(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る搬送装置及び画像形成装置の一例について説明する。
(全体構成)
図1には、第1実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。なお、X方向、−X方向、Y方向、−Y方向、Z方向、−Z方向は、図中に示す矢印方向である。そして、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、奥から手前へ向かう矢印を意味する。また、画像形成装置10をユーザー(図示省略)が立つ側から正面視して、X方向は右方向、−X方向は左方向、Y方向は上方向、−Y方向は下方向、Z方向は奥行き方向、−Z方向は手前方向に相当している。
画像形成装置10は、カバー部材(図示省略)が外部に取り付けられるとともに内部に各構成部品が設けられる装置本体10Aを有している。また、画像形成装置10は、記録媒体の一例としての記録用紙Pが収容される用紙収容部22と、記録用紙Pに画像を形成する画像形成部24と、用紙収容部22から画像形成部24へ記録用紙Pを搬送する搬送部26と、画像形成部24で形成された画像を記録用紙Pに定着する定着装置60と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、搬送部26に含められ詳細を後述する搬送装置の一例としての位置合せユニット100と、を有している。
画像形成部24は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像剤像(以後、トナー画像という)を形成する画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kと、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kで形成されたトナー画像が転写される転写手段の一例としての中間転写ベルト34と、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に転写する転写手段の一例としての一次転写ロール36と、一次転写ロール36によって中間転写ベルト34に転写されたトナー画像を中間転写ベルト34から記録用紙Pへ転写する転写手段の一例としての二次転写ロール38と、を有している。なお、画像形成部24は、上記の構成に限定されず他の構成であっても良く、記録用紙Pに画像を形成するものであればよい。
画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、Z方向に対して傾斜した状態で、装置本体10A内に並んで配置されている。また、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、一方向(一例として図1における時計回り方向)へ回転する感光体31をそれぞれ有している。なお、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、同様の構成となっている。このため、図1では、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kを構成する各部材の符号について、Y、M、C、Kの記載を省略している。また、以後の説明では、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、符号のY、M、C、Kを省略して記載することがある。
感光体31は、導電性の支持体の表面に感光層を設けた構成とされており、静電潜像(潜像の一例)を保持するとともに予め設定された回転速度で回転するようになっている。そして、各感光体31の周囲には、感光体31の回転方向の上流側から順に、感光体31を帯電させる帯電ロール33と、帯電ロール33によって帯電した感光体31の外周面を露光する露光装置42と、露光装置42の露光で感光体31に形成された静電潜像を現像してトナー画像(図示省略)を形成する現像手段の一例としての現像装置44と、トナー画像を一次転写した後の感光体31の外周面を清掃するクリーニングユニット45と、が設けられている。
帯電ロール33は、一例として、導電性のシャフト(図示省略)の周囲に導電性の弾性体層が形成された構成となっており、電圧印加部(図示省略)からシャフトに放電可能となる電圧が印加されることで、接地された感光体31との間の電位差により放電が行われ、感光体31の外周面を一例として負極性に帯電させる。
露光装置42は、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kの斜め下方に設けられており、帯電ロール33によって帯電した感光体31の外周面を露光して静電潜像を形成する。詳細には、露光装置42は、4つの画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kに共通に構成された、4つの半導体レーザ(図示省略)が設けられており、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが、階調データに応じて出射されるようになっている。
半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、シリンドリカルレンズ(図示省略)を介して回転多面鏡であるポリゴンミラー42Aに照射され、ポリゴンミラー42Aによって偏向走査される。そして、ポリゴンミラー42Aによって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、結像レンズ及び複数枚のミラー(図示省略)を通り、ガラス製のウインドウ43Y、43M、43C、43Kを介して、感光体31上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光されるようになっている。なお、感光体31上の静電潜像は、制御部20から送られた画像信号に基づいて形成される。そして、制御部20から送られる画像信号は、一例として、制御部20が外部装置から取得した画像信号である。
現像装置44は、回転可能に設けられ感光体31へ現像剤(一例として、トナー)を供給する現像ロール44Aと、現像ロール44Aへ付与される現像剤を攪拌しながら循環搬送する複数の搬送部材44Bと、を有している。
クリーニングユニット45は、クリーニングブレード45Aを有しており、クリーニングブレード45Aの先端が感光体31の外周面と接触している。これにより、感光体31の外周面に付着している転写後の残留トナーや紙粉などを掻き取るようになっている。
なお、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ筐体(図示省略)内に感光体31、帯電ロール33、現像装置44、及びクリーニングユニット45が設けられており、これらが装置本体10Aに対して一体となって装着され、又は装置本体10Aから取り外し(離脱)されるようになっている。
一方、中間転写ベルト34は、無端状(環状)に形成されると共に、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kの上側(Y方向側)に回転可能に配置されている。中間転写ベルト34の内側には、中間転写ベルト34が巻き掛けられる巻掛ロール52、53、54、及び張力付与ロール55がX方向を軸方向として回転可能に設けられている。そして、中間転写ベルト34は、巻掛ロール52、53、54、及び張力付与ロール55のいずれかが回転駆動されることによって、感光体31と接触しながら一方向(一例として、図1における反時計回り方向(矢印A方向))へ循環移動(回転)するようになっている。なお、巻掛ロール52は、二次転写ロール38と対向する対向ロールとされている。
また、中間転写ベルト34を間にして巻掛ロール53と対向する位置には、二次転写後の中間転写ベルト34の外周面に付着した残留トナーや紙粉などを清掃するクリーニングユニット57が設けられている。クリーニングユニット57は、クリーニングブレード57Aを有しており、クリーニングブレード57Aの先端が中間転写ベルト34の外周面と接触している。これにより、中間転写ベルト34の外周面に付着している残留トナーや紙粉などを掻き取るようになっている。
一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んで感光体31に対向している。そして、一次転写ロール36と感光体31との間が、感光体31に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写される一次転写位置とされている。また、一次転写ロール36には、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されるようになっており、接地された感光体31と電圧が印加された一次転写ロール36との間の電位差により、トナー画像が感光体31から中間転写ベルト34上へ一次転写される構成となっている。
二次転写ロール38は、中間転写ベルト34を挟んで巻掛ロール52に対向している。そして、二次転写ロール38と巻掛ロール52との間が、中間転写ベルト34に転写されたトナー画像が記録用紙Pに転写される二次転写位置とされている。また、二次転写ロール38には、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されるようになっており、接地された巻掛ロール52と電圧が印加された二次転写ロール38との間の電位差により、トナー画像が中間転写ベルト34上から記録用紙P上へ二次転写される構成となっている。
搬送部26は、用紙収容部22に収容された記録用紙Pを送り出す送出ロール56と、送出ロール56により送り出された記録用紙Pが搬送される搬送経路58と、搬送経路58に沿って配置された搬送ロール59と、搬送経路58における搬送ロール59よりも下流側で且つ二次転写位置よりも上流側に配置された後述する位置合せユニット100と、を有している。
搬送経路58は、用紙収容部22から二次転写位置を経て、装置本体10Aの上部に設けられた排出部17まで延びている。そして、位置合せユニット100における後述する搬送手段の一例としての位置合せロール対104は、中間転写ベルト34上に形成されたトナー画像が二次転写位置へ到達するタイミングに合わせて、記録用紙Pを二次転写位置へ搬送するようになっている。また、搬送経路58における二次転写位置よりも下流側の位置には、画像形成部24によって記録用紙Pに形成されたトナー画像を記録用紙Pに定着させる定着装置60が設けられている。
定着装置60は、内部に熱源(一例としてハロゲンランプ)を有する加熱ロール60Aと、加熱ロール60Aとともに記録用紙Pを挟んで加圧する加圧ロール60Bと、を有している。加熱ロール60Aは、搬送経路58に対して中間転写ベルト34側に設けられている。そして、搬送経路58における定着装置60よりも下流側の位置には、トナー画像が定着された記録用紙Pを排出部17へ排出する排出ロール62が設けられている。
一方、装置本体10A内には、表面にトナー画像が定着された記録用紙Pを反転させて、再び二次転写位置へ搬送するための反転搬送路64が、搬送経路58に対する中間転写ベルト34側とは反対側に設けられている。反転搬送路64には、搬送ロール65が設けられている。そして、記録用紙Pの両面に画像を形成する場合には、表面にトナー画像が定着された記録用紙Pが、排出ロール62の逆回転によりスイッチバックされて反転搬送路64内に導かれ、位置合せロール対104を経由して二次転写位置へ搬送されるようになっている。これにより、裏面(両面)の画像形成が行われる。
また、装置本体10A内の−Z方向側には、各現像装置44へ供給する各色に対応したトナーを補給するためのトナーカートリッジ装着部70が設けられている。トナーカートリッジ装着部70は、内部がY方向に沿って4段に区切られており、各色のトナーカートリッジが−X方向に装着され又はX方向に離脱されるようになっている。
さらに、装置本体10A内には、搬送経路58に沿って搬送される記録用紙Pを位置合せロール対104に案内するガイド部材72と、反転搬送路64に沿って搬送される記録用紙Pを位置合せロール対104に案内するガイド部材74と、位置合せロール対104によって二次転写位置へ搬送される記録用紙Pの一方の面(トナー画像が転写されない側の面)を支持する第1ガイド部材76と、二次転写ロールによって定着装置60へ搬送される記録用紙Pの一方の面を支持する第2ガイド部材78と、が設けられている。
(画像形成動作)
次に、画像形成装置10の画像形成動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10では、用紙収容部22から送出ロール56によって送り出された記録用紙Pが、搬送ロール59で搬送され、位置合せユニット100の位置合せロール対104によって二次転写位置へ送り込まれる。
一方、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kでは、帯電ロール33によって帯電した感光体31が露光装置42によって露光され、感光体31に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置44によって現像され、感光体31にトナー画像が形成される。そして、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kで形成された各色のトナー画像は、一次転写位置にて中間転写ベルト34上に重ねられ、カラー画像が形成される。このカラー画像は、二次転写位置にて記録用紙Pへ転写される。
トナー(カラー)画像が転写された記録用紙Pは、定着装置60へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置60により定着される。なお、記録用紙Pの表面(片面)のみにトナー画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録用紙Pが排出ロール62により排出部17へ排出される。一方、記録用紙Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録用紙Pが、排出ロール62でスイッチバックされ反転して反転搬送路64へ送り込まれる。さらに、記録用紙Pは、反転搬送路64から再び二次転写位置へ送り込まれ、画像が記録されていない反対面(裏面)に上記と同様の工程でトナー画像が形成され、排出ロール62により排出部17へ排出される。このようにして、一連の画像形成動作が行われる。
(要部構成)
次に、位置合せユニット100について説明する。
図2及び図3に示すように、位置合せユニット100は、ユニット本体102と、搬送される記録用紙Pの先端部を停止させて搬送位置を合わせると共に傾き調整する位置合せロール対104と、案内部材の一例としての用紙ガイド部材110と、を有している。
ユニット本体102は、X方向を長手方向とする本体中央部102Aと、本体中央部102Aの−X方向側の端部でY方向に直立する側壁部102Bと、本体中央部102AのX方向側の端部でY方向に直立する側壁部102Cと、を有している。そして、ユニット本体102は、側壁部102B、102Cがブラケット等(図示省略)を介して装置本体10Aに取り付けられ、支持されている。
側壁部102BのY方向上端には、X−Z面に沿った平坦部102Dが形成されており、平坦部102D上には、用紙ガイド部材110の−X方向側の端部が取り付けられる取付部103が形成されている。また、側壁部102CのY方向上端には、X−Z面に沿った平坦部102Eが形成されており、平坦部102D上には、用紙ガイド部材110のX方向側の端部が取り付けられる取付部109が形成されている。
取付部103は、ユニット本体102を−Y方向に見て、X方向側が開放されたコ字状の壁部103Aを有しており、壁部103Aには、−X方向に貫通した貫通孔103Bが形成されている。そして、壁部103Aの凹部の間隔は、用紙ガイド部材110の後述する第1取付部114(図3参照)を挿入可能な大きさとなっている。
また、取付部109は、Z方向に間隔をあけて対向配置されると共にY方向に直立した板状の1組の支持壁部109A、109B(図7参照)で構成されており、支持壁部109Aと支持壁部109Bとの間隔は、用紙ガイド部材110の後述する第2取付部116(図7参照)を挿入可能な大きさとなっている。
図6に示すように、ユニット本体102のX方向中央には、Y方向に直立した支持部102Fが設けられている。そして、支持部102FのY方向上端には、Y方向に開口した凹部102Hが形成されている。凹部102Hは、X−Z面に沿った底面102Iと、底面102Iの−Z方向端部でY方向に直立した前壁102Jと、底面102IのZ方向端部でY方向に直立した後壁102Kとで構成されている。
図3に示すように、ユニット本体102のX方向中央で且つY方向上部には、支持部102FからY方向に突出した凸部102Gが設けられている。凸部102Gは、後述する用紙ガイド部材110の凹部120AにY方向に挿入されることで、用紙ガイド部材110を支持するようになっている。また、ユニット本体102の−Y方向側(下側)には、X方向を軸方向とする給紙コロ107が回転可能に設けられている。給紙コロ107は、搬送経路58(図1参照)における搬送ロール59と位置合せロール対104との間に配置されている。なお、図1では給紙コロ107の図示を省略している。
搬送経路58(図1参照)における給紙コロ107と位置合せロール対104との間には、位置合せロール対104に搬送される記録用紙Pの先端位置を検知する位置検知センサ108が設けられている。位置検知センサ108は、一例として、発光部及び受光部(図示省略)を有する光学式のセンサであり、発光部から出射された光が記録用紙Pにより遮断されることで記録用紙Pの先端位置を検知し、制御部20へ検知信号を出力するようになっている。
図2に示すように、位置合せロール対104は、X方向を軸方向としてユニット本体102に回転可能に設けられた1組の回転部材の一例としての駆動ロール105(一方の回転部材の一例)及び押付ロール106(他方の回転部材の一例)で構成されている。
駆動ロール105は、X方向を軸方向とする円柱状のシャフト105Aと、シャフト105Aの外周面に径方向を厚み方向として形成されたゴム部105Bと、を有している。
シャフト105Aは、一例として、ステンレス製で円柱状に形成されている。また、シャフト105Aは、X、−X方向端部(両端部)がユニット本体102に設けられたベアリング(図示省略)により回転可能に支持されており、−X方向端部に駆動ギヤ(図示省略)が取り付けられている。そして、シャフト105Aは、駆動ギヤがモータ(図示省略)で駆動されることにより回転するようになっている。
ゴム部105Bは、一例として、ウレタンゴム製で円筒状に形成されており、中央の孔部(図示省略)にシャフト105Aが挿入されている。また、ゴム部105Bは、X方向に間隔をあけて4つ設けられている。
図6に示すように、押付ロール106は、一例として、X方向を軸方向とする円柱状のシャフト106Aと、シャフト106Aの外周面に径方向を厚み方向として形成された環状部106Bと、環状部106Bの外周面から径方向に突出した板状の支持部106Cと、円筒状で支持部106Cにより内周側が支持された筒部106Dと、を有している。
シャフト106Aは、一例として、ステンレス製で円柱状に形成されている。また、シャフト106Aは、シャフト105Aとほぼ同径となっており、X、−X方向端部(両端部)がユニット本体102に設けられたベアリング(図示省略)により回転可能に支持されている。なお、ベアリングは、ユニット本体102の長孔(図示省略)により付勢方向(押付方向)に移動可能となっている。そして、シャフト106Aは、シャフト105Aへ向けてばね部材(図示省略)により付勢されて(押し付けられて)いる。
環状部106B、支持部106C、及び筒部106Dは、一例として、ポリアセタール(樹脂)製で一体成型されている。そして、支持部106C及び筒部106Dは、シャフト106AのX方向に間隔をあけてゴム部105Bと対向する位置に4つ設けられている。筒部106Dの外径は、ゴム部105Bの外径とほぼ同径とされている。
ここで、既述のようにシャフト106Aがシャフト105Aへ付勢されていることにより、記録用紙Pが無い状態においてゴム部105Bの外周面と筒部106Dの外周面とが接触して形成されるニップ部Nに押付力Fが付与されている。そして、一方の駆動ロール105が他方の押付ロール106の押付力Fによってユニット本体102に向けて押し付けられた状態で、設定されたタイミングで駆動ロール105及び押付ロール106が回転することで、記録用紙Pを挟んで搬送するようになっている。
図4及び図5(A)、(B)に示すように、用紙ガイド部材110は、X方向を長手方向とする第1案内部112と、第1案内部112の−X方向端部に設けられた第1取付部114と、第1案内部112のX方向端部に設けられた第2取付部116と、第1案内部112のY方向上側に設けられた第2案内部118と、第1案内部112のX方向中央で−Y方向に突出した受部の一例としての第3取付部120と、を有している。
第1案内部112は、X−Y面に沿って直立する板状の壁部112Aと、壁部112Aの−Y方向端部(下端部)から−Y方向に向けてZ方向に傾斜した傾斜部112Bと、を有している。また、第1案内部112のZ方向側(記録用紙Pが搬送される側)の面には、X方向に間隔をあけて複数(一例として14箇所)の突出部の一例としてのリブ113が形成されている。
複数のリブ113は、壁部112Aの上端から傾斜部112Bの下端まで、壁部112A及び傾斜部112Bの表面に沿った形状でZ方向側へ突出している。また、複数のリブ113は、Y方向全体でZ方向の端面の位置(図5(A)に一点鎖線M1で図示)が揃えられている。さらに、複数のリブ113は、X方向中央の配置間隔が両端の配置間隔よりも短くなっている。
第1取付部114は、X−Z面に沿った板状部であり、−Y方向の端部(下端部)における−X方向の端部から−X方向へ向けて、第1凸部114Aが突出されている。第1凸部114Aの大きさは、既述の取付部103の貫通孔103B(図3参照)に挿入可能な大きさとなっている。
第2取付部116は、X−Z面に沿った板状部であり、−Y方向の端部(下端部)におけるX方向の端部からX方向へ向けて、第2凸部116Aが突出されている。第2凸部116Aの大きさは、後述の取付部材140(図3参照)によって固定可能な寸法形状となっている。
図5(B)に示すように、第2案内部118は、記録用紙Pの搬送方向(ここではY方向に相当)に対して交差する幅方向(X方向に相当)の両端部における該搬送方向の下流側端部(ここではY方向上端部に相当)が、該X方向の中央部におけるY方向の上端部よりも、Y方向の上側に位置している。つまり、第2案内部118は、X方向両端部のY方向高さが、X方向中央部のY方向高さよりも高くなっており、全体が円弧状に形成されている。
また、図5(A)に示すように、第2案内部118は、X方向の両端部が、X方向の中央部よりも記録用紙P(搬送経路58(一点鎖線M))に近づいている。なお、第2案内部118のZ方向側の側面には、矩形で且つ透明なフィルム状のマイラ119が接着されている。マイラ119は、一例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられている。
図5(B)に示すように、第3取付部120は、Z方向に厚みを有する板状部であり、X方向中央で且つ−Y方向端部(下端部)からY方向へ窪んだ凹部120Aが形成されている。凹部120Aの大きさは、ユニット本体102の凸部102G(図3参照)が挿入されて接触する大きさとなっている。
図6に示すように、ユニット本体102の凹部102Hには、用紙ガイド部材110の第3取付部120、中間部材130、及び駆動ロール105のシャフト105Aが組まれた状態で取り付けられている。即ち、第3取付部120とシャフト105Aとの間には、中間部材130が設けられている(介在している)。
中間部材130は、−Y方向に見て−Z方向側が開放されたコ字状に形成されており、第3取付部120のZ方向側、X方向側、及び−X方向側を囲むように取り付けられている。また、中間部材130は、一例として、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)で構成されており、中間部材130のZ方向側の面には、シャフト105Aの外周面と接触する縁部が円弧状の凹溝部130Aが形成されている。
図7に示すように、装置本体10Aには、側壁部102Cに隣接する部位に直方体状の被取付部13が設けられている。被取付部13のY方向上部には、Y方向に開口した係合穴13A及び締結穴13Bが、Z方向に間隔をあけて形成されている。そして、被取付部13には、用紙ガイド部材110を装置本体10Aに対して位置決め(及び固定)するための取付部材140が取り付けられるようになっている。
取付部材140は、被取付部13のY方向側の表面を覆う大きさの直方体状の取付部142を有している。取付部142には、Y方向に貫通しネジ144を挿入可能な孔径の貫通孔146と、−X方向側の側面から−X方向へ突出した固定部148と、−Y方向側の底面から−Y方向へ突出したボス149と、が形成されている。ボス149は、係合穴13Aの穴壁と係合(接触)可能な大きさとなっており、ネジ144は、締結穴13Bの穴壁に締結可能な大きさとなっている。
(作用)
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図3に示すように、装置本体10A内に位置合せユニット100のユニット本体102を取り付けた後、装置本体10A内に用紙ガイド部材110を−X方向から挿入する。そして、用紙ガイド部材110の第1凸部114Aを貫通孔103Bに挿入し、第2取付部116を1組の支持壁部109A、109B(図7参照)に挿入すると共に、凹部120Aにユニット本体102の凸部102Gを挿入する。
ここで、図6に示すように、駆動ロール105のシャフト105Aに中間部材130の凹溝部130Aが接触した状態で、用紙ガイド部材110の第3取付部120が、ユニット本体102の凹部102Hに挿入される。このとき、駆動ロール105には、押付ロール106からの押付力Fが作用しているため、シャフト105Aから中間部材130を介して第3取付部120へ押付力Fが作用する。これにより、第3取付部120が、ユニット本体102の前壁102Jに押付けられ、用紙ガイド部材110のX方向中央部が、−Z方向で位置決めされる。なお、シャフト105Aは、第3取付部120が前壁102Jに押付けられることにより生じる反力で支持されるため、−Z方向の撓みが抑制される。さらに、Y方向及び−Y方向の撓みも抑制される。
このようにして、図3に示すように、平坦部102D上に第1取付部114、平坦部102E上に第2取付部116がそれぞれ配置され、ユニット本体102に対して用紙ガイド部材110が位置決めされ、支持される。即ち、用紙ガイド部材110のX方向両端部がユニット本体102に支持され、両端部の間が駆動ロール105の押付力Fでユニット本体102に位置決めされる。
続いて、図7に示すように、被取付部13の係合穴13Aに取付部材140のボス149を挿入して係合させた状態で、締結穴13Bにネジ144を締結する。これにより、用紙ガイド部材110は、第2取付部116の第2凸部116Aが平坦部102Eと固定部148とで挟まれ、Y方向で位置決めされると共に、第2取付部116のX方向側の端面が固定部148の−X方向側の端面と接触して、X方向で位置決めされる。
このように、位置合せユニット100では、ユニット本体102に用紙ガイド部材110を取り付けるとき、駆動ロール105への押付力Fを用いて用紙ガイド部材110を位置決めする構造となっているので、専用の取付部材を別途設けなくて済み、用紙ガイド部材110の取り付けが簡単な構成で行われる。
また、位置合せユニット100において、用紙ガイド部材110は、X方向両端部がユニット本体102で支持され、X方向両端部の間の一部分が押付ロール106の押付力Fでユニット本体102に位置決めされるので、用紙ガイド部材110の位置合せユニット100内での配置状態が維持され、変形が抑制される。
さらに、位置合せユニット100では、位置合せロール対104の回転により中間部材130が摩耗しても、中間部材130のみを交換すればよいので、用紙ガイド部材110を交換しなくて済む。
続いて、図1に示す画像形成装置10(図1参照)において、位置合せロール対104から二次転写ロール38まで記録用紙Pが設定方向(ここではY方向とする)に搬送されているとき、記録用紙Pは、第1ガイド部材76に沿ってY方向の一部が−Z方向に湾曲する(ループが形成される)。
ここで、図8(A)に示すように、用紙ガイド部材110周辺を−X方向に見て、記録用紙Pの搬送途中では、記録用紙Pの湾曲部PAが用紙ガイド部材110の第2案内部118(マイラ119)と接触する場合がある。
このとき、図5(B)に示すように、第2案内部118のX方向両端部が、両端部の間にある部位(中央部含む)よりもY方向に高く、記録用紙Pとの接触可能面積が広くなっているので、記録用紙Pは、用紙ガイド部材110におけるX方向両端部の間の剛性の低い部位よりも先に、剛性の高い両端部と接触することになる。これにより、用紙ガイド部材110が記録用紙Pの湾曲部PAから受ける押付力が強くても、用紙ガイド部材110の変形が抑制される。
さらに、図8(B)、(C)に示すように、第2案内部118及びマイラ119は、X方向両端部(点P1、P2で示す)が、両端部の間の部位(中央部含み、一例として点P3で示す)よりも記録用紙Pに近づいているので、記録用紙Pが中央部よりも先に剛性の高い両端部に接触することになり、記録用紙Pを案内しているときの用紙ガイド部材110の変形が抑制される。
加えて、図1に示す画像形成装置10では、位置合せロール対104と二次転写ロール38との間に用紙ガイド部材110が設けられ、且つ用紙ガイド部材110の変形が抑制されているので、用紙ガイド部材110と中間転写ベルト34との接触が防止される。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る搬送装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図9(A)、(B)には、第1実施形態の位置合せユニット100(図2参照)において、用紙ガイド部材110(図2参照)に換えて設けられた第2実施形態の案内部材の一例としての用紙ガイド部材150が示されている。
用紙ガイド部材150は、用紙ガイド部材110のリブ113(図2参照)に換えて、第1案内部112のZ方向側の面にX方向に間隔をあけて複数(一例として14箇所)の突出部の一例としてのリブ152が形成された構成となっている。なお、用紙ガイド部材150は、リブ152を除いて用紙ガイド部材110(図2参照)と同様の構成であるため、他の構成の説明は省略する。
複数のリブ152は、壁部112Aの上端から傾斜部112Bの下端まで、壁部112A及び傾斜部112Bの表面に沿った形状でZ方向側へ突出している。また、複数のリブ152は、Z方向の端面の位置(図9(A)に一点鎖線M2で図示)が、X方向の中央で−Z方向側に凸となっている。即ち、複数のリブ152は、Z方向の長さが異なっており、記録用紙Pの搬送経路58(図1参照)と対向する側の中央部が両端部よりも搬送経路58から離れている。さらに、複数のリブ152は、X方向中央の配置間隔が両端の配置間隔よりも短くなっている。
(作用)
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図1に示す画像形成装置10において、位置合せロール対104から二次転写ロール38まで記録用紙Pが設定方向(ここではY方向とする)に搬送されているとき、記録用紙Pは、第1ガイド部材76に沿ってY方向の一部が−Z方向に湾曲する(ループが形成される)。
ここで、一例として記録用紙Pが厚紙であり、且つ記録用紙Pの後端(−Y方向端部)が位置合せロール対104を抜けたとき、図10(A)に示すように、用紙ガイド部材150周辺を−X方向に見て、記録用紙Pの搬送途中では、記録用紙Pの後端PBが用紙ガイド部材150のリブ152と接触する場合がある。
このとき、図10(B)に示すように、X方向両端部のリブ152が、両端部の間にある部位(中央部含む)のリブ152よりもZ方向に突出しており、記録用紙Pに近い位置にあるので、記録用紙Pは、距離が近いX方向両端部のリブ152に接触した後、X方向中央部が撓んで、X方向中央部のリブ152と接触することになる。即ち、記録用紙Pが、X方向両端部、中央部の順でリブ152と接触するので、記録用紙PがX方向両端部及び中央部で同じタイミングでリブと接触する構成に比べて、1枚の記録用紙Pの後端が位置合せロール対104を抜けたときの記録用紙Pと用紙ガイド部材150との接触により生じる音が低減される。
また、用紙ガイド部材150では、複数のリブ152をX方向に間隔をあけて形成しているので、X方向全体で1つの湾曲面を形成する構成に比べて、記録用紙Pと用紙ガイド部材150との接触面積が減ると共に、記録用紙Pと用紙ガイド部材150との接触により生じる音が低減される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
用紙ガイド部材110、150は、X方向の両端部の間の部位で中央部の1箇所だけでなく、2箇所以上の複数箇所において、位置合せロール対104の押付力Fにより位置決め(固定)されるものであってもよい。
また、両端部がユニット本体102で支持されず、両端部の間の部位が複数箇所でユニット本体102により支持される構成であってもよい。
さらに、用紙ガイド部材110、150は、X方向側の端部が装置本体10A側の取付部材140で位置決め(固定)されるものに限らず、ユニット本体102に直接、位置決め(固定)される構成であってもよい。
加えて、用紙ガイド部材110、150は、ユニット本体102への取り付けを簡単に行うことのみを目的とする場合は、第2案内部118及びマイラ119がX方向に対してY方向の高さが同じ矩形状に形成されていてもよい。
また、駆動ロール105(シャフト105A)の回転によるシャフト105Aの受け部分の摩耗量が少ない場合は、中間部材130を第3取付部120と一体化させてもよい。