JP5953121B2 - 充填塔用再分散器を設置した充填塔及びそれを用いた塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法 - Google Patents

充填塔用再分散器を設置した充填塔及びそれを用いた塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法 Download PDF

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Description

本発明は、充填塔に用いる再分散器(再分散板又はディストリビューターとも言われる。)、それを用いた充填塔及びその充填塔による塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法に関する。
多成分を含む原液から目的とする成分の精製は、例えば、低沸点成分を除去する蒸留塔及び高沸点成分を除去する蒸留塔の二段階で行われる。二段階の精製に用いられる蒸留塔システムとしては、例えば、高沸点成分を除去するための第1充填カラム及び低沸点成分を除去するための第2充填カラムを並列して、これらの2本の充填カラムを上部の充填部において互いに連結し、かつ、コンデンサを共用させた一体型構造を有する蒸留塔が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。モノマーを合成した後の粗モノマーは、未反応物、副生成物などの不純物を含む。高純度のモノマーは、通常、二段階の精製で取り出される。
蒸留塔は、一般に、棚段塔(例えば、特許文献2〜4を参照。)と充填塔(例えば、特許文献5〜7を参照。)に分類される。
蒸留物が反応性物質である場合、蒸留中に蒸留物が塔内で重合して付着し、塔内の経路の一部が閉塞することがある。このような重合反応を抑制するために、棚段塔の棚段の形状に工夫を凝らした技術がある(例えば、特許文献2又は4を参照。)。一方、充填塔においても、同様の蒸留物の重合の問題があり、2つの充填物層の空隙率の関係を定めた技術がある(例えば、特許文献5を参照。)。
また、充填塔の再分散器は、多種多様な形状を有しており、特許文献6又は7に具体的な形状の開示がある。
特開2001−179002号公報 特開2004−130232号公報 特開2000−300903号公報 特開2005−60331号公報 特開2001−113101号公報 特開平09−239202号公報 特開2011−206681号公報
塩化ビニリデンモノマーの蒸留には、蒸留塔内での重合の問題がある。塩化ビニリデンモノマーは反応性が高く、蒸留塔内で重合(polymerization、「ポリメリ」と略称で呼ばれることがある。)化しやすいため、重合禁止剤を添加する。しかし、蒸留塔内での重合を完全に防止することが極めて難しい。例えば、重合禁止剤を多量に添加すれば、蒸留塔内での重合を抑制できると予想される。重合禁止剤は沸点が高いので、通常、ガス側(蒸留された塩化ビニリデンモノマー側)にはほとんど移行しない。したがって、塩化ビニリデン系樹脂を製造するときに、当該重合禁止剤に起因する重合の支障はほとんどないと考えられる。しかし、蒸留中にフラッディングなどのトラブルが発生すると、蒸留された塩化ビニリデンモノマーに重合禁止剤が入り込んでしまうこともありうる。そこで、重合禁止剤を大量に使うことは避けることが望ましい。
蒸留塔において、塩化ビニリデンモノマーの重合化が発生すると、重合物が気化したガス体及び液化した液の流路を塞いでしまい、蒸留(精製)効率が低下する。特に工業生産における連続蒸留においては、重合物を除去するための清掃作業時間が多くかかり、蒸留の運転時間が低下してしまう問題があった。
そこで、本発明の目的は、充填塔において、蒸留対象であるモノマーの重合化が発生したとしても、閉塞せずに長時間の安定運転を可能とする再分散器及びそれを備えた充填塔を提供することである。そして、本発明の他の目的は、この再分散器を備えた充填塔で、塩化ビニリデンの粗モノマーの蒸留を長時間、安定的に行なうことによって、効率良く、精製したモノマーを得る精製方法を提供することである。
本発明者らは、小孔を多数有するタイプの再分散器が閉塞しやすいため、閉塞が生じにくい再分散器の形状を検討した結果、小孔を多数有するタイプの再分散器とは全く別の形状を見出し、本発明を完成させた。本発明に係る充填塔用再分散器を設置した充填塔は、再分散器を充填物層の下方に設置した充填塔において、該再分散器は、前記充填塔の内壁に接触した状態で周回して配置する樋状の環状本体部と、該環状本体部から塔内中央部に向かって延びる樋状の分岐部とを有し、該分岐部の端部は排液口を有し、前記充填塔の塔内高さHと塔内径Dとの比(H/D)が20以上であることを特徴とする。
本発明に係る充填塔用再分散器を設置した充填塔では、前記分岐部は、前記排液口を設けた端部側が、前記環状本体部への固定箇所よりも下方となる方向に傾斜していることが好ましい。再分散器に流れ込んだ液体を効率よく排液口へ導くことができる。
本発明に係る充填塔用再分散器を設置した充填塔では、前記充填塔が充填物層を有しており、該充填物層が支持部に載せられており、該支持部が前記充填塔の内壁に固定された支持部用フレーム上に載せられており、前記支持部用フレームの内側の縁が、前記環状本体部及び該環状本体部からその溝の幅分だけ内側に延長した領域の真上の空間内に位置していることが好ましい。支持部用フレームの縁から滴り落ちる液体を再分散器で回収することができ、より多くの量の液体を充填塔の中心側に戻すことができる。
本発明に係る充填塔用再分散器を設置した充填塔では、前記分岐部が複数等間隔で前記環状本体部に固定されていることが好ましい。再分散器に流れ込んだ液体を、その流れ込みの場所によらず、同様の滞留時間で排液口へ導くことができる。
本発明に係る充填塔用再分散器を設置した充填塔では、前記環状本体部の外周により囲まれた面積をS1とし、前記環状本体部の中心から半径Rの円領域Pの面積をS2とするとき、数1を満たす円領域Pを横断面とする円筒空間内に、前記排液口を配置していることが好ましい。
(数1)0.01≦S2/S1≦0.90
充填塔の内壁に伝わり落ちる液体を充填塔の中心側に戻すこととなり、充填物層における気液接触を多くすることができる。
本発明に係る塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法は、本発明に係る充填塔用再分散器を設置した充填塔を用いて、塩化ビニリデンの粗モノマーを蒸留し、精製モノマーを得ることを特徴とする。
本発明の再分散器によれば、充填塔において、蒸留対象であるモノマーの重合化が発生したとしても、閉塞しづらく長時間の安定運転が可能である。本発明の充填塔によれば、H/Dが大きいと、充填塔は細長形状となるが、この様な形状の場合、充填塔の内壁に伝わり落ちる液体がより多くなるところ、本発明に係る充填塔用再分散器を配置することによってこれを減らすことができ、充填物層における気液接触を多くすることができる。本発明の塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法によれば、蒸留中に重合化しやすい塩化ビニリデンモノマーを長期間安定的に蒸留することができる。よって、効率良く精製したモノマーを得ることができる。
本実施形態に係る再分散器の一例を示す平面図である。 本実施形態に係る再分散器の一例を示すA−A断面図である。 充填塔への再分散器の取り付け状態を説明する塔の縦断面部分拡大図である。 本実施形態に係る充填塔の一例を示す概念図である。 比較例1で用いた再分散器の一例を示す平面図である。 比較例1で用いた再分散器の一例を示すB−B断面図である。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
図3に示すように、本実施形態に係る充填塔用再分散器1は、充填塔100の充填物層5の下方に設置する。図1、2及び3に示すように、再分散器1は、充填塔100の内壁6に接触した状態で周回して配置する樋状の環状本体部11と、環状本体部11から塔内中央部に向かって延びる樋状の分岐部12(12a,12b,12c,12d)とを有し、分岐部12の端部は排液口13(13a,13b,13c,13d)を有する。
環状本体部11は、樋状であり、上方が開放された溝15を有している。溝15は、充填塔100の内壁6を周回する。環状本体部11の外周面14は、塔の内壁の横断の形状に対してわずかに小さな相似形状となっていることが好ましい。これにより、再分散器1を充填塔100に組み込んだときに充填塔100の内壁6に環状本体部11の外周面14を接触させた状態とすることができる。その結果、塔の内壁を伝わり落ちる液滴を、環状本体部11の溝15にもれなく流れ込ませ、回収することができる。溝15の幅は、環状本体部11の直径に対して1.4%以上14.3%以下(例えば直径700mmに対して10mm以上100mm以下)とすることが好ましく、5.7%以上11.5%(例えば直径700mmに対して40mm以上80mm以下)とすることがより好ましい。溝15の深さは、溝15の幅の30%以上200%以下の長さとすることが好ましく、溝15の幅の50%以上150%以下の長さとすることがより好ましい。
溝15の底面は、平坦状とすることが好ましい。溝15内での収液の効率を高めるために、環状本体部11の内周面側が低くなるように溝15の底面に傾斜を持たせても良い。さらに、溝15に集まった液体を、分岐部12に効率的に流すために、溝15の底面に、分岐部12が取り付けられた箇所の溝15の底面が最も低くなるように、傾斜を持たせても良い。
分岐部12(12a,12b,12c,12d)は、環状本体部11の内周面側から、環状本体部11の中心部、すなわち充填塔に設置したときには塔内中央部に向かって延びる。分岐部12(12a,12b,12c,12d)は、樋状であるため、溝16を有している。溝15と溝16のそれぞれの底面は、液の流れを阻害しないために、同じ高さとするか、溝16の底面を溝15の底面よりも低くすることが好ましい。溝16の幅は、環状本体部11の直径に対して2.8%以上28.6%以下(例えば直径700mmに対して20mm以上200mm以下)とすることが好ましく、5.7%以上17.2%以下(例えば直径700mmに対して40mm以上120mm以下)とすることがより好ましい。溝16の深さは、溝16の幅の0%以上200%以下の長さとすることが好ましく、溝15の幅の30%以上150%以下の長さとすることがより好ましい。
排液口13(13a,13b,13c,13d)は、環状本体部11への取り付け側とは反対側である、分岐部12の先端に設けることが好ましい。集めた液体をより塔内中央に戻すことができる。排液口13の形状は、液溜まりがなく排液できるかぎり、いかなる形状でも良いが、図2に示すように、樋状の分岐部12の先端を塞がずに、そのまま開放口とした形状であることが好ましい。また、分岐部12の端部の溝16の底面に孔を設け、当該孔を排液口13としても良い。
図2に示すように、分岐部12は、排液口13を設けた端部側が、環状本体部11への固定箇所よりも下方となる方向に傾斜していることが好ましい。再分散器に流れ込んだ液体を効率よく排液口13へ導くことができる。傾斜させる始端17は、図2に示したように、環状本体部11と分岐部12との境界を基準として分岐部12側のいずれかの箇所とすることが好ましい。または、傾斜させる始端17は環状本体部11と分岐部12との境界としても良い。分岐部12の傾斜角度は、水平を基準として、3〜45°とすることが好ましく、10〜30°とすることがより好ましい。
分岐部12は、一つの環状本体部11に対して、2〜8個固定されていることが好ましく、3〜4個固定されていることがより好ましい。再分散器1に流れ込んだ液体を、早期に再分散させることができる。そして、分岐部12を複数個固定する場合、複数等間隔で環状本体部11に固定されていることが好ましい。再分散器1に流れ込んだ液体を、その流れ込みの場所によらず、同様の滞留時間で排液口へ導くことができる。
再分散器1は、環状本体部11の外周面14上の外周によって囲まれた面積をS1とし、環状本体部11の中心Xから半径Rの円領域Pの面積をS2とするとき、数1を満たす円領域Pを横断面とする円筒空間T内に、排液口13を配置していることが好ましい。
(数1)0.01≦S2/S1≦0.90
充填塔の内壁に伝わり落ちる液体を充填塔の中心側に戻すことなり、充填物層における気液接触を多くすることができる。数1において、0.05≦S2/S1≦0.64とすることがより好ましく、0.15≦S2/S1≦0.50とすることがさらに好ましい。
次に、図3及び図4を参照して、再分散器1を配置した充填塔100について説明する。本実施形態に係る充填塔100は、充填塔100の塔内高さHと塔内径Dとの比(H/D)が20以上である。好ましくは24以上である。H/Dがこのように大きな値であるということは、充填塔は細長形状をしており、本実施形態に係る再分散器1は、細長形状の充填塔に適用することが好ましい。細長い充填塔の場合、充填物層5の中を流れ落ちる液は、一度塔の内壁を伝うと中心方向には戻りづらく、充填物層5の中において液体‐気体の接触が悪化する。内壁を伝う液体を再分散器1が強制的に中央部に戻すことで、液体‐気体の接触の機会が低下することを防止できる。
塔内の液体は落下中に内壁側に移動していくため、図4に示すように充填物層5と再分散器1とを一セットとして、上下に複数段に並べることが好ましい。例えば、3〜7段とする。
小さな穴が多数開いた再分散器を用いると、内壁への到達が速く、また、小さな穴が閉塞して短時間で機能しなくなる。
本実施形態に係る充填塔100では、充填物層5の下方かつ再分散器1の上方に収液器(コレクターともいう。)を設置しても良いが、本実施形態に係る再分散器1は、再分散器の機能と収液器の機能の両方を有しているので、収液器を設置しないことが好ましい。
充填塔100における再分散器1と充填物層5の組み付けは例えば次のとおりである。図3に示すように、充填塔100の内壁には、塔の横断面と並行に支持部用フレーム4が周回して固定されていて、支持部用フレーム4に、グレーチング、サポートグリッド、パッキングサポート又は充填物支持板などと呼ばれる支持部3が載せられている。支持部用フレーム4は連続して周回するタイプが好ましい。支持部用フレーム4は断続部分があっても良い。支持部3の上には規則充填物又は不規則充填物が配置されている。規則充填物又は不規則充填物は、充填物層5を形成している。充填物層5及び支持部3の下方において、充填塔100の内壁に塔の横断面と並行にサポートリング2が周回して固定されている。サポートリング2に再分散器1が載せられている。サポートリング2は連続して周回するタイプが好ましい。サポートリング2は断続部分があっても良い。
図3に示すように、本実施形態に係る充填塔100では、支持部用フレーム4の内側の縁4aが、環状本体部及び該環状本体部からその溝の幅分だけ内側に延長した領域の真上の空間U内に位置していることが好ましい。支持部用フレーム4の内側の縁4aから滴り落ちる液体を再分散器1で回収することができ、より多くの量の液体を充填塔の中心側に戻すことができる。
図4に示すように、充填塔100は、複数個のスパン30cを直列に接続して塔体をなしている。スパン30cは、それぞれ再分散器1を有することが好ましい。充填塔100の塔頂部30aはラインL30を介して凝縮器(リフラックスコンデンサ)34につながる。充填塔100は、不図示の還流ラインを有していてもよい。充填塔100の塔底部30bにはリボイラ35が設けられる。塔底部30bは、ラインL33を介して蒸留残渣用タンク52につながる。蒸留対象物は、フィード口31から塔内に供給する。
充填塔100は、複数直列に接続し、精製効率を高めることができる。充填塔100は、複数並列に接続し、蒸留量を高めることができる。
本実施形態に係る塩化ビニリデンモノマー(1,1‐ジクロロエチレン)の蒸留方法は、塩化ビニリデンモノマーを合成した後に得られる粗塩化ビニリデンモノマーの精製に関する。すなわち、この蒸留方法は、本実施形態に係る充填塔用再分散器1を備えた充填塔100を用いて、塩化ビニリデンの粗モノマーを蒸留し、精製モノマーを得る蒸留方法である。例えば、充填塔100を2基直列に接続する。第1の充填塔を、粗塩化ビニリデンモノマー中に含まれる低沸点成分を除去する充填塔とし、第2の充填塔を、低沸点成分を除去した粗塩化ビニリデンモノマーから、精製した塩化ビニリデンモノマーを回収する充填塔とする。
工程1では、第1の充填塔に粗塩化ビニリデンモノマーを供給し、第1の充填塔の塔頂部から低沸点成分を分離し、第1の充填塔の塔底部から低沸点成分を除去した粗塩化ビニリデンモノマーを回収する。次に工程2では、第2の充填塔に低沸点成分を除去した粗塩化ビニリデンモノマーを供給し、第2の充填塔の塔頂部から精製した塩化ビニリデンモノマーを回収し、第2の充填塔の塔底部からハイボイラーを回収する。
上記の工程1及び工程2による塩化ビニリデンモノマー蒸留方法は例示であり、本実施形態に係る充填塔用再分散器1を備えた充填塔100を用いる限り、変形しても良い。例えば、工程2と同様の精製工程である工程3を続けて行なっても良い。
塩化ビニリデンモノマー(以降、VDということもある。)は、通常、塩化ビニル(以降、VCということもある。)又は1,2‐ジクロロエタン(以降、EDCということもある。)を塩素化して、1,1,2‐トリクロロエタン(以降、112TCEということもある。)とし、次いでアルカリで脱塩化水素をして合成される。この合成後の粗塩化ビニリデンモノマーの塩化ビニリデンモノマーの純度は、例えば、90質量%以上である。不純物は、例えば、VC、ジクロロエチレン(以降、DCEということもある。)トリクロロエチレン(以降、Triclということもある。)、112TCEである。低沸点成分はVD(沸点31.7℃)の沸点よりも沸点が低い成分であり、例えば、VC(沸点−13.7℃)である。高沸点成分はVDよりも沸点が高い成分であり、例えば、DCE(沸点47.5〜60.4℃)、Tricl(沸点86.6℃)、112TCE(沸点113.3℃)である。
VDの蒸留の作用を説明する。まず、沸点が31.7℃未満の成分と31.7℃以上の成分とに分ける(低沸点成分の除去)。次に、沸点が31.7℃以下の成分と31.7℃を超える成分とに分ける(高沸点成分を残してVDを回収)。
本実施形態に係る塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法では、第2の充填塔に供給する低沸点成分を除去した粗塩化ビニリデンモノマーに重合抑制剤を添加することが好ましい。第2の充填塔のメンテナンスの回数を削減することができる。
次に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
充填塔内に図1に示した再分散器を用いて、塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法を蒸留した。再分散器の外径は700mm、環状本体部の溝の幅は30mm、環状本体部の溝の深さは30mm、分岐部の溝の幅は60mm、分岐部の溝の深さは30mm、分岐部の傾斜角度は15°、(数1)で求められるS2/S1を0.29とした。分岐部の先端を開放口とし、それを排液口(60×30mm)とした。その結果、6ヶ月間、塩化ビニリデンモノマーの塔内での重合化による閉塞がなく、連続運転できた。
(比較例1)
充填塔内に図5及び図6に示した小孔50を有するタイプの再分散器を用いて、塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法を蒸留した。再分散器の外径は700mm、小孔50の孔径は8mmとした。その結果、2ヶ月経過後、小孔50が閉塞し、運転停止となった。
1 再分散器
2 サポートリング
3 支持部
4 支持部用フレーム
4a 支持部用フレームの内側の縁
5 充填物層
6 充填塔の内壁
11 環状本体部
12(12a,12b,12c,12d) 分岐部
13(13a,13b,13c,13d) 排液口
14 環状本体部の外周面
15,16 溝
17 傾斜させる始端
L30,L33 ライン
30a 塔頂部
30b 塔底部
30c スパン
31 フィード口
34 凝縮器
35 リボイラ
52 蒸留残渣用タンク
100 充填塔
T 円筒空間
X 環状本体部の中心
P 環状本体部の中心Xから半径Rの円領域
U 環状本体部及び環状本体部からその溝の幅分だけ内側に延長した領域の真上の空間

Claims (6)

  1. 再分散器を充填物層の下方に設置した充填塔において、
    該再分散器は、前記充填塔の内壁に接触した状態で周回して配置する樋状の環状本体部と、該環状本体部から塔内中央部に向かって延びる樋状の分岐部とを有し、該分岐部の端部は排液口を有し、
    前記充填塔の塔内高さHと塔内径Dとの比(H/D)が20以上であることを特徴とする充填塔用再分散器を設置した充填塔
  2. 前記分岐部は、前記排液口を設けた端部側が、前記環状本体部への固定箇所よりも下方となる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の充填塔用再分散器を設置した充填塔
  3. 前記充填塔が充填物層を有しており、該充填物層が支持部に載せられており、該支持部が前記充填塔の内壁に固定された支持部用フレーム上に載せられており、前記支持部用フレームの内側の縁が、前記環状本体部及び該環状本体部からその溝の幅分だけ内側に延長した領域の真上の空間内に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の充填塔用再分散器を設置した充填塔。
  4. 前記分岐部が複数等間隔で前記環状本体部に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の充填塔用再分散器を設置した充填塔
  5. 前記環状本体部の外周により囲まれた面積をS1とし、前記環状本体部の中心から半径Rの円領域Pの面積をS2とするとき、数1を満たす円領域Pを横断面とする円筒空間内に、前記排液口を配置していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の充填塔用再分散器を設置した充填塔
    (数1)0.01≦S2/S1≦0.90
  6. 請求項1〜のいずれか一つに記載の充填塔用再分散器を設置した充填塔を用いて、塩化ビニリデンの粗モノマーを蒸留し、精製モノマーを得ることを特徴とする塩化ビニリデンモノマーの蒸留方法。
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