JP5949518B2 - 車両の側部車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車体前部の側部で上下方向に延びる閉断面からなるヒンジピラーと、該ヒンジピラーの下端に前端が連結されて、車両前後方向に延びるサイドシルと、前記ヒンジピラーの車両前方に配置される前輪とを備えた車両の側部車体構造に関する。
従来、車両前部の左右両端で車両前後方向に延びるフロントサイドフレームや、左右のフロントサイドフレームの前端部同士を連結するバンパーレインフォースメントが潰れることなく、衝突荷重が車両側方から車室内に入力される衝突モードが問題となっている。
この衝突モードは、スモールオーバーラップ衝突と呼ばれ、例えば、ポールのように車幅方向に広がりを備えていない障害物に車両前部の一端側が衝突した場合にスモールオーバーラップ衝突となる。
上述したスモールオーバーラップ衝突が発生すると、前記障害物が前輪を後退させることによって、該後輪が車体前部の側部に位置するヒンジピラーに衝突し、ヒンジピラーを車内方向へ変形させる虞があった。
ところで、下記特許文献1では、ヒンジピラーに相当するフロントピラーの下端とサイドシルとトーボード(ダッシュパネル)とを1つのガセットで連結したものが開示されている。下記特許文献1では、前記ガセットを設けることで、車両の側面衝突時におけるサイドシル、フロントピラーの内側への倒れ込み、およびトーボードの潰れ等を防止している。
また、下記特許文献2では、ヒンジピラーに相当するフロントピラーとサイドシルとの連結部を、側面視略L字状をなす補強部材により補強したものが開示されている。下記特許文献2では、前記補強部材を設けることで、車両の正面衝突時における衝突エネルギの吸収効率向上を図っており、その結果、前記連結部の変形を防止している。
しかしながら、下記特許文献1、2は、あくまでも、車両の側面衝突時、正面衝突時を想定した対策に過ぎないものであり、しかも、ヒンジピラー(フロントピラー)におけるガセット、補強部材の配設位置は、れもヒンジピラー下端のサイドシルとの連結部とされ、後退する前輪から荷重が入力される高さ位置から下方にずれた位置に設定されている。従って、下記特許文献1、2に開示された従来技術では、スモールオーバーラップ衝突時に前輪が後退することに起因する、ヒンジピラーの車内方向への変形を抑制することができなかった。
特開平8−26139号公報 特開平7−89450号公報
この発明は、衝突荷重が車両側方から車内方向に入力されるスモールオーバーラップ衝突時に前輪が後退することに起因する、ヒンジピラーの車内方向への変形を抑制することが可能な車両の側部車体構造を提供することを目的とする。
この発明による車両の側部車体構造は、車体前部の側部で上下方向に延びる閉断面からなるヒンジピラーと、前記閉断面の内壁に接合されたガセットと、前記ヒンジピラーの下端に前端が連結されて、車両前後方向に延びるサイドシルと、前記ヒンジピラーの車両前方に配置される前輪とを備えた車両の側部車体構造であって、前記ガセットが、前記前輪と対向するように配設された縦面部と、略水平に延びる横面部とを有するとともに、前記前輪の中心が、車両側面視で前記縦面部と車両上下方向に重なりを有し、前記横面部には、車両後方側ほど車外側に傾斜する傾斜部を有し、当該横面部単体に対して強度が高い高強度部が設けられたものである。
この構成によれば、車両のスモールオーバーラップ衝突によって後退する前輪がヒンジピラーに衝突した際、後退する前輪の荷重を縦面部によって受け止めた後、傾斜部より車外側の横面部を圧縮変形させてエネルギ吸収しつつ、前輪を傾斜部によって車外方向に誘導することができる。これにより、ヒンジピラーの車内方向への変形を抑制することが可能になる。
この発明の一実施態様においては、前記高強度部の傾斜部が、前記横面部の車内側周縁部の前端と後方側周縁部の車外側端とを結ぶ線に沿うように形成されたものである。
この構成によれば、傾斜部より車外側の、高強度部に設定されていない横面部の部位(非高強度部)が、後退する前輪によって圧縮変形する際のエネルギ吸収量と、ガセット全体の強度とのバランスを最適化することができる。その結果、ヒンジピラーの中で最も車内側に位置する、後方側周縁部の車内側端の部位が車内方向へ変形することを確実に抑制できる。
この発明の一実施態様においては、前記横面部は、略矩形状であり、前記高強度部が、前記横面部の車内側周縁部と、後方側周縁部と、前記車内側周縁部の前端と前記後方側周縁部の車外側端とを結ぶ対角線とで形成される三角形に略沿った形状であるものである。
この構成によれば、後退する前輪によって圧縮変形してエネルギ吸収に寄与させる領域以外、すなわち強度を確保したい領域全体を高強度部によって補強することができる。これにより、前輪を確実に車外方向に誘導することができる。
この発明の一実施態様においては、前記高強度部が、板状部材を前記横面部に接合することにより構成されたものである。
この構成によれば、例えば、横面部の一部を厚肉にしたり、強度を部分的に高く設定したりすることによって高強度部を一体形成する場合に比べ、簡易かつ製造容易な構造でありながら、ヒンジピラーが車内方向へ変形することを抑制する効果を得ることができる。
この発明の一実施態様においては、前記横面部は、車幅方向に延びるビードを有するとともに、前記板状部材は、前記ビードと平面視で重なる位置にビードを有しており、前記横面部および前記板状部材の各ビードの前端が、車両後方側ほど車外側に傾斜するように形成されたものである。
この構成によれば、各ビードによりエネルギ吸収量をさらに向上させつつ、各ビードを前輪の車両後方かつ車外方向への誘導にも寄与させることができる。
この発明によれば、車両のスモールオーバーラップ衝突によって後退する前輪がヒンジピラーに衝突した際、後退する前輪の荷重を縦面部によって受け止めた後、傾斜部より車外側の横面部を圧縮変形させてエネルギ吸収しつつ、前輪を傾斜部によって車外方向に誘導することができる。これにより、ヒンジピラーの車内方向への変形を抑制することが可能になる。
本発明の実施形態に係る車両の側部車体構造を示す側面図。 図1のA−A線矢視断面図。 図2の要部拡大図。 外板およびヒンジレインを取外した状態の要部斜視図。 上側補強部材および板状部材を示す斜視図。 板状部材の変形例を示す断面図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両Vの側部車体構造を示す側面図であり、図2は、図1のA−A線矢視断面図である。なお、図中、矢印Fは車両の前方、矢印OUTは車幅方向の外方を示している。
図1、図2に示すように、車両Vの車体前部の左右両端部(但し、図面では左端部のみを示す)には、上下方向に延びる車体剛性部材としてのヒンジピラー1が配設され、このヒンジピラー1の下端には、該ヒンジピラー1の下端から後方に向けて車両前後方向に延びるサイドシル2の前端が連結されている。このサイドシル2は車両前後方向に延びる車体剛性部材である。
さらに、上述のヒンジピラー1の上部には、その上端部から車両上方かつ後方に延びる車体剛性部材としてのフロントピラー3が連結されている。車両Vでは、これらヒンジピラー1、サイドシル2、フロントピラー3等により、前席乗員用の乗降空間4を形成している。
また、車両Vには、図2に示すように、エンジンルーム5と車室6とを車両前後方向に仕切ると共に、車幅方向に延びるダッシュパネル(ダッシュロアパネル)7が設けられている。
このダッシュパネル7は、上側の第1スラント部7Aと、下側の第2スラント部7Bと、ホイールハウスの一部を構成する両サイドのホイールアーチ部7Cとを一体または一体的に形成したものである。そして、ダッシュパネル7の車幅方向の左右両端部には、上述したヒンジピラー1が連結されている。
また、車両前部の左右両端では、図2に示すように、ダッシュパネル1の車幅方向両側部から左右一対のフロントサイドフレーム8(図面では左側のみを示す)が車両前方に向かって延設され、その前端部が、衝撃吸収部材としてのクラッシュカン9を介してバンパーレインフォースメント10に連結されている。このバンパーレインフォースメント10は、車幅方向に延設されており、左右一対のフロントサイドフレーム8の前端部同士を連結している。
また、フロントサイドフレーム8の車外側には、図1に示すように前輪Wが配設されており、この前輪Wは、図1、図2に示すようにヒンジピラー1の車両前方に配置されている。
図1〜図4に示すように、上述のヒンジピラー1は、ヒンジピラーインナ11と、ヒンジレイン12と、サイドフレームアウタ13Aとの各接合フランジ部をスポット溶接手段にて接合することによって、上下方向に延びるように形成したヒンジピラー閉断面14からなる車体剛性部材であり、上述のヒンジピラーインナ11、ヒンジレイン12、サイドフレームアウタ13Aは、平面視において、それぞれ断面ハット形状に形成されている。
図1〜図4に示すように、上述のサイドシル2は、サイドシルインナ21と、アウタレインフォースメント22と、サイドフレームアウタ13B等との各接合フランジ部をスポット溶接手段にて接合することによって、車両の前後方向に延びるように形成したサイドシル閉断面からなる車体剛性部材であり、上述のサイドシルインナ21、アウタレインフォースメント22、サイドフレームアウタ13B等は、背面視において、それぞれ断面ハット形状に形成されている。
また、ヒンジピラー1のヒンジピラーインナ11と、サイドシル2のサイドシルインナ21とは一体形成されている。また、ヒンジピラー1の外板を形成するサイドフレームアウタ13Aと、サイドシル2の外板を形成するサイドフレームアウタ13Bとの両者も、一体形成されたものである。
また、フロントピラー3は、図示しないフロントピラーインナと、フロントピラーレインと、サイドフレームアウタ13Cとの各接合フランジ部をスポット溶接手段にて接合することによって形成したフロントピラー閉断面からなる車体剛性部材であり、上述のフロントピラーインナ、フロントピラーレイン、サイドフレームアウタ13Cは、正面視において、それぞれ断面略ハット形状に形成されている。
そして、上述のサイドフレームアウタ13Cは、ヒンジピラー1およびサイドシル2の外板を形成するサイドフレームアウタ13A、13Bと一体形成されたものである。
ところで、本実施形態に係る車両Vは、図4に示すように、上述のヒンジピラー1の下部を補強する補強部材15を設けている。この補強部材15は、図1〜図5に示す上側補強部材16と、図4に示す下側補強部材17とから構成されている。
上側補強部材16は、図4に示すように、ボルト、ナットからなる複数の締結部材18で連結されるとともに、ヒンジピラー1内の車幅外側に配置されて、その下部がサイドシル2におけるアウタレインフォースメント22と連結されている。なお、図2、図3では、便宜上締結部材18の図示を省略している。
下側補強部材17は、サイドシル2におけるアウタレインフォースメント22と連結されており、この下側補強部材17は、図4に示すように、正面視でL字状に形成されている。
図1〜図5に示すように、補強部材15を構成する上側補強部材16は、ヒンジピラーインナ11の内面に締結固定される取付け片16aと、この取付け片16aの下端から車外側に略水平に延びる横面部としての上片16bと、この上片16bの車外側端から下方に延びて、ヒンジピラー閉断面14の内壁を構成するヒンジレイン12およびサイドシル2のアウタレインフォースメント22に接合される下片16cと、上述の上片16bの前後両端部から下方に向けて一体に折曲げ形成した折曲げ片16d、16eと、上述の下片16cの前後両端から車内側に向けて一体に折曲げ形成した折曲げ片16f、16gとを備えている。ここで、上述の下片16cがヒンジピラー1内の車外側に配置されるように形成している。
また、上側補強部材16の下片16cおよび前後の折曲げ片16f、16gは、ヒンジレイン12に接合され、上側補強部材16の下部における下片16cは、サイドシル2のアウタレインフォースメント22に接合されている。
また、上側補強部材16のうち、折曲げ片16fは、図1、図4に示すように、前輪Wと対向するように配設されており、この折曲げ片16fにより上側補強部材16の縦面部が構成されている。そして、図1に示すように、前輪Wの中心Oが、縦面部を構成する折曲げ片16fと車両側面視で車両上下方向に重なりを有するように配置されている。
また、上片16bは、略矩形状をなすとともに、その面上の車両前後方向中間部には、図3〜図5に示すように、上方に突出して車幅方向に延びるビード16hを有している。そして、このビード16hは、その前端が、図3に示すように、車両後方側ほど車外側に傾斜する仮想線L1に沿うように形成されている。
さらに、上片16bには、図1〜図5に示すように、金属製の板状部材30が接合されており、この板状部材30の接合により、上片16b上には、他よりも高い強度を有する高強度部が構成されている。
また、板状部材30は、車両後方側ほど車両外側に傾斜する傾斜部30aを有しており、この傾斜部30aは、図3に示すように、略矩形状をなす上片16bの車内側周縁部の前端と後方側周縁部の車外側端とを結ぶ対角線L2に沿うように形成されている。そして、板状部材30は、平面視で、上片16bの車内側周縁部と、後方側周縁部と、対角線L2とで形成される三角形に略沿った形状をなしている。
また、板状部材30は、図3〜図5に示すように、上片16bのビード16hと平面視で重なる位置にビード30bを有しており、このビード30bは、上片16bのビード16hと同様、上方に突出して車幅方向に延びるとともに、その前端が、上述した仮想線L1に沿うよう形成されている。
次に、図2および図3を参照して、本実施形態に係る車両Vがスモールオーバーラップ衝突した場合について説明する。図2は、本実施形態に係る車両Vがスモールオーバーラップ衝突した一例として、車幅方向に広がりを備えていない障害物であるポールPに車両前部左側が衝突した場合を示している。
図2では、ポールPが、バンパーレインフォースメント10の左側端部よりも車外側で車両Vと衝突しており、この場合、フロントサイドフレーム8やバンパーレインフォースメント10が潰れることなく、ポールPは、図中二点鎖線で示すように、前輪Wを後退させながら車室6側に接近する。
このようにして前輪Wが後退すると、前輪Wは、図2、図3に示すように、その車両後方に位置するヒンジピラー1に衝突する。このとき、ヒンジピラー1内では、前輪Wと対向するように配設された折曲げ片16fによって、後退する前輪Wの荷重を受け止める。
そして、前輪Wがさらに後退すると、上片16bのうち、傾斜部30aより車外側の、板状部材30が接合されていない(高強度部に設定されていない)部位(以下、この部位を非高強度部という)16iが圧縮変形することによって、衝突エネルギの一部を吸収する。これにより、ヒンジピラー1の中で最も車室6側に位置する、後方側周縁部の車内側端の部位(図2、図3にて破線で囲んだ部位)Xに入力される荷重が軽減され、部位Xの変形が抑制されることになる。
ここで、前輪Wがさらに後退して非高強度部16iがさらに圧縮変形すると、前輪Wは、板状部材30の傾斜部30aに接近することになるが、傾斜部30aよりも車内側の部位は、三角形に沿った形状をなす板状部材30の接合によって全体的に高強度部とされているため、上片16bの圧縮変形は、非高強度部16iと高強度部(板状部材30)との境界である傾斜部30aにて抑制される。これにより、前輪Wは、図2、図3に二点鎖線で示すように、傾斜部30aに沿って車両後方かつ車外方向に誘導されるようになっている。
このとき、前輪Wは、主に傾斜部30aの作用によって車両後方かつ車外方向に誘導されることになるが、各ビード16h、30bの前端が、上述のように仮想線L1に沿うように形成されていることで、各ビード16h、30bによりエネルギ吸収量をさらに向上させつつ、各ビード16h、30bを前輪Wの車両後方かつ車外方向への誘導にも寄与させることができる。
本実施形態では、上述したように、前輪Wと対向するように配設された折曲げ片16fを、前輪Wの中心と車両側面視で車両上下方向に重なりを有するように配置するとともに、上片16bにおいて、車両後方側ほど車外側に傾斜する傾斜部30aを有する板状部材30を設けたことにより、車両Vのスモールオーバーラップ衝突によって後退する前輪Wがヒンジピラー1に衝突した際、後退する前輪Wの荷重を折曲げ片16fによって受け止めた後、傾斜部30aより車外側の上片16b(非高強度部16i)を圧縮変形させてエネルギ吸収しつつ、前輪Wを傾斜部30aによって車外方向に誘導することができる。これにより、ヒンジピラー1の車内方向への変形を抑制することが可能になる。
ところで、傾斜部30aの位置に関し、これを上片16bの車内側周縁部の前端と後方側周縁部の車外側端とを結ぶ対角線L2よりも車内側に形成した場合を考えると、この場合、非高強度部16iの領域が広くなり、後退する前輪Wによって非高強度部16iが圧縮変形する際のエネルギ吸収量が増加することになるが、その反面、上側補強部材16全体としての強度が低下するため、結局は、前記部位Xの車内方向への変形を確実に抑制できない虞がある。
他方、傾斜部30aを対角線L2よりも車内側に形成した場合を考えると、この場合、非高強度部16iの領域が狭くなることで、前記エネルギ吸収量を十分に確保することができなくなる。このため、前記荷重が板状部材30を介して前記部位Xに伝達され易くなり、結局は、前記部位Xの車内方向への変形を確実に抑制できない虞がある。
そこで、本実施形態では、上述したように、傾斜部30aを対角線L2に沿うように形成している。これにより、前記エネルギ吸収量と、上側補強部材16全体の強度とのバランスを最適化することができ、その結果、前記部位Xが車内方向へ変形することを確実に抑制できる。
また、高強度部としての板状部材30を、上片16bの車内側周縁部と、後方側周縁部と、対角線L2とで形成される三角形に略沿った形状とすることで、後退する前輪Wによって圧縮変形してエネルギ吸収に寄与させる領域(非高強度部16i)以外、すなわち強度を確保したい領域全体を板状部材30によって補強することができる。これにより、前輪Wを確実に車外方向に誘導することができる。
また、板状部材30を上片16bに接合して高強度部を構成することで、例えば、上片16bの一部を厚肉にしたり、強度を部分的に高く設定したりすることによって高強度部を一体形成する場合に比べ、簡易かつ製造容易な構造でありながら、ヒンジピラー1が車内方向へ変形することを抑制する効果を得ることができる。
また、上片16bおよび板状部材30の各ビード16h、30bの前端を、車両後方側ほど車両外側に傾斜するように形成することで、各ビード16h、30bによりエネルギ吸収量をさらに向上させつつ、各ビード16h、30bを前輪Wの車両後方かつ車外方向への誘導にも寄与させることができる。
図6は、板状部材の変形例を示しており、図6(a)に示す板状部材130は、対角線L2に沿った線状をなしている。また、図6(b)に示す板状部材230は、平面視で、上片16bの車内側周縁部の前部と、後方側周縁部の車外側部と、対角線L2と、該対角線L2に略平行な車内側の辺部とで形成される台形に略沿った形状をなしている。
図6に示す板状部材130、230であっても、各傾斜部130a、230aによって、図1〜図5に示す先の実施形態と同様、前輪Wを車外方向に誘導することができ、これによって、ヒンジピラー1の車内方向への変形を抑制することが可能になる。
また、各板状部材130、230は、ビード30bに対応するビード130b、230bを有しており、このビード130b、230bによって、エネルギ吸収量をさらに向上させつつ、各ビード130b、203bを前輪Wの車両後方かつ車外方向への誘導にも寄与させることができる。なお、図6において、図1〜図5に示す先の実施形態と同様の構成要素については、同一の号を付して説明を省略する。
ところで、上述した各実施形態では、上側補強部材16の上片16に板状部材30、130、230を接合することによって、高強度部を設けることとしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、上述したように、上片16bの一部を厚肉にしたり、強度を部分的に高く設定したりすることによって高強度部を一体形成するようにしてもよい。
また、図1〜図5に示す先の実施形態では、車両前部左側が車幅方向に広がりを備えていない障害物に衝突した例として、車両前部左側がポールPに衝突した場合について説明したが、車幅方向に広がりを備えていない障害物であれば、必ずしもポールPに限定されるものではない。
例えば、車幅方向に広がりを備えていない障害物を、自動車道の中央分離帯や、ガードレールの端部、ブロック塀等としてもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のガセットは、上側補強部材16に対応し、
縦面部は、折曲げ片16fに対応し、
横面部は、上片16bに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
1…ヒンジピラー
2…サイドシル
14…ヒンジピラー閉断面
16…上側補強部材
16b…上片(横面部)
16f…折曲げ片(縦面部)
16h…ビード
30、130、230…板状部材
30a、130a、230a…傾斜部
30b、130b、230b…ビード
W…前輪

Claims (5)

  1. 車体前部の側部で上下方向に延びる閉断面からなるヒンジピラーと、
    前記閉断面の内壁に接合されたガセットと、
    前記ヒンジピラーの下端に前端が連結されて、車両前後方向に延びるサイドシルと、
    前記ヒンジピラーの車両前方に配置される前輪とを備えた車両の側部車体構造であって、
    前記ガセットが、前記前輪と対向するように配設された縦面部と、
    略水平に延びる横面部とを有するとともに、
    前記前輪の中心が、車両側面視で前記縦面部と車両上下方向に重なりを有し、
    前記横面部には、車両後方側ほど車外側に傾斜する傾斜部を有し、当該横面部単体に対して強度が高い高強度部が設けられた
    車両の側部車体構造。
  2. 前記高強度部の傾斜部が、前記横面部の車内側周縁部の前端と後方側周縁部の車外側端とを結ぶ線に沿うように形成された
    請求項1記載の車両の側部車体構造。
  3. 前記横面部は、略矩形状であり、
    前記高強度部が、前記横面部の車内側周縁部と、後方側周縁部と、前記車内側周縁部の前端と前記後方側周縁部の車外側端とを結ぶ対角線とで形成される三角形に略沿った形状である
    請求項1または2記載の車両の側部車体構造。
  4. 前記高強度部が、板状部材を前記横面部に接合することにより構成された
    請求項1〜3のれか一項に記載の車両の側部車体構造。
  5. 前記横面部は、車幅方向に延びるビードを有するとともに、
    前記板状部材は、前記ビードと平面視で重なる位置にビードを有しており、
    前記横面部及び前記板状部材の各ビードの前端が、車両後方側ほど車外側に傾斜するように形成された
    請求項4記載の車両の側部車体構造。
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