ディザ法によるハーフトーン処理の概略説明図である。 図1に示すマトリクス作成部の機能ブロック図である。 図3に示すマトリクス作成部の動作説明に供されるフローチャートである。 図5Aは、取得された基準マトリクスの各閾値を示す模式図である。図5Bは、図5Aの基準マトリクスを用いてハーフトーン処理を施し、得られたドットパターンの一例を示す模式図である。図5Cは、取得された中間パターンの一例を示す模式図である。 図6A及び図6Bは、行列要素の分類結果を示す模式図である。 作成された新規マトリクスの各閾値を示す模式図である。 閾値マトリクス作成装置のブロック図である。 画像形成装置の構成を表す断面側面図である。 図9に示す画像形成装置のシステム構成を表す電気的なブロック図である。 画像形成装置の別のシステム構成を表す電気的なブロック図である。
以下、本発明に係る閾値マトリクス作成方法について、それを実施する閾値マトリクス作成装置、プログラム及び画像形成装置との関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。本明細書において、画像を形成することを「印刷」又は「印字」という場合がある。
[画像処理部10の構成及び動作]
図1は、画像処理部10及びその周辺の機能ブロック図である。画像処理部10は、データ記憶部12から各種データを読み出すと共に、ヘッドドライバ14(ヘッド駆動回路)側に対して制御信号を供給する。画像処理部10は、解像度変換部16、分版処理部18、ハーフトーン処理部20、及びドットサイズ割付部22を基本的に備える。データ記憶部12は、本画像処理方法の実行に必要な各種データを記憶する。本図例では、複数の分版テーブル24、複数の閾値マトリクス26、ドットサイズ情報27、及び中間パターン28(中間ドットパターン)がそれぞれ格納されている。
画像処理部10に入力される画像信号(以下、入力画像信号)は、複数のカラーチャンネルからなる連続調データである。例えば、8ビット(1画素当り256階調)RGBのTIFF形式データであってもよい。
<1.解像度変換部16の動作説明>
解像度変換部16は、画像サイズを拡大又は縮小する画像拡縮処理を用いて、入力画像信号の解像度を、画像形成装置100(図9及び図10)、200(図11)に応じた解像度に変換する。ここで得られる第1中間画像信号は、入力画像信号とデータ定義は同一であるが、データサイズが異なっている。この画像拡縮処理には、補間演算を含む公知のアルゴリズムを種々適用してもよい。
<2.分版処理部18の動作説明>
分版処理部18は、解像度変換部16から取得した第1中間画像信号を、画像形成装置100、200で取り扱うデバイス色信号に変換する。具体的には、分版処理部18は、記憶された複数の分版テーブル24のうち1つを読み出して参照することで、RGB色信号からCMYK色信号に変換する。濃色及び淡色を分版する濃淡テーブルが分版テーブル24に含まれる場合、分版処理部18は更に、特定のカラーチャンネル(例えば、シアン・マゼンタ)のデバイス色信号を、その同系色のカラーチャンネル毎の信号に分解(分版)する。
ここで得られる第2中間画像信号は、連続調のデバイス色信号に相当する。例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び黒(K)の4つのカラーチャンネル毎のデバイス色信号にそれぞれ分版される。
<3.ハーフトーン処理部20の動作説明>
ハーフトーン処理部20は、分版処理部18から取得した第2中間画像信号を、ドットのオン・オフを表すハーフトーン信号に変換する。このハーフトーン処理には、組織的ディザ法、誤差拡散法、濃度パターン法、ランダムドット法等を適用することができる。本実施形態では、組織的ディザ法を用いたハーフトーン処理を中心に説明する。
図2は、組織的ディザ法によるハーフトーン処理の概略説明図である。一例として、ベイヤー型の閾値マトリクス26(マスクパターン)を用いた2値化の概念を示す。先ず、連続調のデバイス色信号における各アドレスと、閾値マトリクス26の各行列要素とを対応付ける。そして、着目する画素での画素値と、着目する行列要素での閾値との大小関係をそれぞれ比較し、画素値の方が小さい場合には「0(オフ)」を割り当て、それ以外の場合には「1(オン)」を割り当てる。このようにして、画像信号の階調数は、多値から2値に変換される。
<4.ドットサイズ割付部22の動作説明>
図1のドットサイズ割付部22は、ハーフトーン処理部20から取得した2値のハーフトーン信号が表す複数の画素のうち、オン状態(画素値が1)である画素の各位置に対し、いずれかのドットサイズをそれぞれ割り付ける。具体的には、ドットサイズ割付部22は、記憶されたドットサイズ情報27(階調レベルとドット記録率との関係)を読み出して参照することで、液滴等を適切に吐出制御するための制御信号を作成する。ここで得られる制御信号は、記録ヘッド144(図9参照)に対して、吐出動作の有無(オン・オフ)又は吐出する液滴等の量を時系列的に制御する色毎の多値データである。例えば、多値レベル「0」はオフ状態を表し、多値レベル「1」はオン状態(小サイズ)を表し、多値レベル「2」はオン状態(中サイズ)を表し、多値レベル「3」はオン状態(大サイズ)を表す。
[マトリクス作成部30の構成及び動作]
図1に戻って、マトリクス作成部30は、データ記憶部12等から供給された各種データに基づいて、ハーフトーン処理に供される閾値マトリクス26を新たに作成する。以下、既に存在する閾値マトリクス26と区別するため、新たな閾値マトリクスを「新規マトリクス26n」と称する場合がある。
図3は、図1に示すマトリクス作成部30の機能ブロック図である。このマトリクス作成部30は、基準マトリクス取得部32、変更範囲指定部34、行列要素分類部36、中間パターン取得部38、制約条件設定部40、ドットパターン確定部42、ドットパターン格納部44、及び閾値決定部46から構成される。
続いて、図3のマトリクス作成部30の動作について、図4のフローチャートを主に参照しながら詳細に説明する。
ステップS1において、マトリクス作成部30は、新規マトリクス26nの作成に供される各種情報を取得する。基準マトリクス取得部32は、データ記憶部12等から、基準となる閾値マトリクス(以下、基準マトリクス26bという)を取得する。ここで、マトリクス作成部30は、基準マトリクス26bと同じサイズの新規マトリクス26nを作成することに留意する。
図5Aに示すように、基準マトリクス26bは、行方向、列方向にそれぞれ5個の計25個の行列要素50から構成される。各行列要素50での閾値は、「1から25まで」の範囲内にある整数のいずれかであり、互いに重複しない値を取っている。すなわち、連続調のデバイス色信号に対して、基準マトリクス26bを用いたハーフトーン処理を施すことで、26個の階調レベルを表現可能である。
図5Bは、図5Aに示す基準マトリクス26bを用いてハーフトーン処理を施し、得られたドットパターン52の一例を示す模式図である。説明の便宜上、仮想的な矩形格子の各領域(以下、セル54という)に、ドット56のオン・オフ状態を模式的に表記する。
本図例のドットパターン52は、基準マトリクス26bの行列要素50と同じ個数、すなわち25個のセル54から構成されている。そのうち4個のセル54上にそれぞれ、ドット56が1つずつ配置されている。すなわち、このドットパターン52は、画素値がいずれも「4」である連続調のデバイス色信号に対するハーフトーン処理の結果を示す。
また、中間パターン取得部38は、データ記憶部12等から、後述する変更範囲の中間値に相当する中間階調レベルでのドットパターン(以下、中間パターン28)を取得してもよい。例えば、特定の画像形成装置100において、特定の階調レベル(=4)でのフラットパターン(図5Bのドットパターン52)にてアーチファクトが生じる傾向があったとする。この場合、種々のドットパターンを実際に印字して目視評価を行った結果、画質(例えば、粒状性)が一層良好であったドットパターンを中間パターン28として選択する。
図5Cは、取得された中間パターン28の一例を示す模式図である。中間パターン28は、ドットパターン52と同様に、画素値がいずれも「4」である連続調のデバイス色信号に対するハーフトーン処理の結果を示す。中間パターン28のうち4個のセル54上にそれぞれ、ドット56が1つずつ配置されている。以下、各ドット56の配置を明確に区別するため、ドット56a、56b(図5B及び図5C)、ドット56c、56d(図5B)、ドット56e、56f(図5C)とそれぞれ表記する場合がある。
ステップS2において、変更範囲指定部34は、ステップS1で取得された基準マトリクス26bの閾値の変更範囲を指定する。この変更範囲は、基準マトリクス26bにて網羅される閾値の全範囲(1から25まで)のうちの一部の範囲に相当する。指定方法は、ユーザによる入力操作に応じて変更範囲の下限値及び/又は上限値を指定してもよいし、基準マトリクス26bと中間パターン28との関係から自動的に指定してもよい。
例えば、後者の指定方法によれば、図5Bのドットパターン52及び図5Cの中間パターン28の間におけるドット56の配置の一致性について調べる。本事例では、ドットパターン52及び中間パターン28には、閾値「1」に対応するドット56a、閾値「2」に対応するドット56bが共通して存在する。ところが、ドットパターン52には閾値「3」に対応するドット56cが存在するものの、中間パターン28にはドット56cが存在しない。この場合、変更範囲指定部34は、ドット56の配置が一致しない最小の閾値「3」を、変更範囲の下限値として指定する。
このようにして、変更範囲指定部34は、変更範囲の下限値を「3」に、変更範囲の上限値を「11」にそれぞれ指定したとする。
ステップS3において、行列要素分類部36は、ステップS2で指定された変更範囲の属否に応じて行列要素50を分類する。具体的には、行列要素分類部36は、基準マトリクス26bを構成する25個の行列要素50を、閾値の変更対象であるグループ(以下、変更グループ60)と、閾値の変更対象でないグループ(以下、固定グループ62)とに分類する。
図6Aに示すように、ハッチングを付した9個の行列要素50は、変更グループ60に分類される。図5A及び図6Aの関係から理解されるように、各行列要素50の閾値はいずれも、「3から11まで」の範囲内にある。
図6Bに示すように、ハッチングを付した16個の行列要素50は、固定グループ62に分類される。図5A及び図6Bの関係から理解されるように、各行列要素50の閾値はいずれも、「3から11まで」の範囲外(「1から2まで」又は「12から25まで」の範囲)にある。
ところで、図6Bに示す16個の行列要素50での閾値を固定するため、「1から2まで」又は「12から25まで」の階調レベルでの各ドットパターン52(図5B)は一意に確定されている。そこで、行列要素分類部36は、これらの階調範囲に相当する各ドットパターン52を、ドットパターン格納部44に格納させておく。
ステップS4において、制約条件設定部40は、ステップS1で取得された中間パターン28に基づいて、ドットパターン52の制約条件を初期設定する。ここで、制約条件とは、閾値マトリクス26の各行列要素50における閾値を矛盾なく決定するため、各階調レベルでのドットの配置を制約する条件である。具体的には、現在指定された階調レベル(以下、指定レベルlv)よりも低い階調レベルで既に決定したドット56の配置及び順番を、該指定レベルlvでも継承する必要がある。また、指定レベルlvよりも高い階調レベルで既に決定したドットの配置の中から、ドットの位置を選択する必要がある。このような制約条件を全て満たすように、各階調レベルでのドットパターン52を順次確定する。
ステップS5において、ドットパターン確定部42は、「3から11まで」の変更範囲のうち未指定である1つの階調レベルを、指定レベルlvとして指定する。ここで、中間パターン28(図5C参照)は既に確定しているので、中間パターン28に相当する階調レベル「4」は、この指定対象から予め除外されている。
ステップS6において、ドットパターン確定部42は、ステップS4で設定された制約条件を、制約条件設定部40から取得する。次のステップ(S7)の実行に先立ち、ドットパターン確定部42は、取得した制約条件に従って、ドット56の個数、ドット56の配置が確定されたセル54、及び、ドット56が配置され得るセル54の候補をそれぞれ決定しておく。
ステップS7において、ドットパターン確定部42は、ステップS6で取得された制約条件を満たすように、ステップS5で指定された指定レベルlvでのドットパターン52を確定する。ドットパターン確定部42は、例えば、ドットパターン52を決定する最適化問題として、構成的アルゴリズムや逐次改善アルゴリズム等を含む種々の探索アルゴリズムを種々適用できる。
具体的には、国際公開第2012/114575号パンフレットに記載されたボイドアンドクラスター法(Void-and-Cluster Method)、又はエネルギー法を適用してもよい。この手法では、(1)ドットの配置を種々変化させたドットパターン52の作成処理、(2)ドットパターン52におけるドット56の配置に関する評価値の算出処理、及び、(3)算出された評価値が所定の収束条件を満たすか否かの判定処理を順次繰り返す。
ステップS8において、ドットパターン確定部42は、ステップS7で確定された指定レベルlvでのドットパターン52を、ドットパターン格納部44に格納させる。その後、制約条件設定部40は、階調レベル毎のドットパターン52をドットパターン格納部44からそれぞれ取得し、ドットパターン52の制約条件を更新する。
ステップS9において、マトリクス作成部30は、すべての階調レベルにてドットパターン52が確定したか否かについて判定する。まだ確定していないと判定された場合(ステップS9:NO)、ステップS5に戻って、以下、ステップS5〜S8を順次繰り返す。すなわち、ドットパターン確定部42は、新規マトリクス26nを用いたハーフトーン処理により得られるドット56の配置を表すドットパターン52を、階調レベル毎に確定する。
なお、ドットパターン確定部42は、基準マトリクス26bと比べて、ドット56の分布特性が異なるように各ドットパターン52を確定してもよい。ドット56の「分布特性」とは、配置されたドット56の二次元分布(密度、位相、空間周波数特性等)のみならず、異なるサイズのドット56の密度、各サイズの分配比率、色版の数及び種類等の各種特性が含まれる。例えば、上記したボイドアンドクラスター法における評価値の算出手法を種々変更することで、この分布特性を自在に制御可能である。
一方、マトリクス作成部30は、すべての階調レベルにてドットパターン52が確定したと判定した場合(ステップS9:YES)、次のステップ(S10)に進む。
ステップS10において、閾値決定部46は、ドットパターン確定部42により確定された各ドットパターン52に基づいて、新規マトリクス26nの行列要素50における閾値をそれぞれ決定する。上述した通り、ドット56の配置の制約条件を満たすように各ドットパターン52を作成したので、新規マトリクス26nの閾値を矛盾なく一意に決定できる。
図7は、作成された新規マトリクス26nの各閾値を示す模式図である。本図及び図5Aから理解されるように、作成処理の前後で、変更グループ60に属する行列要素50間における閾値の序列関係が変更されている。具体的には、各数字を丸印で囲んで表記した、行列要素50間の閾値の配置が交換されている。なお、閾値「7」である行列要素50は、変更グループ60内での閾値の順位が固定されたままである。
このようにして、マトリクス作成部30は、データ記憶部12等から供給された各種データに基づいて新規マトリクス26nを作成する。これにより、特定の画像形成装置を用いる際、アーチファクトを発生させるドットパターン52(図5B)に代替して、画質が一層良好である中間パターン28を形成することができる。
[この作成方法による効果]
以上のように、マトリクス作成部30は、基準の閾値マトリクス26である基準マトリクス26bを取得する基準マトリクス取得部32と、取得された基準マトリクス26bにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する変更範囲指定部34と、指定された変更範囲の属否に応じて、基準マトリクス26bの行列要素50を、閾値の変更対象である行列要素50(変更グループ60)及び閾値の変更対象でない行列要素50(固定グループ62)に分類する行列要素分類部36と、変更対象でない行列要素50の閾値をそれぞれ固定しつつ、変更対象である行列要素50間における閾値の序列関係を変更することで、基準マトリクス26bと同じサイズである新規マトリクス26nの閾値をそれぞれ決定する閾値決定部46とを備える。
このように、基準マトリクス26bにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する変更範囲指定部34と、前記変更範囲に属さない行列要素50の閾値をそれぞれ固定しつつ新規マトリクス26nの閾値をそれぞれ決定する閾値決定部46とを設けたので、閾値を固定した行列要素50についての演算量・演算時間を削減できる。換言すれば、階調不良が発生する特定の階調レベルを含むように変更範囲を指定し、その変更範囲内にて閾値の序列関係を適切に変更することで、部分的な階調不良の発生を抑制する閾値マトリクスを簡便に且つ短時間で作成できる。
[本作成処理の変形例]
(1)閾値マトリクス26の行方向若しくは列方向のサイズ、又は閾値のレベル数は、上記した形態に限定されずに適宜変更してもよい。また、図5A例の基準マトリクス26bの各閾値は、連続した整数値で構成されているが、直近の閾値間に2以上の差を設けてもよい。
(2)閾値決定部46は、図7の新規マトリクス26nを作成する際、変更対象である行列要素50間での閾値の配置を交換しているが、この処理形態に限られない。すなわち、閾値決定部46は、1つ又は複数の行列要素50での閾値を増加又は減少させることで、変更対象である行列要素50間における閾値の序列関係の一部又は全部を変更してもよい。
(3)中間パターン取得部38は、ドットパターン確定部42により確定されるドットパターン52として、中間パターン28を1つのみならず複数個を取得してもよい。また、中間パターン取得部38は、上記した形態とは逆に、ドットパターン確定部42による確定の対象から除外されるドットパターンとして、中間パターン28を少なくとも1つ取得してもよい。これにより、部分的な階調不良の発生を予め回避できる。
(4)変更範囲指定部34は、基準マトリクス26bにて網羅される閾値の全範囲のうち、1つの変更範囲のみならず、互いに重複しない2以上の変更範囲を同時に指定してもよい。
(5)上記の形態では主にCMYK(4つの色版)を中心に説明したが、これに限定されることなく、任意の色版の種類及び版数に設計変更できる。例えば、CMYKの標準色版と、LC、LM等の淡色やW(白色)等の特色版とを組み合わせてもよい。また、ハーフトーン処理を実行する際、色版にかかわらず同一の閾値マトリクス26を用いてもよいし、色版に応じて異なる閾値マトリクス26を用いてもよい。
[閾値マトリクス作成装置80の構成]
続いて、図1及び図3のマトリクス作成部30を組み込んだ閾値マトリクス作成装置80の構成について説明する。図8は、閾値マトリクス作成装置80のブロック図である。
閾値マトリクス作成装置80は、複数のドット56を形成可能である画像形成装置100(図9)に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクス26を作成するコンピュータである。閾値マトリクス作成装置80は、データ記憶部12(図1)の他、入力インターフェース82、制御部84、及び出力インターフェース86を備える。
入力インターフェース82は、外部装置からの電気信号を受信するインターフェースである。例えば、閾値マトリクス作成装置80は、入力インターフェース82を介して入力された基準マトリクス26b及び中間パターン28を、データ記憶部12に格納可能である。
制御部84は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって構成されている。制御部84は、データ記憶部12に格納されたプログラムを読み出し実行することで、マトリクス作成部30及びRIP(Raster Image Processor)処理部88の各機能を実現可能である。
マトリクス作成部30は、基準マトリクス26b等を用いて新規マトリクス26nを作成した後に、この新規マトリクス26nをデータ記憶部12に一時的に格納させる。RIP処理部88は、ページ記述データに対してラスタライズ処理を施すことで、印刷物の形成に供される印刷用データを作成する。このラスタライズ処理には、PDL形式からラスタ形式に変換するデータ形式変換処理と、プロファイルを用いたカラーマッチング処理とが含まれる。
出力インターフェース86は、外部装置に向けて電気信号を送信するインターフェースである。例えば、閾値マトリクス作成装置80は、データ記憶部12から読み出した新規マトリクス26nを、出力インターフェース86を介して画像形成装置100(図9及び図10参照)側に送出する。
データ記憶部12は、制御部84が各構成要素を制御するのに必要なプログラム及びデータ等を記憶している。データ記憶部12は、非一過性であり、且つ、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で構成されてもよい。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、フラッシュメモリ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、この記憶媒体は、短時間に且つ動的にプログラムを保持するものであっても、一定時間プログラムを保持するものであってもよい。
[画像形成装置100の構成]
続いて、作成された新規マトリクス26n等を用いて、画像を形成する画像形成装置100について説明する。図9は、画像形成装置100の構成を表す断面側面図である。
画像形成装置100には、記録媒体としての用紙102(本図例では、枚葉紙)の搬送方向上流側に、用紙102を給紙搬送する給紙搬送部114が設けられている。この給紙搬送部114の下流側には、用紙102の搬送方向に沿って、用紙102の記録面(以下、画像形成面という。)に処理液を塗布する処理液塗布部116と、前記画像形成面にインクの液滴を付着することで画像を形成する画像形成部118と、用紙102上に形成された処理液層のインクを乾燥させるインク乾燥部120と、処理液層の画像を用紙102に定着させる画像定着部122と、画像が定着した用紙102を排出する排出部124とが設けられている。
給紙搬送部114は、用紙102を積載可能に設けられた積載部126と、該積載部126に積載された用紙102を一枚ずつ給紙する給紙部128と、該給紙部128により給紙された用紙102を処理液塗布部116に搬送する搬送部130とを備える。
処理液塗布部116は、回転可能に設けられた処理液塗布ドラム132と、用紙102の画像形成面に処理液を塗布する処理液塗布装置134と、前記処理液を乾燥する処理液乾燥装置136とを備える。これにより、用紙102の画像形成面上に薄膜の処理液層が塗布される。
処理液塗布部116と画像形成部118との間には、回転可能に設けられた第1中間搬送ドラム138が配置されている。第1中間搬送ドラム138の表面に用紙102を保持した状態で該第1中間搬送ドラム138を回転させることにより、処理液塗布部116側から供給された用紙102は、画像形成部118側へ搬送される。
画像形成部118は、回転可能に設けられた画像形成ドラム140(搬送部)と、該画像形成ドラム140により搬送される用紙102に液滴を吐出するヘッドユニット142とを備えている。ヘッドユニット142は、少なくとも基本色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の記録ヘッド144を備えている。そして、各記録ヘッド144は、画像形成ドラム140の周方向に沿って配列されたラインヘッドである。これにより、用紙102の画像形成面上に塗布された処理液層上に、各色の画像を順次形成させる。なお、この処理液には、インクの溶媒中に分散した色材(顔料)及びラテックス粒子を凝集させる効果を持たせているので、用紙102上での色材流れ等を防止可能である。
画像形成部118とインク乾燥部120との間には、回転可能に設けられた第2中間搬送ドラム146が配置されている。第2中間搬送ドラム146の表面に用紙102を保持した状態で該第2中間搬送ドラム146を回転させることにより、画像形成部118側から供給された用紙102は、インク乾燥部120側へ搬送される。
インク乾燥部120は、回転可能に設けられたインク乾燥ドラム148と、用紙102の処理液層を乾燥する複数の熱風ノズル150と、複数の赤外線ヒータ(ヒータ152)とを備える。これにより、用紙102の処理液層に滞留するインクの溶媒を乾燥させる。
インク乾燥部120と画像定着部122との間には、回転可能に設けられた第3中間搬送ドラム154が配置されている。第3中間搬送ドラム154の表面に用紙102を保持した状態で該第3中間搬送ドラム154を回転させることにより、インク乾燥部120側から供給された用紙102は、画像定着部122側へ搬送される。
画像定着部122には、回転可能に設けられた画像定着ドラム156と、画像定着ドラム156の表面に近接して配置された加熱ローラ158と、該画像定着ドラム156の表面に圧接した状態で配置された定着ローラ160とを備える。これにより、処理液層で凝集するラテックス粒子が加熱・加圧されて溶融し、用紙102上に画像として固定・定着される。
上記した各工程を経て、画像形成面の画像が定着した用紙102は、画像定着ドラム156の回転により、画像定着部122の下流側に設けられた排出部124側へ搬送される。
[画像形成装置100の制御系の説明]
図10は、図9に示す画像形成装置100のシステム構成を表すブロック図である。画像形成装置100は、データ記憶部12、ヘッドドライバ14(いずれも図1参照)、ヘッドユニット142、ヒータ152(いずれも図9参照)の他、通信インターフェース162と、システムコントローラ164と、画像メモリ166と、ROM168と、モータドライバ170と、モータ172と、ヒータドライバ174と、プリント制御部176と、画像バッファメモリ180と、ROM182とを備える。
通信インターフェース162は、ユーザが画像形成装置100に対して画像形成の指示等を行うため等に用いられるホスト装置190(閾値マトリクス作成装置80を含む)とのインターフェース部である。通信インターフェース162にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク等のシリアルインターフェースやセントロニクス等のパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するための図示しないバッファメモリを搭載してもよい。
ホスト装置190から送出された画像信号は、通信インターフェース162を介して画像形成装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ166に記憶される。画像メモリ166は、通信インターフェース162を介して入力された画像信号を記憶する記憶手段であり、システムコントローラ164を通じて情報の読み書きが行われる。画像メモリ166は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスク等の磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ164は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従って画像形成装置100の全体を制御する制御装置として機能すると共に、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ164は、通信インターフェース162、画像メモリ166、モータドライバ170、ヒータドライバ174等の各部を制御する。また、システムコントローラ164は、ホスト装置190との間の通信制御、画像メモリ166及びROM168の読み書き制御等を行う。更に、システムコントローラ164は、用紙搬送系のモータ172、ヒータ152を制御する制御信号を生成する。なお、プリント制御部176に対しては、制御信号の他に、画像メモリ166に記憶された画像信号を送信する。
ROM168には、システムコントローラ164のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。画像メモリ166は、画像信号の一時記憶領域として利用されると共に、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ170は、システムコントローラ164からの指示に従って用紙搬送系のモータ172を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ174は、システムコントローラ164からの指示に従ってヒータ152を駆動するドライバである。
一方、プリント制御部176は、CPU及びその周辺回路等から構成され、システムコントローラ164の制御に従い、画像メモリ166内の画像信号から吐出制御用の信号を生成するための各種加工、補正等の処理を行う。
プリント制御部176は、画像処理部10で生成されたドット配置データに基づいてインクの吐出データ(ヘッドユニット142のノズルに対応するアクチュエータの制御信号)を生成するインク吐出データ生成機能と、ヘッドユニット142の各ノズルに対応したアクチュエータを駆動するための駆動信号波形を生成する駆動波形生成機能とを有している。
プリント制御部176にて生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ14に供給され、ヘッドユニット142のインク吐出動作が制御される。つまり、ヘッドドライバ14は、ヘッドユニット142に対して用紙102を相対移動させた状態下、各ドット56を順次形成させるようにヘッドユニット142を制御する。
プリント制御部176には画像バッファメモリ180が備えられており、プリント制御部176における画像信号の処理時に画像信号やパラメータ等のデータが画像バッファメモリ180に一時的に格納される。
プリント制御部176には、プリント制御部176のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されているROM182が接続されている。ROM182は、書き換え不能な記憶手段であってもよいが、各種のデータを必要に応じて更新する場合は、EEPROMのような書き換え可能な記憶手段を用いることが好ましい。
画像処理部10は、入力画像信号からインク色別のドット配置データを生成する。すなわち、データ記憶部12に記憶された閾値マトリクス26(図1)を読み出した後、入力画像信号に対して、組織的ディザ法によるハーフトーン処理を行うことで、ドットの形成位置(インクの吐出タイミング)を決定する。
なお、図10例では、画像処理部10はプリント制御部176に含まれている。例えば、画像処理部10は、プリント制御部176或いはシステムコントローラ164とは別個に構成されてもよい。
[別の画像形成装置200の制御系の説明]
図11は、画像形成装置200の別のシステム構成を表すブロック図である。ここで、画像形成装置100(図10参照)と同じ構成要素については、同じ参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
画像形成装置200には、システムコントローラ164に代替して、マトリクス作成部30の機能を有するシステムコントローラ202が設けられている。このシステムコントローラ202は、閾値マトリクス26を格納可能なデータ記憶部12に接続されている。このように、マトリクス作成部30の機能を画像形成装置200に組み込むことで、別装置による演算処理(図8のマトリクス作成部30)が不要となる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば、記録ヘッド144による液滴の吐出機構として種々の方式を採ってもよい。一例として、ピエゾ素子(圧電素子)等で構成されるアクチュエータの変形によってインクの液滴を吐出する方式を適用してもよい。また、ヒータ等の発熱体を介してインクを加熱することで気泡を発生させ、その圧力で液滴を吐出するサーマルジェット方式を適用してもよい。また、記録ヘッド144は、ラインヘッドに限定されることなく、用紙102の幅方向に往復走査しながら画像を形成させるマルチパス方式であってもよい。
また、上述の実施形態ではインクジェット方式の画像形成装置を例示したが、これに限定されず、記録媒体上にドットを形成する方式(例えば、電子写真方式)であれば、本発明を適用できる。
また、上述の実施形態では、ワイドフォーマット印刷装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。ワイドフォーマット以外の画像形成装置への適用も可能である。また、本発明は、グラフィックアート(印刷)用途に限らず、電子回路基板の配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、微細構造物形成装置等、画像パターンを形成し得る画像形成装置に種々適用できる。
10…画像処理部 12…データ記憶部
14…ヘッドドライバ 20…ハーフトーン処理部
26…閾値マトリクス 26b…基準マトリクス
26n…新規マトリクス 28…中間パターン
30…マトリクス作成部 32…基準マトリクス取得部
34…変更範囲指定部 36…行列要素分類部
38…中間パターン取得部 40…制約条件設定部
42…ドットパターン確定部 44…ドットパターン格納部
46…閾値決定部 50…行列要素
52…ドットパターン 56、56a〜56f…ドット
60…変更グループ 62…固定グループ
80…閾値マトリクス作成装置 100、200…画像形成装置

Claims (9)

  1. 複数のドットを形成可能である画像形成装置に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクスを作成する装置であって、
    基準の閾値マトリクスである基準マトリクスを取得する基準マトリクス取得部と、
    前記基準マトリクス取得部により取得された前記基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する変更範囲指定部と、
    前記変更範囲指定部により指定された前記変更範囲の属否に応じて、前記基準マトリクスの行列要素を、閾値の変更対象である行列要素及び閾値の変更対象でない行列要素に分類する行列要素分類部と、
    前記変更対象でない行列要素の閾値をそれぞれ固定しつつ、前記変更対象である行列要素間における閾値の序列関係を変更することで、前記基準マトリクスと同じサイズである新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する閾値決定部と
    を備え
    前記変更範囲の中間値に相当する中間階調レベルでのドットパターンである中間パターンを少なくとも1つ取得する中間パターン取得部を更に備え、
    前記変更範囲指定部は、前記基準マトリクスについて前記中間パターンと同じ階調レベルでハーフトーン処理したドットパターンと前記中間パターンとを比較して前記変更範囲が指定されることを特徴とする閾値マトリクス作成装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記新たな閾値マトリクスを用いた前記ハーフトーン処理により得られる前記ドットの配置を表すドットパターンを、階調レベル毎に確定するドットパターン確定部を更に備え、
    前記閾値決定部は、前記ドットパターン確定部により確定された各前記ドットパターンに基づいて、前記新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する
    ことを特徴とする閾値マトリクス作成装置。
  3. 請求項2記載の装置において
    前記ドットパターン確定部は、前記中間パターン取得部により取得された前記中間パターンを、前記ドットパターンとして少なくとも1つ確定する
    ことを特徴とする閾値マトリクス作成装置。
  4. 請求項2記載の装置において
    前記ドットパターン確定部は、前記中間パターン取得部により取得された前記中間パターンを除外した上で各前記ドットパターンを確定する
    ことを特徴とする閾値マトリクス作成装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の装置において、
    前記ドットパターン確定部は、前記基準マトリクスと比べて前記ドットの分布特性が異なるように各前記ドットパターンを確定することを特徴とする閾値マトリクス作成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置において、
    前記閾値決定部は、前記変更対象である行列要素間での閾値の配置を交換することで、前記新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定することを特徴とする閾値マトリクス作成装置。
  7. 複数のドットを形成可能である画像形成装置に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクスを作成する方法であって、
    基準の閾値マトリクスである基準マトリクスを取得する取得ステップと、
    取得された前記基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する指定ステップと、
    指定された前記変更範囲の属否に応じて、前記基準マトリクスの行列要素を、閾値の変更対象である行列要素及び閾値の変更対象でない行列要素に分類する分類ステップと、
    前記変更対象でない行列要素の閾値をそれぞれ固定しつつ、前記変更対象である行列要素間における閾値の序列関係を変更することで、前記基準マトリクスと同じサイズである新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する決定ステップと
    をコンピュータに実行させ
    前記指定ステップは、前記変更範囲の中間値に相当する中間階調レベルでのドットパターンである中間パターンを少なくとも1つ取得するステップと、前記基準マトリクスについて前記中間パターンと同じ階調レベルでハーフトーン処理したドットパターンと前記中間パターンとを比較して前記変更範囲が指定されるステップを含むことを特徴とする閾値マトリクス作成方法。
  8. 複数のドットを形成可能である画像形成装置に応じたハーフトーン処理のための閾値マトリクスを作成するためのプログラムであって、
    前記プログラムは、コンピュータに、
    基準の閾値マトリクスである基準マトリクスを取得する取得ステップと、
    取得された前記基準マトリクスにて網羅される閾値の全範囲のうちの一部を変更範囲として指定する指定ステップと、
    指定された前記変更範囲の属否に応じて、前記基準マトリクスの行列要素を、閾値の変更対象である行列要素及び閾値の変更対象でない行列要素に分類する分類ステップと、
    前記変更対象でない行列要素の閾値をそれぞれ固定しつつ、前記変更対象である行列要素間における閾値の序列関係を変更することで、前記基準マトリクスと同じサイズである新たな閾値マトリクスの閾値をそれぞれ決定する決定ステップと
    を実行させ
    前記指定ステップは、前記変更範囲の中間値に相当する中間階調レベルでのドットパターンである中間パターンを少なくとも1つ取得するステップと、前記基準マトリクスについて前記中間パターンと同じ階調レベルでハーフトーン処理したドットパターンと前記中間パターンとを比較して前記変更範囲が指定されるステップを含むことを特徴とする閾値マトリクス作成プログラム。
  9. 請求項7記載の閾値マトリクス作成方法を用いて作成された前記新たな閾値マトリクスを記憶するデータ記憶部と、
    複数のドットを記録媒体上に形成する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに対して前記記録媒体を相対移動させた状態下、各前記ドットを順次形成させるように前記記録ヘッドを制御信号に基づいて制御するヘッド駆動回路と、
    前記データ記憶部により記憶された前記新たな閾値マトリクスを用いた前記ハーフトーン処理を施すことで、入力された画像信号から前記ヘッド駆動回路に供される前記制御信号を生成する画像処理部と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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