JP5952619B2 - 噴射ノズル機構およびそれを用いた押ボタン - Google Patents

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Description

本発明は、噴射ノズル機構およびそれを用いた押ボタンである。
収容した内容物を噴射するエアゾール容器が知られている。エアゾール容器は、内容物を密封して長期間収容でき、簡易な操作で噴射操作ができるため、近年様々な用途で用いられている。そして、その用途に応じて様々なスプレーパターンを呈する噴射ノズル機構が開発されている。
例えば、特許文献1には、複数の方向に内容物を噴射するエアゾール装置が開示されている。このエアゾール装置は、噴射の主となる中央ノズルと、中央ノズルよりも小径で中央ノズルの周囲に中央ノズルの向きに対して角度を設けて配置された複数の周囲ノズルとを備えた噴射ノズル機構を備えている。また、特許文献2、3には、1つのノズルから3方向に内容物を噴射させるものであって、噴射の主となる平面状のスプレーパターンを噴射するための第1噴口と、その平面状のスプレーパターンに対して垂直方向に噴射するための2つの第2噴口とからなる噴射ノズル機構が開示されている。特許文献2、3の噴射ノズル機構は、第1噴口および第2噴口のスプレーパターンを組み合わせて全体として十字状の噴霧パターンが形成するように構成されている。
特許第4766752号 特開2011−139994号公報 特開2011−177677号公報
しかし、特許文献1の噴射ノズル機構は、中央ノズルの噴射量が周囲ノズルより大きく、中央ノズルから噴射される噴射物の勢いが周囲ノズルから噴射される噴射物の勢いよりはるかに大きくなるため、中央ノズルと周囲ノズルとが異なる方向に向いていても、中央ノズルと周囲ノズルとの距離が小さいと、周囲ノズルから噴射された噴射物が曲げられあるいは引き寄せられて中央ノズルの噴射物と一体化してしまい、周囲ノズルを設けたことによる広範囲に噴射する効果が得られにくい。
また特許文献2、3の噴射ノズル機構も、第1噴口と第2噴口との距離が短いと同様に第1噴口の噴射物に第2噴口の噴射物が吸収あるいは一体化されてしまい、第2噴口を設けても十字状の噴霧パターンは得られにくい。
本発明は、円錐状に噴射される中心噴射孔およびその周辺に設けられた外側噴射孔を備えた噴射ノズル機構であって、それぞれがきれいに独立した噴射物のスプレーパターンが形成され、広範囲に拡散させることができる噴射ノズル機構を提供することを目的としている。
本発明の噴射ノズル機構は、基端から先端に真っ直ぐ延び、先端を閉じる天面を備えた内筒部と、その内筒部の外周に配置される外筒部とを有し、前記内筒部と外筒部との間に内筒部の基端から先端方向に延びる空間が形成されており、前記天面に、内筒部内と外気とを連通し、前記内筒部の中心軸と同軸にして円錐状に内容物を噴射する中心噴射孔が形成されており、前記内筒部の側面に前記空間の先端方向を塞ぐ垂直壁が前記中心軸に対して垂直に形成されており、その垂直壁に沿って前記中心軸に対して垂直方向に向かって開
口した外側噴射孔が形成されており、前記外側噴射孔の基端側に対応する外筒部の端面が、基端側に向かって拡がるように傾斜した傾斜面となっていることを特徴としている。
本発明の噴射ノズル機構であって、外面に基端から先端方向に延びる溝を備えた内筒部材と、先端の開口部に内筒部材を挿入する外筒部材とからなり、前記空間が内筒部材の溝と外筒部材の内面との間に形成されるものが好ましい。
本発明の噴射ノズル機構であって、外側噴射孔から内筒部の中心軸と平行に先端方向に延びる立ち上がり壁を備えているものが好ましい。
本発明のエアゾール容器用の押ボタンは、本発明の噴射ノズル機構を備えたことを特徴している。
本発明の噴射ノズル機構は、基端から先端に真っ直ぐ延び、先端を閉じる天面を備えた内筒部と、その内筒部の外周に配置される外筒部とを有しており、前記内筒部と外筒部との間に内筒部の基端から先端方向に延びる空間が形成されているため、供給された内容物が内筒部内の中心通路と空間の外部通路とに分けられる。また、内筒部の天面に、内筒部内と外気とを連通し、前記内筒部の中心軸と同軸にして円錐状に内容物を噴射する中心噴射孔が形成されているため、内筒部内の中心通路に供給された内容物は、その勢いを殺すことなく中心噴射孔から噴射される。さらに、内筒部の側面に前記空間の先端方向を塞ぐ垂直壁が前記中心軸に対して垂直に形成されており、その垂直壁に沿って前記中心軸に対して垂直方向に向かって開口した外側噴射孔が形成されているため、空間の外部通路に供給された内容物は垂直壁と衝突し、ここで大きく噴射方向を変える。そして、外側噴射孔の基端側に対応する外筒部の端面が、基端側に向かって拡がるように傾斜した傾斜面となっているため、外側噴射孔から噴射される噴射物は傾斜面側にも拡散することができ(中心孔から噴射される噴射物の噴射方向とは逆向き)、中心噴射孔から噴射される噴射物に引き寄せられて一体化されずに独立したスプレーパターンを形成することができる。中心噴射孔18から噴射される噴射物Aおよび外側噴射孔19から噴射される噴射物Bはそれぞれ視認できる範囲(蒸発されるまで)で独立したスプレーパターンになり、中心噴射孔から噴射される噴射物と、外側噴射孔から噴射される噴射物とによって内容物を広範囲に拡散でき、広範囲に内容物の効果を発揮させることができる。なお、外側噴射孔から噴射される噴射直後の噴射物の中心の角度は中心噴射孔から噴射される噴射物に対して20〜70度となる。
このようなノズル噴射機構であって、外面に基端から先端方向に延びる溝を備えた内筒部材と、先端の開口部に内筒部材を挿入する外筒部材とからなり、前記空間が内筒部材の溝と外筒部材の内面との間に形成される場合は、内筒部材の挿入量により外側噴射孔の開口の大きさを調整することができ、外側噴射孔から噴射される噴射物の角度を調整することができる。
外側噴射孔から中心軸と平行に先端方向に延びる立ち上がり壁を備えている場合、外側噴射孔から噴射された噴射物のうち、中心軸に向かう内容物をブロックし、中心噴射孔の噴射物との合流を防止できる。
本発明のエアゾール容器用の押ボタンは、本発明の噴射ノズル機構を備えているため、小さな押ボタンで、複数の方向に、かつ、広範囲に内容物を噴射することができる。
図1a、bはそれぞれ本発明の噴射ノズル機構を備えたエアゾール製品を示す一部側面図、一部平面図、図1cはそのノズルを拡大した斜視図である。 図2a、b、cは、それぞれ図1のエアゾール製品で用いられるノズルを示す正面図、V1−V1線断面図、V2−V2線断面図であり、図2dはノズルの他の形態を示す断面図である。 図3aは図1のノズルのスプレーパターンを示す概略図であり、図3bは本発明の他の噴射ノズル機構のスプレーパターンを示す概略図である。 図4a、b、cは、それぞれ図1のエアゾール製品に用いることができるノズルの他の実施形態を示す正面図、W1−W1線断面図、W2−W2線断面図である。 図5a、bは、それぞれ図1のエアゾール製品に用いることができるノズルのさらに他の実施形態を示す正面図、X−X線断面図である。 図6a、b、cは、それぞれ図1のエアゾール製品に用いることができるノズルのさらに他の実施形態を示す正面図、Y1−Y1線断面図、Y2−Y2線断面図である。 図7a、bはそれぞれ本発明の噴射ノズル機構を備えたエアゾール製品を示す一部側面図、一部平面図、図7cはそのノズルを拡大した斜視図である。 図8a、b、cは、それぞれ図7のノズルを示す正面図、Z−Z線断面図、一部拡大図である。 図9a、bは、それぞれ比較例を示す側面断面図である。 実施例1のスプレーパターンを示す写真図である。 実施例2のスプレーパターンを示す写真図である。 比較例1のスプレーパターンを示す写真図である。
図1aのエアゾール製品10は、エアゾール容器11と、そのエアゾール容器11に取り付けられる押ボタン12とからなる。押ボタン12は、エアゾール容器のステム11aと連結する本体13と、その本体13から前方(図1の左側)に突出したノズル14とを有し、ノズル14は円筒状のノズル本体16と、その前方先端に挿入されるノズルチップ20とを備えている。この実施形態では、図1cに示すように、ノズル14が、前方に向かって開口する中心噴射孔18と、ノズル14の中心軸に対して垂直(半径方向外側)に開口する2つの外側噴射孔19とからなる噴射ノズル機構を構成する。そして、図3aに示すように、エアゾール容器11からノズル14に供給される内容物は、中心噴射孔18から噴射される噴射物Aおよび外側噴射孔19から噴射される噴射物Bとしてそれぞれ独立したスプレーパターンで噴射される。
エアゾール製品としては、原液と噴射剤とからなる内容物をエアゾール容器に充填したものが挙げられる。特に、噴射剤として液化ガスを内容物中に30〜90質量%含有するものが好ましく用いられる。このように液化ガスを用いた場合、噴射物を拡散させながら噴射できる。
本発明の噴射ノズル機構は、そのような内容物でもそれぞれの噴射物A、Bを独立したスプレーパターンで噴射させることができ、効率よく、広範囲に拡散することができる。
ノズル14は、図2に示すように、ノズルチップ(内筒部)20と、その外周に配置されるノズル本体(外筒部)16とからなり、ノズルチップ20とノズル本体16との間にノズルチップ20の基端から先端方向に延びる空間S1が形成されている。ノズルチップ20の基端(図2bの右側)は、ノズル本体16の空間S内に位置している。ノズル14のノズル本体16は、本体13と一体に成形しても、別体としてもよい。
筒状のノズル14は、エアゾール容器11の胴部の径よりも短いものであり、好ましくはビード部よりも短いものであり、ノズルチップ20(噴射ノズル機構)はそのノズル14の先端に挿入されるものである。
この実施形態では、空間S1を、基端から先端側に向かって延び、かつ、ノズルチップ20の中心軸と平行した真っ直ぐな形状としている。しかし、空間S1を基端から先端側に向かって延びる螺旋形状としてもよい。その場合、後述するノズルチップの側面に設ける溝20bもノズルチップの外周に螺旋状に形成される。
ノズルチップ20は、先端を閉じる先端面(天面)20aを有し、基端から先端に真っ
直ぐ延びる筒状である。またその側面(外周面)には、基端から先端方向に延びる溝20bが2本180度の間隔で設けられている。溝20bは、ノズルチップ20を貫通せず、ノズルチップ20の前部で垂直壁25によって閉じるように形成されている。さらに、先端面20aの中心には、中心噴射孔18が形成されている。この溝20bおよびノズル本体16の内面によって空間S1が形成される。このノズルチップ20内にメカニカルブレークアップ機構を設けてもよい。また溝20bはこの実施形態では2つとしているが、3個以上としてもよい。その場合、その間隔は、放射状に等間隔であることが好ましいが、外側噴射孔の数および向きに応じて適宜設定してよい。さらに、ノズルチップ20の基端側の側面(外周面)に、ノズル本体16の内面と係合する係合突起20cが複数個環状に形成されている。
中心噴射孔18は、ノズルチップ20内と外気とを連通する円形の孔であり、ノズルチップ20(あるいはノズル14)の中心軸と同軸の円錐状に内容物を噴射するものである。中心噴射孔18の直径は、0.1〜2.0mm、特に、0.3〜1.5mmである。
垂直壁25は、前部(先端側)(図2bの左側)の側面外周に、ノズルチップ(あるいはノズル14)の中心軸と垂直に突出し、空間S1あるいは溝20bの先端を閉じる。この垂直壁の空間S1を向いた基端側の面が衝突面25aとなっている。この衝突面25aは、ノズル本体16の先端より先端側となる。そして、垂直壁25と、ノズル本体16の先端とによる空間S1の開口が、ノズルチップ20の中心軸に対して垂直方向に向かって開口した外側噴射孔19となる。
また、垂直壁25の側面25bは、外側噴射孔19からノズルチップ20の中心軸と平行に前方(先端方向)に延びる立ち上がり壁を構成する。この立ち上がり壁(側面25b)を備えているため、外側噴射孔19から噴射される内容物のうち直接中心軸方向に向かう内容物をブロックする。立ち上がり壁の長さは、長い方が噴射物Aの影響が小さくなるため、後述する外側噴射孔19の長さTの0.2〜5倍、好ましくは0.3〜3倍としている。
また中心噴射孔18は、外側噴射孔19より先方に突出している。その長さは、1〜10mm、特に2〜7mmが好ましい。1mmよりも短い場合は外側噴射孔19から噴射される内容物が中心噴射孔から噴射される内容物に引き寄せられて一体化しやすくなり、10mmより長い場合は、中心噴射孔18の影響を小さくできるが、ノズルチップの形状の自由度が小さくなり、大型になる。
外側噴射孔19の面積は、ノズルチップ20のノズル本体16への挿入度によって変化させることができる。つまり、例えば図2dのようにノズルチップ20を深く挿入することによりノズル本体16より外に露出した外側噴射孔19の長さTが浅くなる。長さTを短くした方が、噴射物Bの噴射量を絞ることができ、スプレーパターンが安定し、噴射物A側へ引き寄せられにくくなり、かつ、ノズルチップ20の中心軸に対してより垂直に噴射される。このような長さTは0.1〜5mm、特に0.3〜4mmとするのが好ましい。
また、外側噴射孔19の中心軸からの距離Sが5mm以下、特に好ましくは4mm以下となっている。外側噴射孔19の中心軸からの距離が5mmより大きい場合は、外側噴射孔19の噴射物の中心噴射孔18の噴射物から受ける影響が小さくなるが、ノズルチップの形状の自由度が小さくなり、大型になる。
ノズル本体16は、先端面が外に拡がるように傾斜面22aとなった円筒状のものである。この傾斜面22aのノズル本体16(ノズルチップ20)の中心軸に対する角度γは、100〜160度、特に好ましくは110〜150度となっている。このように傾斜した先端面22aを備えているため、外側噴射孔19から吐出される内容物は、基端側へも流れることができ、この角度γにより外側噴射孔から噴射されるスプレーパターンの拡がりを調整することができる。この実施形態では、先端面22aを全て傾斜面(先端を円錐台状)としたが、溝20bに対応して位置に形成される底が傾斜した先端スリットとして
もよい(図示せず)。
このように構成されているため、ノズル本体16の空間Sからノズルチップ20内に供給された内容物は、ノズルチップ20の内部空間S2と、ノズルチップ20とノズル本体16の間の空間S1に分けられる。そのため、内部空間S2の流量は、空間S1の流量と同一または大きくなる。
内部空間S2に供給される内容物は、図3に示すように、中心噴射孔18を頂点とした円錐形状で勢いよく噴射される(噴射物A)。そのため、円錐状の噴射物Aの周囲は減圧状態となる。また、中心噴射孔18からの噴射量は外側噴射孔19の噴射量より大きい。
空間S1に供給された内容物は、垂直壁25(衝突面25a)に衝突して減速され、噴射方向を変えて外側噴射孔19から噴射されるため、外側噴射孔19から噴射された内容物は大きく拡がる。そのため、外側噴射孔19から噴射される噴射物Bは、外側噴射孔19から直接噴射される内容物と、ノズル本体の先端面22a(傾斜面)により制御された内容物と、ノズルチップ20の側面25b(立ち上がり壁)によりノズルチップ20の中心軸方向への拡散が制御された内容物とによって構成される。その噴射量は、上記の記載順に小さくなっている。そのため、外側噴射孔19の噴射物Bの噴射直後のスプレーパターンBの中心B1の角度αは、中心噴射孔18の軸(あるいはノズルチップ20の中心軸)と20〜70度傾き、その噴射直後のスプレーパターンは、外側噴射孔19を頂点とした円錐状になる。
一方、噴射物Bは垂直壁25に衝突した内容物からなるため、その粒子径は噴射物Aの粒子径より小さい。このように噴射物Bは粒子径が小さく、かつ、その勢いが噴射物Aより小さいため、減圧状態となった噴射物Aの周囲に引かれやすい。つまり、噴射物Bのスプレーパターンは、外側噴射孔19から離れるほど前方方向に若干曲がった形状となる。しかし、噴射直後のスプレーパターンの中心B1が、中心噴射孔18の軸(あるいはノズルチップ20の中心軸)に対して20〜70度と充分に傾いているので、スプレーパターンが視認できる範囲で(蒸発するまで)、噴射物Aと合流あるいは一体化することなく独立状態を維持して拡散される。また、外側噴射孔19から噴射される内容物のうち、直接噴射物A方向に向かうものは、垂直壁の側面25b(立ち上がり壁)がブロックし(制御)、その流れを断っているため、噴射物Bにおける噴射物Aの影響が一層小さい。つまり、ノズル14から噴射される内容物は、中心噴射孔18からの噴射物Aおよび2つの外側噴射孔19からの噴射物Bの3方向への噴射が明確になり、効率よく広範囲への噴霧が可能となる。
図4のノズル30は、筒状のノズルチップ31と、その外周との間に空間S1を形成するようにノズルチップ31を収容する筒状のノズル本体32とからなる。図4のノズル30は、1つの中心噴射孔18の周りに4つの外側噴射孔19が形成されている。また、空間S1が、ノズル本体32の内面に形成された溝36とノズルチップ31の外周面とよって形成されたものである。
ノズルチップ31は、先端面(天面)31aの中央に形成された中心噴射孔18と、前部(先端側)の外周に中心軸と垂直に突出し、空間S1の先端を閉じる垂直壁35とを備えている。垂直壁35は、後述するノズル本体32の溝36または空間S1に面した衝突面35aと、ノズルチップの中心軸と平行に、先端方向に真っ直ぐ延びる側面(立ち上がり壁)35bを備えている。中心噴射孔18は、図2の中心噴射孔18と実質的に同じものである。
ノズル本体32は、その内面に基端側から先端に向かって延びる4つの溝36が等間隔に形成されている。ノズル本体32の先端面(傾斜面)32aは、図2のノズル本体16の先端面と実質的に同じように、外に拡がるように傾斜面となっている。なお、先端面は階段状に傾斜してもよい。
この場合、ノズル本体32の先端面32aの内側端32dがノズルチップ31の垂直壁35と当接するようにノズルチップ31を挿入するだけで、外側噴射孔19が形成される。そして、垂直壁35と、ノズル本体32の先端面32aとによって外側噴射孔19が構成される。この外側噴射孔19も図2のノズルと同様に、先端側に立ち上がり壁を備え、基端側が傾斜面となっている。
このように構成されているため、ノズル本体16の空間Sから供給された内容物も、ノズルチップ31の内部空間S2と、ノズルチップ31とノズル本体32の間の空間S1に分けられる。そして、中心噴射孔18および外側噴射孔19から噴射される。それぞれの中心噴射孔18および外側噴射孔19の構造は、図2のノズル14と実質的に同じである。そのため、ノズル30も、図2のノズル14と同様に、中心噴射孔18の噴射物Aと、外側噴射孔19の噴射物Bとが独立して噴射される。つまり、ノズル30から噴射される内容物は、中心噴射孔33からの噴射物Aおよび4つの外側噴射孔34からの噴射物Bの5方向に噴射される。
図5のノズル40は、軸に対するノズル本体42の先端面(傾斜面)42aの角度γが、図2のノズル本体22の先端面22aの角度より大きくなっている。他の構成は、図2のノズル14と実質的に同じであり、ノズルチップ20を備えている。
ノズル40は、ノズルチップ20の中心軸に対する先端面42aの角度が大きいため、図3bに示すように、先端面42aに沿って噴射される内容物は中心軸に対して90度に近い方向に反射される。つまり、先端面42aで制御された内容物は中心噴射孔18の噴射物Aから遠い方向に制御されるため、噴射直後のスプレーパターンの中心B1の角度がノズル40の中心軸に対して大きく傾く。そのため、全体として噴射物Bは噴射物Aからより離れる方向に向かって噴射され、噴射物Aの影響が一層小さくなる。このように外側噴射孔19に対応するノズル本体42の先端面(傾斜面)の角度αを調整することにより、噴射直後の噴射物Bのスプレーパターンの中心B1角度を調整することができ、全体のスプレーパターンの角度および形状も調整できる。
図6のノズル50は、内筒部と外筒部を一体にしたノズルチップ51と、そのノズルチップ51を収容する筒状のノズル本体52とからなる。つまり、実施形態では、ノズルチップ51自体が、前方に向かって開口する中心噴射孔18と、ノズル50の中心軸に対して垂直(半径方向外側)に開口する2つの外側噴射孔19とからなる噴射ノズル機構を構成する。このノズル50(あるいはノズルチップ51)は、内筒部が立ち上がり壁を備えていないものである。ノズル本体52は、先端面52aがノズルチップ51の中心軸に対して垂直になっていること以外は図2のノズル本体と実質的に同じものである。
ノズルチップ51は、ノズル本体52内に挿入される外筒53と、ノズル本体52から突出するように配置される内筒54と、それらを繋ぐ先端に向かって縮径する円錐台状の垂直壁55とを備えている。
外筒53の先端面22aは、図2の先端面22aと同様に傾斜面となっている。
内筒54は、先端を閉じる先端面(天面)54aを備えており、その中心に中心噴射孔18が形成されている。中心噴射孔18は、図2の中心噴射孔18と実質的に同じものである。
内筒54の外周面と外筒53の内周面の間には、内筒の基端から垂直壁55の中部に延びる環状の穿孔53aが形成され、この穿孔53aが空間S1である。
垂直壁55は、下面が空間S1に供給される内容物が衝突する衝突面55aとなる。また、垂直壁55の外周面55bは、斜面となっているため、立ち上がり壁を構成しない。そして、衝突面55aおよび外筒54の先端面22aによって、ノズル50(ノズルチップ51)の軸に対して垂直に開口した外側噴射孔19を構成する。この実施形態では、衝突面55aは、空間S1の前方開口部の全てを覆っていないため、噴射物Bの勢いおよび
流量は、ノズル20の噴射物Bより若干大きくなる。
このように構成されているため、空間S1に供給された内容物は、同様に垂直壁55(衝突面55a)に衝突して減速されて外側噴射孔19から噴射される。そして、外側噴射孔19の噴射物Bの噴射直後のスプレーパターンの中心B1が中心噴射孔18の軸より20〜70度傾いた状態で、外側噴射孔19を頂点とした円錐状になる。そのため、噴射物Bは、視認できる範囲で(蒸発するまで)、噴射物Aと合流あるいは一体化することなく独立状態を維持して拡散される。つまり、ノズル50から噴射される内容物も、中心噴射孔18からの噴射物Aおよび2つの外側噴射孔19からの噴射物Bの3方向に噴射される。
図7aのエアゾール製品60は、エアゾール容器11および押ボタン62を備えている。押ボタン62は、扁平なノズル64を本体63に装着することにより構成され、ノズル64は扁平なノズル本体66と、その前方先端に連結される扁平なノズルチップ67とを有している。
この実施形態では、噴射ノズル機構の全体が扁平となっているため、中心噴射孔18の軸と外側噴射孔19との距離が大きい。このノズル噴射機構も中心噴射孔18から噴射される噴射物Aおよび外側噴射孔19から噴射される噴射物Bをそれぞれ独立した状態で噴射するものである。
ノズル本体66は、図7cおよび図8に示すように、断面が略長方形状の筒体であり、前面66aが外側に湾曲している。その中心孔は、扁平なノズルチップ67を受け入れられるように長方形状に空けられている。また側部内面には、軸と平行に形成された内溝66bが形成されている。
ノズルチップ67は、断面略長方形状のチップ本体68と、その両側面に軸方向と平行に形成された縦溝69と、その縦溝69の前を閉じる衝突面70と、その縦溝69より前方に形成された方向制御壁71と、チップ本体68の先端を閉じる先端面72と、その中心に形成された中心噴射孔18とを備えている。ノズルチップ67は、衝突面70がノズル本体66の先端から突出するようにしてノズル本体66に挿入される。そのため、衝突面70および前面66aによって空間S1の開口である外側噴射孔19が構成される。
縦溝69とノズル本体66の内溝66bとで空間S1を構成している。
方向制御壁71は、本体の側面から突出しており、その後面71aが傾斜している。この方向制御壁71は、外側噴射孔19から噴射された噴射物Bの方向をさらに制御するものである。
先端面72は、ノズル本体の前面66aと平行に湾曲している。中心噴射孔18は、図2の中心噴射孔18と実質的に同じものである。
この実施形態は、ノズルチップ67を扁平にしているため、ノズルチップ67の軸と外側噴射孔19との間の距離を大きくし、外側噴射孔19の噴射物Bにおける中心噴射孔18の噴射物Aの影響を小さくしている。
このように構成されているため、ノズルチップ67内の空間が内部空間S2を構成し、ノズル本体66の内溝66bとノズルチップ67の縦溝69によって空間S1を構成する。
内部空間S2に供給された内容物は、中心噴射孔18から噴射物Aとして勢いよく噴射される。
空間S1に供給された内容物は、衝突面70に衝突し、外側噴射孔19から噴射される。また、外側噴射孔19から噴射された噴射物Bは、さらに方向制御壁71の後面71aによって方向が変えられる。このため、噴射直後の噴射物Bの中心の軸に対する角度をより噴射物Aと交わらない範囲で自在に調整できる。
この方向制御壁は、前述したノズルの実施形態に設けてもよい。例えば、図2のノズル
14の場合、垂直壁25の側面25bの先端側にさらに外側に突出した方向制御壁を設けることで実現できる。
[実施例1]
図2bのノズルであって、中心噴射孔18の径が0.6mm、外側噴射孔19の長さTが0.8mm、中心噴射孔の中心軸と外側噴射孔の距離が2mm、立ち上がり壁の長さ1.2mm、空間S1(半円)の径が0.6mm、傾斜面の角度γが120度であるノズルを準備した。
[実施例2]
図2bのノズルであって、中心噴射孔18の径が0.6mm、外側噴射孔19の長さTが0.8mm、中心噴射孔の中心軸と外側噴射孔の距離が2mm、立ち上がり壁の長さ1.2mm、空間S1(半円)の径が0.6mm、傾斜面の角度γが135度であるノズルを準備した。
[比較例1]
図9のノズルであって、中心噴射孔18の径が0.6mm、外側噴射孔19の長さTが0.8mm、中心噴射孔の中心軸と外側噴射孔の距離が2mm、立ち上がり壁の長さ1.2mmであり、ノズル本体の先端面の角度が90度であるノズルを準備した。
エタノール30質量%と液化石油ガス70質量%からなる内容物を充填したエアゾール容器に、これら実施例1、2および比較例1、2を取り付け、それぞれのスプレーパターンを確認した(図10〜図12)。
比較例1のノズルを用いた場合、中心噴射孔18からの噴射物Aと外側噴射孔19からの噴射物Bとが一体化していることがわかる。一方、実施例1、2のノズルを用いた場合、それぞれの噴射物は拡がりながら円錐状に噴射され、かつ、中心噴射孔18からの噴射物Aと外側噴射孔19からの噴射物Bとが明確に分かれ、3方向に噴射することができた。また、実施例1は噴射物Bの角度αが約30度、実施例2は噴射物Bの角度αが約45度となった。つまり、傾斜面の角度を変えることで、外側噴射孔から噴射される内容物の拡がりを調整できることがわかる。
A、B 噴射物
S、S1、S2 空間
10 エアゾール製品
11 エアゾール容器
11a ステム
12 押ボタン
13 本体
14 ノズル
16 ノズル本体
18 中心噴射孔
19 外側噴射孔
20 ノズルチップ
20a 先端面(天面)
20b 溝
20c 係合突起
22a 先端面(傾斜面)
25 垂直壁
25a 衝突面
25b 側面(立ち上がり壁)
30 ノズル
31 ノズルチップ
31a 先端面(天面)
32 ノズル本体
32a 先端面(傾斜面)
32d 傾斜面の内側端
35 垂直壁
35a 衝突壁
35b 側面(立ち上がり壁)
36 溝
40 ノズル
42 ノズル本体
42a 先端面(傾斜面)
50 ノズル
51 ノズルチップ
52 ノズル本体
53 外筒
53a 穿孔
54 内筒
54a 先端面(天面)
55 垂直壁
55a 衝突壁
55b 外周面
60 エアゾール製品
62 押ボタン
63 本体
64 ノズル
66 ノズル本体
66a 前面
66b 内溝
67 ノズルチップ
68 チップ本体
69 縦溝
70 衝突面
71 方向制御壁
71a 後面
72 先端面

Claims (4)

  1. 基端から先端に真っ直ぐ延び、先端を閉じる天面を備えた内筒部と、その内筒部の外周に配置される外筒部とを有し、
    前記内筒部と外筒部との間に内筒部の基端から先端方向に延びる空間が形成されており、前記天面に、内筒部内と外気とを連通し、前記内筒部の中心軸と同軸にして円錐状に内容物を噴射する中心噴射孔が形成されており、
    前記内筒部の側面に前記空間の先端方向を塞ぐ垂直壁が前記中心軸に対して垂直に形成されており、
    その垂直壁に沿って前記中心軸に対して垂直方向に向かって開口した外側噴射孔が形成されており、
    前記外側噴射孔の基端側に対応する外筒部の端面が、基端側に向かって拡がるように傾斜した傾斜面となっている、
    噴射ノズル機構。
  2. 外面に基端から先端方向に延びる溝を備えた内筒部材と、先端の開口部に内筒部材を挿入する外筒部材とからなり、前記空間が内筒部材の溝と外筒部材の内面との間に形成される、
    請求項1記載の噴射ノズル機構。
  3. 前記外側噴射孔から中心軸と平行に延びる立ち上がり壁を備えている、
    請求項1記載の噴射ノズル機構。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の噴射ノズル機構を備えた、エアゾール容器用の押ボタン。
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