JP5950176B2 - 合成樹脂製壜体 - Google Patents

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Description

本発明は合成樹脂製壜体に関するものであり、水を主成分とした内容液を凍結させて使用する用途向けの合成樹脂製壜体に関する。
従来、殺菌を必要とするたとえば果汁飲料やお茶等、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)樹脂製の壜体(ペットボトル)等の合成樹脂製壜体への充填方法として、所謂、高温充填と呼ばれる方法があるが、90℃前後の温度で内容液を壜体に充填し、キャップをして密封後、冷却するものであり、冷却後には壜体内がかなりの減圧状態となる。
このため、上記のような高温充填を伴う用途については、胴部に減圧吸収パネルを形成し、減圧に伴う壜体の減容変形を、壜体がいびつに変形した感じを与えることなく、目立たないように吸収(緩和)する機能、所謂、減圧吸収機能を発揮するようにした耐熱ボトルが用いられている。
たとえば、特許文献1には胴部に中心軸に対して軸対称に、6ケの縦長の減圧吸収パネルを凹状に陥没形成した丸形壜体に係る発明が記載されている。
一方、この種の壜体は、夏季に冷凍庫で水を主成分とした内容液を凍結させた状態のものを徐々に解かしながら飲用に供する等の用途にも使用されている。
特開2003−63516号公報
ここで、図6、7は6ケの縦長の減圧吸収パネル111を凹状に陥没形成した丸形壜体の従来例を示すもので、図6は全体正面図、図7は図6中のD−D線に沿って示す平断面図であり、この壜体101は口筒部102、テーパー筒状の肩部103、円筒状の胴部104、底部105を有するペットボトルある。
胴部104の略全高さ範囲に亘って縦長の6ケの減圧吸収パネル111が並列状に陥没形成されており、また胴部104の上端と下端には周溝107が配設されており、胴部104はシュリンクフィルム21で外装されている。
このような壜体101に水を主成分とした内容液を充填して凍結すると、内容液の体積が略1.09倍となるが、図6、7に示した壜体101のように、減圧吸収パネル111のような凹状部分を形成しておけば、図7中、二点鎖線で表した凹状部分の膨出状の変形により凍結に伴う体積増加を吸収することができる。
しかし、凹状部分の膨出により壜体が歪な形状になり美観が大きく損なわれる等の問題がある。
そして、この種の壜体は図6に示したように商品名等の表示あるいは意匠の観点から胴部104を印刷したシュリンクフィルム21で外装した状態で製品化されているが、上記のような凍結に伴う胴部104の膨出変形に伴ってシュリンクフィルム21が伸び変形し、シュリンクラベル21に表記したバーコードを読み取れなくなったり、表示した成分表、使用説明、注意書き等が読み取れなくなってしまい店頭では商品価値のない壜体製品となってしまう恐れがある。
さらに膨出変形が大きくなる場合には、壜体製品の使用後にシュリンクラベル21を分別回収するため、多くの場合、シュリンクラベル21に壜体の軸方向に沿ってミシン目を入れているので、このミシン目に沿った破断が発生する恐れがある。また、破断まで至らなくとも、胴部104の減圧時における減容変形、あるいは内容液の凍結時における膨出変形によりシュリンクラベル21に皺やズレが発生し、いずれにしても美観が大きく損なわれてしまう恐れもある。
本発明は、合成樹脂製壜体における上記したような問題点を解消すべく創案されたものであり、全体としては丸形壜体としての外観を保持しつつ、減圧吸収機能、および内容液の凍結時における体積の増加を、外観を損なうことなく十分吸収する機能(以下、体積増加吸収機能とする。)が十分に発揮されると共に、特に内容液の凍結時の壜体の膨張に伴う外装したシュリンクフィルムの伸び変形によりバーコード等の表示機能が損なわれることなく壜体製品として商品性が高度に保持することが可能な壜体形状を創出することを課題とするものである。
上記技術的課題を解決する手段の内、本発明の主たる構成は、
水を主成分とした内容液を凍結させて使用する用途向けの口筒部、筒状の胴部、そして底部を有する合成樹脂製壜体において、
胴部上半部と下半部とを有し
一方周壁を円筒状とした円筒状領域を備え
他方壜体の中心軸に対して一定方向に傾斜した4ケあるいは5ケの傾斜パネルを並列状にして周壁の平断面形状を角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは正五角形状とした傾斜パネル領域を備え
傾斜パネル領域の周壁が上端及び下端から中央高さ位置に向けて緩やかに縮径する構成とする、
と云うものである。
上記した構成は、胴部上半部と下半部とを有し
一方円筒状領域を備えてシュリンクラベルの外装による表示や装飾機能を十分にかつ明確に発揮させる領域をなし、他方傾斜パネル領域を備えて減圧吸収機能と内容液の凍結時における体積増加吸収機能を十分に発揮させる領域をなし、それぞれの領域で機能を分担させようとしたものである。
円筒状領域では減圧時にも、内容液の凍結時にも周壁の平断面形状は変形することなく円形で一定の形状が保持されるため、外装されるシュリンクフィルムには、皺やズレの発生がないので、装飾的な美観を十分に発揮させることは勿論、
凍結時にも周壁の膨張はなく、シュリンクフィルムが伸び変形することもないのでバーコード等の表示機能を、損なうことなく明確に発揮させることができる。
また、4ケあるいは5ケの傾斜パネルを並列状にした傾斜パネル領域の平断面形状は角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは五角形状であるが、壜体の軸線に対して一定方向に傾斜して4ケあるいは5ケの傾斜パネルが配設されるため、円筒状部と四角筒状部あるいは五角筒状部を継ぎ足したような違和感を与えることなく、肩部や底部も含めて全体として丸形壜体としての外観を現出させることができる。
そして、減圧時には傾斜パネル領域で、各傾斜パネルが陥没状に変形し、さらに周壁が捻れ変形すると共に縮径変形するため、この陥没状の変形と縮径変形により減圧吸収機能が十分に発揮される。
一方、内容液が凍結する際には傾斜パネル領域の周壁は、その平断面形状の周長を一定に保持しながら角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは五角形状から円形状に変形し、平断面の面積が増加し、体積増加吸収機能が発揮される。
ここで、胴部の任意の高さにおける平断面積Saとこの平断面の周長と同じ長さの周長を有する真円の面積Scの比(Sc/Sa)であるRs値を指標とすることにより、胴部の周壁の変形によりどの程度の体積増加吸収機能が発揮されるかを予測することができる。
すなわち、このRs値は平断面形状が真円形であれば1であり、たとえばRs値が1.2であれば真円形に変形させることにより面積が1.2倍になることが予測され、この値を目安にしてどの程度、内容液の凍結による体積増加分を吸収できるかを予測することができ、
内容液の充填時のヘッドスペースによる吸収機能も考慮しながら、前述した凍結時の内容液の体積増加、1.09倍を吸収できるように、Rs値を目安に胴部全体の断面形状を設計することが可能となる。
正多角形についてRs値を算出すると、正3角形は1.62、正4角形は1.27、正5角形は1.16、正6角形は1.08、正8角形は1.05である。
勿論、実際の壜体では、その断面形状や周壁の肉厚の分布の影響により、自由な変形が制約されるので、上記の幾何学的に算出された値から予測されるよりも体積増加吸収機能を低く見積もる必要があるし、外観状の美観という点からどの程度まで膨出変形が許容されるのかを考慮する必要もある。
そして、本発明の上記主たる構成についてみると、円筒状領域のRs値は1で体積増加吸収機能を発揮させることができないが、
傾斜パネル領域を4ケあるいは5ケの傾斜パネルを並列状に配設して周壁を形成し、その平断面形状を正四角形状あるいは正五角形状とすることにより、Rs値を上記したように1.27あるいは1.16と十分大きくすることができ、円筒状領域を除く限られた領域、さらには変形に係る制約を考慮しても、内容液を凍結した場合の1.09倍と云う体積増加に対して、十分に体積増加吸収機能を発揮させることができる。
なお、円筒状領域と傾斜パネル領域の配設位置や、高さ幅についてはシュリンクラベルによる外装領域、必要とされる減圧吸収機能と体積増加吸収機能、さらには壜体としての全体的な外観デザイン性等を考慮して適宜選択することができる。
また上記構成で、上半部と下半部は、上下それぞれ1/2の領域を指すものではなく、単に上下に分割した上部と下部を指すものである。
正四角形や正五角形以外の正多角形状の平断面形状についてみると、たとえば平断面形状を正八角形とした場合のRs値は1.05、正6角形とした場合のRs値は1.08と1.09に比較して小さく、円筒状領域を十分な高さ範囲で配設することが困難となる。
一方、正三角形にするとRs値を1.62と大きくすることできるが、円筒状領域との組み合わせで形状的な違和感が大きくなるし、また壜体の容量が小さくなってしまうと云う問題がある。
また、平断面形状が3角形であると、減圧時、周壁の陥没変形に係る変形の自由度が小さく、減圧吸収機能を十分に発揮させることができなくなる、と云う問題もある。
なお、シュリンクフィルムは円筒状領域を含む円筒状領域近傍だけに外装することもできるし、円筒状領域と傾斜パネル領域を含む胴部の全高さ範囲に亘って外装することも可能である。
前述したように、傾斜パネル領域の平断面形状は角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは五角形状で、平断面でみるとシュリンクフィルムはこの角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは五角形状の形状に沿って略密着状に外装されるので、内容液が凍結する際、傾斜領域の周壁が角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは五角形状からその周長を保持しながら円形状に変形するのに伴って、シュリンクフィルムも変形するため、シュリンクフィルムに引張り応力が作用したりすることもなく、その破断を心配する必要はない。
さらに、角部を円弧状に角取りしたことにより、内容液の凍結時に平断面形状をスムーズに円形状に向かって変形させることができ、体積増加吸収機能をよりスムーズに発揮させることができ、周壁の歪な膨出変形を抑制することができる。
また、内容液の凍結時における周壁の膨張変形に際して、傾斜パネル領域の、変形に対する拘束力の作用が小さい中央高さ位置で変形が大きくなり、傾斜パネル領域がビア樽状になり易く、外観を損なう恐れがあるが、
傾斜パネル領域の周壁が上端及び下端から中央高さ位置に向けて緩やかに縮径する構成とし、中央高さ位置を予め縮径しておくことにより、このような外観の低下を抑制することが可能となる。
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、上半部円筒状領域を、下半部傾斜パネル領域を備える、と云うものである。
上記構成は、円筒状領域と傾斜パネル領域の配設位置に係るもので、円筒状領域を上半分に配設することにより、円筒状領域と有底短円筒状の底部で傾斜パネル領域を挟むことにより、壜体全体を丸形壜体として違和感のない外観とすることができる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
すなわち本発明の主たる構成を有する合成樹脂製壜体にあっては、
一方円筒状領域を備えてシュリンクラベルの外装による表示や装飾機能を十分にかつ明確に発揮させる領域をなし、他方傾斜パネル領域を備えて減圧吸収機能と内容液の凍結時における体積増加吸収機能を発揮させる領域をなし、それぞれの領域で機能を分担させようとしたものであり、
円筒状領域では減圧時にも内容液の凍結中にも周壁の平断面形状は変形することなく円形で一定の形状が保持されるため、外装されるシュリンクフィルムに皺やズレの発生がないので、装飾的な美観を十分に発揮させることは勿論、凍結時にも周壁の膨張はなく、シュリンクフィルムが伸び変形することもないのでバーコード等の表示機能を、損なうことなく明確に発揮させることができる。
また、4ケあるいは5ケの傾斜パネルを並列状にした傾斜パネル領域の平断面形状は角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは正五角形状であるが、壜体の軸線に対して一定方向に傾斜して4ケあるいは5ケの傾斜パネルが配設されるため、円筒状部と四角筒状部あるいは五角筒状部を継ぎ足したような違和感を与えることなく、肩部や底部も含めて全体として丸形壜体としての外観を現出させることができる。
そして、減圧時には傾斜パネル領域で、各傾斜パネルが陥没状に変形し、さらに周壁が捻れ変形すると共に縮径変形するため、この陥没状の変形と縮径変形により減圧吸収機能が十分に発揮され、一方、内容液が凍結する際には傾斜パネル領域の周壁の平断面形状が周長を一定に保持しながら角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは五角形状から円形状に変形し、平断面の面積が増加し、十分な体積増加吸収機能が発揮される。
本発明の壜体の一実施例を示す全体正面図である。 図1の壜体の全体側面図である。 図1中の(a)はA−A線、(b)はB−B線、(c)はC−C線に沿って示す平断面図である。 図1の壜体の底面図である。 図1中のC−C線に沿った平断面で、(a)は減圧時の、(b)は凍結時の周壁の変形の態様を示す概略説明図である。 従来例の壜体を示す全体正面図である。 図6の壜体の、図6中のD−D線に沿って示す平断面図である。
以下、本発明の実施形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1〜図4は本発明の合成樹脂製壜体の一実施例を示すものであり、図1は全体正面図、図2は側面図、図3は図1中のA−A線、B−B線、C−C線に沿って示す平断面図、図4は底面図である。なお、図3中の一点鎖線で示した円は胴部4の最外周面を示している。
本実施例の壜体1は、PET樹脂製の2軸延伸ブロー成形品で、口筒部2、テーパー筒状の肩部3、円筒状の胴部4、そして底部5から構成され、全高さが215mm、胴部4の最大径が68mm、通称容量が500mlのものである。
胴部4の形状は大きく上半部と下半部に分けることができ、上半部周壁を円筒状とした円筒状領域Pcを備えており、この円筒状領域Pcには周リブとしての機能を発揮する周溝13が3ケ形成されている。
また下半部、壜体1の中心軸Axに対して、左下下がり状に傾斜した4ケの傾斜パネル11を、等中心角度で周方向に並列状にして周壁を構成している傾斜パネル領域Psを備えており、この傾斜パネル領域Psの下方には、周溝7をした短円筒部6を備え、さらに有底短円筒状の底部5に連結している。
そして、円筒状領域Pcと短円筒部6や有底円筒状の底部5で傾斜パネル領域Psを上下から挟むことにより、全体として違和感無く、丸形壜体としての外観としている。
図3(b)、(c)に示すように傾斜パネル領域Psの平断面形状は正四角形状で、角部12を円弧状に角取りした形状としている。
また、傾斜パネル領域Psの上端及び下端から中央高さ位置に向けて緩やかに縮径する構成としている。
なお、本実施例の壜体1の胴部4の高さ寸法は157mmで、そのうち円筒状領域Pcは45mm、傾斜パネル領域Psは86mmで、円筒状領域Pcおよび傾斜パネル領域Psは、それぞれ胴部4の29%、55%程度の高さ範囲としている。
また図1の正面図で、傾斜パネル領域Psの上端および下端の横幅は62mm、中央高さ位置であるC−C線の高さ位置での横幅は46mmである。
図1では肩部3の下端から円筒状領域Pcの下端にかけての高さ範囲をシュリンクフィルム21で外装した状態を示しているが、このようにシュリンクフィルム21で外装した本実施例の壜体1に内容液として水を90℃前後の温度で高温充填し、キャップをして密封後、室温まで冷却し、さらに正立状態で−20℃の冷凍庫内に入れて中の水を凍結させる試験を行なった。
なお、20℃でのヘッドスペースが17mlになるように水を充填した。凍結時にはこのヘッドスペースの圧縮により水の体積増加の一部を吸収することが可能であるが、勿論、ヘッドスペースを大きくすると内容液が十分に充填されていない商品になってしまうので、ヘッドスペースによる体積増加吸収機能については自ずとその限界がある。
ここで図5は、図1中のC−C線に沿った平断面、すなわち傾斜パネル領域Psの最も縮径した中央高さ位置での平断面での周壁の変形の態様を示す概略説明図で、図5(a)は高温充填後、20℃まで冷却して壜体1が減圧した状態での変形態様を示す。
この図5(a)に示されるように、減圧度が上昇するに従ってまず角部12を起点として傾斜パネル11が図中の白抜き矢印の方向に陥没状に変形し、さらにこの陥没状の変形の進行に伴って、傾斜パネル領域Psで周壁が図中、黒塗り矢印印の方向に捻り変形しその結果、縮径変形する。
そしてこの陥没状の変形と縮径変形により、図中二点鎖線で示される変形態様となり、減圧吸収機能が十分に発揮される。
また、円筒状領域Pcでは、周溝13の作用効果も相俟って減圧による周壁の局部的な陥没変形はなく、円筒状の形状が保持され、シュリンクフィルム21での伸び変形の発生はなく、また皺やズレの発生も見られなかった。
一方、図5(b)は水が凍結した際の体積増加に伴う変形態様を示す概略説明図である。図中、元の平断面形状である正四角形と同じ周長を有する円を二点鎖線で示したが、凍結による体積増加に伴って、図中白抜き矢印に示したように正四角形状の平断面形状が、二点鎖線で示した円に向かうように膨出状に変形する。
この際、本実施例では正四角形の角部12を、二点鎖線で示した円の半径に近い曲率半径の円弧で角取りした形状とした点も相俟って、正四角形から円形に向かって周壁をスムーズに変形させることができた。
また、本実施例の壜体では、傾斜パネル領域Psの上端および下端から周壁の変形がもっとも進行し易い中央高さ位置に向かって緩やかに縮径する構成としており、膨出変形を目立たないようにすることが出来ると共に、変形を中央高さ位置から上端および下端に向けてスムーズに進行させることができた。
そして、傾斜パネル領域Psを変形のない円筒状領域Pcと短円筒部6や有底短円筒状の底部5で上下から挟むことにより、凍結時における膨出変形を目立たなくすることができ、凍結に伴う膨出変形により商品性を損なうこともなかった。
ここで、前述したように正四角形のRs値は1.27であり、図5(b)中、実線で示される正四角形はその周長を保持しながら、二点鎖線で示される円形にまで変形することができ、その平断面の面積は最大で1.27倍にまで大きくなる。従って、傾斜パネル領域Psの高さ寸法が胴部4の55%程度であることや、傾斜パネル領域Psの上端部や下端部では傾斜パネル11の自由な変形が拘束されること等を考慮しても、凍結に伴う水の体積増加(1.09倍)を十分に吸収することができる。
なお、上記実施例では傾斜領域Psでの平断面形状を正四角形状としたが、正五角形の場合も前述したようにそのRs値は1.16と十分大きな値を有しているので、5ケの傾斜パネル11を、等中心角度で周方向に並列状にして周壁を構成してその平断面形状を正五角形状とすることもできる
因みに、6ケの傾斜パネルで傾斜パネル領域Psの周壁を形成する場合には、その平断面形状が正6角形状となるが、正6角形の場合そのRs値は1.08で、胴部4の全高さ範囲を傾斜パネル領域Psとし、ヘッドスペースでの吸収機能を考慮すると、なんとか凍結による体積増加に見合う変形を吸収することは可能ではあるが、本発明の壜体のようにシュリンクフィルム21による装飾機能や表示機能を十分に発揮させるために、円筒状領域Pcを配設する場合は、その体積増加吸収機能は不十分になってしまう。
以上、実施例に沿って本発明の合成樹脂製壜体の実施の形態、およびその作用効果を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
たとえば、本発明の壜体はPET樹脂製の2軸延伸ブロー成形品に限定されることなく、従来から一般的に使用されているポロプロピレン樹脂製等の他の合成樹脂製のものとすることができる。
また、本実施例では円筒状領域Pc近傍だけをシュリンクフィルムで外装する例を示したが、傾斜パネル領域Psも含めて胴部の全高さを外装する構成とすることもできる。
この場合もシュリンクフィルムでの伸び変形の発生や、皺やズレの発生に大きく影響されるバーコード等の表示は円筒状領域Pcに配設すればよい。
また、胴部の全高さに対する、円筒状領域Pcあるいは傾斜パネル領域Psの高さの割合は、シュリンクフィルムの外装範囲、要求される減圧吸収機能や体積増加吸収機能、壜体の剛性や座屈強度、そして外観デザイン等を考慮し、適宜選択することができる。
また、本実施例とは逆に上半部傾斜パネル領域Psを、下半部円筒状領域Pcを備えた胴部とすることも可能である。
以上説明したように本発明の合成樹脂製壜体は、水を主成分とした内容液の凍結において、体積の増加を十分吸収し、シュリンクフィルムを外装した場合でもその装飾や表示機能を高品位かつ十分に発揮させることができるものであり、内容液を凍結して使用する用途での幅広い使用が期待される。
1、101;壜体
2、102;口筒部
3、103;肩部
4、104;胴部
5、105;底部
6 ;短円筒部
7、107;周溝
11;傾斜パネル
12;角部
13;周溝
21;シュリンクフィルム
111;減圧吸収パネル
Ax;中心軸
Pc;円筒領域
Ps;傾斜領域

Claims (2)

  1. 口筒部(2)、筒状の胴部(4)、そして底部(5)を有する合成樹脂製壜体であって、前記胴部(4)上半部と下半部とを有し、一方周壁を円筒状とした円筒状領域(Pc)を備え、他方前記壜体の中心軸(Ax)に対して一定方向に傾斜した4ケあるいは5ケの傾斜パネル(11)を並列状にして周壁の平断面形状を角部を円弧状に角取りした正四角形状あるいは正五角形状とした傾斜パネル領域(Ps)を備え、該傾斜パネル領域(Ps)の周壁が上端及び下端から中央高さ位置に向けて緩やかに縮径する構成としたことを特徴とする水を主成分とした内容液を凍結させて使用する用途向けの合成樹脂製壜体。
  2. 上半部円筒状領域(Pc)を、下半部傾斜パネル領域(Ps)を備えた請求項1記載の合成樹脂製壜体。
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