JP5952009B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、操向ハンドル(ステアリングホイール)等の操作部材による車両の操舵時に、操舵系(ステアリング系)にモータ(電動機)の動力を操舵アシスト力(操舵補助力)として伝え、運転者による操向ハンドル等の操作部材の操作負担を軽減する電動パワーステアリング装置に関し、一層詳細には、前記モータのトルクリップルを低減する電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、電動パワーステアリング装置では、前記モータとして3相ブラシレスモータ(以下、単にモータともいう。)が採用され、この3相ブラシレスモータを駆動するにあたり、U相、V相、及びW相の3相のコイル中、2相のコイルの電流を検出し、残りの1相のコイルの電流を演算により算出している(特許文献1)。
前記コイルの電流を検出するセンサとして、図13に模式的に示すように、ホール効果を用いたセンサ(ホールセンサ)などが用いられる。
このホールセンサ2では、部分的に切断されたリング状の磁気コア3中を、コイル(導線)4を貫通させる。制御電流を流したホール素子5を切断部に配置固定する。検出しようとするコイル4に流れる電流(検出電流)Iの変化に応じて変化する前記磁気コア3の前記切断部における磁束(磁界)を、前記ホール素子5の感磁面で感磁させ、前記磁界の強さに応じて発生した電圧を増幅器6で増幅することで、ホールセンサ2により、検出電流Iに対応した出力電圧V、結局、検出電流Iを検出することができる。
特許第3849979号公報(図2、[0034])
ところで、前記電動パワーステアリング装置における前記モータは、運転者の操舵トルクに基づいて目標電流(目標電流Itという。)が設定され、前記検出電流Iがこの目標電流Itに等しくなるように電流フィードバック制御される。
しかしながら、前記検出電流Iが前記目標電流Itに等しくなるように電流フィードバック制御を行っても、前記モータにトルクリップルが発生し、このトルクリップルを原因として、前記電動パワーステアリング装置に異音や騒音が発生し、さらには、操舵フィーリングが劣化する不具合が発生することがある。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、前記モータにトルクリップルが発生する原因を究明し、前記トルクリップルを低減することで、前記異音や前記騒音の発生を抑制し、且つ前記操舵フィーリングが劣化する不具合を解消することを可能とする電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、前記操舵トルク検出部によって検出された操舵トルクに基づいて3相のモータに供給する目標電流を設定する目標電流設定部と、前記モータの2相の電流をそれぞれ検出する第1及び第2電流検出部(例えば、実施形態におけるU相及びV相の電流センサ56及び57)と、前記目標電流設定部によって設定された目標電流と、前記第1及び第2電流検出部によって検出された第1及び第2検出電流とに基づいて前記モータを駆動するモータ駆動部と、を備えた電動パワーステアリング装置であって、以下の特徴(1)〜()を有する。
(1)前記第1及び第2検出電流には、前記2相に実際に流れている第1及び第2実電流(例えば、第1の実電流として図4Aの実線で示す実電流Iu、第2の実電流として図5Aの実線で示す実電流Iv)に対して、それぞれ、第1及び第2位相遅れ量(例えば、第1位相遅れ量は図4Aのθd1、第2位相遅れ量は図5Aのθd2)が含まれており、前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流の前記第1及び第2位相遅れ量の差が減るように前記第1又は第2検出電流の位相を補正する検出電流位相補正部を更に備え、前記モータ駆動部は、前記目標電流設定部によって設定された前記目標電流と、前記検出電流位相補正部により補正した第1及び第2補正検出電流と、に基づいて前記モータを駆動することを特徴とする。
この発明によれば、モータ駆動部が、目標電流設定部によって設定された目標電流と、前記検出電流位相補正部により前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流の前記第1及び第2位相遅れ量の差が減るように前記第1又は第2検出電流の位相を補正した第1及び第2補正検出電流と、に基づいてモータを駆動するようにしたので、前記第1及び第2検出電流に含まれている前記第1及び第2電流検出部の位相遅れ量(の差)を原因として発生する前記モータのトルクリップルを低減することができる。なお、位相遅れ量(の差)を原因としてトルクリップルが発生する理由については、後述する。
この場合、2相の前記第1及び第2検出電流の異なる位相遅れ量を、それぞれ補正した第1及び第2補正検出電流から残りの相の補正検出電流を計算(推定)することができる。
)上記の特徴(1)を有する発明において、前記検出電流位相補正部は、前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流のうち、位相遅れが小さい検出電流の位相遅れ量を増加させる補正を行うことを特徴とする。
この発明によれば、位相遅れが小さい検出電流の位相遅れ量を増加させる補正を行うようにしたので、前記トルクリップルを低減すると同時に、位相遅れが小さい前記検出電流中の高周波成分のノイズを減衰させることができる。
)上記の特徴(1)を有する発明において、前記検出電流位相補正部は、前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流のうち、位相遅れが大きい検出電流の位相遅れ量を減少させる補正を行うことを特徴とする。
この発明によれば、位相遅れが大きい検出電流の位相遅れ量を減少させる補正を行うようにしたので、前記第1及び第2電流検出部のうち、位相遅れの大きい電流検出部で発生する検出遅延量を少なくすることができ、結果として、前記トルクリップルを低減すると同時に、前記第1及び第2補正検出電流を前記目標電流に、より素早く追従させることができる。
)上記の特徴(1)〜()のいずれかを有する発明において、前記モータの回転方向を検出するモータ回転方向検出部を更に備え、前記検出電流位相補正部は、前記モータ回転方向検出部によって検出された前記モータの前記回転方向に基づき、前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流のうち、少なくとも1つの検出電流の前記位相遅れ量の補正量を決定することを特徴とする。
この発明によれば、モータ回転方向検出部によって検出されたモータの回転方向に基づいて、前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流のうち、少なくとも1つの検出電流の位相遅れ量の補正量を決定するようにしたので、モータ回転方向の切り替えに応じて変化する前記検出電流の位相遅れ量に応じた補正量を決定することができる。
この発明によれば、モータ駆動部が、目標電流設定部によって設定された目標電流と、第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流の第1及び第2位相遅れ量の差が減るように前記第1又は第2検出電流の位相を検出電流位相補正部により補正した第1及び第2補正検出電流と、に基づいてモータを駆動するようにしたので、前記第1及び第2検出電流に含まれている前記第1及び第2電流検出部の位相遅れ量(の差)を原因として発生する前記モータのトルクリップルを低減することができる。
前記トルクリップルが低減されることで、前記電動パワーステアリング装置に発生する騒音及び異音を抑制し、且つ操舵フィーリングの劣化を防止して軽快な操舵フィーリングを得ることができる。
また、3相のモータ電流中、少なくとも2相の各検出電流の異なる位相遅れ量を補正した補正検出電流から、残りの相の検出電流(補正検出電流)を計算(推定)することができる。
この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。 図1例の電動パワーステアリング装置中、制御装置とモータ駆動制御装置を備えるモータ制御システムの構成図である。 この実施形態の要部に係る検出電流位相補正部のブロック図である。 図4Aは、U相実電流とU相検出電流とを示す波形図である。図4Bは、U相実電流とU相検出電流とによるリサージュ波形図である。 図5Aは、V相実電流とV相検出電流とを示す波形図である。図5Bは、V相実電流とV相検出電流とによるリサージュ波形図である。 位相遅れ量の異なる2相の電流センサの検出電流を検出電流位相補正部で補正しなかった場合のトルクリップル等を示す波形図である。 fc設定テーブルを含む、位相補正の有無による各量を比較説明するための比較テーブルを示す説明図である。 図8Aは、V相の実電流に対して検出電流の位相遅れ量を、U相と同じ位相遅れ量となるように、位相補正を行った結果の波形図である。図8Bは、図8Aの実電流と補正検出電流によるリサージュ波形図である。 位相遅れ量の異なる2相の電流センサの検出電流を検出電流位相補正部で補正した場合のトルクリップル等を示す波形図である。 電流位相誤差がない場合の相電流とモータトルクの計算例を示す波形図である。 電流位相誤差がある場合の相電流とモータトルクの計算例を示す波形図である。 他の実施例に係る検出電流位相補正部のブロック図である。 電流センサの例を示す回路図である。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置10の構成図である。
車両(不図示)に搭載された電動パワーステアリング装置10は、操向ハンドル12に連結されたステアリング軸14に対して、運転者が与える操舵トルクを補助するトルク(補助トルク)を与えるように構成される。
ステアリング軸14の上端は操向ハンドル12に連結され、下端にはピニオン16が取り付けられている。ピニオン16に噛み合うラック18を設けたラック軸20が配置されている。ピニオン16とラック18によってラック・ピニオン機構22が形成される。ラック軸20の両端にはタイロッド24が設けられ、各タイロッド24の外側端には前輪(転舵輪)26が取り付けられている。
ステアリング軸14に対して、減速機構である動力伝達機構28を介してモータ(ブラシレスモータ)30が設けられている。モータ30は、操舵トルクを補助するための回転力を出力する。この回転力は、上記補助トルクとして、動力伝達機構28を経由して増力されステアリング軸14に与えられる。
ステアリング軸14には、また、操舵トルクセンサ32が設けられている。操舵トルクセンサ32は、運転者が操向ハンドル12を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸14に加えたとき、ステアリング軸14に加わる当該操舵トルクの大きさと方向を検出し、検出した操舵トルクの大きさに応じた電気信号である操舵トルクTsと方向を出力する。操舵トルクセンサ32は例えばトーションバーを利用して構成されている。
ステアリング軸14には、さらに、ステアリング軸14の回転による操舵角、すなわち舵角を操舵方向を含めて検出し、検出した舵角に応じた電気信号である舵角θsを出力する舵角センサ34が設けられている。
電動パワーステアリング装置10の搭載車両には、当該車両の走行速度に対応した電気信号である車速Vsを検出して出力する車速センサ36が設けられている。
さらにまた、電動パワーステアリング装置10は、制御装置40を含むモータ駆動制御装置42を備える。制御装置40を含むモータ駆動制御装置42に対して、上述した操舵トルクセンサ32、舵角センサ34、車速センサ36、モータ30、及び後述する回転角センサ38が電気的に接続されている。
図2は、図1に示した、電動パワーステアリング装置10のモータ30を駆動制御する、制御装置(モータ制御装置)40を含むモータ駆動制御装置42を備えるモータ制御システム50の構成図である。
制御装置40は、ECU(Electronic Control Unit)であり、前記ECUは、CPU、ROM、RAM、並びにA/D変換器、D/A変換器等の入出力インタフェース、タイマ等を備えるマイクロコンピュータを含み、該マイクロコンピュータの前記CPUが各種入力に基づき前記ROMに記憶されているプログラムを実行することで各種機能部(各種機能手段)として動作する。
モータ30は、dq軸電流成分に基づくベクトル制御により、モータ駆動制御装置42によって駆動制御される。
モータ30には、モータ30のロータの回転角を検出し、電気信号であるロータ回転角、すなわち所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角度に係る状態量を検出して出力するレゾルバ等の回転角センサ38が設けられている。
制御装置40内のRD(レゾルバ・デジタル)コンバータ46により回転角センサ38の出力からモータ30のロータ回転角θm及びモータ30の回転速度(モータ回転速度、モータ回転数、又は回転数ともいう。)Nmがデジタル信号として出力される。なお、回転速度Nmには、正負があるので、回転速度Nmには、実質的にモータ30の回転方向Dmも含まれている。回転方向Dmは、時計方向CW(Clockwise)か反時計方向CCW(Counterclockwise)のいずれかである。
モータ駆動制御装置42は、操舵トルクセンサ32からの操舵トルクTs、舵角センサ34からの舵角θs、車速センサ36からの車速Vs及び回転角センサ38からのモータ回転角(RDコンバータ46からのロータ回転角θm)等に基づき、モータ30を回転駆動するモータ電流Im{U、V、Wの3相の相電流(U相電流:U相実電流ともいう。)Iu、相電流(V相電流:V相実電流ともいう。)Iv、相電流(W相電流:W相実電流ともいう。)Iw}を流すための電圧(相電圧)Vu、Vv、Vwをモータ30に対して出力する。
この場合、電動パワーステアリング装置10は、制御装置40を構成するPWM変換部52からのU、V、W各相のPWM信号に基づいて、バッテリ60から供給される電力を、例えばFETフルブリッジ構成のインバータ54によって電力変換(直流→三相交流変換)することによりモータ30を駆動し、モータ30の各巻線に正弦波の相電流Iu、Iv、Iwを通電してベクトル制御を行うことで、補助トルクを発生させる。上述したように、モータ30の補助トルクは、運転者の操向ハンドル12の操作をアシストする。
モータ30に実際に流れるモータ電流Im(Iu、Iv、Iw)を構成する3相実電流Iu、Iv、Iw中、U相実電流Iu及びV相実電流Ivの大きさと流れる方向とがモータ電流センサ(以下、電流センサという。)56、57によりそれぞれ検出され電気信号としての検出電流Iu´、Iv´にされ、検出電流位相補正部62に供給される。
検出電流位相補正部62は、電流センサ56、57によって検出されたU相の検出電流Iu´及びV相の検出電流Iv´の位相遅れ量を補正し、U相の補正検出電流IuとV相の補正検出電流Ivとしてdq変換部58にフィードバック出力する。
演算部59は、補正検出電流Iu、IvからW相の補正検出電流Iwを次の(1)式により算出(推定)し、補正検出電流Iwをdq変換部58に電流フィードバック出力する。
Iw=−Iu−Iv …(1)
dq変換部58は、補正検出電流(相電流)Iu、Iv、Iwから、dq変換を行う。
ベクトル制御におけるdq座標とは、例えば2極のロータを有するモータ30において、永久磁石による界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、このd軸と直交する方向をq軸(トルク軸)とする回転直交座標であり、モータ30のロータと共に同期して回転する。
制御装置40が、q軸を基準とした電流位相を与えることにより、インバータ54からモータ30の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるd軸電流id及びq軸電流iqを与えるようになっている。
制御装置40は、2相回転磁界座標系(dq座標系)で記述されるベクトル制御によって、指令トルクTmcomに応じたモータ30の制御を行う。すなわち、操向ハンドル12に加わる操舵トルクTsを操舵トルクセンサ32により検出し、検出した操舵トルクTsに応じたアシストトルクが得られるようにモータ30をベクトル制御することにより、手動操舵のアシストを行う。
基本的には、以上のように構成され動作する制御装置40及びモータ駆動制御装置42の基本動作についてさらに詳細な構成を説明しながら、電動パワーステアリング装置10との関係において以下に説明する。
制御装置40は、先ず、指令トルク算出部67において、操舵トルクセンサ32が検出して出力する操舵トルクTs、舵角センサ34が検出して出力する操舵角θsから算出した操舵角速度dθs/dt、及び車速センサ36が検出して出力する車速Vsなどに基づき、指令トルクTmcomを求める。この指令トルクTmcomから、目標電流設定部68において、モータ電流Imの目標電流Itが設定され、q軸目標電流設定部70に出力される。
q軸目標電流設定部70は、目標電流Itに基づいて、トルク電流指令値であるq軸電流指令値iqcomを設定する。一方、d軸目標電流設定部72は、弱め界磁電流指令値であるd軸電流指令値idcomを基準値(ここでは、0値)に設定する。
一方、電流センサ56、57によって検出され、検出電流位相補正部62によって補正された、モータ30の3相の補正検出電流Iu、Iv、Iwがロータ回転角θmに基づきdq変換部58によりd軸電流とq軸電流に変換され、d軸実電流値idr及びq軸実電流値iqrが求められる。
減算部84は、q軸電流指令値iqcomと電流フィードバックされたq軸実電流値iqrとの偏差Δiqを算出する。
加算部86は、d軸電流指令値idcom(=0)に対して弱め界磁電流設定部であるd軸電流設定部61で設定されたd軸電流Id(<0)を加算してd軸電流目標値idt(<0)を算出する。
減算部88は、d軸電流目標値idtと電流フィードバックされたd軸実電流値idrとの偏差Δidを算出する。
PI演算部80、82は、d軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqに対してP(Proportional:比例)制御処理及びI(Integral:積分)制御処理を実行し、d軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqをそれぞれ0に近づけようとするd軸指令電圧Vdcom及びq軸指令電圧Vqcomを算出し、dq逆変換部90に出力する。
dq逆変換部90は、dq座標上でのd軸指令電圧Vdcom及びq軸指令電圧Vqcomに対してロータ角度θmを用いてdq逆変換を行い、静止座標である3相交流座標上でのU相交流指令電圧Vu、V相交流指令電圧Vv及びW相交流指令電圧Vwに変換する。
PWM変換部52は、各相交流指令電圧Vu、Vv、Vwを、インバータ54の各スイッチング素子をパルス幅変調(PWM)によりオン・オフ駆動させる各パルスからなるスイッチング指令(つまり、パルス幅変調信号)へと変換する。なお、各パルスのデューティは予めPWM変換部52に記憶されている。
各パルス幅変調信号によりインバータ54が駆動され、対応する相電流Iu、Iv、Iwがモータ30の固定子の各巻線に供給されることで、回転磁界が発生され、モータ30のロータ(回転子)が回転する。
d軸電流設定部61により設定される弱め界磁電流Id(負の値)は、公知のように(例えば、特許文献1)、q軸指令電圧Vqcomが大きい領域、q軸実電流値iqrが小さい領域、及びモータ回転数Nmが大きい領域で、それぞれ独立に流れるように設定されて、界磁弱めが行われ、例えば、モータ30の低トルク領域でモータ回転数Nmが増加するように制御される。
次に、この発明の要部に係わる検出電流位相補正部62の構成及び動作(トルクリップルの低減動作)について説明する。
図3は、この実施形態に係る検出電流位相補正部62の構成図である。検出電流位相補正部62は、遮断周波数fcuを有するU相位相補正用のローパスフィルタ(LPF)からなるU相検出電流位相補正部(単に、U相位相補正部ともいう。)62uと、遮断周波数fcvを有するV相位相補正用のローパスフィルタ(LPF)からなるV相検出電流位相補正部(単に、V相位相補正部ともいう。)62vと、前記遮断周波数fcu、fcvを、RDコンバータ46から供給されるモータ30の回転方向Dmに基づき遮断周波数設定テーブル(fc設定テーブル)63を参照して前記U相位相補正部62uと前記V相位相補正部62vの各ローパスフィルタに設定する位相補正量設定部64と、から構成される。
U相位相補正部62uの入力ポートには、電流センサ56により検出されたアナログ信号の検出電流Iu´が図示しないA/D変換器によりデジタル信号の検出電流Iu´に変換されて供給される。
V相位相補正部62vの入力ポートには、電流センサ57により検出されたアナログ信号の検出電流Iv´が図示しないA/D変換器によりデジタル信号の検出電流Iv´に変換されて供給される。
U相位相補正部62u、及びV相位相補正部62vで補正された補正後の補正検出電流Iu、Ivは、U相位相補正部62u、及びV相位相補正部62vの各出力ポートからdq変換部58及び演算部59へ供給される。
ここで、U相実電流IuからU相検出電流Iu´を検出する電流センサ56、及びV相実電流IuからV相検出電流Iv´を検出する電流センサ57は、それぞれ、図13に示した構成のホールセンサ2を用いている。
[トルクリップルの発生理由と前記トルクリップルの低減手法の説明]
まず、トルクリップルが発生する理由について説明する。
前記のホールセンサ2を用いた電流センサ56、57での検出電流Iu´、Iv´には、それぞれ、モータ30のU相コイルとV相コイルに流れるU相実電流Iu、V相実電流Ivに対して、位相遅れが含まれており、その位相遅れ量が、U相とV相の電流センサ56、57で異なる場合があることを突きとめた。
図4Aは、それぞれが正弦波であるU相実電流Iuに対して電流センサ56で検出されるU相の検出電流Iu´が位相遅れ量θd1だけ遅れている波形図を示しており、図4Bは、最大値が66[A]程度の正弦波のU相実電流IuとU相検出電流Iu´の±4[A]範囲のリサージュ波形実測結果を示している。
図5Aは、それぞれが正弦波であるV相実電流Ivに対して電流センサ57で検出されるV相の検出電流Iv´が位相遅れ量θd2だけ遅れている波形図を示しており、図5Bは、最大値が66[A]程度の正弦波のV相実電流IvとV相検出電流Iv´の±4[A]範囲のリサージュ波形実測結果を示している。
ここで、検出電流Iu´、Iv´は、モータ駆動制御装置42に内蔵されているホールセンサ2を用いた比較的に廉価な電流センサ56、57により検出され、実電流Iu、Ivは、図示しない外部電流センサ、例えば、高精度・広帯域・大電流の電流プローブ、特に、位相遅れ量が位相遅れ量θd1、θd2に比較して無視できるほど小さい電流センサにより、インバータ54からの出力線に流れる実電流Iu、Ivを、モータ30の入り口近傍30u、30v(図2参照)で検出したものである。これらの検出波形である、U相実電流IuをX軸、U相検出電流Iu´をY軸として外部計測装置に接続することにより、前記外部計測装置の表示器上に、U相実電流IuとU相検出電流Iu´のリサージュ波形実測結果(図4B)が得られる。同様に、検出波形である、V相実電流IvをX軸、V相検出電流Iv´をY軸として前記外部計測装置に接続することにより、前記外部計測装置の表示器上に、V相実電流IvとV相検出電流Iv´のリサージュ波形実測結果(図5B)が得られる。
図4BのU相実電流Iu及びU相検出電流Iu´のリサージュ波形実測結果から、U相電流センサ56の位相遅れ量θd1が電流換算で略2[A]相当であり、図5BのV相実電流Iv及びV相検出電流Iv´のリサージュ波形実測結果から、V相電流センサ57の位相遅れ量θd2が電流換算で略0.5[A]相当であることが分かった。
この場合、U相の位相遅れ量θd1[deg]は、次の(2)式、V相の位相遅れ量θd2[deg]は、次の(3)式で計算される。
arcsin(2/132)≒0.9[deg] …(2)
arcsin(0.5/132)≒0.2[deg] …(3)
図6は、位相遅れ量θd1、θd2の異なる2相の電流センサ56、57の検出電流Iu´と検出電流Iv´を検出電流位相補正部62で補正しなかった場合のトルクリップルTmaの波形を示している。
トルクリップルTma中、電気角θ[deg]で、検出電流Iu´、Iv´の2倍の周波数である2次の成分のトルクリップルTma2[Nm]の大きさ(振幅、ピークツーピーク値)が、概ね0.07[Nm]存在し、この2次の成分のトルクリップルTma2が電動パワーステアリング装置10に生じる振動や異音の原因であり、且つ操舵フィーリングの劣化の主な原因であることを突きとめた。
なお、図6のトルクリップルTmaの波形には、2次の成分以外に6次の成分も存在するが、6次の成分は、振幅が比較的に小さく又高周波であるので、振動や異音の原因及び操舵フィーリングの劣化の主な原因にはなっていない。
この場合、位相遅れ量θd1と位相遅れ量θd2との差は、ECUであるモータ駆動制御装置42内に配置される電流センサ56、57のレイアウト(配置位置)によりU相とV相において、電流センサ56、57が受ける外部磁界の影響がそれぞれ異なることが原因で発生していることも突きとめた。しかし、モータ駆動制御装置42内の限られた空間に電流センサ56、57を配置する必要性から、外部磁界の影響を受けないほどの間隔を設けて電流センサ56、57を配置することは、コストと搭載性の面から困難である。また、前記の外部磁界は、主にモータ30の駆動回路であるインバータ54から発生する外部磁界であり、モータ30の回転方向Dmが逆転すると、電流センサ57、58の位相遅れ量θd1と位相遅れ量θd2とが逆転することも突き止めた。
以上の説明が、トルクリップルの発生理由の説明である。
次に、トルクリップルの低減手法について説明する。
基本的には、電流センサ57、58で発生する位相遅れ量θd1と位相遅れ量θd2を同一の値に揃えれば2次のトルクリップルTma2が低減できることが分かる。
位相遅れ量を操作するために、この実施形態では、ローパスフィルタの位相遅れ量[deg]を利用している。したがって、位相補正量設定部64に格納されるfc設定テーブル63の遮断周波数fcも回転方向Dmに応じて交換されるようになっている。
図7は、fc設定テーブル63を含む、位相補正の有無による各量を比較説明する比較テーブル65である。
fc設定テーブル63において、モータ30の回転方向Dmが時計方向CWである場合には、U相位相補正部62uのローパスフィルタ(この実施形態では、例として、次数が1次のローパスフィルタ)に設定されるU相遮断周波数fcuは、1900[Hz]に設定され、V相遮断周波数fcvは、1700[Hz]に設定される。この設定により、上述した電気角θで2次の成分のトルクリップルTma2に対し、fcv=1700[Hz]によりV相検出電流Iv′に約1.5[A]相当の位相遅れ量を付与することが可能となり、fcu=1900[Hz]は、U相検出電流Iu′には、ほとんど位相遅れ量を付与しない。
なお、2次のトルクリップルTma2の周波数は、100〜400[Hz]程度であり、電流周波数は、その半分の50〜200[Hz]程度、位相誤差補正量は0.2〜0.7[deg]程度であった。
加えて、いずれの検出電流Iu′、Iv′にも、ローパスフィルタ処理しているので、高周波の雑音を除去することができる。
よって、位相補正後の検出電流であるU相の補正検出電流Iu、V相の補正検出電流Ivとの位相差は、0[A]相当となり、補正検出電流Iuと補正検出電流Ivを用いて演算部59によりW相の補正検出電流Iwを、再掲する次の(1)式により計算(推定)することで、補正検出電流Iuと補正検出電流Ivと補正検出電流Iwは、それぞれ、正確に120[deg]の位相差を持つこととなる。
Iw=−Iu−Iv …(1)
図8Aは、電気角θで2次のトルクリップルTma2を低減するために、V相の実電流Ivに対して検出電流Iv´の位相遅れ量θd2(図5B参照)を、U相と同じ位相遅れ量θd1となるように、V相位相補正部62vで位相補正を行った結果の波形を示している。このように位相補正を行えば、図8Bに示すように、補正後のV相電流Iv(実電流)、Iv´(補正検出電流)のリサージュ波形実測結果から、位相遅れ量θd2が電流換算で2[A]相当になることが分かり、U相と同等の位相遅れ量θd1(電流換算で2[A])になっていることが分かる。
図9は、位相遅れ量θd1、θd2の異なる2相の電流センサ56、57の検出電流Iu´と検出電流Iv´を検出電流位相補正部62で補正した後のトルクリップルTmbの波形を示している。
トルクリップルTmb中、電気角θ[deg]で、補正検出電流Iu、Ivの2倍の周波数である2次の成分のトルクリップルTma2[Nm]の大きさ(振幅、ピークツーピーク値)が、概ね0.04[Nm]に低減している。トルクリップルTma(図6)からトルクリップルTmb(図9)への低減により電動パワーステアリング装置10に生じる振動や異音を抑制することができ、且つ軽快な操舵フィーリングを実現することができる。
以上の説明が、トルクリップルの低減手法の説明である。
[電流位相誤差により発生する、電気角で2次のトルクリップルの理論検討]
この理論検討の項では、理解の便宜のために、Iu、Iu′等、上記した符号を重複して使用する。従って、この理論検討の項で使用した符号は、この項以外では、異なる意味を有する場合がある。
最初に、相電流に位相誤差がない場合のトルクリップルについて説明する。
この理論検討では、3相の各相の電流を、Iu、Iv、Iwとし、回転磁束を、Bu、Bv、Bwとし、下記の(4)〜(9)式に示す。但し、(4)式〜(9)式において、Iは電流振幅、Bは磁束振幅、θはモータ電気角を示している。
Iu=Isinθ …(4)
Iv=Isin(θ+120°) …(5)
Iw=Isin(θ−120°) …(6)
Bu=Bsinθ …(7)
Bv=Bsin(θ+120°) …(8)
Bw=Bsin(θ−120°) …(9)
このとき、モータトルクTmは、次の(10)式で表現できる。Kは比例定数である。
Tm=K(Iu・Bu+Iv・Bv+Iw・Bw)
=(3/2)KIB …(10)
よって、電気角θに依存せず、一定のモータトルクTmが得られる。
図10に、例として、I=66[A]、KIB=(4/3)[Nm]の場合の、相電流Iu、Iv、Iw、及びモータトルクTmの計算例を示している。図10から、電流位相差の誤差Δθが、0[deg]の場合には、モータトルクTmが、Tm=(3/2)×(4/3)=2[Nm]と一定で、トルクリップルが発生していないことが分かる。
次に、相電流に位相誤差がある場合のトルクリップルについて説明する。
相電流に位相誤差がある場合に、電流センサ56、57で検出される各相の電流(検出電流)を、Iu′、Iv′、Iw′とする。ただし、W相検出電流Iw´は、U相検出電流Iu´及びV相検出電流Iv´から演算する。回転磁束は、電流センサの位相誤差には関係ないので、前記各磁束Bu、Bv、Bwの式がそのまま使用できる。これらを、下記の(11)〜(16)式に示す。但し、(11)式〜(16)式において、Iは電流振幅、Bは磁束振幅、θはモータ電気角、Δθは検出電流Iu´に生じる位相誤差を示している。
Iu′=Isin(θ+Δθ) …(11)
Iv′=Isin(θ+120) …(12)
Iw′=−Iu′−Iv′ …(13)
Bu=Bsinθ …(14)
Bv=Bsin(θ+120) …(15)
Bw=Bsin(θ−120) …(16)
このとき、モータトルクTm′は、次の(17)式で表現できる。Kは比例定数である。
Tm′=K(Iu′・Bu+Iv′・Bv+Iw′・Bw) …(17)
図11に、例として、I=66[A]、KIB=(4/3)[Nm]、Δθ=1[deg]の場合の、相電流Iu′、Iv′、Iw′、及びモータトルクTm′の計算例を示している。図11から、電流位相差の誤差Δθが、0[deg]でない場合には、モータトルクTm′に電気角θに対して2次のトルクリップルが発生していることが分かる。
この2次のトルクリップルが、上述した実施形態のように低減乃至抑制される。
以上の説明が、電流位相誤差により発生する、電気角で2次のトルクリップルの理論検討である。
[実施形態のまとめ]
上述した実施形態によれば、運転者の操向ハンドル12の操作による操舵トルクTsに応じて3相のモータ30を駆動制御する電動パワーステアリング装置10において、操舵トルクTsを検出する操舵トルク検出部としての操舵トルクセンサ32と、操舵トルクセンサ32によって検出された操舵トルクTsに基づいてモータ30に供給する目標電流Itを設定する目標電流設定部68と、モータ30の少なくとも2相の電流Iu、Ivを検出する電流検出部としての電流センサ56、57と、目標電流設定部68によって設定された目標電流Itと、電流センサ56、57によって検出された検出電流Iu′、Iv′とに基づいてモータ30を駆動するモータ駆動部としてのインバータ54と、を備えた電動パワーステアリング装置10であって、以下の技術的特徴[1]〜[5]を有する。
[1]電流センサ56、57によって検出された各相の検出電流Iu′、Iv′の位相遅れ量θd1、θd2を補正する検出電流位相補正部62を更に備え、インバータ54は、目標電流設定部68によって設定された目標電流Itと、電流センサ56、57によって検出された検出電流Iu′、Iv′を検出電流位相補正部62により補正した補正検出電流Iu、Ivと、に基づいてモータ30を駆動する。
このように、インバータ54が、目標電流設定部68によって設定された目標電流Itと、電流センサ56、57によって検出された検出電流Iu′、Iv′を検出電流位相補正部62により補正した補正検出電流Iu、Ivと、に基づいてモータ30を駆動するようにしたので、検出電流Iu´、Iv´に含まれている電流センサ56、57の位相遅れ量θd1と位相遅れ量θ2の差を原因として発生するモータ30のトルクリップルを低減することができる。
この場合、少なくとも2相の各検出電流Iu′、Iv′の異なる位相遅れ量θd1、θd2を、それぞれ又はいずれか一方を補正した補正検出電流Iu、Ivから残りの相の検出電流(補正検出電流)を、Iw=−Iu−Ivとして計算(推定)することができる。
[2]より具体的には、検出電流位相補正部62は、電流センサ56、57によって検出された各相の検出電流Iu′、Iv′の位相遅れ量θd1、θd2の差が減るように補正することが好ましい。各相の検出電流Iu′、Iv′の位相遅れ量θd1、θd2の差が減るように検出電流Iu′、Iv′の位相を補正しているので、モータ30のトルクリップルを的確に低減することができる。
[3]なお、検出電流位相補正部62は、電流センサ56、57によって検出された各相の検出電流Iu′、Iv′のうち、位相遅れが小さい相の検出電流Iv′の位相遅れ量θd2を増加させる補正を行うことで、前記トルクリップルを低減すると同時に、検出電流Iu′、Iv′中の高周波成分のノイズを減衰させることができる。
[4]検出電流位相補正部62は、逆に、図12に示す他の実施例に係る検出電流位相補正部62hに示すように、遮断周波数fcuhを有するU相位相補正用のハイパスフィルタ(HPF)からなるU相検出電流位相補正部(単に、U相位相補正部ともいう。)62uhと、遮断周波数fcvhを有するV相位相補正用のハイパスフィルタ(HPF)からなるV相検出電流位相補正部(単に、V相位相補正部ともいう。)62vhと、前記遮断周波数fcuh、fcvhを、RDコンバータ46から供給されるモータ30の回転方向Dmに基づき遮断周波数設定テーブル(fc設定テーブル)63hを参照して前記U相位相補正部62uhと前記V相位相補正部62vhの各ハイパスフィルタに設定する位相補正量設定部64hと、から構成するようにしてもよい。
この場合、電流センサ56、57によって検出された各相の検出電流Iu′、Iv′のうち、位相遅れが大きい相の検出電流Iu′の位相遅れ量θd1を減少させる補正が行われると同時に、電流検出部56、57で発生した検出遅延量を少なくすることができるので、結果として、前記トルクリップルを低減すると同時に、補正検出電流Iu、Iv、Iwを目標電流Itに、より素早く追従させることができる。
なお、上記の技術的特徴[4]、[5]に代替して検出電流位相補正部62、62hは、ローパスフィルタやハイパスフィルタを利用する以外に、位相遅れ補償フィルタ、位相進み補償フィルタ、あるいは位相進み遅れ補償フィルタ等を利用することもできる。
各種フィルタの次数やフィルタの種類、遮断周波数等は、電流センサ56、57の性能とレイアウトに基づき発生する電流センサ56、57の位相遅れ量の差に応じて適宜選定すればよい。
[5]検出電流位相補正部62、62hは、モータ回転方向検出部としてのRDコンバータ46によって検出されたモータ30の回転方向Dm(CW,CCW)に基づき、電流センサ56、57によって検出された各相の検出電流Iu′、Iv′のうち、少なくとも1相の前記検出電流の前記位相遅れ量の補正量を決定するようにしたので、モータ30の回転方向Dm(CW,CCW)の切り替えに応じて変化する検出電流Iu′、Iv′の位相遅れ量θd1、θd2に応じた補正量を決定することができる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限らず、例えば、電流センサをU相、V相、及びW相のそれぞれに設け、各位相補正量が近づくように揃えるようにする等、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採りうることができる。
2…ホールセンサ 5…ホール素子
10…電動パワーステアリング装置 12…操向ハンドル
30…モータ 32…操舵トルクセンサ
34…舵角センサ 38…回転角センサ
40…制御装置 42…モータ駆動制御装置
46…RDコンバータ 50…モータ制御システム
56、57…モータ電流センサ(電流センサ)
62、62h…検出電流位相補正部 62u、62uh…U相位相補正部
62v、62vh…V相位相補正部 63、63h…fc設定テーブル
64、64h…位相補正量設定部 65…比較テーブル
68…目標電流設定部

Claims (4)

  1. 運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、
    前記操舵トルク検出部によって検出された操舵トルクに基づいて3相のモータに供給する目標電流を設定する目標電流設定部と、
    前記モータの2相の電流をそれぞれ検出する第1及び第2電流検出部と、
    前記目標電流設定部によって設定された目標電流と、前記第1及び第2電流検出部によって検出された第1及び第2検出電流とに基づいて前記モータを駆動するモータ駆動部と、
    を備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記第1及び第2検出電流には、前記2相に実際に流れている第1及び第2実電流に対して、それぞれ、第1及び第2位相遅れ量が含まれており、
    前記第1及び第2検出電流には、前記2相に流れている第1及び第2実電流の第1及び第2実位相に対しての位相遅延量である、第1及び第2位相遅れ量が含まれており、
    前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流の前記第1及び第2位相遅れ量の差が減るように前記第1又は第2検出電流の位相を補正する検出電流位相補正部を更に備え、
    前記モータ駆動部は、
    前記目標電流設定部によって設定された前記目標電流と、前記検出電流位相補正部により補正した第1及び第2補正検出電流と、に基づいて前記モータを駆動する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置であって、
    前記検出電流位相補正部は、
    前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流のうち、位相遅れが小さい検出電流の位相遅れ量を増加させる補正を行う
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置であって、
    前記検出電流位相補正部は、
    前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流のうち、位相遅れが大きい検出電流の位相遅れ量を減少させる補正を行う
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置であって、
    前記モータの回転方向を検出するモータ回転方向検出部を更に備え、
    前記検出電流位相補正部は、
    前記モータ回転方向検出部によって検出された前記モータの前記回転方向に基づき、前記第1及び第2電流検出部によって検出された前記第1及び第2検出電流のうち、少なくとも1つの検出電流の前記位相遅れ量の補正量を決定する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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