JP5949573B2 - 物理量センサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、センシング部を備えた物理量センサの製造方法に関する。
従来より、支持基板であるダイヤフラムの一面側に、第1絶縁膜、物理量を検出するための抵抗体、第2絶縁膜が順次成膜されて形成されたセンシング部を有する半導体装置及びその製造方法が、例えば特許文献1で提案されている。具体的には、抵抗体が各絶縁膜で挟まれてサンドイッチ状の薄膜部が形成されている。そして、抵抗体のセンシング感度を向上させるために、薄膜部の裏面すなわち第1絶縁膜側の面の一部が露出するようにダイヤフラムの一部が除去された構造が提案されている。
上記の構造の半導体装置は次のように製造する。まず、ダイヤフラムとなる半導体ウェハを用意し、半導体ウェハの一面に第1絶縁膜を成膜する。次に、第1絶縁膜の上に、抵抗体の元となる導電薄膜を成膜し、この導電薄膜をエッチングしてパターニングすることにより、抵抗体を形成する。そして、抵抗体の上に第2絶縁膜を成膜する。このようにして、上記のサンドイッチ状の薄膜部を形成する。なお、抵抗体と外部とを電気的に接続するためのパッド等の形成は第2絶縁膜の成膜後に行う。
続いて、半導体ウェハの他面を研磨して薄肉化するバックポリッシュ工程を行う。また、研磨後の半導体ウェハの他面に対して保護膜を成膜する。この後、保護膜の開口部を介して半導体ウェハに対して異方性エッチングを行うことにより半導体ウェハの一部を除去し、ダイヤフラムを形成する。なお、ダイヤフラムを形成した後は半導体ウェハの他面の保護膜は不要となるので、ドライエッチング等で除去する。こうして上述の構造が完成する。
特開2001−153708号公報
しかしながら、上記従来の技術では、半導体ウェハの一面側に第2絶縁膜を成膜した後、半導体ウェハの他面を研磨して薄膜化しているので、第2絶縁膜の膜応力と半導体ウェハの応力との応力差が大きくなり、半導体ウェハに反りが発生してしまう。このため、物理量を検出するための抵抗体の特性変化が起こってしまうという問題がある。
本発明は上記点に鑑み、物理量を検出するための抵抗体の特性変化を抑えることができる構造を有する物理量センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、まず、基板(21)の表面(21a)に表面構造(22)が形成されたものを用意する(準備工程)。また、表面構造(22)の上の表面側保護膜(23)と、基板(21)の裏面(21b)の上の裏面側保護膜(24)と、を同時に形成する(保護膜同時形成工程)。この後、表面側保護膜(23)及び表面構造(22)の一部をエッチングして抵抗体(27)の一部を露出させ、抵抗体(27)の上にAlの金属膜を成膜する(コンタクト形成工程)。
続いて、裏面側保護膜(24)のうち溝部(21c)に対応する部分に基板(21)の裏面(21b)が露出する開口部(24a)を形成する(開口部形成工程)。この後、開口部(24a)が形成された裏面側保護膜(24)をマスクとして、基板(21)をエッチングすることにより基板(21)に溝部(21c)を形成(エッチング工程)することを特徴とする。
このように、基板(21)の表面(21a)側の表面側保護膜(23)と裏面(21b)側の裏面側保護膜(24)とを同時に形成しているので、基板(21)の表面(21a)側及び裏面(21b)側の各保護膜(23、24)の膜応力が同等になる。このため、基板(21)の表面(21a)側と裏面(21b)側との膜応力の差を低減できると共に膜応力の差に起因した基板(21)の反りを抑制することができる。したがって、物理量を検出するための抵抗体(27)の特性変化を抑えることができる構造を有する物理量センサを製造することができる。
また、保護膜同時形成工程では、表面側保護膜(23)及び裏面側保護膜(24)として、低応力窒化膜を750℃以上900℃以下の温度で成膜することを特徴とする。これによると、表面側保護膜(23)及び裏面側保護膜(24)の膜応力自体が低減されるので、基板(21)及び表面構造(22)の反りがさらに抑制される。したがって、抵抗体(27)の特性変化を抑制できる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る流量センサの平面図である。 図1のII−II断面図である。 図1及び図2に示された流量センサの製造工程を示した図である。 図3に続く製造工程を示した図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサチップの断面図である。 本発明の第4実施形態に係るセンサチップの断面図である。 本発明の第5実施形態に係るセンサチップの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る流量センサは、モールド樹脂10と、センサチップ20と、チップ接着剤30と、ワイヤ40と、保護剤50と、を備えて構成されている。
モールド樹脂10は流量センサの母体となるものであり、図2に示されるように上面11とこの上面11の一部が凹んだ凹部12とを有している。上面11は図示しないリードフレーム等が設けられた面である。また、凹部12はセンサチップ20が配置される部分である。モールド樹脂10は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)やエポキシ系樹脂がモールド成形されたものである。
センサチップ20は、流体の流量を検出するように構成された板状の部品である。センサチップ20は、基板21と、表面構造22と、表面側保護膜23と、裏面側保護膜24と、パッド25と、備えて構成されている。
基板21は、表面21a及び裏面21bを有する共にセンサチップ20の母体となるものである。基板21は例えばシリコン基板から形成されており、厚みは例えば500μmである。基板21は当該基板21のうちの所定の場所が貫通する溝部21cを有している。
表面構造22は、基板21の表面に形成された膜構造であり、第1酸化膜26、抵抗体27、及び第2酸化膜28を備えている。第1酸化膜26、抵抗体27、及び第2酸化膜28のうち、基板21の溝部21cに対応する部分は基板21から浮いた薄いメンブレン22aとなっている。
第1酸化膜26は基板21の表面21aに形成された酸化膜であり、例えばSiO2である。第1酸化膜26は基板21と抵抗体27とを絶縁する役割を果たす。第1酸化膜26の厚みは例えば0.5μmである。
抵抗体27は、流体の流量を検出するための抵抗や配線のパターンである。抵抗体27は第1酸化膜26の上に形成されている。具体的には、抵抗体27は、図示しないヒータ抵抗、環境温度を測定するための測温抵抗、及び配線から構成されている。ヒータ抵抗及び測温抵抗は、上述の基板21の溝部21cに対応する部分に位置している。測温抵抗には、ヒータ抵抗の発熱温度をモニタするモニタ抵抗と、ヒータ抵抗の上下流の温度を検出する温度抵抗と、がある。ヒータ抵抗の発熱温度は、モニタ抵抗により一定の発熱温度になるように制御される。また、ヒータ抵抗の上下流にそれぞれ配置された測温抵抗でブリッジ回路が構成されており、ヒータ抵抗の上下流の温度差によりブリッジ回路の出力が変化し、メンブレン22aの上方に流れる流体の流量が検出されるようになっている。
センサチップ20において、ブリッジ回路が形成された部位がセンシング部22bに該当する。このセンシング部22bが抵抗体27のうち基板21に形成された溝部21cに対応する部分であり、この部分が物理量である流体の流量を検出するように機能する。
そして、抵抗体27は、図1に示されるセンサチップ20の短軸方向の中心を通ると共に長軸方向に沿った図示しない中心線に対して線対称となるようにパターニングされている。抵抗体27としては、半導体層、ポリシリコン、プラチナ(Pt)等の500℃以上の高温にも耐えられる材料が採用されている。
第2酸化膜28は、抵抗体27を覆うように第1酸化膜26の上に形成された酸化膜である。第2酸化膜28は抵抗体27を保護する役割を果たす。第2酸化膜28の厚みは例えば0.6μmである。
表面側保護膜23は、表面構造22を保護するために表面構造22の上に形成された保護膜である。表面側保護膜23は、例えば窒化ケイ素(SiN)で形成された窒化膜である。表面側保護膜23には第1酸化膜26及び第2酸化膜28よりも強い引っ張り応力が発生する。表面側保護膜23の厚みは例えば1μmである。
裏面側保護膜24は、基板21の裏面21bに形成された保護膜である。裏面側保護膜24は基板21の裏面21bのうち溝部21cに対応する部分に開口部24aを有している。また、裏面側保護膜24は表面側保護膜23と同時に形成された窒化膜である。すなわち、裏面側保護膜24は、表面側保護膜23が当該表面側保護膜23の膜応力によって基板21及び表面構造22に発生させる反りを相殺する役割を果たす。つまり、裏面側保護膜24は、当該反りを相殺する膜応力を有している。したがって、裏面側保護膜24の材質や厚みは表面側保護膜23と同じである。
パッド25は、抵抗体27と外部とを電気的に接続するための接続部である。パッド25は、抵抗体27のうち基板21の溝部21cとは反対側の一部が露出するように第2酸化膜28及び表面側保護膜23の一部が開口した場所に抵抗体27に接するように形成されている。また、パッド25は抵抗体27のパターンに応じて複数設けられている。パッド25の材質は例えばアルミニウム(Al)である。
チップ接着剤30は、センサチップ20のパッド25側がモールド樹脂10の上面11側に位置するようにセンサチップ20をモールド樹脂10の凹部12の底面に固定するための固定部材である。チップ接着剤30は裏面側保護膜24とモールド樹脂10とを接着している。
ワイヤ40は、パッド25とモールド樹脂10に設けられたリードフレーム等の配線部品とを電気的に接続するための配線部材である。
保護剤50は、ワイヤ40及びワイヤ40の接続部を保護する樹脂部材である。保護剤50は、センサチップ20のメンブレン22aに接触しないように、表面側保護膜23の一部、パッド25とワイヤ40との接続部、ワイヤ40、ワイヤ40とモールド樹脂10のリードフレーム等との接続部を封止している。保護剤50として、例えばエポキシ系樹脂が採用される。
以上が、本実施形態に係る流量センサの構成である。流量センサは、外部からの指令に従ってセンサチップ20のヒータ抵抗に通電し、加熱する。そして、流量に応じて上述のブリッジ回路の中点電位差が変化するので、この中点電位差を外部に出力する。出力信号を取得した外部機器は、出力信号を増幅及び特性補正し、流量のデータを取得する。
次に、図1及び図2に示された流量センサの製造方法について、図3及び図4を参照して説明する。まず、図3(a)に示す工程では、両面ミラーの基板21を用意する。基板21は、シリコンからなる半導体ウェハ等の原石であると共に既に500μmの厚みに薄膜化されている。基板21の表面21a及び裏面21bが両面ミラーになっているので、基板21の表面21a及び裏面21bに対する処理が精度良く行える。また、図3(b)に示す工程では、熱酸化等の方法により、基板21の表面21aに0.5μmの厚みのSiO2の第1酸化膜26を形成する。
一方、図3(a)及び図3(b)とは異なり、図3(c)に示す工程では、SOI基板60を用意する。SOI基板60は、基板21の表面21aに第1酸化膜26としてBOX酸化膜が形成され、このBOX酸化膜の上にシリコン等の半導体層61が形成されたものである。SOI基板60はいわゆるSOIウェハである。SOI基板60を構成する基板21の厚みは既に500μmの厚みに薄膜化されており、裏面21bも研磨されている。また、図3(d)に示す工程では、半導体層61の上方からリン(P)等のイオン注入を行う。これにより、半導体層61を導体層62に変化させる。
図3(e)に示す工程では、抵抗体27を形成する。具体的には、図3(a)及び図3(b)の工程を行った場合、第1酸化膜26の上にスパッタ等の方法により金属層を形成し、ドライエッチングまたはウェットエッチングによりパターニングする。一方、図3(c)及び図3(d)の工程を行った場合、導体層62をドライエッチングまたはウェットエッチングによりパターニングする。こうして、所定のパターンの抵抗体27を形成する。
この後、図3(f)に示す工程では、スパッタ等の方法により抵抗体27及び第1酸化膜26の上に0.6μmの厚みのSiO2の第2酸化膜28を形成する。こうして、基板21の表面21aに表面構造22を形成する。
なお、図3(a)〜図3(f)に示された工程すなわち基板21の表面21aに表面構造22が形成されたものを用意する工程が準備工程である。
続いて、図4(a)に示す工程では、表面側保護膜23及び裏面側保護膜24を同時に形成する保護膜同時形成工程を行う。具体的には、基板21の表面21a側の表面構造22の上に表面側保護膜23を、及び、基板21の裏面21bの上に裏面側保護膜24を、スパッタやCVDの方法により同時に形成する。
表面側保護膜23及び裏面側保護膜24としてシリコン窒化膜(SiN)を形成する。各保護膜23、24を同時に形成するので、材料はもちろんのこと、厚みや膜応力も同等の膜を形成することとなる。このため、表面側保護膜23の膜応力が基板21の表面21a側に作用することにより基板21及び表面構造22を反らせようとしても、裏面側保護膜24の膜応力が基板21の裏面21bに作用することにより上記の反りが相殺される。ウェハのサイズは大きいので膜応力による反りが顕著に表れるが、本工程で表面側保護膜23及び裏面側保護膜24を同時に形成することによりウェハの表裏面で各保護膜23、24の膜応力が相殺されるので、ウェハの反りが抑制される。このため、センシング部22bとして機能する抵抗体27の特性が基板21の反りによって変化してしまうことを抑えることができる。
なお、表面側保護膜23を形成する前に基板21の表面21aには表面構造22を形成してあるが、SiO2等からなる表面構造22の膜応力は窒化膜である表面側保護膜23及び裏面側保護膜24の膜応力に対して一桁以上も小さい。このように、表面構造22は基板21を反らせるほどの膜応力を有していないので、表面構造22の膜応力は問題にならない。
図4(b)に示す工程では、抵抗体27と外部とを電気的に接続するためのパッド25を形成するコンタクト形成工程を行う。これは、表面側保護膜23、第2酸化膜28の順にこれらの一部をドライエッチングまたはウェットエッチングして抵抗体27の一部を露出させる。また、アルミニウム(Al)等の金属膜をスパッタや蒸着等の方法により抵抗体27、第2酸化膜28、及び表面側保護膜23の上に成膜する。そして、当該金属膜をパッド25の形状にウェットエッチングによりパターニングする。このようにしてパッド25を形成する。
この後、図4(c)に示す工程では、裏面側保護膜24に開口部24aを形成する開口部形成工程を行う。本工程では、裏面側保護膜24のうち溝部21cに対応する部分を基板21の裏面21bが露出するように例えばフォトエッチングの方法によって開口する。
そして、図4(d)に示す工程では、開口部24aが設けられた裏面側保護膜24をマスクとして、KOH等のエッチング液で基板21の裏面21b側をウェットエッチングすることにより基板21に溝部21cを形成するエッチング工程を行う。上述のように基板21の裏面21bはミラー面になっているので、基板21のエッチング方向がずれることはない。このエッチングにより、第1酸化膜26、抵抗体27、第2酸化膜28、及び表面側保護膜23のうち溝部21cに対応する部分にメンブレン22aを形成する。また、ウェハを個々のセンサチップ20にダイシングカットする。こうして、センサチップ20が完成する。
この後、モールド樹脂10を用意し、チップ接着剤30を介してセンサチップ20をモールド樹脂10の凹部12に固定する実装工程を行う。また、センサチップ20のパッド25とモールド樹脂10の上面11のリードフレーム等とをワイヤ40で接続するワイヤボンディング工程を行う。最後に、センサチップ20のメンブレン22aを露出させると共にワイヤ40、ワイヤ40とパッド25との接続部、ワイヤ40とリードフレーム等との接続部を封止するように保護剤50を形成する。このようにして、流量センサが完成する。
以上説明したように、本実施形態では、表面構造22の上の表面側保護膜23と、基板21の裏面21bの上の裏面側保護膜24と、を同時に形成していることが特徴となっている。このため、基板21の表面21a側及び裏面21b側の各保護膜23、24の膜応力が同等になるので、基板21の表面21a側と裏面21b側との膜応力の差を低減することができる。すなわち、基板21に対する各保護膜23、24の膜応力が緩和されるので、膜応力の差に起因した基板21の反りを抑制することができる。したがって、当該基板21の反りに起因した抵抗体27のピエゾ抵抗効果による特性変化を抑えることができる。
また、基板21及び表面構造22の反りが抑制されるので、センサチップ20の裏面21bの平面度を確保することができる。このため、モールド樹脂10に対してセンサチップ20を実装したときに、モールド樹脂10の凹部12の底面と裏面側保護膜24との間に基板21の反りによる隙間が生じることはない。したがって、センサチップ20の実装強度を確保することができる。
特に、図1に示されるように、物理量センサが流量センサとして構成されているセンサチップ20は、流量センサの特性上、チップ形状が長方形になるので、長軸方向の反りの影響が顕著となる。しかし、上述のように、抵抗体27のピエゾ抵抗効果による特性変動が抑えられるので、センサチップ20の形状に基づく反りの影響を低減することができる。
さらに、センサチップ20の製造時には予め薄肉したウェハを用いている。このため、ウェハの裏面を研磨するバックポリッシュ工程と、表面側保護膜23とは別に裏面側保護膜24を単独で形成する裏面側保護膜成膜工程と、を省くことができる。したがって、工程コストを低減することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、図4(a)に示す保護膜同時形成工程において、表面側保護膜23及び裏面側保護膜24として、低応力窒化膜を750℃以上900℃以下の温度で成膜する。窒化膜の組成比はSi34の組成比が通常であるが、低応力窒化膜の組成比はガス流量比に応じて多少異なっている。
このように表面側保護膜23及び裏面側保護膜24として低応力窒化膜を形成することにより、表面側保護膜23及び裏面側保護膜24が有する膜応力自体を低減することができる。したがって、基板21及び表面構造22の反りがさらに抑制されるので、抵抗体27の特性変化を抑制できる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。図5に示されるように、センサチップ20は、基板21の裏面21bと裏面側保護膜24との間に裏面構造29を有している。裏面構造29は、溝部21cに対応する部分が開口していると共に、表面構造22と膜構成が同じ構造である。
具体的には、裏面構造29は、基板21の裏面21bに形成された第3酸化膜29aと、この第1酸化膜26の上に形成された抵抗層29bと、抵抗層29bの上に形成された第4酸化膜29cと、を備えて構成されている。そして、裏面側保護膜24は、基板21の裏面21b側に形成されていると共に、この裏面構造29すなわち第4酸化膜29cの上に形成されている。
第3酸化膜29aは、基板21の表面21aに形成された第1酸化膜26と同時に形成された酸化膜である。また、抵抗層29bは第1酸化膜26の上に抵抗体27と同時に形成された層である。さらに、第4酸化膜29cは第2酸化膜28と同時に形成された酸化膜である。
このように、基板21の表面21aから順に形成された膜の構成と、基板21の裏面21bから順に形成された膜の構成と、が全く同じである。すなわち、基板21の表面21a側及び裏面21b側において、膜構成が完全にシンメトリックになっている。このため、当然、基板21の表面21a側の膜構成によって発生する膜応力と基板21の裏面21b側の膜構成によって発生する膜応力とが完全にシンメトリックとなる。
以上により、基板21の反りを抑制することができ、ひいては抵抗体27の特性変化を完全に抑えることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、図6に示されるように、図5の構造に対して第2酸化膜28及び第4酸化膜29cが形成されていない構造である。
このように、表面構造22は第2酸化膜28を有していない構成とすることができる。これに伴い、表面構造22と膜構成が同じ裏面構造29も第4酸化膜29cを有していない構成となる。表面側保護膜23は第1酸化膜26及び抵抗体27を覆うように形成され、裏面側保護膜24は抵抗層29bの上に形成されている。以上のように、表面構造22の膜構成に応じて裏面構造29の膜構成を同じにすることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分について説明する。図7に示されるように、基板21の表面21aに表面構造22が形成され、この表面構造22の上に表面側保護膜23が形成されている。また、基板21の裏面21bに裏面構造29が形成され、この裏面構造29が形成されている。そして、表面構造22及び表面側保護膜23によって構成された表面構成膜の膜応力と、裏面構造29及び裏面側保護膜24によって構成された裏面構成膜の膜応力と、が同じになっている。
表面構造22及び裏面構造29はそれぞれ単層または複数層のいずれかによって構成されている。ここで、裏面構造29及び裏面側保護膜24は、表面構造22及び表面側保護膜23と同じ工程で形成しても良いし、表面構造22を形成した後に膜応力を調整した裏面構造29を形成しても良い。以上により、基板21の反りを抑制でき、ひいては抵抗体27の特性変化を抑制できる。なお、図7ではパッド25を省略している。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された流量センサの構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、センシング部22bは流体の流量を検出するように構成されているが、圧力等の他の物理量を検出するように構成されていても良い。
また、第1実施形態に係る構成において、本実施形態と同様に、表面構造22が第1酸化膜26と抵抗体27とで構成されていても良い。この場合、第1酸化膜26及び抵抗体27の上に表面側保護膜23が形成される。
さらに、表面側保護膜23及び裏面側保護膜24は、窒化膜に限らず、酸化膜等の他の材料で形成された膜でも良い。第2実施形態で示された低応力窒化膜を第3〜第5実施形態で示された各構成に採用しても良い。
21 基板
21a 基板の表面
21b 基板の裏面
21c 溝部
22 表面構造
22b センシング部
23 表面側保護膜
24 裏面側保護膜
24a 開口部
27 抵抗体

Claims (1)

  1. 基板(21)の表面(21a)に抵抗体(27)を含んだ表面構造(22)が形成されており、前記抵抗体(27)のうち前記基板(21)に形成された溝部(21c)に対応する部分が物理量を検出するセンシング部(22b)として機能するように構成された物理量センサの製造方法であって、
    前記基板(21)の表面(21a)に前記表面構造(22)が形成されたものを用意する準備工程と、
    前記表面構造(22)の上の表面側保護膜(23)と、前記基板(21)の裏面(21b)の上の裏面側保護膜(24)と、を同時に形成する保護膜同時形成工程と、
    前記保護膜同時形成工程の後、前記表面側保護膜(23)及び前記表面構造(22)の一部をエッチングして前記抵抗体(27)の一部を露出させ、前記抵抗体(27)の上にAlの金属膜を成膜するコンタクト形成工程と、
    前記裏面側保護膜(24)のうち前記溝部(21c)に対応する部分に前記基板(21)の裏面(21b)が露出する開口部(24a)を形成する開口部形成工程と、
    前記開口部(24a)が形成された裏面側保護膜(24)をマスクとして、前記基板(21)をエッチングすることにより前記基板(21)に前記溝部(21c)を形成するエッチング工程と、
    を含んでおり、
    前記保護膜同時形成工程では、前記表面側保護膜(23)及び前記裏面側保護膜(24)として、低応力窒化膜を750℃以上900℃以下の温度で成膜することを特徴とする物理量センサの製造方法。
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